(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記点数算出手段は、敵勢力の存在及び土地の開け度合いを加点要素とし、土地の遮蔽度合いを減点要素として、前記複数の格子それぞれの前記点数を算出することを特徴とする請求項1に記載の飛行経路探索装置。
前記探索手段は、前記移動開始位置から前記到着目標位置までの経路のうち、前記点数の総和が最小となる複数の格子の連なりを前記最適飛行経路とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の飛行経路探索装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の飛行経路探索装置は、そもそも戦闘用の航空機への適用を想定したものではなく、敵勢力からの攻撃に関する安全性などは考慮していない。そのため、当該特許文献1に記載の飛行経路探索装置では、敵勢力からの攻撃を回避しつつ速やかに目標地点に到達できるといった、戦闘用の航空機に求められる最適な飛行経路を探索することができない。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、戦闘用の航空機における最適な飛行経路を探索することができる飛行経路探索装置及び飛行経路探索プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
戦闘用の航空機における移動開始位置から到着目標位置までの飛行経路を探索する飛行経路探索装置であって、
所定範囲の地図情報及び敵勢力範囲情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記地図情報を水平面内で複数の格子に分割する格子分割手段と、
前記記憶手段に記憶された前記地図情報及び前記敵勢力範囲情報に基づいて、前記複数の格子それぞれの攻撃回避度合いに関する点数を算出する点数算出手段と、
前記点数算出手段で算出された前記複数の格子の各点数に基づいて、前記移動開始位置から前記到着目標位置までの最適飛行経路を探索する探索手段と、
前記探索手段で探索された前記最適飛行経路を移動するときの移動時間及び所要燃料量を算出するとともに、当該移動時間及び当該所要燃料量に基づいて前記到着目標位置における戦闘可能時間を算出する戦闘時間算出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の飛行経路探索装置において、
前記点数算出手段は、敵勢力の存在及び土地の開け度合いを加点要素とし、土地の遮蔽度合いを減点要素として、前記複数の格子それぞれの前記点数を算出することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の飛行経路探索装置において、
前記探索手段は、前記移動開始位置から前記到着目標位置までの経路のうち、前記点数の総和が最小となる複数の格子の連なりを前記最適飛行経路とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、
コンピュータに、戦闘用の航空機における移動開始位置から到着目標位置までの飛行経路を探索する飛行経路探索処理を実行させる飛行経路探索プログラムであって、
所定範囲の地図情報及び敵勢力範囲情報を記憶する記憶手段を備える前記コンピュータ
を、
前記記憶手段に記憶された前記地図情報を水平面内で複数の格子に分割する格子分割
手段と、
前記記憶手段に記憶された前記地図情報及び前記敵勢力範囲情報に基づいて、前記複数の格子それぞれの攻撃回避度合いに関する点数を算出する点数算出
手段と、
前記点数算出
手段で算出された前記複数の格子の各点数に基づいて、前記移動開始位置から前記到着目標位置までの最適飛行経路を探索する探索
手段と、
前記探索手段で探索された前記最適飛行経路を移動するときの移動時間及び所要燃料量を算出するとともに、当該移動時間及び当該所要燃料量に基づいて前記到着目標位置における戦闘可能時間を算出する戦闘時間算出手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、地図情報及び敵勢力範囲情報に基づいて、地図情報を水平面内で分割した複数の格子それぞれの攻撃回避度合いに関する点数が算出された後に、算出された複数の格子の各点数に基づいて、移動開始位置から到着目標位置までの最適飛行経路が探索される。これにより、敵勢力からの攻撃を回避しつつ到着目標位置に到達可能な飛行経路を探索することができる。したがって、戦闘用の航空機における最適な飛行経路を探索することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
[構成]
図1は、本発明に係る飛行経路探索装置を適用した航空機10の外観構成を示す斜視図であり、
図2は、航空機10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、航空機10は、本実施形態においては、攻撃手段を備える戦闘用の回転翼機(攻撃ヘリコプター)であり、任務開始位置FARPから移動を開始して攻撃目標領域KZ内の攻撃目標物に対して攻撃を行う任務を担うものである(
図5(a)等参照)。
【0017】
具体的には、航空機10は、
図2に示すように、飛行機構11と、砲弾発射機構12と、操作部13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、センサ部17と、制御部18等とを備えている。
【0018】
飛行機構11は、航空機10を飛行させるための機構であり、主に、飛行に必要な揚力を発生させる回転翼(メインローター)と、推進力を発生させる内燃機関(例えばジェットエンジン)とで構成されている。
砲弾発射機構12は、航空機10に装備されたロケット弾やミサイル等を発射するための機構である。
【0019】
操作部13は、操縦桿や各種操作キー等を備えており、これら操縦桿や各種操作キー等の操作状態に対応する信号を制御部18に出力する。
表示部14は、ディスプレイを備えており、制御部18から入力される表示信号に基づいて各種情報をディスプレイに表示する。
【0020】
記憶部15は、航空機10の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、作業領域としても機能するメモリである。本実施形態においては、記憶部15は、攻撃内容設定プログラム150と、地図データ155等とを記憶している。
【0021】
攻撃内容設定プログラム150は、後述の攻撃内容設定処理(
図3参照)を制御部18に実行させるためのプログラムである。この攻撃内容設定プログラム150は、サブプログラムとして、攻撃位置算出プログラム151と、本発明に係る飛行経路探索プログラム152とを有している。
攻撃位置算出プログラム151は、後述の攻撃位置算出処理(
図3参照)を制御部18に実行させるためのプログラムである。
飛行経路探索プログラム152は、後述の飛行経路探索処理(
図4参照)を制御部18に実行させるためのプログラムである。
【0022】
地図データ155は、山や河川などの地形情報に加え、道路や鉄道,建造物,田畑などの土地の利用状態に関する情報も含めた総合的な地理情報を有するものである。また、この地図データ155は、任務に関わる地域範囲のもの、つまり、任務開始位置FARP及び攻撃目標領域KZを含む所定範囲のものであればよい。
【0023】
通信部16は、放送型自動従属監視(ADS−B)等のデータリンク手法を用い、地上設備との通信を行う。
センサ部17は、各種センサを備えており、当該各種センサにより、航空機10の飛行位置(経度、緯度、高度を含む)、機体速度・姿勢、機体が受ける風力、風向き、天候、機体周囲の気圧・温度・湿度等を検出する。
【0024】
制御部18は、航空機10の各部を中央制御する。具体的には、制御部18は、操作部13に対するパイロットの操作に基づいて、飛行機構11や砲弾発射機構12等の動作を制御したり、記憶部15に記憶されているプログラムの中から指定されたプログラムを展開し、展開されたプログラムと協働して各種処理を実行したりする。
【0025】
[動作]
続いて、航空機10が攻撃内容設定処理を実行する際の動作について、
図3〜
図6を参照して説明する。
図3は、攻撃内容設定処理の流れを示すフローチャートであり、
図4は、攻撃内容設定処理の中で実行される飛行経路探索処理の流れを示すフローチャートであり、
図5及び
図6は、攻撃内容設定処理を説明するための図である。
【0026】
攻撃内容設定処理は、攻撃目標物が存在する攻撃目標領域KZへの攻撃を行うための最適な攻撃位置FPを設定したうえで、この攻撃位置FPまでの最適な飛行経路を探索する処理である。この攻撃内容設定処理は、パイロットの操作により当該攻撃内容設定処理の実行指示が入力されたときに、制御部18が記憶部15から攻撃内容設定プログラム150を読み出して展開することで実行される。
【0027】
図3に示すように、攻撃内容設定処理が実行されると、まず制御部18は、パイロットの操作による当該処理に必要な各種情報の入力を受け付けて、記憶部15に記憶させる(ステップS1)。ここで、各種情報とは、航空機10の機種、使用弾種、任務開始位置FARP及び攻撃目標領域KZの座標、出発予定時刻及び到着要求時刻、燃料量、巡航速度等のほか、敵制空圏などの敵勢力範囲情報を含むものである。
【0028】
次に、制御部18は、任務開始位置FARP及び攻撃目標領域KZを含む所定範囲内における敵効力圏ADUを算出する(ステップS2)。この敵効力圏ADUは、敵勢力から攻撃を受ける可能性のある範囲であり、敵勢力の位置や保有する対空火器の情報等に基づいて算出される。そして、制御部18は、算出した敵効力圏ADUを記憶部15に記憶させるとともに、記憶部15から読み出した地図データ155上に示し、当該地図データ155を表示部14のディスプレイに表示させる(
図5(a))。
【0029】
次に、制御部18は、攻撃位置FPを算出する攻撃位置算出処理を実行する(ステップS3)。この攻撃位置算出処理は、制御部18が記憶部15から攻撃位置算出プログラム151を読み出して展開することで実行される。この攻撃位置算出処理では、制御部18は、攻撃目標領域KZへ攻撃可能な範囲に対して、「任務実現性」、「生存性」、「攻撃命中精度」の各項目に関する定量評価を行うことにより、攻撃位置FPの候補地点を複数算出する。そして、制御部18は、算出した攻撃位置FPの複数の候補地点をディスプレイ内の地図データ155上に表示させる。
【0030】
次に、制御部18は、操作部13からの信号に基づいて、地図データ155上に表示された攻撃位置FPの複数の候補地点から何れか一つが選択されるか否かを判定する(ステップS4)。つまり、このステップS4では、パイロットが攻撃位置FPの複数の候補地点の中から何れか一つを選択するか否かが判定される。
【0031】
このステップS4において、攻撃位置FPの複数の候補地点から何れか一つが選択されないと判定した場合(ステップS4;No)、制御部18は、上述のステップS3へ処理を移行する。この場合、パイロットは、攻撃位置FPの複数の候補地点の中に希望のものがないとして選択を行わず、算出条件を変更するなどして再びステップS3の攻撃位置算出処理を実行させる。
【0032】
また、ステップS4において、攻撃位置FPの複数の候補地点から何れか一つが選択されたと判定した場合(ステップS4;Yes)、制御部18は、任務開始位置FARPから当該選択された攻撃位置FPまでの飛行経路を探索する飛行経路探索処理を実行する(ステップS5)。この飛行経路探索処理は、制御部18が記憶部15から飛行経路探索プログラム152を読み出して展開することで実行される。
【0033】
この飛行経路探索処理では、
図4に示すように、まず制御部18は、任務開始位置FARPを中心とする航空機10の行動可能半径内の地図データ155を、水平面内で複数の格子M,…に格子分割する(ステップS51)。ここでは、制御部18は、例えば、南北及び東西に沿った各分割線によって、50m四方の複数の格子M,…を生成する(
図5(b))。
【0034】
次に、制御部18は、ステップS51で格子分割された地図データ155内に、ステップS4で選択された攻撃位置FPが存在するか否かを判定する(ステップS52)。そして、格子分割された地図データ155内に攻撃位置FPが存在していないと判定した場合(ステップS52;No)、制御部18は、任務実施不可能として処理を終了する。
【0035】
また、ステップS52において、格子分割された地図データ155内に攻撃位置FPが存在していると判定した場合(ステップS52;Yes)、制御部18は、記憶部15に記憶された地図データ155及び敵勢力範囲情報に基づいて、各格子Mの攻撃回避度合いに関する点数Pを算出する(ステップS53)。この点数Pは、航空機10が該当格子Mを飛行するときの敵勢力からの攻撃の避けやすさを示すものであり、値が低いほど攻撃を避けやすいことを意味する。
【0036】
具体的には、このステップS53では、制御部18は、以下の式1を用いて各格子Mの点数Pを算出する。
P=P1+P2−P3 …(式1)
【0037】
ここで、P1は、当該格子Mでの敵勢力の存在に関する点数であり、当該格子Mが敵効力圏ADU内か、敵制空圏内か、或いは敵勢力の存在が不確定か否かに基づいて、以下の式2を用いて算出される。
P1=a×(敵効力圏ADU内)+b×(敵制空圏内)+c×(不確定地域内)
…(式2)
式2中のa〜cは、所定の正の係数である。また、括弧内は、当該格子Mの敵勢力範囲情報が該当する場合には「1」、該当しない場合には「0」である。したがって、当該格子Mが敵効力圏ADU内であって敵制空圏外であるときには、P1=a×1+b×0+c×0=a、と算出される。
【0038】
また、P2は、該当格子Mの地形に関する点数であって、敵勢力からの攻撃の避けにくさ(土地の開け度合い)を示すものであり、以下の式3を用いて算出される。
P2=d×(河岸地帯)+e×(河川地帯)+f×(湖沼地帯)+g×(湿地地帯)+h×(荒地)+i×(田)+j×(畑)+k×(果樹園)+l×(桑畑)+m×(茶畑) …(式3)
式3中のd〜mは、所定の正の係数である。また、括弧内は、当該格子Mの地理情報が該当する場合には「1」、該当しない場合には「0」である。
【0039】
また、P3は、該当格子Mの地形に関する点数であって、敵勢力からの攻撃の避けやすさ(土地の遮蔽度合い)を示すものであり、以下の式4を用いて算出される。
P3=n×(周囲の遮蔽有無)+o×(森林地帯)+p×(建造物密集地)
…(式4)
式4中のn〜pは、所定の正の係数である。また、括弧内は、当該格子Mの地理情報が該当する場合には「1」、該当しない場合には「0」である。なお、「周囲の遮蔽有無」とは、当該格子Mが周囲を遮蔽された地形(例えば山間部)であるか否かを意味する。
【0040】
次に、制御部18は、攻撃位置FPを視認可能な滞空位置HPの候補地点を算出する(ステップS54)。具体的には、制御部18は、地形に沿った低高度(The Nap Of the Earth;NOE)での飛行で攻撃位置FPから所定時間(例えば5分)の距離にあり、且つ、敵効力圏ADU外であって攻撃位置FPを視認可能な位置を、滞空位置HPの候補地点として算出する。本実施形態では、この滞空位置HPの候補地点として、候補地点HP1及び候補地点HP2の2つの地点が算出されたものとする(
図6(a))。
【0041】
次に、制御部18は、任務内容に基づいて、滞空位置HPの各候補地点における滞空時間t1及びその所要燃料量f1と、攻撃位置FPにおける戦闘時間t2及びその所要燃料量f2とを算出する(ステップS55)。
【0042】
次に、制御部18は、滞空位置HPの各候補地点から攻撃位置FPまでの飛行に要する移動時間t3及びその所要燃料量f3を算出する(ステップS56)。具体的には、制御部18は、NOEにて所定速度(例えば40ノット)で飛行したものとして、滞空位置HPの各候補地点から攻撃位置FPまでの飛行に要する移動時間t3及びその所要燃料量f3を算出する。
【0043】
次に、制御部18は、任務開始位置FARPから滞空位置HPの各候補地点までの飛行に使用できる移動時間t4及びその所要燃料量f4を算出する(ステップS57)。具体的には、制御部18は、ステップS55で算出した滞空時間t1及びその所要燃料量f1、並びに戦闘時間t2及びその所要燃料量f2と、ステップS56で算出した移動時間t3及びその所要燃料量f3(滞空位置HPの各候補地点から攻撃位置FPまでの飛行に要するもの)とに基づいて、以下の式5及び式6を用いて移動時間t4及びその所要燃料量f4を算出する。
t4=t0−t1−t2−t3 …(式5)
f4=f0−f1−f2−f3 …(式6)
ここで、t0は、任務行動に要する任務総時間であり、ステップS1で入力された出発予定時刻及び到着要求時刻から算出される。また、f0は、任務行動に使用できる任務総燃料量であり、同じくステップS1で入力された任務開始位置FARPでの航空機10の燃料量(残量)に基づいて、任務達成後の行動も考慮して算出される。なお、この移動時間t4及びその所要燃料量f4は、滞空位置HPの候補地点HP1,HP2それぞれについて算出される。
【0044】
次に、制御部18は、ステップS53で算出された複数の格子M,…の攻撃回避度合いに関する各点数Pに基づいて、任務開始位置FARPから攻撃位置FPまでの最適飛行経路R
optを探索する(ステップS58)。具体的には、制御部18は、任務開始位置FARPから滞空位置HPの何れかの候補地点HP1,HP2を経て攻撃位置FPに至る飛行経路のうち、ステップS57で算出された移動時間t4及びその所要燃料量f4の範囲内で移動できるものであって、当該飛行経路における点数Pの総和が最小となる複数の格子M,…の連なりを探索し、これを最適飛行経路R
optとして設定する(
図6(b))。このときの探索手法としては、代表的な探索アルゴリズムの1つであるA*アルゴリズム(A-Star algorithm)が用いられる。またこのとき、制御部18は、滞空位置HPの候補地点HP1,HP2のうち、設定された最適飛行経路R
opt中で通過するもの(本実施形態では候補地点HP1)を、滞空位置HPとして設定する。
【0045】
次に、制御部18は、ステップS58で設定した最適飛行経路R
optに沿って任務開始位置FARPから攻撃位置FPまで移動するときの移動時間t5及び所要燃料量f5と、そのときの攻撃位置FPにおける戦闘可能時間t6及び使用可能燃料量f6とを算出する(ステップS59)。具体的には、制御部18は、最適飛行経路R
optをNOEにて所定速度で飛行したものとして移動時間t5及び所要燃料量f5を算出したうえで、以下の式7及び式8を用いて戦闘可能時間t6及び使用可能燃料量f6を算出する。
t6=t0−t1−t5 …(式7)
f6=f0−f1−f5 …(式8)
ここで、t0及びf0は、ステップS55で算出した任務総時間及び任務総燃料量であり、t1及びf1は、ステップS55で算出した滞空時間及びその所要燃料量である。
こうして、飛行経路探索処理が終了する。
【0046】
次に、
図3に示すように、制御部18は、ステップS5で設定した最適飛行経路R
optをディスプレイの地図データ155上に表示させるとともに、戦闘可能時間t6及び使用可能燃料量f6などの各種ステータス情報も併せてディスプレイに表示させる(ステップS6)。
【0047】
次に、制御部18は、操作部13からの信号に基づいて、ディスプレイに表示させた最適飛行経路R
optが承認されるか否かを判定する(ステップS7)。つまり、このステップS7では、パイロットが最適飛行経路R
optや各種ステータス情報を確認して、問題なければ承認し、変更したければ否認する。
【0048】
このステップS7において、最適飛行経路R
optがパイロットに承認されないと判定した場合(ステップS7;No)、制御部18は、上述のステップS5に処理を移行して、再び飛行経路探索処理を実行する。
また、ステップS7において、最適飛行経路R
optがパイロットに承認されたと判定した場合には(ステップS7;Yes)、制御部18は、攻撃内容設定処理を終了する。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、地図データ155及び敵勢力範囲情報に基づいて、地図データ155を水平面内で分割した複数の格子M,…それぞれの攻撃回避度合いに関する点数Pが算出された後に、算出された複数の格子M,…の各点数Pに基づいて、任務開始位置FARPから攻撃位置FPまでの最適飛行経路R
optが探索される。これにより、敵勢力からの攻撃を回避しつつ攻撃位置FPに到達可能な飛行経路を、最適飛行経路R
optとして探索することができる。したがって、戦闘用の航空機における最適な飛行経路を探索することができる。
【0050】
また、探索された最適飛行経路R
optを移動するときの移動時間t5及び所要燃料量f5が算出されるとともに、当該移動時間t5及び当該所要燃料量f5に基づいて、攻撃位置FPにおける戦闘可能時間t6が算出される。これにより、パイロットは任務設定時の概算戦闘時間よりも正確な戦闘可能時間t6に基づいて任務行動を行うことができ、ひいては任務達成の確度を向上させることができる。
【0051】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、任務の開始前における任務開始位置FARPからの最適飛行経路R
optの探索について説明したが、任務開始後(当初の最適飛行経路R
optを飛行中)に、自機位置から攻撃位置FPまでの最適飛行経路を随時探索して更新するようにしてもよい。
【0053】
また、各格子Mの攻撃回避度合いに関する点数Pの算出では、天候を考慮するようにしてもよい。この場合、例えば、「敵から探知されやすい天候」として「快晴」等を点数Pの加点要素としたり、反対に「敵から探知されにくい天候」として「曇り」や「霧」を点数Pの減点要素としたりすればよい。