(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態に係る可動体のアシスト装置の一例について
図1〜
図20に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置高さ方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Lは装置長手方向(水平方向)を示す。
【0029】
(全体構成)
図19(A)(B)に示されるように、可動体のアシスト装置10(以下「アシスト装置10」と記載する)は、戸枠200(支持体の一例)に取り付けられているストライカ12を備えている。さらに、アシスト装置10は、戸枠200の内部に配置され、戸枠200に対して一方向(装置長手方向と同様の方向)に移動する引き戸202(可動体の一例)に取り付けられているアシストユニット30を備えている。
【0030】
戸枠200は、一方向に延びると共に上下方向に離間する水平材200Aと、水平材200Aに対して下側に配置されている水平材200Bとを備えている。さらに、戸枠200は、鉛直方向に延び水平材200Aの一端部と水平材200Bの一端部とを連結する鉛直材200Cと、鉛直方向に延び水平材200Aの他端部と水平材200Bの他端部とを連結する鉛直材200Dとを備えている。
【0031】
引き戸202は、鉛直材200Cから離間して戸枠200で囲まれた通路を開放する開放位置(
図19(A)参照)と、鉛直材200Cに近接して戸枠200で囲まれた通路を閉止する閉止位置(
図19(B)参照)とに図示せぬレール部材に案内され移動するようになっている。
【0032】
(ストライカ)
ストライカ12は、
図19(A)に示されるように、戸枠200の上側部分を構成する水平材200Aの端部側(鉛直材200C側)に図示せぬ固定部材で取り付けられている。
【0033】
このストライカ12は、
図16に示すように、水平材200Aに取り付けられる取付面12Aと、ストライカ12の基端側(鉛直材200Cから離れる側、図中左側)に形成される台形状の係止溝12Bと、台形状の補助溝12Cとを有している。
【0034】
ストライカ12の基端側から順に補助溝12C及び係止溝12Bが形成され、係止溝12Bの溝深さは、補助溝12Cの溝深さに比して深くされている。
【0035】
(アシストユニット)
アシストユニット30は、
図19(A)(B)に示されるように、引き戸202の上側部分で、かつ、端部側(鉛直材200C側)に取り付けられている。具体的には、引き戸202の上面202Aに一方向に延びる凹状の凹部を形成することで、アシストユニット30は、この凹部内に取り付けられている。
【0036】
また、アシストユニット30は、
図9、
図10、
図11に示されるように、引き戸202(
図19参照)に取り付けられると共に装置長手方向に延びる筐体34と、筐体34に対して装置長手方向に移動するように支持される移動体50とを備えている。さらに、アシストユニット30は、移動体50を筐体34の基端側(図中左側)に付勢する付勢ユニット100と、付勢ユニット100の付勢力により移動する移動体50を減速させる制動体140とを備えている。
【0037】
〔筐体〕
筐体34は、
図9に示されるように、装置幅方向に離間する一対の側板36を有している。さらに、夫々の側板36には、後述するアーム66に形成された軸部68A及び突起68B、並びにカム80に形成された軸部82A及び円筒部82Bを案内するスリット38が形成されている。また、夫々の側板36には、後述するカム120の突起122A及び突起122Bを案内するスリット40と、後述するホルダ114の突起116Aを案内するスリット42とが形成されている。
【0038】
スリット38は、装置長手方向に直線状に延びる直線部38Aと、直線部38Aの先端側(図中右側)に連結され装置上下方向の下側へ屈曲する屈曲部38Bとを有している。さらに、スリット38は、直線部38Aの長手方向の中央側から分岐して下側へ延びる分岐部38Cと、分岐部38Cに対して基端側に位置して下側に延びる分岐部38Dとを有している。また、スリット38は、屈曲部38Bと分岐部38Cとの間で直線部38Aから分岐して上側へ延びる分岐部38Eを有している。
【0039】
スリット40は、スリット38に対して基端側(図中左側)に位置し、装置長手方向に直線状に延びる直線部40Aと、直線部40Aの先端側に連結され下側へ屈曲する屈曲部40Bとを有している。
【0040】
スリット42は、スリット40に対して下側に位置し、装置長手方向に延び、両端部が装置上下方向に広がっている。
【0041】
また、側板36において屈曲部38Bと分岐部38Eとの間には、上下方向に延びる段差部36Aが形成されている。段差部36Aに対して先端側の一対の側板36の間の寸法は、段差部36Aに対して基端側の一対の側板36の間の寸法より広くされている。換言すると、段差部36Aに対して先端側は、一般部の領域(一般領域)に比して一対の側板36の間の寸法が広い幅広領域44とされている。
【0042】
なお、スリット38、スリット40、及びスリット42が各部を案内する構成については、後述する作用と共に説明する。
【0043】
〔移動体〕
移動体50は、一対の側板36の間に配置されている。そして、移動体50は、筐体34に対して装置長手方向(一方向の一例)に移動するように取り付けられているベース52と、ベース52に対して装置長手方向に移動するように取り付けられているスライダ58と、を備えている。また、移動体50は、ベース52の基端側に取り付けられ、装置長手方向に延びるストライカプレート90を備えている。さらに、移動体50は、ベース52に軸部68A(第一軸部の一例)で回転可能に取り付けられているアーム66と、ベース52に軸部82A(第二軸部の一例)で回転可能に取り付けられているカム80とを備えている。
【0044】
[ベース]
ベース52は、
図13(A)(B)に示されるように、装置幅方向に離間する一対の側板54を有している。そして、夫々の側板54において上側の部分には、装置長手方向に延びるスリット54Aが形成されている。さらに、側板54において下側の部分には、装置幅方向に突出して装置長手方向に延びる突起54Bが形成されている。この突起54Bが、筐体34のスリット38の直線部38A(
図9参照)に挿入され、ベース52が筐体34に対して装置長手方向(一方向の一例)に移動するようになっている。
【0045】
さらに、側板54の先端側は下側に張り出しており、この張り出した部分には、装置上下方向に延びる湾曲状のスリット54Cと、スリット54Cに対して基端側に位置するスリット54Dとが形成されている。スリット54Cには、後述するカム80の軸部82Aが移動可能に挿入され、スリット54Dには、後述するアーム66の軸部68Aが移動可能に挿入されるようになっている。
【0046】
この構成において、ベース52は、筐体34の先端側に配置される初期位置(
図1参照)と、初期位置に対して筐体34の基端側に退避した退避位置(
図6参照)とに移動するようになっている。
【0047】
[スライダ]
スライダ58は、
図13(A)(B)に示されるように、ベース52の一対の側板54の間に配置されている。そして、スライダ58の基端側の部分には、装置幅方向に突出すると共に装置長手方向に延びる一対の突起58Aが形成されている。この突起58Aが、ベース52のスリット54Aに挿入され、スライダ58がベース52に対して装置長手方向に移動するようになっている。
【0048】
さらに、スライダ58の先端側の部分には、弾性変形可能なクッション60が取り付けられ、開放位置の引き戸202を閉止位置に移動させると、このクッション60がストライカ12と当たるようになっている(
図2(A)(B)参照)。
【0049】
また、スライダ58の下側の部分には、基端側の部分が先端側の部分に比して上側に位置するガイド縁58Bが形成されている。このガイド縁58Bが、後述するアーム66の突起68D(
図14参照)に当たり、スライダ58がベース52に対して移動すると、突起68Dを押圧してアーム66を回転させるようになっている。
【0050】
この構成において、スライダ58は、ベース52から先端側へ突出する突出位置(
図1参照)と、ベース52内に収納される収納位置(
図3参照)とに移動するようになっている。
【0051】
[ストライカプレート]
ストライカプレート90は、
図13(A)(B)に示されるように、板面が装置上下方向を向き、装置長手方向に延びている。そして、ストライカプレート90の先端側の部分が、ベース52の基端側の部分に下側から図示せぬ固定部材で固定されている。
【0052】
さらに、ストライカプレート90の基端側の部分には、矩形状の貫通孔92Aと、貫通孔92Aの先端側(図中右側)に位置する矩形状の貫通孔92Bとが形成されている。
【0053】
[アーム]
アーム66は、少なくとも一部がベース52の一対の側板54の間に配置され、
図14(A)(B)に示されるように、湾曲状に形成され、装置長手方向に延びている。そして、アーム66は、装置幅方向に離間する一対の側板68を有している。
【0054】
夫々の側板68の装置長手方向の中央側の部分には、装置幅方向に突出する円柱状の軸部68Aが形成され、この軸部68Aは、ベース52のスリット54D及び筐体34のスリット38に挿入されるようになっている(
図1、
図12参照)。
【0055】
また、側板68の先端側の部分には、装置幅方向に突出する円柱状の突起68Bが形成され、この突起68Bは、筐体34のスリット38に挿入され、スリット38の屈曲部38Bに移動可能とされている(
図1参照)。
【0056】
さらに、側板68において軸部68Aと突起68Bとの間には、装置幅方向に突出する半円状の突起68C(押圧部の一例)が形成され、後述するカム80の当接縁82Cを押圧するようになっている。
【0057】
また、側板68の基端側の部分には、装置幅方向に突出する突起68Dが形成されており、この突起68Dがスライダ58のガイド縁58B(
図13参照)に押圧されることでアーム66が軸部68Aを中心に回転(移動)するようになっている。
【0058】
さらに、側板68において突起68Cの上側の部分には、側板68の表裏を貫通する円弧状の貫通部68Eが形成され、後述するピン84が貫通するようになっている。
【0059】
この構成において、ベース52が初期位置に移動した状態では、アーム66は、軸部68Aがスリット38の直線部38Aに配置され、突起68Bが屈曲部38Bに配置され、筐体34に対するベース52(移動体50)の装置長手方向の移動を制限する制限位置に移動するようになっている(
図1参照)。また、アーム66は、軸部68Aを中心に回転して軸部68A及び突起68Bが直線部38Aに配置され、筐体34に対するベース52(移動体50)の装置長手方向の移動を許容する許容位置に移動するようになっている(
図3参照)。さらに、後述する自動復帰動作では、アーム66の軸部68Aが、分岐部38Dに移動し、突起68Bが分岐部38Eに移動するようになっている(
図8参照)。
【0060】
[カム]
カム80は、少なくとも一部がベース52の一対の側板54の間に配置され、
図14(A)(B)に示されるように、略矩形状に形成され、装置幅方向に離間する一対の側板82を有している。
【0061】
夫々の側板82の基端側の部分には、装置幅方向に突出する円柱状の軸部82Aが形成され、この軸部82Aは、ベース52のスリット54C及び筐体34のスリット38に挿入されるようになっている(
図1、
図12参照)。さらに、カム80の軸部82Aと、アーム66の軸部68Aとは、装置長手方向で並んでいる(
図1参照)。
【0062】
また、側板82において下側の部分には、装置幅方向に突出する円筒状の円筒部82Bが形成されている。この円筒部82Bの突出量は、軸部82Aの突出量に比して小さくされている。筐体34において一対の側板36の間の寸法が広い幅広領域44(
図9参照)では、円筒部82Bは、一対の側板36の間に配置されてスリット38に案内されず、他の一般領域では、円筒部82Bは、スリット38に案内されるようになっている。つまり、一方の円筒部82Bの先端部から他方の円筒部82Bまでの寸法は、幅広領域44における一対の側板36間の寸法に比して小さくされている。
【0063】
そして、一対の側板82の間に、アーム66を挟み、ピン84を用いて一対の円筒部82B及び一対の貫通部68Eを貫通させることで、カム80がアーム66に取り付けられるようになっている。
【0064】
また、カム80の下側の部分には、アーム66の突起68Cと当たる当接縁82Cが形成されている。
【0065】
この構成において、カム80は、軸部82Aがスリット38の直線部38Aに配置され、円筒部82Bが幅広領域44に配置されてストライカ12との係合が解除される非係合位置に移動するようになっている(
図1参照)。さらに、カム80は、軸部82Aが直線部38Aに配置され、アーム66の突起68Cに当接縁82Cが押圧されて突起68Bが直線部38Aに配置されることでストライカ12の係止溝12Bに係合する係合位置に移動するようになっている(
図3参照)。この係合位置にカム80が移動した状態では、円筒部82Bは、直線部38Aに位置するようになっている。
【0066】
そして、カム80が係合位置に移動し、かつ、ベース52が退避位置に移動した状態で、引き戸202は閉止位置に移動するようになっている(
図19(B)参照)。
【0067】
ここで、
図17には、制限位置に移動しているアーム66、及び非係合位置に移動しているカム80の装置幅方向(軸部68A及び軸部82Aの回転軸方向)から見た模式図が実線で示されている。また、許容位置に移動しているアーム66、及び係合位置に移動しているカム80の装置幅方向から見た模式図が二点鎖線で示されている。
【0068】
図17に示されるように、カム80の軸部82Aは、装置長手方向において、アーム66の軸部68Aと突起68Bとの間に配置されている。そして、軸部82Aから突起68Cまでの距離L1は、軸部68Aから突起68Cまでの距離に比して短くされている。
【0069】
これにより、
図17の模式図に示されるように、非係合位置に移動したカム80を係合位置に軸部82Aを中心に回転させる際の回転角θ1は、制限位置に移動したアーム66を許容位置に軸部68Aを中心に回転させる際の回転角θ2に比して大きくなる。
【0070】
一方、後述する自動復帰動作では、円筒部82Bを中心に回転し、カム80の軸部82Aが分岐部38Cに配置されるようになっている(
図8参照)。
【0071】
なお、アーム66とカム80とで、カムモジュール78が構成され、このカムモジュール78は、ベース52に対して軸部68Aで回転可能(移動可能)に取り付けられている。
【0072】
そして、アーム66が制限位置に移動し、かつ、カム80が非係合位置に移動した状態で、このカムモジュール78は、筐体34に対するベース52の移動を制限すると共にストライカ12との係合が解除される制限非係合位置に移動するようになっている。一方、アーム66が許容位置に移動し、かつ、カム80が係合位置に移動した状態で、このカムモジュール78は、筐体34に対するベース52の移動を許容すると共にストライカ12と係合する許容係合位置に移動するようになっている。換言すれば、ベース52は、カムモジュール78を介してストライカ12に対して係合又は被係合とされるようになっている。
【0073】
また、移動体50を構成する各部材の動作については、後述する作用と共に説明する。
【0074】
〔付勢ユニット〕
付勢ユニット100(付勢部材の一例)は、
図9、
図10、
図11に示されるように、筐体34において下側の部分で、一対の側板36の間に配置されている。そして、付勢ユニット100は、アーム66を介してベース52(移動体50)を筐体34の基端側に付勢する第一付勢モジュール102と、ストライカプレート90を介してベース52(移動体50)を筐体34の基端側に付勢する第二付勢モジュール110とを備えている。
【0075】
[第一付勢モジュール]
第一付勢モジュール102(第一付勢部材の一例)は、
図9、
図10、
図11に示されるように、板状のブラケット104と、引張バネ体130(第一引張ばねの一例)と、引張バネ体130の先端とブラケット104とを連結するホルダ108とを備えている。そして、引張バネ体130は、一対の引張バネ106(以下単に「バネ106」)から構成されている。
【0076】
ブラケット104は、板面を装置幅方向に向けるように配置され、装置長手方向に延びている。また、ブラケット104の先端側の部分には、かぎ状の係止部104Aが形成され、ブラケット104の基端側の部分には、かぎ状の係止部104Bが形成されている。そして、係止部104Aが、アーム66の図示せぬ被係止部に係止されるようになっている。
【0077】
一対のバネ106は、装置幅方向に並んで配置され、夫々のバネ106は、装置長手方向に延びている。また、夫々のバネ106の基端側の部分は、筐体34に形成された図示せぬ取付部に取り付けられている。本実施形態では、夫々のバネ106のばね定数は、0.043〔N/mm〕とされている。換言すると、引張バネ体130のばね定数は、0.086〔N/mm〕とされている。
【0078】
ホルダ108は、ブラケット104と一対のバネ106との間に配置され、ホルダ108の先端側の部分は、ブラケット104の係止部104Bに取り付けられ、ホルダ108の基端側の部分は、一対のバネ106の先端側の部分を支持している。
【0079】
この構成において、バネ106は、常に伸びた状態で用いられ、第一付勢モジュール102は、カム80を介してベース52を装置長手方向の一側(一方向の一側)に付勢している。
【0080】
そして、アシストユニット30が、後述する待ち受け状態とされている場合(
図1参照)に、バネ106が最も伸ばされ、バネ106には、予め定められた弾性エネルギ(付勢エネルギの一例)が蓄えられるようになっている。
【0081】
[第二付勢モジュール]
第二付勢モジュール110(第二付勢部材の一例)は、
図9、
図10、
図11に示されるように、引張バネ112(以下単に「バネ112」、第二引張ばねの一例)と、バネ112の先端部を支持するホルダ114とを備えている。さらに、第二付勢モジュール110は、ホルダ114に対して回転可能の取り付けられるカム120と、ホルダ114とカム120との間に配置されるバネ144とを備えている。
【0082】
バネ112は、装置長手方向に延び、一対のバネ106に沿って配置されている。また、バネ112の基端側の部分は、バネ106の基端側の部分と装置長手方向において同様の位置で筐体34に形成された図示せぬ取付部に取り付けられている。そして、バネ112は、バネ106より短くされている。本実施形態では、バネ112のばね定数は、0.138〔N/mm〕とされている。つまり、バネ112のばね定数は、引張バネ体130のばね定数より大きくされている。換言すると、引張バネ体130のばね定数は、バネ112のばね定数より小さくされている。
【0083】
ホルダ114は、
図15(A )(B)に示されるように、装置幅方向から見て三角形状の本体部116と、本体部116の先端側の部分から装置長手方向に延びる延出部118とを備えている。
【0084】
また、本体部116の下側の部分には、装置幅方向に突出する一対の突起116Aが形成され、この突起116Aは、筐体34のスリット42(
図9参照)に配置されるようになっている。さらに、延出部118は、本体部116に対して幅が狭くされ、延出部118の先端側の部分には、カム120を回転可能に支持する支持部118Aが形成されている。
【0085】
カム120は、
図15(A )(B)に示されるように、装置長手方向に延びる本体部122と、本体部122から下側に延出される逆三角形状の延出部128とを有している。さらに、カム120は、本体部122の基端側の部分から上側に突出してストライカプレート90に押圧される押圧部124と、本体部122の先端側の部分から上側に突出してストライカプレート90の貫通孔92Bに嵌合する嵌合部126とを有している。
【0086】
また、本体部122の基端側の部分には、装置幅方向に突出する一対の突起122Aが形成され、本体部122の先端側の部分には、装置幅方向に突出する一対の突起122Bが形成されている。
【0087】
さらに、延出部128は、装置幅方向に離間する一対の側板128Aを備え、この一対の側板128Aの間に、ホルダ114の延出部118が配置され、ホルダ114の支持部118Aに支持される図示せぬ被支持部が形成されている。
【0088】
この構成において、カム120は、突起122Aがスリット40の直線部40Aに配置され、突起122Bが屈曲部40Bに配置されて、嵌合部126と貫通孔92Bとの嵌合が解除される非嵌合位置に移動するようになっている(
図4参照)。また、カム120は、突起122A及び突起122Bが直線部40Aに配置されて、嵌合部126が貫通孔92Bに嵌合する嵌合位置に移動するようになっている(
図5参照)。
【0089】
また、バネ112は、常に伸びた状態で用いられ、第二付勢モジュール110は、ストライカプレート90を介してベース52を装置長手方向の一側(一方向の一側)に付勢している。
【0090】
そして、カム120が、非嵌合位置に移動している場合に、バネ112が最も伸ばされ、バネ112には、予め定められた弾性エネルギが蓄えられるようになっている。
【0091】
なお、付勢ユニット100を構成する各部材の動作については、後述する作用と共に説明する。
【0092】
〔制動体〕
制動体140は、
図9、
図10、
図11に示されるように、ベース52の基端側で、一対の側板36の間に配置されるピストンダンパ142(以下「ダンパ142」を備えている。
【0093】
ダンパ142は、装置長手方向に延びるように配置され、内部に流体が封入されたシリンダ142Aと、シリンダ142A内で往復移動する図示せぬピストンと、ピストンに連結されシリンダ142Aの基端側から外部に突出するピストンロッド142Bとを備えている。
【0094】
そして、シリンダ142Aの先端側の部分は、ベース52の基端側の部分に取り付けられ、ピストンロッド142Bの基端側の部分は、筐体34の図示せぬ取付部に取り付けられている。
【0095】
この構成において、シリンダ142A内に納められたピストンにシリンダ142A内の流体の抵抗力を作用させることで、シリンダ142A又はピストンロッド142Bの押し込み動作及び引張り動作に対して抵抗力を付与するようになっている。
【0096】
そして、制動体140は、付勢ユニット100の付勢力により移動する移動体50を減速させるようになっている。
【0097】
(作用)
次に、アシスト装置10の作用について、引き戸202を開放位置から閉止位置に移動させる場合と、引き戸202を閉止位置から開放位置に移動させる場合とで説明する。さらに、アシスト装置10が意図せぬ状態となった場合の自動復帰動作について説明する。
【0098】
〔開放位置から閉止位置に引き戸を移動させる場合〕
引き戸202が開放位置(
図19(A)参照)に移動した状態では、アシストユニット30のベース52は、
図1(A)(B)に示されるように、初期位置に移動しており、スライダ58は、突出位置に移動している。さらに、アーム66は、制限位置に移動しており、カム80は非係合位置に移動している。換言すると、カムモジュール78は、制限非係合位置に移動している。また、カム120は、非嵌合位置に移動している。これにより、アシストユニット30は、待ち受け状態となっている。そして、バネ106及びバネ112には、予め定められた弾性エネルギが蓄えられている。
【0099】
そして、ユーザが引き戸202を開放位置から移動させると、
図2(A)(B)に示されるように、スライダ58に取り付けられたクッション60がストライカ12に当たる。
【0100】
さらに、ユーザが引き戸202を移動させると、
図3(A)(B)に示されるように、スライダ58がストライカ12に押圧されて突出位置から収納位置に移動する。このストライカ12の移動に伴って、アーム66の突起68Dがスライダ58のガイド縁58Bに押圧されることでアーム66が軸部68Aを中心に反時計方向に回転する。そして、アーム66が制限位置から許容位置に移動する。
【0101】
このアーム66の移動に伴って、非係合位置に移動しているカム80の当接縁82Cがアーム66の突起68Cに押圧されることで、カム80が軸部82Aを中心に反時計方向に回転する。そして、カム80が非係合位置から係合位置に移動する。これにより、カム80がストライカ12に係合する。換言すると、カムモジュール78は、許容係合位置に移動する。
【0102】
これにより、ストライカ12に対するベース52(移動体50)の装置長手方向における移動が制限され、かつ、筐体34に対するベース52(移動体50)の装置長手方向における移動が許容される。
【0103】
筐体34に対するベース52の装置長手方向の移動が許容されることで、第一付勢モジュール102のバネ106の付勢力により、初期位置に移動しているベース52が、退避位置に向けて、筐体34に対して装置長手方向の一側(一方向の一側)に移動を開始する。
【0104】
これにより、ストライカ12及びベース52が筐体34の内部(基端側)に引き込まれるのに伴って、筐体34が取り付けられている引き戸202が、開放位置から閉止位置に向けて移動する。なお、引き戸202の移動については、制動体140により制動力が発生されているため、バネ106の付勢力のみで移動する場合と比して、ゆっくりスムーズに行われる。
【0105】
そして、ベース52が退避位置に到達する途中の途中位置で、
図4(A)(B)に示されるように、ストライカプレート90の基端部が、カム120の押圧部124に当たり押圧部124を押圧する。
【0106】
ストライカプレート90の基端部が、カム120の押圧部124を押圧すると、
図5(A)(B)に示されるように、カム120が突起122Aを中心に反時計方向に回転して嵌合部126が貫通孔92Bに嵌合し、カム120が嵌合位置に移動する。換言すると、第二付勢モジュール110は、ストライカプレート90及びベース52を介してカムモジュール78と連結する。この状態で、突起122A及び突起122Bが直線部40Aに配置される。これにより、カム120の装置長手方向の移動が許容される。
【0107】
カム120の装置長手方向の移動が許容されることで、第二付勢モジュール110のバネ112の付勢力が移動しているベース52(移動体50)に加わり、退避位置に向けてのベース52(移動体50)の移動が継続する。
【0108】
そして、第一付勢モジュール102のバネ106、及び第二付勢モジュール110のバネ112の付勢力により、
図6(A)(B)に示されるように、ベース52が退位位置に移動する。これにより、筐体34が取り付けられている引き戸202が、閉止位置に移動する。このようにして、アシストユニット30は、後述する係合状態となる。そして、開放位置から閉止位置に引き戸202を移動させる工程が完了する。
【0109】
このように、バネ106及びバネ112に蓄えられていた弾性エネルギを用いて、開放位置から閉止位置に移動する引き戸202の動作がアシスト(補助)される。
【0110】
なお、引き戸202の移動については、制動体140により制動力が発生しているため、バネ106及びバネ112の付勢力のみで移動する場合と比して、ゆっくりスムーズに行われる。
【0111】
また、前述した工程は、一連の工程であり、引き戸202を開放位置から閉止位置に移動する際に、引き戸202が途中で停止することはない。
【0112】
〔閉止位置から開放位置に引き戸を移動させる場合〕
引き戸202が閉止位置(
図19(B)参照)に移動している状態では、アシストユニット30のベース52は、
図6に示されるように、退避位置に移動し、スライダ58は、収納位置に移動している。さらに、アーム66は、許容位置に移動し、カム80は係合位置に移動している。換言すると、カムモジュール78は、許容係合位置に移動している。さらに、カム120は嵌合位置に移動している。このように、アシストユニット30は、カム80がストライカ12に係合する係合状態となっている。
【0113】
そして、カム80がストライカ12に係合しているため、ユーザが閉止位置の引き戸202を移動させると、
図5(A)(B)に示されるように、退避位置に移動したベース52が、初期位置に向けて、筐体34に対して装置長手方向の他側(一方向の他側)に移動を開始する。
【0114】
筐体34に対するベース52の装置長手方向の他側への移動に伴って、バネ106及びバネ112が伸ばされ、バネ106及びバネ112には、弾性エネルギが蓄積される。
【0115】
そして、ベース52(移動体50)が初期位置に到達する途中の途中位置で、
図4(A)(B)に示されるように、カム120の延出部128がバネ112の付勢力を受けることでカム120が突起122Aを中心に時計方向し、突起122Bが屈曲部40Bに移動する。これにより、途中位置で、嵌合位置のカム120が非嵌合位置に移動する。換言すると、カムモジュール78と第二付勢モジュール110との連結が解除される。
【0116】
カム120が非嵌合位置に移動することで、ベース52(移動体50)が、バネ112の付勢力から解放される。そして、初期位置に向けてのベース52(移動体50)の移動が継続する。換言すると、ベース52が途中位置まで移動する間で、バネ112に弾性エネルギが蓄積される。
【0117】
そして、バネ112による付勢力から解放された後は、バネ106だけを伸ばしながらベース52(移動体50)が初期位置に向かって移動し、
図3(A)(B)に示されるように、アーム66の突起68Bがスリット38の直線部38Aの端部に到達する。
【0118】
突起68Bが直線部38Aの端部に到達し、さらに、ベース52(移動体50)が初期位置に向かって移動することで、
図2(A)(B)に示されるように、ベース52が初期位置に移動する。そして、アーム66が軸部68Aを中心に時計方向に回転し、突起68Bが屈曲部38Bに移動する。これにより、アーム66が制限位置に移動する。
【0119】
アーム66の移動に伴って、アーム66の貫通部68Eに挿入されたピン84(
図14(A)参照)を介してアーム66の移動力がカム80に伝達され、係合位置に移動していたカム80が軸部82Aを中心に時計方向に回転する。これにより、カム80が非係合位置に移動する。換言すると、カムモジュール78は、制限非係合位置に移動する。
【0120】
また、アーム66の移動に伴って、スライダ58のガイド縁58Bがアーム66の突起68Dに押圧されることでスライダ58が、収納位置から突出位置に移動する。そして、ベース52が初期位置まで移動する間で、バネ106に弾性エネルギが蓄積される。このようにして、開放位置から閉止位置に移動する引き戸202の動作が補助するための弾性エネルギが、バネ106及びバネ112に蓄えられる。そして、アシストユニット30は、待ち受け状態となる。
【0121】
このように、カム80が非係合位置に移動することで、ストライカ12に対するベース52の装置長手方向における移動の制限が解除され、
図1(A)(B)に示されるように、アシストユニット30がストライカ12から離間する。そして、引き戸202が、
図19(A)に示すように、開放位置に移動する。これにより、引き戸202を閉止位置から開放位置に移動させる工程が完了する。
【0122】
なお、前述した工程は、一連の工程であり、引き戸202を閉止位置から開放位置に移動する際に、引き戸202が途中で停止することはない。
【0123】
〔意図せぬ状態となった場合の自動復帰動作〕
引き戸202が開放位置(
図19(B)参照)に移動した状態では、通常、アシストユニット30は、待ち受け状態となっている。しかし、意図せぬ操作により、開放位置に移動した引き戸202のアシストユニット30が、
図7に示されるように、係合状態になってしまうことがある。
【0124】
このような場合に、ユーザは、開放位置の引き戸202を閉止位置に向かって移動させる。
【0125】
引き戸202を移動させると、
図8に示されるように、カム80がストライカ12に当たり、移動体50が筐体34に対して装置長手方向の一側に移動し、カム80が円筒部82Bを中心に反時計方向に回転し、軸部82Aが分岐部38Cに配置される。カム80の回転に伴って、アーム66の突起68Cがカム80の当接縁82Cに押され、アーム66がカム80の円筒部82Bを中心に反時計方向に回転し、突起68Bが分岐部38Eに配置され、軸部68Aが分岐部38Dに配置される。これにより、カム80の先端部の位置が下側に移動し、カム80の先端側の部分が、ストライカ12の補助溝12Cの入り口に進入する。
【0126】
この状態で、ユーザが引き戸202を開放位置へ向けて移動させると、カム80が補助溝12Cに係合した後は、前述した閉止位置から開放位置に引き戸202を移動させる場合と同様の工程を経て、アシストユニット30が待ち受け状態となる。
【0127】
これにより、意図せぬ状態となったアシストユニット30が、自動復帰する。
【0128】
(まとめ)
先ず、アシスト装置10の比較形態に係るアシスト装置300について説明する。アシスト装置300については、アシスト装置10と異なる部分を主に説明する。
【0129】
比較形態に係るアシスト装置300のアシストユニット302では、
図20に示されるように、移動体304を構成するアーム310にカム310Aが一体的に形成されている。さらに、移動体304を付勢する付勢ユニット320のバネ322は一個とされ、バネ322の端部がアーム310の下側の部分に取り付けられている。
【0130】
これにより、カム310Aが非係合位置から係合位置に移動する際のカム310Aの回転角度と、アーム310が制限位置から許容位置に移動する際のアーム310の回転角度とが同一となる。
【0131】
また、閉止位置から開放位置に引き戸202を移動させて、係合状態のアシストユニット302を待ち受け状態とする際に、アシスト装置300では、一個のバネ322を伸ばし続けなければならない。つまり、一個のバネ322を伸ばすことで、開放位置から閉止位置に移動する引き戸202の動作を補助するための弾性エネルギが、バネ322に蓄えられる。
【0132】
図18には、縦軸がユーザの操作荷重で、横軸がバネの長さのグラフが示されている。最も伸びた状態のバネ322の長さをH1とした。また、引き戸202を操作し始める荷重(初期操作荷重)をP0とした。比較形態に係るアシスト装置300を用いた場合の操作荷重がグラフ中の線分F1で示されている。
【0133】
係合状態のアシストユニット302を待ち受け状態とする際に、バネ322が伸び続けるため、線分F1は直線となり、バネ322が長さH1に達した際の操作荷重は、P10となる。つまり、線分F1と横軸とで挟まれた斜線部の面積が、バネ322に蓄えられた弾性エネルギであり、この弾性エネルギが開放位置から閉止位置に移動する引き戸202の動作を補助するために必要な弾性エネルギである。
【0134】
以下本実施形態に係るアシスト装置10と比較形態に係るアシスト装置300とを比較しながら説明する。
【0135】
一方、本実施形態のアシスト装置10では、開放位置から閉止位置に移動する引き戸202の動作を補助するための弾性エネルギは、バネ106及びバネ112に蓄えられる。
【0136】
図18には、アシスト装置10のバネ106及びバネ112を用いた場合の操作荷重がグラフ中の線分F2で示されている。最も伸びた状態のバネ106の長さは、バネ322と同様でH1である。一方、ベース52が初期位置へ向かう途中の途中位置で、カム120が係合状態から非嵌合位置に移動するため、最も伸びた状態のバネ112の長さは、H1と比して短いH2となる。
【0137】
グラフ中の線分F2で示されるように、係合状態のアシストユニット30を待ち受け状態とする際に、バネの長さがH2となるまでは、バネ106及びバネ112が伸び続けるため、線分F2は直線となり、バネの長さがH2となると操作荷重がP1となる。
【0138】
また、バネの長さがH2を超えると、カム120が非嵌合位置に移動するため、バネ106だけが伸び続ける。このため、一度操作荷重がP1からP2に減少し、操作荷重P2から徐々に増加する。そして、バネ106が長さH1に達した際の操作荷重は、P3となる。
【0139】
線分F2と横軸とで挟まれた格子状の網掛け部の面積が、バネ106及びバネ112に蓄えられた弾性エネルギである。この弾性エネルギは、比較形態に係るアシストユニット302を用いた場合(線分F1)に蓄えられる弾性エネルギと同等である。
【0140】
ここで、本実施形態に係るアシストユニット30では、バネの長さがH2に達するまでバネ106とバネ112とが伸び続ける、また、バネの長さH2以降は、バネ106だけが伸び続ける。このため、バネの長さがH2となる点と、バネの長さがH1となる点とで操作荷重がピークとなる。一方、比較形態に係るアシストユニット302では、操作荷重がピークは、バネの長さがH1と点だけである。
【0141】
これにより、バネ106及びバネ112に弾性エネルギを蓄える際の操作荷重のピークP1、P3が、比較形態に係るバネ322に弾性エネルギを蓄える際の操作荷重のピークP10と比して、小さくなる。このように、本実施形態に係るアシスト装置10では、閉止位置から開放位置に引き戸202を移動させる際の操作荷重を低減することができる。
【0142】
また、バネ112が、一対のバネ106に沿って配置されている。このため、バネ112が、一対のバネ106に沿って配置されていない場合と比して、筐体34が大きくなるのを抑制することができる。
【0143】
また、引張バネ体130のばね定数は、バネ112のばね定数より小さくされる。このため、引張バネ体130のばね定数がバネ112のばね定数より大きくされている場合と比して、途中位置で第二付勢モジュール110とカムモジュール78との連結が解除された後の操作荷重を効果的に低減することができる。
【0144】
さらに、本実施形態のアシスト装置10では、前述したように、非係合位置のカム80を係合位置に回転させる際の回転角θ1は、制限位置のアーム66を許容位置に移動させる際の回転角θ2に比して大きくなる(
図17参照)。つまり、ストライカ12とカム80との係合代を所定以上確保するためのカム80の回転角度に比して、アーム66の回転角度が小さくなる。一方、比較形態に係るアシスト装置300では、ストライカ12とカム310Aとの係合代を所定以上確保するためのカム310Aの回転角度と、アーム310の回転角度とが同一となる。
【0145】
これにより、本実施形態に係るアシスト装置10では、比較形態に係るアシスト装置300と比して、アーム66の回転角度を小さくすることができる。
【0146】
また、アシスト装置10では、アーム66の回転角度が小さくなるため、比較形態に係るアシスト装置300と比して、アーム66の回転領域を小さくすることができる。
【0147】
また、アシスト装置10では、アーム66の回転領域が小さくなるため、比較形態に係るアシスト装置300と比して、アームの回転領域を考慮して決められる筐体34の高さ(装置上下方向の寸法)が、高くなるのを抑制可能な構成を提供することができる。
【0148】
また、アーム66が制限位置に移動し、カムが非係合位置に移動している場合に、軸部68Aと軸部82Aとは、装置長手方向に並んで配置されている。このため、軸部68Aと軸部82Aとが装置長手方向に並んでいな場合と比して、筐体の高さが高くなるのを効果的に抑制することができる。
【0149】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、ストライカ12が戸枠200に取り付けられ、アシストユニット30が引き戸202に取り付けられたが、ストライカ12が引き戸202に取り付けられ、アシストユニット30が戸枠200に取り付けられてもよい。
【0150】
また、上記実施形態では、アーム66の突起68Cがカム80の当接縁82Cを押圧することで、カム80が移動(回転)したが、アームがカムを、引き上げる等の他の手法で、アームの回転力をカムに作用させてもよい。
【0151】
また、上記実施形態では、軸部82Aから突起68Cまでの距離L1を、軸部68Aから突起68Cまでの距離に比して短くすることで、カム80の回転角θ1を、アーム66の回転角θ2に比して大きくしたが、例えば、アームとカムとをリンク等を用いて連結することで、カム80の回転角θ1を、アーム66の回転角θ2に比して大きくしてもよい。
【0152】
また、上記実施形態では、屈曲部38Bに突起68Bを移動させることで、移動体50の移動を制限したが、例えば、特開2007−309088号公報に記載の方法で、移動体の移動を制限してもよい。