【実施例】
【0032】
図1(a)に示す本発明の取付部材1の
参考例は、凸状部51の上方及び左右の何れか一方(=左方)に配する上方部材2と、該上方部材2と回動自在に枢着されて凸状部51の他方(=右方)に配される下方部材3と、該下方部材3に取り付けられて前記上方部材2を貫通する取付ボルト1Bと、該取付ボルト1Bの先端に螺合される締着ナット1Cとからなる。上記上方部材2と下方部材3とは、組み合わせ状態が断面略筺状になるように形成され、内部に空間10が形成される構成である。
【0033】
前記上方部材2は、前述のように凸状部51の上方及び左右の何れか一方に配する部材であり、
図1(b)に示すように凸状部51を囲う筺状部分の上面11に相当する横片21と、左側面12に相当する縦片22と、底面左側13aに相当する横片23とを形成する略逆つ字状のアルミ押出材である。前記上面11に相当する横片21には、取付ボルト1Bが貫通する横長の孔211が設けられている。そして、下方部材3と回動自在に枢着するための軸部15を形成する凹状の枢支受部24は、上面右端(横片21の右端)に位置し、凸状部51に当接する(底面左側13aに相当する)横片23の先端が当接部25である。
【0034】
前記下方部材3は、前述のように凸状部51の左右の他方に配する部材であり、
図1(c)に示すように右側面14に相当する縦片31と、底面右側13bに相当する横片32とを形成する略逆L字状のアルミ押出材である。そして、取付ボルト1Bの頭部が嵌着される凹状の収容部33が底面右側13bに相当する横片32の裏面側に形成され、上方部材2と回動自在に枢着するための軸部15を形成する凸状の枢支部34は、右側面上端(縦片31の上端)に位置し、凸状部51に当接する(底面右側13bに相当する)横片32の先端が当接部35である。
【0035】
前記取付ボルト1Bは、
図1(d)に示すように下端に頭部16が位置し、上方に雄ネジ部分17が位置する六角ボルトである。
また、前記締着ナット1Cは、
図1(e)に示すように六角ナットである。
【0036】
そして、これらの部材を
図1(f)に示すように一体的に組み合わせるのであるが、上方部材2と下方部材3とは回転自在に枢着されて軸部15を形成し、下方部材3の収容部33にその頭部16を取り付けられた取付ボルト1Bの雄ネジ部分17の先端は、上方部材2に設けた孔211を貫通して上方に突出するように組み合わせる。
なお、締着ナット1Cは、それを締め付ける作業まで取り外した状態としておくようにしてもよいし、取付ボルト1Bの雄ネジ部分17の先端に緩く取り付けておくようにしてもよい。
【0037】
なお、
図1(g)に示した外装面5上に形成される凸状部51は、山状部分と谷状部分とが連続する構成の外装面5において、山状部分の頂部に形成されたものであり、タイトフレーム5B上に固定された吊子5Cの起立片に、左右の外装材5A,5Aの側縁部52,52の端部を略垂直状に立ち上げて重合状に沿わせ、カシメて形成したものである。
【0038】
そして、
図1(g)の外装構造を施工するには、以下の第1〜第3の工程を実施すればよい。
まず、第1の工程として、前述の
図1(f)のように上方部材2と下方部材3と取付ボルト1Bとを予め一体的に組み合わせた状態で、上方部材2と下方部材3で形成される空間10に位置させるように凸状部51に配置する。
上方部材2及び下方部材3は、回動自在に枢着されているので、上方部材2を凸状部51の左側に配設し、当接部25を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、下方部材3を凸状部51の右側に配設し、当接部35を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、左右から挟むように配設する。
【0039】
次に、第2の工程として、前記取付ボルト1Bに締着ナット1Cを取り付けて上方から工具等で締め付ける。この締め付けにより、取付ボルト1Bを引っ張り上げる作用が働き、上方部材2と下方部材3とを一体的に固定する。この状態では、各当接部25,35が凸状部51の立ち上がり基部を左右から挟着する状態となるため、上方部材2及び下方部材3が凸状部51に係止状に取り付けられ、取付ボルト1Bが上方部材2上に起立する。
【0040】
その後、第3の工程として、固定した取付部材1の取付ボルト1Bの雄ネジ部分17の先端に、直接的に外設部材を、或いは支持材を介して間接的に外設部材を取り付け、固定した取付ボルト1Bにナット6Cを取り付けて固定する。この図示実施例では、取付ボルト1Bの雄ネジ部分17に略筒状のスペーサ6Bを取り付け、さらに押さえ部材6Aを配し、ナット6Cを締め付けた状態を示したが、図示しない太陽電池パネル等を配してその端縁をこの押さえ部材6Aで配する場合などがこの例に相当する。しかもその際に、前記取付部材1の上面11を太陽電池パネルを安定に載置する支持面として利用することができる。
このように第3の工程では、太陽電池パネル等の外設部材を取付ボルト1Bの先端に直接的に取り付けて固定することができる。
【0041】
図2(a)に示す外装構造は、前記
参考例の取付部材1を異なる外装面5Xの凸状部51xに取り付けた例を示すものであり、
図2(b)に示す外装構造は、前記
参考例の取付部材1を左右逆にして異なる外装面5Yの凸状部51yに取り付けた例を示すものである。
【0042】
図2(a)に示した外装面5Xに形成される凸状部51xは、山状部分と谷状部分とが連続する構成の外装面において、山状部分の頂部に形成されたものであり、図示しない保持部材に嵌合、保持される左右の外装材5A’,5A’の側縁部52x,52xの端部を略垂直状に立ち上げて重合状に沿わせ、カシメて形成したものである。
図2(b)に示した外装面5Yに形成される凸状部51yは、山状部分と谷状部分とが連続する構成の外装面において、山状部分の頂部に形成されたものであり、タイトフレーム5B”上に固定された吊子5C”の起立片に、左右の外装材5A”,5A”の側縁部52y,52yの端部を略垂直状に立ち上げて重合状に沿わせ、カシメて形成したものである。
そして、これらの
図2(a)の例においても
図2(b)の例においても、図面に同一符号を付して説明の重複を避けるが、前記
図1(g)の例と同様に凸状部51x,51yに対して全く同様に前記取付部材1を取り付けることができ、全く同様に押さえ部材6Aやスペーサ6B、ナット6Cを取り付けることができる。
【0043】
図3(a)に示す本発明の
実施例1の取付部材1’は、凸状部51の上方及び右方に配する上方部材2’と、該上方部材2’と回動自在に枢着されて凸状部51の左方に配される下方部材3’とを、断面略筺状になるように組み合わせ、内部に空間10’が形成される構成である。なお、この
図3(a)では省略したが、この取付部材1’は、これら上方部材2’及び下方部材3’の他に、六角ボルトである取付ボルト1Bと六角ナットである締着ナット1Cとからなる構成である。
【0044】
前記上方部材2’は、凸状部51を囲う筺状部分の上面(支持面)に相当する横片21’と、右側面に相当する縦片22’と、底面右側に相当する横片23’とを形成する略つ字状のアルミ押出材である。この横片23’の先端が凸状部51に当接する当接部25’である。また、前記横片21’には、取付ボルト1Bが貫通する横長の孔211’が設けられ、さらに、この横片21’の一部を上方へ折り上げた起立片212が形成されている。
【0045】
前記下方部材3’は、凸状部51を囲う筺状部分の左側面に相当する縦片31’と、底面左側に相当する横片32’とを形成する略L字状のアルミ押出材である。この横片32’の先端が凸状部51に当接する当接部35’である。また、この下方部材3’には、内側へ傾斜状に起立する傾斜片部36が設けられ、該傾斜片部36に取付ボルト3Bの頭部16を収容する収容部33’が設けられている。このように取付ボルト3Bの収容部33’を下方部材3’の上方側に設けることで、支持面の略中央から取付ボルト3Bを起立させることができる。その結果、取付部材1’の安定性が増す。さらに、空間10’内の上方に収容部33’があるため、空間10’内に取付ボルト3Bが存在しなくなり、外装材の凸状部51の形状に影響を受けない。
【0046】
図3(b),(c)は、この
実施例1の取付部材1’を外装面5上に形成される凸状部51に取り付けた外装構造を示すものであって、前記取付部材1’の下方部材3’を凸状部51の左側に、右側に上方部材2’を配設する。なお、外装面5に形成される凸状部51は、前記
図1(g)と全く同様であるから、同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
この
図3(b),(c)の外装構造を施工するには、以下の第1〜第3の工程を実施すればよい。
まず、第1の工程として、上方部材2’と下方部材3’とを予め一体的に組み合わせた状態で、上方部材2’と下方部材3’で形成される空間10’に位置させるように凸状部51に配置する。
上方部材2’及び下方部材3’は、回動自在に枢着されているので、上方部材2’を凸状部51の左側に配設し、当接部25’を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、下方部材3’を凸状部51の右側に配設し、当接部35’を凸状部51の立ち上がり基部に沿わせ、左右から挟むように配設する。
なお、下方部材3’の収容部33’に予め一体的に取付ボルト1Bを取り付けておくようにしてもよいし、続く第2の工程において取付ボルト1Bを取り付けてもよい。
【0048】
次に、第2の工程として、前記下方部材3’の収容部33’に取付ボルト1Bを取り付け、該取付ボルト1Bの雄ネジ部分17に締着ナット1Cを取り付けて上方から工具等で締め付ける。
この締め付けにより、取付ボルト1Bを引っ張り上げる作用が働き、上方部材2’と下方部材3’とを一体的に固定することができる。この状態では、各当接部25’,35’が凸状部51の立ち上がり基部を左右から挟着する状態となるため、上方部材2’及び下方部材3’が凸状部51に係止状に取り付けられ、取付ボルト1Bが上方部材2’上に起立する。
【0049】
その後、第3の工程として、固定した取付部材1’の取付ボルト1Bの雄ネジ部分17の先端に、直接的に外設部材を、或いは支持材を介して間接的に外設部材を取り付け、固定した取付ボルト1Bにナット8Bを取り付けて固定する。この図示実施例では、外設部材として太陽電池パネル9,9を左右に配設し、取付ボルト1Bの雄ネジ部分17に
図3(d)に示す縦長の押さえ部材8を配し、その上からナット8Bを締め付けて固定する。
この太陽電池パネル9は、太陽電池セル90の周囲にフレーム91を配した構成であり、前記押さえ部材9は、太陽電池パネル9の端縁を押さえる押さえ部91,91を有し、左右の縦片92,92の下端が前記取付部材1’の上面に着地し、該縦片92,92間に前記取付ボルト1Bの雄ネジ部分17が配される構成である。
なお、この取付部材1’には、前述のように横片21’の一部を上方へ折り上げた起立片212が形成されているので、この起立片212の端縁に太陽電池パネル1,1を係止状に配設することができ、太陽電池パネル1,1の位置決めに寄与する。