(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方法(100)は、OFDMスペクトルの周波数シフト(118)を伴う前記位相変調された時間的信号から、時間領域OFDMシンボルを形成することを含む請求項1に記載の方法(100)。
前記方法(100)は、前記フィルタ処理済みのスペクトルが反復スペクトル(b(k))に基づいて形成されるような前記反復スペクトル(b(k))を得るために、1回以上にわたって前記スペクトル(106)を反復処理することを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(100)。
前記信号(a(n))はN個のデータシンボルを含み、前記信号を周波数領域に変換すること(104)はデジタルフーリエ変換(DFT)のN個のデータ点を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
前記フィルタスペクトルは、帯域幅時間積(bandwidth-time product)が0.5未満であるガウシアンスペクトル、又はロールオフ係数(α)が0.5より大きいルート二乗余弦スペクトルである請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(100)。
コンピュータ上で動作するときに請求項1又は請求項10に記載の方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムが記憶されている非一時的な記憶媒体。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】[1] S.-Y. Lien, K.-C. Chen, and Y. Lin, "Toward Ubiquitous Massive Accesses in 3GPP Machine-to-Machine Communications," IEEE Communications Magazine, vol. 49, no. 4, pp. 66-74, April 2011.
【非特許文献2】[2] G. Kramer and G. Pesavento, "Ethernet Passive Optical Network (EPON): Building a Next-Generation Optical Access Network," IEEE Communications Magazine, vol. 40, no. 2, pp. 66-73, Feb 2002.
【非特許文献3】[3] EN 301 545-2 V I. 1.1, "Digital Video Broadcasting (DVB); Second Generation DVB Interactive Satellite System (DVB-RCS2); Part 2:Lower Layers for Satellite Standard", ETSI Std., Jan. 2012.
【非特許文献4】[4] 3GPP TS 36.211 v8.9.0, "Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 8)," Tech. Rep., Dec. 2009.
【非特許文献5】[5] H. G. Myung, J. Lim, and D. J. Goodman, "Single Carrier FDMA for Uplink Wireless Transmission," IEEE Vehicular Technology Magazine, vol. 1, no. 3, pp. 30-38, Sep. 2006.
【非特許文献6】[6] K. Brueninghaus and H. Rohling, "Multi-Carrier Spread Spectrum and its Relationship to Single-Carrier Transmission," in Proc. IEEE Vehicular Technology Conf., VTC'98, vol. 3, May 1998, pp. 2329-2332.
【非特許文献7】[7] NTTDoCoMo, NEC, and SHARP, "R1-050702: DFT-Spread OFDM with Pulse Shaping Filter in Frequency Domain in Evolved UTRA Uplink," 3GPP TSG RAN WG1 42, London, UK, 2005.
【非特許文献8】[8] H. G. Myung, J. Lim, and D. J. Goodman, "Peak-To-Average Power Ratio of Single Carrier FDMA Signals with Pulse Shaping," in Proc. IEEE International Symposium on Personal Indoor and Mobile Radio Communications, PIMRC '06, Sep. 2006.
【非特許文献9】[9] M. P. Green, "Continuous Phase Modulation Encoder for Wireless Networks," U.S. Patent US 2009/0 147 669 A1, 2009.
【非特許文献10】[10] M. Wylie-Green, E. Perrins, and T. Svensson, "Introduction to CPMSC-FDMA: A Novel Multiple-Access Power-Efficient Transmission Scheme," IEEE Transactions on Communications, vol. 59, no. 7, pp. 1904-1915, July 2011.
【非特許文献11】[11] V. Jungnickel, T. Hindelang, T. Haustein, and W. Zirwas, "SC-FDMA Waveform Design, Performance, Power Dynamics and Evolution to MIMO," in Proc. IEEE International Conference on Portable Information Devices (PORTABLE), May 2007.
【非特許文献12】[12] K. Gentile, "The Care and Feeding of Digital, Pulse-Shaping Filters," available: www.rfdesign.com, Apr. 2002.
【非特許文献13】[13] K. Murota and K. Hirade, "GMSK Modulation for Digital Mobile Radio Telephony," IEEE Transactions on Communications, vol. 29, no. 7, pp. 1044-1050, July 1981.
【非特許文献14】[14] T. Turletti, "GMSK in a Nutshell," 1996, http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.39.9127.
【非特許文献15】[15] R.Sawai and H.Harada. Simulation Program to Realize GMSK Transmission System. [Online]. Available: http://www.codeforge.com/read/142158/gmsk.m
【非特許文献16】[16] M. Wu and Z. Qiu, "Power De-rating Reduction for DFT-S-OFDM System", in Proc. IET International Conference on Wireless, Mobile and Multimedia Networks, 2006
【非特許文献17】[17] T. Kawamura, Y. Kishiyama, K. Higuchi and M. Sawahashi, "Investigations on Optimum Roll-off Factor for DFT-Spread OFDM Based SCFDMA Radio Access in Evolved UTRA Uplink", In Proc. Int. Symp. Wireless Comm. Systems (ISWCS), 2006, pp. 383-387
【非特許文献18】[18] Volker Jungnickel and Liane Grobe, "Localized SC-FDMA with Constant Envelope", In Proc. IEEE Int. Symp. On Personal, Indoor and Mobile Radio Comm. (PIMRC), 2013, London
【非特許文献19】[19] Andreas Forck, Holger Gaebler, Thomas Haustein, Thomas Hindelang, Volker Jungnickel, Wolfgang Zirwas, "Method and/or OFDM device for SC-FDMA data transmission" US Patent US 2010 / 0 981 82
【発明を実施するための形態】
【0019】
同一若しくは同等の要素、又は、同一若しくは同等の機能性を備えた要素は、以下の記載では、同一若しくは同等の符号によって表されている。
【0020】
以下の記載において、複数の詳細は、本発明の実施形態のより完全な説明を与えるために示されている。しかしながら、本発明の実施形態がこれらの具体的な詳細なしで実施されることがあることは、当業者に明らかであろう。他の実例では、周知の構造及び装置が、本発明の実施形態を曖昧にすることを避けるために詳細ではなくブロック図の形式で表されている。さらに、以下に記載される様々な実施形態の特徴は、特に断らない限り、互いに組み合わすことができる。
【0021】
図1は、SC−FDMA信号を送信する先進的な方法100の概略ブロック図を表す。
図1はまた、LTE規格リリース8で実行される方法に準拠する方法1000と、方法1000を修正することによって低下したピーク対平均電力比(PAPR)を得るため送信される信号のアップサンプリングをエミュレートする方法1100とのフローチャートをも表す。
【0022】
以下に、第1の方法100を示す。その後、方法1000及び1100を示し、発明の方法と対比する。
【0023】
方法100の第1のステップ102では、n=1,2,...,Nとして、N個のデータシンボルの長さを有するデータシンボル系列a(n)は、N個の波形又は信号のサンプリング点によって表現される。ステップ104において、データシンボル系列a(n)は、N個のサンプリング点を含むデジタルフーリエ変換がなされる。N−DFTの結果として、スペクトル、すなわち、N個のシンボルを有するデータシンボル系列a(n)の周波数領域表現が得られる。
【0024】
ステップ105では、M>Nとして、N個のサブキャリアを占有するN個のシンボルを含むスペクトルがM個のサブキャリアにマッピングされる。Mは、送信のためにアクセスされた媒体において送信された信号のシンボル数を表す。そのマッピングは、得られたスペクトルがOFDM信号の周波数領域表現となるように行なうことができる。OFDM信号は、ステップ104のN−DFTによって得られたスペクトルで部分的に占有されたものである。
【0025】
ステップ106では、ステップ104のN−DFTによって得られたスペクトルは、反復スペクトルb(k)を得るために周波数領域においてF回にわたって反復される。前記スペクトルは、M個の利用可能なスペクトルのうちN個のサブキャリア、すなわち、N個のサブキャリアの組を占有するものである。Fはアップサンプリング係数を表している。周波数領域におけるスペクトルの反復(又は複製)(例えば、反復され又は複製される周波数範囲とは異なる周波数範囲への複製)は、反復スペクトルを発生させる。反復スペクトルは、データシンボル系列が時間領域においてオーバーサンプリングされたであろうときに取得されるものである。したがって、ステップ106はデータシンボル系列a(n)のアップサンプリングをエミュレートし、アップサンプリングは、時間領域におけるサンプリングの代わりに周波数領域において実現される。係数Fによるアップサンプリングは、決定規則:
によって決定することができる。アップサンプリングは、反復スペクトルb(k)を生じる。b(k)は、
と表すこともできる。ここで、k=1,2,...,F・Nであり、Mは、最終波形の中のサンプル数である。したがって、Fは、MをNで除算し、0.5を減算し、その結果をそれ以下の最も近い整数とすることによって求めることができる。
【0026】
M−DFTが後に続くF回のアップサンプリングは、[11]に提示されているように、M/Nが整数であると仮定すると、N−DFT及びこの後に続くスペクトル反復を適用することと同等である。このことは、決定規則:
に従って、上記式を使用するとともに、アップサンプリングされた系列のM−DFTを実行することによって証明することができる。
【0027】
これは、データシンボル系列a(n)のN−DFTに等しい。データシンボル系列a(n)のN−DFTは、原系列として表すことができる。このことは、単純にB
i=B
i+fN、すなわち、結果として得られるスペクトルがN番目の各サブキャリアで周波数領域において周期的であると考えることができる。それに応じて、M−DFTと時間領域におけるアップサンプリングは、N−DFT及び出力信号の反復、それぞれステップ104及び106によって実施されるので、周波数領域において出力スペクトルによって置換することができる。それ故に、ステップ106において、アップサンプリングは、周波数領域において出力信号を反復することによってエミュレートされる。アップサンプリングのエミュレーションに関する詳細は、[12]に記載されている。
【0028】
ステップ108において、反復スペクトルは、フィルタスペクトルに従ってフィルタ処理済みのスペクトルとなる。フィルタスペクトルは、例えば、ベル型で定義することができる。フィルタスペクトルは、例えば、ガウシアンフィルタとすることができる。換言すれば、ガウシアンフィルタなどのフィルタは、周波数領域における反復スペクトルに適用される。反復スペクトルは、N個のサブキャリアがSC−FDMA信号のM個のサブキャリアにマッピングされている直交周波数分割多重(OFDM)スペクトル、すなわち、OFDM信号の周波数領域表現であってもよい。OFDM信号周波数領域表現は、例えば、多重化されたスペクトルが互いに直交するように、周波数領域において1つ以上のスペクトルを多重化することで取得することができる。反復スペクトルは、サブキャリア群の中から少なくとも1個(F=n=1)のサブキャリアの組を占有する。
【0029】
ステップ108で利用され得る周波数領域フィルタは、フィルタの帯域幅がブロックサイズNの関数として変更され得るように、非常に柔軟に実施することができる。移動インデックスs=[−N,...,N]付きのベクトルは、決定規則:
但し、I=1,2,...,2N+1
に従ってフィルタのベル型部分を計算するために定義することができる。このようなフィルタは、範囲aにおいて透過的である。範囲aは、
として定義することができる。
【0030】
2つの領域、すなわち、範囲aより高い周波数又は低い周波数を含む周波数領域は、
に従って定義することができる。これら2つの領域は、フィルタによって完全に減衰され得る領域である。
【0031】
矩形のフィルタ又は窓の一種は、範囲内でG
1をG
a=1として訂正することにより、そして範囲b及びc=0に対してG
1をG
b及びG
Cとして訂正することにより、実施することができる。
【0032】
ステップ112では、M個のシンボルを含むデジタルフーリエ逆変換(M−IDFT)が、フィルタ処理済みのデータ系列c(k)を取得するために使用される。ステップ114では、例えばc(k)を時間領域最小シフトキーイング(MSK)変調器に送り込むことによって、c(k)が連続位相変調のような位相変調を受ける。ガウシアン型スペクトルの最小シフトキーイングは、ガウシアン最小シフトキーイング(GMSK)として表すことができる。変調された信号は、M個のシンボルを含むDFT(M−DFT)を使用して周波数領域に変換される。ステップ116において、M−DFTは、ステップ112において行われたM−IDFTについて補完するものとして説明することができる。DFT及びIDFTはともにM個のシンボルを含み、DFTは、波形(時間領域)をスペクトル(周波数領域)に変換し、IDFTは、スペクトルを波形に変換するからである。それ故に、c(k)を用いて時間的信号が取得されるように、フィルタ処理済みのスペクトルは、ステップ112において時間領域に時間的に変換される。
【0033】
図3に示されているように、ステップ118において、ステップ116を行うことにより獲得されるスペクトルをキャリア媒体の所望の周波数サブバンドにマッピングするために、ステップ116のM−DFTの出力が巡回シフトを受ける。スペクトルを所望のサブバンドにシフトすることにより、2つ以上の信号をそれぞれ異なるサブバンドで並列に送信するために、アクセスされる媒体の可用帯域幅が利用され得る。
【0034】
ステップ122では、シフトされたスペクトルが、例えばOFDMシンボルなどのデータ系列を取得するために、時間領域でM−IDFTを受ける。ステップ124では、巡回プレフィックスは、取得されたデータ系列に追加される。巡回プレフィックスは、送信の受信機側で周波数領域均等化(frequency domain equalization)のために追加することができる。巡回プレフィックスは、例えば、ステップ122における信号出力の一部分とすることができる。代わりに又はそれに加えて、巡回プレフィックスは、データシンボル系列a(n)の一部分、例えば、データシンボル系列a(n)のある程度の数の最後のビットを、少なくとも部分的に含むことができる。巡回プレフィックスは、例えば、送信された信号のマルチパスに対するロバスト性を改善するために、使用することができる。ステップ126では、例えばSC−FDMAチャネルを介して、信号が送信される。
【0035】
位相変調された一時的な時間領域系列のステップ116におけるM−DFT、ステップ118における巡回シフト、及びステップ122におけるシフトされた信号のM−IDFTを連続的に行うことは、アップコンバージョンと同等のものとして説明することができる。アップコンバージョンとは、信号を送信するために利用されたチャネルの所望のサブキャリアまで、信号を時間領域においてシフトすることをいう。アップコンバージョンとステップ116、118及び122とが同等であることは、決定規則:
に従って時間領域波形x(k)のM−DFTを行うことにより、明らかにすることができる。式中、X
nは時間領域波形x(k)のスペクトルを表し、Mは最終波形のサンプル数を表す。
【0036】
ステップ118において行われる巡回シフト(CS)は、上記式においてサブキャリアnから(n+N
center) mod Mまで、信号のスペクトルをシフトするために使用することができる。ここで、「mod」は、N個のシンボルがM個のシンボルにマップされ得るモジュロ演算子を表す。
【0037】
ステップ122のM−IDFTは、
を生じる。それ故に、ステップ116、118及び122は、代替的に、アップコンバージョンを示すステップ128として一体的に表現することができる。
【0038】
例えば移動体通信用グローバルシステム(GSM)規格で使用され得るように、GMSK変調を局所型SC−FDMAに埋め込むことは、[18]に記載されているように、より滑らかな、又はさらに完全に滑らかな波形の包絡線を可能にし得る。GSMシステムでは、ガウシアンフィルタが帯域外放射(out-of-band radiation)を低減するために使用される。[9、10]に記載されているように、CPMを分散型SC−FDMAと組み合わせるアプローチとは対照的に、方法100は、局所型SC−FDMAのためにCPMを実施する。さらに、方法100は、平方根二乗余弦フィルタを利用することができる。
【0039】
換言すれば、方法100は、局所型SC−FDMA送信の波形の振幅の変動を低減する。ステップ108において反復スペクトルをフィルタ処理することは、例えば、およそ1.9dBのPAPRに至るまで第1の平滑化を可能にすることができる。時間領域においてステップ114で連続位相変調を行うことは、およそ0dBのPAPRに至るまで第2の平滑化を可能にすることができる。0dBというPAPRは、信号エネルギーのピーク値及び平均値が一定であることを意味する。この低減は、LTEにおいて実施されるように、周波数選択性スケジューリングの高度柔軟性を放棄することなく実現することができる。これは、エネルギー効率の良い送信モードをLTE規格にシームレスに統合する効率的な可能性を提供でき、その結果、LTE規格は、いわゆる機械対機械(M2M)通信用の無線センサネットワークの分野において、より良好に、すなわち、より効率的に適用され得る。さらに、方法100は、光ネットワークの分野及び/又は衛星通信における新しい規格に対して適用可能である。例えば、衛星通信において、デジタルビデオ放送衛星経由リターンチャネル2(DVB−RCS2)は、アップリンクに多重TDMAプロトコル又は方法を利用する。TDMAでは、「ユーザ」は、アップリンクチャネルの(おそらく静的な)タイムスロットに割り当てられる。SC−FDMAは、特に、送信された信号のPAPRについてエネルギー効率が上昇し又はさらに最適化される場合に、動的なリソースの割当(assigning resources dynamically)に関してより高い柔軟性を可能にする。さらなる応用として、低電力状況における媒体への多元接続、又は、移動体基盤への無線センサノードの統合、並びに、光ネットワークにおける多元接続とすることができる。さらなる応用分野として、音波通信が挙げられる。
【0040】
方法100によって提示されるように、このSC−FDMAの最適化は、例えばLTEアップリンク以外にも多様な応用でのSC−FDMAの適用を可能にする。
【0041】
さらなる可能な応用例は、例えば、これまでは、高度な研究において時分割多元接続(TDMA)と波長分割多重(WDM)及びOFDMAとが利用され、検討されていた受動光ネットワーク(PON)の分野において見出すことができる。この分野では、SC−FDMAは、より優れたエネルギー効率をもたらすこともできる。これまで、現在の方法は、このようなアプローチに対して最適化されていない。より単純な波形を用いることにより、同じ送信機及び受信機フロントエンドが使用されたときに、高度の変調が可能となり得るので、変調されたレーザの信号電力がより高くなり得る。それ故に、とりわけ、信号の送信範囲が増大される可能性がある。
【0042】
方法100は、送信された信号のPAPRに関して、より良好な又はさらに最適なエネルギー効率が実現されるような方式で、SC−FDMA方法を修正する。例えば、≡スペクトル効率、柔軟性のあるリソースの割当、及び周波数範囲における容易な等化といったSC−FDMAの他の利点は、維持することができる。最適なケースでは、送受信機の電力効率を低下させ得る電源変動をその波形がほとんど含まないような方式で、送信された波形が方法100によって形成される。例えばハードウェア手段による200mWのような送信信号の制限付きピーク出力電力、例えば供給される増幅器の最大電力又はスペクトルライセンス条件、例えば無線媒体の中へ送信される最大ピーク又は平均信号電力は、その結果として、より効率的に利用され得る。
【0043】
[13、14]に記載されているように、従来的な時間領域GMSK単一キャリア送信機を再び検討するときは、ステップ106において実現されるように(直列)データシンボル系列a(n)がアップサンプリングされ、それぞれが反復スペクトルb(k)の時間領域表現であるアップサンプリングされた信号b(k)を生じる。時間領域におけるガウシアンフィルタの後、フィルタ処理済みの信号c(k)が得られる。ガウシアンフィルタは、いくつかのメモリを用いて、すなわち、k=1,2,...,K>F・Nとして、有限インパルス応答(FIR)を使用して近似することができる。次に、c(k)は、最小シフトキーイング(MSK)変調器に送られて、最初に累積される。結果として得られる位相は、決定規則:
によって決定することができる。そして、この式は、決定規則:
x(k)=I+jQ=cos(φ(k))+j・sin(φ(k))
に従って複素振幅に挿入され得る。
【0044】
同相信号I及び直交信号Qは、同じ位相によって、しかし、それぞれ余弦演算子及び正弦演算子によって引き起こされた90°のシフトで供給され、系列を所望の中心周波数にアップコンバートするときに単側波帯(SSB)変調を生じる。これは、アナログIQ変調器を使用して行われ得る。
【0045】
方法100は、複素値信号処理を使用し、SC−FDMA媒体を介して信号を送信することにより、同じことを実施することができる。組み合わされたステップ128では、GMSKベースバンド信号に、サンプル毎にデジタル的に合成されたOFDMサブキャリア信号が乗じられる。ステップ122は、時間領域において長さMの窓を適用するように構成されている。それ故に、方法100は、周波数領域においてGMSKのための同等的な信号処理を実施することができる。ステップ104では、データ系列a(n)がN−DFTに送り込まれる。
【0046】
ステップ108におけるフィルタ処理済みのスペクトルの形成は、周波数領域において、フィルタ、例えば、ガウシアンフィルタ、ブラックマン窓、又はハミング窓を適用することにより行うことができる。フィルタのそれぞれのパラメータは、例えば、R≦Nである移動インデックスs=[−R,...,R]を使ってベクトルを定義し、n=1,2,...,2R+1とし、BTが帯域幅時間積を表わすとして、
を解くことにより計算することができる。帯域幅時間積は、フィルタの勾配のグラジエントを示し得る。より大きい帯域幅時間積は、帯域外歪みの低減のため占有された帯域幅の増加をもたらし得る。帯域幅時間積は、例えば、およそ0.2、0.3、0.4、又は0.5より低い別の値でもよい。GMSKが非線形SSB位相変調を実施するため、同相信号I及び直交信号Qを累積し、発生させる2つの関数である位相Φ(k)と複素振幅x(k)は、それぞれ非線形性によって時間領域でより良く実現され得る。時間領域においてI及びQを計算することは、必要な計算能力を低減することができ、及び/又は、より正確な結果を提供することができる。その結果、ステップ114におけるMSK変調は、時間領域で行われ、ステップ108の出力であるフィルタ処理済みのスペクトルをステップ112において時間領域に変換することにより可能にされる。
【0047】
GMSKを行うことは、SSB位相変調が非線形プロセスであり、それ故に周波数領域に歪みを引き起こす可能性があることから、隣接チャネル干渉を生じ得る。ステップ108でフィルタ処理済みのスペクトルが形成されることによって起こり得るように、GMSK変調入力が周波数領域に制限されていても、帯域内サブキャリアの間の4波混合は、帯域外干渉を作り出す可能性がある。このような干渉は、範囲s=[−R,...,R]の外側で全体として減衰し得る周波数領域における自由選択的な変調後フィルタによって、かつ信号電力を訂正することによって、カットすることができる。
【0048】
方法100は、周波数領域フィルタリングの後にGMSK変調器を実施する。GMSK変調器は、時間領域において干渉を低減することができる。信号c(k)がステップ114においてMSK変調器へ送り込まれる前に、より良好な変調、すなわち、結果として得られる信号のPAPRを低減することができるように、信号c(k)を単位ピーク振幅に正規化することができる。
【0049】
以下において、LTE送信機におけるLTE規格に従うシンボルデータ系列a(n)の送信を部分的に表す方法1000の概略ブロック図を説明する。ステップ102に等しいステップ1002では、データシンボル系列a(n)が与えられる。ステップ104に等しいステップ1004では、データシンボル系列a(n)は、N−DFTを通される。ステップ105に等しいステップ1005では、N個のサブキャリアがM個のサブキャリアにマッピングされる。ステップ118に等しいステップ1018では、ステップ1004によって得られたスペクトルは、巡回シフト(CS)を使用して所望の周波数サブバンドにそのままマッピングされる。ステップ122に等しいステップ1022では、ステップ124に等しいステップ1024で巡回プレフィックスにより追加された信号を得るために、スペクトルがM−IDFTを通過する。巡回プレフィックスを格納している信号は、ステップ126に等しいステップ1026で送信される。したがって、方法100は、LTEにおけるSC−FDMA送信機のための改良された方法としても理解することができる。
【0050】
ユーザ毎のスケーラブル帯域幅及び高いシステム容量のほか、[5]において記載されているように、SC−FDMAは、多重サブキャリアの重畳に基づく直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムに比べて、より低いPAPRを有することができる。より低いPAPRは、より良好なエネルギー効率を実現し得る。
【0051】
SC−FDMA波形は、周波数領域において合成され得る。データは、離散フーリエ変換(DFT)がなされ、その出力が周波数領域で所望のサブバンドにマッピングされ、その信号が直交周波数分割多元(OFDM)送信機に送り込まれる。これは、DFT−拡散OFDMとも表すことができる[6]。
【0052】
以下において、[7、11]において提案されているような信号を送信する方法1100の概略ブロック図について、説明する。方法1100は、データシンボル系列a(n)が与えられるステップ1102と、ステップ1104とを含む。ステップ1104はステップ104に等しいものであり、ステップ1104においてN−DFTが実行される。この方法1100はステップ1106をさらに含む。ステップ1106は、周波数領域においてステップ1104により得られたスペクトルをF回反復するステップ106と同等であり得る。この方法1100はステップ1108を含む。ステップ1108は、反復スペクトルの中からフィルタ処理済みのスペクトルを形成するステップ108と同等である。方法1000はステップ1118、ステップ1122、ステップ1124、及びステップ1126をさらに含む。ステップ1118はステップ118と同等であり、ステップ1122はステップ122と同等であり、ステップ1124は巡回プレフィックスを追加するステップ124と同等であり、ステップ1126は信号を送信する方法100のステップ126と同等である。
【0053】
したがって、方法1100は、周波数領域におけるフィルタ処理済みの直交振幅変調(QAM)の合成をまとめたものである。換言すれば、最初にデータシンボル系列a(n)がN−DFTを通過する(ステップ1104)。ステップ105と同等であるステップ1105では、N個のサブキャリアがM個のサブキャリアにマッピングされる。出力は、周波数領域で反復される(ステップ1106)。次に、信号は、周波数領域でフィルタ処理され(ステップ1108)、CSを使用して所望の中心サブキャリアN
centerにアップコンバートされる(1118)。最後に、[7、11]に記載されているように、信号がM−IDFTを通過し(1122)、CPが追加される(1124)。フィルタ処理済みのQAM送信(方法1100)では、キャリアマッピングは、LTEリリース8(方法1000)に対して修正される。このようにして、波形は、[11]に記載されているように、時間領域処理と同等になり得る。
【0054】
方法1100におけるフィルタ処理済みのπ/2 BPSKを使用して、LTEリリース8〜10において、送信されたPAPRをおよそ5dBからおよそ1.9dBまで低減され得る。これに対して、方法100は、時間領域において連続位相変調を実施することにより、PAPRを0dBまで低下させ得る。
【0055】
方法100及び1100は両方ともに、方法1000と比べておよそ20%高い帯域幅の増加を必要とする。その上、GMSKに対して、正確な復調を確実にするためにテールビットが必要となり得る。
図2に記載されるように、位相変調された信号の復調は、逆正接演算を決定することによって行うことができる。逆正接演算は、例えば、π/2のような演算数に対して曖昧さをもたらし得る。テールビットを追加することによって、受信された信号の第1のビットの正確な復調が可能となり得、後に続くビットの復号化を可能にする。
【0056】
GMSKを使用する方法100の利点は、0dBのような低PAPRを達成し得るように、さらに低減されたPAPRである。
【0057】
換言すれば、ステップ114におけるMSK変調の連続位相変調(CPM)の包絡線は、平坦になる可能性があり、又は完全に平坦となる可能性さえある。ガウシアン最小シフトキーイング(GMSK)は、第2世代(2G)移動体ネットワークにおけるCPMスキームを表現する。CPMスキームは、分散型SC−FDMAを使用して[9、10]において記載されている。分散型SC−FDMAは、インターリーブ周波数分割多元接続(IFDMA)としても知られている。しかしながら、ほとんどのセンサは固定式である可能性がある。すなわち、マルチパスチャネルは静的である可能性があり、周波数選択性スケジューリングは、信号を分散させるよりも性能を改善し得る。さらに、周波数領域における局所型波形は、サンプリングレートが低下した状態で容易に取り扱うことができる。多くの応用のため、方法100の場合のように、局所型SC−FDMAはデータシンボルが連続的なサブキャリアにわたって分散され、IFDMA[5]の場合のように帯域幅全体に拡散されることがないので、有利となり得る。
【0058】
方法100は、局所型SC−FDMAに対するエネルギー効率が良いスキーム(energy efficient scheme)を表す。新しいモードは、特に限定されることはないが、低電力状況の性能を改善するLTEアップリンクの下位互換性拡張として実施することができる。
【0059】
SC−FDMAは、直列変調に関連する。この関連性は、ほとんど明らかではないかもしれない。直観的に、OFDM送信機におけるDFT及び離散フーリエ逆変換(IDFT)は、同じサイズを有すると想定され得る。この事例では、DFT、キャリアマッピング及びIDFTは、従来とおり直列変調されたキャリアを生じる。
【0060】
DFTがより小型である場合、すなわち、より少数のシンボルを含む場合、信号帯域幅が低減される。この場合、LTEにおけるマッピングは、未使用サブキャリアの振幅がゼロに設定されることがあるので、周波数領域における矩形フィルタとして考えることができる。その結果は、時間領域においておそらく重大な歪みとなり得る。当然ながら、より優れたフィルタリングを使用すれば、包絡線がより滑らかになり得る。ロールオフ係数が小さい平方根二乗余弦(RRC)フィルタは、[7]に提案されている。OFDM送信機の後のフィルタリングは、[8]において検討されている。このようなフィルタは、LTEでは使用されていない。
【0061】
直交振幅変調(QAM)を使用する直列波形は、シンボル配置の間にある原点(I軸とQ軸との交点)と交差し得る。これらの交差点は、包絡線変動の一因となる。LTEのために、位相がシンボルからシンボルまでπ/2ずつ回転されるπ/2バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)が検討された。
【0062】
[9、10]と比べると、ステップ114におけるMSK変調は、ステップ104におけるN−DFT、ステップ106における周波数領域での反復、ステップ108における周波数領域のフィルタリング、及びステップ112のM−IDFTの後に行われ、周波数領域におけるより効率的なフィルタリングを可能にする。
【0063】
換言すれば、
図1は、より高いエネルギー効率に向けた単一キャリア周波数分割多元接続送信機のロジックの進化を表している。フィルタ処理済みのπ/2−BPSK及びQAMに対するLTEリリース8(方法1000)を起点として、反復とその後の平方根二乗余弦(RRC)−フィルタリングが周波数領域で適用される(方法1100)。GMSKを使用しておそらく完全に平らな包絡線となる(方法100)。それゆえに、MSK変調器は、時間領域においてガウシアンフィルタ(ステップ108を行う)の後に挿入される。変調(ステップ114)は、累積及び非線形位相変調を実行する。非線形位相変調には、周波数領域において直接的な代替物が存在しない。最終的に、所望の資源ブロックへの巡回シフト(ステップ118)が適用され、信号がIDFT(ステップ122)に送り込まれ、巡回プレフィックスCP(ステップ124)が追加される。方法100によって、エネルギー効率の良い変調及び周波数領域フィルタリングは、局所型単一キャリア周波数分割多元接続に統合される。局所型単一キャリア周波数分割多元接続は、LTE移動体通信規格において幅広く使用されるものである。
【0064】
方法100及び1100の両スキームは、包絡線変動を顕著に低減し、それによって高いエネルギー効率を可能にする。GMSKを使用することにより、ピーク対平均電力比は、0dBまで低下させることができる。フィルタ処理済みのπ/2−BPSKに対し、PAPRは、1.9dBに達する可能性がある。両方の事例では、20%を上回る帯域幅が占有される。GMSKに対し、変調が非常に頑強(robust)になり得るので、変調後フィルタが省略され得る。受信機の感度はほぼ維持される一方で、LTEと比べると複雑さが著しく増大され得る。これらのスキームは、非常に低い信号対雑音比で動作している間に複数の端末がスペクトルを共有するという、いくつかの応用に着目している。
【0065】
単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)は、周波数領域における簡略化された等化及び柔軟性のあるマルチユーザスケジューリングを可能にし得る。直交周波数分割多元接続(OFDMA)と比べると、SC−FDMAは、同じ帯域幅で包絡線変動を低減することができる。SC−FDMAは、スペクトル効率が重視されている移動体通信において広く使用される。方法100は、より優れたエネルギー効率への進化を可能にする。換言すれば、方法100は、エネルギー効率の良い変調と周波数領域フィルタリングとを組み合わせる送信スキームを提供する。ガウシアン最小シフトキーイング(GMSK)とフィルタ処理済みのπ/2バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)を使用することにより、ピーク対平均電力比(PAPR)を、それぞれ0dB、1.9dBまで低下させることができ、同時に、受信機側での弊害を無視することができる。
【0066】
エネルギー効率の良い(Energy-efficient)多元接続は、多くの低電力応用における目標である。無線センサノードは、長時間にわたってバッテリー電源で動作するようになっている。これらの無線センサノードを移動体ネットワーク[1]に接続するため、エネルギー効率の良い送信が必要とされる。同じことは、ファイバ・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)用の受動光ネットワーク(PON)における多元接続についても当てはまる。複数のユーザ信号は、受動ファイバカプラにおいて集められ、中央局に一緒に供給される[2]。衛星経由リターンチャネル(RCS)では、多数のユーザが並列にサービスを受ける[3]。受信された信号は、低コスト送信機、小型パラボラアンテナ、及び衛星までの遠い距離のためには不十分である。方法100を実施することにより、このような不十分な信号は、より低いPAPRを用いてより優れた品質で送信することができる。
【0067】
送信機においてより高い変調インデックスになり得ることが、より低いPAPRの利点である。全体として、より高いエネルギー効率を実現することができる。
【0068】
前述の送信モードは、平方根二乗余弦フィルタリングと組み合わせたπ/2−BPSK変調によって、[11]において記載された方法の拡張に関係する(
図1を参照)。この構成は、およそ1.9dBの低いピーク対平均電力比(PAPR)を可能にする。
【0069】
前述の方法100は、局所型SC−FDMA信号に基づき、それによって、使用されたサブキャリアの全ては、[18]で挙げられた利点を有する隣接した組合せとなってもよい。その利点の1つは、LTE規格が方法100の実施をサポートすることである。このことは、LTEに方法100を直接的に統合(integrable)することを可能にする。統合(integration)は、例えば、受信機及び/又は送信機などの装置が、方法100を実施するように構成されることによってなされ得る。方法100を実施するための装置の構成は、例えば方法100のプログラムステップを、FPGA、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、又はFLASHメモリのような装置のメモリにプログラミングすることにより実現することができる。それ故に、LTEを実施するために使用されるハードウェアは、方法100を実施するためにさらに使用されることがある。
【0070】
図2は、SC−FDMA信号を受信する先進的な方法200の概略図である。
図2は、LTE規格リリース8〜10に従って信号を受信する方法2000の概略図と、LTE規格と比べて改良された方法に従って信号を受信する方法2100の概略図とをさらに表す。
【0071】
最初に方法200について詳細に説明する。その後、方法2000及び2100を説明し、方法200と対比する。
【0072】
方法200は、例えば、方法100を利用することによって送られた信号を受信するために適用することができる。ステップ201では、OFDMシンボルを含むSC−FDMA信号のような信号が、例えば携帯電話機若しくは移動体センサのようなLTE移動体装置のアンテナによって受信される。ステップ202では、受信された信号から巡回プレフィックスが除去される。ステップ204では、例えばOFDMについて、例えば位相変調された信号のスペクトルを取得するために、M−DFTが実行される。位相変調された信号のスペクトルとは、すなわち周波数領域表現である。ステップ206では、位相変調された信号のスペクトルは、所望のユーザ信号がシステム帯域幅の内部に割り当てられたサブバンドから抽出されるように、使用された逆巡回シフトに関してデマッピング(demap)される。ステップ208では、特定のユーザに割り当てられたサブキャリア以外のすべてのサブキャリアにゼロが設定されるように、ユーザマスクがスペクトルに適用される。SC−FDMAにより、2つ以上のセンサノードのようなユーザ又は通信ピアが共有メディアチャネルにアクセスすることが可能となるので、専用受信機又は受信ピアは、指定されたピアのために割り当てられているこれらの信号又はデータのための選択を行う必要がある。前述のとおり、リソースの割当は、LTEにおいて動的に行なうことができる。他の全ての値にゼロを設定することによって専用受信機に割り当てられなかった信号及び/又はデータは、さらなる処理のために、計算量を削減するように無視される。
【0073】
ステップ212では、所望のユーザのため推定された通信システムのチャネルに基づいて、周波数領域等化がユーザ毎に行われる。ステップ214では、等化されたスペクトルを時間領域に変換するために、M−IDFTが使用される。ステップ216では、時間領域信号y(k)は、決定規則:
に従って位相を計算するため使用される実数部及び虚数部、すなわちI
y(k)及びQ
y(k)に分解される。
【0074】
逆正接関数(arctan-function)の曖昧さは、位相曖昧さの原因となり、π/2から−π/2まで、又は、その逆の位相ジャンプを引き起こすΦ
y(k)を生じ得る。連続的な位相を得るために、アンラッピングアルゴリズム(unwrapping algorithm)を使用することができる。送信された信号c(k)の導関数c
y(k)は、決定規則:
c
y(k)=Φ
y(k)−Φ
y(k−1)
に従って計算することができる。
【0075】
後に続く位相値は、それぞれの先行する位相に依存するので、k=1として導関数c
y(k)を訂正することにより、復号化中に連続性を確保すること、及び逆正接関数の曖昧さによる復号化誤りを避けることが可能になる。ステップ218では、導関数c
y(k)がM−DFTに送り込まれ、周波数領域に変換される。ステップ214は、次にステップ216で復調され、その後、周波数領域に逆変換される信号をスペクトルから取得するための、等化されたスペクトルの時間領域への変換に使用される。そのため、ステップ214で発生した時間領域信号は、復調のために時間領域に時間的に変換されたときに、時間的位相変調された(ステップ214の後)、又は時間的復調された(ステップ216の後)信号として表すことができる。ステップ222では、例えばガウシアンフィルタなどのマッチドフィルタ(matched filter)が、ステップ218で発生したスペクトルに適用される。マッチドフィルタは、方法100のキャリアマッピングに対する逆演算の少なくとも一部分であってもよい。NがMより小さい場合、最初に送信されたデータシンボル系列a(n)の正確な再構成を可能にするために、同じN−IDFT入力信号に寄与する周波数領域内の冗長なサブキャリア信号の一部又は全部が、ステップ224において、ステップ222で形成されたスペクトルに追加される。このことは、ステップ226においてN−IDFT、及びステップ228においてシンボルデマッピングを行うことによって達成することができる。ステップ222及び224は、一体として、最大比合成(maximum ratio combining)と呼ぶことができる。信号最大比合成では、送信中信号のビットエラー率を低減するために、冗長な情報を含むサブキャリア信号が総計され得る。
【0076】
例えば、MATLABにおける方法200の実施は、復調された波形の始まりと終わりに頻繁なエラーが出ることがある。これらのエラーは、ステップ208で適用されたユーザマスクに関連することがある。ユーザマスクは、時間領域において過渡的な効果、及びそれ故にエラーを引き起こす周波数領域での矩形フィルタと考えることができる。望ましくない全ての値は単純にゼロが設定されるので、これは、関数の高いグラジエントエッジを含むか、又は無限グラジエントエッジを含むことさえある過渡的な関数であると考えることができる。このような効果は、2G移動体ネットワークにおいても観察することができる。これらの効果は、系列a(n)における最初及び最後のビットのための(付加的な)テールビットを導入することによって除かれ得る。テールビットは、送信されるデータの一部分ではない。受信又は復号中のこれらのテールビットの歪みは、データシンボル系列a(n)の情報をあまり分散されないか、又は影響されないままにしておくことができる。
【0077】
方法200を行うことにより、例えば、方法100によって符号化及び/又は変調され、SC−FDMAを介して送信されたデータシンボル系列a(n)を、受信機により受信し、再構成し、処理することができる。
【0078】
受信機で、複数のユーザによりシステム帯域幅全体を共有することは、周波数領域における冗長な情報の最大比合成と後に続くN−IDFTとを使用することにより、簡略化することができる。このようにして、性能(performance)を、LTEにおいて適用された直接マッピングと比較して0.2dBの範囲内にすることができる。
【0079】
方法200は、方法100によって取得され送信された信号の受信に適している。方法100と同様に、方法200は、ハードウェア部品が方法100に加えて、又は方法100に代えて、方法200を実施するように構成若しくはプログラムされるようにLTE規格に統合することができる。
【0080】
方法2000は、LTE規格で使用されるように信号を受信する方法を示している。ステップ201に等しいステップ2201において信号を受信し、ステップ202に等しいステップ2002において巡回プレフィックスを除去し、ステップ204に等しいステップ2004においてM−DFTを行い、ステップ206に等しいステップ2006において逆巡回シフトを行い、ステップ208に等しいステップ2008においてユーザマスクを適用し、ステップ212に等しいステップ2012において周波数領域等化を行った後、LTEでは、今度は、ステップ226に等しいステップ2026においてN−IDFTに信号がそのまま導入される。ステップ228に等しいステップ2028では、データシンボル系列a(n)を取得するために、信号がデマッピングされる。方法2000は、方法1000によって送信されるデータシンボル系列a(n)を再構成するのに適している。換言すれば、方法200におけるGMSK反復のために、MSK復調器を時間領域において挿入してもよい。周波数領域等化の後、サブキャリアn=1,2,...,R+1上の信号と、n=M−R上の信号とが使用されるが、信号は、同様にゼロである。
【0081】
方法1100に対する補完として、方法2100は、例えば、方法1100によって送信されたデータシンボル系列a(n)の再構成を可能にする。方法2000と比べると、受信された信号は、N個より多くのサブキャリアに拡散される。方法2100は、フィルタ処理済みのπ/2−BPSK受信機又はフィルタ処理済みのQAM受信機に対するフィルタ処理済みのπ/2−BPSK又はQAM方法と表すこともできる。まず、信号について送信機で行われたN−DFTの出力信号は、対応する送信機でステップ2001、2002及び2004に従って再構成される。前記信号とは、例えば方法100のステップ104を行うことによって取得し得るものである。方法2100の第1の処理ステップは、ステップ2012における周波数領域等化に至るまでの方法2000の第1の処理ステップと同じであると考えることができる。
【0082】
ステップ2122における周波数領域等化の後に、マッチドフィルタが適用されるか、又は挿入される。ステップ2122において等化されたスペクトルに適用されたマッチドフィルタは、例えばマッチド平方根二乗余弦フィルタ(matched root-raised cosine filter)であってもよい。ステップ214に等しいステップ2124では、冗長なサブキャリア信号が追加される。ステップ2122及びステップ2124の両演算は、
図4に示されているように、最大比合成と考えることができる。[11]に記載されているように、ステップ226に等しいステップ2126では、ステップ2124のそれぞれの最大比合成の結果がN−IDFTに送り込まれる。ステップ228に等しいステップ2128では、データシンボル系列a(n)を得るためにシンボルデマッピングが実行される。
【0083】
方法200、2000及び2100で方法100、1000及び/又は1100の逆演算を使用することにより、方法100、1000、及び1100を実施するように構成された送信機に対応した受信機を得ることができる。換言すれば、
図2は、LTE(方法2000)を起点とするSC−FDMA受信機の進化を表している。フィルタ処理済みのQAM(例えば、方法2100)に対し、それぞれのステップがマッチドフィルタと、周波数領域で冗長な情報を搬送する全てのサブキャリアの合計からなる最大比合成ユニットとが挿入される。GMSK(方法200)に対して、MSK復調器が時間領域において実現される。その結果、付加的なM−IDFTとM−DFTステップが挿入され、それらの間に復調ステップ216が入る。
【0084】
図3は、巡回シフト(ステップ118、1018及び1118)を含む、周波数領域におけるフィルタ処理済みの信号発生、例えば、フィルタ処理済みのQAMの例示的な概略図を表す。巡回シフト(ステップ118、1018及び1118)は、SC−FDMAに従って具体的なキャリアマッピングのために、方法100、1000、1100で使用される。
【0085】
N−DFT出力ベクトル(インデックス1を有する)の直流(DC)サブキャリアベクトルは、最初に、M−IDFTのDCにマッピングされる。2つのブロック
及び
は、その後、最初及び最後のサブキャリアにマッピングされる(方法100のステップ105)。周波数領域における周期的な複製(ステップ106及び方法100)が、
図1に記載されているように、周波数領域におけるアップサンプリングをエミュレートするために次に追加され、周波数領域フィルタが適用される(ステップ108)。最後に、信号が中心サブキャリアに変調される(ステップ118)。換言すれば、
図3は、方法100のために修正されたキャリアマッピングを表している。方法100は、フィルタ処理済みのQAM受信機のために使用することができる。ステップ104はN−DFTの出力を表し、ステップ105はサブキャリアマッピングを表し、ステップ106はM個のサブキャリアへのN個の信号のマッピングを表し、ステップ108はスペクトル反復及びフィルタスペクトルとの乗算を表し、ステップ118は所望のサブバンドへの巡回シフトを表す。
【0086】
図4は、方法200において行われる最大比合成の詳細図を表す。最大比合成は、
図3に表された信号発生(ステップ105、106及び108)に対する逆演算であってもよい。ステップ206における逆巡回シフトを行うことにより、ステップ204でM−DFTによって取得された受信信号のスペクトルは、(割り当てられた)サブバンド、例えば、方法100によって割り当てられ、システム帯域幅の内部にあるサブバンドからデマッピングされる。前述のとおり、他の全てのサブキャリアは、ユーザマスクにおいてゼロを設定することができる。ステップ222及び224を使って最大比合成を行うことにより、例えばステップ104によって取得されるとおりの信号のスペクトルを再構成することができる。最大比合成から得られるスペクトルは、ステップ226においてN−IDFTを受け得る。
【0087】
図5a〜dは、様々な変調方法によって得られた波形の比較を表す。各
図5a〜dは、図の左側に複素値波形(complex-valued waveform)の実数値を表し、各図の右側に対応する複素平面内のトレースを表す。
【0088】
図5aは、π/2−BPSK変調を用いる局所型SC−FDMAの包絡線14aと対応するトレースとを有する電力効率の良い波形の実数値を表す。この波形は、これまでに検討されているが、LTE規格では採用されていない。
【0089】
図5bは、ロールオフ係数0.7を用いてRRC−フィルタ処理済みのBPSKを使用して変調された信号の包絡線14b及び対応するトレースを有する波形の実数値を表す。ロールオフ係数0.7は、[7]に示されているよりもかなり大きいものである。詳細には、
図5bは、BPSK変調を使用してRRCフィルタ処理済みの局所型SC−FDMAを表す。フィルタ処理済みのデータ系列は、[11]に記載されているように、包絡線14bと一致している。このことは、ほとんどの時間に、振幅が小さい範囲、従って、低い変動に含まれるが、シンボル間の信号点配置変化中にゼロ交差が存在する、ということを意味する。その結果、信号の包絡線14bは一定ではなく、ある程度の変動が残る。
【0090】
図5cは、π/2−BPSK変調及びロールオフ係数α=0.7を用いるRRCフィルタ処理済みのSC−FDMAを使用して変調された信号の包絡線14c及び対応するトレースを有し、包絡線14cの包絡線変動が包絡線14bよりさらに低減されている波形の実数値を表す。
【0091】
図5dは、2G移動体ネットワークの場合のように、0.3という帯域幅時間積(bandwidth-time product)を使用してGMSK変調された局所型SC−FDMA波形の実数値を表す。GMSKを導入することにより、波形におけるほとんど一定の包絡線14dが得ることができる。これは、方法100によって取得することができるように、GMSKを局所型SC−FDMAフレームワークに(シームレスに)統合することによって達成することができる。
【0092】
図5a〜dのトレースは、
図5aから
図5dの対応するトレース図の中心(ゼロ)におけるトレースの個数の減少を表す。
【0093】
図6は、いくつかの波形に対するピーク対平均電力比(PAPR)統計量の比較を表す。グラフ1は、π/2−BPSKを使用するSC−FDMA(
図5aに示されている)に対応する。グラフ2は、BPSKを使用するRRC−SC−FDMA(
図5bに示されている)に対応する。グラフ3は、π/2−BPSKを使用するRRC−SC−FDMA(
図5cに示されている)に対応する。グラフ4は、GMSKを使用するSC−FDMA(
図5dに示されている)に対応する。グラフ5は、BPSKを使用するSC−FDMAに対応する。グラフ6は、BPSKを使用するOFDMAに対応する。2つの連続的なリソースブロックにおいて、PAPRが局所型SC−FDMAに対して表されている。横座標は、dB単位でPAPRを表し、縦座標は、PAPRが、対応する横座標上のPAPRより小さくなる確率を表す。
【0094】
グラフ1、2、3及び4は、
図5a、5b、5c及び5dの波形に対応する。グラフ5はBPSKを用いるSC−FDMAの結果を表し、グラフ6はBPSKを用いるOFDMAの結果を表す。(
図5dに対応し、方法100の結果を表す)グラフ4では、PAPRがおよそ0dBまで低下し得る。PAPRがおよそ0dBであるというのは、送信された信号が一定の振幅を有することを意味する。このことは、
図5dにおける包絡線14dの平坦さを参照することによって分かる。さらに、
図5a〜dの図示されたトレースの内部にあるトレースが低下すると、その結果、PAPRが低下する。
【0095】
OFDMA(グラフ6)と比べると、SC−FDMAでのπ/2−BPSK(グラフ1)に対する累積的なPAPR統計量の99パーセンタイル(percentile)は、依然として約5dBであるが、包絡線変動が低下している。このことは、グラフ1をグラフ5と比較すると分かる。グラフ5はLTE規格リリース8〜10に対する結果を表す。非線形歪みを避けるためには、かなりのバックオフが依然として必要となる。π/2−BPSKを用いるSC−FDMAは、グラフ5及び6と比べると減少させることができる。波形のゼロ交差のため、
図5bにおいて見られるフィルタ処理済みのBPSKに対して、包絡線は、一定ではなくある程度の変動が残る。累積的なPAPR統計量の99パーセンタイルは、このようにして約3.5dBである(グラフ2)。例えば、RRC−フィルタを用いてフィルタ処理された、フィルタ処理済みのπ/2−BPSKは、
図5c及びグラフ3に表されているように、これらの包絡線変動をさらに低減することができ、PAPRが1.9dBである。
図5dと
図6のグラフ4に表されているように、GMSKを行うことにより、振幅をほぼ一定にすることができる。ほぼ一定の振幅とは、PAPRがおよそ0dBである。
【0096】
図7は、SC−FDMAのピーク対平均電力比の例示的な数値を示す表である。行は、データシンボル系列を変調するために使用され得る様々な変調タイプに対する結果である。列は、OFDMA、LTEで使用されるままのSC−FDMA、及びフィルタ処理済みのSC−FDMAに対する結果である。SC−FDMAは、OFDMAと比べてPAPRの改善を表すことが見られ、フィルタ処理済みのSC−FDMAを実施することによってさらに改善することができる。方法100に対する
図1に記載されているように、GMSKをフィルタ処理済みのSC−FDMAに適用すれば、PAPRを0dBにし得る。
【0097】
前述のように、フィルタ処理済みのSC−FDMAに対して、より高いロールオフ係数αにより、帯域幅効率が低減する可能性がある。
図7はロールオフ係数がα=0.7のときの結果である。単純な変調スキームは、結果として生じる歪みに対して頑強なため、帯域幅のカット部分は、低い信号対雑音比(SNR)では無害となり得る。その結果、[11]に記載されているように、矩形変調後フィルタも同様に、周波数領域で使用することができる。PAPR及びビットエラー率はともに、帯域幅が1.2×Nよりも低くなったときに、増加する傾向がある。前述のとおり、より高いロールオフ係数αによって生じ得る帯域幅が20%大きくなると、PAPRが、フィルタ処理済みのBPSKを用いることによってBPSKよりも4.4dBだけ低減される(SC−FDMA及びフィルタ処理済みのSC−FDMAに対するラインBPSK及び99パーセンタイル値を参照のこと)。
【0098】
GMSKに対して、帯域外放射が矩形フィルタより小さく、かつ他のサブキャリアのそれぞれの他のユーザに対し潜在的に無害となり得ることが、ガウシアン変調前フィルタにより保証される。1.2×Nの使用帯域幅の外側にある所望の信号よりも、干渉が25dB低くなり得る。より高い次数のQAMを用いるユーザは、非線形位相変調器において4波混合によって作り出される帯域外放射による干渉を受け得る。周波数領域では、矩形変調後フィルタを使用することによって、この干渉をカットすることができる。隣接するサブバンドにマッピングされた他のユーザがこのような複雑な変調アルファベット、例えば、64−QAMを使用しない限り、帯域幅が送信機で1.2×Nまで低減された場合にPAPRが1.6dBまで増加し得るので、変調後フィルタを迂回することが推奨され得る。
【0099】
図8は、提案のSC−FDMA波形がLTE規格と比べて受信機で同様の性能を発揮できることを実証する概念の考え得る証拠として非符号化ビットエラー率を表す。
図8の基礎となっているシミュレーションは、加法ガウシアン白色雑音(AWGN)チャネルを介する送信を想定している。全ての波形は、単位電力に正規化され、ランダム雑音によって歪められる。それぞれに対応するフィルタが送信機及び受信機でシミュレーションのために使用された。結果は、M=2048のとき、N=24及びN=120に対して表されている。RMSKは、二乗余弦フィルタ処理済みのMSKを表す。一部の曲線は、正確に重なり合っているので見えていない。
【0100】
N=24を使用すると、全てのスキームに対する性能が10分の1dBの範囲に入り、GMSK及びフィルタ済みのBPSKは、より高いロールオフ係数αに起因して他の波形よりも20%多くの帯域幅を使用する。これに応じて増加する雑音が、受信機での僅かな劣化の原因である。その損失は、送信電力を増大することによって補償される量を上回る可能性があるが、これは、低減したPAPRが原因となって可能なものとなる。例えば、最大送信電力が制限され得る。例えば、LTEでは最大送信電力が200mWに制限され得る。PAPRを低減することにより、ビットエラー率に関して同じ信号品質をより少ない電力で送信することができる。逆もまだ同様であり、平均電力は、限界、例えば、200mWまで増加され得るので、信号品質の向上とビットエラー率の減少をそれぞれ達成することができる。
【0101】
N=24の場合、SNRが−15dBと同程度に低くても、ユーザ信号を低ビットエラー率で検出することができる。帯域幅が低減されれば電力スペクトル密度が増加するので、弱い信号を検出することができる。例えば、少量のデータだけがシステム帯域幅全体のうちほんのわずかな部分で送信されるならば、個別の低電力端末からの信号が、標準的な端末と並行して受信され得る。GMSK及びフィルタ処理済みのπ/2−BPSKを使用して、小電力送信機は、さらに、これらのエネルギー効率を増加させることができる。N=120では、5倍多い帯域幅が割り当てられているので、
図8の中の全ての曲線は、10×log
10(5)=7dBごとに高SNR側へシフトしている。これは、シミュレーションの範囲内の仮定である雑音の増加が原因である。それ故に、必要なSNRは、割り当てられた帯域幅と共に直線的に増減し得る。
【0102】
一部の態様は、装置との関連で記載されているが、これらの態様は、ブロック又は装置が方法ステップ又は方法ステップの特徴と一致している方法の説明にも相当することが明らかである。同様に、方法ステップとの関連で記載された態様は、対応するブロック若しくは項目、又は、対応する装置の特徴の説明にも相当する。対応する装置は、独立請求項による方法を実施するように構成することができる。対応する装置は、独立請求項のうち1つ、又は、これらの組み合わせを実施するようにさらに構成することができる。
【0103】
ある実施要件に依存して、発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアによって実施することができる。この実施は、電子的に読取り可能な制御信号が記憶され、それぞれの方法が行われるようにプログラム可能なコンピュータ・システムと協働する(又は協働する能力がある)デジタル記憶媒体、例えば、フレキシブルディスク、DVD、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はFLASHメモリを使用して行なうことができる。
【0104】
発明による一部の実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有し、本明細書に記載された方法のうち1つが行われるようにプログラム可能なコンピュータ・システムと協働する能力があるデータ担体を備える。
【0105】
概して、本発明の実施形態は、コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピュータ上で動くときに方法のうち1つを行うために動作可能なプログラムコードを含むコンピュータ・プログラム・プロダクトとして実施することができる。プログラムコードは、例えば、機械読取り可能な担体に記憶させることができる。
【0106】
他の実施形態は、機械読取り可能な担体に記憶され、本明細書に記載された方法のうち1つを行うコンピュータプログラムを備える。
【0107】
換言すれば、発明の方法の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で動くときに、本明細書に記載された方法のうち1つを行うプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0108】
発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載された方法のうち1つを行うコンピュータプログラムが記録されているデータ担体(又はデジタル記憶媒体、若しくはコンピュータ読み取り可能な媒体)である。
【0109】
発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載された方法のうち1つを行うコンピュータプログラムを表現するデータストリーム又は信号の系列である。データストリーム又は信号の系列は、例えば、データ通信接続を介して、例として、インターネットを介して、転送されるように構成することができる。
【0110】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法のうち1つを実行するように構成され又は適した、例えばコンピュータなどの処理手段、又はプログラム可能な論理装置を備える。
【0111】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法のうち1つを行うコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを備える。
【0112】
一部の実施形態では、プログラム可能な論理装置(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)は、本明細書に記載された方法の機能性の一部若しくは全部を行うために使用することができる。一部の実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載された方法のうち1つを行うためにマイクロプロセッサと協働することができる。概して、これらの方法は、何らかのハードウェア装置によって行われることが好ましい。
【0113】
上記実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書に記載された配置構成及び詳細の修正や変形は、当業者に明白であろうことが理解される。よって、ここに記載された特許の請求項の範囲によってのみ限定され、本明細書における実施形態の記述及び説明のために提示された具体的な詳細によって限定されない。