特許第6149035号(P6149035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6149035
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】通信端末および方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20170607BHJP
   H04W 4/14 20090101ALI20170607BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20170607BHJP
   H04W 80/06 20090101ALI20170607BHJP
【FI】
   H04W28/06
   H04W4/14
   H04W4/04 190
   H04W80/06
【請求項の数】9
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2014-523382(P2014-523382)
(86)(22)【出願日】2012年7月23日
(65)【公表番号】特表2014-524222(P2014-524222A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】GB2012051766
(87)【国際公開番号】WO2013017840
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年5月12日
(31)【優先権主張番号】1113145.5
(32)【優先日】2011年7月29日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1113144.8
(32)【優先日】2011年7月29日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1209525.3
(32)【優先日】2012年5月29日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513018028
【氏名又は名称】エスシーエー アイピーエルエー ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】バレット ステファン ジョン
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/051753(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/122219(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/119680(WO,A2)
【文献】 Sierra Wireless, HTC, Orange, Alcatel-Lucent, Panasonic, KPN,Clarifications and evaluations for DT-GW solution,SA WG2 Meeting #86 S2-113676,2011年 7月14日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_86_Naantali/docs/S2-113676.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信ネットワークへまたはモバイル通信ネットワークから無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための通信端末であって、当該モバイル通信ネットワークは、
前記通信端末へまたは前記通信端末から前記無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための複数の基地局を備える無線ネットワーク部分と、
前記データパケットを前記無線ネットワーク部分から送信先アドレスへ通信し、または前記データパケットをソースアドレスから前記無線ネットワーク部分へ通信するように構成されるコアネットワーク部分と、
を含み、前記モバイル通信ネットワークは、前記通信端末へまたは前記通信端末から前記無線ネットワーク部分および前記コアネットワーク部分を介して前記データパケットを通信するための1つ以上の通信ベアラを確立するように構成され、当該1つ以上の通信ベアラの各々は、前記通信端末から前記送信先アドレスへのまたはソースアドレスから前記通信端末への1つ以上の接続に関連付けられるコンテキスト情報を用いて確立され、前記通信端末のうちの1つは、
アイドル状態において、前記通信端末の送信機を構成するための所定のパラメータを用いて、ショートメッセージデータパケットを前記無線ネットワーク部分の前記基地局のうちの1つへシグナリングメッセージとして通信するように構成され、当該所定のパラメータは、当該基地局内の受信機を前記ショートメッセージデータパケットを受信するように構成するために用いられるパラメータに対応し、前記ショートメッセージデータパケットは、当該ショートメッセージデータパケットを前記モバイル通信ネットワークの移動性マネージャへ通信するための、前記モバイル通信ネットワークによる使用のためのコンテキストを維持する条件を示すコンテキスト情報の標識を含み、前記条件は、前記通信端末と前記移動性マネージャとの間で送受信されるパケット数に基づく、通信端末。
【請求項2】
前記ショートメッセージデータパケットは、前記通信端末が前記モバイル通信ネットワークの前記基地局にアタッチされる際に前記モバイル通信ネットワークによって前記通信端末へ提供された、前記通信端末のIDを含む、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記通信端末の前記IDは、一時的なIMSI番号である、請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記ショートメッセージデータパケットは、前記基地局への当該ショートメッセージデータパケットを識別するフィールドを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
前記ショートメッセージデータパケットが前記基地局へ通信されることができるように、前記通信端末の前記送信機を構成するための前記所定のパラメータは、前記通信端末と前記基地局との間に一時的なコンテキストを確立し、当該一時的なコンテキストは、前記ショートメッセージデータパケットを前記通信端末と前記基地局との間で通信するための無線ベアラを提供する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記通信端末は、前記ショートメッセージデータパケットが前記基地局によって受信された後、前記無線ベアラを除去するように構成される、請求項5に記載の通信端末。
【請求項7】
前記通信端末は、前記移動性マネージャから通信される、当該移動性マネージャによる前記ショートメッセージデータパケットの受信を確認応答するための確認応答メッセージを受信し、および、当該確認応答メッセージに応じて、前記無線ベアラを除去するように構成される、請求項5に記載の通信端末。
【請求項8】
前記ショートメッセージデータパケットが前記基地局へ通信されることができるように、前記通信端末の前記送信機を構成するための前記所定のパラメータは、前記ショートメッセージデータパケットを表す無線信号を送信するための電力制御レベル設定電力、当該無線信号を用いて前記ショートメッセージデータパケットを前記通信端末から前記基地局へ通信するための、前記ショートメッセージデータパケットの変調および符号化のうちの少なくとも1つを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項9】
通信端末からモバイル通信ネットワークを介してショートメッセージデータパケットを通信する方法であって、当該モバイル通信ネットワークは、前記通信端末へまたは前記通信端末から無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための複数の基地局を備える無線ネットワーク部分と、前記データパケットを前記無線ネットワーク部分から送信先アドレスへ通信し、または前記データパケットをソースアドレスから前記無線ネットワーク部分へ通信するように構成されるコアネットワーク部分と、を含み、前記方法は、
前記通信端末へまたは前記通信端末から前記無線ネットワーク部分および前記コアネットワーク部分を介して前記データパケットを通信するための1つ以上の通信ベアラを確立することと、当該1つ以上の通信ベアラの各々は、前記通信端末から前記送信先アドレスへまたはソースアドレスから前記通信端末への1つ以上の接続に関連付けられるコンテキスト情報を用いて確立されることと、を含み、前記確立することは、
前記ショートメッセージデータパケットを前記通信端末から前記基地局へ通信するための無線通信ベアラを確立することと、
アイドル状態において、前記通信端末の送信機を構成するための所定のパラメータを用いることと、当該所定のパラメータは、前記基地局内の受信機を前記ショートメッセージデータパケットを受信するように構成するために用いられるパラメータに対応することと、前記ショートメッセージデータパケットは、当該ショートメッセージデータパケットを前記モバイル通信ネットワークの移動性マネージャへ通信するための、前記モバイル通信ネットワークによる使用のためのコンテキストを維持する条件を示すコンテキスト情報の標識を含み、前記条件は、前記通信端末と前記移動性マネージャとの間で送受信されるパケット数に基づくことと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル通信ネットワークへまたはモバイル通信ネットワークから無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPに基づいて定められたUMTSおよびLong Term Evolution(LTE)アーキテクチャのような第3および第4世代モバイル通信システムは、前世代のモバイル通信システムによって提供される単純な音声やメッセージングサービスよりも高度なサービスをサポートすることができる。
【0003】
例えば、LTEシステムによって提供される改善型の無線インターフェースおよび強化されたデータレートによって、ユーザは、以前は固定回線のデータ接続を介してのみ利用可能であったモバイルビデオストリーミングおよびモバイルビデオ会議といった高データレートのアプリケーションを享受可能である。そのため、第3および第4世代ネットワークの展開への要望は強く、これらのネットワークのカバレッジエリア、つまり、ネットワークに対するアクセスが可能な地理的な場所が急速に増加することが予想される。
【0004】
第3および第4世代ネットワークの予想される広域展開によって、あるクラスの端末およびアプリケーションが並行開発されており、それらのクラスの端末およびアプリケーションは、利用可能な高データレートを利用するということよりも、むしろロバストな無線インターフェースおよびカバレッジエリアの偏在性の向上を利用する。例として、少量のデータを相対的に低い頻度で通信する準自律的または自律的なワイヤレス通信端末(つまり、MTC端末)に代表されるような、いわゆるマシンタイプコミュニケーション(MTC)のアプリケーションが含まれる。したがって、MTC端末の使用は、従来のLTE端末のための従来の「always−on」の使用例とは異なり得る。MTC端末の例として、いわゆるスマートメータ、例えば、消費者の家に設置され、MTC中央サーバデータに返る消費者のガス、水道、電気などの公共施設の使用量に関係する情報を定期的に送信するスマートメータが含まれる。スマートメータの例では、メータは、小データ送信の受信(例えば、新たな価格プラン)および小データ送信の伝送(例えば、新たな示度)を共に行い得るが、それらのデータ送信は、一般的には低頻度であり、遅延耐性のある送信である。MTC端末の特徴としては、例えば、low mobility、time controlled、time tolerant、packet switched(PS) only、small data transmissions、mobile originated only、infrequent mobile terminated、MTC monitoring、priority alarm、secure connection、location specific trigger、network provided destination for uplink data、infrequent transmission、およびgroup based MTC feature(例えば、group based policingおよびgroup based addressing)のうちの1以上が含まれ得る。MTC端末の他の例として、自動販売機、「サトナブ」端末、および防犯カメラまたは防犯センサなどが含まれ得る。
【0005】
近年開発されたモバイルネットワークは、一般的に、高レートであり、かつ高い信頼性を有するサービスによく適合しており、必ずしもMTCサービスに十分には適合していない場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、モバイル通信ネットワークへまたはモバイル通信ネットワークから無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための通信端末が提供される。モバイル通信ネットワークは、モバイル通信端末へまたはモバイル通信端末から無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための複数の基地局を備える無線ネットワーク部分と、データパケットを無線ネットワーク部分から送信先アドレスへ通信し、またはデータパケットをソースアドレスから無線ネットワーク部分へ通信するように構成されるコアネットワーク部分と、を含む。モバイル通信ネットワークは、通信端末へまたは通信端末から無線ネットワーク部分およびコアネットワーク部分を介してデータパケットを通信するための1つ以上の通信ベアラを確立するように構成され、当該1つ以上の通信ベアラの各々は、通信端末から送信先アドレスへのまたはソースアドレスから通信端末への1つ以上の接続に関連付けられるコンテキスト情報を用いて確立される。通信端末は、アイドル状態において、モバイル通信端末の送信機を構成するための所定のパラメータを用いて、ショートメッセージデータパケットを無線ネットワーク部分の基地局のうちの1つへシグナリングメッセージとして通信するように構成され、当該所定のパラメータは、当該基地局内の受信機をショートメッセージデータパケットを受信するように構成するために用いられるパラメータに対応し、当該ショートメッセージデータパケットは、当該ショートメッセージデータパケットをモバイル通信ネットワークの移動性マネージャへ通信するための、モバイル通信ネットワークによる使用のためのコンテキスト情報の標識を含む。
【0007】
本発明の実施形態は、通信端末と基地局との間におよび基地局から移動性マネージャへ通信ベアラを確立しまたは一時的にのみ確立することなく、データパケットを「コンテキストレスな(context−less)」または「擬似コンテキストレスな(quasi−context−less)」手法でシグナリングメッセージとして通信するための構成を提供することができる。それによって、必要とされるシグナリングオーバーヘッドの量が低減され、これは、比較的少量のデータを通信する効率的な手法となり得る。本発明の実施形態は、一例において、MTCタイプのアプリケーションについて展開されるものといった、より簡単なデバイスから少量のデータを通信するために用いられることができる。
【0008】
小さいMTCメッセージの配信のための様々なシステムアーキテクチャのオプションが存在する。1つのオプションは、通信端末とMTCサーバとの間にインターネットプロトコル(IP)接続を確立することである。従来のIPスタックをモバイル通信端末において提供することは、アプリケーション開発の観点から魅力的となり得る。しかしながら、移動性の期間中にユーザプレーンベアラを確立しおよびコアネットワークトンネルを管理するために必要とされる、接続由来の(connection oriented)シグナリングに関連付けられるオーバーヘッドは、潜在的に数バイトのみのアプリケーションデータが転送される必要がある場合、過剰となり得る。別のオプションであって、多くの既存のGSM/UMTS広域セルラMTCアプリケーションによって利用されるオプションは、ショートメッセージサービスを使用することである。SMSによれば、メッセージは、制御プレーン上で搬送され、ユーザプレーン接続を確立することに関連付けられるシグナリングオーバーヘッドおよびそれらに関連付けられるトンネルは、回避されることができる。SMSの利点は、SMSサービスセンタ(SMS−SC)内への格納および転送機能の提供である。これは、通信端末がカバレッジ外に存在し、または電力を使い果たした場合、メッセージはバッファリングされ、当該端末がカバレッジ内に戻るとき、または再アタッチされる(reattaches)ときまで待機するであろうことを意味する。3GPP LTEリリース10において、LTE上のSMSは、MMEとレガシーの2G/3Gコアネットワークとの間の相互接続(いわゆるSG上のSMS)を通じて、または、IP PDN接続上でサポートされるIMS接続性を用いる、通信端末とレガシーのSMS−GMSC/SMS−IWMSCとの間の相互接続によって、促進される(facilitated)。
【0009】
本発明の実施形態は、アクセス層(AS:access stratum)セキュリティの確立を回避し、その代わりに非アクセス層(NAS:non access stratum)によって提供されるセキュリティに依拠することによって、シグナリングオーバーヘッドを低減する、SMSを強化する方法を提供することができる。同様に、少量のトラフィックのみが搬送されている場合、ネットワーク制御のハンドオーバベースの移動性管理への代替案も適当となり得る。
【0010】
いくつかの例において、ショートメッセージデータパケットは、モバイル通信端末のIDを含み、当該IDは、モバイル通信端末がモバイル通信ネットワークの基地局にアタッチした際にモバイル通信ネットワークによって通信端末へ提供されたものである。そのため、ショートメッセージデータパケット内にIDを含めるように通信端末を構成することによって、基地局は、ショートメッセージデータパケットを通信するために利用可能なコンテキストは存在しないことを認識し、および当該データパケットを通信するためにデフォルトのコンテキストまたは通信ベアラを使用することができる。基地局もショートメッセージデータパケットをシグナリングメッセージとして扱う場合、基地局は、ショートメッセージデータパケットを移動性マネージャへ通信するためのコンテキストを確立することができる。一例において、モバイル通信端末のIDは、一時的なIMSI(international mobile subscriber identity)番号またはその表示である。別の例において、ショートメッセージデータパケットは、基地局へのショートメッセージデータパケットを識別するフィールドを含む。そのため、基地局は、当該ショートメッセージが移動性マネージャへ通信されるべきであることを認識する。
【0011】
いくつかの実施形態において、基地局は、ショートメッセージデータパケットを通信するための一時的な無線ベアラを通信端末と基地局との間に確立し、当該無線ベアラは、ショートメッセージデータパケットが基地局によって受信された後、除去される。無線ベアラは、デフォルトの無線ベアラであってもよく、または通信端末と基地局との間におけるメッセージの交換後に確立されてもよい。
【0012】
本発明のさらなる態様および特徴は、添付の特許請求の範囲において規定され、基地局、モバイル通信端末、および方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ここで、本発明の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して説明される。類似する部分は、同じ指定の参照番号を有する。
【0014】
図1】LTE標準に従うモバイル通信ネットワークの概略的なブロック図である。
図2】従来のネットワークにおいて、端末が伝送したメッセージがたどるパスの例を示す。
図3】従来のLTEネットワークにおけるEMM状態とECM状態間の移行の例示である。
図4】可能な呼フローの例示であり、図2に対応する。
図5図4の概略的な例示である。
図6】ショートメッセージの通信に関連する呼フローの概略的な例示である。
図7】ショートメッセージの通信に関連する呼フローの概略的な例示である。
図8】ショートメッセージの通信に関連する呼フローの概略的な例示である。
図9】ショートメッセージの通信に関連する呼フローの概略的な例示である。
図10】ショートメッセージの通信に関連する呼フローの概略的な例示である。
図11】ショートメッセージを伝送するための可能なパスの例示である。
図12】ショートメッセージを伝送するための可能なパスの別の例示である。
図13】ショートメッセージを伝送するための可能なプロトコルスタックの例示である。
図14】ショートメッセージを伝送するための別の可能なプロトコルスタックの例示である。
図15図1および図2に示されるLTE標準に従うモバイル通信ネットワークの一部の概略的なブロック図であり、ある基地局から別の基地局へのモバイル通信端末の提携の変更を示す。
図16図15に示される移動性マネージャの概略的なブロック図である。
図17】本技術の一例に従うダウンリンクデータパケットを送致するための呼フロー処理の例示的な描写である。
図18】本技術の別の例に従うダウンリンクデータパケットを送致するための呼フロー処理の例示的な描写である。
図19】本技術のさらなる例に従うダウンリンクデータパケットを送致するための呼フロー処理の例示的な描写である。
図20】モバイル通信端末が、本技術に従って動作している際に採用し得る状態の例示的な構成を提供する。
図21】モバイル通信端末が、本技術に従って動作している際に採用し得る状態の例示的な構成を提供する。
図22】モバイル通信端末が、本技術に従って動作している際に採用し得る状態の例示的な構成を提供する。
図23】モバイル通信端末が、本技術に従って動作している際に採用し得る状態の例示的な構成を提供する。
図24】本技術に従う、従来のRRC接続状態とRRCメッセージング接続状態の両方に関するモバイル通信ネットワークの要素を経由した、パケットのパスの概略的な例示である。
図25】RRCメッセージング接続拘束(leashed)/解放(unleashed)状態、ならびにECMアイドル状態、ECMメッセージング接続状態およびECM接続状態の関係を示すテーブルである。
図26】ショートメッセージがモバイル端末によってコンテキストレスな手法で送信される処理の例示的なフロー図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施形態が3GPP LTEアーキテクチャとの関連で概略的に説明される。しかし、発明は3GPP LTEアーキテクチャでの実装に限定されない。逆に、いずれの適切なモバイルアーキテクチャも関連していることが想定される。
【0016】
<従来のネットワーク>
図1は、従来のモバイル通信ネットワークの基本的な機能性を示す概略的な図を提供する。ネットワークは、ユーザプレーンにおけるトラフィックのためのサービングゲートウェイ(S−GW)103および制御プレーンにおけるシグナリングのための移動性管理エンティティ(MME)に接続されている1以上の基地局102(基地局は1つ表されている)を含む。LTEでは、基地局は、e−NodeBと呼ばれ、以下の説明ではeNBと呼ぶ。各基地局は、カバレッジエリア103を提供し、カバレッジエリア103内において、データがモバイル端末101へ、およびモバイル端末101から通信され得る。データは、無線ダウンリンクを介して、基地局102からカバレッジエリア内のモバイル端末101へ送信される。データは、無線アップリンクを介して、モバイル端末101から基地局102へ送信される。MME105、S−GW103、およびPDNゲートウェイ(P−GW)104を含むコアネットワークは、データをモバイル端末101へ、およびモバイル端末101からルーティングし、認証、移動性管理、課金などの機能を提供する。P−GWは、例えば、インターネット、IMSコアネットワークなどを含み得る1以上の他のネットワークに接続される。図1の例示では、ユーザプレーンでの接続は、実線で表されているが、制御プレーンでの接続は、破線で表されている。
【0017】
図2は、モバイル端末101によって通信されたメッセージ130がたどるパスの例を示す。この例では、MTC端末101は、送信先120へメッセージ130を伝送することを希望しているが、送信先には、インターネットを介して到達可能である。この例では、送信先デバイスは、コンピュータとして表される。しかし、送信先120は、いずれの適切なタイプの要素でもあり得、その要素は、モバイル端末101によって、アドレス指定され得る。例えば、送信先デバイス120は、別の端末、パーソナルコンピュータ、サーバ、プロキシ、または(最終的な送信先への)中間要素であり得る。
【0018】
以下の説明では、モバイル端末がLTEネットワークを介して、メッセージ130を通信する動作例の概略的な説明を提供する。これによって、本技術のいくつかの態様および有益な点の認識が促進される。
【0019】
モバイル端末101がデータを送信先へ伝送するために、端末101とPGW104の間にEPSベアラがセットアップされる。EPSベアラは、図2に示すように、eNB102とSGWの間のGTPトンネル、およびSGWとPGW104の間の別のGTPトンネルを通して部分的に搬送される。メッセージ130が送信先デバイスへ搬送される際には、メッセージ130は、EPSベアラの第1の端において、端末101からeNB102(ステップ1)、そしてS−GW103(ステップ2)、次いでEPSベアラの他方の端において、P−GW104(ステップ3)へ伝送される。そして、P−GW104は、メッセージ130を送信先120へ回送する(ステップ4)。
【0020】
図3は、端末に対してLTE標準で規定されるECM状態(接続またはアイドル)とEMM状態(登録または未登録)の4通りの可能な組合せ間の様々な移行を示し、どのように端末の接続が管理されるかを示す。頭字語ECMは、「EPS接続管理(EPS Connection Management)」を表し、ECM状態とは、端末がMMEと非アクセス層(NAS:Non−Access Stratum)接続をセットアップするか否かを一般的に示す。LTEでは、端末は、MMEへ接続し、ECM_connectedへ切り替わる際、EPSベアラ、つまり、S−GWを介したP−GWへのデータ接続もセットアップする。また、端末がECM_connectedからECM_idleへ切り替わる際に、EPSベアラは切断され、全てのS1およびRRC接続がリリースされる。頭字語EMMは、「EPS移動性管理(EPS Mobility Management)」を表し、EMM状態とは、端末がネットワークにアタッチされるか否かを一般的に示す。端末がEMM_unregisteredにある場合、端末は、例えば、オフにされ得るか、カバレッジ外にあり得るか、または異なるネットワークに接続され得る。対照的に、端末がEMM_registeredにある場合、端末はネットワークにアタッチされているので、MMEにおけるIPアドレスおよびNASセキュリティコンテキストを有する。端末は、EPSベアラをセットアップしてもしなくともよいが、いずれの場合でも、端末は、MME(例えば、NASセキュリティコンテキスト)およびP−GW(例えば、IPアドレス)における、端末に関連付けられている一部のコンテキストを有する。さらに、どのトラッキングエリアにUEが配置されるかは、MMEに既知となる。次に、4つのECM/EMM状態およびそれらの間の移行を説明する。
【0021】
モバイル端末101は、状態153から始まると想定され、状態153では、モバイル端末101は、ネットワークに接続していない。状態153では、端末はEMM_unregisteredおよびECM_idle状態にある。この状態から、端末はネットワークにアタッチし得、EMM_registeredおよびECM_connected状態となる。しかし、アタッチするためには、まず、端末がECM_connectedに切り替わっていなければ、端末は、EMM_registeredに切り替わることができない。即ち、状態153から始まり、端末は状態152または151へ行くことができず、まず、状態154へ行かなければならない。そのため、矢印161によって示されるように、状態153の端末は、まず、ECM接続に切り替わり、次いで、EMM_registeredへ切り替わることによって、ネットワークにアタッチし得る。端末は、アタッチ手続きを状態153から始めるので、いずれの接続も有していない状態153から、MMEへのNAS接続、P−GWによって割り当てられるIPアドレス、ならびにe−NBおよびS−GWを介するP−GWへのEPSベアラを有する状態151へ移動する。
【0022】
状態151と152間の移行は、データ接続(EPSベアラ)がセットアップされる(164)か、または全てのデータ接続がリリースされている(165)際に生じる。一般的に、移行165は、ユーザがEPSベアラをアクティブにし、一定時間、ベアラを使用していなかった場合に生じる。そして、ネットワークは、端末が、もはやEPSベアラを必要といないと判定し得、したがって、全ての対応するリソースをリリースし得、かつ端末をECM_idleに切り替え得る。端末が、いずれのEPSベアラも使用しておらず(例えば、移行164に関する記載を参照)、現在、伝送または受信すべきデータを有している場合に、移行164は一般的に生じる。そして、EPSベアラがこの端末に対してセットアップされ、端末は、ECM_connectedに切り替えられる。端末がEMM_registeredの場合は常に、ECM状態に関わらず、端末は、端末に到達するために使用され得るIPアドレスを有する。換言すると、現在アクティブな実在のEPSベアラがない(例えば、状態152)場合、IPコンテキストはアクティブのままである。
【0023】
例えば、端末がオフにされるか、別のネットワークへ移動するか、またはその他のいずれかの理由により、端末がネットワークからデタッチする場合、端末は、現状のいずれかの状態から状態153に切り替わり、先に端末に対して維持されていたいずれかの未処理のEPSベアラまたはコンテキストを、移行162または163を介して、リリースする。
【0024】
理解されるように、端末がECM_connectedおよびEMM_unregisteredである状態154は、移行状態であり、端末は、一般的に、この特定の状態に留まらない。この状態の端末とは、状態153(デタッチされ、非アクティブ)から状態151(アタッチされ、アクティブ)に切り替わる端末または状態151から状態153に切り替わる端末である。
【0025】
RRC状態も提供され、端末とeNB間のRRC接続のステータス(RRC_connectedおよびRRC_idle)を反映する。従来の動作条件では、RRC状態は、ECM状態に対応する:端末がECM_connectedである場合、端末はRRC_connectedでもあり、端末がECM_idleである場合、端末は、RRC_idleでもある。接続がセットアップまたは切断されると、短い時間期間、EMC状態とRRC状態間に不一致が生じ得る。
【0026】
図4は、端末101から送信先120への接続をセットアップし、その接続を用いてデータを通信し、かつ端末101と送信先120の間の通信が完了した後に、その接続をリリースするために交換されるメッセージの例を示す。図4の呼フローは、概略的に4つのステップA〜Dに分割され得る。ステップAが始まる前に、端末101は、ECM_idle状態であり、これは、端末101が現在、通信していないことを意味する。ステップA(メッセージ1〜3)では、端末101とeNB102間の通信を制御するために、RRC接続が端末101とeNB102の間にセットアップされる。このRRC接続が成功裡に確立されると、ステップB(メッセージ3〜12)において、端末101は、MME105とNAS接続を確立し得る。この端末101からMME105へのNAS接続要求に従って、MMEは、端末101とP−GW103の間にS−GW103およびeNB102を介して接続(例えば、EPSベアラ)をセットアップし、この接続を制御する。ここでは示されていないが、接続(例えば、EPSベアラ)を、例えば、P−GW104、GTPトンネル、およびEPSベアラにセットアップするために、例えば、S−GW103からP−GW104へメッセージも伝送され得る。ステップBの最後に、端末101は、メッセージを伝送および受信するためにセットアップされ、利用可能なEPSベアラを有しているので、ECM−connected状態にある。図4の呼フローは例示であり、メッセージのうちのいくつかは、例えば、ステップA前のEMM状態に応じて、変化し得る。例えば、端末は、EMM_unregistered状態であり得、ステップB中にEMM_registeredに切り替わり得るか、またはステップAが始まる前に、既にEMM_registeredであり得る。
【0027】
この接続(例えば、EPSベアラ)がセットアップされると、端末101は、この接続を使用して、メッセージ130を送信先120へ伝送し得る(ステップC)。図4に示される例では、メッセージ130は、メッセージ13〜16を介して伝送され、メッセージ130の後に、メッセージ130が送信先120および/またはその最終的な送信先によって受信されたことを確認するための確認メッセージが伝送される。他の例では、メッセージ130を伝送するために用いられるプロトコルに依存することが多いが、いずれの確認メッセージもメッセージ13〜16後に伝送されない場合もある。UDPで稼働するアプリケーション層が確認の伝送を要求する場合、図4に示されるシナリオが適用可能であり得る。
【0028】
ステップCの完了の後の一定時点で、リソースがリリースされる(ステップD)。ステップDは、ステップCの後のいずれかの時点、例えば、メッセージ20の直後、または、それ以降の時点、例えば、端末101が通信を所定時間停止した後に起こり得る。ステップDの目的は、未使用の接続を全てリリースすること、つまり、MME105と端末101間のNAS接続をリリースする(これによって、S−GWとeNBと間のGTPトンネル、およびEPSベアラといったリソースもリリースされる)こと、および端末101とeNB102の間のRRC接続をリリースすることである。ここでも、ステップDの後、端末101が、EMM_registeredのままであるのか、またはEMM_unregisteredに切り替わるのか、ということによって、ステップDに対する呼フローは影響される傾向がある。例えば、端末101がRRC接続、NAS接続、およびEPSベアラを単にリリースする場合、端末は、EMM_registeredのままであり得るが、それは、端末が非常に長い間、非アクティブであったためである。あるいは、端末101は、(例えば、GSMネットワークへのハンドオーバに続いて)ネットワークからデタッチして、EMM_unregisteredに切り替わり得る。
【0029】
端末101が大量のデータを伝送および/または受信しなければならない場合、この接続方法は、大量のデータを送信するためのP−GWへの高スループットな接続のセットアップに効果的であり得る。しかし、この接続方法は、異なるパーティ間での多数のシグナリングメッセージの交換および多数の先進の接続(RRC、NAS、EPSなど)のセットアップに基づいており、端末の送信が実際には短い小送信である場合、システムを非効率的にし得る。このことは、MTCタイプの使用に関して当てはまる傾向がある。さらに、MTCタイプの使用では、デバイスを生産する費用を削減するために、従来のモバイル端末と比較して、機能性の低減を要求される傾向がある。なぜならば、MTCデバイスは、従来のモバイル端末よりも普及し、実利を求めることが予測されるので、MTCデバイスは、魅力的なように、より低費用で生産され、データを送受信するために、モバイル通信ネットワークを使用するからである。そのため、本技術は、従来のモバイル通信技術に適合するという利点を提供することを目的としている。特にデータ通信の点で、適合されたモバイル通信ネットワークが提供するような、従来の技術を使用するモバイル端末を実装する複雑さを低減し、それによって費用も削減する。これは、LTEネットワークを含む近年のネットワークは、高性能で移動性が高い端末用に設計されており、その結果として、移動中に大量のデータを送信する可能性のある端末をサポートするために、先進の移動性管理を用いて、高速で高い信頼性を有する接続のセットアップに通常は備えているためである。しかし、個人用電話程移動しておらず、かつ/または少量のデータのみを相対的に低い頻度で送信する端末の場合、端末が通信するために要求されるシグナリングの量および移動性トラッキングの量が過剰であり得る。特に、このタイプの端末にとっては受容可能な場合もある低いレベルの一部のサービスと比較すると、過剰であり得る。例えば、MTC端末は、人対人の端末よりも遅延耐性があり、送信中に移動および/またはセルの変更をする傾向が低く、通常、少量のデータを伝送または受信する。
【0030】
そのため、小メッセージを送信および/またはMTC通信するネットワークの効率性を改善する方法を提供することが望ましくあり得る。以下の節では、異なる例示的な技術を提供するが、それらは本技術の態様および特徴を形成する。
【0031】
<ショートメッセージの送信>
LTEでは、SMSは、現在、2通りの方法でサポートされ得る。第1の方法では、ショートメッセージは、レガシーSMSネットワークにインターワーク機能を提供するIMSコアにおいて、IPショートメッセージゲートウェイ(IP−SM−GW:IP Short Message Gateway)と呼ばれるアプリケーションサーバ(AS:Application Server)を介して伝達される。例えば、端末がSMSをLTEで伝送することを希望する場合、端末は、上記EPSベアラをセットアップし、EPSベアラを通して、SMSをIMSコアのIP−SM−GWへ伝送する。同様に、端末がSMSを受信する場合、ネットワークは、EPSベアラのセットアップをトリガし、次いで、IMSコアのIP−SM−GWは、SMSを端末へEPSベアラを通して回送する。上記のように、少なくともRRC接続、NAS接続、およびEPSベアラをセットアップおよび切断するために、多数のメッセージが交換されなければならず、これによって、頻度が低いショートメッセージの伝送および受信は非常に非効率的になる。当然、個人用電話の場合、ユーザは「always−on」の手法を十分に活用する傾向があり、ユーザは、大抵の場合、既にセットアップされたEPSベアラを他のサービス(例えば、電子メール、ウェブ閲覧など)に対して有し得る。しかし、MTC端末は、ショートメッセージを1通のみ伝送すればよく、それは、長い時間期間の間に伝送または受信された唯一のデータである場合がある。その場合、SMS over IMSを使用する際に、ショートメッセージをIMSコアに伝送するために、RRC接続、NAS接続、およびEPSベアラをセットアップすることは、非常に非効率的である。
【0032】
モバイルネットワークが、IMSコアに接続されていないか、またはUEがIMSの機能性を有していない場合、MMEとMSC間のSGインターフェースを介して、SMSメッセージをレガシーおよび回線交換(CS)コアへ転送するという一時的なソリューションが「SMS over SGs」という名称で提案されている。ショートメッセージは、RRCおよびNASを含む制御プレーンプロトコルを用いて、MMEとUEの間を伝達される。packet switched−onlyのモバイルネットワークは、高性能で使用率が高い端末用に設計されており、そのため、端末がサービス要求を伝送する場合、高容量なデータパス(例えば、EPSベアラ)が、その端末の使用のためにセットアップされるであろうことが想定されるが、サービス要求をトリガしたサービスの使用に必ずしも限定されない。したがって、端末が「always−on」モードにあり、新たなサービスごとに新たなベアラをセットする必要がないように、端末は、1以上のサービス(例えば、ウェブ閲覧、電子メールなど)にアクセスするために、このパスを使用し得る。そのため、端末がモバイルネットワークを用いて通信(例えば、SMSメッセージの伝送)を希望していることをネットワークに知らせるか、またはネットワークに端末と通信すべきデータ(例えば、SMSメッセージ)があることをネットワークが検出する際、まず、データパスが、端末がモバイルネットワークを用いて通信を始め得る前にセットアップされる。その結果、SMS over SGsに従って、SMSを伝送する端末は、MMEを介して、2G/3GネットワークにおけるレガシーSMSCへSMSを伝送する前に、RRC接続、NAS接続、およびEPSベアラのセットアップを含む、ネットワークへの完全なアタッチをまず行う。このフォールバックのソリューションは、MMEとMSCの間の新たなインターフェースSGを用いる。SMS over IMSに関しては、端末は、SMSを伝送または受信し得る前に、RRC、NAS、およびEPSを含む全ての接続をまずセットアップすべきである。
【0033】
つまり、近年のネットワークがどのように設計されたかによって、端末に伝送または受信すべきデータがあるときはいつでも、完全なPSデータパス(例えば、EPSベアラ)がセットアップされた後、他の接続(例えば、RRCおよびNAS)のセットアップも含むあらゆることが行われ、次いで、データが通信され得る。そのような手法は、スループットが高く、使用率が高い端末に適切であり得るが、MTC端末には適性が低い。例えば、送信されるデータの量に比較すると、シグナリングの量は不均衡である。また、様々な関連要素は全て、「コンテキスト」と呼ばれる接続情報を維持しなければならないが、このコンテキストは、MTC端末に短い通信のみがある特定の場合には必要でないこともある情報に関連する。例えば、ネットワークによって提供される先進の移動性サービスは、かなりの量のシグナリングおよびコンテキストを必要とするが、その量は、移動性の先進性がより低くなり、移動性がより調整されるにつれて低減され得る。そのため、ショートメッセージの伝送の効率性を改善するために、ショートメッセージの伝送に関する代替的なソリューションが提案される。
【0034】
完全なRRC接続およびNAS接続をセットアップせず、ユーザプレーンではなく、制御プレーンにおいて、シグナリングパケットでショートメッセージを伝送することが提案される。したがって、シグナリング、コンテキスト、および移動性管理の量を低減し得ると、それによってMTC端末に対するネットワークの効率性が改善される。
【0035】
<ショートメッセージを伝送するための接続およびコンテキスト>
単純化した接続およびコンテキストをさらに示すために、図4の呼フローが概略的に図5のように表され得る。まず、RRC接続が端末101とeNB102の間にセットアップされる。このRRC接続が時刻tでセットアップされると、eNBは、Cont_RRCと呼ばれるRRCコンテキストをRRC接続の継続時間中、維持する。換言すると、RRCがリリースされるまで、eNBは、このCont_RRCを維持することになる。このようなコンテキストには、例えば、端末識別子(例えば、C−RNTI)、電力制御設定、移動性設定、セキュリティ設定、他の無線設定、またはいずれか他の情報が含まれ得る。無線レイヤの動作に関する類似情報を格納するUEにも対応するコンテキストが存在するが、それは図に示されていない。
【0036】
RRC接続がセットアップされると、NAS接続が端末101とMME105の間にセットアップされる。このNAS接続が時刻tでセットアップされると、MME105は、Cont_NASと呼ばれる、端末101へのNAS接続のためのコンテキストをNAS接続の継続時間中、維持する。このようなNASコンテキストは、例えば、端末識別子、端末のIPアドレス、現在のeNB、移動性設定、セキュリティ設定、QoS設定、またはいずれか他の情報を含み得る。上記説明のように、端末101が、モバイルネットワークを介して、データ接続をアタッチ/セットアップする場合、EPSベアラがユーザプレーンにおいて、端末とP−GW104の間にセットアップされ、ベアラは、制御プレーンにおいて、MME105によって制御される。NASプロトコルに関するUE関連情報を格納するUEにもコンテキストが存在することになる。図に示されており、MMEに格納されるコンテキストCont_NASは、EPC NASシグナリング手続きによって使用またはEPC NASシグナリング手続きにおいて転送される情報よりも多くの情報を含み得、コンテキストCont_NASは、MMEによって、例えばHSSから集められたセッションに関する情報も含み得ることに留意されたい。
【0037】
RRC接続、NAS接続、およびEPSベアラがセットアップされると、端末は、EPSベアラを通して、アップリンクデータを送信先へ伝送し得る。図5の例において、端末101がアップリンクデータを伝送する場合でも、同じ接続セットアップが、ダウンリンク、またはアップリンクおよびダウンリンク送信に対して生じる。同様に、他の例では、いずれの確認メッセージもない場合があるが、確認メッセージのパスが図5の例には示されている。先に述べたように、これは、例えば、データを送信するために用いられるプロトコルのタイプに依存し得る。図5から分かるように、Cont_RRCおよびCont_NASは、RRC接続およびNAS接続の継続時間中(つまり、RRC接続およびNAS接続が、接続リリースメッセージの交換によって、明確にリリースされるまで)、維持され、その結果として、RRCコンテキストは、eNB101が端末101から受信または端末101へ伝送する全てのパケットに使用される。EPSベアラがリリース可能となると、端末101とMME105の間のNAS接続が同時にリリースされる。その結果、NAS接続がリリースされる時刻tで、コンテキストCont_NASもリリースされる。NAS接続の切断に続いて、対応するRRC接続が時刻tで切断される。また、RRC接続がリリースされると、コンテキストCont_RRCもリリースされる。
【0038】
概して、本技術の実施形態によれば、ショートメッセージは、コンテキストレスまたは疑似コンテキストレスな様式で伝送される。一例では、端末とMMEの間のいずれのNAS接続の確立にも先立ち、端末がメッセージを伝送し得ることによって、シグナリングのみならず、端末に対するサービスのレベルも低下する。別の例では、端末とeNB間のいずれのRRC接続の確立にも先立ち、端末がメッセージを伝送し得ることによって、シグナリングのみならず、端末に対するサービスのレベルも低下する。さらなる例では、一時的なRRCおよび/またはNAS接続が、例えば、1以上の任意の数である所定数のメッセージまたは所定数以上のメッセージのみのためにセットアップされるという、限定された特徴によって、セットアップされた後、端末はメッセージを送信し得る。一例では、接続は、1つのメッセージのみのためにセットアップされ得、別の例では、接続は、2メッセージ交換(two−message exchange)の継続時間中、セットアップされている場合もある。RRC接続およびNAS接続に対して、部分的な接続の確立と接続確立しないことを適切に組み合わせることを本開示で検討することを意図している。様々な組合せを以下で検討する。
【0039】
図6の例示は、一時的な低減されたRRC接続が1メッセージ会話のためにセットアップされる際に、端末101がメッセージを伝送し、かつNAS接続が予め確立されていない例を示す。
【0040】
図6の例では、一時的なRRC接続が時刻tでセットアップされ、RRC接続は、従来の完全なRRC接続ではなく、(1)1メッセージ会話に限定され、(2)電力設定のみ設定する接続である。例えば、アクセス層(AS:Access Stratum)のセキュリティおよび移動性設定は、通常は従来の送信のために設定されるが、設定されない場合もある。結果として、eNBにおいて維持されるコンテキストが低減され得、低減された量の情報のみを含む。例えば、コンテキストは、端末識別子および電力設定のみを含み得る。RRC接続セットアップは、新たなタイプのRRCメッセージまたは既存のRRCメッセージの再利用に依存し得る。例えば、端末101は、既存のメッセージ、およびメッセージ中のフラグ、フィールド、または標識を使用し得ることによって、RRCセットアップが従来の完全なRRCセットアップではなく、限定的および/または一時的なRRCセットアップに過ぎないことを示す。あるいは、従来のRRCメッセージは、例えば、電力設定パラメータのみがメッセージ中で示されている全ての段階で使用され得る。
【0041】
そして、端末は、送信先120に対するアップリンクデータを含むNASパケット、つまり、シグナリングパケットを伝送し、eNB102へのメッセージを介して、このNASパケットをMME105へ伝送する。図6の例では、NASパケットは、例えば、「RRCアップリンク情報転送(RRC Uplink Information Transfer)」メッセージのようなRRCメッセージで搬送されるが、他の例では、別のタイプのRRCメッセージまたは異なるプロトコルに対するメッセージで搬送され得る。パケットがeNB102を通過する際、eNBは、RRCコンテキストを時刻tでリリースし得る。なぜならば、このコンテキストは、端末101との1メッセージ会話のみのためにセットアップされたものであるからである。メッセージを受信した後、eNB102は、時刻tでNASパケットをMME105へ回送する。図6の例示では、tは、tの後にあるものとして表されている。しかし、当業者は、tがtの前またはtと同時刻でもあり得ることを理解する。例えば、eNB102は、まず、NASパケットをMME105へ最初に回送し得、次いで、RRCコンテキストのみをリリースし得る。これは、図には示されていないが、eNB102によってMME105へ伝送されたNASパケットは、一般的に、S1−APメッセージで伝送される。しかし、いずれか他の適切なプロトコルも、NASパケットをMME105へ伝送するために使用され得る。
【0042】
MME105は、NASパケットを受信すると、端末101と既にセットアップしたNASコンテキストがないことを検出し、次いで、一時的なコンテキストCont_NAS−tempをセットアップし得る。図6の例では、一時的なコンテキストは、端末101との2パケット会話のためにセットアップされる。そして、MME105は、アップリンクデータを送信先120へ伝送する。コンテキストCont_NAS−tempは2パケット会話のためにセットアップされているので、MME105は、アップリンクデータが伝送された後もこのコンテキストを維持する。図6の例では、アップリンクデータが成功裡に送信されると、それに応じて確認メッセージがトリガされる。一般的に確認(「ack」)メッセージは、アップリンクデータと同じパスを介して返送されるので、このackメッセージは、MME105へ返送される。そして、MMEは、このメッセージが端末101およびコンテキストCont_NAS−tempに関連付けられていることを認識し、このコンテキストを用いて、eNB102を介して、ackパケットを端末101へ伝送する。MME105が、時刻tに、例えば、NASパケットで、ackメッセージをeNB102へ伝送した後、2つのパケットが交換されており、コンテキストは2パケット会話のためにセットアップされたので、MME105は、コンテキストCont_NAS−tempを削除し得る。この例では、MME105は、送信先120に対するデータを含むNASパケットを受信する際に、2メッセージ会話のために一時的なコンテキストをセットアップする。例えば、コンテキストがない場合や1パケット会話コンテキストなどではなく、2パケット会話コンテキストをセットアップすることをMME105が認識するために、様々なソリューションが使用され得る。一例では、MME105は、常に2パケット会話コンテキストをセットアップし得る。つまり、MMEは、コンテキストに関して、判定するケイパビリティを有さない場合がある。これは、例えば、事前にNAS接続セットアップがなく、MTCショートメッセージのみがMME105に到達し、かつ事前に、そのようなメッセージが2メッセージ会話(例えば、メッセージおよび確認)で伝送されることが分かっている環境によく適し得る。別の例では、MMEがより上位のレイヤのケイパビリティを有している場合があり、例えば、NASレイヤ(または端末−MME直接通信のための関連レイヤ)より上位のプロトコルを識別および/またはこのより上位のレイヤプロトコルの一部情報を認識するように構成され得る。例えば、MMEは、NASパケットの内容がショートメッセージプロトコルで移送されるか否かを検出し、NASパケットの内容がショートメッセージ(例えば、会話の第1の部分)または確認(例えば、会話の第2の部分)に関連するか否かを検出することが可能であり得る。別の例では、NASパケットは、コンテキストがセットアップされるか否か、かつコンテキストがどのようにセットアップされるかを示す、より上位のレイヤ(例えば、ショートメッセージングプロトコルレイヤ)から得られたフラグまたは表示を含み得る。例えば、図6の2パケット会話コンテキストを達成するために、NASパケットは、値2に設定された標識を含み得ることによって、MME105が2パケットNAS会話を予定していることを示す。
【0043】
NASパケットがMME105からeNB102へ到達すると、eNBは、NASパケットが端末101に対するいずれのRRC接続またはコンテキストとも関連付けられていないことを検出し得、時刻tにおいて、eNBは、NASパケットを含むメッセージを伝送するため、つまり、1メッセージ会話のために、限定的/一時的なRRC接続をセットアップする。図6の例では、tは、tの前にあるものとして示されているが、一部の例では、tは、実際には、tの前にあり得る。一時的なRRCコンテキストがセットアップされると、eNB102は、ackメッセージを含むNASパケットを端末101へ回送する。例えば、NASパケットは、RRCメッセージ、またはNASより下位の他のいずれかのプロトコルのメッセージによって、搬送され得る。
【0044】
RRCメッセージが端末101へ伝送されると、1メッセージ会話が完了したので、eNBは、一時的なコンテキストを時刻tで破棄し得る。図6の例では、端末は、データパスをユーザプレーンにおいて、メッセージを伝送するためにセットアップする必要がない。そのため、それによって、かなりの量のシグナリングおよびセットアップを回避することができる。また、端末は、いずれの従来の接続またはコンテキストもeNB102およびMME105においてセットアップされる前に、メッセージを伝送し得る。本特定の例では、MME105は、メッセージを受信した際には、MME105には、端末101に対してセットアップされたいずれのコンテキストまたは接続もない。そのため、メッセージを伝送する前ではなく、メッセージが到達した際にセットアップすることによって、シグナリングおよびコンテキストの量を低減し得る。
【0045】
無線レイヤコンテキスト情報が、一時的な無線接続中にeNBに格納される図6の例では、無線レイヤコンテキスト情報もUEに格納され得るが、これは図に示されていない。UEもNASプロトコルに関連する、セキュリティアルゴリズム関連情報のような情報を格納し得、この情報は、ショートメッセージ転送中およびショートメッセージ転送の間に格納され得、いずれのそのような情報がMME NASプロトコルと共有されることが要求される場合、この情報は、通信端末によって、アプリケーションパケットを搬送するメッセージと共に、MMEへ伝達され得る。MMEコンテキストCont_NAS−tempに格納される情報も、通信端末以外のソースからNASプロトコルを介して集められた情報を含み得、例えば、HSSから集められたルーティングまたはセキュリティ情報を含み得る。
【0046】
結果として、MTC端末に対してショートメッセージを伝送する複雑さを減らすことができ、そのため、ショートメッセージを伝送する効率も改善することができる。例えば、端末は、ECM_idle状態のまま、図6(または図7図10)に係るメッセージを伝送し得る。そして、端末は、ショートメッセージを離れた送信先に通信し得るが、従来の端末は、メッセージを伝送するために、まず、RRC接続、NAS接続、およびEPS接続をセットアップしなければならず、そのため、ECM_connectedにならなければならない。一般的には、端末は、どのようなショートメッセージも伝達する前に、ネットワークにATTACHを実行し、EMM_Registered状態にあるが、これによって、全てのパケット転送に対して、認証処理およびNASセキュリティ確立処理をする必要性が回避される。しかし、ショートメッセージを伝送する際に、端末もEMM_unregistered状態である可能性とは、特に、ショートメッセージ交換の頻度が非常に低いか、または単純化されたNASセキュリティ管理処理が使用される可能性のことでもある。しかし、当業者が認識するように、一部の従来のモバイルネットワークの特徴は、この様式でショートメッセージを伝送する際に失われ得る。例えば、RRC接続が電力制御およびARQ関連コンテキストのみを含み、いずれの移動性またはASセキュリティパラメータまたは設定も含まない場合、モバイルネットワークは、いずれのASセキュリティまたはいずれの移動性サービスも端末101に提供できない場合がある。その場合、端末101がeNB102との接続性を失う(例えば、eNB102の範囲外に出る)と、端末101が別の基地局にハンドオーバし、ハンドオーバ中およびハンドオーバ後にサービスの継続性を維持するために、いかなるメカニズムも機能しない。結果として、端末101は、ackメッセージを送信先から受信しない場合があるので、送信先がショートメッセージを受信したか否かを認識できない。例えば、より上位のレイヤプロトコル(例えば、メッセージングプロトコル)がこれを管理されなければならない場合があり、上位のレイヤプロトコルは、端末が第1の送信に応じて、いずれのackメッセージも受信していないためにメッセージが再伝送されなければならないことを検出し得る。そのため、そのような手法は、MTC通信によく適している場合もあるが、従来の端末からの従来のモバイル通信に対しては適合性が低いことがある。
【0047】
別の例が図7に示される。この例では、MME105は、1パケット会話コンテキストCont_NAS−tempを時刻t、つまり、MME105がNASパケットを端末101から受信し、かつこのメッセージがMME105において、事前に存在するいずれのコンテキストにも関連付けられていないときに、セットアップする。このMME105からの挙動は、デフォルトの挙動であり得、例えば、常に使用され得るか、または特定の挙動によって上書きされない限り、使用され得る。例えば、システムは、図7の例をデフォルトの設定とするように設定され得、NASパケットが、2パケット会話コンテキストがセットアップされるという標識を含む場合に、図6の例を使用し得る。
【0048】
時刻t、つまり、アップリンクデータがその送信先に送信されたとき、または送信後、1パケット会話のパケットが既に端末101から(eNB102)を介して受信され、処理されているので、MMEは、コンテキストCont_NAS−tempを破棄する。同様に、ackメッセージが時刻tに、送信先120からMME105へ到達すると、MME105は、ackメッセージを含むNASパケットを、eNB102を介して、端末101へ伝送するために、さらに一時的なコンテキストCont_NAS−temp’をセットアップする。このパケットは、端末101への送信のために、eNB102へ伝送されるので、MME105は、時刻tにコンテキストCont_NAS−temp’を破棄し得る。
【0049】
そして、eNB102は、NASパケットを受信すると、例えば、RRCメッセージでackメッセージを伝送するために、端末101との一時的なRRC接続をセットアップする。この一時的なRRC接続は、eNB102における一時的なRRCコンテキストのセットアップにも関連付けられており、そのため、この一時的なRRCコンテキストは、時刻tにセットアップされ、時刻tに破棄される。コンテキスト情報Cont_NAS−tempが短い期間、図7に示されるMMEに格納され得る例示的な場合とは、MMEがHSSに格納されるルーティングまたはセキュリティ情報にアクセスするなど、別のエンティティからの情報にアクセスしなければならない場合であり得る。さらなる例が図8に示される。この例では、eNBは、2メッセージ会話のために一時的なRRCコンテキストをセットアップするが、eNB120は、図6および図7のようにセットアップされた一時的なRRC接続の後ではなく、RRCメッセージが到達すると、このコンテキストをセットアップする。さらに詳細に説明するために、図7のセットアップされた一時的な接続は、メッセージ送信が適切な電力設定で、最適な時間/周波数リソースにおいてなされ得るように、チャネルサウンディングおよびチャネルサウンディング測定値が交換される期間を含み得る。図8の場合では、送信は、共通なチャネルを用いて行われ得、電力制御ループの事前のトレインアップおよびチャネルサウンディングの交換がない。図7の場合では、無線レイヤにおける一時的な接続のリリースは、黙示的に行われ得、例えば、一時的な接続は、無線レイヤARQ ACKが受信されるとすぐにリリースされる。また、図8の例では、MMEは、いずれのコンテキストもセットアップせず、eNB102を介して、単にメッセージを送信先に回送する。同様に、ackメッセージが送信先120から戻ると、MME105は、単にackメッセージを端末101へ回送する。これは、例えば、通常、コンテキスト内に発見され得る情報を含むメッセージによって達成され得る。例えば、ackメッセージを端末101へルーティングするために要求され得るいずれのルーティング情報も、端末によって伝送された第1のメッセージに含まれ得ることによって、送信先は、MMEによってルーティング可能なメッセージを伝送し得る。一例として、端末が、そのS−TMSI識別子を、送信先120へ伝送されたメッセージに含み得、メッセージは、UEがキャンプされるセルのアドレスおよび送信先のアドレスも含み得る。そして、送信先120は、この情報の一部または全てをackメッセージに含み得ることによって、このackメッセージがMME105へ到達した際に、MMEは、このメッセージが端末101に対するものであることを識別可能であり、このackメッセージを適切なeNBへルーティングし得るので、eNBがパケットを適切なセルの適切な端末101へルーティングされ得る。この例では、RRCの一時的なコンテキストは、2メッセージ会話コンテキストであるので、ackメッセージが、時刻tにeNBによって、端末101へ伝送されると、eNB102は、一時的なコンテキストを削除し得る。
【0050】
従来のシステムでは、ATTACH手続き中に、有用なNASセキュリティ情報がMMEにロードされ得る。NAS情報は、所定の時間、ATTACHとDETTACHの間にMMEに格納され得る。図9に示すように、モバイル端末がオンに切り替えられると、NAS情報が確立され得るが、これは、無期限に維持され得る認証およびセキュリティを含む。いくつかの例では、RRCメッセージ140を通信している際に、通信端末は、RRCメッセージ140の通信のために、一時的なコンテキストまたはコンテキスト更新を確立し得る。図9では、通信端末101がMME105とのNAS接続をセットアップする例が提供される。時刻tにおいて、一時的なNAS接続がセットアップされ、MMEは、例えば、NASセキュリティパラメータを含むコンテキストCont_NAS−tempを生成するが、これは、通信端末がオンに切り替えられた後であり得る。この例では、コンテキストは、2パケット会話のためにセットアップされる。しかし、コンテキストは、1以上のいずれの数のメッセージの会話のためにもセットアップされ得る。
【0051】
そして、端末101は、RRCメッセージ140をeNBへ伝送する。eNBは、RRCメッセージの内容がMME105へ回送されることを検出する。例えば、eNB102は、RRCメッセージが、端末101との既存のいずれの接続および/またはこの端末に対するいずれのコンテキストにも関連付けられないことを識別し得る。別の例では、eNB102は、メッセージ140が、いずれの接続またはコンテキストにも関連付けられていないことを識別し、RRCメッセージ中のフラグまたは標識142を検出するように構成され得、そして、一時的なコンテキストをセットアップする。この具体例では、フラグまたは標識142は、メッセージ140がMME105に対して意図されたものであることをeNB102が保証するためのチェックとして使用され得る。一例では、eNB102は、例えば、到来するメッセージ140がいずれのコンテキストにも関連付けられない場合、および到来するメッセージ140がフラグまたは標識142を含まない場合に、到来するメッセージ140を排除し得る。当然、メッセージ140は、送信先デバイスへ通信されているデータ144も含み、TIMSI146の表示も含み得る。
【0052】
そして、eNB102は、NASパケットをMMEへ回送し、MMEは、このNASパケットがコンテキストCont_NAS−tempに関連付けられていることを認識する。次いで、MME105は、メッセージを送信先120へ回送する。
【0053】
MME105がackメッセージを送信先120から受信すると、送信先がショートメッセージを受信したことが確認される。MME105は、ackメッセージが端末101に宛てたものであり、そのため、コンテキストCont_NAS−tempに関連付けられていることを認識する。MME105は、ackメッセージを端末101へNASで伝送するが、NAS自体は、ackメッセージをeNB102へ伝送するために、S1−APにあり得る。そして、eNB102は、ackメッセージを端末101へメッセージ140で転送する。
【0054】
時刻tにおいて、MME105と端末101の間の2パケット会話が完了した後、接続がリリースされ得、一時的なコンテキストCont_NAS−tempが破棄され得る。
【0055】
図10の例では、端末101は、ショートメッセージを伝送するが、このメッセージに対するコンテキストはeNB102またはMME105に存在しない。また、eNB102およびMME105は、一時的なものか否かに関わらず、どのようなコンテキストもセットアップせず、メッセージを次のノードへコンテキストレスな様式で回送する。交替に受信されたackメッセージは、端末101へ類似した様式で伝送される。この特定の例では、維持されるシグナリングの量およびコンテキストの量を、従来の様式でのメッセージの伝送に比較して、かなり低減することが可能である。当然、そうした際に、いくつかのセキュリティ、移動性、またはセッション管理特徴などの一部の特徴またはサービスが失われ得る。これらの特徴の損失は、従来の端末にとっては許容不可能と考えられる傾向があるが、MTC端末にとっては許容可能であり得る。少なくとも、送信がより短く、MTC端末は、(短い)送信中に移動および/またはセル変更の傾向がより少なくあり得、かつ/または、MTC端末は、他の端末(例えば、人対人の通信端末)よりも遅延耐性を有しており、かつ/または、送信先とUEの間で稼働するような、より上位のレイヤプロトコルは、失敗したショートメッセージ転送から、再度インスタンスを作成可能であり得るか、または復元可能であり得るからである。
【0056】
図10の例では、RRCメッセージは、eNBが、RRCメッセージに対する既存のコンテキストをいずれも有していない場合に伝送されるので、RRC接続確立によって提供されるいくつかの特徴が提供されない場合がある。例えば、端末101は、いずれのC−RNTIも割り当てられない場合があるが、これは、この識別子は、一般的に、RRC接続確立中に割り当てられるからである。したがって、端末は、S−TMSIを識別子として使用し得、この識別子を用いてアドレス指定され得る。例えば、IMSIまたはMSISDNのような他の識別子も使用され得る。そのため、図10に示される例に関しては、RRCメッセージが転送され得るリソースを特定するために使用される割当てメッセージは、S−TMSIまたはS−TMSIに対するプロキシを含み得る。
【0057】
一般的に、図6図10では、一定数の会話のメッセージまたはパケットが受信および/または処理された後に、一時的なコンテキスト(RRCまたはNAS)が破棄される状況が示される。eNB102およびMME105は、コンテキストを破棄するためのタイマも有し得る。例えば、図6の例では、MME105は、一時的なコンテキストCont_NAS−tempを維持するために、タイマTcont−NASを有し得る。例えば、ackメッセージが受信されていなくとも、タイマの満了時にコンテキストを破棄することが望ましくあり得る。これは、例えば、ackメッセージが送信先120とMME105の間で失われ、したがって、MME105に到達しない場合、またはいずれかの送信先サーバの動作の性質として、MMEによる、より上位のレイヤACKの受信の遅延が長くあり得る場合に、好ましくあり得る。例えば、ackメッセージが、概して、0.5s以内に受信される場合に、ackメッセージが3s後に受信されていないと、ackメッセージが失われた可能性が非常に高く、そのため、MME105に到達する見込みが全くないと考えられ得る。その場合、Tcont−NASタイマの設定に結びついた時間は、3sであり得る。あるいは、コンテキストが、UEの最後に既知となった位置に関するルーティング情報を含む場合、タイマは、どの程度の間、ルーティング情報が有効と見込めるか(、かつその情報を用いて、後続するメッセージをルーティングすることは成功の見込みがあるか否か)、という予測に従って設定され得る。この例および例で使用された値は、純粋に例示的なものであり、タイマは、特定の状況および/または環境に適していると考えられるものであれば、いずれの値でも有し得る。
【0058】
<ショートメッセージインフラストラクチャの例>
メッセージを送信先120へ回送するために、インフラストラクチャおよび/またはプロトコルへの適合が提供され得る。
【0059】
図11は、モバイル端末の概略的な例示であり、その例では、MTC端末101が、MME105を介して、メッセージ130を送信先120へ伝送している。まず(ステップ1)、メッセージが端末101によって、eNB102へ伝送されるが、メッセージは、シグナリングメッセージ(例えば、RRCメッセージにカプセル化されたNASパケット)で搬送される。このメッセージを伝送することは、ユーザデータを伝送する際に、PSネットワークに通常想定されるようなデータパスのセットアップを要求もトリガもしない。(ステップ2)eNBは、シグナリングメッセージを受信および識別すると、メッセージ130をMME105へシグナリングメッセージで回送する。そして、MME105は、メッセージ130を送信先120へステップ3で伝送する。この例示は、モバイル端末送信のショートメッセージの伝送の概略的な例示であり、例えば、MME105と送信先120の間の具体的な接続を示さない。この接続は、例えば、インターネットまたは別のルートを経由する直接接続または間接的なものであり得る。
【0060】
図12は、接続が間接的なものであり、メッセージングサーバ106を経由する例示である。例示の目的で、メッセージングサーバは、「MTCサービスセンタ」を表す「MTC−SC」と呼ばれる。図12に示すように、MME105は、メッセージ130を搬送するシグナリングパケットが、MTC−SC106へ回送されるショートメッセージであることを検出する。この検出は、例えば、異なる方法で実行され得、上記の通り、MME105は、NASパケットで搬送されたメッセージのタイプを検出し得るか、またはNASパケットは、このNASパケットが実際に、MTC−SC106への回送のためのショートメッセージを搬送するという標識を含み得る。最終的に、MTC−SC106は、メッセージ130を送信先120へ送信し得る。この送信もいずれか他の適切な様式で実行され得る。例えば、メッセージ130は、直接送信先に送信され得るか、またはさらなるメッセージングサーバおよび/またはルータを介して送信され得る。
【0061】
このMTC−SC106は、図12では、MMEとは別に表されているが、当業者は、例示中の別表記が論理的なものに過ぎず、描写および理解を容易にするためのものに過ぎないこと、およびMTC−SCが、例えば、MMEの一部を物理的に形成し得ることを理解する。別の例では、MTC−SCは、別個のサーバ、例えば、スタンドアロンサーバであり得る。
【0062】
有益なことに、このMTC−SC106は、格納および回送などの先進の機能性のために使用され得る。例えば、サーバは、端末101がネットワークにまだアタッチされていない場合、到来するモバイル端末受信メッセージを格納し得、端末101がネットワークにアタッチすると即座にこのメッセージを伝送する。同様に、端末101が、到達不可能な別のパーティにメッセージを伝送する場合、メッセージングサーバMTC−SC106は、メッセージを格納し得、この他のパーティが利用可能になった際に、メッセージを回送し得る。
【0063】
図13および図14は、例えば、図11または図12に係る構成に適し得る2つの可能なプロトコルスタック構成を示す。図13では、MMEは、端末(またはUE)とMTC−SCの間のメッセージのためのリレーとして機能し得、この例では、ショートメッセージが「Protocol for short messaging」(PSM)と呼ばれるプロトコルによって搬送される。この名称は、いずれの具体的な特定のプロトコルも指しておらず、例示の目的のために使用される。PSMは、メッセージをMTC−SCへ伝送するのに適した既存のプロトコル、修正されたプロトコル、または新たなプロトコルのいずれでもよい。図13では、LTEからのプロトコルは、例示の目的のために使用されており、当業者は、異なる組のプロトコルによっても発明が実行可能であることを理解する。LTEでは、端末は、「NAS」プロトコルを用いて、MMEと直接通信するので、ショートメッセージは、NASパケットによって搬送され得、その結果、ショートメッセージは、MME105を介して(eNB102を介して)、送信先120および/またはMTC−SC106へ伝送され得る。そして、MMEは、(NASレイヤに関する)より上位のレイヤ情報をMTC−SCへ回送し得る。図13の例では、MMEとMTC−SCの間で使用されるプロトコルは特定されておらず、単に、P1〜P6と呼ばれている。実際、MMEとMTC−SCの間のインターフェースに対する適切なプロトコルおよび適切な数のプロトコル(例えば、6プロトコルより多いか、または少なくあり得る)のいずれかが使用され得る。例えば、スタックは、Ethernet、MAC、IPsec、SCTP、およびMTC−APなどの5つの主なレイヤを含み得る。MTC−APは、MTC用途のためのプロトコルである(例えば、「MTC Application Protocol」を表す)。
【0064】
このようなプロトコルスタックを用いて、ショートメッセージ130は、端末101によって、PSMメッセージで伝送され得るが、メッセージ自体は、NASパケットで伝送され、パケットは、RRCメッセージでeNB102へ伝送される。そして、eNB102は、NASパケットをS1−APメッセージでMME105へ回送する。NASパケットを受信後、MME105は、(ショートメッセージ130)を含むPSMメッセージを、送信先120への送信のために、MTC−SCへ回送し得る。端末がショートメッセージを受信し、ショートメッセージが成功裡に受信されたことを確認するために、ackメッセージを返信しなければならない場合、ackメッセージは、上記モバイル端末送信ショートメッセージ130と同じパスをたどり得る。端末101に対するいずれのPSMメッセージ(モバイル端末受信メッセージ)も、モバイル端末送信ショートメッセージと同じパスを反対方向にたどり得る。そのようなモバイル端末受信メッセージは、例えば、モバイル端末送信ショートメッセージに応じたモバイル端末受信ショートメッセージ(例えば、端末101がショートメッセージを受信する)またはackメッセージであり得る。
【0065】
図14の例は、ショートメッセージングのケイパビリティを含むMMEに対して適し得る別のプロトコルスタック構成を示す。その場合、MMEは、例えば、実際のショートメッセージ130を処理し得る。MMEは、ショートメッセージ130を実際には処理しない場合もあるが、例えば、PSMリレーのケイパビリティを有することができ、PSMリレーのケイパビリティは、MMEに、一定のPSM機能性を実装することを要求する。
【0066】
PSMのケイパビリティをMME105に含めることは、MMEが元々、シグナリングノードとしてのみ機能するように設計されているので、好ましくない場合があると考えられるかもしれないが、PSMのケイパビリティをMME105に含めることによって、全体のアーキテクチャが単純化され得るとも考えることができる。当業者は、どちらの構成が特定の状況において好ましいかを、その具体的な要件に応じて識別可能である。
【0067】
<MTC端末に対する低減した移動性管理>
本発明の態様によれば、モバイル通信ネットワークは、例えば、MTCタイプの用途に使用され得るモバイル端末の低減した性能を反映するために、低減した移動性の機能性を提供するように設定されている。以下の説明および図は、本技術に従って低減した移動性の機能性の説明を提供する。
【0068】
本技術の実施形態は、低減した移動性の機能性をMTCタイプの端末として動作し得るような一部のモバイル端末に提供し得る。低減した移動性の機能性を示す例は、図15図25を参照して、以下のように説明される。
【0069】
図15は、本技術に従って低減した移動性の機能性を示すために提供されるモバイル通信ネットワークの一部の概略的なブロック図を提供する。モバイル通信ネットワークの一部は、例えば、図1および図2に示されるようなLTEネットワークの例を例示している。図15では、モバイル端末201は、メッセージデータグラムをソースまたはアンカー基地局(eNB)202へ、またはアンカー基地局(eNB)202から通信する。アンカーeNB202は、eNB202、204、206のそれぞれによって提供されるワイヤレスアクセスインターフェースを介して、データをモバイル端末201へ、またはモバイル端末201から通信する機能を提供する役割を担うeNB204、206のクラスタの一部を形成する。従来の動作に従って、eNB202、204、206は、例えば、図1に示されるサービングゲートウェイ(SG)208に接続される。移動性管理エンティティ(MME)210もeNB202、204、206に接続される。MME210に接続されるメッセージサーバ212が本説明に特に関連する。一例では、メッセージサーバ212は、上記説明で言及したMTC−SCである。
【0070】
本技術によれば、上記説明したコンテキストレスな通信に関して、MME210は、モバイル端末201への、またはモバイル端末201からのメッセージの通信に関して、低減した移動性機能を提供するように構成されている。この目的のために、MME210は、全ての未処理のメッセージ転送が生じるか、または「ルーティング情報フレッシュネスタイマ」が満了するまで、モバイル端末201の現在の位置を格納するように構成されている。これらの条件の一方が満たされた場合、MMEにおけるモバイル端末に対するルーティングコンテキストが取り除かれる。そのため、一態様によれば、MTC端末に対する移動性管理の機能性は、通信端末がある基地局から第2の基地局へアタッチを変更した際に、この通信端末の位置を確立しなければならないことになる。したがって、本技術に従って提案されるような移動性管理のソリューションは、以下のメッセージングシナリオのうちの一方または両方に適用可能である。
・ほとんどのNASパケット交換が、モバイル端末とMME210の間の複数のメッセージの交換から構成されるNASシグナリングメッセージ交換。これらのメッセージ交換は、一般的に、短い時間期間で完了されるべきである。
・ショートメッセージ交換、ショートメッセージ交換が、発信者エンティティ(例えば、MTC−SC)からのメッセージの転送に次いで、例えば、モバイル通信端末201のような受信者エンティティからの確認という2つのステップから構成されることが想定されるNASコンテナ(NAS container)でショートメッセージは転送される。
【0071】
低減した移動性管理の機能性の例示として、図15は、現在、eNB202にアタッチされているモバイル端末201が提携を第2のeNB206に変更することを示す。以下の説明では、第1のeNB202は、アンカーeNBと呼ばれ、第2のeNB206は、第2のeNBまたはターゲットeNBと呼ばれることになる。そのため、本技術は、モバイル端末201が提携をある基地局から別の基地局へ変更した際に、どのようにメッセージをモバイル端末201へ送致するか、という技術的な問題に対処する。
【0072】
従来、提携をある基地局から別の基地局へ変更するモバイル端末への、またはモバイル端末からのデータメッセージまたはデータグラムの通信は、ネットワークが、モバイル端末によって報告されたリンク品質測定に応じて提携を変更するように、モバイル端末に指示するハンドオーバ手続きを用いて、対処される。そして、モバイル通信ネットワークは、データを新たなターゲット基地局またはeNB206から通信するように構成し、ソースまたは第1の基地局202からの通信を停止する。しかし、本技術は、移動性管理を単純化し、測定値を設定、測定報告を伝送、ターゲット基地局を準備、ハンドオーバを命令、トンネルを再設定、およびリソースをソース基地局からリリースするために、かなりの量のシグナリングを一般的に要求する、完全なハンドオーバ手続きを含まない。上記説明のように、モバイル端末201へ、またはモバイル端末201から通信されたデータの量が相対的に少ない場合、このメッセージを送致するために要求されるシグナリングオーバーヘッドの量は、非常に非効率的な無線通信リソースの使用を表すことになる。そのため、本技術によれば、例えば、MTCタイプの端末として動作し得るモバイル通信端末に、以下に説明される新たな接続状態に反映され得る縮小した移動性の機能性が提供されることが想定される。しかし、以下の段落は、縮小した移動管理機能を提供する点において、本技術の例の例示を提供する役割を担う。
【0073】
図16は、MME210のより詳細な図を提供する。図16では、プロセッサ220は、MMEの動作を制御するように構成されており、データストア222を含む。プロセッサは、クロック224からの入力も受信する。プロセッサは、MME210によって実行される様々なレベルの通信プロトコルスタックを実装する役割を担う通信プロトコルスタック226に接続される。
【0074】
本技術に従って、MME210は、MMEが受け持つトラッキングエリア内で責任を負う各モバイル端末の現在の位置を格納するように構成されている。しかし、モバイル端末が現在アタッチされている基地局(eNB)に対する各モバイル端末の位置は、プロセッサ220によって、所定の期間だけデータストア222に格納される。モバイル端末がアタッチされているeNBは、モバイル端末に対する全ての未処理のメッセージ転送が完了またはクロック224によって決定された「ルーティング情報フレッシュネスタイマ」が満了するまで、維持される。このとき、モバイル端末のeNB位置は、データストア222から削除される。したがって、図16に示すように、MMEが受け持つトラッキングエリア内のモバイル端末のリスト230は、モバイル端末のS−TMSIおよびモバイル端末がアタッチされている基地局eNB−Aの識別子を用いて、テーブルに格納される。また、モバイル端末の位置が登録232された時刻を示すクロックの値がテーブル内に提供される。したがって、先に言及したように、モバイル端末がeNBに所定量の時間、アタッチされると、モバイル通信端末の現在の位置のデータストアに対する入力がキャンセルされる。図16では、これは、UE3と識別されたモバイル端末に関して示される。
【0075】
本技術によれば、特に、従来のモバイル端末に対して、単純化されたMTCタイプのモバイル端末を用いて使用され得るモバイル端末に低減した移動性の機能性が提供される。そのため、本技術では、完全なハンドオーバは、サポートされない場合がある。したがって、モバイル端末が、例えば、NASシグナリングメッセージまたはショートメッセージ交換として、モバイル通信ネットワークを介して、メッセージを送信先へ転送またはメッセージをモバイル通信ネットワークから受信することを希望する場合、ハンドオーバはサポートされない。このため、モバイル端末は、以下の説明で「無線リソース通信(RRC)メッセージング接続」状態と呼ばれるさらなる通信状態を含み得る。この状態では、モバイル通信ネットワークは、完全なハンドオーバをサポートしないので、モバイル端末に、通信セッションを継続するために新たな基地局へ再アタッチすることを指示しない。そのため、モバイル端末が第1またはソース基地局からデタッチし、第2またはターゲット基地局へアタッチする場合、本技術に従って、モバイル端末へ通信されるメッセージが失われるだけである。そして、より上位のレイヤプロトコルは、メッセージがモバイル端末へ再伝送されるように構成し得る。このために、モバイル端末は、ターゲット基地局に再選択することを決定し、基地局に再選択する。ネットワークは、メッセージを通信するために、モバイル端末の位置を決定するように適合され得る。モバイル端末が新たなターゲット基地局に再選択したことを検出すること、およびターゲット基地局の識別を決定することの例は、以下の段落で説明される。
【0076】
図17では、モバイル端末201がソース基地局202から移動し、ターゲット基地局206に再選択した場合に、メッセージが端末201へ通信されるように構成する際のMME210の動作に対するメッセージフロー図を提示する。
【0077】
図17に示すように、図15に示される状況を反映して、モバイル端末201が第1またはソース基地局202からデタッチし、第2またはターゲット基地局206を再選択した後、モバイル端末201は、第1のメッセージM1を伝送することによって、モバイル端末201が提携をターゲット基地局206へ変更することになることを示すために、セル更新をソース基地局202へ提供する。MME210は、先にメッセージNをモバイル端末201から送信先へ通信しているので、モバイル端末201がまだソース基地局にアタッチされていると想定する。そのため、MME210は、そのデータストアに、ソース基地局202の位置であるモバイル端末201の位置を有する。そのため、MME210がメッセージN+xをモバイル端末201へ通信すると、MME210は、メッセージM2を用いて、モバイル通信端末201への通信のために、データパケットを通信する。しかし、図17に示すように、MME210は、データパケットをソース基地局またはeNB202へ通信する。
【0078】
メッセージM3では、ソース基地局202がパケットをモバイル端末201へ通信しようと試行する際、その通信は失敗する。しかし、メッセージM1において、モバイル端末201は、ターゲット基地局206に再選択したことを示すセル更新をソース基地局202へ通信したので、メッセージM3.2におけるソース基地局202は、データパケットをターゲット基地局206へ通信する。そのため、ターゲット基地局206は、メッセージM4において、データパケットをモバイル端末へ通信する。
【0079】
図18では、モバイル端末が、ターゲットeNB206を通して、そのセル更新を通信することを除いて、図17に表した構成に類似する構成が示される。したがって、図18に示されるように、モバイル端末201は、セル更新を含むメッセージM10.1をターゲット基地局206へ伝送し、ターゲット基地局206は、モバイル端末がターゲット基地局206に現在アタッチされていることをターゲットeNBに伝える。ターゲット基地局206は、メッセージM10.2を伝送することによって、モバイル通信端末201がターゲット基地局206にアタッチされていることをソース局202に通知することによって、ソース基地局202にモバイル端末の位置の更新を通知する。メッセージM12では、MMEは、データパケットN+xをソース基地局202へ通信する。なぜならば、図17に示した場合と同様に、MMEが最後にメッセージNをソース基地局202から送信先に通信しており、そのため、モバイル端末は、ソース基地局にアタッチされていると想定するからである。しかし、ソース基地局202は、ターゲット基地局206によって、モバイル端末がターゲット基地局206にアタッチされていることを通知されているので、ソース基地局202は、データパケットをターゲット基地局206へ回送する。そのため、ターゲット基地局206は、データパケットをメッセージN+Xとして、メッセージM14において、モバイル端末へ通信する。
【0080】
本技術のさらなる態様に従って、MMEは、アンカー基地局202へアタッチされたモバイル端末の以前の位置を有し得る。そのため、メッセージM31によって、MMEは、モバイル端末への通信のために、メッセージN+xをアンカー基地局またはeNB202に提供するデータパケットを通信する。メッセージM32に示されるように、アンカー基地局202は、メッセージをモバイル端末201へ通信するように試行する。しかし、メッセージの送致は失敗する。これは、モバイル端末自体が、現在、ターゲットまたは第2の基地局206に再選択しているからである。そのため、アンカー基地局は、モバイル端末をページングするために、隣接する基地局204、206に送信されるページングメッセージをトリガする。ページングされる基地局は、メッセージM32がモバイル端末に送致不可能な場合(その場合、モバイル端末は位置を変更したと想定される)に使用されるリストに、アンカー基地局202から提供される。このリストは、eNodeBがハンドオーバ制御またはセル再選択性能を改善する目的のために、いずれかの方法で格納し得る隣接リストにおけるものと同じ組のセル/eNBを含み得る。そのため、メッセージM33に示されるように、ソースまたはアンカーeNB202は、メッセージを隣接する基地局204、206へ通信することによって、それらの基地局から送信されるページングメッセージをトリガする。モバイル端末201が第2の基地局206にアタッチされているので、第2の基地局206は、モバイル端末201が現在、第2の基地局206にアタッチされていることを検出し、モバイル端末が現在、第2の基地局206にアタッチされていることをアンカーeNB201に通知するメッセージM34によって、ページングトリガメッセージM33に応答する。そのため、アンカー基地局202は、転送メッセージM35で、パケットを第2の基地局206へ転送し、次いで、第2の基地局206が、転送メッセージM36でモバイル端末201へ通信する。そのため、メッセージN+Xを提供するデータパケットは、第2の基地局206からモバイル端末へ通信される。
【0081】
別の例では、移動性マネージャ210は、モバイル通信端末またはeNB206のうちの少なくとも一方に、モバイル通信端末が再選択した第2の基地局の更新を提供する情報を要求するように設定されている。情報は、通信端末によって、RRCメッセージで提供され得、RRCメッセージは、通信端末によって、eNBを介して、非アクセス層メッセージとして通信される。したがって、一例では、セル更新情報は、実質的にeNBに対して透過的な方法で提供される。eNBにとって、NASパケットの内容が既知でない場合、eNBは、NASパケットをMMEへ回送する。
【0082】
代替として、通信端末は、例えば、図17または図18に従って、セル更新を(次いで、情報を使用し得る)eNBへ提供し得るが、その場合、eNBは、セル更新をMMEにもさらに回送する。
【0083】
別の例では、第1の基地局は、ページングメッセージを、隣接する基地局のリスト中の1以上の基地局へ伝送し得、リストは、「隣接リスト」中の基地局に提供され得る。「隣接リスト」は、OMC設定され得るか、または通信端末がハンドオーバまたはハンドオフし得る周りの基地局のeNB学習リストであり得る。このリストは、従来から基地局において既に利用可能であり、セルの再選択を助けるように、ハンドオーバ測定報告を設定およびローカルセルを識別するために、従来から使用される。
【0084】
<新たなRRCメッセージング接続状態>
先に言及したように、本技術に従って、モバイル端末201およびモバイル端末がアタッチされている基地局206は、図20に示されるRRCメッセージング接続状態と呼ばれる新たな状態を形成し得る。図20では、RRCアイドル状態282およびRRC接続状態284を含む3つの状態のうちの1つであるRRCメッセージング接続状態280が示される。RRCアイドル状態282およびRRC接続状態284は、データを通信するための通信ベアラが、現在、モバイル端末に提供されているか否かに応じて、これらの状態の間を移行するモバイル端末および基地局の従来の状態である。したがって、アイドル状態282では、モバイル端末への、またはモバイル端末からの通信は可能ではなく、UEがeNBにキャンプしていることをeNBが認識していない場合である。しかし、RRC接続状態284では、モバイル端末は、モバイル通信ネットワークにアタッチされ、データを通信するための無線通信リソースが提供される。
【0085】
本技術によれば、モバイル端末201およびモバイル端末201がアタッチされている基地局206は、メッセージングのみがサポートされ、ユーザプレーンが提供不可能である新たなRRCメッセージング接続状態を形成し、メッセージングのみの用途用に十分かつ最適化された低減した無線機能性がモバイル端末への/からの通信のために提供される。さらに、RRCメッセージング接続状態280内には、図21に示されるRRCメッセージング接続解放(unleashed)状態286およびRRCメッセージング接続拘束(leashed)状態288と呼ばれる2つの副次的な状態がある。拘束状態では、モバイル端末は、RANがダウンリンクパケットを、端末がアタッチしている正しい基地局へルーティングし得るように、端末の位置の変更に関してRANを更新することを要求される。一方で、解放状態では、モバイル端末および基地局は、モバイル端末の位置の変更に関してRANの更新を要求されない。拘束状態は、従来のネットワーク制御ハンドオーバを用いてサポートされ得る。あるいは、この状態は、UE制御のセル再選択を用いてサポートされ得るが、既に説明したような、UEの新たな位置を発見するために、ソースまたはターゲットeNBへのUE提供セル更新、あるいはアンカーeNBトリガページングのような他の移動性技術によって拡張され得る。図21に示されるモバイル端末の状態図の状態は、以下のようにまとめられる。
【0086】
<状態説明>
RRC_Idle
・モバイル端末は、RANにとって未知である。そのモバイル端末に関連付けられているコンテキストはRANに存在しない
・アイドルモードでは、(別の状態への移行の一部を除いて)可能なデータ転送またはシグナリング転送はない
RRC_Connected
・モバイル端末は、RANにとって既知であり、そのモバイル端末に対するコンテキストはRAN内に存在する
・アクセス層セキュリティがセットアップされる
・SRB1、SRB2、およびDRBが利用可能である
・C−RNTIが割り振られる
・移動性管理に基づくハンドオーバ
・この状態では、いずれのNASシグナリング、ショートメッセージ、またはデータオーバIP接続の転送も可能である
RRC_Messaging_Connected_Unleashed
・ショートメッセージおよび任意でNASシグナリングの転送が可能である
・利用可能なSRB2、DRB、またはASセキュリティはない
・コンテキストは、メッセージ転送トランザクションの一部として、黙示的にRANにおいて、(別個の先天的、後天的RRCシグナリングを用いずに)優先的に確立/削除されることになる
・解放:セル再選択移動性が提供され、UEは、ネットワークにセルの変更を通知しない。これは、結果として生じるどのようなパケット損失からも復元するために、NASまたはPSMのような、より上位のレイヤへの依存を示し得る。
・シグナリングベースのS1トンネル再構成はない。
・モバイル端末は、任意で、単純化されたPHY、MAC、RLCを含み得るメッセージングおよび/またはMTCに対して最適化されたRANスタックをリッスンおよび使用する。
RRC_Messaging_Connected_Leashed
・ショートメッセージおよび任意でNASシグナリングの転送のみ可能である
・拘束:RANがダウンリンクパケットを正しいeNBへルーティングし得るように、モバイル端末/eNBは、モバイル端末の位置の変更に関して、RANの更新を要求される
・ネットワーク制御のハンドオーバベースの移動性管理:
○これは、モバイル端末がセルからセルへ移動すると、モバイル端末の位置がトラッキングされることを意味し、ハンドオーバ測定値が設定され、ハンドオーバで回送するパケットがサポートされ得、eNBは、MMEにセル変更を通知し得る・・
・ハンドオーバの代わりに、ソースeNBは、アンカーとして機能し得、UEは、直接または間接的にアンカーeNBにセル変更に関する情報を提供するか、またはアンカーeNBは、UEの新たな位置を発見するために、ローカルセルをページングする。
・利用可能なDRBまたはASセキュリティはない
任意で、モバイル端末は、メッセージングおよび/またはMTCに対して最適化されたRANスタックをリッスンおよび使用する
【0087】
<移行>
RRC_Idle〜RRC_Messaging_Connected_Unleashed
・トリガ:アップリンクまたはダウンリンクで伝送されるショートメッセージ(もしくは、NASシグナリング)
・データ転送前のシグナリングまたはパケット送信の一部としての、優先的に黙示的なシグナリングによって実現される
RRC_Messaging_Connected_Unleashed〜RRC_Idle
・トリガ:一方向のショートメッセージ転送が完了またはマルチステップのメッセージ会話が完了または非アクティビティタイマが満了する
・シグナリングまたはメッセージ転送が完了、あるいは非アクティビティタイマが満了した後、コンテキストを黙示的に取り除くことによって実現される
RRC_Messaging_Connected_Unleashed〜RRC_Messaging_Connected_Leashed
・トリガ:メッセージングの頻度が閾値を超過、かつ/または単位時間毎のセル変更の回数が閾値を超過する
・シグナリングによって実現される
RRC_Messaging_Connected_Leashed〜RRC_Messaging_Connected_Unleashed
・この移行に対するサポートは、決定的なものではなく、図ではサポートされたものとして示されていない。RRC_Messaging_Connected_Leashedにおけるアクティビティが閾値よりも下がった場合、RRC_Idleへの移行が行われる。しかし、メッセージングの頻度が閾値よりも下がり、かつ/または単位時間毎のセル変更の回数が閾値よりも下がる場合、移行は任意でサポートされ得る。
RRC_Messaging_Connected_Unleashed〜RRC_Connected
・トリガ:この移行は、IPパイプをセットアップすることが必要、もしくはNASシグナリングを転送することが必要になるとトリガされ得る
・シグナリングによって実現される
RRC_Connected〜RRC_Messaging_Connected_Unleashed
・この移行に対するサポートは、決定的なものではなく、図ではサポートされたものとして示されていない。モバイル端末が、現在、SMS転送またはNASシグナリング交換中である場合、システムは、RRC_Connected状態のままである。システムが、RRC_Connectedであり、全てのデータ転送が停止し、かつ/または非アクティブの期間がある場合、RRC_Idleへの移行が代わりに想定される。
RRC_Messaging_Connected_Leashed〜RRC_Idle
・トリガ:非アクティビティタイマが満了するか、または全ての未処理のメッセージ転送会話が完了した
・シグナリングによって実現される
RRC_Idle〜RRC_Messaging_Connected_Leashed
・この移行をサポートすることは必須ではない(そのため、破線である)。
・トリガ:メッセージングベアラのみが最初に必要であることが先に知られているアプリケーションが開始された場合およびメッセージングの頻度、セル変更の頻度、またはリンク信頼性要件は、拘束された移動性管理の手法(セル更新によるハンドオーバまたはセル再選択)がサポートされるためのものであることがさらに知られている場合、この移行はトリガされ得る。
・シグナリングによって実現される
RRC_Messaging_Connected_Leashed〜RRC_Connected
・トリガ:この移行は、IPパイプをセットアップすることが必要、もしくはNASシグナリングを転送することが必要になるとトリガされ得る
・シグナリングによって実現される
RRC_Connected〜RRC_Messaging_Connected_Leashed
・トリガ:この移行に対するサポートは必須ではない。移行がサポートされるか否かは、RRC_Messaging_Connected_Leashedモードで稼働することによって(例えば、MTC/messaging最適化PHY/MAC/RLC/PDCPの使用を通して)効率性が得られるか否かによる。
・シグナリングによって実現される
RRC_Connected〜RRC_Idle
・トリガ:非アクティビティタイマが満了する
・シグナリングによって実現される
RRC_Idle〜RRC_Connected
・トリガ:モバイル端末がEPSベアラ(IPパイプ)の確立を要求、もしくはNASシグナリングの転送を要求する
・シグナリングによって実現される
【0088】
RRC_Messaging_Connected_Leashed状態内でのセル再選択とハンドオーバベースの移動性管理の間、セル再選択およびハンドオーバベースの移動性管理から、ならびに、への移行は、メッセージングの頻度が閾値を超過/下回り、かつ/または単位時間毎のセル変更の回数が閾値を超過/下回る際にトリガされ得ることに留意されたい。
【0089】
接続解放状態および接続拘束状態のRRCメッセージを含む代替的な構成は、図22に示される。そのため、状態と副次的な状態間の移行は、RRCメッセージング接続状態280内で内部的に実行される。
【0090】
本技術によれば、モバイル端末およびモバイル端末がアタッチされている基地局は、機能性をサポートする必要性、および、例えば、メッセージングのみがサポートされる必要があるか否か、またはIPパイプが要求されるか否か、に応じて、図20に示される様々な状態間を移行し得る。メッセージング接続状態280内で、生成されるパケットの相対的な数および/またはセル変更の頻度に応じて、モバイル端末および基地局は、解放状態と拘束状態の間を移行し得、拘束状態は、解放状態の場合よりも、高い頻度で生成されたデータパケットまたは高い頻度のセル変更に対して使用される。当然、伝送されるデータがない場合、モバイル端末は、RRCアイドル状態282へ移行する。
【0091】
より単純化された構成では、モバイル端末および基地局は、図23に示されるメッセージング状態を形成し得るが、図23では、端末がRRCメッセージング接続状態280またはアイドル状態282のみに移行し得るので、可能な状態をさらに単純化した描写を提供する。
【0092】
RRC_Messaging_Connected状態およびRRC_Connected状態に対してサポートされるデータパケットの通信間の差異の例示は、図24に示される。図24に示されるように、RRC_Messaging_Connected状態に関しては、アプリケーションパケットが、eNB2202およびMME2210を介して、モバイル端末2200へ/からMTC−SC2204から/へ通信される。RRC_Connected状態に関しては、データパケットが、eNB2202、PDN_GW2216およびS_GW2212を介して、モバイル端末へ/からIP PDN2214へ/から通信され2212、かつ/または制御プレーン2200を介して、MTC−SCへ/から通信される。
【0093】
図20図24を参照して上記説明した相対的な状態をまとめる概略的なブロック図は、モバイル端末とMMEの間の通信を提供するNASシグナリング接続に対応する状態に関連して、図25に示される。特に、新たなECM_Messaging状態が導入され、その状態の特徴は以下のものを含む。
・制御プレーンでのSMSまたはNASパケットの移行のみがサポートされ、ユーザプレーンはサポートされない。
・UEの最後に既知となったeNBアドレスが格納され得、MMEがこの状態にある期間中に、後に到達するパケットをルーティングするために利用可能にされ得る。
・S1ベアラまたはトンネルは設定されない
・RRC接続は存在しない場合があり、存在するいずれの無線機能性も制限され得る(例えば、ASセキュリティ、ハンドオーバが設定されない)
・この状態の期間は、非常に短いものであり得る
・MMEにおけるECM_idleからECM_Messaging_Connectedへの状態変更がトリガされ得る:
○メッセージ転送トランザクション内でのパケットの到達によって黙示的にトリガされ得る
・ECM_MessagingからECM_Idleへの状態変更は、以下によってトリガされ得る:
○eNBの最後の更新の時期<−>一定期間を超過するMMEルーティング情報
○単一のメッセージ転送の完了、メッセージ会話内の未処理のメッセージ転送の完了、および/または全ての未処理のメッセージ会話の完了
○非アクティビティタイマ
・MMEは、十分に直近のルーティング情報が存在しない場合、またはネットワーク開始メッセージトランザクションが新しい場合、UEの位置を発見するためにページングする必要があり得る。
・UEは、任意で、MMEに「拘束」され得る。特に、UEがセルを変更する場合、UEは、シグナリングを介して、MMEにセル更新を提供するように設定され得る。このシグナリングを呼び出す決定は、一定量を超過する単位時間毎のページングメッセージの量によってトリガされ得、かつ/またはショートメッセージ会話の頻度が高くなる場合、トリガされ得る。
・格納されたUEの位置に関する知識は、不正確な場合があり、より具体的には、古い場合がある。これは、NASまたはPSMのようなより上位のレイヤに、MMEが、パケットをUEがもはやキャンプしていないeNBへ回送した結果生じたパケット損失から復元するように要求することによって、対処され得る。あるいは、RANは、MMEが、最後に既知となったeNBアドレスをルーティングの目的から使用する場合にパケット損失を防ぐ移動性管理のソリューションを、例えば、先に説明した方法に従って、提供し得る。
【0094】
図25において、破線で示すように、MME NASは、ECM_Messaging_Connected状態であるが、RRC状態は、採用された無線のソリューションに応じて、先に説明したように、RRC_Idle状態またはRRC_Messaging_Connected状態に多様になり得る。ECM_Connected状態は、RRC_Connected状態に最も一般的に関連している。
【0095】
UEがどのeNBにキャンプするかということに関するMMEにおけるルーティング情報は、複数の手段によって更新され得る:
・MMEによって実行されるページングへの応答
・MMEを移行させるいずれかのモバイル端末送信パケット/メッセージにルーティング情報を含めること
・セル変更が生じるごとに、セル更新をMMEへ伝送するようにUEを設定することを通して
・ RANがRRC_Messaging_Connected_Leashed状態にある場合に可能であり得るセル変更が生じると、eNBがMMEに通知することによって。
【0096】
ショートメッセージを基地局へ通信する例
上述されたように、本技術は、一時的なRRC接続又は低減されたRRC接続を用いてモバイル端末から基地局へメッセージを通信するための構成を提供する。これは、本技術の意味において、コンテキストレスであるものとして説明され得る。ただし、これはいくらか比喩的な説明であることが認識されるであろう。
【0097】
従来の構成に従って動作するモバイル通信ネットワークにおいて、モバイル端末および基地局(eNB)および移動性マネージャ(および、おそらくMME)が十分な情報を交換し、基地局およびモバイル端末が互いにメッセージを通信することを開始して、ユーザに通信サービスを提供する場合、RRC接続が存在する。この状況は、まずRRC接続を確立する目的のためだけに、基地局およびモバイル端末が、確立されつつあるRRC接続に先立って、何らかのタイプのメッセージを互いに送信することが可能とされる構成とは区別されることができる。確立されつつあるRRCコンテキストに先立って及び当該RRCコンテキスト無しに通信されるこれらのメッセージは、例えば、RRC接続要求、RRC接続セットアップおよびRRC接続セットアップ完了を含む。また、より下位のレイヤ(PHY、MAC)のメッセージは、確立済みの(in place)RRC接続に先立って搬送されることが可能である。これらのより下位のレイヤ(PHY、MAC)の通信は、より上位のレイヤのRRCメッセージの送信もサポートし、例えばRACH手続きの一部として発生する通信を含む。従来、RRC接続を確立する処理は、使用されることになる物理(PHY)レイヤの機能、どの無線リソースが使用されることができるか、どの無線ネットワーク一時識別子が使用され得るか(基地局によってモバイル端末へRRC接続セットアップメッセージ内で提供される)、および、例えば、より上位のレイヤのメッセージはどの移動性マネージャ(MME)へルーティングされるべきか(モバイル端末によってRRC接続セットアップ要求/完了等内で提供される)、を認めること(agreeing)を含み得る。
【0098】
RRC接続が最初に確立されると、当該RRC接続は、1つの(シグナリング)無線ベアラのみをサポートし、そのため、RRCメッセージがモバイル端末と基地局との間で搬送されることのみを可能とする(無線シグナリングレイヤ3メッセージ)。ただし、RRCメッセージ内に「透過的に(transparently)」「含まれる(contained)」NASパケットも送致されることができる。RRC接続が確立されると、当該RRC接続は、様々な付加的な「ベアラ」をサポートするように変更されることができる。例えば、最初のシグナリングベアラよりも低い優先度を有し得る付加的なシグナリング無線ベアラが特定されてもよく、また、複数の付加的なベアラが、アプリケーションレイヤトラフィックの搬送のために構成されてもよい。上記複数の付加的なベアラは、PHYレイヤ、MACレイヤおよびRLCレイヤの再設定を必要とし得る。
【0099】
本技術によれば、一時的なRRC接続又は低減されたRRC接続は、最小限のシグナリングによってモバイル端末と基地局(eNB)との間の無線アクセスインタフェース上でショートメッセージを通信するために確立される。この目的のために、無線アクセスインタフェースを介してショートメッセージを通信するためのパラメータは、デフォルトの設定または所定の設定に従って確立される。この理由は、セットアップすることおよび無線アクセスインタフェースを介してショートメッセージを通信することの複雑さを低減するために、より長いメッセージシーケンスを通信するために無線ベアラが確立されつつある場合に通常必要となるであろう、メッセージの交換無しに、ショートメッセージを通信すべく、物理レイヤパラメータの固定されたセットがショートメッセージを通信するために選択され得るためである。この理由は、メッセージ自体が短いので、後続のメッセージのストリームを転送するために無線アクセスパラメータの最適な設定をセットアップすることは効率的ではないためである。必要となるのは、1つのメッセージ、または、メッセージおよびその確認応答が同じパラメータ(ACK)を用いて通信される場合にはおそらく2つのメッセージを通信することのみである。
【0100】
シグナリングを低減するために、一例において、物理(PHY)レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤおよび無線リンク制御(RLC)レイヤの設定は、できる限りデフォルトの無線コンテキスト低減設定に固定される。従来の構成と同様に、セットアップされつつあるRRC接続に先立ってまたは当該RRC接続の一部としてなんらかの情報を転送することは可能である。そのため、ショートメッセージは、完璧なRRC接続がセットアップされる必要無しに搬送される。したがって、RRC接続要求が所定の無線アクセスパラメータを用いて通信されるのと同じ手法で、ショートメッセージは、当該ショートメッセージに固有である所定の無線アクセスパラメータを用いて通信される。
【0101】
本技術によれば、一例において、モバイル端末101、201、および基地局102、202には、モバイル端末101、201から基地局102、202へのショートメッセージの通信に関連する情報を格納するための何らかのメモリが提供される。上記の説明において、移動局101、201、および基地局102、202が、ショートメッセージを通信するための無線アクセスインタフェースに適用されるべき無線アクセスパラメータを保持する状態は、「RRC_messaging_connected」状態と呼ばれる。そのため、この状態において、格納された無線アクセスパラメータは、いくらかの最小限の量のコンテキスト情報を提供し、当該コンテキスト情報は、例えば、単純なstop and wait ARQをサポートする目的のために、全てのショートメッセージ又はショートパケット転送の通信に適用されることができる。
【0102】
どのくらいの期間、モバイル端末101、201がRRC_messaging_connected状態に留まるかに影響を及ぼす2つの代替案が存在する。これら代替案は、以下の通りである:
1.低減されたコンテキストは、1つのパケットを搬送するために必要な期間だけ存在する。パケットが搬送されると、全てのコンテキスト情報は消失する。ツーステップショートメッセージ転送において、モバイル端末および基地局は、一度は(例えば、アップリンクにおける)メッセージ転送のため、もう一度は(例えば、ダウンリンクにおける)SMS−SCからのACKの転送のための二度、RRC_messaging_connected状態となるであろう。
2.別の変形例において、モバイル端末は、ショートメッセージを搬送する目的のためにRRC_messaging_connected状態に入り、そのため、コンテキストは、ショートメッセージデータパケットの送信の期間、ショートメッセージと確認応答(ACK)との間のギャップの期間、およびACKの送信の期間について存続する。ACKが成功裡に搬送されると、コンテキストは消失し、システムは、もはやRRC_messaging_connected状態にはない。換言すると、システムは、ショートメッセージ転送の期間中に一度RRC_messaging_connected状態に入るのみであり、当該状態から移行しおよびアイドルへ戻ることは、ACKが成功裡に搬送された場合には黙示的である。
【0103】
上記の2つの例について理解されるように、コンテキスト情報は、モバイル端末がRRC_messaging_connected状態にある期間中に変化するであろう。
【0104】
上記の例によれば、無線アクセスインタフェースを介してショートメッセージを搬送するための少なくとも2つの典型的な変形例が存在し、これらの例は、主に、どのくらいの量のコンテキスト情報が交換され/格納されるかの観点においてのみ異なる。ただし、これらの例の両者は、LTEシステムにおいて必要とされるものなどの従来の既存のパケット通信におけるものよりも、かなり少ないコンテキスト/シグナリング通信を必要とする。例えば、以下の通りである:
変形例1:PHYレイヤループは、送致されつつあるショートメッセージに先立って(および、おそらく複数のショートメッセージの間に)トレインアップされる(trained up)。これは、例えば、電力レベルの設定、変調/符号化スキームの選択、どの周波数および時間スロット/時間リソースを使用すべきか、どのタイミングアドバンスを使用すべきか等に必要な情報の交換を含む。
変形例2:PHYループは、確立されないことがある。これは、むしろオープンループアプローチである。そのため、これは、データがより高い電力レベルで送信されることを必要とし得、当該電力レベルは、おそらくパスロスのオープンループ推定によって判定され、ショートメッセージのデータを構成するコードワードは、複数の時間、周波数および/または空間次元にわたって送信されて、多様性の利点を得る。ただし、これは、最適なリソースを選びおよび選択するためにチャネルサウンドを試行することがないという点において、オープンループの意味において達成される。さらなる使用は、例えば、データ転送についてPRACHを用いて、いわゆる共通チャネルからなされ得る。
【0105】
上記の説明から理解されるように、モバイル端末によるショートメッセージの送信は、図26に示されるフロー図によって要約され、以下のように要約される:
S1:モバイル端末は、通信されるべきデータがショートメッセージであることを認識する;これは、例えば、当該メッセージを生成したアプリケーションレイヤからの標識によって提供され得る。または、デバイスがMTCタイプデバイスなどの簡略化されたデバイスである場合、上記標識は、プロトコルスタックにおけるより下位のレイヤによって提供され得る;
S2:ショートメッセージは、コンテキストまたは少なくとも一時的なコンテキストもしくは低減されたコンテキスト無しに、MMEを介してSMS−Cへ通信されるべきデータにより形成され、ショートメッセージが先在のコンテキスト無しに通信されていることを示すフィールドを含む;
S4:ショートメッセージを無線アクセスインタフェースを介して通信するために、少なくともPHYレイヤについての予め設定されたパラメータにアクセスする。予め設定されたパラメータは、MACレイヤおよびRLCレイヤなど、図14に示されるプロトコルスタックにおける他のレイヤも含んで、モバイル端末の送信機側と基地局の受信機側との両者がショートメッセージを通信するための所定の送信パラメータを確立することが可能であるようにしてもよい。PHYレイヤの例の場合、所定のパラメータは、例えば、送信機および受信機チェーンについての変調スキームおよび誤り訂正符号化スキーム、ならびに、無線送信が行われるタイムスロットおよび周波数、および送信電力レベル設定等を含み得る。モバイル端末のメモリに格納される所定のパラメータは、ショートメッセージを通信するために使用される無線アクセスインタフェースに依存するであろう。基地局は、ショートメッセージを受信するための対応するパラメータにより構成される。例えば、所定のパラメータは、基地局内の送信機によって使用される符号化および変調を使用して、所定の時間および所定の周波数においてショートメッセージを受信するように基地局内の受信機を設定するように構成され得る。したがって、所定のパラメータは、移動局および基地局へ提供されて、無線アクセスインタフェースを介したショートメッセージデータパケットの通信についてのコンテキストを確立することに通常関連付けられるであろうメッセージ交換無しに、ショートメッセージが送信されることができるようにする。
S6:ショートメッセージを通信するための所定のパラメータにアクセスすると、ショートメッセージは、モバイル端末から基地局へ通信される;
S8:基地局は、モバイル端末からショートメッセージを受信し、当該メッセージはコンテキストが現在存在しないショートメッセージであることを示すフィールドを認識し、および、ショートメッセージのMMEへの通信のための一時的なコンテキストを確立することによって、ショートメッセージをMMEへ通信する。
【0106】
理解されるように、当該メッセージがショートメッセージであること、当該メッセージがMMEへ通信されるべきであること、および当該メッセージが既存のコンテキストを有しないことを示すフィールドをショートメッセージに提供することは、当該パケットがルーティングされることを可能にするソースアドレスおよび送信先アドレスを含むIPパケット、ならびに埋め込まれたNAS(例えば、サービス要求)メッセージがどのMMEへ送致されるべきかの標識を提供する情報をRRC接続セットアップ完了メッセージが含み得る既存のLTEシステムなどの従来の構成とは異なる。
【0107】
<結論>
概して、発明は、LTE環境下で説明してきたが、それは、発明は、この環境下で有益にじっそうされ得るからである。しかし、発明はLTE環境に限定されず、いずれか他の適切な環境で実装されてもよい。
【0108】
様々な修正が本発明の例に対してなされ得る。本発明の実施形態は、縮小したケイパビリティの端末の面から概して規定されたが、個人用電話のような従来の端末を含むいずれの適切な端末も、本開示に従って、ショートメッセージを送受信し得ることが理解される。
【0109】
また、例示を容易にし、理解のしやすさから、ネットワークの各要素に対して1つのみノードを表し、論じた。しかし、当業者は、2以上の各ノードがあり得ることを理解する。例えば、モバイルネットワークは、複数のeNB、MME、S−GWおよび/またはP−GWを含み得る。
【0110】
以下の番号が付された条項は、さらなる例示的な実施形態のさらなる例示的な態様および特徴を提供する:
1.モバイル通信ネットワークへまたはモバイル通信ネットワークから無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための通信端末であって、当該モバイル通信ネットワークは、
上記モバイル通信端末へまたは上記モバイル通信端末から上記無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための複数の基地局を備える無線ネットワーク部分と、
上記データパケットを上記無線ネットワーク部分から送信先アドレスへ通信し、または上記データパケットをソースアドレスから上記無線ネットワーク部分へ通信するように構成されるコアネットワーク部分と、
を含み、上記モバイル通信ネットワークは、上記通信端末へまたは上記通信端末から上記無線ネットワーク部分および上記コアネットワーク部分を介して上記データパケットを通信するための1つ以上の通信ベアラを確立するように構成され、当該1つ以上の通信ベアラの各々は、上記通信端末から上記送信先アドレスへのまたはソースアドレスから上記通信端末への1つ以上の接続に関連付けられるコンテキスト情報を用いて確立され、上記通信端末のうちの1つは、
上記モバイル通信ネットワークの上記基地局のうちの1つにアタッチされ、および、
アイドル状態において、ショートメッセージデータパケットを上記無線ネットワーク部分の上記基地局へシグナリングメッセージとして通信するように構成され、当該ショートメッセージデータパケットは、上記ショートメッセージデータパケットを通信するための、上記モバイル通信ネットワークによる使用のためのコンテキスト情報の標識を含む、通信端末。
2.上記ショートメッセージデータパケット内で提供される上記コンテキスト情報は、上記モバイル通信端末が上記モバイル通信ネットワークの上記基地局にアタッチされる際に上記モバイル通信ネットワークによって上記通信端末へ提供された、上記通信端末のIDを含む、条項1に記載の通信端末。
3.上記モバイル通信端末の上記IDは、一時的なIMSI番号である、条項1に記載の通信端末。
4.上記ショートメッセージデータパケットは、上記基地局への当該ショートメッセージデータパケットを識別するフィールドを含む、先行する条項のいずれか1項に記載の通信端末。
5.上記通信端末は、
上記通信端末と上記基地局との間で上記ショートメッセージデータパケットを通信するための無線ベアラを確立するように構成され、当該無線ベアラは、上記ショートメッセージデータパケットが上記基地局によって受信された後、除去される、条項1〜4のいずれか1項に記載の通信端末。
6.上記無線ベアラは、所定のコンテキスト情報を用いて確立され、当該所定のコンテキスト情報は、上記ショートメッセージデータパケットを上記通信端末から上記基地局へ通信するための電力制御レベル、変調および符号化のうちの少なくとも1つを含む、条項5に記載の通信端末。
7.上記コンテキスト情報は、上記ショートメッセージデータパケットを通信するために上記通信端末と上記基地局との間の上記無線ベアラを確立するために予め決められる、条項6に記載の通信端末。
8.上記コンテキスト情報は、上記ショートメッセージデータパケットを上記基地局から上記コアネットワーク部分の移動性マネージャへ通信するために十分である、先行する条項のいずれか1項に記載の通信端末。
9.通信端末からモバイル通信ネットワークを介してショートメッセージデータパケットを通信する方法であって、当該モバイル通信ネットワークは、上記モバイル通信端末へまたは上記モバイル通信端末から無線アクセスインタフェースを介してデータパケットを通信するための複数の基地局を備える無線ネットワーク部分と、上記データパケットを上記無線ネットワーク部分から送信先アドレスへ通信し、または上記データパケットをソースアドレスから上記無線ネットワーク部分へ通信するように構成されるコアネットワーク部分と、を含み、上記方法は、
上記通信端末へまたは上記通信端末から上記無線ネットワーク部分および上記コアネットワーク部分を介して上記データパケットを通信するための1つ以上の通信ベアラを確立することと、当該1つ以上の通信ベアラの各々は、上記通信端末から上記送信先アドレスへまたはソースアドレスから上記通信端末への1つ以上の接続に関連付けられるコンテキスト情報を用いて確立されることと、を含み、上記確立することは、
上記通信端末が上記基地局のうちの1つにアタッチされるように構成することと、
上記ショートメッセージデータパケットを上記通信端末から上記基地局へ通信するための無線通信ベアラを確立することと、
アイドル状態にある場合、上記ショートメッセージデータパケットを上記基地局へシグナリングメッセージとして通信することと、上記ショートメッセージデータパケットは、上記ショートメッセージデータパケットを上記コアネットワークを介して通信するための、上記モバイル通信ネットワークによる使用のためのコンテキスト情報の標識を含むことと、
を含む、方法。
10.アイドルモードにある通信端末からショートメッセージデータパケットがシグナリングメッセージとして受信される際に、基地局から当該ショートメッセージデータパケットを通信するための、モバイル通信ネットワークによる使用のためのコンテキスト情報の標識を含む、当該ショートメッセージデータパケットを表す信号。
【0111】
本発明のさらなる多様な態様および特徴は添付の特許請求の範囲において規定される。本発明の範囲を逸脱せず、様々な修正が上記実施形態になされ得る。例えば、本発明の実施形態は、他のタイプのモバイル通信ネットワークを用いて使用され、LTEに限定されない。
図1
図2
図3
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図5
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図11
図12
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図17
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図19
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図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26