【実施例1】
【0022】
まず、
図1を用いて、本発明の実施例1に係る鋸100の形態について説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例1に係る鋸の右側面図である。
【0024】
図1に示すように、鋸100は、鋸柄10及び鋸板20を備える。
【0025】
[鋸柄10]
図1に示すように、鋸柄10は棒状からなり、断面視において、円形状にて形成される(図示略)。鋸柄10の一端は、後述する鋸板20の一端と連結されており、使用者は、鋸柄10を把持することで、鋸100を操作することができるようになっている(鋸100を操作して、被切断材の切断作業及び鉛筆の切削作業を行うことができる(この点については後述する))。
【0026】
鋸柄10の長手方向の長さは概ね230mm、外径は概ね20mmに形成される。また、鋸柄10は、例えば、木材、プラスチック等にて形成することができる。
【0027】
[鋸板20]
図1に示すように、鋸板20は板状からなり、側面視において、矩形状にて形成される。鋸板20の長手方向の一方の側辺には、鋸柄10側に余地部21を残して鋸刃22が形成されており、余地部21には、鉛筆を
削る刃部23が形成される(刃部23は、鋸柄10の近傍、すなわち、余地部21において、より鋸柄10側に形成される)。なお、上述のとおり、鋸板20の一端は、鋸柄10の一端に連結されている。
【0028】
鋸板20の長手方向の長さは概ね210mm、短手方向の長さは概ね40mm、厚みは概ね5mmに形成される。また、鋸刃22の刃渡りは概ね170mm、余地部21の長さは概ね40mm、刃部23の刃渡りは概ね20mmに形成される。なお、鋸板20、鋸刃22及び刃部23は、例えば、鋼等にて形成することができる。
【0029】
次に、
図1を用いて、本発明の実施例1に係る鋸100の使用方法について説明する。なお、ここでは、まず、被切断材の切断作業の流れを説明した上で、本発明の実施例1に係る鋸100の使用方法について説明する。
【0030】
[被切断材の切断作業の流れ]
使用者は、まず、鉛筆を用いて、被切断材に、切断する箇所の墨付けを行う。そして、使用者は、墨付け箇所に従って、被切断材の切断作業を開始する。このとき、使用者は、鋸柄10を把持し、鋸100を操作することで、鋸刃22によって、被切断材を切断する。このように、被切断材の切断作業は、被切断材への墨付けから被切断材を切断するという流れ(工程)で行われる。
【0031】
[本発明の使用方法]
このような被切断材の切断作業の流れの中で、使用者が被切断材へ墨付けを行う際、鉛筆芯の露出が少ない場合には、使用者は、被切断材に鮮明な墨付けを行うことができない。そこで、この場合、使用者は、被切断材に鮮明な墨付けを行うべく、鋸100の刃部23によって、鉛筆の切削作業を行うようにする。
【0032】
具体的には、まず、使用者は、一方の手で鋸柄10を把持するとともに、他方の手で鉛筆を把持し、刃部23を鉛筆の先端に沿え、鋸柄10を操作(鋸柄10を前後に動かす等)することで、刃部23によって鉛筆を削り、鉛筆芯を露出させ、当該芯の先端を尖らせるようにする。
【0033】
このとき、刃部23は、鋸柄10の近傍、すなわち、余地部21において、より鋸柄10側に形成されており、刃部23と鋸柄10の距離は近接していることから、使用者は、鋸柄10の動きに合わせて、刃部23を容易に操作することができる。したがって、使用者は、刃部23を鉛筆に対して、繊細に操作することができることから、鉛筆芯の先端を、効率よく安全かつ安定して尖らせる(削る)ことができる。
【0034】
このように、本発明は、鋸板20の長手方向の一方の側辺に、鋸柄10側に余地部21を残して形成される鋸刃22と、余地部21に形成される、鉛筆を
削る刃部23とを有することから、使用者は、一つの刃物(本発明に係る鋸100)で、被切断材を切断することができるとともに、鉛筆を、効率よく安全かつ安定して削ることができる。なお、刃部23は、複数の木材等の間に張られる水糸をも切断することができることから、本発明を用いれば、より建築現場での作業が効率的となる。
【0035】
なお、本実施例では、鋸100(鋸柄10及び鋸板20(余地部21、鋸刃22及び刃部23を含む))を上記寸法にて形成するものとしているが、状況に応じて、これらを他の寸法(大きめ又は小さめ)にて形成することもできる。
【0036】
また、本実施例では、鋸板20の長手方向の一方の側辺に、鋸柄10側に余地部21を残して鋸刃22を形成するものとしているが、鋸刃22を、鋸板20の長手方向の他方の側辺にも形成することができる(すなわち、鋸板20の長手方向の両側辺に鋸刃22を形成する)。このとき、鋸板20の長手方向の他方の側辺に、鋸柄10側に余地部21を残して鋸刃22を形成し、余地部21に刃部23を形成するようにしてもよい(余地部21及び刃部23は、鋸板20の長手方向の両側辺に形成されることになる)。
【0037】
また、このとき、鋸刃22を、鋸板20の長手方向の他方の側辺全長に形成してもよい(すなわち、鋸板20の長手方向の他方の側辺には、余地部21及び刃部23は形成されない)。なお、このように、鋸刃22を形成したとしても、鋸板20の長手方向の一方の側辺には、依然として、刃部23が形成されていることから(余地部21に形成される刃部23)、使用者は、一つの刃物(本発明に係る鋸100)で、被切断材を切断することができるとともに、鉛筆を、効率よく安全かつ安定して削ることができる。
【0038】
さらに、本実施例では、刃部23を、鋸柄10の近傍、すなわち、余地部21において、より鋸柄10側に形成するものとしているが、使用者が、鋸柄10の動きに合わせて、刃部23を容易に操作することができるのであれば、余地部21の長さをより長くして、刃部23を、鋸柄10の近傍から、10mmから15mm程度、鋸板20の中央より(鋸板20の他端側(鋸柄10の一端に連結されていない側)方向)に形成するようにしてもよい。
【0039】
また、本実施例では、鋸板20及び余地部21を上記のように形成するものとしているが、これらを例えば、以下のように変形することもできる。なお、以下では、本実施例に係る鋸100と異なる点のみを説明する。
【0040】
図2は、本発明の実施例1に係る鋸の変形例を表す右側面図である。
【0041】
図2に示すとおり、鋸200は、鋸柄30及び鋸板40を備え(鋸板40の一端は、鋸柄30の一端に連結されている)、鋸板40には、長手方向の一方の側辺に、鋸柄30側に余地部41を残して鋸刃42が形成される。余地部41の一部は、凹陥状に形成されていて(凹陥部44)、凹陥部44には、鉛筆を
削る刃部43が形成されている(すなわち、刃部43が形成されている箇所の余地部41が凹陥状に形成されている)。
【0042】
このように、鋸200では、刃部43が形成されている箇所の余地部41が、凹陥状に形成されていることから(凹陥部44)、使用者が、鋸200を操作して、鋸刃42によって被切断材を切断している最中に、刃部43が使用者の指等に触れる可能性は、刃部43が鋸刃42と同一線上に形成される場合と比較して、格段に減少されることになる。したがって、鋸200を用いれば、使用者が、被切断材の切断作業中に、刃部43によって指等を切ることを防止することができる。
【0043】
さらに、本実施例では、鋸板20の形状を、側面視において、矩形状にて形成するものとしているが、例えば、これを側面視ナイフ形状にて形成することも可能である(
図3の鋸300の鋸板60を参照)。
【0044】
最後に、本実施例では、鋸100の実施形態について説明したが、鋸100の鋸板20を、例えば、以下のように鋸用の替え刃として構成することも可能である。
【0045】
図4は本発明の実施例1に係る鋸の変形例(鋸用の替え刃として変形した例)を表す右側面図である。
【0046】
図4に示すように、鋸用の替え刃400は、基本的に鋸100の鋸板20と同様の構成からなるものであるが、鋸板80の一端(鋸柄70の一端と連結される側)には、嵌合凸部90が形成されており、嵌合凸部90を、鋸柄70の一端に形成される嵌合凹部(図示略)に嵌合することで、鋸板80(鋸用の替え刃400)と鋸柄70を連結することができるようになっている。なお、鋸板80(鋸用の替え刃400)と鋸柄70を連結する方法については、他の公知の連結方法を用いることができる。
【0047】
これにより、鋸用の替え刃400を用いれば、被切断材の切断作業及び鉛筆の切削作業の両方を行うことができる鋸用の替え刃を提供することができる。なお、鋸用の替え刃400の鋸板80、余地部81、鋸刃82及び刃部83については、上記と同様の変更が可能であることは勿論である。
【0048】
このように、本実施例では、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。