(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148916
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】スライドレールのロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 65/46 20170101AFI20170607BHJP
A47B 88/493 20170101ALI20170607BHJP
F16C 29/04 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
A47B88/00 F
A47B88/10 A
F16C29/04
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-139864(P2013-139864)
(22)【出願日】2013年7月3日
(65)【公開番号】特開2015-12913(P2015-12913A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002255
【氏名又は名称】日本アキュライド株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 正彦
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−8308(JP,A)
【文献】
特開2003−199637(JP,A)
【文献】
特開2004−113512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
A47F 5/00− 8/02
E05D 15/00−15/58
E05B 65/44−65/52
F16C 29/00−31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック等の本体に固定される固定側レールと、固定側レールに対し摺動自在に配設された中間レールと、中間レールに対し摺動自在に配設された移動側レールと、固定側レールの前端部内面に着脱自在に設けられた係止部材と、係止部材に対応して、移動側レールの前端部内面に設けられたロック部材よりなるスライドレールのロック装置において、係止部材は、固定側レールに嵌合される上下嵌合突部と、上下嵌合突部間に連設され、スライドレールの摺動方向に不動に取り付けられる固定部と、固定部の内面に連設される係止突起が、合成樹脂材より一体に形成され、ロック部材は、移動側レールに嵌合される上下弾性翼部と、上下弾性翼部のスライドレールの摺動方向中央部間に連設され、移動側レールに回動自在で、スライドレールの摺動方向に不動に取り付けられる固定基板部と、固定基板部の前方に連設され、前記係止突起に係止するロック用突起を有するロック部と、ロック部の前方に連設されて、移動側レールの前方に突出し、固定基板部を上下いずれかの方向に回動させて、ロック用突起と係止突起の係止状態を解除する操作用腕部が合成樹脂材より一体に形成されていることを特徴とするスライドレールのロック装置。
【請求項2】
係止突起は、前端側に形成された案内傾斜部と、後端に形成された当接係止部を有し、ロック用突起は、案内傾斜部に対応して被案内傾斜部と、当接係止部に対応して当接ロック部を有していることを特徴とする請求項1に記載のスライドレールのロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚等の棚板類が本体内に収納された状態を維持するスライドレールのロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前記スライドレールのロック装置として数々のものが提供されている。
その代表的なものとして先行技術文献1(特許文献1)に示すように、ラック等の本体に固定される固定側レールと、固定側レールに対し摺動自在に配設された移動側レールと、移動側レールの前端部内面に設けられたロック片とよりなるスライドレールにおいて、前記固定側レールの基板前端部に移動側レールの方向に突出する係止突片が形成され、前記ロック片は、移動側レールの前方に突出する操作突部と、係止突片側に突出し前端が係止突片に係止する位置で、後端が係止突片から外れた位置に傾斜する案内傾斜部と、案内傾斜片の係止状態を維持する係止状態維持部を有し、移動側レールと平行に回動自在で、常に案内傾斜部が係止突片に係止する方向に回動力が付与されているものである。
そして、前記回動力は、巻きバネを使用することによって得ていた。
【0003】
すなわち、ロック装置は、ロック片(右用、左用が必要)、巻きバネ、リベット等、部品点数が多くなり在庫管理、コスト等の問題があった。さらに、スライドレールにロック装置を組み付ける際、巻きバネを弾性変形させた状態で組み付けなければならず、この作業が非常に煩雑で、生産性がよくなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3594494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な構造でコンパクトに構成でき、部品点数も少なく安価に製作でき、作業性にも優れ、既に製作された一般的なスライドレールにもロック機能を付加することができるスライドレールのロック装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、ラック等の本体に固定される固定側レールと、固定側レールに対し摺動自在に配設された中間レールと、中間レールに対し摺動自在に配設された移動側レールと、固定側レールの前端部内面に着脱自在に設けられた係止部材と、係止部材に対応して、移動側レールの前端部内面に設けられたロック部材よりなるスライドレールのロック装置において、係止部材は、固定側レールに嵌合される上下嵌合突部と、上下嵌合突部間に連設され、スライドレールの摺動方向に不動に取り付けられる固定部と、固定部の内面に連設される係止突起が、合成樹脂材より一体に形成され、ロック部材は、移動側レールに嵌合される上下弾性翼部と、上下弾性翼部のスライドレールの摺動方向中央部間に連設され、移動側レールに回動自在で、スライドレールの摺動方向に不動に取り付けられる固定基板部と、固定基板部の前方に連設され、前記係止突起に係止するロック用突起を有するロック部と、ロック部の前方に連設されて、移動側レールの前方に突出し、固定基板部を上下いずれかの方向に回動させて、ロック用突起と係止突起の係止状態を解除する操作用腕部が合成樹脂材より一体に形成されているものである。
【0007】
上記課題を解決する為、本発明が第2の手段として構成したところは、前記第1の手段に加え、係止突起は、前端側に形成された案内傾斜部と、後端に形成された当接係止部を有し、ロック用突起は、案内傾斜部に対応して被案内傾斜部と、当接係止部に対応して当接ロック部を有しているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の手段として構成したところによると、係止部材とロック部材は合成樹脂材より形成され、係止部材は上下嵌合突部と固定部を有し、ロック部材は移動側レールに嵌合される上下弾性翼部と固定基板部を有しているので、移動側レール、あるいは、固定側レールに工具を使用せずに取り付けることができる。ロック部材は固定基板部を回動自在とし、ロック部を固定基板部の前方に連設しているので、操作用腕部に上下いずれかの方向に回動力を付与すれば、ロック用突起と係止突起の係止状態を解除することができるので、係止部材と、ロック部材は左右兼用とすることができ、部材点数を削減し、安価に製作することができる。又、回動力を解除すれば、上下弾性翼片によってもとの形状に復帰することができる。
【0009】
本発明の第2の手段として構成したところによると、ロック用突起と係止突起の係止状態を解除して、移動側レールを前方に移動させると、ロック用突起は係止突起に係止する位置に復帰しているが、再び、移動側レールを収納していくと、係止用突起の案内傾斜部に対応して被案内傾斜部が形成されているので、係止突起は移動側レールの収納に影響しない位置に変位し、係止突起を通過すると、当接ロック部は、係止突起の当接係止部に当接する位置に復帰し、移動側レールをロック状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のスライドレールの伸長途中状態の斜視図である。
【
図3】移動側レールとロック部材の要部斜視図である。
【
図6】固定側レールと係止部材の要部斜視図である。
【
図7】スライドレールのロック状態の説明図である。
【
図8】ロック用突起が係止突起の上方向に移動し、ロック状態が解除された状態 を示す説明図である。
【
図9】ロック用突起が係止突起の下方向に移動し、ロック状態が解除された状態 を示す説明図である。
【
図10】ロック用突起が係止突起に接触しながら、移動側レールが摺動している状 態を示す説明図である。
【
図11】ロック用突起の被案内傾斜面と係止突起の案内傾斜面が接触している状態 を示す説明図である。
【
図12】移動側レールが引き出されて、ロック部材が係止部材の前方に位置した状 態を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ラック等の本体に固定される固定側レールと、固定側レールに対し摺動自在に配設された中間レールと、中間レールに対し摺動自在に配設された移動側レールと、固定側レールの前端部内面に着脱自在に設けられた係止部材と、係止部材に対応して、移動側レールの前端部内面に設けられたロック部材よりなるスライドレールのロック装置において、係止部材は、固定側レールに嵌合される上下嵌合突部と、上下嵌合突部間に連設され、スライドレールの摺動方向に不動に取り付けられる固定部と、固定部の内面に連設される係止突起が、合成樹脂材より一体に形成され、係止突起は、前端側に形成された案内傾斜部と、後端に形成された当接係止部を有し、ロック部材は、移動側レールに嵌合される上下弾性翼部と、スライドレールの摺動方向中央部で上下弾性翼部間に連設され、移動側レールに回動自在で、スライドレールの摺動方向に不動に取り付けられる固定基板部と、固定基板部の前方に連設され、前記係止突起に係止するロック用突起を有するロック部と、ロック部の前方に連設されて、移動側レールの前方に突出し、固定基板部を上下いずれかの方向に回動させて、ロック用突起と係止突起の係止状態を解除する操作用腕部が合成樹脂材より一体に形成され、ロック用突起は、案内傾斜部に対応して被案内傾斜部と、当接係止部に対応して当接ロック部を有しているものである。
【実施例】
【0012】
スライドレールの基本的構成を
図1、
図2に基づいて説明する。
スライドレール100は、陳列棚等の本体の内面に連結ネジ等で連結される固定側レール1と、固定側レール1に対し、固定側ボール保持板3に回転自在に保持された複数個のボール30・・・を介して摺動自在に設けられた中間レール4と、中間レール4に対し、移動側ボール保持板5に回転自在に保持された複数個のボール50・・・を介して摺動自在に設けられた移動側レール2より構成され、移動側レール2が固定側レール1に収納された状態を保持する係止部材7が固定側レール1の前端部内面に、係止部材7に係脱自在のロック部材6が、移動側レール2の前端部内面に設けられている。(
図1参照)
【0013】
固定側レール1は、金属製の細長条板の短手両端部を内向き円弧状に折り曲げて形成された内面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する上下折曲縁11、11と、基板12より断面略C字形をなし、摺動方向前部に、基板12の一部が移動側レール2方向に突出し、固定側ボール保持板3、中間レール4、移動側ボール保持板5等を介して、移動側レール2を最大引き出した状態で停止させ、スライドレール100を最大伸長となすレール伸長時ストッパー13と、摺動方向後端部に、基板12を移動側レール2方向に突出し、中間レール4等を介して、移動側レール2が最も収納された状態で停止させ、スライドレール100を最短縮小状態となすレール短縮時ストッパー130が形成されている。
【0014】
移動側レール2は、固定側レール1とほぼ同等の長さで、金属製の細長条板の短手両端部を内向き円弧状に折り曲げて形成された内面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する上下折曲縁21、21と、基板22より固定側レール1に対向する断面略C字形に形成されている。
そして、基板22の前部には、前記固定側レール1方向に突出し、移動側レール2の収納時に中間レール4の前端に当接する移動側レール収納時ストッパー221が形成され、基板22の後端部には、スライドレール100の最大伸長状態で移動側ボール保持板5の後端に当接する移動側レール後端ストッパー220が形成されている。
【0015】
中間レール4は、帯状金属板にて上記固定側レール1と移動側レール2間に挿入可能な大きさに形成されている。
すなわち、金属製の細長条板の短手両端部を外向き円弧状に折り曲げて、外面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する上下折曲縁42、42と基板41からなる断面略C字形に形成された固定側中間レールと、固定側中間レールと左右対称形で、金属製の細長条板の短手両端部を外向き円弧状に折り曲げて、外面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する上下折曲縁43、43と基板40からなる断面略C字形に形成された移動側中間レールよりなり、互いの基板41,40を摺動方向にややずらして固着された、断面略I字形で、固定側レール1及び移動側レール2とほぼ同長に形成されている。
【0016】
そして、中間レール4の基板41の後端部に固定側レール1側に突出し、移動側レール2の引き出し時、固定側ボール保持板3の後端部に当接すると共に、移動側レール2の収納時、固定側レール1のレール短縮時ストッパー130の内面に当接する中間レール後端ストッパー45が形成され、基板40の前端部に移動側レール2側に突出し、移動側レール2の引き出し時、移動側ボール保持板5の前端部が内面に当接すると共に、移動側レール2の収納時、前記移動側レール収納時ストッパー221の内面が当接する中間レール前端ストッパー44が形成されている。
【0017】
固定側ボール保持板3は帯条金属板にて中間レール4より所定寸法短くした、固定側レール1と中間レール4間に挿入可能な大きさの基板31と、固定側レール1と中間レール4の各上下折曲縁11、11、42、42間に位置する上下突出縁32、32より断面略コ字形に形成され、上下突出縁32、32の長手方向(摺動方向)数個所でボール30・・・を回転自在に保持している。
【0018】
移動側ボール保持板5は帯条金属板にて中間レール4より所定寸法短くした、移動側レール2と中間レール4間に挿入可能な大きさの基板51と、移動側レール2と中間レール4の各上下折曲縁21、21、43、43間に位置する上下突出縁52、52より断面略コ字形に形成され、突出縁52、52の長手方向(摺動方向)数個所でボール50・・・を回転自在に保持している。
【0019】
スライドレール100は上記の如く構成され、移動側レール2が固定側レール1に最も収納された状態(最短縮小状態)では、中間レール後端ストッパー45が、固定側レール1のレール短縮時ストッパー130の前面に当接し、移動側レール2の移動側レール収納時ストッパー221が中間レール前端ストッパー44の前面に当接し、ロック部材6が、固定側レール1の係止部材7に係止している。(ロック状態。尚、この状態でロック部材6と係止部材7の係止状態を解除するための解除用クリアランスが設けられ、移動側レール2はスライドレール100の摺動方向に若干移動可能となっている。)
【0020】
この状態から、ロック部材6の係止部材7に対する係止状態を解除して、移動側レール2を前方に引き出していくと、移動側レール2の移動距離の2分の1の距離だけ移動側ボール保持板5は移動し、中間レール4の移動距離の2分の1の距離だけ固定側ボール保持板3は移動するので、移動側レール後端ストッパー220の前面が移動側ボール保持板5の後端に当接し、移動側ボール保持板5の前端が中間レール4の中間レール前端ストッパー44の後面に当接して、中間レール4の中間レール後端ストッパー45の前面が固定側ボール保持板3の後端に当接し、固定側ボール保持板3の前端が、固定側レール1のレール伸長時ストッパー13の後面に当接して、移動側レール2、中間レール4は停止し、スライドレール100は最大伸長状態となる。
【0021】
次に、第1実施例のロック部材6を
図1、
図3、
図4に基づいて説明する。
第1実施例のロック部材6は、移動側レール2の上下折曲縁21、21の内面に嵌合する上下弾性翼部61、61と、上下弾性翼部61、61のスライドレール100の摺動方向中央部間に連設され、移動側レール2に回動自在で、スライドレール100の摺動方向に不動に取り付けられる固定基板部62と、固定基板部62の前方に連設され、固定側レール1側の面に上下ロック用突起631、631を有するロック部63と、ロック部63の前方に連設されて、移動側レール2の前方に突出し、固定基板部62を上下いずれかの方向に回動させる操作用腕部64より構成され、合成樹脂材より一体に成形されている。
そして、固定基板部62の裏面側(移動側レール2の基板22側の面)には、移動側レール2の基板22前端部内面に形成された枢軸用突起220に嵌合し、スライドレール100の摺動方向に不動で回動自在に保持されるための回動保持用凹部621が形成されている。符号620、620は材料費削減のための抜き孔を示している。
【0022】
上下ロック用突起631、631は同形に形成されているので、一方側についてのみ説明する。
上ロック用突起631は、前端部に円弧状に形成され、係止部材7に係止する上当接ロック部632と、上ロック用突起631の下面側の後部を後方に向かって上方に傾斜させた上被案内傾斜部633より、側面視横向き略三角形状に形成されている。
符号634、634は、上下ロック用突起631、631が回動保持用凹部621を中心に上下方向に回動したとき、上下弾性翼部61、61に当接するのを避けるための上下切り落とし段部を示している。
【0023】
係止部材7は、固定側レール1の上下折曲縁11、11の内面に形成されたボール案内溝に嵌合される上下嵌合突部71、71と、上下嵌合突部71、71間に連設された固定部72より、合成樹脂材にて一体に形成されている。
そして、固定部72の固定側レール1の基板12側の面に、固定側レール1の基板12に形成された取付用嵌合孔121、121に嵌合する嵌合突起721、721が連設され
移動側レール2側の面に前記ロック部材6の上下ロック用突起631、631に対応して、上下係止突起73、73が連設され、上下係止突起73、73の後方に、固定側レール1の基板12に形成された取付用突起122に嵌合する嵌合孔722が形成されている。
【0024】
上下係止突起73、73は同形に形成されているので、一方側についてのみ説明する。
上係止突起73は、上面前端部に前記上ロック用突起631に形成された上被案内傾斜部633に対応して、前方に向かって下方に傾斜する上案内傾斜部731と、上当接ロック部632に対応して後端部に形成された上当接係止部732より、側面視横向き略三角形状に形成されている。
【0025】
第1実施例のロック部材6と係止部材7は上記の如く形成され、移動側レール2が最大伸長状態(引出し、棚板等が最も引き出された状態)から移動側レール2を収納していくと、固定側レール1に対して中間レール4が先に収納されたり、或いは、中間レール4に対し移動側レール2が先に収納されたり、さらには、移動側レール2の中間レール4に対する収納と、固定側レール1に対する中間レール4の収納が同時に行われたりする。
【0026】
しかしながら、ロック部材6は、移動側レール収納時ストッパー221の前方に設けられているので、移動側レール2と中間レール4の固定側レール1に対する収納順位にかかわらず、最終的には、ロック部材6の上下ロック用突起631、631に形成された上下被案内傾斜部633、633の収納方向先端側の下面が、係止部材7に形成された上下係止突起73、73の上下案内傾斜部731、731の引き出し側先端部上面に接触する。(
図11に実線で示す状態。)
【0027】
さらに、移動側レール2を収納させると、上下係止突起73、73の上下案内傾斜部731、731に接触しながら、同時に上下弾性翼片61、61を弾性変形させつつ、固定基板部62の回動保持用凹部621を中心にロック部63を回動させ、上下ロック用突起631、631は上方に移動する。(
図10に示す状態。)
【0028】
さらに、移動側レール2を収納させると、上下ロック用突起631、631の上下当接ロック部632、632が、係止部材7の上下係止突起73、73上を収納側に通過すると、(
図8に示す状態。)上下弾性翼片61、61の弾性によって、ロック部63は元の状態に回動し、上下ロック用突起631、631も元の位置に復帰し、スライドレール100は、最短縮小状態となる。(
図7に示す状態。)
【0029】
すなわち、中間レール後端ストッパー45が、固定側レール1のレール短縮時ストッパー130の前面に当接し、移動側レール2の移動側レール収納時ストッパー221が中間レール前端ストッパー44の前面に当接し、ロック部材6の上下当接ロック部632、632が係止部材7の上下当接係止部732、732に係止している。(ロック状態。尚、この状態でロック部材6と係止部材7の係止状態を解除するための解除用クリアランスが上下当接ロック部632、632と上下当接係止部732、732間に形成され、移動側レール2はスライドレール100の摺動方向に若干移動可能となっている。)
【0030】
この状態から、移動側レール2(棚板等)を引き出すときは、棚板の上面と操作用腕部64の下面を指先で摘むようにして、上下弾性翼片61、61を弾性変形させながら、固定基板部62の回動保持用凹部621を中心にロック部63を回動させるように、操作用腕部64を上方に移動させて、上下ロック用突起631、631を、係止部材7の上下係止突起73、73の上方に位置させる。(
図8に示す状態。ただし、係止部材7とロック部材6は左右に対向するスライドレール100、100に兼用して使用されるので、一方側のスライドレール100に取り付けられた係止部材7とロック部材6は、上下逆使いとなる
図9の状態で使用される。)
【0031】
さらに、上記の上記状態を維持しながら、ロック部材6の上下ロック用突起631、631が係止部材7の上下係止突起73、73の上方を通過するまで、移動側レール2を引き出し、操作用腕部64から指先をはなすと、上下弾性翼片61、61の弾性によって、ロック部63は元の状態に回動し、上下ロック用突起631、631も元の位置に復帰し、やがて、移動側レール2は
図12に示す引出途中から最大伸長状態となって停止する。
【0032】
尚、ロック状態(スライドレール100の最短縮小状態)で、ロック部材6と係止部材7の係止状態を解除するための解除用クリアランスが上下当接ロック部632、632と上下当接係止部732、732間に形成されているので、スライドレール100が傾斜棚に使用されているときは、係止部材7の上下当接係止部732、732にロック部材6の上下当接ロック部632、632が当接しているので、ロック部材6の操作用腕部64を上方に移動させるとき、移動側レール2が後方に若干移動することとなるが、棚板を腕(指先)で支えながらロック解除を行うので、傾斜棚であっても不測に棚板が飛び出すことがなく、操作を安全に行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 固定側レール
100 スライドレール
2 移動側レール
221 移動側レール収納時ストッパー
4 中間レール
6 ロック部材
61、61 上下弾性翼部 連結部
62 固定基板部
63 ロック部
631、631 上下ロック用突起
632、632 上下当接ロック部
633、633 上下案内傾斜部
64 操作用腕部
7 係止部材
71、71 上下嵌合突部
72 固定部
73、73 上下係止突起
731、731 上案内傾斜部
732、732 上当接係止部