特許第6148691号(P6148691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許6148691タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム
<>
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000002
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000003
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000004
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000005
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000006
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000007
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000008
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000009
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000010
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000011
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000012
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000013
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000014
  • 特許6148691-タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148691
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20170607BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20170607BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20170607BHJP
【FI】
   H04W56/00 130
   H04W28/04 110
   H04W28/16
【請求項の数】17
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-561280(P2014-561280)
(86)(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公表番号】特表2015-513873(P2015-513873A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】CN2013072828
(87)【国際公開番号】WO2013135212
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2014年10月22日
(31)【優先権主張番号】201210071448.3
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】徐 文▲穎▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 雪利
【審査官】 篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/024331(WO,A1)
【文献】 InterDigital Communications, LLC,Timing analysis of HS-DPCCH transmission for HSDPA MF-TX,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #68 R1-120792,2012年 2月 6日
【文献】 Huawei, HiSilicon,HS-DPCCH Feedback Design for MF-Tx,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #68 R1-120692,2012年 2月 6日
【文献】 ZTE,Further analysis of HS-DPCCH timing for MF-HSDPA,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #68 R1-120683,2012年 2月 6日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイミング基準情報を送信する方法であって、前記方法は、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用し、かつ前記タイミング基準情報は、前記2つのセルの中の対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報を送信するために携帯端末により使用され、前記方法は:
前記携帯端末により通知されるアクセス時間差情報を取得するステップ;
前記アクセス時間差情報に従って、前記タイミング基準情報を生成するステップであって、前記タイミング基準情報は、タイミング基準セルの識別子情報を含む、ステップ;及び
前記タイミング基準情報を前記携帯端末に送信するステップ;
を含み、
前記アクセス時間差情報に従って、タイミング基準情報を生成するステップは:
前記アクセス時間差情報に従って、前記2つのセルのサブフレーム対関係を生成するステップ;
前記アクセス時間差情報及び前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するステップ;
前記2つのセルのうち、前のセル及び後のセルを決定するステップ;
前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとし、かつ他方を対になったセルとして決定するステップ;及び
前記タイミング基準セルの前記識別子情報に従って、前記タイミング基準情報を生成するステップ;
を含む、タイミング基準情報を送信する方法。
【請求項2】
前記2つのセルのうち、前のセル及び後のセルを決定するステップは:
前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの前記時系列関係に従って、前記2つのセルのうちの前記前のセル及び前記後のセルを決定するステップ;
を含む、請求項に記載のタイミング基準情報を送信する方法。
【請求項3】
前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり、
前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップは:
前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が前記6サブフレーム期間であった場合に、前記前のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記後のセルを前記対になったセルとして、決定するステップ;
を含む、請求項に記載のタイミング基準情報を送信する方法。
【請求項4】
前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり、
前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップは:
前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記7サブフレーム期間又は前記8サブフレーム期間であった場合に、前記後のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記前のセルを前記対になったセルとして、管理ノードにより、決定するステップ;
を含む、請求項に記載のタイミング基準情報を送信する方法。
【請求項5】
請求項からのいずれか1項に記載のタイミング基準情報を送信する方法であって、前記タイミング基準情報を送信する方法は、さらに:
前記2つのセルの前記サブフレーム対関係を前記携帯端末に送信するステップ;
を含む、方法。
【請求項6】
前記サブフレーム対関係は:
前記2つのセルの中の前記互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号;又は
前記2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、前記第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び前記第1のサブフレームと比較しての、前記第2のサブフレームについてのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット、
を含む、請求項からのいずれか1項に記載のタイミング基準情報を送信する方法。
【請求項7】
前記タイミング基準情報を送信する方法は、さらに:
フィードバック時間表示情報を前記携帯端末に送信するステップであって、前記フィードバック時間表示情報は、事前に定められたタイムスロット長を示すために使用される、ステップ;を含み、
前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である
請求項1からのいずれか1項に記載のタイミング基準情報を送信する方法。
【請求項8】
無線ネットワークコントローラであって、前記無線ネットワークコントローラは、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用し、かつ前記無線ネットワークコントローラは:
携帯端末により通知されるアクセス時間差情報を取得するように構成されるアクセス時間取得モジュール;
前記アクセス時間差情報に従って、タイミング基準情報を生成するように構成されるタイミング基準決定モジュールであって、前記タイミング基準情報は、タイミング基準セルの識別子情報を含み且つ前記タイミング基準情報は、前記2つのセルの中の対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報を送信するために前記携帯端末により使用される、タイミング基準決定モジュール;及び
前記携帯端末に前記タイミング基準情報を送信するように構成されるタイミング基準送信モジュール;
を備え
前記タイミング基準決定モジュールは:
対関係生成部、時間関係決定部、セル関係決定部、タイミング基準決定部、及び基準情報生成部を含み:
前記対関係生成部は、前記アクセス時間差情報に従って、前記2つのセルのサブフレーム対関係を生成するように構成され;
前記時間関係決定部は、前記アクセス時間差情報及び前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するように構成され;
前記セル関係決定部は、前記2つのセルのうち、前のセル及び後のセルを決定するように構成され;
前記タイミング基準決定部は、前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとし、かつ他方を対になったセルとして決定するように構成され;かつ
前記基準情報生成部は、前記タイミング基準セルの前記識別子情報に従って、前記タイミング基準情報を生成するように構成される、
無線ネットワークコントローラ。
【請求項9】
前記セル関係決定部は、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの前記時系列関係に従って、前記2つのセルのうちの前記前のセル及び前記後のセルを決定するように構成される、
請求項に記載の無線ネットワークコントローラ。
【請求項10】
前記タイミング基準決定部は:
第1決定サブユニット;を含み、
前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり;かつ
前記第1決定サブユニットは、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が前記6サブフレーム期間であった場合に、前記前のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記後のセルを前記対になったセルとして決定するように構成される
請求項に記載の無線ネットワークコントローラ。
【請求項11】
前記タイミング基準決定部は:
第2決定サブユニット;を含み、
前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり;かつ
前記第2決定サブユニットは、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記7サブフレーム期間又は前記8サブフレーム期間であった場合に、前記後のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記前のセルを前記対になったセルとして決定するように構成される、
請求項に記載の無線ネットワークコントローラ。
【請求項12】
前記無線ネットワークコントローラは、さらに:
前記2つのセルの前記サブフレーム対関係を前記携帯端末に送信するように構成される、対関係送信モジュール;
を含む、請求項から11のいずれか1項に記載の無線ネットワークコントローラ。
【請求項13】
前記無線ネットワークコントローラは、さらに:
フィードバック時間表示情報を前記携帯端末に送信するように構成される表示情報送信モジュールであって、前記フィードバック時間表示情報は、事前に定められたタイムスロット長を示すために使用される、表示情報送信モジュール;を含み、
前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である、
請求項から11のいずれか1項に記載の無線ネットワークコントローラ。
【請求項14】
前記対関係生成部により生成される前記サブフレーム対関係は:
前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号;又は
前記2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、前記第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び前記第1のサブフレームと比較しての前記第2のサブフレームについてのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット、
を含む、請求項から11のいずれか1項に記載の無線ネットワークコントローラ。
【請求項15】
携帯端末であって、前記携帯端末は、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用し、かつ前記携帯端末は:
該携帯端末が通知したアクセス時間差情報に従って生成されたタイミング基準情報であって、タイミング基準セルの識別子情報を含み且つ前記2つのセルの中の対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報を送信するために前記携帯端末により使用される、タイミング基準情報、を受信するように構成される基準情報受信モジュール;
前記タイミング基準情報に従って、前記2つのセルのうちの1つが前記タイミング基準セルであることを認識するように構成される基準情報分析モジュール;
前記2つのセルの対になったサブフレームを受信するように構成されるサブフレーム対受信モジュール;及び
前記タイミング基準セルの中のサブフレームを受信した後に、事前に定められたタイムスロット長後の前記ハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックするように構成される受信情報フィードバックモジュールであって、前記ハイブリッドARQ受信確認情報は、前記2つのセルの中の前記対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である、受信情報フィードバックモジュール;
を備え
前記タイミング基準情報は、前記アクセス時間差情報に従って、前記2つのセルのサブフレーム対関係を生成し、前記アクセス時間差情報及び前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定し;前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとし;かつ他方を対になったセルとして決定することにより、前記タイミング基準セルの前記識別子情報に従って生成される、
携帯端末。
【請求項16】
前記携帯端末は、さらに:
前記2つのセルのサブフレーム対関係を受信するように構成される対関係受信モジュール;を備え、かつ、
対応して、前記対関係受信モジュールは、前記対関係受信モジュールにより受信された前記2つのセルの前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの前記対になったサブフレームを受信するように構成される、
請求項15に記載の携帯端末。
【請求項17】
前記携帯端末は、さらに:
前記事前に定められたタイムスロット長を取得するために、フィードバック時間表示情報を受信及び分析するように構成される表示情報分析モジュール;を備え、
前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である、
請求項15又は16に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年3月16日に中国特許庁に出願された「TIMING METHOD,TIMING REFERENCE DETERMINING METHOD,DEVICE,AND SYSTE」と題する中国特許出願第201210071448.3の優先権を主張し、参照することにより、その全内容をここに援用する。
【0002】
本発明は通信技術の分野に関連し、そして特に、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおけるタイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステムに関連する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムにおいて、下りリンクの送信とは、基地局が信号をユーザ装置に対して送信する処理のことである。一般に、下りリンクの信号は、データ信号及び制御信号を含む。HSDPA(High Speed Downlink Packet Access、高速ダウンリンクパケットアクセス)は、パケットベースのデータサービスであり、かつ下りリンクの送信の際のデータ伝送速度を向上することができる。HSDPA技術は、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access、広帯域符号分割多重アクセス)システムにおいて適用されてもよい。WCDMA(登録商標)システムにおいて、基地局は、一般に、NodeB(Base station、ノードB)と呼ばれ、そしてユーザ装置又は携帯端末は、一般に、UE(User Equipment、ユーザ装置)と呼ばれる。一般に、一つのNodeBによりカバーされるエリアは、3つ又は6つのセクタに分割され、かつ各セクタは、1つ以上のセルを提供する。
【0004】
HSDPAの機能及び特徴を実行するために、HSDPAは、物理レイヤ仕様において、3つの新しいチャネルを導入している:HS−PDSCH(High−Speed Physical Downlink Shared Channel、高速物理下りリンク共有チャネル)、HS−SCCH(High−Speed Shared Control Channel、高速共有制御チャネル)、及びHS−DPCCH(Uplink High−Speed Dedicated Physical Control Channel、上り高速専用物理制御チャネル)である。簡単に言えば、一方では、セルは、下りリンク信号の中のデータ信号をUEに送信するために、HS−PDSCHチャネルを使用し、かつ下りリンク信号の中の制御信号をUEに送信するために、HS−SCCHチャネルを使用し、ここで、当該制御信号は、データ信号を復調及び復号化するため及び他の複数の目的のために用いられてもよく;他方、データ信号の受信後、UEは、制御信号に従って、対応するデータ信号の復調及び復号化等の処理を実行し、そしてその後、セルの受信状態を示すHARQ−ACK情報(Hybrid Automatic Repeat Request−ACK、ハイブリッドARQ−ACK情報)をフィードバックするために、HS−DPCCHチャネルを用いる。ここで、HARQ−ACK情報は、ACK/NACK/DTX情報であってもよく、ACKは、UEが正常にデータ信号を受信したことを示し、NACKは、UEがデータ信号を正常に受信しなかったことを示し、そしてDTXは、UEがデータを検出しなかったこと、又はセルが非アクティブ状態にあることを示す。この処理、つまり、HSDPA、で使用される重要な技術のうちの一つは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request、ハイブリッドARQ)である。
【0005】
しかしながら、下りリンクの送信の際のデータ伝送速度をさらに向上するためには、従来技術において、マルチキャリア/マルチセル技術、及びマルチフロー伝送技術を導入することがさらに望まれる。マルチキャリア/マルチセル技術は、1つのUEが、下りリンクの複数の信号を協同的に送信するための、2つ以上のセル(この文書において2つのセルは例として用いられる)により与えられる2つのHSDPAを同時に取り入れることを可能にするための、サービングセル及び補助サービングセルというコンセプトを導入し、これにより下りリンクの送信の際のデータ伝送速度をさらに向上させる。一方で、UEは、1つのタイムスロット内で、同時に、サービングセル及び補助サービングセルに対して、HARQ−ACK情報を協同でフィードバックするために、サービングセルにより提供される一つのHS−DPCCHチャネルを使用することができる。マルチフロー伝送技術は、マルチキャリア/マルチセル技術の拡張であると考えることができる。最も大きな違いは、マルチキャリア/マルチセル技術は、サービングセル及び補助サービングセルが同じカバレッジ及び同じ下りリンクのチャネルタイミング関係を有することを必要とする一方で、マルチフロー伝送技術は、サービングセル及び補助サービングセルが同じ下りリンクのチャネルタイミング関係を有することを必要としない、ということである。マルチフロー伝送技術は、また、マルチフロー伝送(Multiflow Transmission)、略してMF−Txとも呼ばれる。
【0006】
本発明を実施する過程において、発明者らは、従来技術が少なくとも以下の問題を有することを見出した:マルチフロー伝送技術は、サービングセル及び補助サービングセルが同じ下りリンクのチャネルタイミング関係を有することを必要としない一方で、UEは、フィードバックを行うために、同じタイムスロットにおいて、サービングセル及び補助セルの2つのHARQ−ACK情報を共同で符号化するための同じHS−DPCCHを使用する必要があるため、マルチフロー伝送技術を採用することが望まれる場合であって、サービングセル及び補助セルが、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する場合において、タイミングの問題が生じることになる。例えば、メッセージの受信状態に対応して、どのようにフィードバックするか、UEが決定できない場合が起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サービングセル及び補助サービングセルが異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する場合、下りリンクのデータをどのように受信し、かつ対応するメッセージの受信状態をどのようにフィードバックするか、UEが決定することができないという問題を解決するために、本発明の複数の実施例は、タイミング基準情報を送信、受信、及び決定するための方法、装置、及びシステムを提供する。技術的解決手段は、以下の通りである:
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の側面によると、タイミング基準信号を送信する方法が提供される。前記方法は、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、ここで、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用する。前記方法は:携帯端末により通知されるアクセス時間差情報を取得するステップ;前記アクセス時間差情報に従って、タイミング基準情報を生成するステップであって、前記タイミング基準情報は、タイミング基準セルの識別子情報を含む、ステップ;及び前記タイミング基準情報を前記携帯端末に送信するステップ;を含む。
【0009】
第1の側面の第1の可能な実施方法において、前記アクセス時間差情報に従って、タイミング基準情報を生成するステップは、具体的には:前記アクセス時間差情報に従って、前記2つのセルのサブフレーム対関係を生成するステップ;前記アクセス時間差情報及び前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するステップ;前記2つのセルのうち、前のセル及び後のセルを決定するステップ;前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとし、かつ他方を対になったセルとして決定するステップ;及び前記タイミング基準セルの前記識別子情報に従って、前記タイミング基準情報を生成するステップ;を含む。
【0010】
前記第1の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第2の可能な実施方法において、前記2つのセルのうち、前のセル及び後のセルを決定するステップは、具体的には:前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの前記時系列関係に従って、前記2つのセルのうちの前記前のセル及び前記後のセルを決定するステップ;を含む。
【0011】
前記第1の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第3の可能な実施方法において、前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップは、具体的には:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が前記6サブフレーム期間であった場合に、前記前のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記後のセルを前記対になったセルとして、管理ノードにより、決定するステップ;を含む。
【0012】
前記第1の側面の第1の可能な実施方法に関する、第4の可能な実施方法において、前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップは、具体的には:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記7サブフレーム期間又は前記8サブフレーム期間であった場合に、前記後のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記前のセルを前記対になったセルとして、管理ノードにより、決定するステップ;を含む。
【0013】
前記第1の側面の前記第1から第4の可能な実施方法のいずれか1つに関する、第5の可能な実施方法において、前記タイミング基準情報を送信する方法は、さらに:前記2つのセルの前記サブフレーム対関係を前記携帯端末に送信するステップ;を含む。
【0014】
前記第1の側面の前記第1から第4の可能な実施方法のうちのいずれか1つに関する、第6の可能な実施方法において、前記サブフレーム対関係は:前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、又は前記2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、前記第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び前記第1のサブフレームと比較しての前記第2のサブフレームについてのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット、を含む。
【0015】
前記第1の側面又は前記第1の側面の前記第1から第4の可能な実施方法のうちのいずれか1つに関する、第7の可能な実施方法において、前記タイミング基準情報を送信する方法は、さらに:フィードバック時間表示情報を前記携帯端末に送信するステップであって、前記フィードバック時間表示情報は、事前に定められたタイムスロット長を示すために使用される、ステップ;を含み、前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である。
【0016】
第2の側面によると、タイミング基準情報を受信する方法が提供される。前記方法は、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、ここで、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用する。前記方法は:管理ノードにより送信されるタイミング基準情報を受信するステップ;前記タイミング基準情報に従って、前記2つのセルのうちの1つがタイミング基準セルであることを認識するステップ;及び前記2つのセルの対になったサブフレームを受信し、かつ前記タイミング基準セルの中のサブフレームを受信した後に、事前に定められたタイムスロット長後のハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックするステップであって、前記ハイブリッドARQ受信確認情報は、前記2つのセルの中の前記対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である、ステップ;を含む。
【0017】
前記第2の側面の第1の可能な実施方法において、前記2つのセルの対になったサブフレームを受信するステップの前に、前記方法は、さらに:前記管理ノードにより送信される、前記2つのセルのサブフレーム対関係を受信するステップ;及び対応して、前記2つのセルの対になったサブフレームを受信するステップの前に、前記方法は、具体的には:前記2つのセルの前記受信されたサブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの前記対になったサブフレームを受信するステップ;を含む。
【0018】
前記第2の側面又は前記第2の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第2の可能な実施方法において、前記タイミング基準情報を受信する方法は、さらに:前記事前に定められたタイムスロット長を取得するために、前記管理ノードにより送信されたフィードバック時間表示情報を受信及び解析するステップ;を含み、前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である。
【0019】
第3の側面によると、タイミング基準情報を決定する方法が提供される。前記方法は、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、ここで、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用する。前記方法は:前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係に従って、前記2つのセルのうちの前のセル及び後のセルを決定するステップ;及び前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方をタイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップ;を含む。
【0020】
前記第3の側面の第1の可能な実施方法において、前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方をタイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップは、具体的には:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記6サブフレーム期間であった場合に、前記前のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記後のセルを前記対になったセルとして決定するステップ;を含む。
【0021】
前記第3の側面の第2の可能な実施方法において、前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方をタイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するステップは、具体的には:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記7サブフレーム期間又は前記8サブフレーム期間であった場合に、前記後のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記前のセルを前記対になったセルとして決定するステップ;を含む。
【0022】
第4の側面によると、無線ネットワークコントローラが提供される。前記無線ネットワークコントローラは、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、ここで、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用する。前記無線ネットワークコントローラは:携帯端末により通知されるアクセス時間差情報を取得するように構成されるアクセス時間取得モジュール;前記アクセス時間差情報に従って、タイミング基準情報を生成するように構成されるタイミング基準決定モジュールであって、前記タイミング基準情報は、タイミング基準セルの識別子情報を含む、タイミング基準決定モジュール;及び前記携帯端末に前記タイミング基準情報を送信するように構成されるタイミング基準送信モジュール;を備える。
【0023】
前記第4の側面の第1の可能な実施方法において、前記タイミング基準決定モジュールは、具体的には:対関係生成部、時間関係決定部、セル関係決定部、タイミング基準決定部、及び基準情報生成部を含み、ここで:前記対関係生成部は、前記アクセス時間差情報に従って、前記2つのセルのサブフレーム対関係を生成するように構成され;前記時間関係決定部は、前記アクセス時間差情報及び前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するように構成され;前記セル関係決定部は、前記2つのセルのうち、前のセル及び後のセルを決定するように構成され;前記タイミング基準決定部は、前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方を前記タイミング基準セルとし、かつ他方を対になったセルとして決定するように構成され;かつ前記基準情報生成部は、前記タイミング基準セルの前記識別子情報に従って、前記タイミング基準情報を生成するように構成される。
【0024】
前記第4の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第2の可能な実施方法において、前記セル関係決定部は、具体的には、前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの前記時系列関係に従って、前記2つのセルのうちの前記前のセル及び前記後のセルを決定するように構成される。
【0025】
前記第4の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第3の可能な実施方法において、前記タイミング基準決定部は、具体的には:第1決定サブユニット;を含み、ここで:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり;かつ前記第1決定サブユニットは、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が前記6サブフレーム期間であった場合に、前記前のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記後のセルを前記対になったセルとして決定するように構成される。
【0026】
前記第4の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第4の可能な実施方法において、前記タイミング基準決定部は、具体的には:第2決定サブユニット;を含み、ここで:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり;かつ前記第2決定サブユニットは、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記7サブフレーム期間又は前記8サブフレーム期間であった場合に、前記後のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記前のセルを前記対になったセルとして決定するように構成される。
【0027】
前記第4の側面の前記第1から第4の可能な実施方法のうちのいずれか1つに関する、第5の可能な実施方法において、前記無線ネットワークコントローラは、さらに:前記2つのセルの前記サブフレーム対関係を前記携帯端末に送信するように構成される、対関係送信モジュール;を含む。
【0028】
前記第4の側面の前記第1から第4の可能な実施方法のうちのいずれか1つに関する、第6の可能な実施方法において、前記無線ネットワークコントローラは、さらに:フィードバック時間表示情報を前記携帯端末に送信するように構成される表示情報送信モジュールであって、前記フィードバック時間表示情報は、事前に定められたタイムスロット長を示すために使用される、表示情報送信モジュール、を含み、前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である。
【0029】
前記第4の側面の前記第1から第4の可能な実施方法のうちのいずれか1つに関する、第7の可能な実施方法において、前記対関係生成部により生成される前記サブフレーム対関係は:前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号;又は前記2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、前記第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び前記第2のサブフレームについての前記第1のサブフレームと比較してのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット、を含む。
【0030】
第5の側面によると、携帯端末が提供される。前記携帯端末は、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、ここで、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用する。前記携帯端末は:タイミング基準情報を受信するように構成される基準情報受信モジュール;前記タイミング基準情報に従って、前記2つのセルのうちの1つがタイミング基準セルであることを認識するように構成される基準情報分析モジュール;前記2つのセルの対になったサブフレームを受信するように構成されるサブフレーム対受信モジュール;及び前記タイミング基準セルの中のサブフレームを受信した後に、事前に定められたタイムスロット長後のハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックするように構成される受信情報フィードバックモジュールであって、前記ハイブリッドARQ受信確認情報は、前記2つのセルの中の前記対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である、受信情報フィードバックモジュール;を備える。
【0031】
前記第5の側面の第1の可能な実施方法において、前記携帯端末は、さらに:前記2つのセルのサブフレーム対関係を受信するように構成される対関係受信モジュール;を備え、かつ、対応して、前記対関係受信モジュールは、具体的には、前記対関係受信モジュールにより受信された前記2つのセルの前記サブフレーム対関係に従って、前記2つのセルの前記対になったサブフレームを受信するように構成される。
【0032】
前記第5の側面又は前記第5の側面の前記第1の可能な実施方法に関する、第2の可能な実施方法において、前記携帯端末は、さらに:前記事前に定められたタイムスロット長を取得するために、フィードバック時間表示情報を受信及び解析するように構成される表示情報受信モジュール;を含み、前記事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である。
【0033】
第6の側面によると、携帯端末が提供される。前記携帯端末は、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含む通信システムにおいて用いられ、ここで、前記2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスにおけるハイブリッドARQプロセスを採用する。前記携帯端末は:前記2つのセルのうちの前のセル及び後のセルを決定するように構成されるセル関係決定モジュール;前記前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前記前のセル及び前記後のセルのうちの一方をタイミング基準セルとして、かつ他方を対になったセルとして決定するように構成されるタイミング基準決定モジュール;及び前記タイミング基準セルの中のサブフレームを受信した後に、事前に定められたタイムスロット長後のハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックするように構成される受信情報フィードバックモジュールであって、前記ハイブリッドARQ受信確認情報は、前記2つのセルの中の2つの対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である、受信情報フィードバックモジュール;を備える。
【0034】
前記第6の側面の第1の可能な実施方法において、前記セル関係決定モジュールは、具体的には、前記2つのセルの中の前記互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係に従って、前記2つのセルのうちの前記前のセル及び前記後のセルを決定するように構成される。
【0035】
前記第6の側面の第2の可能な実施方法において、前記タイミング基準決定モジュールは、具体的には:第1決定部;を含み、ここで:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり;かつ前記第1決定部は、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が前記6サブフレーム期間であった場合に、前記前のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記後のセルを前記対になったセルとして決定するように構成される。
【0036】
前記第6の側面の第3の可能な実施方法において、前記タイミング基準決定モジュールは、具体的には:第2決定部;を含み、ここで:前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つであり;かつ前記第2決定部は、前記前のセルの前記ハイブリッドARQプロセスの前記スケジューリング期間が前記7サブフレーム期間又は前記8サブフレーム期間であった場合に、前記後のセルを前記タイミング基準セルとし、かつ前記前のセルを前記対になったセルとして決定するように構成される。
【0037】
前記第6の側面又は前記第6の側面の前記第1から第3の可能な実施方法のいずれか1つに関する、第4の可能な実施方法において、前記携帯端末は、さらに:アクセス情報取得モジュール及び第1時間関係決定モジュールを含み、ここで:前記アクセス情報取得モジュールは、前記2つのセルのアクセス時間差情報を取得するように構成され;かつ前記第1時間関係決定モジュールは、前記アクセス時間差情報に従って、前記2つのセルの中の前記互いに対になった2つのサブフレームの前記時系列関係を決定するように構成される。
【0038】
前記第6の側面又は前記第6の側面の前記第1から第3の可能な実施方法のうちのいずれか1つに関する、第5の可能な実施方法において、前記携帯端末は、さらに:対関係受信モジュール、受信時間取得モジュール、及び第2時間関係決定モジュールを含み、ここで:前記対関係受信モジュールは、前記2つのセルのサブフレーム対関係を取得するように構成され;前記受信時間取得モジュールは、前記2つのセルの中の前記互いに対になった2つのサブフレームの受信時間を取得するように構成され;かつ前記第2時間関係決定モジュールは、前記サブフレーム対関係及び前記取得時間に従って、前記2つのセルの中の前記互いに対になった2つのサブフレームの前記時系列関係を決定するように構成される。
【0039】
前記第6の側面の前記第5の可能な実施方法に関する、第6の可能な実施方法において、前記サブフレーム対関係は:前記2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号;又は前記2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、前記第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び前記第1のサブフレームと比較しての前記第2のサブフレームについてのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット、を含む。
【0040】
第7の側面によると、通信システムが提供される。前記システムは、前記第4の側面又は前記第4の側面の全ての可能な実施方法のうちのいずれか1つに従う前記無線ネットワークコントローラ、及び前記第5の側面又は前記第5の側面の全ての可能な実施方法のうちのいずれか1つに従う前記携帯端末を含む。
【0041】
本発明の複数の実施例により提供される複数の技術的解決手段は、以下の有益な効果をもたらす:
【0042】
異なるダウンリンクチャネルタイミングの2つのセルのうちの1つをタイミング基準セルと決定する技術的解決手段及びタイミング基準セルをHARQ−ACK情報をフィードバックするための基準として使用することにより、サービングセル及び補助サービングセルの2つのHARQ−ACK情報を共同でフィードバックするために、UEが同じHS−DPCCHを使用する場合において遭遇するタイミングの問題が解決される。UE側及びノードB側で処理時間を短縮又は延長する技術的手段に関連して、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルにおいて、UEがマルチフロー伝送技術を使用することを可能にするという技術的効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の複数の実施例における複数の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下において、複数の実施例を説明するために必要な添付図面を簡潔に紹介する。明らかに、以下の説明における添付図面は、単に、本発明のいくつかの実施例を示すだけであり、そして当業者は、創造的努力なしで、これらの添付図面からさらに他の図面を導き出すことができる。
【0044】
図1】HARQプロセスのスケジューリングプロセスにおいてHSDPAにより導入される3つのタイプのチャネルのタイミング関係の図である。
【0045】
図2A】マルチセル通信システムの部分概略構成図である。
【0046】
図2B】他のマルチセル通信システムの部分概略構成図である。
【0047】
図3】本発明の実施例1に従う、タイミング方法のフローチャートである。
【0048】
図4】本発明の実施例2に従う、タイミング基準決定方法のフローチャートである。
【0049】
図5A】本発明の実施例3に従う、タイミング方法のフローチャートである。
【0050】
図5B】本発明の実施例3に従うタイミング方法の実行中の関連するタイミング関係の図である。
【0051】
図6A】本発明の実施例4に従う通信システムの構成ブロック図である。
【0052】
図6B】本発明の実施例4に従う通信システムの実行中の関連するタイミング関係の図である。
【0053】
図7】本発明の実施例4に従う、タイミング基準決定モジュールの構成ブロック図である。
【0054】
図8A】本発明の実施例5に従う、携帯端末の構造ブロック図である。
【0055】
図8B】本発明の実施例5に従う、携帯端末の実行中の関連するタイミング関係の図である。
【0056】
図9】本発明の実施例6に従う携帯端末の部分構成ブロック図である。
【0057】
図10】本発明の実施例7に従う、携帯端末の部分構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明の複数の目的、複数の技術的解決手段、及び複数の利点をより分かり易くするために、以下において、添付図面を参照することにより、本発明の複数の実施方法を説明する。
【0059】
説明を容易にするために、HARQプロセスのスケジューリングプロセスにおいて、HSDPA技術により導入された3種類のチャネルのタイミング関係図である図1を、まず参照する。図1において、2560チップは、1タイムスロットを形成し、3つのタイムスロットは、1つのサブフレームを形成し、5つのサブフレームは、1つの無線フレームを形成し、1つのサブフレームの時間間隔は、1つの送信時間間隔(Transmission Time Interval、TTIと略す)であり、かつ1つのセルは、1つの送信時間間隔において、UEに対して、1つ又は2つのデータブロックを送信する(マルチインプット・マルチアウトプットのデュアルフロー送信の場合、2つのデータブロックが送信される)ということが、まず理解されるべきである。基地局がUEに対して下りリンクの信号を送信する必要がある場合、当該下りリンクの信号は、複数のデータブロックに分割されてもよい。複数のデータブロックのうちの1つが送信される状況が図1に示されている、ということが仮定される。HS−SCCHチャネルの最初のサブフレームは、データブロックの復調及び復号化のための関連するシグナリング等を含む制御信号である。HS−DPCCHチャネルの最初のサブフレームは、データブロックの実際のデータ信号を含む。データ信号を処理するために、まず、UEが制御信号を取得することができるようにするために、HS−SCCHチャネルにおけるサブフレームは、HS−PDSCHチャネルの対応するサブフレームよりも、2タイムスロットだけ早く送信されるべきであるということを、関連するプロトコルは規定する。このように、まず、UEは制御信号を受信して、そしてその後、データ信号を取得した場合に、受信した制御信号に従って、対応する復調及び復号化及びその他の動作を実行する。UEがデータ信号を処理するためのプロセス全体を完了するためには、ある程度時間がかかる。このため、一般にUEは、HS−PDSCHチャネルの中の最初のサブフレームが受信されてから7.5タイムスロット後(図1の時間T1)に、ノードBにHARQ−ACK情報及びCQI情報をフィードバックするために、HS−DPCCHチャネルを用いる。ここで、HARQ−ACK情報は、1タイムスロットの長さを占有し、そしてCQI(Channel Quality Indicator、チャネル品質インジケータ)は、2つのタイムスロットの長さを占有する。その後、UEからフィードバックされた情報に従って、セルは、次のデータブロックの送信のスケジューリングを開始する。具体的には、HARQプロセスのスケジューリングの期間全体は、一般的に、6つのサブフレームの長さであり、すなわち、一般に、セルは、プロセスのデータブロックを送信した後、6つのサブフレームに対応する時間後に、当該プロセスの次のデータブロックを送信する。従って、HARQ−ACK情報を受信した後、ノードBは、(スケジューリング期間により占有される複数のタイムスロット−制御信号のタイムスロットの進み−データ信号により占有される複数のタイムスロット−UEの処理時間−ACK情報により占有される複数のタイムスロット)=6つのサブフレーム×3つのタイムスロット−2つのタイムスロット−1つのサブフレーム×3つのタイムスロット−7.5タイムスロット−1タイムスロット=4.5タイムスロット以内に、次のデータブロックを送信するための準備を整える必要があるということが計算されてもよく、つまり、ノードBは、図1の時刻T2において、次のデータブロックの送信を開始する。
【0060】
さらに、マルチセル通信システムの部分的概略構成図である図2Aを参照する。通信システムは、RNC(Radio Network Controller、無線ネットワークコントローラ)、ノードB、及び当該ノードBにより制御される第1のセルと第2のセルを含む。第1のセルはサービングセルであってもよく、かつ第2のセルは補助サービングセルであってもよい。第1のセル及び第2のセルの動作周波数/搬送波は、同じであってもよいし、或いは異なってもよい。共同でデータを送信するために、UEは、第1のセル及び第2のセルにより提供される2つのHSDPAを同時に使用してもよく、これにより下りリンクの送信の際の伝送速度が向上する。
【0061】
さらに、マルチセル通信システムの部分的概略構成図である図2Bを参照する。通信システムは、RNC、当該RNCにより制御される第1の基地局であるノードB1及び第2の基地局であるノードB2、及びノードB1により制御される第1のセルとノードB2により制御される第2のセルをさらに含む。第1のセルはサービングセルであってもよく、かつ第2のセルは補助サービングセルであってもよい。第1のセル及び第2のセルの動作周波数/搬送波は同じであってもよく、或いは異なってもよい。共同でデータを送信するために、UEは、第1のセル及び第2のセルにより提供される2つのHSDPAを使用してもよく、これにより、下りリンクの送信の際の伝送速度が向上する。
【0062】
また、異なる複数の実施例において、サービングセル及び補助サービングセルは、プライマリサービングセル/補助サービングセル、プライマリセル/セカンダリセル、又は補助されるセル/補助するセル、と呼ばれてもよい。マルチキャリア/マルチセル技術において、サービングセルは、HS−SCCHチャネル、HS−PDSCHチャネル、HS−DPCCHチャネル、CPICHチャネル(Common Pilot Channel、共通パイロットチャネル)を送信する一方で、補助セルは、HS−SCCHチャネル、HSDPAデータ伝送に用いられるHS−PDSCH、及びチャネル推定及び測定等に用いられるCPICHチャネルだけを送信する。データ信号を共同で送信するために、UEがサービングセル及び補助サービングセルの2つのHS−PDSCHチャネルを使用する場合、サービングセルの中の1つのHS−DPCCHチャネルは、受信状態をフィードバックするために用いられる。サービングセル及び補助セービングセルが同じ下りリンクのチャネルのタイミングを有する場合、UEは、同じタイムスロット内で、サービングセル及び補助サービングセルの中の対になったサブフレームのHARQ−ACK情報を共同で符号化することだけが必要であり、そしてその後、HARQ−ACK情報をフィードバックするために、サービングセルの中のHS−DPCCHチャネルを使用する。サービングセル及び補助サービングセルは、それら自身の必要なフィードバック情報を取得するために、サービングセルの中のHS−DPCCHチャネルの中の同じHARQ−ACK情報を同時に解析してもよい。マルチフロー技術が用いられる場合、すなわち、サービングセル及び補助サービングセルが異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する場合、異なる下りリンクのチャネルのタイミングに起因するタイミングの問題を解決するために、本発明の複数の実施例により提供されるタイミング方法及びタイミングフィードバック方法を使用することができる。
【0063】
実施例1
本発明の実施例1により提供されるタイミング方法のフローチャートである図3を参照する。このタイミング方法は、図2A又は図2Bに示される通信システムにおいて用いられてもよい。通信システムは、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含んでもよく、ここで、2つのセルの双方は、下りリンクの送信を実行するために、高速ダウンリンクパケットアクセスを採用している。確かに、当業者は、このタイミング方法を、デュアル・キャリア−デュアル・セル(dual−carrier dual−cell)シナリオ又はデュアル・キャリア−4セル(dual−carrier four−cell)シナリオにおいても使用できると、容易に考えることができる。このタイミング方法は、以下を含んでもよい:
【0064】
ステップ302:管理ノードは、携帯端末にタイミング基準情報を送信する。
【0065】
管理ノードは、RNCであってもよい。下りリンクのデータが送信される前に、管理ノードは、タイミング基準情報をUEに送信してもよい。一般に、タイミング基準情報は、上記の2つのセルのタイミング基準セルとしての役割を果たす1つのセルの識別子情報を含み、ここで、識別子情報は、セルのシーケンス番号であってもよく、かつ当該シーケンス番号は負でない整数である。
【0066】
ステップ304:タイミング基準情報に従って、携帯端末は、2つのセルのうちの1つがタイミング基準セルであることを認識する。
【0067】
受信したタイミング基準情報に従って、UEは、2つのセルの内の1つがタイミング基準セルであり、かつ他方が対になったセルであることを認識してもよい。例えば、タイミング基準情報の中の識別子情報がサービングセルのシーケンス番号である場合、UEは、サービングセルがタイミング基準セルであり、かつ補助サービングセルが対になったセルであることを知ることができる。
【0068】
ステップ306:携帯端末は、2つのセルの対になったサブフレームを受信し、タイミング基準セルの中のサブフレームを受信した後、事前に定められたタイムスロット長の後のハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックする。ここで、ハイブリッドARQ受信確認情報は、2つのセルの中の対になったサブフレームについて共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である。
【0069】
UEは、下りリンクのチャネル、すなわち、下りリンクの信号、を介して2つのセルにより送信される対になったサブフレームを受信してもよい。下りリンクの信号を共同で送信するために、UEがサービングセル及び補助サービングセルの2つのHS−PDSCHチャネルを同時に使用する場合、サービングセルのHS−PDSCHチャネルの中で送信される1つのサブフレームと、補助サービングセルのHS−PDSCHの中で送信される他のサブフレームとは、互いに対になったサブフレームである。サービングセル及び補助サービングセルが同じ下りリンクのタイミングを有する場合、2つのサブフレームは、同時に、UE側に対して送信されるべきである。サービングセル及び補助サービングセルが異なる下りリンクのタイミングを有する場合、一般に、2つのセブフレームは、同時には、UEに対して送信されない、つまり、まず、1つのサブフレームがUEに対して送信され、その一方で、遅延の後に、対になったサブフレームの他方がUE側に送信される。タイミング基準セルの中のサブフレームを受信した後、UEは、事前に定められたタイムスロット長の後のHARQ−ACK情報をフィードバックする必要がある。ここで、HARQ−ACK情報は、2つのセルの中の対になったサブフレームについて、共同で同時にフィードバックされるHARQ−ACK情報である。
【0070】
要約すると、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルの中の1つをタイミング基準セルとして決定し、かつタイミング基準セルをHARQ−ACK情報をフィードバックするための基準として使用する技術的手段により、実施例1により提供されるタイミング方法は、UEが、サービングセル及び補助サービングセルの2つのHARQ−ACK情報を共同でフィードバックするために同じHS−DPCCHを使用する場合に発生するタイミング問題を解決する。UE側及びノードB側において処理時間を短縮又は延長する技術的手段に関して、UEが、2つのセルの中のマルチフロー伝送技術を使用することを可能にするという技術的効果が達成される。
【0071】
実施例2
2つのセルのうちの1つをタイミング基準セルとして決定するために、本発明の実施例2により提供されるタイミング基準決定方法を示す図4を参照する。タイミング基準決定方法は、図2A又は図2Bに示される通信システムにおいて使用されてもよい。通信システムは、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含んでもよく、ここで、2つのセルの双方は、下りリンクの送信を実行するために、高速ダウンリンクパケットアクセスを採用している。確かに、当業者は、このタイミング基準決定方法を、デュアル・キャリア−デュアル・セル・シナリオ又はデュアル・キャリア−4セル・シナリオにおいても使用できると、容易に考えることができる。このタイミング基準決定方法は、以下を含んでもよい:
【0072】
ステップ402:2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係に従って、2つのセルの中の前のセル及び後のセルを決定する。
【0073】
データ信号を共同で送信するために、UEが、同時に、サービングセル及び補助サービングセルの2つのHS−PDSCHチャネルを使用する場合、サービングセルのHS−PDSCHチャネルにおいて送信される1つのサブフレームと、補助サービングセルのHS−PDSCHの中で送信される他のサブフレームとは、互いに対になったサブフレームである。2つのサブフレームの時系列関係に従って、時間的に前のサブフレームが存在するセルは、前のセルとして定められ、その一方で、時間的に後のサブフレームが存在するセルは、後のセルとして定められる。
【0074】
ステップ404:前のセルのハイブリッドARQのスケジューリング期間に従って、前のセル及び後のセルのうちの1つをタイミング基準セルと決定し、かつ他方を対になったセルと決定する。
【0075】
HARQプロセスのスケジューリング期間は、セルが、HS−PDSCHチャネルの中のプロセスのデータ信号のサブフレームの送信を開始する時からセルがプロセスのデータ信号の次のサブフレームの送信を続ける時までの期間として理解されてもよい。一般的に言えば、HARQプロセスのスケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちのいずれか1つであってもよい。各セルにより使用されるHARQプロセスのスケジューリング期間は、一般に、固定されている(RNCが再構成を実行しない限り)。前のセル及び後のセルにより採用されるHARQプロセスのスケジューリング期間は、異なってもよい。前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前のセル及び後のセルのうちの1つは、タイミング基準セルとして定められてもよく、かつ他方は、対になったセルとして定められてもよい。決定の際に、選択は、事前に定められたポリシーに従って、行われてもよい。事前に定められたポリシーは、以下の通りであってもよい:他のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が6サブフレーム期間であった場合、前のセルはタイミング基準セルとして決定され、かつ後のセルは対になったセルとして決定される;前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が7サブフレーム期間又は8サブフレーム期間であった場合、後のセルはタイミング基準セルとして決定され、前のセルは対になったセルとして決定される。UE側及びノードB側の処理時間が短縮される場合、事前に定められるポリシーは、UE側及びノードB側がそれらの作業を完了するのに十分な処理時間を与えることを主に意図する。
【0076】
要約すると、実施例2により提供されるタイミング基準決定方法は、2つのセルのうちの1つをタイミング基準セルとして適切に決定することができる。また、タイミング基準決定方法を使用することにより、タイミング基準セルが決定された後、UE側及びノードB側における処理時間が短縮される場合、UE側及びノードB側は、それらの作業を完了するのに十分は処理時間を有することができる、ということが保証されてもよい。
【0077】
タイミング基準決定方法は、RNC等の管理ノードにより実行されてもよく、さらにまた、UE自身により実行されてもよいということに注意すべきである。一般に、タイミング基準決定方法は、管理ノードにより実行される。本発明の全ての態様を説明するために、以下において、異なる複数の実行環境に関連して、異なる複数の実施例を詳細に説明する。
【0078】
実施例3
この実施例における具体的な実施シナリオは、以下の通りであることが仮定される:2つのセルのHARQプロセスのスケジューリング期間双方は、6サブフレーム期間であり、かつ対になったサブフレームの間の遅延は、1.5タイムスロットである。タイミング基準セルを決定する処理は、管理ノードにより実行される。
【0079】
本発明の実施例3により提供されるタイミング方法のフローチャートである図5Aを参照する。タイミング方法は、図2A又は図2Bに示される通信システムにおいて用いられてもよい。通信システムは、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルを含んでもよく、ここで、2つのセル双方は、下りリンクの送信を実行するための高速ダウンリンクパケットアクセスを採用する。確かに、当業者は、このタイミング基準決定方法を、デュアル・キャリア−デュアル・セル・シナリオ又はデュアル・キャリア−4セル・シナリオにおいても使用できると、容易に考えることができる。タイミング方法は以下を含んでもよい:
【0080】
ステップ501:管理ノードは、携帯端末により通知されるアクセス時間差情報を取得する。
【0081】
アクセス時間差情報、すなわち、SFN−SFN観測時間差は、P−CCPCH(Primary Common Control Physical Channel、プライマリ共通制御物理チャネル)のSFN情報に従って取得される。UEは、アクセス時間差を観測し、かつそれをRNCに通知してもよい。アクセス時間差の具体的な値は、一般に、チップレベルの単位を使用して表され、かつ2つのセルのタイミングの差分が表されてもよい。
【0082】
ステップ502:管理ノードは、アクセス時間差情報に従って、2つのセルのサブフレーム対関係を生成する。
【0083】
RNCは、UEにより通知されるアクセス時間差情報に従って、2つのセルのサブフレーム対関係を生成する。下りリンクの信号を共同で送信するために2つのセルを使用する必要があるため、2つのセルが別々にUEに対して送信するサブフレームは、互いに対になっている。具体的には、本文書における、サブフレーム対関係の具体的な内容は、次のいずれかの形式であってもよい:第1に、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号;及び第2に、2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び第1のサブフレームと比較しての第2のサブフレームについてのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット。ここにおいて、システムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセットの双方は、整数である。2つの対になったサブフレームは、HS−SCCHチャネルにおける互いに対になった2つのサブフレームであってもよく、かつまたHS−PDSCHチャネルの中の互いに対になった2つのサブフレームであってもよい。
【0084】
ステップ503:管理ノードは、アクセス時間差情報及びサブフレーム対関係に従って、2つのセルの中の互いに対になったフレームの時系列関係を決定する。
【0085】
サブフレーム対関係を決定した後、RNCは、アクセス時間差情報及びサブフレーム対関係に従って、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定してもよい。例えば、互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係は、1つのサブフレームは、他のサブフレームよりも1.5タイムスロットだけ早いということである。説明を容易にするために、実施例における各種チャネル間のタイミング関係を示す図5Bを参照する。HS−SCCH1チャネル及びHS−PDSCH1チャネルは1つのセルに属し、一方で、HS−SCCH2チャネル及びHS−PDSCH2チャネルは他のセルに属すことが仮定される。HS−DPCCHチャネルは、2つのセルの中のサービングセルにより送信される上りリンクのフィードバックチャネルである。前述の説明から、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム512は、HS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム514を復号化するための制御信号を送信するために用いられ、かつ従って、2タイムスロットだけ先に送信される必要があるということが理解され得る。同様に、HS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム522は、HS−PDSCH2チャネルの中の第1のサブチャネル524を復号化するための制御チャネルを送信するために用いられ、そして従って、また、2タイムスロットだけ先に送信される必要がある。サブフレーム対関係を決定した後、RNCは、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム512及びHS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム522を、互いに対になったサブフレームとして決定し、そしてその後、アクセス時間差情報に従って、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム512が、HS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム522よりも1.5タイムスロットだけ早いことを認識してもよい。従って、RNCは、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム512は、前のサブフレームであり、かつHS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム522は、後のサブフレームであるということを決定してもよい。
【0086】
ステップ504:管理ノードは、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係に従って、2つのセルの中の前のセル及び後のセルを決定する。
【0087】
HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム512を前のサブフレームとして、かつHS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム522を後のサブフレームとしてRNCが決定した後、RNCは、HS−SCCH1チャネルが属するセルを前のセルとし、HS−SCCH2チャネルが属するセルを後のセルと決定してもよい。
【0088】
ステップ505:管理ノードは、前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前のセル及び後のセルのうちの1つをタイミング基準セルとして決定し、かつ他方を対になったセルとして決定する。
【0089】
RNCは、前のセル及び後のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間を取得してもよい。本実施例において、RNCは、前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が6サブフレーム期間であることを取得してもよい。従って、RNCは、実施例2により提供されるタイミング基準決定方法に従って、前のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ後のセルを対になったセルとして決定してもよい。
【0090】
ステップ506:管理ノードは、タイミング基準セルの識別子情報に従って、タイミング基準情報を生成する。
【0091】
タイミング基準情報は、一般に、前述の2つのセルのうちのタイミング基準セルとしての役割を果たす1つのセルの識別子情報を含み、ここで、識別子情報は、セルシーケンス番号であってもよく、かつセルシーケンス番号は負でない整数である。
【0092】
ステップ507:管理ノードは、サブフレーム対関係及びタイミング基準情報を携帯端末に送信する。
【0093】
RNCは、携帯端末が複数のサブフレームを受信することができるようにするため、サブフレーム対関係及びタイミング基準情報を、同時又は異なる時間に、携帯端末に送信してもよい。好適には、時間基準情報を送信する一方で、RNCはさらに、フィードバック時間表示情報を携帯端末に送信してもよく、ここで、フィードバック時間表示情報は、事前に定められたタイムスロット長を表示するために用いられる。事前に定められたタイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である。
【0094】
ステップ508:携帯端末は、タイミング基準情報に従って、2つのセルのうちの1つが、タイミング基準セルであることを認識する。
【0095】
タイミング基準情報を受信した後、UEは、HS−SCCH1チャネルの属するセルがタイミング基準セルであり、かつHS−SCCH2チャネルの属するセルが対になったセルである、ということを認識してもよい。
【0096】
ステップ509:携帯端末は、2つのセルの対になったサブフレームを受信し、かつタイミング基準セルにおいて、サブフレームを受信した後、事前に定められたタイムスロット後のハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックする。ここで、ハイブリッドARQ受信確認情報は、2つのセルにおける対になったサブフレームに対して、共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である。
【0097】
UEは、RNCにより送信される2つのセルのサブフレーム対関係に従って、2つのセルの対になったサブフレームを受信してもよい。具体的に言うと、UEは、タイミング基準セルの中のサブフレーム及び他のセルの中の対になったサブフレームを受信した後、事前に定められたタイムスロット長後のHARQ−ACK情報をフィードバックする必要があり、ここで、HARQ−ACK情報は、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームについて共同でフィードバックされるHARQ−ACK情報である。事前に定められたタイムスロット長は、デフォルト値であってもよく、かつまた、RNCにより送信されるフィードバック時間表示情報を分析することにより得られる値であってもよい。
【0098】
図5Bに関連して、UEは、まず、タイミング基準セルの中のHS−SCCH1チャネルにおいて第1のサブフレーム512を受信し、かつその後、2タイムスロット後に、タイミング基準セルの中のHS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム514を受信する、ということが理解され得る。この時、UEは、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム512により送信される制御信号に従って、HS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム514に対する復調、復号化、及びその他の操作を実行してもよい。UEは、1.5タイムスロット後に、対になったセルの中のHS−SCCH2チャネルにおける第1のサブフレーム522を受信し、かつその後、2タイムスロット後に、タイミング基準セルの中のHS−PDSCH2チャネルにおける第1のサブフレーム524を受信する。この時、UEは、HS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム522により送信される制御信号に従って、HS−PDSCH2の中の第1のサブフレーム524に対する復調、復号化、及びその他の操作を実行してもよい。サブフレームの受信及び処理が完了した後、UEは、HS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム514を受信した後、事前に定められたタイムスロット長の後のHARQ−ACK情報をフィードバックする必要がある。HARQ−ACK情報は、タイミング基準セルの中のサブフレーム514の受信情報及び対になったセルの中の対になったサブフレーム524の受信情報を共同で符号化することにより得られるHARQ−ACK情報であり、かつ、一般に、1タイムスロット長、つまり、図5Bに示される532を占有する。すなわち、2つのセルが正確にフィードバック情報を受信することを可能にするために、UEは、互いに対になったサブフレーム514及びサブフレーム524を受信した後、2つのサブフレームを復調及び復号化するための時間区間を有し、かつその後、約7.5タイムスロットのネゴシエーションを行った後、2つのサブフレームが正常に受信されたかどうかを示す共同で符号化されたHARQ−ACK情報を、HS−DPCCHチャネルに対してフィードバックする。このプロセスにおいて、UEが時間基準セルのサブフレーム514を処理するための時間T1ueは、事前に定められたタイムスロット長、つまり約7.5タイムスロットであるが、対になったセルのサブフレーム524をUEが処理するための時間T2ueは:事前に定められたタイムスロット長−|サブフレーム514と対になったサブフレーム524との間の時間差|に、つまり、6タイムスロットに短縮される。一方で、ノードB側について、タイミング基準セルが属する基地局は、HARQ−ACK情報を受信した後、UEからフィードバックされるHARQ−ACK情報に対する処理を実行する必要があり、ここで、処理時間T1ノードBは:タイミング基準セルのHARQ処理のスケジューリング期間により占有されるタイムスロット長−T3−T1ue=4.5タイムスロットであり、そしてその後、タイミング基準セルは次のセブフレームの送信を開始する。対になったセルの属する基地局は、HARQ−ACK情報を受信した後、UEからフィードバックされるHARQ−ACK情報に対する処理を実行する必要があり、ここで、処理時間T2ノードBは:対になったセルのHARQプロセスのスケジューリング期間により占有されるタイムスロット長−T3−T2ue=6タイムスロットに延長され、そしてその後、対になったセルは、次のサブフレームの送信を開始する。
【0099】
T3=|HS−PDSCHチャネルの中のサブフレームとHS−SCCHチャネルの中の対応するサブフレームとの間のタイムスロットの差分|+(HS−PDSCHチャネルの中のサブフレームにより占有されるタイムスロット長)+(HARQ−ACK情報により占有されるタイムスロット)=2タイムスロット+3タイムスロット+1タイムスロット=6タイムスロット。
【0100】
2つのセルの対になったサブフレームの間の時間差の可能な範囲は、[−1.5タイムスロット、1.5タイムスロット]であり、かつ本実施例において仮定される1.5タイムスロットに限定されない、ということに注意すべきである。また、これについては、他の複数の実施例に対しても適用され、かつ詳細を再度説明することは行わない。
【0101】
要約すると、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルのうちの1つをタイミング基準セルとして決定し、かつタイミング基準セルをHARQ−ACK情報をフィードバックするための基準として使用する技術的手段により、本発明の実施例3により提供されるタイミング方法は、UEが、サービングセル及び補助サービングセルの2つのHARQ−ACK情報を共同でフィードバックするために、同じHS−DPCCHを使用する場合に生じる、タイミング問題を解決することができる。UE及び対になったセルが属するノードBの処理時間を短縮又は延長する技術的手段に関して、UE及びノードBの双方は、それらの作業を処理するために十分な時間(例えば、ノードBは、それ自身の作業を処理するために、少なくとも4.5タイムスロットの時間を必要とする)を有することが可能となり、かつ異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルについて、UEが、通常、マルチフロー送信技術を使用することを可能にするという技術的効果が達成される。
【0102】
実施例4
この実施例において、前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間は、7サブフレームの期間であり、後のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間は、6サブフレームの期間であり、かつ対になったサブフレームの間の遅延は1.5タイムスロットである、ということが仮定される。タイミング基準セルを決定する処理は、管理ノードにより実行される。
【0103】
本発明の実施例4により提供される通信システムの構成ブロック図である図6Aを参照する。通信システムは、図2A又は図2Bに示される通信システムであってもよい。通信システムは異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含んでもよく、ここで、2つのセルの双方は、下りリンクの送信を行うために、高速ダウンリンクパケットアクセスを採用する。通信システムは、具体的には、管理ノード610及び携帯端末630を含んでもよい。
【0104】
管理ノード610は、携帯端末630に、タイミング基準情報を送信するように構成される。一般に、管理ノード610は、RNCである。管理ノード610は、具体的には、アクセス時間取得モジュール612、タイミング基準決定モジュール614、及びタイミング基準送信モジュール616を備えてもよい。
【0105】
アクセス時間取得モジュール612は、携帯端末630により通知されるアクセス時間差情報を取得するように構成される。
【0106】
タイミング基準決定モジュール614は、アクセス時間差情報に従って、タイミング基準情報を生成するように構成され、ここで、タイミング基準情報は、タイミング基準セルの識別子情報を含む。タイミング基準決定モジュール614は、図7に示されるように、対関係生成部710、時間関係決定部720、セル関係決定部730、タイミング基準決定部740、及び基準情報生成部750、を含んでもよい。対関係生成部710は、アクセス時間取得モジュール612により取得されたアクセス時間差情報に従って、2つのセルのサブフレーム対関係を生成するように構成される。時間関係決定部720は、アクセス時間差情報及びサブフレーム対関係に従って、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定する。セル関係決定部730は、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係に従って、2つのセルの中の前のセル及び後のセルを決定する。タイミング基準決定部740は、前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間に従って、前のセル及び後のセルのうちの1つをタイミング基準セルとして決定し、かつ他方を対になったセルと決定する。基準情報生成部750は、タイミング基準セルの識別子情報に従って、タイミング基準情報を生成するように構成される。
【0107】
具体的に言うと、タイミング基準決定部740は、スケジューリング期間取得サブユニット742、第1決定サブユニット744、及び第2決定サブユニット746を含んでもよい。スケジューリング期間取得サブユニット742は、前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間を取得するように構成され、ここで、スケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間の内の1つである。前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が、6サブフレーム期間であった場合、第1決定サブユニット744は、前のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ後のセルを対になったセルとして決定するように構成される。前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が7サブフレーム期間又は8サブフレーム期間であった場合、第2決定サブユニット746は、後のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ前のセルを対になったセルとして決定するように構成される。図6Bに示される具体的な実行環境において、スケジューリング期間取得サブユニット742は、前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が7サブフレーム期間であること、及び後のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が6サブフレーム期間であることを取得するので、第2決定サブユニット746は、後のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ前のセルを対になったセルとして決定してもよい。
【0108】
タイミング基準送信モジュール616は、携帯端末に対して、タイミング基準情報を送信するように構成される。
【0109】
携帯端末630は、基準情報分析モジュール632、サブフレーム対受信モジュール634、及び受信情報フィードバックモジュール636を含んでもよい。
【0110】
基準情報分析モジュール632は、タイミング基準情報に従って、2つのセルのうちの1つのがタイミング基準セルであることを認識するように構成される。図6Bに示される具体的な実行環境において、基準情報分析モジュール632は、HS−SCCH1チャネルが属するセルがタイミング基準セルであり、かつHS−SCCH2チャネルが属するセルが対になったセルであるということを認識してもよい。
【0111】
サブフレーム対受信モジュール634は、2つのセルの対になったサブフレームを受信するように構成される。サブフレーム対受信モジュール634は、まず、タイミング基準セルの中のHS−SCCH1チャネルにおける第1のサブフレーム612を受信し、そしてその後、2タイムスロット後に、タイミング基準セルの中のHS−PDSCH1チャネルにおける第1のサブフレーム614を受信する。この時、サブフレーム対受信モジュール634は、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム612により送信される制御信号に従って、HS−PDSCH1の中の第1のサブフレーム614に対する復調、復号化、及びその他の操作を実行してもよい。サブフレーム対受信モジュール634は、さらに、対になったセルの中のHS−SCCH2チャネルにおける第1のサブフレーム622を受信し、かつその後、2タイムスロット後に、タイミング基準セルの中のHS−PDSCH2チャネルにおける第1のサブフレーム624を受信する。この時、サブフレーム対受信モジュール634は、HS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム622により送信される制御信号に従って、HS−PDSCHチャネルにおける第1のサブフレーム624に対する、復調、復号化、及びその他の操作を実行してもよい。具体的に言うと、管理ノードは、さらに、対関係送信モジュール(図示しない)を含んでもよく、そして対関係送信モジュールは、2つのセルのサブフレーム対関係を、携帯端末630に対して送信するように構成される。これに対応して、携帯端末は、対関係受信モジュール(図示せず)を含んでもよく、そして対関係受信モジュールは、対関係送信モジュールにより送信される、サブフレーム対関係を受信するように構成されてもよい。サブフレーム対受信モジュール634は、対関係送信モジュールにより送信された2つのセルのサブフレーム対関係に従って、2つのセルの対になったサブフレームを受信してもよい。
【0112】
受信情報フィードバックモジュール636は、タイミング基準セルの中のサブフレームが受信された後、事前に定められたタイムスロット長後のハイブリッドARQ受信確認情報を受信するように構成され、ここで、ハイブリッドARQ受信確認情報は、2つのセルの対になったサブフレームに対して、共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である。事前に定められるタイムスロット長は、既定値又は管理ノードにより送信されるフィードバック時間表示情報に従って認識される値であってもよい。管理ノードがフィードバック時間表示情報を送信する実施例において、管理ノードは、好適には、さらに、表示情報送信モジュール(具体的には図示せず)を含んでもよい。表示情報送信モジュールは、フィードバック時間表示情報を携帯端末に対して送信するように構成されてもよく、ここで、フィードバック時間表示情報は、事前に定められるタイムスロット長を表示するために使用される。タイムスロット長の値の範囲は、[7.5タイムスロット−1.5タイムスロット、7.5タイムスロット+1.5タイムスロット]である。
【0113】
図6Bに関連して、受信情報フィードバックモジュール636は、HS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム614が受信された後、事前に定められたタイムスロット長の時間後にHARQ−ACK情報をフィードバックすべきである。事前に定められたタイムスロット長は、約7.5タイムスロット±1.5タイムスロットである。HARQ−ACK情報は、時間基準セルの中のサブフレーム614の受信情報及び対になったセルの中の対になったサブフレーム624の受信情報を共同で符号化することにより得られたHARQ−ACK情報であり、そして、一般に、1タイムスロット、つまり、図6Bに示される632により占有される。つまり、2つのセルがフィードバック情報を正しく受信できるようにするために、サブフレーム対受信モジュール634は、互いに対になったサブフレーム614及びサブフレーム624を受信した後、2つのサブフレームを復調及び復号化するためのいくらかの時間を有し、そしてその後、受信情報フィードバックモジュール636は、事前に定められたタイムスロット長(7.5タイムスロット)のネゴシエーションを行った後、2つのサブフレームが正常に受信されたかどうかを示す、共同で符号化されたHARQ−ACK情報をHS−DPCCHチャネルにフィードバックしなければならない。このプロセスにおいて、サブフレーム対受信モジュール634が、時間基準セルのサブフレーム614を処理するために必要な時間T1ueは、事前に定められた時間スロット長である、つまり、約7.5タイムスロットであるが、サブフレーム対受信モジュール634が対になったセルのサブフレーム624を処理するために必要な時間T2ueは:事前に定められたタイムスロット長+|サブフレーム614と対になったサブフレーム624との時間差|、つまり、9タイムスロットに拡張される。ノードB側について、タイミング基準セルが属する基地局は、HARQ−ACK情報を受信した後、受信情報フィードバックモジュール636から受信されたHARQ−ACK情報についての処理を実行する必要があり、ここで、処理時間T1ノードBは:タイミング基準セルのHARQプロセスのスケジューリング期間により占有されるタイムスロット長−T3−T1ue=4.5タイムスロット長であり、かつその後タイミング基準セルは、次のサブフレームの送信を開始する。対になったセルの属する基地局は、HARQ−ACK情報を受信した後、受信情報フィードバックモジュール636によりフィードバックされたHARQ−ACK情報についての処理を実行する必要があり、ここで、処理時間T2ノードBは:対になったセルのHARQプロセスのスケジューリング期間により占有されるタイムスロット長−T3−T2ue=6タイムスロットに短縮され、そしてその後、対になったセルは次のフレームの送信を開始する。
【0114】
T3=|HS−PDSCHチャネルの中のサブフレームとHS−SCCHチャネルの中の対応するサブフレームとの時間差|+(HS−PDSCHチャネルの中のサブフレームにより占有されるタイムスロット長)+(HARQ−ACK情報により占有されるタイムスロット)=2タイムスロット+3タイムスロット+1タイムスロット=6タイムスロット。
【0115】
要約すると、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルの1つをタイミング基準セルとして決定し、かつタイミング基準セルをHARQ−ACK情報をフィードバックするための基準として使用する技術的手段により、本発明の実施例4により提供される通信システムは、UEが、サービングセル及び補助サービングセルの2つのHARQ−ACK情報を共同でフィードバックするために、同じHS−DPCCHを使用する場合に生じるタイミングの問題を解決する。UE及び対になったセルが属するノードBの処理時間を短縮又は延長する技術的手段に関して、UE及びノードBの双方は、それらの作業を処理するために十分な時間(例えば、ノードBは、それ自身の作業を処理するために、少なくとも4.5タイムスロットの時間を必要とする)を有することが可能となり、かつ異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルについて、UEが、通常、マルチフロー送信技術を使用することを可能にするという技術的効果が達成される。
【0116】
追加的に、UEにより受信されるサブフレーム対関係は、2つの形式であってもよいということに注意すべきである。
【0117】
形式1:2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号。例えば、HS−SCCHチャネルの中の互いに対になった2つのサブフレームがサブフレーム612及びサブフレーム622である場合、サブフレーム対関係は:サブフレーム612のシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及びサブフレーム622のシステムフレーム番号及びサブフレーム番号を含んでもよい。
【0118】
形式2:2つのセルの中の互いに対になった第1のサブフレーム及び第2のサブフレームにおける、第1のサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、及び第1のサブフレームと比較しての、第2のサブフレームについてのシステムフレーム番号オフセット及びサブフレーム番号オフセット。例えば、HS−SCCHチャネルにおける2つの互いに対になったサブフレームが第1のサブフレーム612及び第2のサブフレーム622である場合、サブフレーム対関係は:第1のサブフレーム612のシステムフレーム番号及びサブフレーム番号、第2のサブフレーム622のシステムフレーム番号と第1のサブフレーム612のシステムフレーム番号との間のオフセット、及び第2のサブフレーム622のサブフレーム番号と第1のサブフレーム612のサブフレーム番号との間のオフセット、を含んでもよい。しかしながら、第1のサブフレームは、一般に、HS−SCCHチャネルの中のタイミング基準セルのサブフレームであるか、又はHS−SCCHチャネルの中のプライマリサービングセルのサブフレームである、ということ注意すべきである。
【0119】
前述の複数の機能モジュールの分割は、前述の実施例4により提供される通信システムの説明における例としてのみ用いられる、ということに注意すべきである。実際的な適用において、前述の複数の機能は、必要に応じて、異なる複数の機能モジュールにより実現されてもよい、すなわち、装置の内部構成は、説明された複数の機能の全て又はその一部を完成させるために、異なる複数の機能モジュールに分割される。また、前述の実施例により提供される通信システム及び実施例3において示される方法の実施例は、同じ考えに基づいている。通信システムの具体的な実施プロセスについて、方法の実施例が参照されてもよい。本明細書において、詳細は、追加的には説明されない。
【0120】
実施例5
前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間及び後のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間の双方は、7サブフレーム期間であり、対になったサブフレームの間の遅延は、1.5タイムスロットであることが仮定される。タイミング基準セルを決定する処理は、携帯端末により実行される。
【0121】
本発明の実施例5により提供される携帯端末の構成ブロック図である図8Aを参照する。携帯端末は、図2A又は図2Bに示される通信システムにおいて使用されてもよい。通信システムは、異なる下りリンクのチャネルタイミングを有する2つのセルを含んでもよく、ここで、2つのセルの双方は、下りリンクの送信を実行するための高速ダウンリンクパケットアクセスを採用する。携帯端末は、セル関係決定モジュール820、タイミング基準決定モジュール840、及び受信情報フィードバックモジュール860を含んでもよい。
【0122】
セル関係決定モジュール820は、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係に従って、2つのセルの中の前のセル及び後のセルを決定するように構成されている。図8Bを参照すると、図8Bは、本実施例の中の各種チャネル間のタイミング関係を示している。HS−SCCH1チャネル及びHS−PDSCH1チャネルは、1つのセルに属する一方で、HS−SCCH2チャネル及びHS−PDSCH2チャネルは、他のセルに属すると仮定される。HS−DPCCHチャネルは、2つのセルの中のサービングセルにより送信される、上りリンクのフィードバックチャネルである。前述の説明から、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム812は、HS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム814を復号化するための制御信号を送信するために使用され、そして従って2タイムスロット先に送信される必要がある、ということが理解され得る。同様に、HS−SCCH2の中の第1のサブフレーム822は、HS−PDSCH2チャネルの中の第1のサブフレーム824を復号化するための制御信号を送信するために使用され、そして従って、また、2タイムスロット先に送信される必要がある。HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム812及びHS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム822は、互いに対になったサブフレームであり、かつHS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム812は、HS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム822よりも、1.5タイムスロット後である。従って、セル関係決定モジュール820は、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム812を後のサブフレームとして、そしてHS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム822を前のサブフレームとして決定してもよく、つまり、HS−SCCH1の属するセルは後のセルであり、かつHS−SCCH2の属するセルは前のセルである。
【0123】
タイミング基準決定モジュール840は、前のセルのハイブリッドARQのスケジューリング期間に従って、前のセル及び後のセルのうちの1つをタイミング基準セルとして決定し、かつ他方を対になったセルとして決定する。タイミング基準決定モジュール840は、具体的には、図9に示されるように、スケジューリング期間取得部842、第1決定サブユニット844、及び第2決定サブユニット846を含んでもよい。スケジューリング期間取得部842は、前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間を取得するように構成され、ここでスケジューリング期間は、6サブフレーム期間、7サブフレーム期間、及び8サブフレーム期間のうちの1つである。第1決定サブユニット844は、前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が6サブフレーム期間である場合に、前のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ後のセルを対になったセルとして決定するように構成される。第2決定サブユニット846は、前のセルのハイブリッドARQプロセスのスケジューリング期間が7サブフレーム期間又は8サブフレーム期間である場合に、後のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ前のセルを対になったセルとして決定するように構成される。
【0124】
図8Bは、スケジューリング期間取得部842により取得され得る、前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が7サブフレーム期間であった場合に、第2決定サブユニット846が、後のセルをタイミング基準セルとして決定し、かつ前のセルを対になったセルとして決定し得ることの例として用いられる。
【0125】
受信情報フィードバックモジュール860は、タイミング基準セルの中のサブフレームが受信された後、事前に定められたタイムスロット長の後のハイブリッドARQ受信確認情報をフィードバックするように構成される。ここで、ハイブリッドARQ受信確認情報は、2つのセルの中の対になったサブフレームを共同で同時にフィードバックされるハイブリッドARQ受信確認情報である。
【0126】
具体的に言えば、UE自身は、また、実施例2において言及されるタイミング基準決定方法に従って、タイミング基準セルを決定してもよい。実際の送信プロセスにおいて、UEは、まず、タイミング基準セルの中のHS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム812を受信し、2タイムスロット後に、タイミング基準セルのHS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム814を受信する。この時、UEは、HS−SCCH1チャネルの中の第1のサブフレーム812により送信される制御チャネルに従って、HS−PDSCH1チャネルの中の第1のサブフレーム814に対する復調、復号化、及びその他の操作を実行してもよい。UEは、さらに、対になったセルにおけるHS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム822を受信し、そしてその後、2タイムスロット後に、タイミング基準セルの中のHS−PDSCH2チャネルの中の第1のサブフレーム824を受信する。この時、UEは、HS−SCCH2チャネルの中の第1のサブフレーム822により送信される制御信号に従って、HS−PDSCH2チャネルの中の第1のサブフレーム824に対する復調、復号化、及びその他の操作を実行してもよい。その後、UEは、HS−PDSCH1の中の第1のサブフレーム814を受信した後、事前に定められたタイムスロット長の後のHARQ−ACK情報をフィードバックすべきである。事前に定められたタイムスロット長は、約7.5タイムスロット±1.5タイムスロットである。HARQ−ACK情報は、タイミング基準セルの中のサブフレーム814の受信情報及び対をなすセルの中の対をなすサブフレーム824の受信情報を共同で符号化することにより得られるHARQ−ACK情報であり、かつ、一般に、1タイムスロット、すなわち、図8Bに示される832を占有する。すなわち、2つのセルが正しくフィードバック情報を受信できるようにするために、UEは、互いに対になったサブフレーム814及びサブフレーム824を受信した後、2つのサブフレームに対して復調及び復号化を実行するためのいくらかの時間を持ち、そしてその後、事前に定められたタイムスロット長(約7.5タイムスロット)のネゴシエーションを行った後、2つのサブフレームが正常に受信されたかどうかを示す共同で符号化されたHARQ−ACK情報を、HS−DPCCHチャネルに対してフィードバックしなければならない。この処理において、タイミング基準セルのサブフレーム814をUEが処理するための時間T1ueは、事前に定められたタイムスロット長であり、つまり、約7.5タイムスロットであるが、対になったセルのサブフレーム824をUEが処理するための時間T2ueは:事前に定められたタイムスロット長+|サブフレーム814と対になったサブフレーム824との間の時間差|、つまり、9タイムスロットに延長される。ノードB側について、タイミング基準セルが属する基地局は、HARQ−ACK情報を受信した後、UEからフィードバックされたHARQ−ACK情報に対する処理を実行する必要があり、ここで、処理時間T1ノードBは:タイミング基準セルのHARQプロセスのスケジューリング期間により占有されるタイムスロット長−T3−T1ue=7.5タイムスロットであり、そしてその後タイミング基準セルは、次のサブフレームの送信を開始する。対になったセルが属する基地局は、HARQ−ACK情報を受信した後、UEからフィードバックされたHARQ−ACK情報に対する処理を実行する必要があり、ここで、処理時間T2ノードBは:対になったセルのHARQプロセスのスケジューリング期間により占有されるタイムスロット長−T3−T2ue=6タイムスロットに短縮され、そしてその後、対になったセルは、次のサブフレームの送信を開始する。
【0127】
T3=|HS−PDSCHチャネルの中のサブフレームとHS−SCCHチャネルの中の対応するサブフレームとの間のタイムスロットの差分|+(HS−PDSCHチャネルの中のサブフレームにより占有されるタイムスロット長)+(HARQ−ACK情報により占有されるタイムスロット)=2タイムスロット+3タイムスロット+1タイムスロット=6タイムスロット。
【0128】
好適には、携帯端末は、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するための2つの方法を採用してもよい。従って、具体的な実施例において、図9に示されるように、携帯端末は、さらに、アクセス情報取得モジュール902及び第1時間関係決定モジュール904をさらに含んでもよい。アクセス情報取得モジュール902は、2つのセルのアクセス時間差情報を取得するように構成される。第1時間関係決定モジュール904は、アクセス時間差情報に従って、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するように構成される。
【0129】
他の具体的な実施例において、携帯端末は、さらに、対関係受信モジュール1002、受信時間取得モジュール1004、及び第2時間関係決定モジュール1006を含んでもよい。対関係受信モジュール1002は、2つのセルのサブフレーム対関係を受信するように構成される。受信時間取得モジュール1004は、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの受信時間を取得するように構成される。第2時間関係決定モジュール1006は、サブフレーム対関係及び受信時間に従って、2つのセルの中の互いに対になった2つのサブフレームの時系列関係を決定するように構成される。
【0130】
要約すると、異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルの1つをタイミング基準セルとして決定し、かつタイミング基準セルをHARQ−ACK情報をフィードバックする基準として使用する技術的手段により、本発明の実施例5により提供される携帯端末は、UEが、サービングセル及び補助サービングセルの2つのHARQ−ACK情報を共同でフィードバックするために、同じHS−DPCCHを使用する場合に発生するタイミングの問題を解決する。UE及び対になったセルが属するノードBの処理時間を短縮又は延長する技術的手段に関連して、UE及びノードBの双方は、それら自身の作業を処理するために十分な時間を持つことができ(例えば、ノードBは、それ自身の作業を処理するために、4.5タイムスロット以上の時間を要する)、かつ異なる下りリンクのチャネルのタイミングを有する2つのセルの中において、UEが、通常、マルチフロー送信技術を使用することを可能にするという、技術的な効果が達成される。
【0131】
さらに、前のセルのHARQプロセスのスケジューリング期間が8サブフレーム期間である実施例は、前述の実施例に従って、容易に考えることができ、そして従って本明細書において再度説明しない、ということに注意すべきである。
【0132】
当業者は、複数の実施例の全て又は一部のステップを、ハードウェア又は関連するハードウェアに命令するプログラムによって実施することができる、ということを理解することができる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に記憶されてもよい。記憶媒体は:読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクを含んでもよい。
【0133】
前述の複数の実施例は、本発明の単なる複数の例示的な実施例であり、かつ本発明を限定することは意図されていない。本発明の精神及び原理から逸脱することなく行われる全ての変更、均等な置換、及び改良は、本発明の保護範囲に属さなければならない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10