【文献】
明地将一, et al.,肝機能デバイスの開発,島津評論,2010年,Vol.67, No.1/2,p.53-59
【文献】
田川陽一,胚性幹細胞研究におけるバイオマテリアル,バイオマテリアル−生体材料,2008年,Vol.26, No.4,p.325-329
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の肝組織培養用デバイスにおいて、上記ゲルはラミニン、コラーゲン及びエンタクチンを少なくとも含んでいることが好ましい。
【0016】
また、本発明の肝組織培養用デバイスにおいて、上記ゲルはEHS(Engelbreth-Holm-Swarm)−gelを少なくとも含んでいることが好ましい。
【0017】
また、本発明の肝組織培養用デバイスにおいて、上記間葉系の細胞は少なくとも星細胞系の細胞又は線維芽細胞を含んでいることが好ましい。
【0018】
また、本発明の肝組織培養用デバイスにおいて、上記培養室の培養室部分と蓋部分が開閉可能であり、かつ上記2本の流路のうちの1つである出口側流路にフィルターが配置されている例を挙げることができる。ただし、本発明の肝組織培養用デバイスの構造はこれに限定されない。
【0019】
また、本発明の肝組織培養用デバイスにおいて、上記培養室の少なくとも一部にPDMS又はシリコーン系ゴムが用いられている例を挙げることができる。ただし、本発明の肝組織培養用デバイスの構造はこれに限定されない。
【0020】
本発明の肝細胞の培養方法において、上記ゲルはラミニン、コラーゲン及びエンタクチンを少なくとも含んでいることが好ましい。
【0021】
また、本発明の肝細胞の培養方法において、上記ゲルはEHS−gelを少なくとも含んでいることが好ましい。
【0022】
また、本発明の肝細胞の培養方法において、上記間葉系の細胞は少なくとも星細胞系の細胞又は線維芽細胞を含んでいることが好ましい。
【0023】
また、本発明の肝細胞の培養方法において、上記共培養系に培地を連続供給することが好ましい。ただし、本発明の肝細胞の培養方法は、上記共培養系に培地を連続供給ではなく間欠的に供給する構成も含む。
【0024】
また、本発明の肝細胞の培養方法において、本発明の肝細胞培養用デバイス又は本発明の肝細胞培養用システムが用いられる例を挙げることができる。ただし、本発明の肝細胞の培養方法はこれに限定されない。
【0025】
例えばEHS−gelのような特殊な足場材を用いて内皮細胞を培養すると、内皮細胞が管状のネットワーク構造を形成する。これに肝実質細胞を共培養すると、肝実質細胞が内皮細胞のネットワークヘ遊走し、生体内の肝組織に近い構造を取り、高い肝機能を発現する。しかし、この構造は3日程度しか維持できなかった。本発明者らは、この管状の構造に間葉系の細胞、例えば星細胞を加えることにより、長期的に生体内の肝組織に近い管状の構造が維持されることを見いだした。
【0026】
本発明の肝組織培養用デバイス又は肝組織培養用システムを用いれば、流路から培養室への培地の連続供給又は間欠供給により、良好な培養環境が維持される。本発明の肝組織培養用デバイス及び肝組織培養用システムはシャーレ上では不可能な生体内に非常に近い環境を実現できる。したがって、本発明の肝組織培養用デバイス及び肝組織培養用システムは高い肝機能をもつ管状の構造を長期間維持できるデバイス及びシステムと成り得る。
【0027】
本発明の肝組織培の培養方法は、ネットワーク形成された内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系の管状の構造をより長期間維持させることができる。特に、本発明の肝組織培養用デバイス又は肝組織培養用システムを用いる本発明の肝組織培の培養方法は、生体内に非常に近い環境で、内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系を培養できる。
【0028】
本発明の肝機能の評価方法は、本発明の肝組織培の培養方法によって培養された内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系を用いて肝機能を評価できる。特に、本発明の肝組織培養用デバイス又は肝組織培養用システムを用いた本発明の肝細胞の培養方法によって培養された共培養系を用いる本発明の肝機能の評価方法は、生体内に非常に近い環境で肝機能を評価できる。
【0029】
本発明は細胞培養のための技術であり、特に人工肝臓など人工臓器又は薬物代謝試験などに用いて有用な技術である。
【0030】
図1は、肝組織培養用デバイスの一実施例を説明するための概略的な断面図である。
図2は同実施例の平面図である。
図1の断面は
図2のA−A位置に対応している。
【0031】
肝組織培養用デバイス1は、大きく分けて培養室部分3と蓋部分5で形成されている。培養室部分3はベースプレート7とPDMS構造体9を備えている。蓋部分5はフィルター保持層11とPDMS構造体13を備えている。
【0032】
ベースプレート7は例えば合成石英で形成されている。PDMS構造体9及びPDMS構造体13は例えばSILPOT184(東レダウコーニング社製)で形成されている。フィルター保持層11は、例えば、多孔質膜からなるフィルター11aがシリコーンゴムシート11bの間に挟み込まれている構造を備えている。フィルター11aは例えばポリカーボネートの市販フィルター(Whatman社製、CYCLOPORE7062−2513)である。
【0033】
これらの部材はいずれも幅20mm(ミリメートル)、長さ20mmの平板形状を有している。ベースプレート7の厚みは例えば1mmである。PDMS構造体9の厚みは例えば3mmである。フィルター11aを構成する多孔質膜の厚みは例えば0.25mmである。シリコーンゴムシート11bの厚みは例えば0.2mmである。PDMS構造体13の厚みは例えば3mmである。
【0034】
PDMS構造体9の中央に貫通孔からなる培養室15が形成されている。培養室15の直径は例えば10mmである。PDMS構造体9には、培養室15の側壁に設けられた溝9aと、溝9aに接続された溝9bも形成されている。溝9a及び溝9bの深さは例えば0.1mmである。溝9bの幅は例えば1mmである。溝9bの長さは例えば5mm程度である。
【0035】
PDMS構造体9は例えば2層構造である。溝9a,9bは、PDMS構造体9を構成する2層のPDMSのうち一方の層のPDMSの表面に型取りによって形成された凹部によって形成されている。溝9a,9bは2層のPDMSの貼り合わせ面に配置されている。
【0036】
フィルター保持層11の中央にフィルター11aが配置されている。フィルター11aの直径は例えば11mmである。フィルター11aは培養室15の上方を覆う位置に配置されている。シリコーンゴムシート11bの中央に貫通孔が形成されている。その貫通孔にフィルター11aが配置されている。シリコーンゴムシート11bはフィルター11aをPDMS構造体13に密着させるように保持している。
【0037】
PDMS構造体13の中央に円形の凹部13aが形成されている。凹部13aの直径は例えば8mmである。凹部13aの深さは例えば0.1mmである。PDMS構造体13には、凹部13aに接続された溝13bも形成されている。溝13bはPDMSの型取りによって形成されたものである。溝13bの深さは例えば0.1mmである。溝13bの幅は例えば1mmである。溝13bの長さは例えば5mm程度である。
【0038】
PDMS構造体9、フィルター保持層11のシリコーンゴムシート及びPDMS構造体13には、溝9bに接続された貫通孔17が形成されている。PDMS構造体13には、溝13bに接続された貫通孔19が形成されている。貫通孔17及び貫通孔19の直径は例えば1.5mmである。貫通孔17及び貫通孔19は例えば貫通孔加工によって形成されたものである。
【0039】
溝9a、溝9b及び貫通孔17によって培地の入口側流路21が形成されている。凹部13a、溝13b及び貫通孔19によって培地の出口側流路23が形成されている。
【0040】
ベースプレート7とPDMS構造体9が貼り合わされて培養室部分3が形成されている。また、フィルター保持層11とPDMS構造体13貼り合わされて蓋部分5が形成されている。各部材を貼り合わせる際には、強固な接着性を得るために、各部材の接合面を酸素プラズマや紫外線により活性化して接合させることが好ましい。
【0041】
培養室部分3の上部に蓋部分5が重ね合わせられることにより、本実施例に係る肝組織培養用デバイス1が形成されている。フィルター保持層11の一部を構成するシリコーンゴムは自己吸着性を有するので、蓋部分5は培養室部分3に対して容易に着脱することができる。
このような肝組織培養用デバイス1の構造は、例えば特許文献1に開示されている。
【0042】
肝組織培養用デバイス1の培養室15の中に細胞の足場材となるゲル25が収容されている。ゲル25は例えばEHS−gelである。EHS−gelは、EHSマウス肉腫細胞から単離した基底膜調製物であり、ラミニン、IV型コラーゲン及びプロテオグリカンを豊富に含んでいる。このEHS−gelは低温で液状化し、常温で固体状となる。したがって、肝組織培養用デバイス1を冷却した状態でEHS−gelを培養室15に流し込み、例えば37℃のインキュベーター内又は室温で静置することにより培養室15の底面にEHS−gelを固定させることができる。なお、このような足場材によるコーティングは、肝組織培養用デバイス1の製造段階で行ってもよいし、肝組織培養用デバイス1を購入したユーザが行うようにしてもよい。
【0043】
培養室15の中では、ゲル25上で内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系27が管状の構造をもつように共培養されている。内皮細胞系の細胞は、例えば、類胴内皮細胞やヒト臍帯静脈(動脈)内皮細胞、TD2、GH7などである。肝細胞系の細胞は、例えば、肝実質細胞やHepaRG、Huh−7、Hep G2、TLR2、Hepa1−6、肝前駆細胞などである。間葉系の細胞は、例えば、星細胞系の細胞、線維芽細胞、HFO、NIH−3T3、マウス胎仔線維芽細胞などである。星細胞系の細胞は、例えば、星細胞や、TWNT−4、LX−2、LI90、RI−Tなどである。
【0044】
図3は、本実施例に係る肝組織培養用デバイス1を用いた肝細胞培養用システムの一実施例を説明するための概略図である。
【0045】
肝細胞培養用システム31は、肝組織培養用デバイス1と、肝組織培養用デバイス1に培地を連続送液する送液機構を組み合わせたものである。その送液機構は、培地収容部33、培地供給管35、培地排出管37、廃液収容部39、送液ポンプ41及び制御部43を備えている。
【0046】
培地供給管35の一端は培地収容部33に挿入されている。培地供給管35の他端は肝組織培養用デバイス1の入口側流路21に接続されている。培地排出管37の一端は肝組織培養用デバイス1の出口側流路23に接続されている。培地排出管37の他端は廃液収容部39に挿入されている。送液ポンプ41は培地供給管35に接続されている。制御部43は送液ポンプ41の動作を制御する。
【0047】
培地収容部33に収容された培地は、送液ポンプ41によって吸引され、培地供給管35を通って肝組織培養用デバイス1に送られる。肝組織培養用デバイス1に供給された培地は、
図1中の矢印で示されるように、入口側流路21を通過して培養室15の周面から培養室15内に導入される。
【0048】
培養室15への培地の導入に伴い、培養室15内の培地の一部は、
図1中の矢印で示されるように、培養室15からフィルター保持層11のフィルター部分及び出口側流路23を介して外部へ排出される。肝組織培養用デバイス1の外部へ排出された培地は培地排出管37を介して廃液収容部39に排出される。
【0049】
肝組織培養用デバイス1は、培養室15内の培地を出口側流路23から排出する際にフィルター保持層11のフィルター部分を通過させるので、剥離したゲル25によって出口側流路23が詰まってしまう確率を低減することができる。
【0050】
また、肝組織培養用デバイス1では、
図2に示されるように、出口側流路23の流路端部を構成する凹部13aは溝13bの端部と比較して広い面積となっているので、局所的な強い液体の流れが発生しにくい。これにより、肝組織培養用デバイス1は、ゲル25の剥離を抑制する効果も得られる。
このように、肝組織培養用デバイス1は細胞の長期培養に有利である。
【0051】
図3に示された肝細胞培養用システム31は、送液ポンプ41を培地供給管35に備え、培養室15内に培地を連続送液する機能を備えているが、本発明の肝細胞培養用システムはこれに限定されない。
【0052】
例えば、
図4に示されるように、本発明の実施例である肝細胞培養用システム45は、培地排出管37に送液ポンプ41を備え、培養室15内から培地を連続吸引する機能を備えているようにしてもよい。なお、本発明の肝細胞培養用システムは、
図3又は
図4に示された構成に限定されない。
【0053】
次に、肝組織培養用デバイス1を用いて内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系27の培養を行う工程例を説明する。
まず、培養室部分3及び蓋部分5をオートクレーブやアルコール等によって滅菌処理する。滅菌処理された培養室部分3と蓋部分5を貼り合わせる。冷却したEHS−gelを培養室15に流し込み、培養室15の底面にEHS−gelを行き渡らせる。EHS−gelを例えば37℃でゲル化させてEHS−gelからなるゲル25を培養室15内に固定する。
【0054】
ゲル25の上に類洞内皮細胞を播種し、内皮細胞ネットワークを形成させる。ネットワーク構造を構築した内皮細胞の上に星細胞を播種し、この上から肝実質細胞も播種する。これにより、内皮細胞ネットワーク内に星細胞が組み込まれ、その周りに肝細胞が遊走し、実際の肝臓の構造に近い構造をもった共培養系27が形成される。
【0055】
なお、内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を播種する順番は上記の順番に限定されない。例えば、内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を同時に播種してもよい。また、内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞、間葉系の細胞の順に播種してもよい。
【0056】
次に、肝組織培養用デバイス1を用いた細胞培養実験について説明する。
図5は、本実施例に係る肝組織培養用デバイス1を用いてEHS−gel上にネットワーク形成された類胴内皮細胞及び肝実質細胞の状態を示す写真である。なお、
図5では間葉系の細胞は共培養されていない。
図6は、ネットワーク形成された内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系の構造を一部断面で示した模式的な斜視図及び模式的な断面図である。
【0057】
EHS−gelをコーティングした培養室15内に類胴内皮細胞を播種して内皮細胞ネットワークを形成させ、その後、その内皮細胞上に肝実質細胞を播種して細胞培養を行った。
図5の写真から明らかなように、内皮細胞47のネットワークの中に肝実質細胞49が遊走しており、生体内の肝組織に近い構造になっていることが判る。
【0058】
上記肝細胞を用いた肝機能評価試験の結果を
図7に示す。本実施例の肝組織培養用デバイス1(図中の「デバイス」)と、比較例として一般的な細胞培養用シャーレ(図中の「シャーレ」を使用した。上記の類胴内皮細胞(図中の「GH7」)と肝実質細胞(図中の「肝細胞」)をそれぞれ単独又は両者の共培養系で培養して各培養細胞の尿素合成能を評価した。尿素合成能はアンモニアを分解して尿素を合成する肝機能である。肝組織培養用デバイスを用いた培養では、培地の供給を流速40μL/h(マイクロリットル/時)で24時間連続送液して行った。シャーレを用いた培養では一定時間おきに培地交換を行った。
【0059】
図7から明らかなように、肝実質細胞単独で培養した場合に比べて共培養系の方が高い肝機能を示している。特に、本発明の肝組織培養用デバイスで培養した細胞の方がシャーレで培養したものに比べて高い肝機能を示している。これは、肝組織培養用デバイスを用いた培養では培地の連続供給を行ったために組織にシェアストレス(ずり応力)が掛かり、より生体内に近い環境での培養が行われたためと考えられる。
【0060】
また、本実施例に係る肝組織培養用デバイス1は、上述のように足場材の剥離による流路の詰まりを防止することができる。したがって、肝組織培養用デバイス1は生体内に近い環境での肝細胞の培養を長期間にわたって安定して行うことが可能である。このため、肝組織培養用デバイス1は薬物代謝試験等の様々な系における研究に利用可能であると共に、人工肝臓への展開も期待できる。
【0061】
しかしながら、類胴内皮細胞と肝実質細胞の共培養系は3日程度で構造が崩れてしまう問題があった。本願発明者らは類胴内皮細胞と肝実質細胞の共培養系に星細胞を添加することにより、ネットワーク構造が長期間維持されることを見いだした。
【0062】
図8は、本実施例に係る肝組織培養用デバイス1を用いて内皮細胞と肝実質細胞を共培養した結果と、これに星細胞を添加した際の結果を示す写真である。
【0063】
ゲル25の作製、各細胞の播種、培地の供給については上記実施例での説明と同様にして行った。
細胞播種の条件は次のとおりである。
GH7: 5×10
5セル/φ3.5cm(10%FBS-DMEM(Invitrogen社の製品))
Hepatocyte:5×10
5セル/φ3.5cm(10%FBS-DMEM(Invitrogen社の製品))
HUVEC: 4×10
5セル/φ3.5cm(EGM-2:内皮細胞培地キット−2(Lonza社の製品))
TWNT-4: 1×10
5セル/φ3.5cm(10%FBS-DMEM(Invitrogen社の製品))
【0064】
図8に示された結果から判るように、内皮細胞と肝実質細胞の共培養系51に比べて、星細胞(TWNT−4)の添加によって、内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系27は長期的なネットワーク構造の維持が実現できている。
【0065】
本発明の肝組織培養用デバイス又は本発明の肝組織培養用システムを用いれば、肝機能の検討を行うことができる。具体的には、例えば薬物動態試験など、生理活性物質を探索できる分析系が考えられる。
【0066】
なお、ここでは間葉系の細胞として星細胞(TWNT−4)が添加されているが、TWNT−4以外の星細胞が添加された場合であっても長期的なネットワーク構造の維持を実現できる。また、星細胞以外の間葉系の細胞が添加された場合であっても長期的なネットワーク構造の維持を実現できる。
【0067】
以上、本発明の実施例を説明したが、実施例における構成、配置、数値等は一例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0068】
例えば上記実施例では細胞の足場材となるゲルとしてEHS−gelが用いられているが、本発明で用いられるゲルはこれに限定されない。本発明で用いられるゲルは、内皮細胞系の細胞、肝細胞系の細胞及び間葉系の細胞を含む共培養系が管状の構造、好ましくはネットワーク構造を形成するゲルであればよい。本発明で用いられるゲルは、EHS−gelに限らず、例えばラミニン、コラーゲン及びエンタクチンを少なくとも含んでいるゲルであってもよいし、EHS−gelに他の成分が混合されたゲルであってもよい。