(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前方向」とし、その逆方向を「後方向」とする。また、同様に、「左方向」や「右方向」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0026】
(上パネル20)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。
【0027】
(図柄表示窓部16)
上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。
図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、図柄表示窓部16を介して複数の図柄61を変動表示可能なものである。
【0028】
(リールユニット60)
図柄表示窓部16の奥には、リールユニット60が配置されている。
リールユニット60は、複数、例えば21個の図柄61が個別に表示された複数、例えば3個の回転リール62を個別に回転可能なものである。
【0029】
(演出装置70)
前扉14には、演出装置70(
図2参照)が配置されている。演出装置70は、遊技の進行に応じ、各種の演出を実行するものである。演出装置70は、前扉14に配置された、(1)スピーカー72、(2)画像表示装置84、(3)演出用ランプ78、(4)役物装置90を備えている。なお、演出装置70は、前述した(1)〜(4)に限定されず、例えば画像表示装置84を省略してもよい。また、役物装置90については、
図6〜
図15を用いて後述する。
スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0030】
画像表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の中央部に配置された後述する役物用照明装置81と、前扉14の下部に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0031】
(下パネル22)
前扉14の下部には、下パネル22が設けられている。
【0032】
(操作部30)
前扉14には、下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。操作部30の右端には、メダルを投入可能なメダル投入口38が設けられている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38から予めメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0033】
(精算スイッチ36)
操作部30の左端には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0034】
(ストップスイッチ50)
操作部30の中央下側には、複数、例えば3個のストップスイッチ50が配置されている。ストップスイッチ50は、複数、例えば3個の回転リール62の各々に対応して設けられ、遊技者の操作により回転中の複数の回転リール62を個別に停止可能なものである。
ストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。
すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0035】
(スタートスイッチ40)
ストップスイッチ50の左側には、スタートスイッチ40が配置されている。スタートスイッチ40は、遊技者の操作により複数、例えば3個の回転リール62の回転を開始させるためのものである。スタートスイッチ40は、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に、回転リール62の回転を開始させるためのものである。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0036】
(ベットスイッチ32)
スタートスイッチ40の上側には、クレジットしたメダルを所定枚数、投入可能なベットスイッチ32が設けられている。ベットスイッチ32としては、最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、マックスベットスイッチ34の左隣に位置し、クレジットしたメダルを1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35との2個のスイッチが設けられている。なお、ベットスイッチ32の個数は、2個に限定されず、例えば最大投入枚数しか投入できない機種においてはマックスベットスイッチ34だけを設けてもよい。
【0037】
(払出手段24)
前扉14の下部の奥には、払出手段24(
図2参照)が配置されている。払出手段24は、複数、例えば3個の回転リール62の停止表示された図柄61の組み合わせに基づいて、所定の遊技媒体、例えばメダルを払い出し可能なものである。払出手段24には、図示しないが、ホッパーユニットが使用されている。
なお、遊技媒体として、メダルを例示したが、これに限定されず、例えばパチンコ球でもよい。
また、前扉14の下部の奥には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)が配置されている。
【0038】
(メダル払出口28、メダル受け皿26)
前扉14の下部には、所定の場合に払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。
このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0039】
(1回の遊技及び有効ライン86)
本実施の形態に係る遊技機10は、ベットスイッチ32の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。
そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果にもとづいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
【0040】
遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、「有効ライン86」という。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0041】
なお、「有効ライン86」は、後述の停止図柄判定手段230の判定対象となるラインを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64、中リール66及び右リール68の中段を横一直線に結んだラインから構成されている。
なお、有効ライン86として、1ラインを例示したが、これに限定されず、複数のラインから構成してもよい。
【0042】
(図柄61)
左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、図示しないが、「赤7」、「キャラクタ」、「ベル」、「バー」、「チェリー」、「プラム」、「オレンジ」等の複数の種々の図柄61が表示されている。
【0043】
(役物装置90)
回転リール62が臨む図柄表示窓部16の左側には、役物装置90が配置されている。役物装置90は、遊技機10の筐体12の前面に取り付けられ、遊技機10による遊技の進行に連動して機械的な動きするものである。
ここで、「機械的な動き」とは、「機械」を使用した機構を意味し、単に液晶等の表示画面上の動きでないことを意味する。
役物装置90の構造については、
図6〜
図15を用いて後述する。
【0044】
(役物用照明装置81)
上パネル20の左右両側には、左右一対の役物用照明装置81を設けている。
左右の役物用照明装置81は、通常時、演出用ランプ78の一つして機能するほか、左側に位置する役物用照明装置81は、役物装置90に隣接して位置し、役物装置90の動作時に連動して点灯する「発光素子」として機能する。
「発光素子」は、筐体12に設けられ、役物装置90内に設けられた後述する光源である上側光源820及び下側光源830とは異なるものとして機能する。そして、「発光素子」は、役物装置90の動作時に連動して点灯することで、図示しないが、ホールの室内照明等の外部光の光量を増加させるものである。
左側の役物用照明装置81は、筐体12から突出した突縁部に内蔵され、役物装置90に向かった内側面を光らせることで、役物装置90の周囲を照明する「発光素子」として機能する。
左右の役物用照明装置81は、通常時、
図4を用いて後述するランプ制御手段350により制御され、演出用ランプ78の一つして点灯もしくは点滅し、演出に使用される。左右の役物用照明装置81のうち、役物装置90に隣接する左側の役物用照明装置81は、役物装置90の動作時には、役物制御手段330により制御され、役物装置90の動作に連動して点灯制御される。例えば、役物装置90の振動状態において点灯し、外部光を増加させることで、当該外部光による演出(振動全部)と光源による演出(振動一部)とを切り分けることができるようにしている。
なお、役物用照明装置81は、役物装置90の振動状態において常時、点灯させておく必要は無く、室内照明が明るいホールの場合には、非作動状態としてもよく、室内照明が比較的、暗いホールにおいてのみ作動するようにしてもよい。また、ホールの照明が時間帯により明るくなったり、暗くなったりする場合には、明るい時間帯は役物用照明装置81を非作動状態とし、暗くなる時間帯のみ作動するようにしてもよい。さらに、役物装置90の振動状態の開始時のみ、役物用照明装置81を作動状態とし、その後、所定時間経過後、非作動として、光源による演出(振動一部)を見易くしてもよい。
一方、役物用照明装置81の「点灯」を例示したが、これに限定されず、「点滅」としてもよい。また、「発光素子」として、役物用照明装置81を例示したが、これに限定されず、役物用照明装置81に代えて、例えば演出用ランプ78の上部ランプ80等を使用してもよく、又、役物用照明装置81と上部ランプ80等とを一緒に点灯させてもよい。
【0045】
(遊技制御手段100)
遊技機10の内部には、
図2に示すように、遊技機10の全体の動作を制御するための遊技制御手段100が形成されている。
前記遊技制御手段100は、大別すると、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの命令(コマンド及びデータを含む。)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段300を備えている。
【0046】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われている。
メイン制御手段200は、ベットスイッチ32、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50等の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び払出手段24の作動を制御する。
【0047】
サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、画像表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。
サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、画像表示装置84、演出用ランプ78及び役物装置90の各パーツがそれぞれ接続されている。
【0048】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12の内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0049】
メイン制御手段200、サブ制御手段300のそれぞれは、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0050】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、遊技状態制御手段240、払出制御手段250及び送信制御手段260の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段の全てをメイン制御手段200が制御することなく、その一部をサブ制御手段300側で制御してもよいし、或いはメイン制御手段200とサブ制御手段300とが共働して制御するようにしてもよい。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0051】
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を実行するためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(1〜3枚)が設定されると、有効ライン86(
図1参照)が設定される。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。
そして、規定の賭け数(1〜3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0052】
本実施の形態では、役として、大別すると、「一般役」、「ボーナス役」、いずれにも当選していない「非当選」(ハズレ)が含まれている。
「一般役」には、「小役」(メダルの払い出しを伴う役)、「再遊技役」(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆる「リプレイ役」)が含まれている。
「ボーナス役」は、遊技状態の移行を伴う役であり、次ゲーム以降に持ち越せる役である。なお、遊技状態については、
図5を用いて後述する。
【0053】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0054】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して払い出される。
【0055】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、「ボーナス役」又は「一般役」のいずれかに当選か、又は非当選、すなわち「ハズレ」かを、抽選(役抽選)により決定するものである。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS11(
図16参照)において行われる。
役抽選手段210は、「ボーナス役」に当選時に、
図5を用いて後述する「RB」である第1特別状態と、「BB」である第2特別状態とのいずれの特別状態に移行するかを決定している。
【0056】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とにもとづいて、各回転リール62の回転を停止させる。
【0057】
具体的には、各回転リール62の駆動モータを制御することで、回転方向に予め定められた図柄数分、本実施の形態では4コマ以内の図柄までの範囲に、当選した役に対応する図柄が含まれている場合には、当該図柄が有効ライン86上に揃うように引き込み制御を行い、且つ、当選していない役に対応した図柄が有効ライン86上に揃わないように蹴飛ばし制御を行う。
なお、リール制御手段220による処理は、後述するステップS12(
図16参照)において行われる。
【0058】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップS13(
図16参照)において行われる。
【0059】
(遊技状態制御手段240)
遊技状態制御手段240は、メイン制御手段200が備える手段であり、
図5に示す「遊技状態」を制御するためのものである。
遊技状態制御手段240には、
図3に示すように、大別すると、(1)普通遊技制御手段241、(2)ボーナス内部中遊技制御手段242、(3)特別遊技制御手段243、(4)特殊遊技制御手段244を備える。なお、(1)〜(4)について後述する。また、遊技状態制御手段240の手段は、(1)〜(4)の手段に限定されない。
【0060】
(払出制御手段250)
払出制御手段250は、メイン制御手段200が備える手段であり、停止図柄判定手段230の判定結果にもとづいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段250は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
なお、払出制御手段250による処理は、後述するステップS14(
図16参照)において行われる。
【0061】
(送信制御手段260)
送信制御手段260は、メイン制御手段200が備える手段であり、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
【0062】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、受信制御手段310及び演出制御手段320の各手段を有する。手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段の全てをサブ制御手段300が制御することなく、その一部をメイン制御手段200側で制御してもよいし、或いはメイン制御手段200とサブ制御手段300とが協同して制御するようにしてもよい。
【0063】
サブ制御手段300は、演出装置70が接続され、所定の演出を実行する。
例えば、サブ制御手段300は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、画像表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
演出装置70は、大別すると、役物装置90(移動装置720、照明装置800)、画像表示装置84、演出用ランプ78及びスピーカー72等がサブ制御手段300にそれぞれ接続され、これをメイン制御手段200から送信される信号(例えば各種の抽選結果、コマンド、データ等)にもとづいてサブ制御手段300側で制御することにより、所定の演出を実行している。
【0064】
(受信制御手段310)
受信制御手段310は、サブ制御手段300が備える手段であり、メイン制御手段200側の送信制御手段260からの信号を受信するものである。
【0065】
(演出制御手段320)
演出制御手段320は、サブ制御手段300が備える手段であり、メイン制御手段200の役抽選手段210による役抽選結果にもとづいて、演出装置70を用いて演出を実行するためのものである。
具体的には、演出制御手段320は、
図4に示すように、大別すると、(1)役物制御手段330、(2)表示制御手段340、(3)ランプ制御手段350、(4)音声制御手段360を備える。なお、(1)〜(4)については後述する。また、演出制御手段320の手段は、(1)〜(4)の手段に限定されない。
【0066】
(普通遊技制御手段241)
普通遊技制御手段241は、
図5を用いて後述する「普通遊技」の進行を制御するものである。
ここで、「普通遊技」は、
図5を用いて後述するように、「特別遊技」(ボーナス遊技)、「ボーナス内部中遊技」及び「特殊遊技」以外の遊技状態である。
【0067】
(ボーナス内部中遊技制御手段242)
ボーナス内部中遊技制御手段242は、
図5を用いて後述する「ボーナス内部中遊技」の進行を制御するものである。
ここで、「ボーナス内部中遊技」は、「普通遊技」においてボーナス役に当選すると移行する遊技状態である。「ボーナス内部中遊技」において、ボーナス遊技の移行に対応した図柄が表示されると、当該ボーナス内部中遊技から「特別遊技」(ボーナス遊技)に移行する。
【0068】
(特別遊技制御手段243)
特別遊技制御手段243は、
図5を用いて後述する「特別遊技」(ボーナス遊技)の進行を制御するものである。
ここで、「特別遊技」(ボーナス遊技)は、ボーナス遊技用として用いられる抽選テーブルを用いて、役抽選が行われるものであり、通常遊技に用いられる抽選テーブルと比較すると、一般役の当選確率が高く設定されているため、通常遊技が遊技数を消化するごとにメダルは減少していくのに対して、ボーナス遊技においては、メダルが増加する可能性が高い。
「特別遊技」(ボーナス遊技)には、
図5を用いて後述する「RB」である第1特別状態と、「BB」である第2特別状態との2種類の特別状態があり、各特別状態に応じ、第1特別状態制御手段243aと、第2特別状態制御手段243bとが設けられている。第1特別状態制御手段243aは、「RB」である第1特別状態を制御するものである。第2特別状態制御手段243bは、「BB」である第2特別状態を制御するものである。
【0069】
(特殊遊技制御手段244)
特殊遊技制御手段244は、
図5を用いて後述する「特殊遊技」の進行を制御するものである。
ここで、「特殊遊技」は、「特別遊技」(ボーナス遊技)の終了後、移行し、所定の遊技区間(例えば30G)実行可能な遊技状態である。
【0070】
(役物制御手段330)
役物制御手段330は、サブ制御手段300が備える手段であり、メイン制御手段200の役抽選手段210による役抽選結果にもとづいて、役物装置90の動作状態を制御するものである。これに加え、役物制御手段330は、演出用ランプ78の一つである役物用照明装置81にも接続され、役物装置90の動作に連動させて、「発光素子」として機能する左側の役物用照明装置81を点灯制御或いは点滅制御している。
役物制御手段330は、
図4に示すように、次の手段を備える。
(1)移動制御手段331
移動制御手段331は、サブ制御手段300が備える手段であり、メイン制御手段200の役抽選手段210による役抽選結果にもとづいて、役物装置90の後述するモータである駆動源750の駆動状態を制御するものである。具体的には、駆動源750を正逆転させると、後述するラック731とピニオン761とのかみ合いにより、移動体730が
図6及び
図15に示す「Z軸」方向に移動する。その結果、移動体730に板バネである弾性部材710に連結された役物本体510が慣性力により、「X軸」上の中心点を支点として「Z軸」方向に回転することで振動を開始する。なお、移動制御手段331は、駆動源750を継続的に正逆転させ、移動体730を常に移動させてもよいし、或いは板バネである弾性部材710の減衰時に、駆動源750を正逆転させ、移動体730を間欠的に移動させてもよい。
【0071】
(2)照明制御手段332
照明制御手段332は、サブ制御手段300が備える手段であり、メイン制御手段200の役抽選手段210による役抽選結果にもとづいて、役物装置90の後述する照明装置800、すなわち同じく後述する中央光源810、上側光源820、下側光源830の点灯・消灯を制御するものである。
【0072】
また、照明制御手段332は、中央光源810、上側光源820、下側光源830のうち、上側光源820及び下側光源830の点滅タイミングを制御するものである。
すなわち、照明制御手段332は、役物本体510が振動中の特定位置にあるときに、上側光源820及び下側光源830が点灯するように当該点滅周期を制御することで、見かけ上の新しい振動周期による演出を遊技者に視認可能とするようにしている。
ここで、「特定位置」は、例えば役物本体510が上下に振動する場合に、
図15の(a)に示す上方側に揺動した状態、(b)に示す上方側より下方に揺動した状態、(c)に示す正面を向いた状態、(d)に示す正面から下方に揺動した状態、(e)に示す下方に揺動した状態のいずれか少なくとも1つの位置をいう。
なお、「特定位置」として、少なくとも1つの位置を例示したが、これに限定されず、複数の位置を特定位置としてもよい。
【0073】
ここで、「見かけ上の新しい振動周期」としては、役物本体510の振動周期による演出の全部が見える状態に対し、振動周期の一部である「特定位置」にあるときに上側光源820及び下側光源830を点灯させ、振動周期による演出の一部が見えるようにすることで、役物本体510が「静止状態」に見えたり、或いは「スローモーション状態」で振動しているように見えたりする状態をいう。
なお、「見かけ上の新しい振動周期」としては、「静止状態」や「スローモーション状態」を例示したが、これに限定されず、例えば「スローモーション状態」に「低速」と「超低速」等のように速度に変化を持たせてもよい。
【0074】
さらに、照明制御手段332は、役物本体510の振動の半周期の整数倍の周期で上側光源820及び下側光源830の点滅を実行する第1照明制御(例えば静止状態)と、役物本体510)の振動の半周期の非整数倍の周期で上側光源820及び下側光源830の点滅を実行する第2照明制御(例えばスローモーション状態)とが実行可能である。
ここで、「役物本体510の振動の半周期」は、「1周期」の1/2の周期である。「1周期」は、後述する
図17を用いて説明すると、「T2〜T6」迄をいい、役物本体510が中心位置(T2)から下方位置(T3)及び上方位置(T5)を経て、中心位置(T6)に戻って来るまでの一連の動きをいう。役物本体510の中心位置は、後述する
図15の(c)の状態、下方位置は(e)の状態、上方位置は(a)の状態をいう。
【0075】
ここで、「半周期の整数倍」としては、後述する
図17の(a)に示す「静止状態の一例」の通りである。「静止状態の一例」では、「半周期」の「1倍」となり、「T2、T4、T6、T8」の順に点滅する。その結果、振動中の役物本体510が中心位置を通過したときにしか見えず、遊技者からは、役物本体510が中心位置に見かけ上、静止しているように見える。
【0076】
ここで、「半周期の非整数倍」としては、例えば
図17の(c)に示す「スローモーション状態の一例」の通りである。「スローモーション状態の一例」では、「半周期」の「1.5倍」となり、「T1、T4、T7」の順に点滅する。その結果、振動中の役物本体510が上方位置を基準とすると、遊技者からは、上方位置、中心位置、下方位置の順に見かけ上、ゆっくりと(3倍の周期で)、すなわちスローモーション状態で振動しているように見える。
なお、「半周期の整数倍」としては、
図17の(a)に示す「1倍」を例示したが、これに限定されず、例えば「2倍」、「3倍」或いは「4倍」以上としてもよい。また、「半周期の非整数倍」としては、例えば
図17の(c)に示す「1.5倍」を例示したが、これに限定されず、「0.25」(1/4倍)、「0.5」(2/4倍)、「0.75倍」(3/4)のように細かく区切ってもよいし、或いは「1.5倍」より大きな「非整数倍」としてもよい。
【0077】
(表示制御手段340)
表示制御手段340は、画像表示装置84に接続され、遊技制御手段100による遊技の進行に連動して画像表示装置84を制御するものである。
【0078】
(ランプ制御手段350)
ランプ制御手段350は、演出用ランプ78(上部ランプ80、役物用照明装置81、下部ランプ82)に接続され、遊技制御手段100による遊技の進行に連動して上部ランプ80、役物用照明装置81、下部ランプ82をそれぞれ制御するものである。
【0079】
(音声制御手段360)
音声制御手段360は、スピーカー72に接続され、遊技制御手段100による遊技の進行に連動してスピーカー72から効果音を発生させるものである。
【0080】
(
図5を用いた遊技状態の説明)
図5は、メイン制御手段200側で管理される遊技状態の一例を示している。
遊技状態としては、大別すると、「普通遊技」、「特別遊技」(ボーナス遊技)、「ボーナス内部中遊技」、「特殊遊技」が含まれる。
【0081】
(普通遊技)
「普通遊技」は、普通に行われる遊技状態であって、ここでは「特別遊技」(ボーナス遊技)、「ボーナス内部中遊技」及び「特殊遊技」以外の遊技状態をいう。「普通遊技」は、
図5に示す普通遊技制御手段241により制御されている。
「普通遊技」は、「NOM」(RT0)とも呼ばれ、再遊技確率が「通常」(低確率)に設定されている。
ここで、「RT0」は「RT」の一つの状態であり、「RT」はいわゆる「リプレイ・タイム」の略語である。「リプレイ」は、「再遊技」とも呼ばれる。再遊技役(リプレイ役)に当選し、再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄の組合せが有効ライン86上に揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され、遊技を行うことができる。
【0082】
「普通遊技」中、
図2に示す役抽選手段210により、スタートスイッチ40の操作を契機に、「ボーナス役」又は「一般役」のいずれかに当選か、又は非当選、すなわち「ハズレ」かを、抽選(役抽選)により決定している。「普通遊技」中、ボーナス役に当選すると、「ボーナス内部中遊技」に移行する。また、「普通遊技」中、ボーナス役に当選し、且つボーナス状態の移行に対応した図柄が表示されると、入賞となり、「普通遊技」から「特別遊技」(ボーナス遊技)に移行する場合もある。
【0083】
(ボーナス内部中遊技)
「ボーナス内部中遊技」は、「普通遊技」中、ボーナス役に当選、すなわちボーナス役のフラグが立った状態の遊技状態である。「ボーナス内部中遊技」は、
図5に示すボーナス内部中遊技制御手段242により制御される。「ボーナス内部中遊技」中は、「RT2」に移行し、再遊技確率が「高確率」に設定されている。
「ボーナス内部中遊技」中、ボーナス状態の移行に対応した図柄が表示されると、入賞となり、「特別遊技」(ボーナス遊技)に移行する。
【0084】
(特別遊技)
「特別遊技」(ボーナス遊技)は、ボーナス遊技用として用いられる抽選テーブルを用いて、役抽選が行われるものであり、通常遊技に用いられる抽選テーブルと比較すると、一般役の当選確率が高く設定されているため、通常遊技が遊技数を消化するごとにメダルは減少していくのに対して、ボーナス遊技においては、メダルが増加することになる。ボーナス遊技は、
図5に示す特別遊技制御手段243により制御される。
「特別遊技」(ボーナス遊技)には、遊技者に対する有利度の異なる「RB」である第1特別状態と、第1特別状態より遊技者に有利な「BB」である「第2特別状態」との少なくとも2種類の遊技状態を有する。
「BB」は、「RB」が連続して発生する遊技様態である。「RB」は、小役の当選確率を上昇させることで、小役の入賞を容易にする遊技状態である。「BB」は、
図5に示す第2特別状態制御手段243bにより制御される。「RB」は、
図5に示す第1特別状態制御手段243aにより制御される。
【0085】
「特別遊技」(ボーナス遊技)は、「遊技区間」(例えば所定の払出枚数の到達)が設定され、当該遊技区間が終了すると、「特殊遊技」に移行する。
なお、特別状態として、「RB」と「BB」とを例示したが、これに限定されず、「RB」と「BB」といずれか一方でもよいし、或いはいわゆるチャレンジ・ボーナス(CB、第二種特別役物)でもよい。チャレンジ・ボーナス(CBは、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にする遊技状態である。
また、「特別遊技」(ボーナス遊技)の「遊技区間」として、例えば所定の払出枚数に到達することを終了条件として説明したが、これに限定されず、ゲーム数やセット数、或いはポイント数が所定の値に到達した場合に終了させるようにしてもよい。
【0086】
(特殊遊技)
「特殊遊技」は、「特別遊技」(ボーナス遊技)の終了後、移行し、所定の遊技区間(例えば30G)実行可能な遊技状態である。「特殊遊技」は、
図5に示す特殊遊技制御手段244により制御される。
「特殊遊技」中は、「RT2」に移行し、再遊技確率が「中程度」に設定され、メダル数が微減するように設定されている。
「特殊遊技」中、役抽選でボーナス当選すると、「特別遊技」(ボーナス遊技)に再度、移行する。これに対し、所定の遊技区間(例えば30G)が終了する(ゲーム数を消化する)と、「普通遊技」に移行する。
なお、特殊遊技の「遊技区間」として、ゲーム数(例えば30G)を例示したが、これに限定されず、例えばメダルの払出枚数や差数、セット数或いはポイント数等を用いてもよい。
【0087】
(
図6〜
図15を用いた役物装置90の説明)
役物装置90は、
図9に示すように、大別すると、(1)装置本体400、(2)役物ユニット500、(3)カバー600、(4)振動機構700、(5)照明装置800から構成されている。なお、上述した(1)〜(5)について後述する。
【0088】
(装置本体400)
装置本体400は、
図9に示すように、上下に長い枠状に形成され、
図1に示すように、筐体12の前面に埋設状に固定されている。
【0089】
(役物ユニット500)
役物ユニット500は、
図14に示すように、大別すると、(1)役物本体510、(2)ベース520、(3)ガイド530、(4)遮光板540から構成されている。
役物本体510は、
図12〜
図14に示すように、中空な半球形に形成され、照明装置800の後述する中央光源810から照射された照射光が透光可能に形成されている。役物本体510は、振動機構700の後述する板バネである弾性部材710を介し、
図6及び
図15に示す「X軸」上の中心点を支点として「Z軸」方向に回転することで振動可能にベース520に取り付けられている。なお、役物本体510の振動方向として、「X軸」上の中心点を支点としての回転を例示したが、これに限定されず、例えば中心点を「Y軸」や「Z軸」に変更してもよいし、回転方向を「X軸」方向や「Y軸」方向に変更してもよい。
【0090】
また、役物本体510は、筐体12の前面から前方に突出し、外部の光を反射可能に配置されている。
ここで、「外部の光」としては、図示しないが、例えば遊技機10が設置されたホールの室内照明がある。なお、「外部の光」としては、ホールの室内照明を例示したが、これに限定されず、自機である遊技機10の電飾のほか、他機の電飾、或いは自然光でもよい。
具体的には、後述するカバー600を、筐体12の前面から前方、すなわち遊技者側に向かって略ドーム型に突出させ、その内部に役物本体510を位置させている。役物本体510も、カバー600の遊技者側に近い位置に配置し、その全部又は一部が筐体12の前面から前方、すなわち遊技者側に突出させている。
【0091】
ベース520は、
図13に示すように、振動機構700の後述する移動体730に固定され、移動体730と一体的に移動する。
【0092】
(カバー600)
カバー600は、
図6〜
図9に示すように、装置本体400の前方を覆うものであり、中央部が前方に向かって突出し、中空な上下に細長い半球型に形成され、中空内部には役物ユニット500が上下に振動可能に配置される。
カバー600の上下に細長い半球型の突出部分には、(1)可視部610、(2)上側非可視部620、(3)下側非可視部630を有する。
可視部610は、上下に細長い半球型の突出部分の中央に位置し、上下に細長い長円形に形成され、内部に配置された役物本体510の振動状態が視認可能なように透明に形成されている。
なお、可視部610として、カバー600の一部を透明に形成したが、これに限定されず、カバー600の一部を切り欠いて開口部としてもよい。
【0093】
上側非可視部620及び下側非可視部630は、可視部610と上下に隣接し、非透明に形成され、内面が照明装置800の後述する上側光源820及び下側光源830から照射された照射光を役物本体510に向かって反射可能な「反射部」、すなわち「リフレクタ」として機能する。
なお、「反射部」として、「カバー600」を例示したが、これに限定されず、例えば「カバー600」の内部に「反射部」を別に設けてもよい。また、「反射部」として、「上側非可視部620」と「下側非可視部630」との2個の非可視部を例示したが、これに限定されず、単数でもよいし、或いは3個以上としてもよい。
【0094】
(振動機構700)
振動機構700は、役物本体510を振動させる機構である。振動機構700は、大別すると、(1)弾性部材710、(2)移動装置720から構成されている。
弾性部材710は、板バネから構成され、ベース520に固定され、自由端部側が役物本体510の裏面側に連結されている。
なお、弾性部材710として、板バネを例示したが、これに限定されず、例えばコイルスプリングやゴム等を使用してもよい。
【0095】
(移動装置720)
移動装置720は、後述する移動体730に板バネである弾性部材710を介して連結された役物本体510を振動させるために、移動体730を
図6及び
図15に示す「Z軸」方向に移動させるものである。なお、移動装置720の移動方向として「Z軸」方向を例示したが、これに限定されず、例えば「Y軸」方向でもよく、又、直線の往復運動に限定されず、回転運動により、板バネである弾性部材710に連結された役物本体510を振動させるようにしてもよい。
移動装置720は、大別すると、(1)移動体730、(2)シャフト740、(3)駆動源750、(4)歯車機構760、(5)移動位置検出装置770、(6)コイルスプリング780から構成されている。
移動体730は、枠状に形成され、装置本体400に上下動可能に取り付けられ、役物ユニット500のベース520が固定される。
移動体730の裏側には、ラック731が設けられ、当該ラック731が歯車機構760のピニオン761とかみ合うことで、移動体730が
図6及び
図15に示す「Z軸」方向に移動する。
【0096】
また、移動体730の片側には、シャフト受け732が設けられ、当該シャフト受け732に装置本体400に固定されたシャフト740が通ることで、装置本体400に上下動可能に取り付けられる。
駆動源750は、例えばモータから構成され、当該モータは装置本体400に固定され、歯車機構760に駆動力を伝達するものである。
歯車機構760は、装置本体400に取り付けられ、移動体730のラック731にかみ合うピニオン761を有する。
なお、移動装置720として、ラック731とピニオン761を利用したが、これに限定されず、例えばベルト機構を利用して移動体730を移動させてもよい。
【0097】
(移動位置検出装置770)
移動位置検出装置770は、移動体730の移動位置を検出するものであり、大別すると、(1)検出片771、(2)下側検出部772、(3)上側検出部773から構成されている。
検出片771は、移動体730の裏面から板状に突出する。
下側検出部772及び上側検出部773は、例えばフォトセンサから構成され、装置本体400側に固定され、検出片771の移動範囲内に位置する。
下側検出部772は、移動体730の下降位置を検出するものである。上側検出部773は、移動体730の上昇位置を検出するものである。
なお、検出片771を、移動体730に設け、下側検出部772及び上側検出部773を装置本体400側に固定したが、これに限定されず、検出片771を装置本体400側に設け、下側検出部772及び上側検出部773を移動体730側に固定してもよく、又、フォトセンサにも限定されず、マイクロスイッチ等を用いてもよい。
【0098】
(コイルスプリング780)
コイルスプリング780は、上端部が装置本体400に固定され、下端部が移動体730に固定され、移動体730を上昇方向に付勢するものである。コイルスプリング780により移動体730を上昇方向に付勢することで、移動体730の移動時のガタの発生を防止している。
【0099】
(照明装置800)
照明装置800は、役物装置90内に位置し、役物本体510を照明するためのものである。
照明装置800は、大別すると、(1)中央光源810、(2)上側光源820、(3)下側光源830から構成されている。
中央光源810は、計6個のLEDから構成され、装置本体400の高さの略中央に取り付けられ、役物本体510を裏側から照明し、主として透過光源として利用されている。
上側光源820及び下側光源830は、各2個のLEDから構成され、中央光源810の上側と下側とにそれぞれ位置し、装置本体400に取り付けられている。上側光源820及び下側光源830は、カバー600の上側非可視部620と下側非可視部630との内面側に対向して位置する。上側光源820及び下側光源830から照射された照射光は、上側非可視部620と下側非可視部630とにより反射されることで、反射光で役物本体510の表面側を照明し、主として反射光源として利用されている。
なお、光源としてLEDを例示したが、これに限定されず、電球や蛍光灯等を用いてもよい。また、LEDの個数も、6個や2個に限定されず、単数でもよいし、6個の場合には2個〜5個、或いは7個以上でもよく、又、2個の場合には3個以上でもよい。
【0100】
(
図15を用いた役物本体510の振動の説明)
図15を用いて、役物本体510の振動について説明する。
(c)に示す役物本体510が正面を向いた状態を用いて説明すると、移動体730の移動方向「Z軸」方向と、役物本体510の振動方向で同じベクトル成分と、異なるベクトル成分を持たせている。
ここで、「移動体730の移動方向」としては、「Z軸」方向のベクトル成分を持つ。
ここで、「役物本体510の振動方向」は、分解すると、「Z軸」方向のベクトル成分と、「Y軸」方向のベクトル成分を持つ。
ここで、「同じベクトル成分」としては、「Z軸」方向のベクトル成分が相当する。
ここで、「異なるベクトル成分」としては、「Y軸」方向のベクトル成分が相当する。
上記関係から、移動体730を「Z軸」方向の一方、例えば上昇させると、役物本体510に慣性力が働き、(d)及び(e)に示すように、役物本体510が「X軸」上の中心点を支点として下方に回転する。
(e)に示すように、役物本体510が最も下降すると、板バネである弾性部材710の復元力により、「X軸」上の中心点を支点として上方に回転する。
【0101】
つぎに、移動体730を「Z軸」方向の他方、例えば下降させると、役物本体510に逆方向の慣性力が働き、(b)及び(a)に示すように、役物本体510が「X軸」上の中心点を支点として上方に回転する。
(a)に示すように、役物本体510が最も上昇すると、板バネである弾性部材710の復元力に加え、重力が働き、「X軸」上の中心点を支点として下方に回転する。
【0102】
この状態で、移動体730の移動を停止しても、板バネである弾性部材710のバネ力により、役物本体510が上下方向に振動する。バネ力は次第に減衰し、最終的には(c)に示す役物本体510が正面を向いた状態で静止する。
移動体730を常に移動させることで、バネ力の減衰に関わらず、役物本体510を継続して上下方向に振動させることができる。また、バネ力の減衰を予測して、移動体730を間欠的に移動させることでも、振動を継続させることができる。
【0103】
(
図16を用いた遊技の流れの概略説明)
図16を用いて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0104】
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0105】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0106】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0107】
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0108】
また、すべての停止操作終了後、メイン制御手段200の送信制御手段260からサブ制御手段300の受信制御手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上に所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0109】
ステップS14において、払出制御手段250により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0110】
(
図17を用いた光源の点滅タイミングの説明)
図17を用いて、上側光源820及び下側光源830の点滅タイミングについて説明する。
図17の上段の正弦波(サインカーブ)は、役物本体510の上下方向の振動を時間軸上に展開したものである。
役物本体510の上下方向の振動の1周期は、「T2」を基準とすると、「T2〜T6」迄である。半周期は、1周期の1/2で、「T2」を基準とすると、「T2〜T4」迄である。
【0111】
役物本体510の位置により、特定位置の通過周期は異なる場合がある。
例えば、「T1」を基準に見ると、中心位置は、1周期の間に「T2」、「T4」の計2回通過し、中心位置を通過する間隔は半周期毎となる。これに対し、例えば「T2」を基準に見ると、中心位置は、1周期の間に「T2」、「T4」、「T6」の計3回通過し、中心位置を通過する間隔は同様に半周期毎となる。このため、1周期の基準となる「T1」と「T2」とを異ならせると、通過回数は異なるが、通過周期は一定している。
上方位置や下方位置の場合にも、中心位置と同様である。
これに対し、中心位置と上方位置との中間の位置には、例えば「T2」を基準とし、1周期の間に、「T4とT5の中間」、「T5とT6の中間」の計2回通過し、中心位置と上方位置との中間の位置を通過する間隔は1/4周期となる。しかし、中心位置と上方位置との中間の位置の場合に、例えば「T1」を基準とすると、「T1とT2の中間」、「T4とT5の中間」の計2回であるが、中心位置と上方位置との中間の位置を通過する間隔が、3/4周期となる。このため、1周期の基準となる「T1」と「T2」とを異ならせた場合に、通過回数は一致するが、通過周期は異なる場合がある。中心位置と下方位置との中間の位置の場合にも、同様である。
【0112】
(
図17の(a)に示す静止状態の一例の説明)
図17の(a)以降は、上側光源820及び下側光源830の点滅タイミングの一例を示すものである。
図17の(a)は、上側光源820及び下側光源830の点滅タイミングを制御することで、振動中の役物本体510が見かけ上、静止して見える静止状態を実現するものであり、
図4に示す照明制御手段332による「第1照明制御」に該当する。
図17の(a)の場合には、「T2」の直前でオフ(OFF)からオン(ON)し、「T2」の直後、オン(ON)からオフ(OFF)し、これを1回の点滅とし、「T4」、「T6」、「T8」の順に点滅を繰り返している。「T2」、「T4」、「T6」、「T8」では、役物本体510が中心位置を通過し、このとき中心位置が「特定位置」となり、当該「特定位置」にあるときに上側光源820及び下側光源830が点灯するように制御されている。「T2」、「T4」、「T6」、「T8」の間隔は、半周期である。なお、「半周期」は、「半周期」の整数である「1倍」(整数倍)とも考えられる。
【0113】
上側光源820及び下側光源830から照射された照射光は、カバー600の上側非可視部620及び下側非可視部630において反射され、反射光により役物本体510を一瞬だけ照明される。
その結果、反射光だけで役物本体510を見たときには、役物本体510が特定位置の一つである中心位置に静止しているように遊技者から見え、この状態を「見かけ上の新しい振動周期」という。
これに対し、カバー600の中央に位置する可視部610から入射した外部の光、例えばホールの室内照明により、役物本体510を見たときには、上下方向の振動の振動周期による演出の全部が遊技者から見える。
【0114】
このとき、役物本体510の表面を照明する外部の光の光量が、十分に明るい場合には、上側光源820及び下側光源830が
図17の(a)に示す点滅タイミングで点灯していても、外部の光により、役物本体510の振動周期による演出の全部が遊技者から見える。
これに対し、遊技者の両手の手のひらで、カバー600の中央に位置する可視部610の両側を包み隠すようにし、両手のひらの間にできた隙間に顔を近づけ、カバー600の内部を暗くすることで、可視部610を通って内部に入射される外部の光の光量を減光させることができる。
両手のひらの間にできた隙間から役物本体510を覗くと、
図17の(a)に示す点滅タイミングで点灯した反射光により、役物本体510の振動周期による演出の一部、特定位置の一つである中心位置を通過しているときだけ、役物本体510が見え、中心位置に静止しているように遊技者から見える。
【0115】
(
図17の(b)に示す点灯状態の一例の説明)
図17の(b)の場合には、「T1」、「T2」、「T3」、「T4」、「T5」、「T6」、「T7」、「T8」の順に点滅を繰り返している。「T1」、「T5」では、役物本体510が上方位置に到達し、「T2」、「T4」、「T6」、「T8」では中心位置を通過し、「T3」、「T7」では下方位置に到達し、このとき上方位置、中心位置、下方位置の3つの位置が「特定位置」となり、当該「特定位置」にあるときに上側光源820及び下側光源830が点灯するように制御されている。「T1」、「T2」、「T3」、「T4」、「T5」、「T6」、「T7」、「T8」の間隔は、半周期の非整数である「0.5倍」(非整数倍)である。
上側非可視部620及び下側非可視部630の反射光だけで役物本体510を見たときには、役物本体510が3個の特定位置、すなわち「上方位置」、「中間位置」、「下方位置」の順に段階的に移動しているように遊技者から見え、この状態を「見かけ上の新しい振動周期」という。
【0116】
(
図17の(c)に示すスローモーション状態の一例の説明)
図17の(c)は、上側光源820及び下側光源830の点滅タイミングを制御することで、振動中の役物本体510が見かけ上、ゆっくり振動しているように見えるスローモーション状態を実現するものであり、
図4に示す照明制御手段332による「第2照明制御」に該当する。
図17の(c)の場合には、「T1」、「T4」、「T7」の順に点滅を繰り返している。「T1」では、役物本体510が上方位置に到達し、「T4」では中心位置を通過し、「T7」では下方位置に到達し、このとき上方位置、中心位置、下方位置の順に「特定位置」が刻々と変化し、当該「特定位置」にあるときに上側光源820及び下側光源830が点灯するように制御されている。「T1」、「T4」、「T7」の間隔は、半周期の非整数である「1.5倍」(非整数倍)である。本例の場合には、見かけ上、上方位置、中心位置、下方位置の3つの位置が「特定位置」となるが、「T1」での特定位置は上方位置、「T4」での特定位置は中心位置、「T7」での特定位置は下方位置というように、時間経過と現在位置、それまでにどこで光らせたかの履歴によって、特定位置が変化するようにしている。
上側非可視部620及び下側非可視部630の反射光だけで役物本体510を見たときには、役物本体510が3個の特定位置、すなわち「上方位置」、「中間位置」、「下方位置」の順に段階的に移動しているように遊技者から見え、この状態を「見かけ上の新しい振動周期」という。
図17の(c)の場合は、
図17の(b)の場合との比較から明らか通り、役物本体510が「上方位置」、「中間位置」、「下方位置」の順にゆっくりと、すなわちスローモーション状態で振動しているように遊技者から見える。
【0117】
(見かけ上の新しい振動周期による演出の説明)
図17の(a)に示す静止状態と、
図17の(c)に示すスローモーション状態との2種類を使用した演出について説明する。
図2に示す役抽選手段210の抽選の結果、「ボーナス役」に当選すると、「RB」である第1特別状態と、「BB」である第2特別状態とのいずれの特別状態に移行するかを決定する。「RB」である第1特別状態に当選した場合には、その抽選結果が、
図2に示すメイン制御手段200からサブ制御手段300に送信される。
【0118】
(移動制御手段331による制御)
サブ制御手段300の役物制御手段330は、メイン制御手段200から送信される役抽選手段210による抽選結果、「ボーナス役」に当選し、「RB」である第1特別状態か、「BB」である第2特別状態とのいずれの特別状態に移行するかを決定されている場合には、
図4に示す移動制御手段331及び照明制御手段332に駆動信号を出力する。
移動制御手段331は、駆動信号を入力すると、モータである駆動源750を正逆回転させる。モータである駆動源750が正逆回転されると、ラック731とピニオン761とのかみ合いにより、移動体730が
図6及び
図15に示す「Z軸」方向に移動する。移動体730が
図6及び
図15に示す「Z軸」方向に移動すると、当該移動体730に板バネである弾性部材710に連結された役物本体510が慣性力により、「X軸」上の中心点を支点として「Z軸」方向に回転することで振動を開始する。
【0119】
(照明制御手段332による制御)
また、照明制御手段332は、駆動信号を入力すると、上側光源820及び下側光源830を点滅させる。抽選結果が、「RB」である第1特別状態の当選の場合には、第1照明制御(例えば静止状態)が実行される。第1照明制御は、
図17の(a)に示す点滅タイミングで、上側光源820及び下側光源830の点滅を制御するものであり、振動中の役物本体510が見かけ上、静止して見える静止状態を実現するものである。
これに対し、抽選結果が、「BB」である第2特別状態の当選の場合には、第2照明制御(例えばスローモーション状態)が実行される。第2照明制御は、
図17の(c)に示す点滅タイミングで、上側光源820及び下側光源830の点滅を制御するものであり、振動中の役物本体510が見かけ上、ゆっくり振動しているように見えるスローモーション状態を実現するものである。
なお、「RB」である第1特別状態の当選に、第1照明制御(例えば静止状態)を実行させ、「BB」である第2特別状態の当選に第2照明制御(例えばスローモーション状態)を実行させたが、これに限定されず、例えば第1特別状態の当選に第2照明制御を実行させ、第2特別状態の当選に第1照明制御を実行させてもよい。
【0120】
(外部の光による振動中の役物本体510の見え方)
遊技機10が設置されたホールの室内照明である外部の光による振動中の役物本体510の見え方について説明する。
外部の光の一つである室内照明から照射された照明光は、カバー600の中央に位置する可視部610を通って内部に入射し、照明光により振動中の役物本体510が照らし出される。その結果、遊技者は、役物本体510の上下方向の振動による振動周期による演出の全部を見ることができる。
このため、遊技者は、役物本体510が振動を開始したことにより、役抽選の結果、「ボーナス役」に当選したことを知ることができる。しかし、外部の光により役物本体510の上下方向の振動による振動周期による演出の全部を見ることができるため、上側光源820及び下側光源830の第1照明制御と第2照明制御との違いによる、振動中の役物本体510の見え方の違いを見ることを極めて困難である。このため、遊技者は、「RB」である第1特別状態と、「BB」である第2特別状態とのいずれの特別状態に当選したかどうかを知ることが非常に困難となる。
【0121】
(遊技者による外部の光の遮光)
遊技者がホールの室内照明等の外部の光を意図的に遮光した場合について説明する。
ここで、「意図的に遮光する」とは、光源である上側光源820及び下側光源830)により作り出された見かけ上の新しい振動周期による演出を見るために、役物装置90の周囲を遊技者が自らの意思で遮光するという意味である。
遊技者の両手の手のひらで、カバー600の中央に位置する可視部610の両側を包み隠すようにし、両手のひらの間にできた隙間に顔を近づけ、カバー600の内部を暗くすることで、可視部610を通って内部に入射される外部の光の光量を減光させることができる。
「RB」である第1特別状態に当選した場合、両手のひらの間にできた隙間から役物本体510を覗くと、
図17の(a)に示す点滅タイミングで点灯した反射光により、役物本体510の振動周期による演出の一部、すなわち特定位置の一つである中心位置を通過しているときだけ、役物本体510が見え、中心位置に静止しているように遊技者から見える。
このため、遊技者は、振動中の役物本体510が、見かけ上、静止状態に見えることから、「RB」である第1特別状態に当選したことを知ることができる。
【0122】
これに対し、「BB」である第2特別状態に当選した場合には、第2照明制御が実行される。第2照明制御は、
図17の(c)に示す点滅タイミングで、上側光源820及び下側光源830の点滅を制御するものであり、振動中の役物本体510が、見かけ上、ゆっくり、すなわちスローモーション状態で振動しているように見える。このため、遊技者は、振動中の役物本体510が、見かけ上、スローモーション状態に見えることから、「BB」である第2特別状態に当選したことを知ることができる。
なお、遊技者がカバー600の可視部610を手で覆い、当該可視部610を通って内部に入射される外部の光の光量を減光させたが、これに限定されず、図示しないが、遊技者の操作により可視部610を機械的に狭くする機構、例えばスライド式や開閉式の扉を設けてもよい。例えば、遊技者が扉を可視部610に向かってスライドする等して、可視部610を狭め、可視部610を通って内部に入射される外部の光の光量を減光させるようにしてもよい。
【0123】
(外部の光が暗い場合)
外部の光の一例であるホールの室内照明が暗く、遊技者が照明光を意図的に遮蔽しない場合においても、上側光源820及び下側光源830の第1照明制御と第2照明制御との違いによる、振動中の役物本体510の見え方の違いが遊技者から見えてしまう場合も想定可能である。
この場合には、役物本体510の振動中に、
図1に示す役物用照明装置81を点灯、或いは点滅させ、役物装置90の周囲を明るくし、室内照明の照明光を補い、外部の光の光量を増加させることができる。
遊技者が、役物用照明装置81の発光面を手で意図的に遮蔽したり、カバー600の可視部610を覆い隠したりすることで、役物用照明装置81から照射された光が役物用照明装置81の内部に入射する光を減光させることができる。
また、役物用照明装置81は、「発光素子」の一例であり、「発光素子」としては、演出用ランプ78(上部ランプ80)等を利用してもよく、役物用照明装置81と演出用ランプ78等とを併用してもよい。
【0124】
(振動と他の運動との関係)
役物本体510の機械的な動きとして、振動を例示したが、振動は往復運動の一つであり、往復運動としては、振動に限定されず、図示しないが、振り子のように揺動させたり、或いは役物本体510を直線や曲線に沿って往復移動させたりしてもよい。また、役物本体510の動き方としては、往復運動にも限定されず、図示しないが、回転運動や、方形の周囲を回るように周回移動させてよく、この場合には1周りすることが1周期となる。
このため、役物本体510の機械的な動きは、広義には一定の運動周期を持つ「周期運動」を含み、狭義には「振動」を意味する。
【0125】
(
図18及び
図19に示す本発明の第2の実施の形態の説明)
図18及び
図19を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、いわゆる「AT機」(いわゆる「ART機」を含む。)であり、非AT状態である通常遊技中に、役抽選の結果により移行可能な2種類の特別状態を有し、当該抽選結果について役物装置90を用いて告知するようにしたものである。
【0126】
(
図18に示す遊技状態の説明)
遊技状態は、非AT状態である通常遊技と、AT状態である有利遊技とを有する。遊技状態は、
図19に示すメイン制御手段200とサブ制御手段300とにより共働して管理され、具体的にはメイン側共通制御手段 270及びサブ側共通制御手段 370により制御されている。
「AT状態」は、ストップスイッチ50の押し順や当選図柄等を遊技者に報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストを実行する状態である。
「通常状態」は、非AT状態であり、大別すると、「普通遊技」と、いわゆる前兆遊技である「特別遊技」とがある。
「普通遊技」は、後述する「特別遊技」を除いた状態である。「普通遊技」においては、
図19に示すAT抽選手段271による「AT抽選」と、特別遊技移行抽選手段272による「特別遊技」への「移行抽選」とが実行されている。
【0127】
「普通遊技」において、「AT抽選」に当選すると、「特別遊技」の後述する「第2特別状態」(いわゆる「本前兆」)を経由してAT状態である「有利遊技」に進む。
これに対し、「普通遊技」において、「AT抽選」に非当選の状態で、「移行抽選」に当選すると、「特別遊技」の後述する「第1特別状態」(いわゆる「ガセ前兆」)に進む。
「特別遊技」は、「ガセ前兆」である「第1特別状態」と、「本前兆」である「第2特別状態」とを有し、「第2特別状態」の場合には「AT抽選」に当選し、AT状態である「有利遊技」に進むことができるので、遊技者に有利である。
「ガセ前兆」である「第1特別状態」の場合には、予め設定された所定数のゲームが実行され、当該ゲームの進行中に「AT抽選」が実行される。「第1特別状態」中に「AT抽選」に当選することなく、ゲームが終了すると、「普通遊技」に戻る。これに対し、「第1特別状態」中に「AT抽選」に当選した場合には「有利遊技」に進む。
「本前兆」である「第2特別状態」の場合には、予め設定された所定数のゲームが実行され、当該ゲームの終了後、「有利遊技」に進む。
「有利遊技」は、AT状態であり、予め決定されたゲーム数の間、実行され、終了後、「通常状態」の「普通遊技」に移行する。
【0128】
(
図19に示す遊技制御手段100の説明)
遊技制御手段100には、先に
図2を用いて説明した構成を有するほか、メイン制御手段200には、メイン側共通制御手段 270を備え、又、サブ制御手段300には、サブ側共通制御手段 370を備える。
メイン側共通制御手段 270は、サブ側共通制御手段 370と共働して遊技状態を制御するものであり、AT抽選手段271、特別遊技移行抽選手段272を備える。
AT抽選手段271は、「通常遊技」(非AT状態)において、役抽選手段210による役抽選の結果にもとづいて、「有利遊技」(AT状態)に移行するか否かを「AT抽選」により決定するものである。「通常遊技」(非AT状態)の「普通遊技」において、AT抽選手段271による「AT抽選」に当選すると、当該「普通遊技」から、「特別遊技」の「本前兆」である「第2特別状態」を経由して「有利遊技」に移行する。
【0129】
特別遊技移行抽選手段272は、「通常遊技」(非AT状態)中の「普通遊技」において、役抽選手段210による役抽選の結果にもとづいて、前兆遊技である「特別遊技」に移行するか否かを「移行抽選」により決定するものである。特別遊技移行抽選手段272による「移行抽選」に当選すると、「普通遊技」から「特別遊技」の「ガセ前兆」である「第1特別状態」に移行する。
サブ側共通制御手段 370は、報知制御手段371を備える。
報知制御手段371は、メイン制御手段200側の役抽選手段210において当選した役抽選結果に、停止操作情報が設定されている場合に、当該停止操作情報、すなわち停止操作順序(押し順)を報知可能なものである。報知制御手段371は、演出装置70の主として画像表示装置84を用いて、3個のストップスイッチ50の押し順を遊技者に視覚的に報知している。
なお、画像表示装置84を用いて視覚的に報知したが、これに限定されず、演出用ランプ78を用いて視覚的に報知したり、スピーカー72を用いて聴覚的に報知するようにしたりしてもよく、これを併用してもよい。
【0130】
(役物装置90を用いた演出の説明)
「通常遊技」(非AT状態)中の「普通遊技」において、特別遊技移行抽選手段272による「移行抽選」の当選の場合には、サブ制御手段300側の照明制御手段332は、第1照明制御(例えば静止状態)を実行する。これに対し、「普通遊技」において、「AT抽選」に当選すると、照明制御手段332は、第2照明制御(例えばスローモーション状態)を実行する。
なお、「移行抽選」の当選時に、第1照明制御(例えば静止状態)を実行させ、「AT抽選」の当選時に、第2照明制御(例えばスローモーション状態)を実行させたが、これに限定されず、「移行抽選」の当選時に、第2照明制御(例えばスローモーション状態)を実行させ、「AT抽選」の当選時に、第1照明制御(例えば静止状態)を実行させてもよい。
遊技者が外部の光を意図的に遮蔽すると、振動中の役物本体510の見かけ上の新しい振動周期による演出を見ることができる。例えば、振動中の役物本体510が、見かけ上、静止状態に見えた場合には、「移行抽選」に当選したが、「AT抽選」には非当選であり、「ガセ前兆」である「第1特別状態」に移行することを知ることができる。これに対し、振動中の役物本体510が、見かけ上、スローモーションに見えた場合には、「AT抽選」に当選し、「本前兆」である「第2特別状態」に移行することを知ることができる。
【0131】
(第3の実施の形態)
図20〜
図23を用いて本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態の特徴は、役物本体910を回転させて、周期運動を実行させた点である。
本発明の第3の実施の形態に係る役物装置900は、
図20に示すように、大別すると、(1)役物本体910、(2)移動体920、(3)駆動源930、(4)光源940、(5)カバー950を備える。
【0132】
役物本体910は、回転可能な移動体920の表面に偏心させて固定され、遊技者に向かって半球形に突出する。役物本体910は、移動体920と一体的に回転し、その回転状態が遊技者から外部光により視認可能となっている。
なお、役物本体910として、半球形を例示したが、これに限定されず、例えば球に限定されず、例えば平面形状としては楕円形や長円形でもよく、立体形状としては円錐形や三角錐等の多角形の角錐形に形成してもよい。
移動体920は、筐体(図示せず)側に回転可能に取り付けられ、円盤状に形成されている。
なお、移動体920として、円盤状を例示したが、これに限定されず、平面が多角形の板状に形成してもよい。
駆動源930は、筐体(図示せず)側に固定され、移動体920を回転するものであり、例えばモータから構成されている。
光源940は、移動体920の周囲に放射状に配置され、複数個の例えばLEDから構成されている。
なお、光源940の配置として、放射状を例示したが、これに限定されず、上下や左右方向に一対配置してもよい。
カバー950は、移動体920の前面を覆おうものであり、中央部が前方に向かって断面略台形形に突出した中空なドーム型に形成され、中空内部には役物本体910が移動体920と一体的に回転可能に配置される。
なお、カバー950として、断面略台形形の中空なドーム型を例示したが、これに限定されず、例えば半球形としてもよい。
【0133】
カバー950には、(1)可視部951、(2)非可視部952を有する。
可視部951は、カバー950の中央に円形に形成され、内部に配置された役物本体910の回転状態が視認可能なように透明に形成されている。
なお、可視部951として、カバー950の一部を透明に形成したが、これに限定されず、カバー950の中央部を円形に切り欠いて開口部としてもよい。
非可視部952は、可視部951の周囲にリング状に、且つ非透明に形成され、光源940から照射された照射光を役物本体910に向かって反射可能な「反射部」、すなわち「リフレクタ」として機能する。
なお、「反射部」として、「カバー950」を例示したが、これに限定されず、例えば「カバー950」の内部に「反射部」を別に設けてもよい。
【0134】
(役物装置900の動作)
役物装置900は、
図2を用いて先に説明した第1の実施の形態のように、サブ制御手段300に接続され、演出制御手段320により駆動源930の駆動制御、及び光源940の点滅制御が実行される。すなわち、
図2に示すメイン制御手段200から送信される役抽選手段210による抽選結果、「ボーナス役」に当選すると、
図4を用いて先に説明した移動制御手段331により駆動源930の駆動が開始され、移動体920を回転する。移動体920が回転すると、役物本体910が回転を開始する。
また、「ボーナス役」に当選した場合には、役抽選手段210による「RB」である第1特別状態か、「BB」である第2特別状態とのいずれの特別状態に移行するかが決定され、決定された特別状態に応じ、
図4を用いて先に説明した照明制御手段332により光源940の点滅タイミングが制御される。
【0135】
(外部光による役物本体910の見え方)
役物本体910が回転、例えば高速で回転すると、
図21の(a)に示す通り、その軌跡が可視部951を通して全部見え、遊技者からはリング状に見える。
(光源940の点滅タイミング)
点滅タイミングとしては、
図20の(a)の例えば「T12」を通過時のみ、光源940を点滅させる(回転周期の整数である「1倍」)。このとき、遊技者が可視部951からの外部光の入射を意図的に減光させた場合には、「T12」を通過する際にだけ役物本体910が見え、当該「T12」が特定位置となり、遊技者からは役物本体910が「T12」に静止しているように見える。このため、静止状態を使用し、「RB」である第1特別状態の当選を告知可能である。
また、点滅タイミングとして、
図23の「例2」に示すように、1周目は「T1」だけで点滅させ、2周目は「T2」だけで点滅させ、図示しないが、3周目で「T3」、4周目で「T4」のように点滅させる(回転周期の非整数である「1倍」+「1/12倍」)。このとき、遊技者が意図的に減光させた場合には、「T1、T2、T3、T4」の順にスローモーションで役物本体910が移動しているように見える。このため、スローモーション状態を使用し、「BB」である第2特別状態の当選を告知可能である。
【0136】
一方、点滅タイミングとして、
図23の「例3」に示すように、「T4」、「T8」、「T12」の順に点滅させることも可能である(回転周期の非整数である「1/3倍」)。このとき、遊技者が意図的に減光させた場合には、「T4」、「T8」、「T12」の3点に役物本体910が静止しているように見える。3点をつなぐと「三角形」になることから、遊技者からはあたかも「三角形」が表示されているように見える。
また、点滅タイミングとして、
図23の「例4」に示すように、「T3」、「T6」、「T9」、「T12」の順に点滅させることも可能である(回転周期の非整数である「1/4倍」)。このとき、遊技者が意図的に減光させた場合には、「T3」、「T6」、「T9」、「T12」の4点に役物本体910が静止しているように見える。4点をつなぐと「四角形」になることから、遊技者からはあたかも「四角形」(菱形)が表示されているように見える。
役物本体910の見え方として、「三角形」と「四角形」の違いを使用し、第1、第2特別状態の別を告知することも可能である。例えば「三角形」の場合には「RB」である第1特別状態の当選、「四角形」の場合には「BB」である第2特別状態の当選というように告知してもよい。
なお、役物本体910の見え方として、「三角形」や「四角形」を例示したが、これに限定されず、「五角形」以上の多角形としてもよい。
【0137】
(運動周期と周期運動の説明)
ここで、「運動周期」には、
図15及び
図17に示す第1の実施の形態では、役物である役物本体510の「振動周期」(往復周期)が相当する。
図20及び
図23に示す第3の実施の形態では、「運動周期」には、役物である役物本体910の「回転周期」が相当する。
なお、役物本体510の「振動方向」として、
図15に示すように、上下方向を例示したが、これに限定されず、振り子のように左右方向、或いは図示しないが、筐体12の厚み方向でもよい。また、役物本体910を、
図20に示すように、円形に回転させたが、これに限定されず、例えば楕円、長円、多角形、或いは幾何学的な形状の周囲を一廻り巡るように構成してもよい。
ここで、「周期運動」には、
図15及び
図17に示す第1の実施の形態では、役物である役物本体510の「振動状態」(往復状態)が相当する。
図20及び
図23に示す第3の実施の形態では、「周期運動」には、役物である役物本体910の「回転状態」が相当する。
【0138】
(見かけ上の新しい運動周期による演出と運動の軌跡による演出の説明)
ここで、「見かけ上の新しい運動周期」による演出としては、
図15及び
図17に示す第1の実施の形態のように、役物である役物本体510の周期運動(振動状態)の全部が見える状態に対し、その一部、すなわち「特定位置」にあるときにだけ見える状態をいい、役物本体510が「静止状態」に見えたり、或いは「スローモーション状態」で振動しているように見えたりする状態をいう。
なお、「見かけ上の新しい振動周期」による演出としては、「静止状態」や「スローモーション状態」を例示したが、これに限定されず、例えば「スローモーション状態」に「低速」と「超低速」等のように速度に違いを持たせてもよい。
ここで、「運動の軌跡による演出」としては、
図22に示す第3の実施の形態のように、役物である役物本体910の周期運動(回転状態)の全部が見える状態に対し、その一部、すなわち「特定位置」にあるときにだけ見え、見えた複数の「特定位置」を仮想線でつなぐと「三角形」や「四角形」に見えたりする状態をいう。
なお、「運動の軌跡による演出」としては、「三角形」や「四角形」を例示したが、これに限定されず、「五角形」以上の多角形としてもよい。
【0139】
(普通遊技と特別遊技の説明)
ここで、「普通遊技」は、
図5に示す第1の実施の形態では、「非ボーナス遊技」が、「特別遊技」としては「ボーナス遊技」がそれぞれ相当する。
図18に示す第2の実施の形態では、「普通遊技」には、非AT状態である通常遊技中の「普通遊技」が、「特別遊技」には前兆遊技である「特別遊技」(例えばガセ前兆や本前兆)がそれぞれ相当する。
なお、いわゆるAT機やART機にあっては、「普通遊技」を、
図18に示すように、非AT状態である「通常遊技」とし、「特別遊技」をAT状態である「有利遊技」としてもよい。さらに、AT状態である「有利遊技」に、図示しないが、「特化ゾーン」を設けた場合には、「特化ゾーン」でない状態を「普通遊技」とし、「特化ゾーン」を「特別遊技」としてもよい。
ここで、「特別遊技における利益」は、ボーナス遊技である「特別遊技」に移行した場合に、獲得可能なメダルの払い出しが相当する。
なお、「特別遊技における利益」として、ボーナス遊技である「特別遊技」におけるメダルの払い出しを例示したが、これに限定されず、例えば「特化ゾーン」を「特別遊技」と仮定した場合には、上乗せゲーム数、有利遊技を継続可能なストック、或いはストックに変換可能なポイントの獲得を「利益」としてもよい。
【0140】
(第1特別遊技と第2特別遊技の説明)
ここで、「第1特別状態」としては、
図5に示す第1の実施の形態では、「RB」と「BB」のいずれか一方が相当する。「第2特別状態」としては、上記例を用いると、「RB」と「BB」のいずれか他方が相当する。
図18に示す第2の実施の形態では、「ガセ前兆」と「本前兆」のいずれか一方が相当する。「第2特別状態」としては、「ガセ前兆」と「本前兆」のいずれか他方が相当する。
【0141】
(実施の形態の補足的な説明)
上記実施の形態は、以下の技術思想を包含する特徴点を含むものである。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)第1の特徴点
(1−1)第1の特徴点の構成
第1の特徴点は、次の通りである。
第1に、遊技機(10)は、次の構成を備える。
(1)役物装置(90)
役物装置(90)は、筐体(12)の前面に取り付けられ、機械的な動きするものである。
(2)遊技制御手段(100)
遊技制御手段(100)は、遊技の進行を制御するものである。
(3)役物制御手段(330)
役物制御手段(330)は、前記役物装置(90)に接続され、前記遊技制御手段(100)による遊技の進行に連動して前記役物装置(90)を制御するものである。
第2に、前記役物装置(90)には、次の構成を備える。
(4)役物(例えば役物本体510)
役物(例えば役物本体510)は、駆動源(750)の駆動力を利用して、周期的な動きである一定の運動周期を持つ周期運動を行うものである。
(5)光源(例えば上側光源820及び下側光源830)
光源(例えば上側光源820及び下側光源830)は、前記役物(例えば役物本体510)を照明可能なものである。
第3に、前記役物制御手段(330)は、前記駆動源(750)を介して前記役物(例えば役物本体510)を周期運動させるとともに、当該役物(例えば役物本体510)の運動周期に関連付けて前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅させ、周期運動中の前記役物(例えば役物本体510)の運動状態の一部を遊技者に視認可能とする示唆演出を実行することで、利益への期待度を遊技者に示唆するようにしている。
【0142】
(1−2)第1の特徴点と実施の形態との対応関係
第1の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「機械的な動き」は、「機械」を使用した機構であって、単に液晶等の表示画面上の動きでないことを意味する。
ここで、「駆動源(750)の駆動力を利用して、」として、例えば
図8に示すように、モータである駆動源(750)の駆動力を利用して移動体(730)を移動させ、役物である役物本体(510)を周期運動、例えば振動させている。
ここで、「一定の運動周期」には、例えば
図15及び
図17に示すように、役物である役物本体(510)の「振動周期」(往復周期)が相当する。
ここで、「周期運動」には、例えば役物である役物本体(510)の「振動状態」(往復状態)が相当する。
ここで、「役物」としては、例えば
図8に示すように、役物本体(510)が相当する。
ここで、「光源」としては、例えば
図9に示すように、上側光源(820)及び下側光源(830)が相当する。
ここで、「当該役物(例えば役物本体510)の運動周期に関連付けて前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅させ、」として、例えば
図17に示すように、役物である役物本体(510)の運動周期(例えば振動周期)と、光源である上側光源(820)及び下側光源(830)の点滅周期を関連付けている。
ここで、「運動状態の一部」とは、「振動状態の全部」で無いという意味である。例えば
図15に示すように、同図の(a)〜(e)が役物である役物本体(510)の運動状態の全部とした場合には、同図の(c)に示す役物本体(510)が正面に位置している状態のみを遊技者に視認可能として場合が相当する。
ここで、「利益」としては、例えば
図5に示すボーナス遊技である「特別遊技」において獲得可能なメダルの払い出しを意味する。
ここで、「期待度」としては、例えば
図5に示す「普通遊技」からボーナス遊技である「特別遊技」に移行する可能性を意味する。
【0143】
(1−3)第1の特徴点のバリエーション
第1の特徴点のバリエーションも、次の通りである。
ここで、「駆動源(750)の駆動力を利用して、」として、モータである駆動源(750)の駆動力を利用した移動体(730)の移動を例示したが、これに限定されず、例えば
図20(b)に示すように、モータである駆動源(930)の駆動力を利用した移動体(920)を回転させてもよい。また、駆動源(750)として、モータを例示したが、これに限定されず、例えば電磁石を利用したソレノイドの直線運動を利用してもよい。
ここで、「一定の運動周期」として、役物である役物本体(510)の「振動周期」(往復周期)を例示したが、これに限定されず、例えば
図20及び
図23に示すように、役物である役物本体(910)の「回転周期」でもよい。また、役物である役物本体(510)の「振動方向」は、例えば
図15に示すように、上下方向であるが、これに限定されず、振り子のように左右方向、或いは図示しないが、筐体(12)の厚み方向でもよい。また、役物である役物本体(910)を、例えば
図20に示すように、円形に回転させたが、これに限定されず、例えば楕円、長円、多角形、或いは幾何学的な形状の周囲を一廻り巡るように構成してもよい。
ここで、「周期運動」として、役物である役物本体(510)の「振動状態」(往復状態)を例示したが、これに限定されず、役物である役物本体(910)の「回転状態」でもよい。
ここで、「役物」として、半球形の役物本体(510)を例示したが、これに限定されず、他の形状でもよい。
ここで、「光源」として、LED等の上側光源(820)及び下側光源(830)の2個の光源を例示したが、これに限定されず、LEDに代えて電球を用いてもよいし、又、光源の個数を単数や3個以上としてもよい。
ここで、「利益」としては、ボーナス遊技である「特別遊技」を例示したが、これに限定されず、例えば
図18に示す前兆遊技である「特別遊技」のほか、非AT状態である「通常遊技」からAT状態である「有利遊技」への移行(移行示唆)、「有利遊技」中における「特化ゾーン」への移行(移行示唆)、「有利遊技」への移行時或いは「有利遊技」中におけるストックの有無や獲得の有無等(継続率示唆)、或いはポイントの有無や獲得の有無等(ポイント示唆)であってもよい。
ここで、「期待度」としては、「普通遊技」からボーナス遊技である「特別遊技」に移行する可能性を例示したが、これに限定されず、例えば上記「利益」として例示した状態への期待度、すなわち可能性であってもよく、又、可能性は「100%」であってもよいし、「100%」より少ない確率であってもよい。
【0144】
(1−4)第1の特徴点の作用効果
第1の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第1の特徴点によれば、役物の運動周期に関連付けて光源を点滅させ、周期運動中の役物の運動状態の一部を遊技者に視認可能とすることで、役物の運動周期を変えることなく、利益への期待度を遊技者に示唆することができるばかりでなく、多様な演出を遊技者に視認させることができる。
【0145】
(2)第2の特徴点
(2−1)第2の特徴点の構成
第2の特徴点は、上記した第1の特徴点に加え、次の通りである。
第1に、普通遊技と、前記普通遊技から移行し、前記普通遊技と異なる特別遊技と、を有する。
第2に、前記遊技制御手段(100)には、役を抽選する役抽選手段(210)を備える。
第3に、前記役物制御手段(330)は、前記示唆演出を実行させることで、前記役抽選手段(210)の役抽選の結果にもとづいて、前記特別遊技における利益への期待度を遊技者に示唆するようにしている。
【0146】
(2−2)第2の特徴点と実施の形態との対応関係
第2の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「普通遊技」としては、例えば
図5に示す非ボーナス遊技であり、「特別遊技」としてはボーナス遊技が相当する。
ここで、「前記特別遊技における利益」は、例えばボーナス遊技である「特別遊技」に移行した場合に、獲得可能なメダルの払い出しが相当する。
【0147】
(2−3)第2の特徴点のバリエーション
第2の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「普通遊技」として、非ボーナス遊技を、「特別遊技」としてボーナス遊技をそれぞれ例示したが、これに限定されず、例えば
図18に示すように、非AT状態である通常遊技中の「普通遊技」としてもよいし、前兆遊技(例えばガセ前兆や本前兆)を「特別遊技」としてもよい。また、いわゆるAT機やART機にあっては、「普通遊技」を、例えば
図18に示すように、非AT状態である「通常遊技」とし、「特別遊技」をAT状態である「有利遊技」としてよい。さらに、AT状態である「有利遊技」に、図示しないが、「特化ゾーン」を設けた場合には、「特化ゾーン」でない状態を「普通遊技」とし、「特化ゾーン」を「特別遊技」としてもよい。
ここで、「前記特別遊技における利益」として、ボーナス遊技である「特別遊技」におけるメダルの払い出しを例示したが、これに限定されず、例えば「特化ゾーン」を「特別遊技」と仮定した場合には、上乗せゲーム数、有利遊技を継続可能なストック、或いはストックに変換可能なポイントの獲得を「利益」としてもよい。
【0148】
(2−4)第2の特徴点の作用効果
第2の特徴点は、上記した第1の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第2の特徴点によれば、示唆演出を実行させることで、役抽選の結果にもとづいて特別遊技における利益の期待度を遊技者に示唆することができる。
【0149】
(3)第3の特徴点
(3−1)第3の特徴点の構成
第3の特徴点は、上記した第1の特徴点又は第2の特徴点に加え、次の通りである。
第1に、普通遊技と、前記普通遊技から移行し、前記普通遊技と異なる特別遊技と、を有する。
第2に、前記遊技制御手段(100)には、前記特別遊技に移行させるかの移行抽選を実行する移行抽選手段(例えば
図19に示す特別遊技移行抽選手段272)を備える。
第3に、前記役物制御手段(330)は、前記示唆演出を実行させることで、前記移行抽選手段(例えば
図19に示す特別遊技移行抽選手段272)による移行抽選の抽選結果にもとづいて、前記特別遊技における利益への期待度を遊技者に示唆するようにしている。
【0150】
(3−2)第3の特徴点と実施の形態との対応関係
第3の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「普通遊技」及び「特別遊技」については、先に第4の特徴点で説明した通りである。
ここで、「移行抽選」として、例えば
図18に示すガセ前兆である第1特別状態への移行を抽選により決定している。
ここで、「前記特別遊技における利益」としては、例えばガセ前兆である第1特別状態に移行した場合に、獲得可能なメダルの払い出しが相当する。
【0151】
(3−3)第3の特徴点のバリエーション
第3の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「移行抽選」として、ガセ前兆である第1特別状態への移行抽選を例示したが、これに限定されず、例えばAT状態である「有利遊技」を「特別遊技」と仮定した場合には、例えば
図19に示す「AT抽選手段271」を「移行抽選手段」とし、AT抽選に当選したことを契機として、非AT状態である「通常遊技」からAT状態である「有利遊技」に移行させてもよい。また、「特化ゾーン」を「特別遊技」と仮定した場合には、図示しないが、「特化ゾーン」の移行抽選としてもよい。
ここで、「前記特別遊技における利益」としては、ガセ前兆である第1特別状態に移行した場合に、獲得可能なメダルの払い出しを例示したが、これに限定されず、例えば「特化ゾーン」を「特別遊技」と仮定した場合には、上乗せゲーム数、有利遊技を継続可能なストック、或いはストックに変換可能なポイントの獲得を「利益」としてもよい。
【0152】
(3−4)第3の特徴点の作用効果
第3の特徴点は、上記した第1の特徴点又は第2の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第3の特徴点によれば、示唆演出を実行させることで、移行抽選の結果にもとづいて特別遊技における利益の期待度を遊技者に示唆することができる。
【0153】
(4)第4の特徴点
(4−1)第4の特徴点の構成
第4の特徴点は、上記した第1〜第3の特徴点のいずれか一つの特徴点に加え、次の通りである。
すなわち、前記役物制御手段(330)は、前記示唆演出として、周期運動中の前記役物(例えば役物本体510)が特定位置にあるときに前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)が点滅するように点滅周期を制御することで、見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出を遊技者に視認可能とするようにしている。
【0154】
(4−2)第4の特徴点と実施の形態との対応関係
第4の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「特定位置」は、例えば役物(例えば役物本体510)が上下に振動する場合に、例えば
図15の(a)に示す上方側に揺動した状態、(b)に示す上方側より下方に揺動した状態、(c)に示す正面を向いた状態、(d)に示す正面から下方に揺動した状態、(e)に示す下方に揺動した状態のいずれか少なくとも1つの位置をいう。
ここで、「見かけ上の新しい運動周期」による演出としては、役物である役物本体(510)の周期運動(振動状態)の全部が見える状態に対し、その一部、すなわち「特定位置」にあるときにだけ見える状態をいい、役物本体(510)が「静止状態」に見えたり、或いは「スローモーション状態」で振動しているように見えたりする状態をいう。
ここで、「運動の軌跡による演出」としては、例えば
図22に示すように、役物である役物本体(910)の周期運動(回転状態)の全部が見える状態に対し、その一部、すなわち「特定位置」にあるときにだけ見え、見えた複数の「特定位置」を仮想線でつなぐと「三角形」や「四角形」に見えたりする状態をいう。
【0155】
(4−3)第4の特徴点のバリエーション
第4の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「特定位置」として、少なくとも1つの位置を例示したが、これに限定されず、複数の位置を特定位置としてもよい。
ここで、「見かけ上の新しい振動周期」による演出としては、「静止状態」や「スローモーション状態」を例示したが、これに限定されず、例えば「スローモーション状態」に「低速」と「超低速」等のように速度に違いを持たせてもよい。
ここで、「運動の軌跡による演出」としては、「三角形」や「四角形」を例示したが、これに限定されず、「五角形」以上の多角形としてもよい。
【0156】
(4−4)第4の特徴点の作用効果
第4の特徴点は、上記した第1〜第3の特徴点のいずれか一つの特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第4の特徴点によれば、役物が周期運動中の特定位置にあるときに光源が点灯するように点滅周期を制御することで、見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出を遊技者に視認可能とし、役物の運動周期を変えることなく、見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出を遊技者に視認させることができる。
【0157】
(5)第5の特徴点
(5−1)第5の特徴点の構成
第5の特徴点は、上記した第4の特徴点に加え、次の通りである。
第1に、前記役物制御手段(330)は、前記役物装置(90)内に入射される外部光により、周期運動中の前記役物(例えば役物本体510)の運動状態の全部が遊技者から見えるようにし、前記役物装置(90)の周囲を遊技者が遮光し、前記役物装置(90)内に入射される外部光を減光できるようにしている。
第2に、遊技者が意図的に遮光することで、周期運動中の前記役物(例えば役物本体510)の運動状態の一部のみを遊技者に視認可能とすることにより、前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)により作り出された見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出を遊技者が視認できるようにしている。
【0158】
(5−2)第5の特徴点と実施の形態との対応関係
第5の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「運動状態の全部」としては、例えば役物(例えば役物本体510)が上下に振動する場合に、例えば
図15の(a)に示す上方側に揺動した状態、(b)に示す上方側より下方に揺動した状態、(c)に示す正面を向いた状態、(d)に示す正面から下方に揺動した状態、(e)に示す下方に揺動した状態の5個の状態が全て見える場合が相当する。
ここで、「役物装置(90)の周囲を遊技者が遮光し、」としては、例えば遊技者が手のひらで、役物装置(90)の周囲を包み隠すようにし、ホールの室内照明等の外部光が役物装置(90)の内部に入射されるのを遮ることを意味する。
ここで、「遊技者が意図的に遮光する」とは、光源(例えば上側光源820及び下側光源830)により作り出された見かけ上の新しい振動周期による演出を見るために、役物装置(90)の周囲を遊技者が自らの意思で遮光するという意味である。
ここで、「運動状態の一部」としては、上記5個の状態を用いて説明すると、1個〜4個の状態しか見えない場合が相当する。
なお、「見かけ上の新しい振動周期」による演出、及び「運動の軌跡による演出」については、先に第4の特徴点で説明した通りである。
【0159】
(5−3)第5の特徴点のバリエーション
第5の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「運動状態の全部」としては、5個の状態を例示したが、これに限定されず、例えば2〜4個或いは6個以上としてもよい。例えば、
図21に示すように、「12個」(T1〜T12)に状態を分けてもよい。
ここで、「役物装置(90)の周囲を遊技者が遮光し、」として、遊技者手のひらによる遮光を例示したが、これに限定されず、例えばハンカチ等の道具を使用して遮光させてもよいし、或いは、図示しないが、シャッタ機構を設けておき、遊技者がスイッチ操作や手動によりシャッタを閉じ、遮光できるようにしてもよい。
【0160】
(5−4)第5の特徴点の作用効果
第5の特徴点は、上記した第4の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第5の特徴点によれば、外部光により、周期運動中の役物の運動状態の全部が遊技者から見えるようにし、遊技者が役物装置の周囲を意図的に遮光し、光源により作り出された見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出を遊技者が視認できるようにすることで、外部光により、周期運動中の役物の運動状態の全部が見える演出に加え、光源による見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出との二種の演出を遊技者に視認させることができる。
すなわち、第5の特徴点によれば、周囲の遊技者からは光源による演出が見えず、又、遊技者が意図的に遮光した場合に限り見えるようにしているので、遊技者の参加意識を向上することができるばかりなく、遊技者に優越感を与えることができる。
【0161】
(6)第6の特徴点
(6−1)第6の特徴点の構成
第6の特徴点は、上記した第4の特徴点又は第5の特徴点に加え、次の通りである。
すなわち、前記見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出には、前記役物(例えば役物本体510)の周期運動中の第1特定位置において前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅する第1演出状態と、前記第1特定位置と異なる第2特定位置において前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅する第2演出状態との少なくとも2種類の演出状態を有している。
【0162】
(6−2)第6の特徴点と実施の形態との対応関係
第6の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「第1演出状態」としては、例えば
図17(a)に示す点滅周期により、役物本体(510)が「静止状態」に見える状態と、同図の(c)に示す点滅周期により、役物本体(510)が「スローモージョン状態」に見える状態のいずれか一方が相当する。
ここで、「第2演出状態」としては、上記例を用いて説明すると、「静止状態」と「スローモージョン状態」のいずれか他方が相当する。
【0163】
(6−3)第6の特徴点のバリエーション
第6の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「第1演出状態」としては、「静止状態」と「スローモージョン状態」のいずれか一方を例示したが、これに限定されず、例えば
図22に示すように、「特定位置」を仮想線でつなぐと「三角形」や「四角形」に見えたりする状態のいずれか一方としてもよい。なお、「静止状態」と「スローモージョン状態」を例示したが、これに限定されず、「スローモーション状態」に「低速」と「超低速」等のように速度に違いを持たせてもよい。また、「三角形」や「四角形」を例示したが、これに限定されず、「五角形」以上の多角形としてもよい。
ここで、「第2演出状態」としては、「静止状態」と「スローモージョン状態」のいずれか一方を例示したが、これに限定されず、上記例を用いて説明すると、「三角形」と「四角形」ののいずれか他方としてもよい。
【0164】
(6−4)第6の特徴点の作用効果
第6の特徴点は、上記した第4の特徴点又は第5の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第6の特徴点によれば、見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出として、光源を点滅する特定位置を変化させることで、少なくとも2種類の演出状態を遊技者に視認させることができる。
【0165】
(7)第7の特徴点
(7−1)第7の特徴点の構成
第7の特徴点は、上記した第4の特徴点又は第5の特徴点に加え、次の通りである。
第1に、前記見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出には、前記役物(例えば役物本体510)の周期運動中の第1特定位置において前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅する第1演出状態と、前記第1特定位置と異なる第2特定位置において前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅する第2演出状態との少なくとも2種類の演出状態を有している。
第2に、前記第1演出状態においては、前記役物(例えば役物本体510)の運動周期に第1規定数を掛け合わせた第1点滅周期で前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅させるようにしている。
第3に、前記第2演出状態においては、前記第1規定数と異なる第2規定数を前記役物(例えば役物本体510)の運動周期に掛け合わせた第2点滅周期で前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)を点滅させるようにしている。
【0166】
(7−2)第7の特徴点と実施の形態との対応関係
第7の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「第1演出状態」及び「第2演出状態」については、先に第6の特徴点で説明した通りである。
ここで、「第1規定数」としては、例えば
図17(a)に示すように、役物である役物本体510の運動周期を「半周期」と仮定した場合に、整数である「1」が相当する。
ここで、「第1点滅周期」としては、例えば
図17(a)に示すように、上記例を用いて説明すると、「半周期」の整数倍である「1倍」が相当する。
ここで、「第2規定数」としては、例えば
図17(c)に示すように、役物である役物本体510の運動周期を「半周期」と仮定した場合に、非整数である「1.5」が相当する。
ここで、「第2点滅周期」としては、例えば
図17(c)に示すように、「半周期」の非整数倍である「1.5倍」が相当する。
【0167】
(7−3)第7の特徴点のバリエーション
第7の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「第1規定数」としては、整数を例示したが、これに限定されず、非整数とし、「第2規定数」を整数としてもよい。
【0168】
(7−4)第7の特徴点の作用効果
第7の特徴点は、上記した第4の特徴点又は第5の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第7の特徴点によれば、光源の点滅周期を変化させることで、2種類の演出状態を遊技者に視認させることができる。
【0169】
(8)第8の特徴点
(8−1)第8の特徴点の構成
第8の特徴点は、上記した第6の特徴点又は第7の特徴点に加え、次の通りである。
第1に、普通遊技と、前記普通遊技から移行し、前記普通遊技と異なる特別遊技と、を有する。
第2に、前記特別遊技には、第1特別状態と、前記第1特別状態と異なる第2特別状態との少なくとも2種類の遊技状態を有する。
第3に、前記役物制御手段は、前記第1演出状態と前記第2演出状態のどちらかを使用することで、前記第1特別状態への移行又は滞在期待度と、前記第2特別状態への移行又は滞在期待度を遊技者に示唆するようにしている。
【0170】
(8−2)第8の特徴点と実施の形態との対応関係
第8の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「普通遊技」及び「特別遊技」については、先に第4の特徴点で説明した通りである。
ここで、「第1特別状態」としては、例えば
図5に示す「RB」と「BB」のいずれか一方が相当する。
ここで、「第2特別状態」としては、上記例を用いると、「RB」と「BB」のいずれか他方が相当する。
ここで、「移行」期待度としては、例えば
図5に示すように、ボーナス遊技である特別遊技の移行前、或いは移行時に、「RB」と「BB」のどちらに移行するかという期待度を意味する。
ここで、「滞在期待度」としては、例えば
図5に示すように、ボーナス遊技である特別遊技の移行後、すなわち移行した遊技状態が「RB」と「BB」のどちらなのかという期待度を意味する。
【0171】
(8−3)第8の特徴点のバリエーション
第8の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「第1特別状態」としては、「RB」と「BB」のいずれか一方を例示したが、これに限定されず、例えば
図18に示す「ガセ前兆」と「本前兆」のいずれか一方でもよい。
ここで、「第2特別状態」としては、「RB」と「BB」のいずれか他方を例示したが、これに限定されず、例えば
図18に示す「ガセ前兆」と「本前兆」のいずれか他方でもよい。
【0172】
(8−4)第8の特徴点の作用効果
第8の特徴点は、上記した第6の特徴点又は第7の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第8の特徴点によれば、2種類の演出状態のどちらかを使用することで、2種類の第1特別状態と第2特別状態の別を、遊技者に視覚的にわかりやすく示唆することができる。
【0173】
(9)第9の特徴点
(9−1)第9の特徴点の構成
第9の特徴点は、上記した第1〜第8の特徴点のいずれか一つの特徴点に加え、次の通りである。
第1に、前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)の前方には、当該光源(例えば上側光源820及び下側光源830)から照射された照射光を前記役物(例えば役物本体510)に向かって反射可能な反射部を配置している。
第2に、前記示唆演出は、前記役物装置(90)内の前記光源(例えば上側光源820及び下側光源830)のうち、前記反射部を照射する光源(例えば上側光源820及び下側光源830)のみを点滅することで実現している。
【0174】
(9−2)第9の特徴点と実施の形態との対応関係
第9の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「光源(例えば上側光源820及び下側光源830)の前方」は、遊技機(10)の筐体(12)の「前面」方向、すなわち遊技者に向かう方向を意味する。
ここで、「反射部」として、例えば役物装置(90)の前面を覆う「カバー600」を利用し、その「光源」と対向する内面に形成された「上側非可視部620」と「下側非可視部630」との2個の非可視部を「反射面」として使用している。
ここで、「光源(例えば上側光源820及び下側光源830)のみ」とは、仮に役物装置(90)内に「光源(例えば上側光源820及び下側光源830)」以外の光源、例えば役物(例えば役物本体510)を透過する「中央光源810」があった場合に、当該「中央光源810」は除くという意味である。
【0175】
(9−3)第9の特徴点のバリエーション
第9の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「反射部」として、「カバー600」を例示したが、これに限定されず、例えば「カバー600」の内部に「反射部」を別に設けてもよい。また、「反射部」として、「上側非可視部620」と「下側非可視部630」との2個の非可視部を例示したが、これに限定されず、単数でもよいし、或いは3個以上としてもよい。
ここで、「光源(例えば上側光源820及び下側光源830)のみ」として、当該「光源(例えば上側光源820及び下側光源830)」以外の「中央光源810」があった場合を例示したが、これに限定されず、「中央光源810」が無くともよいし、或いは他の光源が内蔵されている場合であってもよい。
【0176】
(9−4)第9の特徴点の作用効果
第9の特徴点は、上記した第1〜第8の特徴点のいずれか一つの特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第9の特徴点によれば、光源から照射された照射光を、反射部を介して役物に向かって反射させることで、光源からの照射光を役物に直接、照射する場合に比較し、光量を減光でき、周期運動中の役物の運動状態の一部を遊技者に視認可能とするのに適切な光量を得ることができる。
【解決手段】筐体(12)には、光源(820,830)とは異なる発光素子(役物用照明装置81)を設け、発光素子(81)は、役物装置(90)に隣接して位置し、当該役物装置(90)の動作時に連動して点灯することで、外部光の光量を増加させることができるようにし、外部光、及び発光素子(81)により役物装置(90)内に入射される入射光により、周期運動中の役物(510)の運動状態の全部が遊技者から見えるようにし、役物装置(90)の周囲を遊技者が遮光することで、役物装置(90)内に入射される入射光を減光できるようにし、遊技者が意図的に遮光することで、周期運動中の役物(510)の運動状態の一部のみを遊技者に視認可能とすることにより、光源(820,830)により作り出された見かけ上の新しい運動周期又は運動の軌跡による演出を遊技者が視認できる、