(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配線層は、前記第1発光セルと前記第2発光セルとの間で互いに離隔した第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分と前記第2部分との間の最短間隔は1μm〜6μmであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
前記第1発光セルの上面と一側面とがなす角度、及び前記第2発光セルの上面と他側面とがなす角度は、直角又は鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode)は、照明装置のみならず、各種表示装置のバックライトユニットにも応用されているなど、その適用範囲が漸次多様化してきている。
特に、LEDは、低い電圧で駆動が可能であると共に、高いエネルギー効率によって発熱が低く、寿命が長く、環境にやさしいという点で、ほとんどの光源装置に取って代わるものになると期待されている。
【0003】
発光ダイオードを製造する多様な方法のうち、単一基板上に各エピ層を順次形成し、エッチング、蒸着などの一連の工程を通じて複数の発光セルを形成することによって製作する方式が知られている。
単一基板上に複数の発光セルを形成するマルチセル構造の発光ダイオードは、多様な形態に製作され使用されるが、従来技術での一例を下記に示す。
【0004】
特許文献2は、国際出願PCT/KR2007/001215(WO2008/111693)の韓国国内移行後の特許明細書であり、特許文献3は、その日本国国内移行後の公表特許公報である。
以下の
図1及び
図2は、特許文献2、3の明細書の
図1及び
図2を抜粋したものを多少変更し、本明細書で別途符号を付与したものである。以下、特許文献3に基づき説明する。
図1は、マルチセル構造の発光ダイオードの一部を示す図であり、
図2は、
図1のマルチセル構造の発光ダイオードにおいてI−I線に沿った二つの発光セル(10、20)の断面図である。
図1及び
図2に示すように、隣接した各発光セル(10、20)間を絶縁させるために絶縁層(パッシべーション層)33が形成され、絶縁層(パッシべーション層)33上に各発光セル(10、20)間を電気的に接続するための配線(以下、配線層と記す)32が形成される。
【0005】
配線層32は、例えば、スパッタリングや電子ビーム蒸着法(e−beam evaporation)などの蒸着工程とエッチング工程を通じて形成される。
図2において、符号“1”は基板で、“16”、“26”は各電極パッドで、“11”、“21”はバッファ層で、“12”、“22”は第1の導電型半導体層(例えばN型半導体層)で、“13”、“23”は活性層で、“14”、“24”は第2の導電型半導体層(例えばP型半導体層)で、“15”、“25”は透明電極層である。
各電極のパターン、及び各電極と配線層との間の接続形態は多様であり、
図1及び
図2はその一例として示すものである。
【0006】
このように、絶縁層(パッシべーション層)33の上部に配線層32を形成するにおいて、配線層32のコーナー部分、すなわち、一つの発光セルの側面と上面とが出会うコーナー付近の配線層の形成において欠陥が多く発生し得る。
図3は、従来の発光ダイオードの問題を説明するための図である。
すなわち、
図3の(a)、(b)及び(c)に示すように、一つの発光セルの側面と上面とが出会うコーナー部分の蒸着がうまく行われないか、以後のエッチング工程などで露出し、コーナー部分に局部的に配線層の厚さが薄くなった部分(32a、32b、32c)が発生するおそれがあり、その場合、それぞれの発光セルに電源が供給されると、局部的に配線層の厚さが薄く形成された部分において相対的に抵抗が大きくなり、これによって配線層に熱が発生し、結局、その部分の配線層の電気的接続が切れるという問題が発生する。
よって、これを解決するための方案が当該技術分野で要求されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る発光ダイオードを実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0016】
添付の図面及びこれを参照して記述する各実施形態は、当該技術分野で通常の知識を有する者が本発明を理解できるようにする意図で簡略化し例示したものであることに留意しなければならない。
また、各図面において、各構成要素間の相対的な比率やスケールなどは実際に異なる場合もあり、説明の便宜のために誇張して図示したものに過ぎないことに留意しなければならない。
【0017】
本明細書内で配線層におけるエッジランプ部の位置に関する説明において、配線層のコーナー部分、発光セルのコーナー部分、又は発光セルのコーナー付近などの語句が使用されているが、これらは、すべて実質的に同一の意味で使用される。
【0018】
図4は、本発明の一実施形態に係るマルチセル構造の発光ダイオードの一部を示す図であり、
図5は、
図4のII−II線に沿って切り取った断面、すなわち、隣接した二つの発光セル(110、120)とエッジランプ部132aの断面を示す図であり、
図6は、
図5のエッジランプ部132aを拡大して示す図であり、
図7は、
図5のエッジランプ部132aの全体的な特徴を示すための斜視図である。
図8は、本発明の他の実施形態に係る発光ダイオードにおける二つの発光セル(210、220)とエッジランプ部232aの部分断面図であり、
図9は、本発明の更に他の実施形態に係る発光ダイオードにおける二つの発光セル(310、320)とエッジランプ部(332a、332b)の断面図であり、
図10は、本発明の更に他の実施形態に係る発光ダイオードにおける二つの発光セル(410、420)、配線層(432_1、432_2)及びエッジランプ部432aの断面図である。
【0019】
図11は、本発明の更に他の実施形態に係る発光ダイオードにおいて、各発光セル(510、520)側に電源を供給するために各バンプ(541、542)を形成し、各発光セル(510、520)がフリップタイプでサブマウント基板550上に形成された各ボンディングパターン(543、544)と電気的に接続された構造の一例を示す図であり、
図12は、本発明の更に他の実施形態に係る発光ダイオードにおいて、各発光セル(610、620)側にワイヤボンディング(641、642)を用いて電源を供給するための構造の一例を示す図であり、
図13、
図14、及び
図15は、本発明の更に他の実施形態に係る発光ダイオードにおいて、光抽出効率を高めるために二つの発光セル(110、120)間に一つ以上の基板パターンが形成された構造であって、
図13はドーム状、
図14は半球状、
図15は台形状に基板パターンが形成された場合を示す断面図である。
【0020】
まず、
図4及び
図5を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードは、単一の基板1上に互いに離隔して配置される複数の発光セル(110、120)と、各発光セル(110、120)のうち第1発光セル110の上面f11とその一側面f12、第2発光セルの上面f13と第1発光セルの一側面と対向する他側面f14、及び基板1上に連続的に形成されるパッシべーション層133と、パッシべーション層133上に形成され、第1発光セル110と第2発光セル120とを電気的に接続する配線層132とを含む。
【0021】
また、第1発光セル110又は第2発光セル120に電源を供給するためにワイヤボンディングを行ったり、バンプを形成することによって、フリップタイプで各発光セルに電源を供給することができる。
これについては、
図11(フリップタイプ)及び
図12(ワイヤボンディング)に示しており、これについては後で説明することにする。
【0022】
配線層132は、第1発光セル110の上面f11と側面f12とが出会うコーナー付近に前記コーナーから遠くなる方向に突出したエッジランプ部132aを含む。
エッジランプ部132aは、上述したように、従来の発光ダイオード構造において、特に各発光セルを電気的に接続するための配線層のコーナー部分が不完全に蒸着され、各発光セル間の電気的接続不良をもたらすという問題を解消するための構成要素である。
【0023】
さらに、
図2のような従来の構造において、各発光セル間の間隔を考慮して配線層を形成する過程で配線層の厚さを薄く形成しようとする場合、発光セルの上面と側面上部、すなわち、上面と側面とが出会うコーナー部分に蒸着を通じて配線層が完全に形成される前に、配線層が下側に流れ落ちるようになり、配線層の上端部の厚さは薄くなり、下端部の厚さは厚く形成される。
その結果、各発光セル間の実質的な間隔が狭くなり、上面と側面とが出会うコーナー部分の厚さも薄く形成されるという問題があった(
図3の(a)、(b)、(c)参照)。
これによって、薄くなった配線層において局部的に抵抗が増加するようになり、その結果、熱が多く発生する。
このような問題を改善するために、本発明では、配線層の形成において、上端部から下端部に流れ落ちる部分まで考慮してエッジランプ部を形成した。
以下では、これについて詳細に説明する。
【0024】
図5において、発光セル(例えば、第1発光セル110)に関して説明すると、第1発光セル110は、基板1の上部にバッファ層111、N型半導体層112、活性層113、P型半導体層114及び透明電極115を順次含む。
そして、N型半導体層112の上部に形成されたN型電極116を含む。
図5において、P型半導体層114の上部に形成された透明電極115と配線層とを直接接続しているが、これと異なり、透明電極115の上部にP型電極(図示せず)を別途に形成し、これを配線層132と電気的に接続する構造を取ることもできる。
【0025】
また、複数の発光セルをフリップタイプで形成する場合は、透明電極115を省略し、金属反射層や分布ブラッグ反射層(DBR、Distributed Bragg Reflector)をP型半導体層114の上部に形成し、下側に向かう光を反対方向に反射させることができる。
これに関しては、
図11を参照して説明することにする。
第1発光セル110に隣接する第2発光セル120の構造も同一である。また、以下では、第1発光セル110を基準にして説明しているが、このような説明は第2発光セル120にも同一に適用される。
【0026】
基板1は、通常、Al
2O
3、SiC、ZnO、Si、GaAs、GaP、LiAl
2O
3、BN、AlN、及びGaNの内のいずれか一つを用いて形成されるウェハーである。
このような基板1上面には、複数のパターンを有するパターン形状(以下、これを基板パターンと称する)を形成することができる。
このような基板パターンの形成において、基板パターンがサファイア(Al
2O
3)基板に形成される場合は、表面に基板パターンが形成されたPSS(Patterned Sapphire Substrate)が使用されるが、これは、外部量子効率(EUE:External Quantum Efficiency)を向上させる方法として多く使用されている。
【0027】
このような基板パターンとして、ドーム状、半球状、又は台形状(又は逆台形状)が一般に多く使用されている。
このような基板パターンが形成されたPSSは、単一基板上に複数の発光セルを形成する場合にも同様に適用することができる。
その例を
図13〜
図15に示す。
図13はドーム状の基板パターン1a、
図14は半球状の基板パターン1b、そして、
図15は台形状の基板パターン1cの場合を示す。
基板パターンとして、例示した形状以外の他の形状の採用も可能である。
【0028】
しかし、単一基板上に複数の発光セルを形成する場合は、各発光セル間の間隔(例えば、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔d1が考慮されなければならないので、基板パターンの形状と各基板パターン間の間隔にも多少の制約があり得る。
すなわち、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔d1は、各発光セルのそれぞれから放出する光の光抽出効果とも関連しているだけでなく、配線層132とも密接に関連している。
以下では、
図5と共に、
図13〜
図15を参照して説明する。
【0029】
配線層132との関連性などを考慮すると、まず、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔d1は10μm以下であることが好ましい。
そして、第1発光セル110と第2発光セル120とを電気的に接続する配線層132の厚さが約0.5μm〜2μm(配線層下部のパッシべーション層の厚さも考慮したものである)に形成されなければならないので、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔d1が3μm未満に形成される場合は、第1発光セル110と第2発光セル120との間の基板上で配線層が重畳するという問題が発生する。
従って、上述したように、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔は3μm未満に形成させないことが好ましい。
要するに、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔d1は、3μm〜10μmであることが好ましい。
【0030】
また、基板1に形成される基板パターン(1a、1b、1c)において、一般に光抽出効率に基づいてパターンの幅w1(
図13)が3μm以下に形成されるので、基板パターン(1a、1b、1c)によって第1発光セル110と第2発光セル120との間の配線層132tが、基板パターン(1a、1b、1c)に対応する形状に屈曲が生じる形態に不完全に形成されるが、配線層132は、基板1に形成された基板パターン(1a、1b、1c)上に基板パターン形状の全体を覆うのではないので、基板パターン(1a、1b、1c)の光抽出効果の妨害にはならない。
【0031】
また、各基板パターン(1a、1b、1c)間の間隔w2(
図13)は0.5μm以下に形成されるので、これを考慮すると、第1発光セル110と第2発光セル120との間の間隔は3μm〜8μmであることが最も好ましい。
ここで、第1発光セル110側の配線層の第1部分132Lと第2発光セル120側の配線層の第2部分132Rとの間の間隔d2のうち最短間隔は1μm〜6μmであることが好ましい。
すなわち、第1発光セル110と第2発光セル120との間を電気的に接続する配線層132は、所定の間隔d2だけ離隔した第1部分132L及び第2部分132Rを含み、第1部分132Lと第2部分132Rとの間の最短間隔は1μm〜6μmであることが好ましい。
また、第1発光セル110と第2発光セル120との間には、
図13〜
図15に示したように、一つ以上の基板パターン(1a、1b、1c)を形成することができ、各基板パターン間の間隔w2を減少させると、より多くの基板パターンを形成することも可能である。
【0032】
バッファ層111は、N型半導体層112の結晶成長時、基板1とN型半導体層112との間の格子不整合を減少させるために形成され、通常、GaN又はAlNを用いて形成される。
しかし、このようなバッファ層111は、選択的なものであって、使用してもよく、使用しなくてもよい。
N型半導体層112は、活性層113に電子を提供する層であって、GaN、InN、AlN(III−V族)などの窒化物及びこのような窒化物を一定の比率で混合した化合物を使用して形成することができる。
【0033】
活性層113は、所定のバンドギャップを有し、量子井戸が作られ、電子及び正孔が再結合される領域であり、活性層113で発生する波長によって多様な材料の使用が可能であり、420nm〜470nmの青色系列の波長の光を発生するためには窒素(Nitride)系列のInGaNを使用し、赤色系列の波長を発生するためにはInAlGaPを使用し、前記青色系列より短い波長を発生するためにはInAlGaNを使用して形成する。
【0034】
P型半導体層114は、活性層113にホールを提供する層であって、例えば、P型不純物が注入されたGaN層を用いて形成することができる。
透明電極115は、P型半導体層114に電流が流れる面積を増加させる役割をし、透明導電性物質、例えば、ITO、IZO、ZnO、MgOなどを用いて形成することができる。
【0035】
基板1上に形成される各層は、例えば、金属有機化学蒸着法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)、プラズマ化学気相蒸着法(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)、分子線成長法(Molecular Beam Epitaxy;MBE)、水素化物気相成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxy;HVPE)などを含む多様な蒸着又は成長方法を用いて形成される。
【0036】
また、単一基板上に複数の発光セルを形成してフリップタイプで使用する場合は、P型半導体層114上に反射層(
図11の符号516、526)を形成することができる。
反射層は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)などの金属材料を使用して形成することができる。
銀(Ag)で反射層を形成する場合、青色波長帯域では反射率が非常に良いが、UVA波長帯域(概ね315nm〜420nm)では反射率が良くない特性を示す。
一方、アルミニウム(Al)で反射層を形成する場合、UVA波長帯域では反射率が良いが、P型半導体層114とのオーミックコンタクト(Ohmic contact)が良くないので、このためのP型の中間層(図示せず)を別途に介在させる。また、反射率を高めたり、反射波長領域を調節するために別途の分布ブラッグ反射層(DBR)をさらに形成することができる。
【0037】
パッシべーション層133は、発光セル110においてN型半導体層112とP型半導体層114との間の短絡を防止するために配線層132と発光セル110との間に介在する層である。
パッシべーション層133の上部に配線層132が蒸着され、これは、隣接する各発光セル又は電源側と接続される。
【0038】
上述したように、第1発光セル110の上面f11と一側面f12とが出会うコーナー付近では蒸着不良が頻繁に発生するという問題があり、これを防止するために、本発明では、このようなコーナー部分にエッジランプ部132aを追加した。
エッジランプ部132aの厚さは、配線層132の他の部分に比べて厚く形成される。
【0039】
図5及び
図6に示すように、エッジランプ部132aの厚さは、第1発光セル110の上面f11に形成されたパッシべーション層133を基準面にして測定される第1厚さh1と、第1発光セル110の側面f12に形成されたパッシべーション層133を基準面にして測定される第2厚さh2とを含む。
図6では、第1厚さh1と第2厚さh2がいずれも配線層132の他の部分の厚さより厚く形成される場合を例示したが、第1厚さh1及び第2厚さh2のうちいずれか一つのみが配線層132の他の部分の厚さより厚く形成される場合もあり得る。
【0040】
本明細書内において、厚さは、厚さ測定の基準になる面における垂直方向、又は厚さを測定しようとする部分の接線に対して垂直方向の厚さを意味し、これを別途に法線方向の厚さと定義する。
例えば、
図6において、t1、t2、t3、t4、t5が法線方向の厚さである。
また、各図において、エッジランプ部を含む配線層の上部が露出した形態を示しているが、保護層をシリコン窒化膜又はシリコン酸化膜などで形成することができる。
【0041】
図6を参照して、エッジランプ部132aに関してより具体的に説明すると、エッジランプ部132aは、上部S1、側部S2、及び中間部S3に区分することができる。
上部S1は、パッシべーション層133の垂直方向に沿って延長された線y1の左側にある部分で、側部S2は、パッシべーション層133の水平方向に沿って延長された線x1の下側にある部分で、エッジランプ部132aのうち、y1線の右側であると共にx1線の上側に位置した部分が中間部S3である。
上述した従来の問題を解決するために、上部S1の法線方向の厚さt1、t2、中間部S3の法線方向の厚さt3、t4、及び側部S2の法線方向の厚さt5のうち少なくとも一部分を、配線層132の他の部分の厚さより厚く形成する。
以下では、配線層132の他の部分の厚さを配線層132の法線方向の厚さと称し、配線層132の法線方向の厚さは、x1とx2との間の間隔、又はy1とy2との間の間隔と定義することができる。
【0042】
次に、
図7を参照すると、配線層132において、エッジランプ部132aは、コーナー、すなわち、第1発光セル110の上面f11と一側面f12とが出会う部分のコーナー(
図5参照)に沿ってパッシべーション層の上部に長く形成することができる。
図5では、第1発光セル110の上面f11及び一側面f12とがなす角A1が直角である構造に対してエッジランプ部132aが適用された場合を例示しているが、
図8に示すように、台形構造の断面、すなわち、一つの発光セル210の上面f21と一側面f22とがなす角が鈍角A2である構造にもエッジランプ部232aを適用することができる。
【0043】
また、
図9に示すように、各発光セル(310、320)のすべての配線層において、コーナー部分にエッジランプ部(332a、332b、332c、332d)を適用することもできる。
すなわち、第1発光セル310の上面と一側面とが出会う第1コーナーの付近と第2発光セル320の上面と第1発光セルの一側面と対向する他側面とが出会う第2コーナーの付近にそれぞれエッジランプ部(332a、332b)を形成することができる。
第1発光セル310の左側の発光セル又は第2発光セル320の右側の発光セルを考慮すると、すべての発光セルのコーナーの付近にエッジランプ部を形成することによって、配線不良による発熱を減少させることができる。
【0044】
また、
図10に示すように、パッシべーション層433上に第1配線層(432_1)を先に形成し、一定時間の経過後、第1配線層(432_1)がある程度固まった状態で第1配線層(432_1)の上部に第2配線層(432_2)が形成される場合のように、二つの層(432_1、432_2)として配線層を形成することができる。
最終的に形成される第2配線層(432_2)にのみエッジランプ部432aが形成される場合を示しているが、このような形態のみならず、第1配線層(432_1)にエッジランプ部(図示せず)が形成された状態で第2配線層(432_2)にもエッジランプ部432aが形成される二重配線構造であってもよい。
【0045】
第1配線層(432_1)及び第2配線層(432_2)は同一の金属材料からなってもよく、互いに異なる金属材料からなってもよい。
また、一つの発光セル410側にのみエッジランプ部432aが形成された場合を示しているが、
図9に示したように、隣接する発光セル420側のコーナー部分にもエッジランプ部をさらに形成することができる。
さらに、配線層にエッジランプ部が形成される基本的な構造において、
図8〜
図10の各構造を適切に組み合わせて形成することもできる。
【0046】
図11は、単一基板上に形成された複数の発光セル(510、520)をフリップタイプで形成した構造を示し、サブマウント基板550上の各ボンディングパターン(543、544)上に各発光セル(510、520)を電気的に接続するために別途のバンプ(541、542)を形成した例である。
図に示すように、各発光セル(510、520)をフリップタイプで形成する場合、サブマウント基板550側に発光した光を反射させるために反射層(516、526)が形成される。
【0047】
反射層のみならず、上述したように、反射率を高めたり、反射波長領域を調節するために別途の分布ブラッグ反射層(DBR)をさらに形成することもできる。
図11に示したように、第1発光セル510と第2発光セル520とを電気的に接続するための配線層532においてエッジランプ部532aが形成されており、このような状態(形態)で各バンプ(541、542)を用いてサブマウント基板550に形成された各ボンディングパターン(543、544)に第1発光セル510と第2発光セル520を電気的に接続する。
図11では、発光セルが二つである場合のみを示したが、発光セルが三つ以上である場合、最も左側の発光セルと最も右側の発光セルは、サブマウント基板550上の各ボンディングパターンに別途の各バンプを通じて電気的に接続することもできる。
【0048】
図12は、複数の発光セル(610、620)に電源を供給するためにワイヤボンディング(641、642)を使用した場合を示す。
電源を供給するためのワイヤボンディング641は、透明電極615と直接接続することもでき、別途のP型電極(図示せず)を形成した後、P型電極とのワイヤボンディングを行うこともできる。
図12において、右側のワイヤボンディング642は、三つ以上の発光セルに拡張する場合、第2発光セル620とその右側の発光セル(図示せず)との間の電気的接続には、エッジランプ部632aが形成された配線層632をそのまま適用することができる。
【0049】
以上のように、本発明に係る発光ダイオードは、隣接した各発光セル間を電気的に接続するための配線層のコーナー部分にエッジランプ部を形成することによって、配線層のコーナー部分の蒸着不良、それによる電気的接続不良、発光効率低下、寿命短縮の問題を解決できる。
【0050】
以上では、本発明に係る発光ダイオードの様々な実施形態に関して説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、本明細書内に記述している内容に基づいて他の変形例を想到し得るが、このような変形例も、本発明の思想及び範囲から逸脱しない範囲内で本発明に含まれることに留意しなければならない。
【課題】単一基板上に多数の発光セルを電気的に接続するための配線層を形成するにおいて、発光セルのコーナー部分における配線不良問題、それによる発光ダイオードの発光効率低下、寿命短縮の問題を解決できる改善された構造を有する発光ダイオードを提供する。
【解決手段】本発明による発光ダイオードは、単一の基板上に互いに離隔して配置される第1発光セル及び第2発光セルを含む複数の発光セルと、第1発光セルの上面と一側面、第2発光セルの上面と第1発光セルの一側面と対向する他側面、及び基板上に連続的に形成されるパッシべーション層と、パッシべーション層上に形成され、第1発光セルと第2発光セルとを電気的に接続する配線層と、を有し、配線層は、第1発光セルの上面と一側面とが出会う第1コーナーの付近、又は第2発光セルの上面と他側面とが出会う第2コーナーの付近にコーナーから遠くなる方向に突出したエッジランプ部を含む。