【実施例】
【0036】
実施例1
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化15】
スキーム1、工程I:水酸化ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1.0M溶液)を、メタノール(2mL)中の4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩(258mg、0.24mmol)の溶液に加える。40℃にて2時間後、濃縮して減圧下で溶媒を除去して残渣を得、それを分取HPLC法:高pH、30×75mmを使用して85mL/分にて4分間25%B、4分間25〜40B%、5umC18XBridge ODBカラム、溶媒A−H
2Ow pH10にてNH
4HCO
3、溶媒B−MeCNにより精製して、固体(46mg、0.08mmol)として標題化合物を得る。MS(m/z):598.8(M+1),596.8(M−1)。
【0037】
【化16】
【0038】
調製例9
4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化17】
スキーム2、工程A:1Lのフラスコに、4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール(24g、77.6mmol)、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−アルファ−D−グルコピラノシルブロミド(50.4g、116mmol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(5g、15.5mmol)、ジクロロメタン(250mL)、炭酸カリウム(32g、323mmol)および水(120mL)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。ジクロロメタン(450mL)で抽出する。抽出物を水(300mL)およびブライン(500mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(36.5g、57mmol)を得る。MS(m/z):638.5(M+1),636.5(M−1)。
【0039】
4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシドの代替の合成
試薬4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール(24.0g、77.6mmol)、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−アルファ−D−グルコピラノシルブロミド(50.4g、116mmol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(4.94g、15.52mmol)、炭酸カリウム(32.18g、232.9mmol)、ジクロロメタン(250mL)および水(120mL)を合わせ、混合物を周囲温度にて18時間撹拌する。混合物をジクロロメタン(250mL)と水(250mL)の間に分ける。有機相をブライン(250mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の10%酢酸エチルからジクロロメタン中の70%酢酸エチルで溶出する)により精製して、標題化合物(36.5g、74%収率)を得る。MS(m/z):639/641(M+1)。
【0040】
調製例10
4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化18】
スキーム2、工程B:3−ブテン−1−オール(6.1mL、70mmol)を、アセトニトリル(200mL)およびトリエチルアミン(50mL)中の4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(15g、23.5mmol)の溶液に加える。溶液を窒素で10分にわたって脱気する。トリ−o−トリルホスフィン(1.43g、4.7mmol)および酢酸パラジウム(526mg、2.35mmol)を加える。90℃にて2時間還流した後、冷却し、濃縮して減圧下で溶媒を除去する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(7.5g、11.9mmol)を得る。MS(m/z):631.2(M+1),629.2(M−1)。
【0041】
調製例11
4−{4−[(1E)−4−オキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化19】
スキーム2、工程C:3,3,3−トリアセトキシ−3−ヨードフタリド(2.1g、4.76mmol)を、0℃にて、ジクロロメタン(50mL)中の4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(1.5g、2.38mmol)および炭酸水素ナトリウム(2g、23.8mmol)の溶液に加える。室温にて15分後、反応を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチする。ジクロロメタン(30mL)で抽出し、抽出物を水(30mL)およびブライン(40mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.95g、1.51mmol)を得る。MS(m/z):628.8(M+1),626.8(M−1)。
【0042】
調製例12
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートの合成
【化20】
スキーム2、工程D:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(303mg、1.4mmol)を、1,2−ジクロロエタン(30mL)中の4−{4−[(1E)−4−オキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(600mg、0.95mmol)およびtert−ブチル2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(333mg、1.2mmol)の溶液に加える。室温にて30分後、反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)でクエンチする。ジクロロメタン(60mL)で抽出する。抽出物を水(30mL)およびブライン(60mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(500mg、0.58mmol)を得る。MS(m/z):866.8,867.8(M+1),864.8,865.8(M−1)。
【0043】
調製例13
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレートの合成
【化21】
標題化合物を実質的に調製例12の方法によって調製する。MS(m/z):852.8,853.6(M+1),850.8,851.6(M−1)。
【0044】
調製例14
tert−ブチル9−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボキシレートの合成
【化22】
標題化合物を実質的に調製例12の方法によって調製する。MS(m/z):866.8,867.6(M+1),864.8,865.6(M−1)。
【0045】
調製例15
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩の合成
【化23】
スキーム2、工程E:塩化水素(1,4−ジオキサン中の4.0M溶液、1.5mL、5.8mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中のtert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(500mg、0.58mmol)の溶液に加える。室温にて2時間後、濃縮して減圧下で溶媒を除去して、固体(480mg、0.57mmol)として標題化合物を得る。MS(m/z):767.4(M+1)。
【0046】
調製例16
4−{4−[(1E)−4−(2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩の合成
【化24】
標題化合物を実質的に調製例15の方法によって調製する。MS(m/z):752.8,753.8(M+1),750.8(M−1)。
【0047】
実施例1の第1の代替の合成
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの第1の代替の合成
【化25】
スキーム2、工程F:メタノール(5mL)、トリエチルアミン(3mL)および水(3mL)を、4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩(480mg、0.24mmol)に加える。室温にて18時間(一晩)後、濃縮して減圧下で乾燥させる。得られた残渣を分取HPLC法:高いpH、30×75mm、5um C18XBridge ODBカラムを使用して85mL/分にて4分間25%のB、4分間25〜40B%、pH10にて溶媒A−H
2O w NH
4HCO
3、溶媒B−MeCNにより精製して、固体(50mg、0.08mmol)として標題化合物を得る。MS(m/z):598.8(M+1),596.8(M−1).
1HNMR(400.31MHz,CD
3OD):δ7.11(d,J=1.3Hz,1H),7.04(dd,J=1.3,8.0Hz,1H),6.87(d,J=8.0Hz,1H),6.36(d,J=15.8Hz,1H),6.16(dt,J=15.8,6.3Hz,1H),5.02(m,1H),3.81(d,J=11.7Hz,1H),3.72(d,J=16.8Hz,1H),3.68(d,J=16.8Hz,1H),3.64(m,1H),3.37−3.29(m,4H),2.79(m,1H),2.72(t,J=5.8Hz,4H),2.44−2.33(m,6H),2.30(s,3H),2.26(broads,2H),1.59(m,2H),1.50(m,2H),1.43(m,2H),1.36(m,2H),1.11(d,J=7.0Hz,3H),1.10(d,J=7.0Hz,3H)。
【0048】
実施例2
4−{4−[(1E)−4−(2,8−ジアザスピロ[4,5]デカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化26】
標題化合物を実質的に実施例1の第1の代替の合成の方法によって調製する。MS(m/z):584.7(M+1),582.8(M−1)。
【0049】
実施例3
4−{4−[(1E)−4−(3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化27】
標題化合物を実質的に、調製例15において説明しているようにHClを用いて調製例14の化合物を最初に処理し、次いで得られた塩酸塩を、実施例1の第1の代替の合成に説明しているようにトリエチルアミンを用いて処理することによって調製する。MS(m/z):598.8,599.8(M+1),596.8,597.8(M−1)。
【0050】
【化28】
【0051】
調製例17
tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートの合成
【化29】
スキーム3、工程A:炭酸セシウム(46.66g、143.21mmol)を、アセトニトリル(167mL)中のtert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(16.66g、57.28mmol)の懸濁液に加える。混合物を周囲温度にて10分間撹拌し、次いで4−ブロモブチン(6.45mL、68.74mmol)を加える。反応物を還流で加熱し、18時間撹拌する。混合物を冷却し、減圧下で濃縮する。残渣を水(200mL)と酢酸エチル(150mL)との間に分ける。相を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出する。合わせた有機層を水(200mL)、次いでブライン(150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標題化合物(17.2g、98%収率)を得る。
1H NMR(300.11MHz,CDCl3):δ3.43−3.31(m,4H),2.53−2.48(m,2H),2.37−2.29(m,4H),2.20(s,2H),1.94(t,J=2.6Hz,1H),1.44(s,17H)。
【0052】
調製例18
tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートの合成
【化30】
スキーム3、工程B:トリエチルアミン(5.62mmol、0.783mL)、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(8.56mL、59.0mmol)および塩化ジルコノセン(1.45g、5.62mmol)を、tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(17.21g、56.16mmol)に加える。得られた混合物を65℃で3.5時間加熱する。混合物を冷却し、ジクロロメタン(150mL)中に溶解する。得られた溶液を、ジクロロメタン(2×200mL)で溶出する約4cm厚のシリカゲルパッドに通す。濾液を減圧下で濃縮して標題化合物(21.2g、87%収率)を得る。
1H NMR(300.11MHz,CDCl3):δ6.65−6.55(m,1H),5.49−5.43(m,1H),3.42−3.29(m,4H),2.40−2.27(m,6H),2.25−2.08(m,2H),1.70−1.13(m,29H)。
【0053】
調製例19
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートの合成
【化31】
スキーム3、工程C:テトラヒドロフラン(200mL)および水(40mL)中の4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(20g、31.3mmol)、tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(16.3g、37.5mmol)および炭酸カリウム(12.97g、93.82mmol)の溶液を、それを通して窒素ガスを泡立てることによって15分間脱気する。Pd(OAc)
2(140mg、625μmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(0.596g、1.25mmol)を加え、反応物を還流で16時間加熱する。溶液を周囲温度で冷却し、メタノール(200mL)を加える。30分後、溶媒を減圧下で除去する。混合物を酢酸エチル(500mL)とブライン(500ml)との間で分け、相分離を支援するためにMgSO
4水溶液(1M;500ml)を加える。層を分離し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、酢酸エチル(約1.5L)で溶出する10cmのシリカゲルパッドで濾過する。濾液を捨て、シリカパッドをTHF(2L)中の5%MeOHでフラッシュする。メタノール濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物(20.1g、92%)を得る。MS(m/z):699(M+1)。
【0054】
実施例1の第2の代替の合成
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの第2の代替の合成
【化32】
スキーム3、工程D:トリフルオロ酢酸(32.2mL;0.426mol)を、氷水で冷却したジクロロメタン(149mL)中のtert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(14.87g;21.28mmol)の溶液に加える。溶液を室温に加温する。30分後、混合物をMeOH(2M;300mL)中のアンモニアにゆっくり加え、一定の温度を維持するのに必要な場合、冷却を適用する。溶液を室温にて15分間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、SCX−2樹脂を使用して残渣を精製する。塩基性濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル中で粉砕/超音波処理し、濾過し、乾燥させる。得られた固体をMeOH(200ml)中に溶解し、真空中で濃縮する。これを数回繰り返して標題化合物(12.22g、収率96%)を得る。MS(m/z):599(M+1)。[α]D
20=−12°(C=0.2,MeOH)。
【0055】
【化33】
【0056】
調製例20
(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イルメタンスルホネートの合成
【化34】
スキーム4、工程A。メタンスルホニルクロリド(0.54mL、7mmol)を、0℃にて、ジクロロメタン(15mL)およびトリエチルアミン(4mL、29mmol)中の4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(3.7、5.87mmol)の溶液に加える。室温にて30分間還流した後、濃縮して減圧下で溶媒を除去する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(2.9g、4.1mmol)を得る。MS(m/z):708.5(M+1),706.5(M−1)。
【0057】
調製例21
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,6−ジアザスピロ[3.5]ノナン−6−カルボキシレートの合成
【化35】
スキーム4、工程B。ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.1mmol)を、アセトニトリル(3mL)中の(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イルメタンスルホネート(200mg、0.28mmol)およびtert−ブチル2,6−ジアザスピロ[3.5]ノナン−6−カルボキシレート(77mg、0.34mmol)の溶液に加える。混合物を80℃にて一晩加熱する。減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(127mg、0.15mmol)を得る。MS(m/z):838.8,839.6(M+1),836.8,837.6(M−1)。
【0058】
調製例22
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシレートの合成
【化36】
標題化合物を実質的に調製例21の方法によって調製する。MS(m/z):838.8,839.6(M+1),836.8,837.6(M−1)。
【0059】
調製例23
tert−ブチル7−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレートの合成
【化37】
標題化合物を実質的に調製例21の方法によって調製する。MS(m/z):838.8,839.6(M+1),836.8,837.6(M−1)。
【0060】
調製例24
tert−ブチル1−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレートの合成
【化38】
標題化合物を実質的に調製例21の方法によって調製する。MS(m/z):852.8,853.6(M+1),850.8,852.8(M−1)。
【0061】
調製例25
tert−ブチル8−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−d−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレートの合成
【化39】
標題化合物を実質的に調製例21の方法によって調製する。MS(m/z):852.8,853.6(M+1),850.8,851.6(M−1)。
【0062】
実施例4
4−{4−[(1E)−4−(2,6−ジアザスピロ[3.5]ノン−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化40】
スキーム4、工程C。4.0MのHCl/1,4−ジオキサン(1.5mL、1.5mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中のtert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1h−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,6−ジアザスピロ[3.5]ノナン−6−カルボキシレートの溶液に加え、室温にて4.0時間撹拌する。混合物を減圧下で泡状固体に濃縮する。固体をMeOH(2mL)中の2.0Mのアンモニアで一晩処理する。室温にて18時間後、減圧下で濃縮して溶媒を除去する。得られた残渣を分取HPLC法:高いpH、30×75mm、5um C18XBridge ODBカラムを使用して85mL/分にて3分間19%B、5分間19〜34B%、pH10にて溶媒A−H
2O w NH
4HCO
3、溶媒B−MeCNにより精製して、固体(47mg、0.08mmol)として標題化合物を得る。MS(m/z):570.8,571.8(M+1),568.7,569.8(M−1)。
【0063】
実施例5
4−{4−[(1E)−4−(2,7−ジアザスピロ[3.5]ノン−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化41】
標題化合物を実質的に実施例4の方法によって調製する。MS(m/z):570.8,571.8(M+1),568.7,569.8(M−1)。
【0064】
実施例6
4−{4−[(1E)−4−(2,7−ジアザスピロ[3.5]ノン−7−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドトリフルオロアセテート(1:2)の合成
【化42】
標題化合物を実質的に、低いpHの分取HPLC法(低いpH、30×75mm、5um C18XBridge ODBカラムを使用して85mL/分にて3分間16%B、5分間16〜33B%、溶媒A−H
2O w 0.1%TFA、溶媒B−MeCN w 0.1%TFA)によって精製される最終化合物を用いて実施例4の方法によって調製する。MS(m/z):570.8,571.8(M+1),568.7,569.8(M−1)。
【0065】
実施例7
4−{4−[(1E)−4−(1,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−1−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−d−グルコピラノシドの合成
【化43】
標題化合物を実質的に実施例4の方法によって調製する。MS(m/z):584.7,585.8(M+1),582.8,583.8(M−1)。
【0066】
実施例8
4−{4−[(1E)−4−(2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−8−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの合成
【化44】
標題化合物を実質的に実施例4の方法によって調製する。MS(m/z):584.7,585.8(M+1),582.8,583.8(M−1)。
【0067】
ナトリウム依存性グルコース輸送体1(SGLT1)およびSGLT2アッセイ
ヒトSGLT1(slc5al、NM_000343)、ヒトSGLT2(slc5a2、NM_003041)およびマウスSGLT1(slc5al、NM_019810.4)をコードするcDNAはそれぞれ、Openbiosystems、InvitrogenおよびOpenbiosystemsから購入する。cDNAを哺乳動物の発現のためのpcDNA3.1+内でクローニングし、標準的な哺乳動物トランスフェクション手順を使用してチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞内で安定にトランスフェクトする。各々の過剰発現細胞株のSGLTを発現するサブクローンを、
14C−α−メチル−D−グルコピラノシド(
14C−AMG)取り込みアッセイ(以下を参照のこと)においてネオマイシン(Geneticin、Invitrogen)に対する耐性および活性に基づいて選択する。安定なSGLTを発現する細胞を、標準的な細胞培養技術を使用して維持する。
【0068】
SGLT活性を以下に記載しているように上記の細胞株におけるナトリウム依存性
14C−AMG取り込みとして測定する。30,000個の細胞を含有する100μLの培養培地を、96ウェルBioCoatポリ−D−リシンプレート(Becton Dickson)の各ウェルに播種し、37℃にて一晩培養する。培養培地を吸引し、細胞を200μLの反応緩衝液(140mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのCaCl
2、MgCl
2、および14mMのN−2−ヒドロエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(Hepes)、pH7.5)で2回洗浄する。過剰な緩衝液をペーパータオルでたたいて取る。35μLの反応緩衝液を各ウェルに加える。種々の濃度の試験化合物を含有するまたは対照として化合物を含有しない反応緩衝液中の5μLの10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を各ウェル内に分配する。4μMの最終濃度にするために反応緩衝液中の10μLの
14C−AMGを加えることによって反応を開始する。プレートを37℃にて125分間インキュベートする。反応緩衝液を吸引することによって反応を停止させ、次いで200μLの氷冷反応緩衝液で3回洗浄する。手動吸引を適用して反応緩衝液の完全な除去を確実にする。10μLの0.1NのNaOHを各ウェルに加え、次いで100μLのSupermixシンチレーションカクテル(PerkinElmer)を加える。混合した後、プレート内のシンチレーションシグナルをMicroBeta(PerkinElmer)においてカウントする。10用量反応曲線を、ActivityBase(ID Business Solution)を使用して実験的4パラメーターモデルに適合して、最大半減阻害(IC
50)にて阻害濃度を決定する。本明細書における実施例1〜8の化合物を実質的に上記のように試験し、約500nMより低いSGLT1についてのIC
50値を示す。
【0069】
【表1】
【0070】
より特に、表1内のデータは、実施例1の化合物は、インビトロでヒトおよびマウスSGLT1を阻害し、インビトロでヒトSGLT2よりヒトおよびマウスSGLT1において有効であることを実証している。
【0071】
経口グルコース負荷試験(OGTT)におけるグルコース低下効果
試験化合物を、1%ヒドロキシエチルセルロース、0.25%Tween(登録商標)80w/消泡剤0.05%のビヒクルを加えることによって製剤化し、試験化合物を事前に秤量して1mg/ml溶液を作製する。混合物を約30秒間プローブソニケートする(probe sonicated)。得られた溶液をストック溶液として使用し、そこから低濃度の用量溶液をビヒクルで希釈することによって調製する。
【0072】
単一で収容したC57Bl/6マウスを、試験日の前の午後遅くに食物へのアクセスを取り除くことによって一晩絶食させる。翌朝、マウスを秤量し、単一の空腹時血糖試料を、尾を切ることによって得て、血糖値計(Roche AccuChek)によってグルコースを測定する。研究群(n=5)を空腹時血糖に基づいて決定し、それは好ましくは80〜100mg/dlのグルコースの範囲の動物を含む。
【0073】
グループ分け後、最初のマウスに、10ml/kgの試験化合物調製物を強制経口投与し、タイマーを開始する。後の動物の各々に1分半間隔をあけて投与する。最初の化合物処置を開始してから3時間後、グルコースを測定するためにベースライン血液試料を(最初の動物から尾を切ることにより)得る。次いで動物に3g/kgにて50%デキストロース(Hospira)の経口用量をすぐに与える。グルコースのための血液試料を尾静脈により正確に1分半の間隔をあけて取り、血液を、デキストロース投与の20、40、60および120分後に各動物において採取する。
【0074】
【表2】
【0075】
上記の表2に示したように、実施例1の化合物は、正常な血糖のC57Bl/6マウスにおいて50%デキストロース(Hospira(登録商標))の経口ボーラス後、グルコースエクスカーションの用量依存性の低下をもたらす。実施例1はまた、OGTTの間、ベースライン調整したグルコース曲線下面積(AUC)の用量依存性の低下を実証している。さらに、実施例1は、グルコースが最大濃度(Tmax)に到達するのにかかる平均時間を増加させながら、OGTTの間、血漿グルコース(Cmax)の平均最大濃度を用量依存的に低下させる。
【0076】
ストレプトゾトシン誘発性糖尿病を有するオスのラットにおける混合型食物耐性試験におけるグルコース値
ストレプトゾトシン(STZ)を投与したラットは糖尿病を発症する。これらの動物におけるグルコースレベルを調節する薬剤は、ヒトにおける糖尿病の治療において有用であると考えられている。
【0077】
1%ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、0.25%Tween(登録商標)80w/消泡剤0.05%のビヒクルを加えることによって試験化合物を製剤化し、試験化合物を予め秤量して2.5mg/ml溶液にする。混合物を約30秒間プローブソニケートする。得られた溶液をストック溶液として使用し、そこから低濃度の用量溶液をビヒクルで希釈することによって調製する。STZ、45mg/kgを、3mlアリコートにおいて0.1Mのクエン酸緩衝液中に溶解することによって製剤化し、投与しない場合、氷上で暗所に保存する。脂肪カロリー(60%)、炭水化物カロリー(26%)およびタンパク質カロリー(15%)を含む、高い脂肪含量の混合食事(Bio−Serv(登録商標)Rodent Diet F3282 High Fat)を利用する。単一で収容したSprague Dawleyラットを3〜7日間慣らす。
【0078】
動物が直近に餌を食べていないことを確実にするために、STZを午後の明周期内の約6時間(6amに明かりをつけ、6pmに明かりを消す)に投与する。イソフルランで動物に麻酔をし、STZを尾静脈注入により送達する。動物が意識を回復させると、それらをハウジングに戻し、7間間回復させる。
【0079】
金属耐性試験(MTT)の直前の2日に、全てのラットに少量(2〜4g)のF3282ダイエットを与え、実験の間、それを与える前にそれに慣れさせる。実験の前の晩に、ラットをクリーンケージに移動させ、食べ物を取り除く。翌朝、動物の体重を計り、血液試料を、グルコース測定のために尾を切ることによって得る(Abbott AlphaTrak血糖計:コード29)。空腹時体重および血糖に基づいて動物をグループ分けする(n=6)。30分後、試験化合物を経口投与し、2回のグルコース測定を集める。次いで5グラムペレットのBio−Serv(登録商標)食事3282を与える。20分後、残りの食物を取り去り、体重を計る。血液試料をグルコース測定のために20、40、60および120分に得る。
【0080】
【表3】
【0081】
上記の表3に示すように、実施例1の化合物はビヒクル対照と比較してMTTにおいてグルコースを顕著に用量依存的に減少させる。アカルボースは任意の時点において対照と比較してグルコースを顕著に減少させなかった。さらに、実施例1の処置と関連しているグルコースベースライン調整したAUCは用量依存的に減少する。アカルボースは、10mg/kgにてグルコースAUCを実施例1のものと同様のレベルに顕著に減少させる。表3は、実施例1の化合物がオスのラットにおいてグルコースレベルを調節することを実証する。