(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係るアンテナ1は、
図1で示すように、絶縁監視装置3等の機器に設置されて使用されるものであり、アンテナ1を介して、絶縁監視装置3と基地局5との間で送受信がなされるようになっている。
【0015】
アンテナ1は、
図6等で示すように、筐体(ケース)7と基板9とケーブル組立体11とを備えて構成されている。
【0016】
筐体7は、細長い棒状に形成されている。以下、アンテナ1において、筐体7の長手方向に対して直交する所定の一方向を幅方向とし、筐体7の長手方向と幅方向とに対して直交する方向を厚さ方向とする。
【0017】
筐体7は、基端側部位13と先端側部位15とを備えて構成されており、長手方向の先端側部位15の厚さ寸法が、長手方向の基端側部位13の厚さ寸法よりも小さくなっている(
図3(b)、(c)、
図6等参照)。
【0018】
筐体7は、たとえば、非導電性の樹脂で構成されている。筐体7は、この長手方向で、先端から基端に向かい、先端側部位15、中間部位17、基端側部位13がこの順につながってならんでいる。筐体7の外形形状は、一定の厚さの外皮19によって形成されている。したがって、筐体7の内部には空間21が形成されている。
【0019】
筐体7の基端側部位13の断面形状(長手方向に対して直交する平面による断面の形状)は、正方形状の「ロ」字状になっている。筐体7の先端側部位15の断面形状(長手方向に対して直交する平面による断面の形状)は、長方形状の「ロ」字状になっている。筐体7の中間部位17の断面形状(長手方向に対して直交する平面による断面の形状)も、長方形状の「ロ」字状になっている。
【0020】
ただし、筐体7の先端側部位15の断面の縦方向(筐体7の厚さ方向)の寸法は、筐体7の基端側部位13の断面の縦方向(筐体7の厚さ方向)の寸法よりも小さくなっている。
【0021】
筐体7の中間部位17の断面の縦方向(筐体7の厚さ方向)の寸法は、基端側部位13から先端側部位15に向かうにしたがって次第に小さくなっている。さらに説明すると、筐体7の中間部位17の断面の縦方向の寸法は、基端側部位13と接している箇所では、基端側部位13のものと等しくなっており、先端側部位15と接している箇所では、先端側部位15のものと等しくなっている。
【0022】
筐体7の先端側部位15の断面の横方向(筐体7の幅方向)の寸法と、筐体7の中間部位15の断面の横方向(筐体7の幅方向)の寸法と、筐体7の基端側部位13の断面の横方向(筐体7の幅方向)の寸法とはお互いが等しくなっている。
【0023】
また、筐体7の長手方向から見ると、筐体7の先端側部位15の断面の中心と、筐体7の中間部位17の断面の中心と、筐体7の基端側部位13の断面の中心とはお互いに一致している。
【0024】
これにより、筐体7の厚さ方向から見ると、筐体7は、細長い矩形状になっている(
図3(a)等参照)。また、筐体7の幅方向から見ると、中間部位17は、テーパ状になっており、基端側部位13は、テーパの大径部に隣接している長方形状になっており、先端側部位15は、テーパの小径部に隣接している長方形状になっている(
図3(b),(c)等参照)。
【0025】
基板9には、
図7等で示すように、第1の導電性素子(第1のアンテナ素子)23と第2の導電性素子(第2のアンテナ素子)25とが設けられている。第1の導電性素子23は、基板9の長手方向の先端側に設けられており、第2の導電性素子25は、基板9の長手方向の基端側に設けられている。
【0026】
図6で示すように、基板9の長手方向の先端が筐体7の長手方向の先端側であって筐体7の厚さ方向の一端側に位置し、基板9の長手方向の基端が筐体7の長手方向の基端側であって筐体7の厚さ方向の他端側に位置して、基板9が、筐体7の内部で筐体7に一体的に設けられている。
【0027】
基板9は、絶縁性の材料で細長い矩形な平板状に形成されている。
【0028】
図7で示すように、筐体7の幅方向と基板9の幅方向とはお互いが一致している。また、アンテナ1(筐体7)の幅方向から見た場合、
図6で示すように、基板9の長手方向の先端は、筐体7の長手方向の先端の近傍で筐体7の内壁(外皮19の内面)に接しており、基板9の長手方向の基端は、筐体7の長手方向の中間部位17の基端(中間部位17と基端側部位13との境界)の近傍で筐体7の内壁(外皮19の内面)から僅かに離れている。なお、基板9の長手方向の基端が筐体7の長手方向の中間部位17の基端の接している構成であってもよい。
【0029】
そして、基板9は、長手方向が筐体7の長手方向に対して僅かに傾き、厚さ方向が筐体7の厚さ方向に対して僅かに傾いて、直線状に延びている。さらに、基板9の長手方向の中間部は、筐体7の中間部位17における長手方向の先端(中間部位17と先端側部位15との境界)で筐体7の内壁(外皮19の内面)からごく僅かに離れている。なお、基板9の長手方向の中間部が筐体7の内壁に接していてもよい。各導電性素子23,25は、薄い膜状になって、基板9の厚さ方向の一方の面(筐体7の厚さ方向の他端側の面)に設けられている。
【0030】
ケーブル組立体11は、
図11等で示すように、細長い線状のケーブル(たとえば同軸ケーブル)27とプラグ29とを備えて構成されている。そして、ケーブル27の先端が基板9の長手方向の中間部(たとえば中央部)で各導電性素子23,25に(電気的に)接続されている。
【0031】
ケーブル27の基端にはプラグ(接続用端子部品)29が設けられている。プラグ29のケーブル27側の部位が筐体7内に位置し、プラグ29の他の部位が筐体7の基端から突出するようにして、プラグ29が筐体の基端に(一体的に)設けられている。
【0032】
ケーブル27は、
図6等で示すように、筐体7の内部で延伸している。また、ケーブル27は、基板9から離れて、筐体7の厚さ方向で基板9とは反対側に位置している。
【0033】
プラグ29は、貫通孔を備えた中空なボルト31とナット33とを備えて構成されている。ボルト31の頭部35とナット33とは六角柱状に形成されている。ボルト31の頭部35が筐体7の外に位置しており、ボルト31の雄ネジ部37が筐体7の外皮19(長手方向基端の外皮)を貫通している貫通孔39を通って、筐体7の内部に浸入している。ナット33は、筐体7の内部に浸入しているボルト31の雄ネジ部37に螺合している。
【0034】
そして、ボルト31の雄ネジ部27の基端に設けられている鍔部(筐体7の外部に存在している鍔部)31とナット33とで、筐体7の外皮19を挟み込んでいることで、プラグ29が筐体7と一体化している。ボルト31の頭部35は、ボルト31の鍔部41よりも、筐体7から離れている。筐体7の厚さ方向および幅方向において、筐体7の中心とプラグ29の中心とがお互いに一致している。
【0035】
プラグ29を構成しているボルト31の頭部35の端には、アンテナ1が設置される機器3の端子が係合し、この係合によって、アンテナ1が、機器3に一体的に設置されるようになっている。ボルト31の雄ネジ部37の端からは、ケーブル27が延出している。
【0036】
筐体7や基板9の長手方向で基板9の中央部と基板9の基端との間に存在しているケーブル27の部位(ケーブルの先端側部位)43は、
図6で示すように、筐体7の厚さ方向の一端側の内壁に接するかもしくはごく僅かに離れて、筐体7内を延伸している。したがって、アンテナ1(筐体7)の幅方向から見ると、基板9における長手方向の中央部と基端との間の部位(第2の導電性素子25が設けられている部位)と、ケーブル27の先端側部位43とは、交差角度の小さい「V」字状になっている。
【0037】
ケーブル27の他の部位(基端側部位)45は、ケーブル27の先端側部位43とプラグ29との間で適宜曲げられて、基板9から離れ筐体7内(筐体7の基端側部位13内)で延びている。
【0038】
また、筐体7の基端側部位の内部空間21は、厚さ方向の寸法と幅方向の寸法とが、プラグ29のナット33やボルト31の頭部35の外径よりも大きくなっており、しかも、ナット33やボルト31の頭部35を回すための工具が入り込める寸法になっている。筐体7の先端側部位15の内部空間は、厚さ方向の寸法が、プラグ29のナット33やボルト31の頭部35の外径よりも小さくなっている。
【0039】
なお、上記説明では、プラグ29のボルト31の頭部35が筐体7の外部に位置し、ナット33が筐体7の内部に位置しているが、逆に、プラグ29のボルト31の頭部35が筐体7の内部に位置し、ナット33が筐体7の外部に位置するように、アンテナ1(ケーブル組立体11)を構成してもよい。
【0040】
アンテナ1を筐体7(アンテナ1)の厚さ方向から見ると、
図7で示すように、ケーブル組立体11のケーブル27の長手方向(延伸方向)の中間部49が、基板9から離れて、基板9(筐体7)の長手方向に延びている。
【0041】
また、筐体7の厚さ方向から見ると、基板9は、筐体7の幅方向一端側に偏って設けられている。そして、筐体7の厚さ方向から見ると、基板9の幅方向の他端と、筐体7の幅方向の他端側の内面との間には、ケーブル27の外径よりも僅かに広い幅の空間47が形成されており、この空間47の一部(長手方向の基端側の部位)を通って、ケーブル27の中間部49が延伸している。
【0042】
ケーブル27は、前述したように先端側部位43と基端側部位45とで形成されているが、ケーブル27の中間部49は、先端側部位43のうちの基端側(プラグ29側)よりの一部の部位と、基端側部位45のうちの先端側よりの一部の部位とで形成されている。すなわち、ケーブル27は、中間部49を除く先端側部位43と、中間部49と、中間部49を除く基端側部位45とがこの順につながって、基板9からプラグ29に向かって延びている。
【0043】
さらに説明すると、筐体7の厚さ方向から見ると次のようになっている。ケーブル27の先端は、回動ジョイント51(
図6参照)を介し、基板9の中央部(長手方向および幅方向の中央部)であって筐体7の厚さ方向の一端側の面で、各導電性素子23,25に接続されている。ケーブル27の中間部49を除く先端側部位43は、斜めになって、中間部49まで延伸している。ケーブル27の中間部49は、前述したように、基板9から離れて基板9の長手方向に直線的に延出している。ただし、ケーブル27の中間部49は、基板9の長手方向の基端よりもさらに筐体7の基端側に所定の長さだけ延びている。ケーブル27の中間部49を除く基端側部位45は、ケーブル27の中間部49とプラグ29との間で適宜曲げられて、基板9から離れ筐体7内(筐体7基端側部位13内)で延びている。
【0044】
また、筐体7の厚さ方向から見ると、筐体7の幅方向において、第1の導電性素子23の第2の導電性素子25側の部位が、ケーブル組立体11のケーブル27の中間部49とは反対側で基板9に設けられている。
【0045】
同様にして、筐体7の厚さ方向から見たときに、筐体7の幅方向において、第2の導電性素子25の第1の導電性素子23側の部位が、ケーブル組立体11のケーブル27の中間部49とは反対側で基板9に設けられている。
【0046】
詳しく説明すると、基板9の厚さ方向から見た場合、
図7で示すように、第1の導電性素子23は、矩形状の第1の部位53と、矩形状の第2の部位55と、矩形状の第3の部位57と、矩形状の第4の部位59と、矩形状の第5の部位61とを備えて「C」字状に形成されている。
【0047】
また、基板の厚さ方向から見ると、第1の導電性素子23の第1の部位53〜第5の部位61の位置関係は次のようになっている。第1の部位53は、基板9の長手方向先端側であって幅方向一端の近傍で、基板9の長手方向に長く延びている。第2の部位55は、第1の部位53の長手方向の先端から基板9の幅方向他端に向かって突出している。第3の部位57は、基板9の幅方向他端の近傍で、第2の部位55の端(第1の部位53とは反対側の端)から、基板9の長手方向基端に向かって突出している。ただし、第3の部位57の端(第2の部位55とは反対側の端)は、第1の部位53の長手方向の中央よりも第2の部位55側に位置している。第4の部位59は、第1の部位53の長手方向の基端から基板9の幅方向他端に向かって第2の部位55よりも短く突出している。第5の部位61は、基板9の幅方向のほぼ中央部で、第4の部位59の端(第1の部位53とは反対側の端)から、基板9の長手方向先端に向かって突出している。ただし、第5の部位61の端(第4の部位59とは反対側の端)は、第1の部位53の長手方向の中央よりも第2の部位55側に位置している。また、第5の部位61は第3の部位57から僅かに離れている。
【0048】
これにより、筐体7の厚さ方向から見ると、第1の導電性素子23の第2の導電性素子側の部位(主に第5の部位61)は、ケーブル組立体11のケーブル27の中間部49とは反対側で基板9に設けられていることになる(基板9の幅方向で第5の部位61は第3の部位57よりもケーブル27の中間部49から離れている)。
【0049】
また、基板9の厚さ方向から見ると、第2の導電性素子25も、矩形状の第1の部位63と、矩形状の第2の部位65と、矩形状の第3の部位67と、矩形状の第4の部位69と、矩形状の第5の部位71とを備えて「C」字状に形成されている。なお、第2の導電性素子25は、第1の導電性素子23から僅かに離れ、基板9の中心を通って幅方向に延びる中心線に対して第1の導電性素子23と対称に配置されている。
【0050】
すなわち、基板9の厚さ方向から見ると、第2の導電性素子25の第1の部位63〜第5の部位71の位置関係は次のようになっている。第1の部位63は、基板9の長手方向基端側であって幅方向一端の近傍で、基板9の長手方向に長く延びている。第2の部位65は、第1の部位63の長手方向の基端から基板9の幅方向他端に向かって突出している。第3の部位67は、基板9の幅方向他端の近傍で、第2の部位65の端(第1の部位63とは反対側の端)から、基板9の長手方向先端に向かって突出している。ただし、第3の部位67の端(第2の部位65とは反対側の端)は、第1の部位63の長手方向の中央よりも第2の部位65側に位置している。第4の部位69は、第1の部位63の長手方向の先端から基板9の幅方向他端に向かって第2の部位65よりも短く突出している。第5の部位71は、基板9の幅方向のほぼ中央部で、第4の部位69の端(第1の部位63とは反対側の端)から、基板9の長手方向基端に向かって突出している。第5の部位71の端(第4の部位69とは反対側の端)は、第1の部位63の長手方向の中央よりも第2の部位65側に位置している。ただし、第5の部位71は第3の部位67から僅かに離れている。
【0051】
これにより、筐体7の厚さ方向から見ると、第2の導電性素子25の第1の導電性素子23側の部位(主に第5の部位71)は、ケーブル組立体11のケーブル27の中間部49とは反対側で基板9に設けられていることになる(基板9の幅方向で第5の部位71は第3の部位67よりもケーブル27の中間部49から離れている。)。
【0052】
また、筐体7の内部には、筐体7を補強するためのリブ73が設けられており、ケーブル27(特に、ケーブル27の中間部49)は、リブ73によってガイドされている。
【0053】
ケーブル27の先端は、上述したように、回動ジョイント51を介して、第1の導電性素子23の第4の部位59と、第2の導電性素子25の第4の部位69とに接続されている。また、ケーブル27の内側導体(図示せず)が第2の導電性素子25に接続されており、ケーブル27の外側導体(図示せず)が第1の導電性素子23に接続されている。
【0054】
筐体7は、先端側ケース75(第1のケース77、第2のケース79)と、基端側ケース(第3のケース)81とで構成されている。基板9は先端側ケース75内で先端側ケース75に一体的に設けられており、プラグ29は、基端側ケース81に一体的設けられている。
【0055】
先端側ケース75を構成している一対の各ケース77,79同士は、お互いが係合して一体化しており、基端側ケース81に対し、基端側ケース81を通っている軸(幅方向では基端側ケース81の中央を通り長手方向では先端側の部位を通り筐体7の厚さ方向に延びている軸)C1を回動中心にして、回動位置決め自在になっている(
図5等参照)。
【0056】
先端側ケース75は、
図5で示すように、基端側ケース81に対して所定の方向に旋回し45°、90°の角度で位置決め固定されるようになっている。
【0057】
なお、回動角度が0°の状態では、
図5に参照符号P1で示すようになり、回動角度が45°の状態では、
図5に参照符号P2で示すようになり、回動角度が90°の状態では、
図5に参照符号P3で示すようになる。
【0058】
先端側ケース75は、成形のために、第1のケース77(
図8参照)と第2のケース79(
図9参照)とで構成されている。基板9は、第1のケース77に第2のケース79を設けるときに、各ケース77,79で挟まれて先端側ケース75に固定されるようになっている。
【0059】
リブ73は、第1のケース77の外皮19の内側の面から突出しており、筐体7の長手方向に延びている。リブ73は、筐体7の長手方向で複数の分断されている(
図8(a)参照)。筐体7の幅方向におけるリブ73と外皮19との間の距離の値は、ケーブル27の外径の値よりもごく僅かに小さくなっている。そして、リブ73と外皮19との間にケーブル27を差し込むことで、ケーブル27がガイドされ第1のケース77に固定される。なお、リブ73が筐体7の長手方向で複数の分断されていることで、リブ73と外皮19との間にケーブル27を差し込むときにリブ73が弾性変形しやすくなっており、リブ73と外皮19との間へのケーブル27の差し込みがしやすくなっている。
【0060】
アンテナ1によれば、基端側部位13で厚く先端側部位15で薄くなっている筐体7内に、導電性素子23,25が設けられている基板9を僅かに傾けて斜めに設け、基板9から延出している同軸ケーブル27を基板9から離れるように僅かに斜め(基板9とは逆向きの斜め)に設けてあるので、同軸ケーブル27に電流が流れて磁界が発生する等しても、この影響を基板9の各導電性素子23,25が受けにくくなっており、送信や受信の感度の悪化を防ぐことができる。
【0061】
また、アンテナ1によれば、筐体7の厚さが基端側部位13で厚く先端側部位15で薄くなっているので、筐体7が大型化してしまうことが抑制されており、アンテナ1が見た目にもスマートになっている。
【0062】
また、アンテナ1によれば、筐体7の厚さが基端側部位13で厚くなっているので、ここにアンテナ1を設置するためのプラグ(コネクタ)29を設けることができ、このプラグ29を用いてアンテナ1を送信機や受信機等の機器3に直接設置することができ、アンテナ1の機器3への設置がしやすくなる。
【0063】
また、アンテナ1によれば、上述した基板9とアンテナ1との「V」字形状による同軸ケーブル27と基板9との離反の態様(
図6参照)に加えて、アンテナ1の厚さ方向から見たときも、同軸ケーブル27が基板9から離れているので(
図7参照)、送受信の感度の悪化を一層抑制することができる。
【0064】
また、アンテナ1によれば、アンテナ1(筐体7)の厚さ方向から見たとき、図
7等で示すように、第2の導電性素子25の第1の導電性素子23
に近い側の部位が、第2の導電性素子25の第1の導電性素子23
から離れた側の部位よりも同軸ケーブル27の中間部49から離れて基板9に設けられているので、これによっても、第2の導電性素子25が同軸ケーブル27から離れていることになり、アンテナ1における送受信の感度の悪化をさらに一層抑制することができる。
【0065】
また、アンテナ1によれば、筐体7の内部には筐体7を補強するためのリブ73が設けられており、同軸ケーブル27がリブ73によってガイドされているので、筐体7の構成を煩雑にすることなく、筐体7の剛性を高めることができ、しかも、同軸ケーブル27を筐体7に確実に固定することができる。
【0066】
アンテナ1によれば、同軸ケーブル27の先端が回動ジョイント51を介して各導電性素子23,25に接続されているので、ケーブル組立体11が接続された基板9の筐体7への設置がしやすくなっている。
【0067】
また、アンテナ1によれば、先端側ケース75が基端側ケース81に対して回動位置決め自在になっているので、アンテナ1の指向性を調整することが容易になる。
【0068】
ここでアンテナ1の試験結果について説明する。
【0069】
試験は、
図1の状態と
図2の状態とで行った。アンテナ1は、800MHz帯域の所定の周波数と、2GHz帯域の所定の周波数とが共振周波数になっている。
図1は、アンテナ1の実際の使用態様を示しており、専用アタッチメント85を機器3の電源を使用して駆動し、アンテナ1から送信し基地局のアンテナ83で受信している。
図2は、アンテナ1の基準となる使用態様を示しており、専用アタッチメント85を機器3の電源でなくて専用の冶具87を使用して駆動し、アンテナ1から送信し基地局のアンテナ83で受信している。
【0070】
図2に示す態様では、800MHzの帯域の周波数で送信したとき、従来と同様に基板とケーブルとがくっついているアンテナでは、受信感度が−111.6dBmであり、本発明の実施形態にかかるアンテナ1では、受信感度が−112.8dBmであり、大きな差はなかった。なお、受信感度は、その値の絶対値が大きいほど、感度が良いことを示している。
【0071】
図1に示す実際の使用の態様では、800MHzの周波数で送信したとき、従来と同様に基板とケーブルとがくっついているアンテナでは、受信感度が−90.3dBmであり、本発明の実施形態にかかるアンテナ1では、受信感度が−101.3dBmであり、大きな差が出た。アンテナ1のほうが、受信感度が明らかに良くなっている。
【0072】
なお、2GHzの帯域の周波数で送信したときには、受信感度の差は、ほとんどでなかった。