(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
布帛を処理するための処理液が循環する循環系統を備えた液流式布帛処理装置における前記循環系統に布帛処理用の処理剤を供給するための液流式布帛処理装置用の処理剤供給装置であって、
前記処理剤が投入される投入口及び前記処理剤を前記循環系統に対して供給するための供給口が形成された槽本体と、前記投入口を開閉可能な蓋部と、前記供給口を開閉可能な開閉手段と、を有する供給槽と、
前記供給口から前記循環系統内に前記処理剤を供給できるように前記供給槽を前記循環系統に着脱する着脱手段と、を備える、
液流式布帛処理装置用の処理剤供給装置。
前記供給槽は、外部から内部へ吸気するための吸気部を有し、前記蓋部は、前記投入口を密閉可能に構成されている、請求項1に記載の液流式布帛処理装置用の処理剤供給装置。
前記供給槽は、内部を洗浄すべく該内部にて流体を噴射可能な洗浄部と、前記供給槽の内部から外部へ排気するための排気部とを有する、請求項1又は2に記載の液流式布帛処理装置用の処理剤供給装置。
前記洗浄部は、流体が噴射される領域である噴射エリア及び前記噴射エリア外の領域である非噴射エリアを形成するメインノズルと、流体が噴射される領域である噴射エリアを形成する少なくとも一つのサブノズルと、を有し、前記サブノズルの前記噴射エリアは、前記メインノズルの前記非噴射エリアと重なるように形成されている、請求項3に記載の液流式布帛処理装置用の処理剤供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る液流式布帛処理装置用の処理剤供給装置(以下、単に供給装置という)について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る供給装置1は、布帛を処理するための液流式布帛処理装置100(以下、単に処理装置という)における処理液が循環する循環系統Sに接続され、前記循環系統Sから分岐した処理液を前記循環系統Sに戻すように構成されている。
【0024】
布帛を処理するための処理液は、循環系統Sを循環する流体全般を指す。即ち、処理液には、布帛処理用の処理剤が混合された状態の流体や、処理剤が未混合状態の流体等も含まれるものとする。また、布帛処理用の処理剤には、染色用の染料や、布帛に対する染色を促す目的で使用される補助剤(例えば、芒硝(硫酸ナトリウム))、防炎加工用の処理剤等、布帛の処理に使用される各種の処理剤が含まれる。また、処理剤としては、液体材料、粉体材料等、性状についても特に限定されず、様々な性状のものが扱われる。
【0025】
まず、供給装置1が接続される処理装置100について説明する。
【0026】
処理装置100は、処理液が循環する循環系統Sを備える。循環系統Sは、布帛を処理する滞留槽101と、滞留槽101から流出する処理液を滞留槽101へ戻す循環ポンプ102と、処理液を循環させる移送管103と、を備える。
【0027】
滞留槽101は、布帛を処理する領域となる本体部101Aと、処理液を本体部101Aへ導入する入口部101Bと、本体部101Aから流出する処理液を移送管103に送る出口部101Cと、を有する。
【0028】
循環ポンプ102は、処理液を吸込む吸込部102Aと、処理液を送り出す吐出部102Bとを有する。
【0029】
移送管103は、滞留槽101の出口部101Cと循環ポンプ102の吸込部102Aとを繋ぐ第1移送管103Aと、循環ポンプ102の吐出部102Bと滞留槽101の入口部101Bとを繋ぐ第2移送管103Bと、を有する。処理液は、循環ポンプ102によって昇圧されるため、本実施形態では、第2移送管103B内の圧力は、第1移送管103A内の圧力よりも高くなっている。循環ポンプ102の吐出部102Bから吐出されて入口部101Bを介して滞留槽101に戻った処理液は、布帛を処理しながら滞留槽101の出口部101C及び第1移送管103Aを経由して、循環ポンプ102の吸込部102Aへと戻る。このように、処理装置100は、処理液を循環可能に構成されている。
【0030】
本実施形態の供給装置1は、処理装置100における循環系統Sの第2移送管103Bから分岐した処理液を、供給装置1内を循環させて第1移送管103Aに戻すように構成されている。即ち、供給装置1は、循環ポンプ102によって昇圧され、圧力が高い状態にある第2移送管103B内の処理液を分岐させる。そして、供給装置1は、滞留槽101を経由することで圧力が下がった状態にある第1移送管103A内に処理液を戻すように構成されている。
【0031】
図2に示すように、供給装置1は、循環系統Sに接続され、該循環系統Sから分岐した処理液を流通可能な流通部2と、布帛処理用の処理剤を分岐した処理液に対して供給可能に構成された供給槽3と、供給槽3を循環系統Sに着脱する着脱手段4と、を備える。
【0032】
流通部2は、循環系統Sを循環する処理液を分岐させる上流通部201と、上流通部201の下流に設けられた遮断手段202と、遮断手段202の下流に設けられた下流通部203と、を有する。流通部2は、循環系統Sから分岐した処理液を循環系統Sに戻す経路となっており、処理装置100の近傍を走るように経路が組まれている。流通部2は、循環系統Sにおける異なる位置に接続されている。
【0033】
上流通部201は、処理液が流通する領域を形成する本体部21と、前記供給槽3の内部空間と前記本体部21とを連通させる連通部22と、処理液を昇圧可能な昇圧手段23と、を有する。上流通部201は、処理装置100における循環系統Sに接続され、処理液を分岐させる部分である。
【0034】
本体部21は、昇圧手段23の上流に位置する上本体部211と、昇圧手段23の下流に位置する下本体部212と、を有する。
【0035】
上本体部211は、所定の長さを有する配管で構成されており、処理液の流通状態と非流通状態とを切り替える第1開閉弁V1と、第1開閉弁V1の下流に位置し、上本体部211内の流体を排液するための排液部213とを有する。
【0036】
上本体部211は、一端が循環系統Sにおける第2移送管103Bに接続され、他端が昇圧手段23に接続されている。上本体部211は、第2移送管103Bから分岐した処理液を昇圧手段23に送る部分である。上本体部211は、後述する昇圧手段23の吸込部231と接続される部分がT形管継手Tによって構成されており、T形管継手Tにおける三つの開口のうちの、対向して位置する第1開口C1から第2開口C2にかけての直線部分が、処理液が流通する領域となっている。即ち、上本体部211は、T形管継手Tにおける第2開口C2と昇圧手段23の吸込部231における吸込口240とが位置合わせされた状態で昇圧手段23に接続される(
図3参照)。
【0037】
具体的には、本実施形態の上本体部211は、第2開口C2の開口中心と、昇圧手段23における吸込口240の開口中心とが一致するように、昇圧手段23に接続されている。上本体部211は、昇圧手段23の上流側における所定箇所から第2開口C2までの部分がストレートに構成されており、昇圧手段23の吸込口240に対して、処理液を直線的に送るようになっている。
【0038】
第1開閉弁V1は、昇圧手段23の吸込部231近傍に配置されている。また、排液部213は、排液を外部に流出させるための第2開閉弁V2を有し、上本体部211内の流体を排液するための経路(図示しない)に繋がっている。
【0039】
下本体部212は、所定の長さを有する配管で構成されており、一端が昇圧手段23に接続され、他端が遮断手段202に接続されている。本実施形態の下本体部212は、上本体部211の径よりも細く形成されている。
【0040】
連通部22は、本体部21に連設されている。本実施形態の連通部22は、上本体部211に連設されている。連通部22は、上本体部211に繋がり、供給槽3の内部空間と上本体部211とを連通するための開口223が形成された接続部221と、該開口223を開閉可能な第3開閉弁V3と、を有する。連通部22は、第3開閉弁V3が開状態にあるときに、供給槽3の内部空間と、上本体部211とを連通させ、第3開閉弁V3が閉状態にあるときに、供給槽3の内部空間と上本体部211との間を遮断する。
【0041】
本実施形態の接続部221は、開口223を上方に向けて上本体部211から上方に突出している。具体的には、接続部221は、T形管継手Tの一部によって構成されており、T形管継手Tにおける直線部分から突出した部分に形成された開口である第3開口C3を上方に向けることによって構成されている。
【0042】
具体的に説明する。T形管継手Tは、第1開口C1が形成された第1部分T1と、第2開口C2が形成された第2部分T2と、第3開口C3が形成された第3部分T3とを有する。第1部分T1、第2部分T2、及び第3部分T3は、円筒状である。第2部分T2と第3部分T3とは、第2開口C2の開口中心と第3開口C3の開口中心とが一致するように、エルボー状に湾曲して接続されている。第1部分T1は、第1開口C1の開口中心が第2開口C2の開口中心と一致するように、前記エルボー状に湾曲した部分から突出している。即ち、第1部分T1と第2部分T2とが接続されて、前記直線部分を構成し、第3部分T3が、該直線部分から上方に突出している。本実施形態では、第2部分T2が昇圧手段23の吸込部231と接続されている。
【0043】
第1開口C1〜第3開口C3は、開口形状が円形状に形成されている。第2開口C2と第3開口C3とは、開口面積も略同一に形成されている。第1開口C1の開口面積は、第2開口C2の開口面積及び第3開口C3の開口面積よりも小さく形成されている。T形管継手Tには、第1開口C1、第2開口C2、及び第3開口C3以外の開口や分岐は形成されておらず、T形管継手Tは、一体的に形成されている。第2部分T2は短い配管で構成されており、第3部分T3と昇圧手段23の吸込部231とは近接している。
【0044】
第3開閉弁V3は、接続部221よりも上方に設けられ、第3開口C3を開閉可能となっている。
【0045】
昇圧手段23は、処理液を昇圧可能に構成されている。本実施形態の昇圧手段23は、処理液を撹拌可能な旋回流を発生させるポンプである。
図3に示すように、昇圧手段23は、シャフト230と、処理液を吸込む吸込口240が形成された吸込部231と、処理液を吐出する吐出部232と、処理液と処理剤とを混合させる混合部233と、処理液と処理剤との混合液を昇圧可能な昇圧部234と、シャフト230を回転させるための駆動部235と、を有する。
【0046】
吸込部231は、T形管継手Tと接続されており、T形管継手Tの第2開口C2の開口中心と吸込口240の開口中心とが位置合せされて、上本体部211の他端と接続されている。
【0047】
吐出部232には、処理液が吐出する吐出口250が形成されている。吐出部232は、吐出口250の開口中心と、下本体部212を構成する配管の一端側の開口中心とが位置合わせされた状態で、下本体部212の一端と接続されている。
【0048】
混合部233は、処理液と処理剤とを混合するための空間を形成するケーシング236と、該ケーシング236の内部に設置され、旋回流を発生させる旋回部237とを有する。混合部233は、吸込部231の吸込口240からケーシング236内に処理液及び処理剤を吸い込み、旋回部237を回転させることによって処理液と処理剤とを混合する。
【0049】
旋回部237は、回転中心となる軸部237Aと、軸部237Aから該軸部237Aの外方へ延びる羽根部237Bとを有する。本実施形態の軸部237Aは、筒状に形成され、ポンプのシャフト230を挿通可能となっている。本実施形態の軸部237Aは、一端から他端に亘って同径の円筒状に形成されている。軸部237Aは、軸線が吸込口240の開口中心が延びる方向と同方向に延びるようにケーシング236の内部に配置され、該軸線周りで回転自在となっている。
【0050】
本実施形態の羽根部237Bは、軸部237Aの軸線が伸びる方向と同方向に延びる板状の羽根である。羽根部237Bは、3枚の羽根から構成されており、隣り合う羽根同士が等間隔となるように軸部237Aから該軸部237Aの軸線に直交する方向に放射状に延びている。3枚の羽根のそれぞれは、軸部237Aの一端から他端に亘って延びている。羽根部237Bは、軸部237Aの回転に伴って回転し、ケーシング236内の処理液及び処理剤を混合可能となっている。
【0051】
昇圧部234は、処理剤が混合された処理液を昇圧する領域を形成するケーシング236と、ケーシング236の内部に配置され、該処理液を排出するインペラー238とを有する。昇圧部234は、ケーシング236を混合部233と共有しており、処理液を連続的に吐出可能となっている。
【0052】
駆動部235は、電動モータ(図示しない)と、電動モータの駆動力をシャフト230に伝達し、シャフト230を回転させる駆動伝達機構(図示しない)とを備える。
【0053】
遮断手段202は、上流通部201の下流に設けられ、上流通部201を流通した処理液を遮断可能、且つその遮断を解除可能に構成されている。具体的には、遮断手段202は、処理液の流れを遮断することによって、処理液が下流通部203に流れ込まないようにする。また、遮断手段202は、処理液の流れを遮断した状態を解除することによって、上流通部201を流通した処理液を下流通部203に流通させる。本実施形態の遮断手段202は、処理液の流通状態と非流通状態とを切り替え可能な開閉弁(以下、第4開閉弁V4とする)である。第4開閉弁V4の上流側は、下本体部212の他端に接続されている。第4開閉弁V4は、開状態で上流通部201と下流通部203とを連通させ、閉状態で上流通部201と下流通部203とを遮断する。
【0054】
下流通部203は、所定の長さを有する配管で構成されており、一端が第4開閉弁V4の下流に接続され、他端が循環系統Sに接続されている。
【0055】
図2に戻って示すように、供給槽3は、処理剤が投入される投入口310及び処理剤を上流通部201に供給するための供給口311が形成された槽本体301と、投入口310を被覆可能な蓋部302と、供給口311を開閉可能な開閉手段303と、内部を洗浄すべく該内部にて流体を噴射可能な洗浄部304と、外部から内部へ吸気するための吸気部305と、内部から外部へ排気するための排気部306と、を備える。供給槽3は、上流通部201よりも上方に位置している。具体的には、槽本体301と開閉手段303とが上流通部201よりも上方に位置している。
【0056】
槽本体301は、投入口310と供給口311とが上下に対向するように構成されている。また、槽本体301は、上端に投入口310、下端に供給口311が位置するように構成されている。具体的には、槽本体301は、上槽部31と、上槽部31の下端と連続している下槽部32と、下槽部32の下端と連続している供給部33と、を有しており、上槽部31の上端に投入口310が形成され、供給部33の下端に供給口311が形成されている。
【0057】
上槽部31は、筒状に形成されている。本実施形態の上槽部31は、角筒状に形成されている。上槽部31は、上端から下端に亘って同径となるようにストレートに形成されている。上槽部31の投入口310は、上方を向いて開口している。本実施形態の上槽部31は、矩形の筒状に形成されており、上端及び下端の開口形状は、長辺と短辺とを有する矩形状である。
【0058】
下槽部32は、上端から下端に向けて径が小さくなる、錐形の筒状に形成されている。下槽部32の上端の開口形状は、上槽部31の下端の開口形状に対応して長辺と短辺とを有する矩形状となっている。即ち、下槽部32は、四角錐状の錐形を逆にした筒状に形成されている。そのため、下槽部32は、4つの三角形状の側壁によって構成されている。下槽部32の下端の開口形状は、円形状である。また、下槽部32は、上端の開口の開口中心と下端の開口の開口中心とが一致するように形成されている。下槽部32は、向かい合う短辺側における一対の側壁同士が、60度をなすように、上端及び下端の開口中心に対して傾斜している。
【0059】
供給部33は、筒状に形成されている。本実施形態の供給部33は、円筒状に形成されている。供給部33の上端の開口形状は、下槽部32の下端の開口形状と一致するように形成されている。供給部33の供給口311は、下方を向いて開口している。供給部33は、直線状の円筒形状であり、中心線が上槽部31の投入口310の開口中心と一致している。
【0060】
開閉手段303は、供給部33の下端に設けられ、供給口311を開閉可能となっている。本実施形態の開閉手段303は、仕切弁(以下、第5開閉弁V5とする)である。第5開閉弁V5は、第3開閉弁V3の上方に設けられている。本実施形態では、第5開閉弁V5の下方及び第3開閉弁V3の上方にはフランジを有する配管が接続されており、フランジ同士を位置合わせさせ、第5開閉弁V5と第3開閉弁V3との間をクランプLによって結合させている。
【0061】
蓋部302は、槽本体301に対して着脱可能に構成されている。蓋部302は、投入口310の開口面積よりも大きな板状に形成されている。本実施形態の蓋部302は、投入口310を形成する上槽部31の端縁に圧接されており、投入口310を密閉している。蓋部302は、投入口310の開口形状に対応した形状に形成されている。本実施形態の蓋部302は、短辺と長辺とを有する矩形状である。蓋部302は、槽本体301の内部を視認できる透過性を有する材料で形成されている。
【0062】
蓋部302は、濡れ性の高い材料で形成されている。本実施形態の蓋部302は、内壁面に凹凸が無く、滑らかに形成されている。また、蓋部302は、内壁面が平坦に形成されている。
【0063】
図4に示すように、洗浄部304は、流体が噴射される領域である噴射エリアA1及び噴射エリアA1外の領域である非噴射エリアA2を形成するメインノズル34と、流体が噴射される領域である噴射エリアA3を形成する少なくとも一つのサブノズル35と、メインノズル34及びサブノズル35に流体を導入する導入部36と、を有する。サブノズル35の噴射エリアA3は、メインノズル34の非噴射エリアA2と重なるように形成されている。本実施形態の洗浄部304は、蓋部302に設けられている。
【0064】
メインノズル34は、流体を噴射するための噴射口が形成された噴射部341と、流体を噴射部341に送るための送流部342と、を有する。メインノズル34は、所定の角度で流体を噴射口から噴射する。噴射口から噴射された流体は、噴射中心から傘状に広がる。この傘状に広がる領域が、噴射エリアA1である。また、傘状に広がる領域を除く領域(即ち、流体が噴射されない領域)が、非噴射エリアA2である。
【0065】
本実施形態のメインノズル34は、噴射口が下方を向くように配置されている。流体は、噴射口から噴射角K1で噴射され、下方に向かうに従って傘状に広がっている。本実施形態では、この傘状に広がる領域が噴射エリアA1であり、傘状に広がる領域の上方に広がる領域が非噴射エリアA2である。本実施形態では、噴射角K1は、鈍角である。噴射部341及び送流部342は、配管材料によって形成されている。メインノズル34は、蓋部302の中央部に設けられている。メインノズル34は、蓋部302を貫通して、蓋部302の内側に噴射部341が直接設けられ、蓋部302の外側に送流部342が位置するように設けられている。送流部342は、導入部36と接続されている。
【0066】
サブノズル35は、流体を噴射するための噴射口が形成された噴射部351と、流体を噴射部351に送るための送流部352と、を有する。サブノズル35は、所定の角度で流体を噴射口から噴射する。噴射口から噴射された流体は、噴射中心から傘状に広がる。この傘状に広がる領域が、噴射エリアA3である。
【0067】
本実施形態のサブノズル35は、噴射口が蓋部302の内壁面と対向するように設けられている(上方に向かって開口している)。即ち、サブノズル35は、蓋部302の内壁面に向かって流体を噴射する。流体は、噴射口から噴射角K2で噴射され、上方に向かうに従って傘状に広がっている。本実施形態では、この傘状に広がる領域が噴射エリアA3である。本実施形態では、噴射角K2は、鈍角である。本実施形態の噴射エリアA3は、メインノズル34の非噴射エリアA2内に形成されており、メインノズル34の非噴射エリアA2と重なっている。
【0068】
サブノズル35の噴射部351及び送流部352は、配管材料によって形成されている。サブノズル35は、メインノズル34を挟んで二つ設けられている。サブノズル35は、蓋部302の長辺方向におけるメインノズル34の両側に位置している。サブノズル35は、蓋部302を貫通して、蓋部302の内側に噴射部351が位置し、蓋部302の外側から内側に亘って送流部352が位置するように設けられている。
【0069】
即ち、サブノズル35の送流部352は、蓋部302を貫通して蓋部302の内方へ延びる第1送流部352Aと、該第1送流部352Aから該第1送流部352Aが延びる方向と交差する方向に延びる第2送流部352Bとから構成されており、第2送流部352Bの先端に噴射部351が設けられている。本実施形態の第1送流部352Aは、鉛直方向に延びており、第2送流部352Bは、第1送流部352Aから水平方向に延びている。送流部352は、導入部36と接続されている。サブノズル35の噴射口は、メインノズル34の噴射口よりも下側に位置している。
【0070】
導入部36は、1本の配管によって構成されており、配管上からメインノズル34と二つのサブノズル35とが分岐している。導入部36は、メインノズル34及びのサブノズル35が位置する端部と反対側の他端部が、洗浄用の流体が流れるヘッダーに対して着脱可能に構成されている。
【0071】
図5に示すように、吸気部305は、供給槽3の外部から内部への流体の移動を許容するとともに、供給槽3の内部から外部への流体の移動を遮断する第1逆止弁D1を有している。本実施形態の吸気部305は、蓋部302に設けられており、第1逆止弁D1は、蓋部302の外側に設けられている。
【0072】
排気部306は、供給槽3の内部から外部への流体の移動を許容するとともに、外部から供給槽3の内部への流体の移動を遮断する第2逆止弁D2を有している。本実施形態の排気部306は、蓋部302に設けられており、第2逆止弁D2は、蓋部302の外側に設けられている。
【0073】
着脱手段4は、供給口311から循環系統S内に処理剤を供給できるように供給槽3を循環系統Sに着脱する。着脱手段4は、供給槽3内の処理剤を循環系統Sに対して供給する状態と循環系統Sに対する処理剤の供給を停止する状態とを切り替える切替手段41と、切替手段41を開閉手段303に接続する接続手段42と、を有する。本実施形態では、切替手段41は、第3開閉弁V3であり、連通部22と共有している。また、接続手段42は、第3開閉弁V3側のフランジ及び第5開閉弁V5側のフランジのフランジ面同士を当接させた状態で結合するクランプLである。
【0074】
本実施形態の供給装置1の説明は以上である。次に、本実施形態の供給装置1から処理剤を循環系統Sに供給する方法、及び供給装置1の洗浄方法について説明する。ここでは、処理剤として、供給槽3の内壁面に付着しやすい粉体状の染料を供給する場合について説明するが、その他の処理剤を扱う場合も、同様の作業手順となる。
【0075】
まず、粉体を供給装置1から循環系統Sに供給する方法について説明する。粉体を計量するための計量室で、粉体を計量する。そして、供給槽3の第5開閉弁V5を閉じて、予め計量した粉体を投入口310から槽本体301へ投入する。粉体の投入後、蓋部302によって投入口310を密閉し、槽本体301から粉体が飛散しないようにしておく。
【0076】
図6に示すように、供給槽3をハンドリフトHに乗せて、計量室から処理装置100まで運搬する。ハンドリフトHは、所定の間隔を有して配置された一対の脚部Fを有しており、該脚部FをポンプのベースBの両端に添わせる。この状態で、ハンドリフトHをポンプ側へ押し込むと、ハンドリフトHは、ポンプのベースBにガイドされ、供給槽3は、ポンプに接近する。第3開閉弁V3は、ポンプの近傍に配置されているため、供給槽3をこのままポンプ近傍に置いておく。
【0077】
第1〜第4開閉弁V1〜V4を全て閉じ、処理装置100の運転を開始する。このとき、供給槽3を流通部2から切り離した状態にしておく。
【0078】
第2開閉弁V2を開き、第1開閉弁V1と第4開閉弁V4との間の上本体部211に流体が存在していないことを確認する。第1開閉弁V1と第4開閉弁V4との間の上本体部211に流体が存在していないことが確認されたら、第2開閉弁V2を閉じて、第3開閉弁V3を開く。そして、第1開閉弁V1と第4開閉弁V4との間を大気に開放した状態にする。
【0079】
第1開閉弁V1をゆっくりと開き、第1開閉弁V1と第4開閉弁V4との間に徐々に処理液を流し込むことによって、上本体部211及びポンプのケーシング236に処理液を溜める。ポンプのケーシング236に処理液が溜まったら、この状態で、ポンプの駆動を開始し、第4開閉弁V4を開ける。これにより、循環系統Sへ処理液を送り出し、供給装置1内における処理液の循環を確立する。
【0080】
供給槽3の第5開閉弁V5と第3開閉弁V3との間をクランプLによって連結して、供給槽3を上流通部201に接続する。これにより、粉体を供給槽3から循環系統Sに供給可能な状態となる。第5開閉弁V5を開け、供給槽3内の粉体を、上流通部201内を流れる処理液に落とす。流れる処理液に粉体を落とすことで、処理液の流れに伴って染料が溶解し、更にポンプの混合部233によって処理液と粉体とが混合(撹拌)される。これにより、均一な処理液が循環系統Sに送り出される。
【0081】
次に、供給装置1の洗浄方法について説明する。槽本体301内から全ての染料が循環系統Sに供給された後、第1開閉弁V1及び第4開閉弁V4が閉じられた状態で、メインノズル34及びサブノズル35から洗浄水を噴射させる。洗浄水をしばらく噴射させ、槽本体301及び蓋部302の内壁面を十分に洗浄する。このとき、供給槽3の第5開閉弁V5を閉じて、洗浄水を槽本体301に溜めてもよい。第2開閉弁V2を開いて、排液部213を介して洗浄水を排液する。
【0082】
蓋部302の上方から、槽本体301及び蓋部302の内壁面が十分に洗浄されたことを確認し、第3開閉弁V3及び第5開閉弁V5を閉じる。そしてクランプLを取り外すことによって、供給槽3を循環系統Sから切り離す。供給槽3と循環系統Sとの接続作業及び切り離し作業は、供給槽3をハンドリフトHに乗せたまま行うこともできる。
【0083】
循環系統Sから切り離された供給槽3を、乾燥室等の適切な場所へ移動させ、次の布帛処理作業に備えて、処理剤を供給可能な状態にしておく。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る供給装置1は、布帛を処理するための処理液が循環する循環系統Sを備えた処理装置100における前記循環系統Sに布帛処理用の処理剤を供給するための供給装置1であって、前記処理剤が投入される投入口310及び前記処理剤を前記循環系統Sに対して供給するための供給口311が形成された槽本体301と、前記投入口310を開閉可能な蓋部302と、前記供給口311を開閉可能な開閉手段303と、を有する供給槽3と、前記供給口311から前記循環系統S内に前記処理剤を供給できるように前記供給槽3を前記循環系統Sに着脱する着脱手段4と、を備える。
【0085】
かかる構成によれば、開閉手段303が供給口311を閉鎖すると、供給槽3は、投入口310から投入された処理剤を槽本体301に溜めることができる。そして、蓋部302によって、投入口310が閉じられると、供給槽3は、処理剤を内部に閉じ込めることができ、処理剤を飛散させることなく運搬可能な状態となる。従って、かかる構成によれば、処理剤を循環系統Sに供給する場所とは異なる場所で、供給槽3に対して処理剤の投入作業を行うことができ、処理剤の投入作業中に、処理装置100の周辺が汚染するのを防止することができる。
【0086】
そして、供給槽3が、処理装置100に対して処理剤を供給する供給位置に運搬され、着脱手段4によって供給槽3が循環系統Sに取り付けられると、供給槽3内の処理剤を循環系統Sに供給可能な状態となる。この状態で、開閉手段303によって供給口311を開放することで、処理剤を周囲に飛散させることなく循環系統Sに対して供給することができる。
【0087】
本実施形態において、前記供給槽3は、外部から内部へ吸気するための吸気部305を有し、前記蓋部302は、前記投入口310を密閉可能に構成されている。そのため、供給槽3内で処理剤が密封された状態となり、処理剤は、処理装置100の周囲に、より飛散し難くなる。また、処理剤を循環系統Sに供給する際に吸気されるため、処理剤をスムースに循環系統Sに供給することができる。
【0088】
本実施形態において、前記供給槽3は、内部を洗浄すべく該内部にて流体を噴射可能な洗浄部304と、前記供給槽3の内部から外部へ排気するための排気部306とを有している。そのため、処理剤を循環系統Sに供給した後に、供給槽3の内壁面を洗浄することができる。また、洗浄の際に排気部306を介して供給槽3の内部から外部へ排気されるため、供給槽3内の圧力が上昇して、流体の噴射が阻害されるということがない。従って、かかる構成によれば、洗浄作業をスムースに行うことができる。
【0089】
本実施形態において、前記洗浄部304は、流体が噴射される領域である噴射エリアA1及び前記噴射エリアA1外の領域である非噴射エリアA2を形成するメインノズル34と、流体が噴射される領域である噴射エリアA3を形成する少なくとも一つのサブノズル35と、を有し、前記サブノズル35の前記噴射エリアA3は、前記メインノズル34の前記非噴射エリアA2と重なるように形成されている。このようにすれば、メインノズル34の非噴射エリアA2と、サブノズル35の噴射エリアA3とが重なっているため、メインノズル34から噴射された流体が届かない領域を、サブノズル35から噴射された流体によって洗浄することができ、供給槽3内の広い範囲を洗浄することができる。
【0090】
本実施形態において、前記蓋部302は、前記槽本体301に対して着脱可能に構成され、前記洗浄部304は、前記蓋部302に設けられている。このようにすれば、蓋部302を槽本体301から取り外すと、蓋部302と共に洗浄部304も槽本体301から取り外されるため、蓋部302を取り外した後の槽本体301の取扱いが容易になる。
【0091】
上記実施形態では、メインノズル34の噴射部341は、蓋部302の内側に直接設けられているため、メインノズル34は、蓋部302の直近から流体を噴射することができる。具体的には、メインノズル34の噴射部341が蓋部302から下方に位置すればするほど、蓋部302と噴射口との距離が広がるため、メインノズル34は、この距離分だけ下方から流体を噴射することになる。これに対して、上記実施形態のメインノズル34は、蓋部302の内側に直接設けられているため、前記距離分のデッドスペースを形成しない。そのため、メインノズル34は、槽本体301の内壁面をより上方から洗浄することができ、槽本体301におけるより広い範囲を洗浄することができる。
【0092】
上記実施形態では、蓋部302は、濡れ性の高い材料で形成され、内壁面に凹凸が無く、滑らかに形成されている。また、サブノズル35は、蓋部302の内壁面に向かって、噴射角K2が鈍角となるように流体を噴射しているため、サブノズル35は、流体が部分的に蓋部302の中央側から端縁側に向かうように、流体を噴射することができる。これにより、
図4に戻って、矢印Yで示すように、蓋部302の内壁面に噴射された流体の一部は、蓋部302の内壁面に噴射された勢いに乗って、蓋部302の内壁面を伝い、槽本体301の側壁面に至る。その結果、槽本体301における蓋部302と槽本体301との境界部分から下方側に位置する内壁面を洗浄することができる。これにより、サブノズル35の噴射エリアA3とメインノズル34の非噴射エリアA2とが重ならない領域も洗浄することができる。
【0093】
上記実施形態では、第3開閉弁V3及び第5開閉弁V5を操作するだけで、処理剤の供給及び処理剤と処理液との混合を行うことができる。また、ポンプの混合部233で処理剤と処理液とが混合されるため、処理剤を迅速に溶解することができる。このように、上記実施形態の供給装置1では、処理剤を循環系統Sに供給する作業を簡単にすることができる。
【0094】
上記実施形態では、供給槽3が上流通部201の上方に位置し、処理液に対して処理剤を落下させることによって供給するため、処理剤が粉体であっても、処理液に対して処理剤をドライな状態で供給することができる。そのため、処理剤の供給中に粉体が固まって、第3開閉弁V3、第5開閉弁V5、及び配管等が詰まるのを防止することができる。
【0095】
上記実施形態では、ポンプの旋回部237が旋回流を発生させるため、ポンプは、処理液に旋回流を伝達させ、処理液に渦を発生させることができる。そのため、配管におけるエルボー等の湾曲した部分や、第3開閉弁V3及び第5開閉弁V5の内部等、洗浄が困難な部分を十分に洗浄することができる。そのため、供給槽3に投入した処理剤の略全量を循環系統Sに供給することができる。
【0096】
上記実施形態では、吸気部305が第1逆止弁D1を、排気部306が第2逆止弁D2を有しているため、供給槽3は、供給槽3内の圧力に応じて吸排気可能となっており、処理剤を処理液に供給する作業及び供給槽3内の洗浄作業がスムースに行えるようになっている。また、第1逆止弁D1及び第2逆止弁D2は、常時において閉状態であるため、供給槽3の内部に粉体状の処理剤が貯留され、供給槽3内を舞っていても、処理剤が外部に漏れ出ることを防止することができる。このように、上記実施形態によれば、供給槽3内にあるものが外部に漏れ難いため、供給槽3の周辺が汚染するのを防止することができる。
【0097】
尚、本発明の供給装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0098】
上記実施形態では、洗浄部304が蓋部302に設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。洗浄部304は、槽本体301に設けられていてもよい。
【0099】
上記実施形態では、蓋部302が投入口310を密閉する場合について説明したが、これに限定されるものではない。蓋部302は、投入口310を密閉していなくてもよい。即ち、供給槽3内の処理剤が外部に飛散するのを防止することができればよく、蓋部302は、投入口310の端縁と密着していなくてもよい。蓋部302は、例えば、投入口310の端縁に単に乗せることによって、投入口310を閉じるものであってもよい。また、蓋部302は、投入口が形成された部分に被せる形状(上槽部31の側壁を部分的に囲む形状)であってもよい。
【0100】
上記実施形態では、サブノズル35の噴射部351は、開口が蓋部302の内壁面と対向するように設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
図7に示すように、サブノズル35は、噴射部351の開口が側方を向くように設けられていてもよい。サブノズル35は、開口が上方を向く噴射部351と、側方を向く噴射部351とを組合せて構成されていてもよい。また、サブノズル35は、送流部352の第2送流部352Bに鉛直方向に貫通する小孔Rが形成されてもよい。これにより、槽本体301内を洗浄後に、送流部352の第2送流部352B内に残った流体を槽本体301に落とすことができる。そのため、供給槽3の使用時の液ダレを防止し、ドライ状態の粉体が固まるのを防止することができる。
【0101】
上記実施形態では、メインノズル34を挟んでサブノズル35が二つ設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。メインノズル34及びサブノズル35の位置関係は、限定されるものではない。例えば、
図8に示すように、メインノズル34とサブノズル35とが一体的に形成され、メインノズル34の上方にサブノズル35が1つ設けられていてもよい。また、メインノズル34及びサブノズル35の個数は限定されるものではなく、複数設けられていてもよい。
【0102】
また、
図9に示すように、メインノズル34とサブノズル35は、噴射口が四方を向くように構成されていてもよい。
【0103】
上記実施形態では、サブノズル35の噴射エリアA3がメインノズル34の非噴射エリアA2と重なっている場合について説明したが、サブノズル35の噴射エリアA3がメインノズル34の非噴射エリアA2と重なるように形成されていればよく、サブノズル35の噴射エリアA3は、メインノズル34の噴射エリアA1と重なっていてもよい。
【0104】
上記実施形態では、メインノズル34及びサブノズル35の噴射口から噴射された流体が傘状に広がる場合について説明したが、これに限定されるものではない。噴射口から噴射される流体の態様は如何なるものであってもよい。例えば、メインノズル34及びサブノズル35は、噴射角が0となるように流体を噴射してもよい。
【0105】
上記実施形態では、蓋部302の中央部にメインノズル34、メインノズル34を挟んでサブノズル35が設けられている場合について説明したが、メインノズル34は、噴射エリアA1及び非噴射エリアA2を形成するものであればよく、洗浄部304のノズルのうちの何れのノズルがメインノズル34又はサブノズル35であってもよい。
【0106】
上記実施形態では、特に言及するものではないが、蓋部302は、供給槽3の外側に向けて湾曲するドーム状に形成されていてもよい。これにより、蓋部302の内壁面に噴射された流体が、該内壁面を伝いやすくなり、噴射された流体を槽本体301の内壁面に有効に送ることができる。
【0107】
上記実施形態では、上本体部211及び下本体部212が配管によって構成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。上本体部211及び下本体部212は、フレキシブルチューブ等、配管以外で構成されていてもよい。
【0108】
上記実施形態では、槽本体301は、投入口310と供給口311とが上下に対向するように構成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。投入口310は、槽本体301の側方に位置するように形成されていてもよい。
【0109】
上記実施形態では、供給槽3が上槽部31、下槽部32、及び供給部33を有する槽本体301を備える場合について説明したが、これに限定されるものではない。供給槽3の形状として、どのような形状を採用してもよい。例えば、上槽部31を円筒状、下槽部32を円錐筒状としてもよく、また下槽部32を設けずに、上槽部31と供給部33とが連続しているものであってもよい。また、蓋部302の形状についても、投入口310の開口形状に伴って、様々な形状を採用することができる。
【0110】
また、上記実施形態では、供給槽3の大きさについて言及するものではないが、供給槽3の大きさについては、特に限定されるものではない。供給槽3は、布帛の処理の必要な処理剤の量に対応した大きさとすることができる。例えば、
図10に示すように、供給槽3は、取っ手を有するものであって、持ち運び可能なバケツタイプのものであってもよい。
【0111】
上記実施形態では、特に言及するものではないが、第3開閉弁V3と第5開閉弁V5とを接続するために、第3開閉弁V3の中心と第5開閉弁V5の中心とを位置合わせさせることのできる受台を有し、供給槽3を該受台に設置してから第3開閉弁V3と第5開閉弁V5とを接続してもよい。このようにすることで、供給槽3を容易に上流通部201に設置することができる。
【0112】
上記実施形態では特に言及するものではないが、槽本体301内に粉体が存在しているときに、洗浄部304から流体が噴射されないように制御する制御手段を設けていてもよい。例えば、第5開閉弁V5にリミットスイッチを設けることによって、第5開閉弁V5が開状態になったら、洗浄部304から流体を噴射可能な状態にする回路が組まれていてもよい。これにより。槽本体301内の粉体が濡れて固まるのを防止することができる。
【0113】
上記実施形態では、切替手段41は、連通部22の第3開閉弁V3と共有する場合について説明したが、連通部22と共有することなく、独立して設けられていてもよい。
【0114】
上記実施形態では、接続手段42は、第3開閉弁V3側のフランジ及び第5開閉弁V5側のフランジのフランジ面同士を当接させた状態で結合するクランプLである場合について説明したが、これに限定されるものではない。接続手段42は、切替手段41を開閉手段303に接続することができるものであれば、如何なる手段であってもよい。例えば、接続手段42は、フランジ同士をボルトとナットとによって繋ぎ合せるものであってもよく、第3開閉弁V3と第5開閉弁V5との間にある配管同士を螺合させるものであってもよい。
【0115】
上記実施形態では、処理装置100の循環系統Sにおける第1移送管103Aから処理液を分岐させ、第2移送管103Bに処理液を戻す場合について説明したが、これに限定されるものではない。供給装置1は、処理装置100の循環系統Sから分岐した処理液を循環系統Sに戻すように構成されていればよく、滞留槽101や第2移送管103Bから処理液を分岐させてもよい。また、滞留槽101や、第1移送管103Aに処理液を戻すように構成されていてもよい。
【0116】
上記実施形態では、処理剤として、粉体の染料を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。処理剤は、染料に限定されるものではなく、布帛の処理に使用されるもの全般を含む。また、処理剤は、粉体に限定されるものではなく、液体、粒状体、その他の性状を有するものであってもよい。
【0117】
上記実施形態では、供給装置1が循環系統Sから分岐して設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。供給装置1は、循環系統Sから分岐するものではなく、循環系統Sの何れかに位置に直接設置されていてもよい。