(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6148782
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システム及び太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールの劣化防止方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/35 20060101AFI20170607BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20170607BHJP
H02S 10/00 20140101ALI20170607BHJP
【FI】
H02J7/35 Z
H02J7/00 S
H02S10/00
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-236615(P2016-236615)
(22)【出願日】2016年12月6日
【審査請求日】2016年12月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591097632
【氏名又は名称】長州産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094581
【弁理士】
【氏名又は名称】鯨田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 達彦
【審査官】
木村 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−531886(JP,A)
【文献】
特開平11−214735(JP,A)
【文献】
特開平09−091049(JP,A)
【文献】
特開2015−070746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L31/02、31/0216−31/0224
31/0236、31/0248−31/0256
31/0352−31/036、31/0392−31/078
31/18、51/42−51/48
H02H 3/08− 3/253
H02J 3/00− 7/12、 7/34− 7/36
H02S10/00−10/40、30/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池と電気的に接続されており前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、
前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が夜間であるなどのために発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記太陽電池モジュールと前記蓄電池との電気的接続を遮断する接続遮断手段と、
前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定する検出等手段と、
前記検出等手段からの出力に基づいて、前記太陽電池モジュールが夜間であるなどのために発電を行っていないとき、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記接続遮断手段を制御する制御手段と、
を備え、これらにより、作動中のインバータからの電圧が発電していない太陽電池モジュールに印加されることにより太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにした、太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システム。
【請求項2】
前記検出等手段は、前記太陽電池モジュールの出力電圧又は発電量を検出する発電等検出手段であり、
前記制御手段は、前記発電等検出手段からの出力に基づいて、前記接続遮断手段を制御して、作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するものである、請求項1に記載の太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システム。
【請求項3】
前記検出等手段は、前記太陽電池モジュールの周辺における太陽光の照射量を検出する照度センサであり、
前記制御手段は、前記照度センサからの出力に基づいて、前記接続遮断手段を制御して、作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するものである、請求項1に記載の太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システム。
【請求項4】
太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、
通常は前記インバータからの電圧が前記太陽電池モジュールに印加されないように前記インバータと前記太陽電池モジュールとの間の電気的接続を遮断しておき、前記太陽電池モジュールが発電を行っているときだけ前記太陽電池モジュールが発電した電力の供給を受けて前記インバータと前記太陽電池モジュールとを電気的に接続するように作動する接続遮断手段と、
前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定する検出等手段と、
前記太陽電池モジュールによる発電動作が不安定であるとき、前記検出等手段からの出力に基づいて、前記太陽電池モジュールによる発電動作が不安定である場合でも前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続が所定時間維持されるように、前記蓄電池により構成される補助電源からの補助電力を前記接続遮断手段に供給する補助電力供給手段と、
を備え、これらにより、太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯において、蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動しているインバータからの電圧が発電していない太陽電池モジュールに印加されて太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにした、太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システム。
【請求項5】
太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び蓄電池と電気的に接続されており前記太陽電池モジュール及び蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、
前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が夜間であるなどのために発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記太陽電池モジュールと前記蓄電池との電気的接続を遮断する接続遮断手段と、
前記太陽電池モジュールが設置された地域における太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない月毎、週毎、又は日毎の時間帯又は時刻に関するデータを記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された、前記太陽電池モジュールが設置された地域における太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない月毎、週毎、又は日毎の時間帯又は時刻に関するデータに基づいて、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯において、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記接続遮断手段を制御する制御手段と、
を備え、これらにより、作動中のインバータからの電圧が発電していない太陽電池モジュールに印加されることにより太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにした、太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システム。
【請求項6】
太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池と電気的に接続されており前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、
前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が夜間であるなどのために発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記太陽電池モジュールと前記蓄電池との電気的接続を遮断する接続遮断手段を備えておき、
前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定し、
前記検出等の結果に基づいて、前記太陽電池モジュールが夜間であるなどのために発電を行っていないとき、前記接続遮断手段を制御して、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止し、これにより、作動中の前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることにより前記太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにした、太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールの劣化防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、太陽光発電システムにおいては、太陽電池モジュール(太陽電池パネル)が劣化してその発電量が大幅に低下してしまう出力低下現象を抑制することが、大きな課題とされている。この出力低下現象は、太陽電池モジュールに高電圧がかかった場合などにおいて、保護用ガラス基板と光電変換セル(シリコンセル)との間の電位差によってガラス基板からナトリウムイオンなどが封止材中に拡散して光電変換セルの表面や内部に侵入することが主な原因だと見られている。
【0003】
このような出力低下現象を抑制するための技術として、従来より、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1は、太陽電池モジュールの封止材の材料をEVAから絶縁性の高いエチレン・α−オレフィン共重合体とする方法を提案している。また、特許文献2は、光電変換セルの表面に導電性構造を設けて外枠フレームと光電変換セルの表面との電位差を低減する方法を提案している。また、特許文献3は、保護ガラスと光電変換セルとの間に窒化シリコン層などを設けることにより保護ガラスからアルカリ金属イオンが溶出した場合でも溶出したアルカリ金属イオンが光電変換セル表面に移動することを妨げる方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5016153号公報
【特許文献2】特開2012−054600号公報
【特許文献3】特開2014−154675号公報
【特許文献4】特開平9−91049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の各特許文献1−3が提案する方法は、いずれも、太陽電池モジュールの構造を改変するものであるから、「太陽光発電システムに対し追加的に備えるだけで、太陽電池モジュールの出力低下を抑制することができる、安価且つ簡便な構成」とは、到底言えないものであった。
【0006】
ところで、近年は、多くの太陽光発電システムにおいて、天候の変動などによる太陽電池モジュールの出力変動を蓄電池の充放電で吸収して負荷に供給される電力の変動を抑えること、及び太陽電池モジュールにより発電された電力の余剰分を蓄電しておき夜間等に使用すること等の目的から、パワーコンディショナー(太陽電池モジュールからの直流電力を交流に変換するインバータなどを内蔵している)に蓄電池が接続され又は内蔵されている(例えば特許文献4より引用した
図6を参照)。
【0007】
本発明は、前述のようにパワーコンディショナーに蓄電池が接続又は内蔵されている太陽光発電システムに対して、安価且つ簡便な構成を追加的に備えるだけで、太陽電池モジュールの出力低下現象の進行の促進を抑制することができる、太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置及び方法を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、パワーコンディショナーに蓄電池が接続又は内蔵されている太陽光発電システムにおいて、特に出力低下現象の進行が促進されることが多いことを、知った。そこで、本発明者らは、太陽光発電システムにおいて出力低下現象の進行が促進される原因について、鋭意探求した結果、次のような新たな知見を得た。
【0009】
すなわち、本発明者らは、太陽光発電システムにおいては、夜間などの太陽電池モジュールが作動していない時間帯においても、蓄電池からの直流電力を交流に変換するためにインバータは作動し続けており、このような作動中のインバータからの電圧が、作動していない太陽電池モジュールに印加され続ける結果、太陽電池モジュール中のガラス基板からナトリウムイオンなどが多く溶出されて出力低下現象の進行が促進されていることを、新たに発見した。
【0010】
例えば、
図7は、従来の太陽光発電システム(従来例)において、太陽電池モジュールが発電していない間に太陽電池モジュールに印加されている電圧を測定した結果を示すグラフである。
図7において、Aは太陽電池モジュールのP極の対地電圧(P−E間電圧)、Bは太陽電池モジュールのN極の対地電圧(N−E間電圧)、Cは太陽電池モジュールのP極及びN極間の電圧(P−N間電圧)を示す。また、C1は太陽電池モジュールによる発電の開始時の状態、C2は太陽電池モジュールによる発電の終了時の状態を示している。この従来例では、
図7のB1で示すように、太陽電池モジュールが発電している間は太陽電池モジュールのN−E間に−150Vの対地電圧が測定された。また、この従来例では、
図7のB2で示すように、太陽電池モジュールが発電していない待機中においても、太陽電池モジュールのN−E間に−100Vの対地電圧が測定された(これは、太陽電池モジュールが発電していない待機中においても、インバータからの電圧が太陽電池モジュールに継続的に印加されているためである)。さらに、この従来例では、
図7のB3で示すように、太陽電池モジュールが発電していない待機中で且つ蓄電池への充電が行われている間は、太陽電池モジュールのN−E間に−150Vの対地電圧が測定された。
【0011】
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、従来例(従来の、太陽光発電システム)においては、
図7のグラフにおいて、B2及びB3に示すように、太陽電池モジュールが発電していない待機中においても作動中のインバータからの電圧が太陽電池モジュールに継続的に印加されていることが、従来例において、出力低下現象の進行が促進されることの原因であることを、発見するに至った。
【0012】
そこで、本発明者らは、このような新規な発見及び知見に基づき、次のような、安価且つ簡便な構成を追加的に備えるだけで太陽電池モジュールの出力低下現象の進行の促進を抑制することができる、太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置及び方法を、発明した。
【0013】
すなわち、前記のような課題を解決するための本発明による太陽光発電システムにおける太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システムは、太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池と電気的に接続されており前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が夜間であるなどのために発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記太陽電池モジュールと前記蓄電池との電気的接続を遮断する接続遮断手段と、前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定する検出等手段と、前記検出等手段からの出力に基づいて、前記太陽電池モジュールが夜間であるなどのために発電を行っていないとき、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記接続遮断手段を制御する制御手段とを備え、これらにより、作動中のインバータからの電圧が発電していない太陽電池モジュールに印加されることにより太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにしたものである。
【0014】
また、本発明による太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置において、前記検出等手段は、前記太陽電池モジュールの出力電圧又は発電量を検出する発電等検出手段であり、前記制御手段は、前記発電等検出手段からの出力に基づいて、前記開閉手段を制御して前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するものであってもよい。
【0015】
また、本発明による太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置において、前記検出等手段は、前記太陽電池モジュールの周辺における太陽光の照射量を検出する照度センサであり、前記制御手段は、前記照度センサからの出力に基づいて、前記開閉手段を制御して前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するものであってもよい。
【0016】
また、本発明による太陽光発電システムにおける太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システムは、太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、通常は前記インバータからの電圧が前記太陽電池モジュールに印加されないように前記インバータと前記太陽電池モジュールとの間の電気的接続を遮断しておき、前記太陽電池モジュールが発電を行っているときだけ前記太陽電池モジュールが発電した電力の供給を受けて前記インバータと前記太陽電池モジュールとを電気的に接続するように作動する接続遮断手段と、前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定する検出等手段と、前記太陽電池モジュールによる発電動作が不安定であるとき、前記検出等手段からの出力に基づいて、前記太陽電池モジュールによる発電動作が不安定である場合でも前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続が所定時間維持されるように、前記蓄電池により構成される補助電源からの補助電力を前記接続遮断手段に供給する補助電力供給手段とを備え、これらにより、太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯において、蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動しているインバータからの電圧が発電していない太陽電池モジュールに印加されて太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにしたものである。
【0017】
また、本発明による太陽電池モジュール劣化防止機能を備えた太陽光発電システムは、太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び蓄電池と電気的に接続されており前記太陽電池モジュール及び蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が夜間であるなどのために発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記太陽電池モジュールと前記蓄電池との電気的接続を遮断する接続遮断手段と、前記太陽電池モジュールが設置された地域における太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない月毎、週毎、又は日毎の時間帯又は時刻に関するデータを記録する記録手段と、前記記録手段に記録された、前記太陽電池モジュールが設置された地域における太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない月毎、週毎、又は日毎の時間帯又は時刻に関するデータに基づいて、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯において、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記接続遮断手段を制御する制御手段とを備え、これらにより、作動中のインバータからの電圧が発電していない太陽電池モジュールに印加されることにより太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにしたものである。
【0018】
さらに、本発明による太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールの劣化防止方法は、太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール又は系統電源からの電力を蓄電する蓄電池と、前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池と電気的に接続されており前記太陽電池モジュール及び前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するインバータであって、前記太陽電池モジュールが発電していない夜間などの時間帯においても前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動するインバータとを備えた太陽光発電システムにおいて、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が夜間であるなどのために発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止するように、前記太陽電池モジュールと前記蓄電池との電気的接続を遮断する接続遮断手段を備えておき、前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定し、前記検出等の結果に基づいて、前記太陽電池モジュールが夜間であるなどのために発電を行っていないとき、前記接続遮断手段を制御して、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するために作動している前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることを防止し、これにより、作動中の前記インバータからの電圧が発電していない前記太陽電池モジュールに印加されることにより前記太陽電池モジュールが劣化してしまうことを防止するようにしたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定し、前記太陽電池モジュールが発電を行っていないとき、前記制御手段が、前記開閉手段を制御して、前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するようにした。したがって、本発明においては、夜間などの太陽電池モジュールが作動していない時間帯において、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換する等のために作動中のインバータからの電圧が太陽電池モジュールに印加されることを、防止することができる。よって、本発明によれば、夜間などの太陽電池モジュールが作動していない時間帯においても前記作動中のインバータからの電圧が太陽電池モジュールに印加され続けることにより生じる出力低下現象の進行の促進を、有効に抑制することができる。
【0020】
また、特に、本発明によれば、既に設置されている従来の太陽光発電システムに安価且つ簡便な構成を追加的に備えるだけで、すなわち、既に設置されている従来の太陽光発電システムに対して、前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定して前記太陽電池モジュールが発電を行っていないとき前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するという構成(前記の開閉手段、検出等手段、及び制御手段を含む構成)を追加的に備えるようにするだけで、太陽電池モジュール又はパワーコンディショナーユニットの大幅な変更又は交換、及びこれらのための多大なコストの発生を伴うことなく、簡単かつ安価に、前記出力低下現象の進行を有効に抑制できるようになる。
【0021】
また、本発明において、前記太陽電池モジュールの出力電圧又は発電量を検出し、この検出結果に基づいて、前記太陽電池モジュールが発電を行っていない場合、前記開閉手段を制御して、前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するようにしたときは、夜間などの太陽電池モジュールが作動していない時間帯において、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するように作動中のインバータからの電圧が前記太陽電池モジュールに印加されることにより、前記太陽電池モジュールの出力低下現象の進行が促進されることを、有効に防止することができる。
【0022】
また、本発明において、前記太陽電池モジュールの周辺における太陽光の照射量又は照度を検出し、この検出結果に基づいて、前記太陽電池モジュールが発電を行っていない場合に、前記開閉手段を制御して、前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するようにしたときは、夜間などの太陽電池モジュールが作動していない時間帯において、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するように作動中のインバータからの電圧が前記太陽電池モジュールに印加されることにより、前記太陽電池モジュールの出力低下現象の進行が促進されることを、有効に防止することができる。
【0023】
また、本発明によれば、前記開閉手段を、前記太陽電池モジュールで発電された電力により、前記太陽電池モジュールとインバータとを電気的に接続するように駆動するようにしたので、前記太陽電池モジュールが発電中である時間帯だけ、自動的に、前記太陽電池モジュールとインバータとが電気的に接続されるようになる。また、本発明において、さらに、制御手段が、前記太陽電池モジュールによる発電動作が不安定である場合に、前記検出等手段からの出力に基づいて、補助電源からの補助電力を前記開閉手段に供給して前記太陽電池モジュールとインバータとの間の電気的接続を維持するようにしたときは、朝の日射上昇時において前記太陽電池モジュール11による発電動作が不安定なものに止まっているときでも、前記リレー回路の開閉が繰り返されるチャタリング現象の発生を防止できるようになる。
【0024】
また、本発明において、予め記録手段に記録された、前記太陽電池モジュールが設置された地域における太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない月毎、週毎、又は日毎の時間帯又は時刻に関するデータに基づいて、前記太陽電池モジュールが発電を行っていない時間帯だけ、前記開閉手段を制御して、前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するようにしたときは、夜間などの太陽電池モジュールが作動していない時間帯において、前記蓄電池からの直流電力を交流に変換するように作動中のインバータからの電圧が前記太陽電池モジュールに印加されることにより、前記太陽電池モジュールの出力低下現象の進行が促進されることを、有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態1の構成を説明するための概略ブロック図である。
【
図2】本実施形態1の構成の一部を示す概略的な電気配線図である。
【
図3】本実施形態1におけるDC遮断回路の性能測定結果を示すグラフである。
【
図4】本発明の実施形態2を説明するための概略ブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態3を説明するための概略ブロック図である。
【
図6】従来の太陽光発電システムを示す概略図である。
【
図7】従来の太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュールが発電していない間に太陽電池モジュールに印加されている電圧を測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の実施形態1を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態1に係る、太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置の構成を説明するための概略ブロック図である。
【0027】
図1において、11は太陽電池モジュール(太陽電池パネル)、12は太陽電池モジュールに接続されたパワーコンディショナーユニット、13はパワーコンディショナーユニット12に接続された蓄電池ユニットである。また、14は、前記パワーコンディショナーユニット12に内蔵された、前記太陽電池モジュール11で発電された直流電力及び前記蓄電池ユニット13からの直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータである。また、15は、前記パワーコンディショナーユニット12に内蔵された、前記DC−DCコンバータ14で電圧変換された直流電力を交流に変換するインバータである。
【0028】
次に、
図1において、16は前記太陽電池モジュール11が発電中であるか否かを検出するための発電検出回路である。この発電検出回路16は、パワーコンディショナーユニット12に外部設置されている。この発電検出回路16は、前記太陽電池モジュール11に接続され前記太陽電池モジュール11の出力電圧を検出する電位検出回路(電位センサ)と、この電位検出回路からの出力に基づいてドライブ信号を後述の開閉回路17に出力するドライブ信号出力回路とにより構成されている。
【0029】
次に、
図1において、17は、前記太陽電池モジュール11と前記インバータ15とを電気的に接続し又は当該電気的接続を遮断するための開閉回路である。この開閉回路17は、前記発電検出回路16と共に一つの筐体内に収容されている。この筐体内に収容された前記開閉回路17及び前記発電検出回路16は、出力低下現象抑制用ユニット18として、パワーコンディショナーユニット12に接続されている。前記開閉回路17は、前記インバータ15と前記太陽電池モジュール11との間の電気的接続を遮断するDCリレー回路と、前記発電検出回路16中のドライブ信号出力回路からのドライブ信号に基づいて前記リレー回路を駆動するドライブ回路とにより構成されている。前記リレー回路は、2個のDCパワーリレーにより、前記太陽電池モジュール11のP極及びN極と前記インバータ15の各端子とをそれぞれ結ぶ各電力線を、それぞれ遮断するものである。
【0030】
次に、
図2は本実施形態1の構成の一部を示す概略的な電気配線図である。
図2において、21は太陽電池モジュール用端子部、22はパワーコンディショナー用端子部、23は専用電源基板、24は前記発電検出回路16及び前記開閉回路17を搭載したリレー基板、25は前記蓄電池ユニット13からの補助電力供給用の端子部である。
【0031】
また、
図2において、1は太陽電池モジュール用端子部21及びリレー基板24間の電力線(+)、2は太陽電池モジュール用端子部21及びリレー基板24間の電力線(−)、3はパワーコンディショナー用端子部22及びリレー基板24間の電力線(+)、4はパワーコンディショナー用端子部22及びリレー基板24間の電力線(−)、5はパワーコンディショナーユニット12及びリレー基板24間の補助電力線(+)、6はパワーコンディショナーユニット12及びリレー基板24間の補助電力線(−)、7はリレー基板24及び専用電源基板23間のハーネス(Vin)、8はリレー基板24及び専用電源基板23間のハーネス(Vout)である。
【0032】
次に、
図3は、本実施形態1におけるDC遮断回路の性能測定結果を示すグラフである。
図3において、Aは太陽電池モジュール11のP極の対地電圧(P−E間電圧)、Bは太陽電池モジュール11のN極の対地電圧(N−E間電圧)、Cは太陽電池モジュール11のP極及びN極間の出力電圧(P−N間電圧。インバータ15の入力電圧)を示している。また、
図3において、C1は太陽電池モジュール11による発電の開始時の状態、C2は太陽電池モジュール11による発電の終了時の状態を示している。
【0033】
本実施形態1においては、まず、朝の日射上昇により、前記開閉回路17中のDCリレー回路のスイッチが閉じられ、太陽電池モジュール11とインバータ15が電気的に接続され、太陽電池モジュール11と対地間電圧が発生する(
図3のC1を参照)。次に、夕方の日射下降により、前記開閉回路17中のDCリレー回路のスイッチが開かれ、太陽電池モジュール11とインバータ15が電気的に遮断され、太陽電池モジュール11と対地間電圧が消滅する(
図3のC2を参照)。なお、補助電力供給用のタイマー回路(図示省略)及びスイッチ回路(図示省略)により、朝の日射上昇時の一定時間のみ、前記蓄電池ユニット13からの電力を使用して、太陽電池モジュール11からの発電電力の不足分を補うことにより、電力供給の連続性を確保する。
【0034】
本実施形態1では、
図3のC3で示すように、太陽電池モジュール11が発電をしていない時間帯においては、太陽電池モジュール11のP極の対地電圧(P−E間電圧)及びN極の対地電圧(N−E間電圧)は、いずれもゼロに維持されている。よって、本実施形態1においては、太陽電池モジュール11が発電をしていない時間帯において、太陽電池モジュール11とインバータ15間の電気的接続が遮断されており、作動中のインバータ15からの電圧が太陽電池モジュール11に印加されていないことが確認できた。
【0035】
以上説明したように、本実施形態1においては、前記発電検出回路16中の電位検出回路(電位センサ)が前記太陽電池モジュール11の出力電圧を検出することにより前記太陽電池モジュール11が発電を行っているかどうかを検出し、前記太陽電池モジュール11が発電を行っていないときは、前記発電検出回路16中のドライブ信号出力回路が、ドライブ信号を前記開閉回路17に出力する。前記開閉回路17は、前記発電検出回路16からドライブ信号を受信すると、DCリレー回路を駆動して、前記インバータ15と前記太陽電池モジュール11との間の電気的接続を遮断する。よって、本実施形態1によれば、夜間などの太陽電池モジュール11が作動していない時間帯において、前記蓄電池ユニット13からの直流電力を交流に変換するように作動しているインバータ15からの電圧が太陽電池モジュール11に印加されることにより、太陽電池モジュール11の出力低下現象の進行が促進されることを、有効に防止することができる。
【0036】
〔第2の実施形態〕
次に、
図4は本発明の実施形態2を説明するための概略ブロック図である。
図4において
図1と共通する部分には同一の符号を付している。本実施形態2では、インバータ15及びDC−DCコンバータ14と太陽電池モジュール11との間に接続遮断部31が配置されている。また、前記太陽電池モジュール11の近傍に太陽光の照射量を検出する照度センサ32が接続されている。また、前記照度センサ32と前記接続遮断部31との間には制御部33が接続されている。
【0037】
本実施形態2では、前記照度センサ32からの出力が所定時間毎に前記制御部33に入力される。前記制御部33は前記照度センサ32からの出力に基づいて、前記太陽電池モジュール11の周囲の太陽光の照射量が所定値よりも少なくなったとき、前記太陽電池モジュール11が発電をしていないと判定し、前記接続遮断部31に制御信号を送信する。前記接続遮断部31は前記制御信号を受けて、前記インバータ15と前記DC−DCコンバータ14及び前記太陽電池モジュール11との間の電気的接続を遮断する。
【0038】
よって、この本実施形態2によっても、前記実施形態1とほぼ同様に、夜間などの太陽電池モジュール11が作動していない時間帯において、前記蓄電池ユニット13からの直流電力を交流に変換するように作動しているインバータ15からの電圧が太陽電池モジュール11に印加されることにより、太陽電池モジュール11の出力低下現象の進行が促進されることを、有効に防止することができる。
【0039】
〔第3の実施形態〕
次に本発明の実施形態3を説明する。本実施形態3は、前記実施形態1などと基本的構成は共通しているので、以下では異なる部分を中心に説明する。本実施形態3では、基本的に、
図1の開閉回路17を太陽電池モジュール11で発電された電力のみで駆動するようにしている。
【0040】
したがって、本実施形態3では、前記太陽電池モジュール11により十分な発電が行われる時間帯だけ、自動的に、前記開閉回路17が駆動されて、太陽電池モジュール11と前記インバーター15とが電気的に接続される。すなわち、本実施形態3においては、朝の太陽光の照射量が増大して前記太陽電池モジュール11により十分な発電が行われる時間帯になると、前記太陽電池モジュール11により発電された電力が前記開閉回路17に供給され、自動的に、前記インバータ15と前記太陽電池モジュール11とが電気的に接続される。その後、夕方の太陽光の照射量が減少して前記太陽電池モジュール11により十分な発電が行われない時間帯になると、前記太陽電池モジュール11により発電された電力が前記開閉回路17に供給されなくなって、自動的に、前記インバータ15と前記太陽電池モジュール11との間の電気的接続が遮断される。
【0041】
さらに、本実施形態3では、前記開閉回路17に含まれるリレー回路に、太陽光の照射が不安定であるために前記太陽電池モジュール11による発電動作が不安定であるときのチャタリング現象の発生を防止するための回路が、組み込まれている。すなわち、朝の日射上昇時に前記リレー回路を開閉させると、太陽光の照射量が十分に増大して前記太陽電池モジュール11による発電動作が安定するまでの間、すなわち前記太陽電池モジュール11による発電動作が不安定なものに止まっている間、前記リレー回路の開閉が繰り返されるチャタリング現象が発生してしまい、その結果、前記リレー回路が消耗してしまう不都合が生じることがある。そこで、本実施形態3では、制御部が、
図1の発電検出回路16からの信号に基づいて、補助電源回路からの補助電力を前記リレー回路に供給して一定時間だけ前記リレー回路を「開」に維持するようにし、これにより、前述のようなチャタリング現象の発生を防ぐようにしている。
【0042】
〔第4の実施形態〕
次に、
図5は本発明の実施形態4を説明するための概略ブロック図である。
図5において
図1,
図4と共通する部分には同一の符号を付している。本実施形態4では、インバータ15及びDC−DCコンバータ14と太陽電池モジュール11との間に接続遮断部31が接続されている。また、この接続遮断部31には制御部又はタイマー部35が接続されている。この制御部又はタイマー部35には、前記太陽電池モジュール11が設置された地域における太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない月毎、週毎、又は日毎の時間帯又は時刻に関するデータを記録しておくタイムスケジュール記録部34が接続されている。
【0043】
本実施形態4では、前記制御部又はタイマー部35は、前記タイムスケジュール記録部34に記録された太陽光発電が可能な又は太陽光発電ができない時間帯又は時刻に関するタイムスケジュール・データに基づいて、太陽光発電ができない時間帯だけ、前記インバータ15と前記DC−DCコンバータ14及び前記太陽電池モジュール11との間の電気的接続が遮断されるように、前記接続遮断部31を制御する。
【0044】
よって、この本実施形態4によっても、前記実施形態1,2とほぼ同様に、夜間などの太陽電池モジュール11が作動していない時間帯において、前記蓄電池ユニット13からの直流電力を交流に変換するように作動しているインバータ15からの電圧が太陽電池モジュール11に印加されることにより、太陽電池モジュール11の出力低下現象の進行が促進されることを、有効に防止することができる。
【0045】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は前記の各実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態1においては、前記太陽電池モジュール11が発電を行っているか否かを、前記発電検出回路16(
図1参照)に含まれる電位検出回路(電位センサ)が前記太陽電池モジュール11の出力電圧を検出することにより判定するようにしたが、本発明においては、電流センサにより太陽電池モジュール11から出力される発電電流を検出し、検出した電流の大きさが所定値よりも小さいときに太陽電池モジュール11が発電していないと判定し、前記開閉回路17を制御して太陽電池モジュール11とインバータ15との間の電気的接続を遮断するようにしてもよい。
【0046】
また、前記実施形態1では、前記発電検出回路16及び前記開閉回路17をパワーコンディショナーユニット12の外部に設置したが、本発明では前記発電検出回路16及び前記開閉回路17の一方又は双方をパワーコンディショナーユニット12に内蔵するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
11 太陽電池モジュール
12 パワーコンディショナーユニット
13 蓄電池ユニット
14 DC−DCコンバータ
15 インバータ
16 発電検出回路
17 開閉回路
18 出力低下現象抑制用ユニット
21 太陽電池モジュール用端子部
22 パワーコンディショナー用端子部
23 専用電源基板
24 リレー基板
31 接続遮断部
32 照度センサ
33 制御部
34 タイムスケジュール記録部
35 制御部又はタイマー部
【要約】
【目的】 太陽光発電システムにおいて、安価且つ簡便な構成を追加的に備えるだけで太陽電池モジュールの出力低下現象の進行の促進を抑制することができる、出力低下現象抑制装置及び方法を提供する。
【構成】 太陽電池モジュールとインバータとの間を電気的に開閉する開閉手段と、前記太陽電池モジュールが発電を行っているか否かを検出又は判定する検出等手段と、前記太陽電池モジュールが発電を行っていないとき、前記検出等手段からの出力に基づいて、前記太陽電池モジュールと前記インバータとの間の電気的接続を遮断するように前記開閉手段を制御する制御手段とを備えた、太陽光発電システムにおける出力低下現象抑制装置及び方法である。
【選択図】
図1