特許第6149054号(P6149054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6149054
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】電動氷かき器
(51)【国際特許分類】
   F25C 5/12 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
   F25C5/12 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-34304(P2015-34304)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-156555(P2016-156555A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年11月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一也
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−094974(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3105445(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3167573(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3180023(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機が内蔵された本体と、貫通孔が設けられると共にこの貫通孔の近傍に切削刃を有する、前記本体に対し着脱可能な容器と、この容器内に設けられた氷用容器と、前記電動機によって回転させられる回転部とを有する電動氷かき器において、
前記本体に、前記容器の最大径部よりも細径となる括れ部を設け
前記括れ部の内部に、前記容器の着脱状態を検知する検知部を設け、
前記本体の下壁部に下壁貫通孔を設け、この下壁貫通孔を通って前記検知部が設けられると共に、
前記本体と前記容器に同時に接する仮想直線から前記下壁貫通孔までの距離を、前記仮想直線から前記氷用容器の内面までの距離よりも大きくしたことを特徴とする電動氷かき器。
【請求項2】
前記容器における前記本体側に、堰部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動氷かき器。
【請求項3】
前記本体における下壁部よりも前記容器側に、堰部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動氷かき器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手で把持して使用可能な電動氷かき器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動氷かき器としては、モータが内蔵された本体部と、この本体部に対し着脱可能であると共に、カッタ及びカッタで削られた氷を落下させるためのスリットが底部に設けられた、氷を収容可能な有底筒状の容器部と、前記容器部内で氷を前記カッタに押しつけながら前記モータによって回転させられる押圧部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このように構成することにより、皿等の容器の所望の場所に対して削られた氷を直接盛りつけることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3180023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電動氷かき器は、手で把持して使用できるよう、細長い筒状に形成されることが望ましい。しかしながら、このような電動氷かき器を細くし過ぎると、容器部内に収容できる氷の量が少なくなってしまうという問題がある。また、このような電動氷かき器は、細長い筒状に形成されるので、手で把持して使用している際には問題ないが、テーブル等に置いた際に、倒れてしまう虞がある。そして、この電動氷かき器を倒れたままにしておくと、氷が融けて水が生じる。この種の電動氷かき器には、容器部が取り付けられていない状態で押圧部が回転しないよう、本体に検知部が設けられるので、水が検知部から本体部内に流入してしまい、本体が故障してしまう虞がある。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、把持し易く、且つ、転倒させても故障しにくい電動氷かき器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の電動氷かき器は、電動機が内蔵された本体と、貫通孔が設けられると共にこの貫通孔の近傍に切削刃を有する、前記本体に対し着脱可能な容器と、この容器内に設けられた氷用容器と、前記電動機によって回転させられる回転部とを有する電動氷かき器において、前記本体に、前記容器の最大径部よりも細径となる括れ部を設け、前記括れ部の内部に、前記容器の着脱状態を検知する検知部を設け、前記本体の下壁部に下壁貫通孔を設け、この下壁貫通孔を通って前記検知部が設けられると共に、前記本体と前記容器に同時に接する仮想直線から前記下壁貫通孔までの距離を、前記仮想直線から前記氷用容器の内面までの距離よりも大きくしたものである。
【0009】
また、本発明の請求項に記載の電動氷かき器は、請求項において、前記容器における前記本体側に、堰部を設けたものである。
【0010】
更に、本発明の請求項に記載の電動氷かき器は、請求項において、前記本体における下壁部よりも前記容器側に、堰部を設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の電動氷かき器は、以上のように構成することにより、前記括れ部を使用者が把持することで、使い易くすることができると共に、前記括れ部よりも下方の前記容器の径を大きくすることができるので、この容器に収容できる氷の量が少なくならないようにすることができる。
【0012】
なお、前記括れ部の内部に、前記容器の着脱状態を検知する検知部を設けることで、電動氷かき器が倒れた状態で、前記容器内の氷が融けて水が生じても、この水が前記検知部に進入し難いようにすることができる。
【0013】
また、前記本体の下壁部に貫通孔を設け、この貫通孔を通って前記検知部が設けられると共に、前記本体と容器に同時に接する仮想直線から前記貫通孔までの距離を、前記仮想直線から前記容器の内面までの距離よりも大きくすることで、電動氷かき器が倒れた状態で、前記容器内の氷が融けて水が生じても、この水が前記検知部に、より一層進入し難いようにすることができる。
【0014】
また、前記容器における前記本体側に、堰部を設けることで、電動氷かき器が倒れた状態で、前記容器内の氷が融けて水が生じても、この水が前記堰部で遮られて、前記検知部に、より一層進入し難いようにすることができる。
【0015】
更に、前記本体における下壁部よりも前記容器側に、堰部を設けることで、電動氷かき器が倒れた状態で、前記容器内の氷が融けて水が生じても、この水が前記堰部で遮られて、前記検知部に、より一層進入し難いようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1を示す電動氷かき器の断面図である。
図2】同、検知部廻りの拡大断面図である。
図3】同、電動氷かき器の斜視図である。
図4】同、電動氷かき器の底面図である。
図5】同、倒れた状態における電動氷かき器の断面図である。
図6】本発明の実施例2を示す電動氷かき器の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の実施例1について、図1図5に基づいて説明する。1は本発明の電動氷かき器である。この電動氷かき器1は、上部の本体2と、前記本体2に対し着脱可能な下部の容器3と、前記本体2に内蔵した電動機4と、前記電動機4によって回転させられる回転部たる円盤部5と、前記本体2に設けられた貫通孔6と、この貫通孔6の近傍に設けた切削刃7とを有する。なお、本体2と容器3は合成樹脂などからなる。また、本体2と容器3の中心線は同軸線上に位置する。
【0019】
前記本体2は、上部に湾曲面11からなる上面部12を有し、この上面部12の下部に本体筒状部13を有し、この本体筒状部13は外面に位置する。前記本体筒状部13は高さ方向の中央よりもやや下方が細くなる湾曲状の括れ部14を有する。前記本体筒状部13は上端が本体2の最大径部13Aであり、前記本体筒状部13の下端部13Bは前記括れ部14より大径で前記最大径部13Aより小径である。
【0020】
また、前記本体2の内部には、横板状の上,下仕切り部15,16が設けられ、下部は下壁部17により閉塞されている。前記上仕切り部15の上の上内部空間18に前記電動機4が設けられ、前記上,下仕切り部15,16の下内部空間19に減速機構たる減速ギヤ群20が設けられ、前記減速ギヤ群20に前記電動機4の駆動ギヤ4Aが歯合する。また、上,下仕切り部15,16に駆動伝達軸21が回動可能に軸支され、前記駆動伝達軸21の下端が前記下仕切り部16の下部に突出している。
【0021】
前記駆動伝達軸21の下端には、該駆動伝達軸21と同体的に回転する回転体22が連結されている。前記回転体22は、上部の回転筒部23と、下部の回転軸24と、この回転軸24の下端に設けた前記円盤部5とを有する。前記下壁部17には、前記回転筒部23を回動自在に支持する軸受部25を設け、この軸受部25は短筒状をなす。また、前記回転筒部23には前記軸受部25の上縁に摺動する摺動鍔部26を設け、前記軸受部25と前記摺動鍔部26により、前記回転筒部23が下壁部17に回転可能に支持される。
【0022】
また、前記駆動伝達軸21の下端には回転伝達部21Aを設け、この回転伝達部21Aにより前記駆動伝達軸21の回転が回転体22の回転筒部23に伝達される。前記回転筒部23の下部には板状の仕切り部27を設け、この仕切り部27に透孔28を穿設し、この透孔28に連続して前記仕切り部27の下部にガイド筒部29を設けている。そして、前記透孔28及び前記ガイド筒部29に前記回転軸24の上部を挿通し、前記回転軸24の上部に、抜け止め部たる抜け止めピン30を設ける。
【0023】
また、前記仕切り部27と前記円盤部5との間には付勢手段たる圧縮コイルバネ31を配置し、前記圧縮コイルバネ31により前記回転筒部23に対して回転軸24及び円盤部5を下方に付勢している。また、前記抜け止めピン30は回転伝達部であり、前記抜け止めピン30が前記回転筒部23の内面に設けた縦溝(図示せず)に係合して回転筒部23の回転が回転軸24に伝達される。また、前記縦溝に沿って抜け止めピン30は上下に移動可能であり、前記圧縮コイルバネ31を圧縮することにより、回転軸24及び円盤部5が上昇可能となる。
【0024】
前記本体筒状部13の上部側面には、押しボタン式の駆動スイッチ32が設けられ、この駆動スイッチ32を操作して押すことにより、前記電動機4をオン・オフにすることができ、前記電動機4は電源コード4Bにより家庭用電源に接続され、家庭用電源により駆動する。また、前記駆動スイッチ32は、付勢手段たる圧縮コイルバネ33により外向きに付勢され、オン・オフ時とも本体筒状部13の外周より外側に突出している。
【0025】
また、前記円盤部5には、その下面に氷と接触するための押圧面34が形成されており、この押圧面34には、氷との引っかかりを強めるための爪部35が複数形成されている。
【0026】
前記容器3は、外面に容器筒状部41を有し、この容器筒状部41は略円筒形で、上方に向かって湾曲状に縮径する形状をなし、その上端部41Aの外面が前記本体筒状部13の下端部13Bの外面と面一になる。また、本体2と容器3とは、バヨネット結合構造42によって着脱可能に組み立てられる。
【0027】
具体的には、容器筒状部41の上端部41Aの内側にリング状の堰部43を設け、この堰部43の内端から上方に容器内筒部44を突設し、一方、本体筒状部13内の下部に本体内筒部45を設け、それら容器内筒部44及び本体内筒部45は全長に渡って略同一断面を有する。そして、この例では容器3における本体2側に前記堰部43が配置されている。
【0028】
前記容器内筒部44の上端外周には、円周方向に等間隔で複数のバヨネット用突起46が設けられ、前記本体内筒部45の内周には、前記バヨネット用突起46に対応して、バヨネット用溝47が設けられている。前記バヨネット用溝47は、前記本体内筒部45の下縁に開口する溝入口(図示せず)と、この溝入口に連通すると共に前記本体内筒部45の外周に沿って円周方向に延設された係止溝部(図示せず)を有する。
【0029】
そして、前記本体内筒部45に前記容器内筒部44を挿入するようにして、前記バヨネット用突起46を前記溝入口に挿入し、前記容器3を前記係止溝部の延設方向に回すことにより、バヨネット用溝47の前記係止溝部に前記バヨネット用突起46が係止する。これによって、前記容器3と前記本体2とが結合される。また、前記容器3を逆に回して前記本体2から取り外すことができる。
【0030】
前記容器筒状部41の下部は底面部51により塞がれ、この底面部51に前記貫通孔6が設けられ、前記底面部51の下部に前記切削刃7が設けられ、この切削刃7の刃部が前記貫通孔6から前記底面部51に臨んでいる。また、前記切削刃7の位置を調整する回転式摘み52が設けられ、この摘み52を操作することにより切削刃7の底面部51上の突出量を調整することができる。
【0031】
また、前記容器筒状部41の下部には着座筒部53が設けられ、この着座筒部53の外周に、弾性材料からなるリング保護体54を設け、このリング保護体54により着座筒部53を保護している。そして、リング保護体54は着座筒部53の外周を覆うリング部54Aと、着座筒部53の底面に設ける底面部54Bとを一体に備える。なお、リング保護体54のリング部54Aの外周の最大径部54Cは容器筒状部41の下部の外周より大きく形成されている。
【0032】
前記容器3内には、円筒状の氷用容器55が設けられ、この氷用容器55の底部は前記底面部51に設けられ、内部に前記円盤部5が遊挿される。また、前記氷用容器55の外周と前記容器筒状部41の内周との間には隙間56が設けられている。
【0033】
前記括れ部14の内部に、前記容器3の着脱状態を検出する検知部61を設けている。具体的に、前記本体2には、前記下仕切り部16の下方にスイッチ収納室62を設け、このスイッチ収納室62は、四方を囲む側面部62Aと、この側面部62Aの下部を塞ぐ下面部62Bとにより囲まれ、内部に検知スイッチ63が配置されている。
【0034】
前記検知部61は前記検知スイッチ63の操作子であって、前記本体2の中心に対して前記駆動スイッチ32と同一の側に配置されている。また、前記検知部61は、前記下面部62Bに穿設した透孔62Cに挿通する基端部64と、前記下壁部17に穿設した下壁貫通孔17Aに挿通する先端部65とを一体に有し、基端部64と先端部65は平面において偏心した位置にあり、基端部64の軸心が中央側で、先端部65の中心が外側に位置する。また、前記先端部65には、付勢手段たる圧縮コイルバネ66が外装され、この圧縮コイルバネ66は、前記下面部62Bと前記先端部65の間に配置され、前記検知部61を下方に付勢している。また、検知部61の基端には、前記透孔62Cより径大な抜け止め部67が設けられ、この抜け止め部67は基端部64に螺着したビス67Aにより取り付けられている。なお、ビス67A自体がフランジ状の抜け止め部67を一体に有しても良い。
【0035】
前記容器3の上部には、前記容器内筒部44より上方に、当接部たる上縁部68が設けられ、前記バヨネット結合構造42が結合した際に、前記上縁部68が前記検知部61の先端部65を押し上げ、圧縮コイルバネ66の付勢に抗して検知部61が上方に移動することにより検知スイッチ63がオンとなり、本体2に容器3を取付けたことを検知することができ、先端部65が押されていない状態では、検知スイッチ63がオフとなり、本体2から容器3を取り外したことが検知される。
【0036】
そして、検知スイッチ63がオンになっていることを条件として前記駆動スイッチ32により電動機4を駆動することができ、検知スイッチ63がオフの状態では前記駆動スイッチ32を操作しても電動機4は駆動しない。即ち、検知スイッチ63がオンを条件として電動機4に電力が供給され、検知スイッチ63がオフの状態では電動機4に電力が供給されないように構成している。また、電動機4は駆動スイッチ32を押した状態で駆動し、手を放して押すことを止めると、電動機4の駆動が停止するように構成してもよい。
【0037】
図1などに示すように、前記検知スイッチ63及び前記検知部61は本体2の中心に対して直径方向一側に配置されている。また、図5に示すように、本体2及び容器3の中心と検知部61の先端部65の中心を含む平面において、本体2及び容器3の外面側で直径方向一側が接する仮想直線Kから前記下壁貫通孔17Aまでの距離Lを、前記仮想直線Kと前記氷用容器55の内面55Nまでの距離L1より大きくしている。なお、仮想直線Kと内面55Nが平行でない場合は、内面55Nの上端位置までの距離L1を用いることができる。更に、仮想直線Kから前記堰部43の内端までの距離L2は、距離Lよりも大きい。
【0038】
前記電動氷かき器1は、別体で合成樹脂などからなる台座体71を備える。この台座体71は平面円形の底面部72と、この底面部72の周囲から立設した筒状の内壁部73と、この内壁部73と上端に周設したリング状の連結部74と、この連結部74から下方に垂設した外壁部75とを一体に備え、この外壁部75の下部は下方に向かって拡大するように湾曲形成されている。また、前記底面部72の下部には複数の脚部76が設けられている。
【0039】
そして、前記内壁部73の内径が前記リング保護体54の最大径部54Cと略等しく、台座体71の内壁部73内に前記容器3の下部が着脱自在に内嵌され、底面部72の上に着座筒部53の下面が載置される。このように着座筒部53に比べて大きい台座体71を用いることにより電動氷かき器1を安定して立てることができ、更に、貫通孔6にごみなどが侵入することを防止できると共に、氷用容器55内で生じた水が貫通孔6から落下しても、この水を台座体71により受けて外部に漏れることを防止できる。
【0040】
次に、前記電動氷かき器1の使用方法について説明する。本体2と容器3とを分離し、容器内筒部44の上部開口44Aから容器3内の氷用容器55内に氷(図示せず)を入れる。容器3を取り付ける前の状態では、圧縮コイルバネ66の付勢により検知部61の先端部65が下壁貫通孔17Aから下方に突出しており、検知部61が容器3を検知しないため、駆動スイッチ32を操作しても電動機4が駆動することがない。なお、前記上部開口44Aは前記容器内筒部44に内周面により構成され、前記上部開口44Aの直径に比べて氷用容器55の内径が大きい。
【0041】
氷用容器55に氷を入れた後、容器3に本体2を取り付ける。この場合、上部開口44Aを通して円盤部5を氷用容器55内に挿入し、円盤部5が氷に当たると、圧縮コイルバネ31が収縮し、本体2に対して回転軸24及び円盤部5が上昇する。そして、バヨネット結合構造42により容器3に本体2を取り付けると、容器3の上縁部68が先端部65の下端を押し、検知部61が押し上げられて、本体2に容器3が取り付けられたことを検知スイッチ63が検知する。
【0042】
検知スイッチ63が、本体2に容器3が取り付けられたことを検知すると、駆動スイッチ32を操作することにより、電動機4が駆動可能となる。この状態で、使用者が前記本体2を把持し、駆動スイッチ32を操作することで、前記電動機4が回転し、この回転が減速ギヤ群20により減速されて円盤部5が回転し、円盤部5の回転により氷用容器55内の氷が押し付けられて回転し、氷が切削刃7により削られて貫通孔6から落下する。なお、使用者は、前記本体2において細く形成された、把持しやすい括れ部14を把持することができる。
【0043】
また、使用時以外は台座体71を用いて安定して立てておくことができる。一方、電動氷かき器1を倒し、図4に示すように、検知部61側が下側になったことに気付かず、氷用容器55内の氷が融けて水が生じても、下壁貫通孔17Aに設けた検知部61が括れ部14に設けられ、転倒時に本体2及び容器3が接する仮想直線K(即ち設置面)から前記下壁貫通孔17Aまでの距離Lが、前記仮想直線K(即ち設置面)から氷用容器55の内面55Nまでの距離L1より大きく、更に、容器3に堰部43を設け、仮想直線K(即ち設置面)から前記堰部43の内端までの距離L2を、距離Lよりも大きくしたため、下壁貫通孔17Aに水が浸入し難くなる。
【0044】
以上のように本実施例では、電動機4が内蔵された本体2と、貫通孔6が設けられると共にこの貫通孔6の近傍に切削刃7を有する、本体2に対し着脱可能な容器3と、この容器3内に設けられた氷用容器55と、電動機4によって回転させられる回転部たる円盤部5とを有する電動氷かき器1において、本体2に、容器3の最大径部13Aよりも細となる括れ部14を設けたから、括れ部14を使用者が把持することで、使い易くすることができると共に、括れ部14よりも下方の容器3の径を大きくすることができるので、この容器3に収容できる氷の量が少なくならないようにすることができる。
【0045】
また、括れ部14の内部に、容器3の着脱状態を検知する検知部61を設けたから、電動氷かき器1が倒れた状態で、容器3内の氷が融けて水が生じても、この水が検知部61に進入し難いようにすることができる。
【0046】
また、本体2の下壁部17に下壁貫通孔17Aを設け、この下壁貫通孔17Aを通って検知部61が設けられると共に、本体2と容器3に同時に接する仮想直線Kから下壁貫通孔17Aまでの距離Lを、仮想直線Kから氷用容器55の内面55Nまでの距離L1よりも大きくしたから、電動氷かき器1が倒れた状態で、容器3内の氷が融けて水が生じても、この水が検知部61に、より一層進入し難いようにすることができる。
【0047】
また、容器3における本体2側に、堰部43を設けたから、電動氷かき器1が倒れた状態で、容器3内の氷が融けて水が生じても、この水が堰部43で遮られて、検知部61により一層進入し難いようにすることができる。
【0048】
以下、実施例上の効果として、本体2の最大径部より容器3の最大径部が大きいから、容器3の容積効率に優れる。また、電動氷かき器1の高さ方向において、括れ部14が中央より上方に位置するから、括れ部14を片手で握った状態で、親指を用いて駆動スイッチ32を操作することもできる。また、電源コード4Bを本体2の括れ部14の位置より上部に設けたから、削った氷を受ける皿等に電源コード4Bが当たることがない。更に、氷用容器55の外周と容器筒状部41の内周との間には隙間56を設けたから、電動氷かき器1が倒れても、氷用容器55の内部の水が隙間56に流れ、下壁貫通孔17A側に侵入し難くなる。なお、前記隙間56は直径方向において10mm以上とすることが好ましく、括れ部14を設けることにより隙間56の空間を確保することができる。また、別体で台座体71を備えることにより、電動氷かき器1を安定して立てることができる上に、貫通孔6からごみなどが侵入することを防止できると共に、氷用容器55内で生じた水が貫通孔6から落下しても、この水を台座体71により受け止めることができる。更に、前記上部開口44Aの直径に比べて氷用容器55の内径が大きいから、従来に比べて氷を多く収納することができる。
【実施例2】
【0049】
図6は実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2では、実施例1に比べて、容器3を低く、本体2を高く形成し、この本体2における前記容器3側に、堰部43を設けている。
【0050】
また、容器筒状部41の上端部41Aには内段部81を設け、この内段部81の内端から容器内筒部44を突設し、この容器内筒部44の上端外周に、円周方向に等間隔で複数のバヨネット用突起46が設けられている。一方、本体筒状部13の下端部13B側内周には、前記バヨネット用突起46に対応して、バヨネット用溝47が設けられている。
【0051】
前記堰部43の上部には筒部82を突設し、この筒部82に案内軸83を挿通し、この案内軸83の下端に伝達部材84を連結している。この伝達部材84は横方向の横辺85と、縦方向の縦辺86とを一体に有する。また、前記横辺85の上面に前記案内軸83が一体に形成される。そして、前記案内軸83が、前記下壁貫通孔17Aを挿通して下方に突設された図示しない検知部に当接する。また、前記縦辺86の下端部86Aは前記本体筒状部13の内面に沿って配置され、前記本体2に前記容器3を取り付けた際に、前記容器内筒部44の上縁部44Bに当接する。また、前記筒部82と横辺85との間には付勢手段たる圧縮コイルバネ87が配置され、この圧縮コイルバネ87により前記伝達部材84を下方に付勢している。更に、横辺85の下面と縦辺86の内面とを連結する補強リブ88が前記伝達部材84に設けられている。
【0052】
前記案内軸83の上部には、ビス67Aにより抜け止め部67が設けられている。なお、ビス67A自体がフランジ状の抜け止め部67を一体に有しても良い。また、前記下壁部17には、前記ビス67Aの頭部を挿入する透孔17Bが穿設されている。
【0053】
そして、前記抜け止め部67が下壁部17の下面に当接する位置が伝達部材84の上限位置であり、逆に、抜け止め部67が筒部82の上面に当接する位置が伝達部材84の下限位置である。
【0054】
使用において、図6に示すように、本体2に容器3を取り付けると、容器内筒部44の上縁部44Bが縦辺86の下端部86Aを押し上げ、圧縮コイルバネ87が収縮し、伝達部材84と共に図示しない検知部が押し上げられて、本体2に容器3が取り付けられたことを検知スイッチ63が検知する。
【0055】
一方、本体2から容器3を外すと、圧縮コイルバネ87及び検知部のための図示しない付勢手段により、伝達部材84と共に検知部が下がり、検知スイッチ63がオフとなり、本体2から容器3を取り外したことが検知される。
【0056】
このように本実施例は上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【0057】
更に、本実施例では、本体2における下壁部17よりも容器3側に、堰部43を設けたから、電動氷かき器1が倒れた状態で、容器3内の氷が融けて水が生じても、この水が堰部43で遮られて、検知部61に、より一層進入し難いようにすることができる。
【0058】
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では、リング状の堰部を示したが、検知部側にのみ堰部を設けてもよい。また、実施例では家庭用電源を用いるものを示したが、電池を電源としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 電動氷かき器
2 本体
3 容器
4 電動機
5 円盤部(回転部)
6 貫通孔
7 切削刃
14 括れ部
17 下壁部
17A 下壁貫通孔
54C 最大径部
55 氷用容器
61 検知部
65 先端部
K 仮想直線
L 距離
L1 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6