(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ツール用ポートは、一対のピン受取ポート間に位置決めされ、前記ツール用ポートは、前記歯車部に係合するツールを受け取るように構成され、前記ピン受取ポートは、その中に係合ピンを受け取るように構成されている、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
前記ツール用ポートならびに前記第1のピン受取ポートおよび第2のピン受取ポートは、前記ツールが前記ツール用ポートを通して挿入されて前記歯車部と適切に係合することを可能にする整合および割出機構を形成している、請求項2に記載の椎体置換デバイス。
前記ツール用ポートならびに第1のピン受取ポートおよび第2のピン受取ポートは、前記第1の端部材および前記第2の端部材から等距離にある、請求項2に記載の椎体置換デバイス。
前記第1のピン受取ポートおよび第2のピン受取ポートは、対応する係合ピンが前記第1のピン受取ポートおよび第2のピン受取ポートの対応するピン受取ポートに係合すると、前記ツール用ポートを通して挿入されている前記ツールの位置を制御する、請求項3に記載の椎体置換デバイス。
前記中心ロッド部材が前記本体部材内に動作可能に位置決めされると、前記中心ロッド部材の前記歯車部の前記支持表面に接触する軸受表面を有する支持リングをさらに備える、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
前記第1の端受部および第2の端受部間に延在する、中央チャンバをさらに備え、前記ツール用ポートおよび前記一対のピン受取ポートは、前記本体部材の外壁を通って前記中央チャンバ内に延在する、請求項2に記載の椎体置換デバイス。
少なくとも1つの底板部材をさらに備え、前記少なくとも1つの底板部材は、前記第1の端部材および前記第2の端部材のうちの少なくとも1つに連結する、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
前記第1の端部材および前記第2の端部材はそれぞれ、外壁および内壁をさらに備え、前記第1の端部材および前記第2の端部材のそれぞれは、少なくとも1つの進行制限機構を含み、前記少なくとも1つの進行制限機構は、前記本体部材に係合することにより、前記本体部材に対する前記第1の端部材および第2の端部材の移動を制限する、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
前記第1の端部材および前記第2の端部材はそれぞれ、そのそれぞれの第1の端面と反対の端壁を含み、少なくとも1つの突起が、前記端壁上に配置され、外向き方向に延在する、請求項11に記載の椎体置換デバイス。
前記第1の端受部および前記第2の端受部はそれぞれ、少なくとも1つの長手方向スロットを備え、前記少なくとも1つの長手方向スロットは、その中に前記ピンを受け取るように構成されている、請求項13に記載の椎体置換デバイス。
前記本体部材は、前記外壁から離れる方へ前記半径方向に延在する突起をさらに備え、前記突起は、前記本体部材の前記長手方向軸に対して平行な、前記外壁に延在するチャネルによって画定されている、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
前記第1の端部材および前記第2の端部材はそれぞれ、前記本体部材に対する前記第1の端部材および前記第2の端部材の位置を固定する係止機構を含む、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の側面による、椎体置換デバイスの一実施形態の斜視分解図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の側面による、周囲の外壁、内壁、および端壁を有する内側部分を示し、該内側部分は中心ロッド部材を外壁に対して垂直に配向される端壁と係合させるように構成される、中心に配向されるねじ山付きハウジング要素を含む、線2−2に沿った
図1の椎体置換デバイスの端部材の断面側面立面図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の側面による、周囲の外壁、内壁、および端壁を有する内側部分を示し、該内側部分は中心ロッド部材を外壁に対して角度を成して配向される端壁と係合させるように構成される、中心に配向されるねじ山付きハウジング要素を含む、端部材の代替実施形態の断面側面立面図である。
【
図3】
図3は、本発明の側面による、2つの受部端および支持リングに係合するための雌ねじを示す、線3−3に沿った
図1の椎体置換デバイスの本体部材の断面側面立面図である。
【
図4】
図4は、本発明の側面による、
図1の椎体置換デバイスの中心ロッド部材の側面立面図である。
【
図5】
図5は、本発明の側面による、本体部材から離れて延在する上方に位置決めされる端部材および下方に位置決めされる端部材を示す、
図1の椎体置換デバイスの組み立て後の側面立面図である。
【
図6】
図6は、本発明の側面による、ツール用ポートホールを通してツールが挿入され、中心ロッド部材とともに動作可能な位置にある、
図1の椎体置換デバイスの斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の側面による、上方に位置決めされる端部材および下方に位置決めされる端部材の平行移動運動の前に脊柱内の2つの椎体の間の空間に配置されて示される、
図1の椎体置換デバイスの側面立面図である。
【
図8】
図8は、本発明の側面による、上方に位置決めされる端部材および下方に位置決めされる端部材が脊柱内で所望の空間を維持するように延在し、2つの椎体の間に位置して示される、
図1の椎体置換デバイスの側面立面図である。
【
図9】
図9は、本発明の側面による、上方に位置決めされる端部材および下方に位置決めされる端部材に連結される前の、上方に位置決めされる着脱可能な底板部材および下方に位置決めされる着脱可能な底板部材がそれぞれ示される、椎体置換デバイスの代替実施形態の斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の側面による、側壁に対して垂直に配向される端面を示す、
図9の椎体置換デバイスの着脱可能な底板部材の側面立面図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の側面による、側壁に対して角度を成して配向される端面を示す、
図9の椎体置換デバイスと併用される着脱可能な底板部材の代替実施形態の側面立面図である。
【
図12】
図12は、本発明の側面による、外科手術器具の一実施形態の斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の側面による、伸長部材と、作動体、保持部分、および整合体を含む、インプラント係合アセンブリを伴う、係止機構との遠位側面を示す、
図12の外科手術器具の遠位端の拡大分解斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の側面による、雄ねじを伴う伸長部材と、軸受部分を伴う係止機構と、作動体および係合部材を伴う保持部分を含む、インプラント係合アセンブリと、整合体を示す、
図12の外科手術器具の組み立て後の遠位端の拡大側面立面図である。
【
図17】
図17は、本発明の側面による、雄ねじを伴う伸長部材と、連結端を伴う係止機構と、作動体ならびに第1および第2のアームおよび対応する係合部材を含む保持部分を含む、インプラント係合アセンブリと、整合体とを示す、
図12の外科手術器具の組み立て後の遠位端の拡大上面図である。また、ギアアセンブリを含む、長さ制御機構の遠位端も見られる。
【
図18】
図18は、本発明の側面による、伸長部材と、軸受部分を伴う係止機構と、作動体ならびに対応する係合部材を伴う第1および第2のアームを含む保持部分を含む、インプラント係合アセンブリと、整合体とを示す、
図12の外科手術器具の組み立て後の遠位端の拡大斜視図である。また、ギアアセンブリを含む、長さ制御機構の遠位端も見られる。
【
図19】
図19は、本発明の側面による、ハンドルアセンブリの上部部分と、伸長部材およびインプラント係合アセンブリと、長さ制御機構と、係止機構とを示す、線19−19に沿った
図12の外科手術器具の断面斜視図である。
【
図20】
図20は、本発明の側面による、2つの椎体間の空間内への挿入に先立って位置決めされて示される、
図12の外科手術器具に連結された脊椎インプラントの斜視図である。
【
図21】
図21は、本発明の側面による、2つの椎体間の空間内に位置決めされて示され、長さ制御機構は、脊椎インプラントを延在させるように回転され、端部が上方および下方椎体と接触し、脊柱内に所望の間隔配列を維持することを可能にする、
図12の外科手術器具に連結された脊椎インプラントの斜視図である。
【
図22】
図22は、本発明の側面による、脊椎インプラント内に挿入されたギアアセンブリを示す、
図12の外科手術器具の遠位端の拡大上面図である。
【
図23】
図23は、係止機構が回転されて、最終長さ判定後、2つの椎体間の空間内に位置決めされて示される、本発明の側面による、
図12の外科手術器具に連結された脊椎インプラントの斜視図である。
【
図24】
図24は、本発明の側面による、連結端および取り付けられた係止ピン/ねじが、脊椎インプラント内に挿入されている状態を示す、
図12の外科手術器具の遠位端の拡大上面図である。
【
図25】
図25は、本発明の側面による、椎体置換デバイスの別の実施形態の斜視分解図である。
【
図27】
図27は、本発明の側面による、挿入器具とともに示される、本発明の側面による、
図25の椎体置換デバイスの断面側面立面図である。
【
図29】
図29は、本発明の側面による、挿入器具とともに示される、本発明の側面による、
図25の椎体置換デバイスの斜視図である。
【
図31】
図31は、本発明の側面による、
図25の椎体置換デバイスとともに示される、
図29の挿入器具の遠位端部分の別の拡大斜視図である。
【
図32】
図32は、本発明の側面による、
図25の椎体置換デバイスおよびツールとともに示される、本発明の側面による、
図29の挿入器具の遠位端部分の別の拡大斜視図である。
【
図33】
図33は、本発明の側面による、椎体置換デバイスの別の実施形態の斜視分解図である。
【
図34】
図34は、本発明の側面による、端部材に底板部材が取り付けらずに示される、
図33の椎体置換デバイスの正面図である。
【
図35】
図35は、一方の端部材に底板部材が取り付けられて示される、
図33の椎体置換デバイスの拡大切取図である。
【
図36】
図36は、本発明の側面による、椎体置換デバイスの別の実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態の詳細な説明)
概説すると、本明細書で開示されるのは、本体部材、中心ロッド部材、支持リング、2つの端部材、および少なくとも1つの底板部材を典型的に含む、椎体置換デバイスまたは脊椎スペーサである。本明細書で使用される場合、「椎体置換デバイス」および「脊椎スペーサ」という用語は、それらは本質的に同じ種類のインプラント用デバイスを表現しているため、交換可能に使用され得る。さらに、本明細書に記載されるのは、椎体置換デバイスを使用して、脊柱の疾患または損傷を患う患者の2つの椎体の間で空間を維持する外科的方法である。
【0021】
図1に表されるように、本発明の側面による椎体置換デバイス10の一般的な構成は、本体部材30、少なくとも2つの端部材20、中心ロッド部材40、および支持リング50を含む。本発明を実施するための形態および以下の特許請求の範囲では、近位、遠位、前方、後方、内側、外側、上方、および下方という用語は、言及する自然骨または方向を示す用語の相対的な位置にしたがって骨またはプロテーゼの特定の部分を示すための、それらの標準的な使用法によって定義される。例えば、「近位」が、胴体に最も近いプロテーゼの一部分を意味するのに対し、「遠位」は、胴体から最も遠いプロテーゼの一部分を示す。方向を示す用語に関しては、「前方」は、体の前側に向かう方向であり、「後方」は、体の後側に向かう方向を意味し、「内側」は、体の中心線に向かうことを意味し、「外側」は、体の横に向かうかまたは中心線から離れた方向であり、「上方」は、上の方向を意味し、「下方」は、別の対象または構造より下の方向を意味する。
【0022】
図1を参照すると、椎体置換デバイス10は、本体部材30、本体部材30に対して上方および下方に位置決めされる少なくとも2つの端部材20、本体部材30内での設置のための中心ロッド部材40、および本体部材30内の中心ロッド部材40に接触して固着するように構成される支持リング50を含む。
【0023】
図1に示される本体部材30はまた、内壁31および外壁32、ならびに外壁32から内壁31まで延在する少なくとも1つの孔38も含む。さらに、本体部材30は、実質的に外壁32の全長にわたって配置され、かつ延在する、少なくとも1つの回転防止リブ35を有する。少なくとも1つのリブ35は、本体部材30に対して上下方向に配向され、かつ本体部材30の長手方向軸72に実質的に平行である。少なくとも1つの孔38は、デバイスの移植後に体内で起こる骨の融合を促進する、移植骨または他の生体適合性材料の設置のために使用される。当業者は、執刀医は様々な外径サイズおよび長手方向の長さLで本体部材30を入手可能であることを理解されたい(
図3を参照)。インプラントシステムの一部として様々なサイズの本体部材30を有することにより、執刀医は、脊椎の様々なレベルおよびセグメントに椎体置換デバイス10を使用すること(すなわち、小さいサイズを頸椎に、中間のサイズを胸椎に、そして大きいサイズを腰椎に)が可能となる。
【0024】
図3の横断面図に示すように、本体部材30は、第1のまたは上方に位置決めされる端受部33および第2のまたは下方に位置決めされる端受部34を、伸長本体部材30内でこれらの2つの構造間に延在する長手方向軸72とともにさらに含む。中央チャンバ36は、内壁31によって境界され、かつ第1の端受部33によって上方に、また第2の端受部34によって下方に境界されている。少なくとも1つのツール用ポートホール39が、外壁32および内壁31を通って中央チャンバ36内に延在する。また、中央チャンバ36の内壁31は、中央チャンバ36の下部に位置決めされる一連の雌ねじ37を含む。雌ねじは、支持リング50の雄ねじ52(図示せず)に螺合するようにサイズ決定および構成される。天井面74は、天井面74を通って位置決めされる中央開口部75で、中央チャンバ36の上部を境界する。図示されていないが、椎体置換デバイス10が完全に組み立てられて使用中である時は、中心ロッド部材40は、中心ロッド部材40の上ねじ山部41が中央開口部75を貫通可能であるように構成されることにより本体部材30と動作可能に関連し、その結果として、中心ロッド部材40のカラー要素47が天井面74に接触する。中心ロッド部材40の上ねじ山部41を中央開口部75を通して設置した後、支持リング50を中央チャンバ36の雌ねじ37にねじで螺結することにより、中心ロッド部材40は中央チャンバ36内で移動可能に固定され、その結果として、支持リング50の座面51が中心ロッド部材40の支持面45と押圧接触する。本体部材30は、外壁32および内壁31を通って中央チャンバ36内に貫通する、少なくとも1つの係止ピン孔71(
図1に示すように)をさらに含む。図示されていないが、組み立てた椎体置換デバイス10の最終的な設置および調節の後で、対応するねじ山付きのピンまたはボルトが、少なくとも1つの係止ピン孔71内にねじ込まれ得、その結果として、中心ロッド部材40が定位置に固定され、椎体置換デバイス10の全体的な長さを確定する。
【0025】
図1および4は、2つのねじ山部が反対のねじ山構造を有する、第1のまたは上ねじ山部41および第2のまたは下ねじ山部42を有する中心ロッド部材40を示す。これは、第1のねじ山部41が右ねじで構築される場合、第2のねじ山部42は左ねじで構築されることを意味する。当業者は、反対のねじ山構成も企図されることを理解されたい。中心ロッド部材40は、歯車部43が第1のねじ山部41と第2のねじ山部42との中間に位置決めされる、第1のねじ山部41から第2のねじ山部42まで貫通する中心軸46をさらに含む。歯車部43は、概して、歯状面44で構築され、歯状面44の平面は、中心軸46に対して実質的に直角に配向される。カラー要素47が、歯状面44に隣接して位置決めされ、椎体置換デバイス10の組み立て後に、中央チャンバ36内における歯状面44の適切な外部アクセスを確保する。さらに、歯車部43は、歯車部43の下方側面または裏側に位置する支持面45を含む。歯車面44について説明したのと同様に、支持面45の平面は、対応して、中心軸46に対して実質的に直角に配向される。先に説明したように、椎体置換デバイス10が組み立てられて使用中である時は、支持面45は、支持リング50の座面51と接触し、摺動して関節運動する(
図1を参照)。歯車部43は、中心ロッド部材40と一体であり、歯車部43がその回転軸の周囲を移動させられるときに、歯車部43の回転軸は中心軸46と同軸であるため、第1のねじ山部41および第2のねじ山部42も回転するように位置決めされる。
【0026】
図1、2A、および2Bは、端部材20を表している。椎体置換デバイス10は、その構造中に少なくとも2つの端部材20を含み、第1の端部材20は本体部材30の上方に位置決めされ、第2の端部材20は本体部材30の下方に位置決めされる。動作中は、第1の端部材20が本体部材30に対して移動するときに、端部材20の内壁23が第1の端受部33の外壁32に隣接して連続的に位置決めされるように、上方に位置決めされる第1の端部材20が、第1の端受部33と整合されて同心となる。第2の端部材20が本体部材30に対して移動するときに、端部材20の内壁23が第2の端受部34の外壁32に隣接して連続的に位置決めされるように、第2の端受部34と整合されて同心となるため、下方に位置決めされる第2の端部材20とも同様の動作上の関係が生じる。
【0027】
図2Aおよび2Bに見られるように、端部材は、内壁23および中心に位置決めされるねじ山付きハウジング要素28によって境界される、内側部分21を含む。ねじ山付きハウジング要素28は、ねじ山付きハウジング要素28の全長に延在してもよい雌ねじ29で構築される。雌ねじ29は、椎体置換デバイス10の組み立て時に、中心ロッド部材40のねじ山部41、42に対応して螺合するように構成される。
図2Aおよぶ2Bには示されていないが、内壁23は、少なくとも1つのチャネル25も含み(
図1を参照)、少なくとも1つのチャネル25は実質的に鉛直に配向され、椎体置換デバイス10が組み立てられるときに、本体部材30の少なくとも1つの対応する回転防止リブ35を受け取るようにサイズ決定される。
【0028】
図2Aおよび2Bの断面図にさらに示されるように、端部材20は、少なくとも1つの孔27が隣接する内壁23まで貫通する外壁22を有する。少なくとも1つの孔27は、移植後の骨移植材料および骨の融合を促進することを目的とする他の生体適合性材料の設置を可能にするようにサイズ決定される。
【0029】
また、
図1および2Aに見られるように、端壁24は、端部材20の一端で内側部分21の頂上を覆うかまたは内側部分21の境界を定める役割を果たす。端壁24は、ねじ山付きハウジング要素28と一体化して連結し、概して、端壁24の外側面から外側方向に延在する少なくとも1つの突起26または係合要素を含む。少なくとも1つの突起26は、歯状体として構成され得るが(
図1、2A、2B、および5に示すように)、これに限定されないが、スパイク状、杭状、格子状、指状、および柱状を含む、他の形状の突起または係合要素が企図される。少なくとも1つの突起26は、移植後に十分な固定を提供するように、また移植後および椎体置換デバイス10の伸長手順の間に端部材20に付与される可能性のあるいかなるねじり負荷にも耐えるように、隣接する椎体、より具体的には、椎体の解剖学的な端平面との動作可能な係合を可能にするようにサイズ決定される。
【0030】
横断面
図2Aは、外壁22に対して直角または垂直に配向される端壁24を示す。
図2Bは、端壁24は角αで配向され、外壁22に対して角度を成す端部材20の代替実施形態を示す。角度を成す端壁24を有することは、前弯変形および後弯変形を臨床的に治療する能力を執刀医に提供する。当業者は、端部材20は0°から20°までの様々な増分の幅広い角度で提供され、それによって、外科手技の間に提示されるいずれの変形をも正確に処置する能力を執刀医に提供することを十分に理解されたい。
【0031】
図9に示すように、椎体置換デバイス10は、端壁94が底板部材80と連結するように構成される、端部材90の代替実施形態を含み得ることが企図される。端壁94は、移植後に、底板部材80を端部材90および椎体に対する好ましい位置に配向する役割を果たす、少なくとも1つの整合タブ91をさらに含み得る。
図11Aおよび11Bに見られるように、底板部材80は、複数の様々な円形、非円形、および多角形の外側輪郭形状(すなわち、
図9に示すような円形、
図11Aに示すような楕円形、
図11Bに示すようなそら豆形、または長細い形(図示せず))およびサイズで入手可能であることが企図される。
図10Aに見られるように、底板部材80は様々な厚さまたは高さTで入手可能であることが、さらに企図される。様々な幅広い高さ、形状、サイズ、および角度の底板部材80を含むキットまたはインプラントシステムを有することは、骨の最大被覆、脊椎の整合について複数の選択肢を執刀医に提供し、結果として、移植後に隣接する椎体に対するデバイスの安定性をもたらす。
【0032】
図10Aに示すように、端面82は、底板部材80の側壁83に対して中立または垂直な配向で構成され得る。代替として、
図10Bは、側壁83に対して角度を成す端面82(角Δ)を有する底板部材80を示す。前述のように、それぞれが0°から20°に及ぶ角度の異なる角を有する複数の底板部材80が執刀位に提供されることが企図される。そのような増分する幅広い角度の底板部材80を入手可能にすることは、提示される臨床的変形に合うように、術式の最中に椎体置換デバイス10をカスタマイズする能力を執刀医に提供する。
図9では円形の周辺形状で示されているが、前述したように、当業者は、ここでも同様に移植後の骨の支持を最大化する能力を執刀医に提供するように、中立および角度を成す底板部材80の両方が、複数の外側輪郭形状、サイズ、および全体の厚さTで構築されるということを理解されたい。底板部材80はモジュール式の設計であり得、それによって、執刀医が底板部材80を端部材90と自由に組み合わせることおよび交換することが可能となる。これは、係止機構84の使用により、底板部材80を固定して取りつけること、および端部材90の端壁94から取り外すことを可能にすることによって達成される。示されるように、例示的な目的のためにのみ、係止機構84は、端面82の孔87を貫通して、端壁94の対応するねじ山付きの孔92に係合する、少なくとも1つの係止スクリュー85から構成され得る。さらに、当業者は、これに限定されないが、係止ピン、ボルト、および圧入ピンを含む様々な他の目立たない係止または固定機構が、この目的のために使用され得ることを理解されたい。前述のように、底板部材80は、端面82から外向きに延在する少なくとも1つの突起86または係合要素も含むことが企図される。少なくとも1つの突起86は、歯状突起として構成され得るが(
図9、10A、および10Bに示すように)、これに限定されないが、スパイク状、杭状、格子状、指状、および柱状を含む、他の形状の係合要素が企図される。端面82は、移植後に、隣接する椎体との生物学的内部成長を促進する特定の物質で処理または被覆され得る。また端面82は、ナノサイズまたはミクロンサイズの表面特徴を有する端面82をもたらすプロセスまたは処理を受けてもよい。さらに、底板部材80は、端部材90の周辺に位置決めされる対応するタブ91に摺動的に係合する整合スロット88を含む、配向機構93を有し得る。配向機構93は、端壁94および隣接する椎体に対して底板部材80を確実に配向させる役割を果たす。
【0033】
椎体置換デバイス10の組み立て後、上方に位置決めされる端部材20または第1の端部材20および下方に位置決めされる端部材20または第2の端部材20の両方は、それぞれの内側部分21およびねじ山付きハウジング要素28を用いて、それぞれ第1の端受部33および第2の端受部34内に位置決めされる。
図6に示すように、第1の端部材20および第2の端部材20は、本体部材30に対して軸方向に、同時に拡張または縮小され得、ツール用ポートホール39を通してツール70を挿入し、ツール70のギア型先端(図示せず)を中心ロッド部材40の歯車部43の歯状面44に係合させることによって、椎体置換デバイス10の全長を伸張または短縮する。術中は、ツール70を回転させて歯車部43を回転させ、第1および第2のねじ山部41、42が、中心軸46の周囲を回転する。組み立てられると、第1および第2の端部材20のねじ山付きハウジング要素28は、中心ロッド部材40の第1および第2のねじ山部41、42上にそれぞれ螺嵌され、第1および第2の端部材20の少なくとも1つのチャネル25も、第1および第2の端受部33、34それぞれの外壁32上に位置決めされる少なくとも1つの回転防止リブ35に係合する。機能的に、第1および第2の端部材20の少なくとも1つのチャネル25の、本体部材30の少なくとも1つのリブ35への係合は、ツール70が回されたときに第1および第2の端部材20の回転運動を抑制し、よって、第1および第2の端部材20が、中心ロッド部材40の第1および第2のねじ山部41、42のねじ山の長さと等しい最大距離に対して、本体部材30に対して反対の軸方向に同時に進むかまたは移動することになる。前述のように、第1の端部材および第2の端部材20の双方向への軸運動は、中心ロッド部材40の第1および第2のねじ山部41、42のそれぞれの相反するねじ(すなわち、右ねじおよび左ねじ)によって引き起こされる。動作的には、中心ロッド部材40は、ツール70および歯車部43の回転運動を第1および第2の端部材20の対応する軸方向または直線の運動に変換し、チャネル25とリブ35との噛み合いが、長手方向軸72および隣接する脊椎に対する2つの端部材20のいずれの回転運動をも実質的に抑制し、よって端部材−椎体の接触面に付与されるねじれの力を排除する。例示の目的で、
図5は、前述した第1および第2の端部材20の部分的な同時運動の後で組み立てられた椎体置換デバイス10を示す。
【0034】
図8は、前述した様式における第1および第2の端部材20の同時運動の後に、隣接する椎体と、端壁24から延在する少なくとも1つの突起26との、または代替として底板部材80の突起86(図示せず)との間の密接な接触をもたらす、2つの椎体の間で空間内に位置決めされる組み立てられた椎体置換デバイス10を示す。結果として得られた圧縮力は、それぞれの端部材20(または底板部材80)から接触する椎体に付与され、所望の解剖学的空間を維持する。
【0035】
適切な外科的露出および切開技術を含む椎体置換デバイスの移植のための外科的技術は、当該技術分野において周知である。該方法は、本体部材30、2つのねじ山部41、42を有し、本体部材30内に動作可能に連結されるように構成される中心ロッド部材40、ならびに中心ロッド部材40の2つのねじ山部41、42に螺合するように構成される第1および第2の端部材20を含み得る、椎体置換デバイス10を取得することを含む。前述のように、本体部材30および端部材20は、組み立ておよび脊柱内の空間内での椎体置換デバイス10の位置決めの後、2つの端部材20の回転運動を抑制するようにさらに構成され、中心ロッド部材40が回転作動されると、よって2つの端部材20を本体部材30に対して反対の軸方向に移動させると、両方の端部材20がそれぞれの椎体に係合する。そのような運動の際には、2つの端部材20は、脊柱内の2つの隣接する椎体に力を付与するであろう。前述したすべてのデバイス構成要素およびそれぞれの要素は、本明細書において事前に記載したものと同じ構造上および機能上の特徴を含むことを理解されたい。
【0036】
図7に見られるように、該方法は、患者の脊柱内の2つの椎体の間に椎体置換デバイス10を位置決めるステップをさらに含み得る。外科的方法は、両方の端部材20を同時に本体部材30に対して反対方向に動作可能に移動させ、
図8に示すように、脊柱内の2つの椎体の間で空間を維持する目的で、2つのそれぞれの隣接する椎体に対する力を生成するステップも含み得る。図示していないが、該方法は、ツール70の回転運動が本体部材30に対する2つのそれぞれの端部材20の反対の軸方向運動に変換され、2つの端部材20を隣接する椎体と接触させて力を付与し、それによって、これらの2つの椎体の間で空間を維持する、ツール用ポートホール39を通してツール70を中心ロッド部材40に係合させるステップをさらに含み得る。該方法はまた、長さ調節手順の完了後に、係止ピン孔71を通して本体部材30に係止ピンを確実に連結させ、本体部材30および中心ロッド部材40に対する2つの端部材20の固定を確保するステップも含み得る。
【0037】
当業者は、本明細書に記載される外科的方法はまた、より詳細に前述した代替実施形態である端部材90に連結される、モジュール式の底板部材80を使用することを代替として含み得ることを理解されたい。本明細書に記載される椎体置換デバイス10の移植の順序は、所与の臨床的状況、および底板部材80が椎体置換デバイス10を完全に組み立てる前に「作業台」上で取り付けられるか、または手術部位内で取り付けられるか、に依存して異なり得る。デバイスの組み立て順序は、執刀医の自由裁量によるものとし、患者の臨床的必要性とともに、執刀医が優先する順位に依存して変化するであろう。
【0038】
様々な断面サイズ、多角形および円形/楕円形の断面形状、ならびに本体部材30、端部材、および底板部材80の長手方向の長さから構成される移植システムは、キットとして入手可能であることが、さらに企図される。これにより、執刀医は、特定の脊椎セグメントに最も適した椎体置換デバイス10を組み立てるため、または患者に存在する解剖学的変形に対応するための、別個の部材構成要素を選別することができる。当業者は、提供されるそれぞれの形状および寸法の部材は、中心ロッド部材40および支持リング50について本明細書で以前に記載されたのと同様の様式で機能することを理解されたい。
【0039】
また、本明細書に開示されるのは、インプラントを2つの骨間の空間内に導入する際に使用するための外科手術器具である。より具体的には、外科手術器具は、典型的には、脊柱内への移植の間、椎体置換インプラントを保持、延在/縮小、および係止するために使用されるであろう。外科手術器具は、概して、遠位端にインプラント係合アセンブリを含む、伸長部材である、ハンドルアセンブリを含む。インプラント係合アセンブリはさらに、作動体と、作動体が作動されると、インプラントを移動および握持する2つのアームを有する、インプラント保持部分とを含む。外科手術器具はさらに、長さ制御機構と、係止機構とを含む。長さ制御機構の遠位端またはギアアセンブリは、インプラント内に挿入され、対応する長さ調節機構に連結し、インプラントの全長を変動させることを可能にする。外科手術器具は、典型的には、さらに、インプラント内への係止ピンまたはねじの挿入を提供し、インプラントの全長を固定する、係止機構を含む。
【0040】
本明細書で使用されるように、用語「外科手術器具」および「挿入体」は、本質的に、同一の種類の手術器具を説明するため、同義的に使用され得る。さらに、本明細書に説明されるは、外科手術器具を使用するための外科手術方法、方罹患または損傷脊柱に悩まされている患者内の2つの椎骨間の空間を維持するために使用される、外科手術器具および脊椎インプラント挿入キットを加工する方法である。
【0041】
図12、14、および15に描写されるように、本発明の側面による、外科手術器具11の一般的配列は、ハンドルアセンブリ100と、伸長部材201と、インプラント係合アセンブリ204と、長さ制御機構300と、少なくとも1つの係止機構400とを含む。外科手術器具11は、本体内に留置されると、インプラントを把持し、その長さを拡張および縮小させ、全長を固着させるために使用される。外科手術器具11と併用され得る、インプラントの種類の1つは、米国特許出願第11/928,532号および第11/928,553号に説明されるものである。これらの米国出願に提供される内容および開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0042】
本発明を実施するための形態および以下の請求項では、近位、遠位、前方、後方、内側、外側、上方および下方という用語は、外科手術器具の相対的配置または参照方向用語に従って、骨、プロテーゼ、または外科手術器具の特定の部分を示すために、その標準的使用によって定義される。例えば、「近位」が、胴体に最も近く位置決めされる器具の一部分を意味するのに対し、「遠位」は、胴体から最も遠い器具の一部分を示す。方向を示す用語に関しては、「前方」は、体の前側に向かう方向であり、「後方」は、体の後側に向かう方向を意味し、「内側」は、体の中心線に向かうことを意味し、「外側」は、体の横に向かうかまたは中心線から離れた方向であり、「上方」は、上の方向を意味し、「下方」は、別の対象または構造より下の方向を意味する。
【0043】
図12および14を参照すると、外科手術器具11は、ハンドルアセンブリ100と、伸長部材201と、さらに、作動体205、整合体214、および保持部分206を含む、インプラント係合アセンブリ204とを含む。さらに外科手術器具11内に含まれるのは、長さ制御機構300と、伸長部材201の長手方向軸210と平行に走るように配向される、少なくとも1つの係止機構400とである。
【0044】
図12に示されるように、外科手術器具11のハンドルアセンブリ100はまた、本体部分101と、上部部分102とを含む。本体部分101は、概して、執刀医の手のひらおよび指に対応するグリップまたはホルダとして構成される。本体部分101は、外科手術器具11が、内視鏡下手技およびアプローチを含む、広範囲の外科手術用途において使用され、かつ器用さおよび快適性を犠牲にせずに、種々のユーザの手のサイズに適合することを可能にするように、可変サイズおよび構成で利用可能であり得ることが企図される。上部部分の中心に置かれ、近位から遠位方向に延在するのは、少なくとも1つの貫通孔103である。孔103は、長さ制御機構300の構成要素である駆動シャフト303を格納する、遠位に突出するカニューレ状管304(
図19参照)を受け取りかつ固定するようにサイズ調節される。
【0045】
図12および19に見られるように、孔103の両側に位置決めされるのは、少なくとも1つの係止機構400のための接続ロッド403を受け取るようにサイズ調節される、2つの実質的平行貫通孔104である。
図19に例示目的のために示される実施形態は、係止機構400の接続ロッド403を受け取るようにサイズ調節される、2つの実質的平行孔104を描写する。孔104は、執刀医が、外科手術器具11を使用して、インプラントの全長を固着させるとき、接続ロッド403の回転運動を可能にするように構成される。
【0046】
ハンドルアセンブリ100および作動体205の中間に位置決めされるのは、伸長部材201である。
図12、14、および15は、近位から遠位方向に延在する、伸長本体201を示し、第1の端部202は、ハンドルアセンブリ100に隣接して位置し、第2の端部203は、遠位に位置決めされるインプラント係合アセンブリ204、またはより具体的には、作動体205に移動可能または回転可能に接続される。
図12−15に見られるように、伸長部材201は、丸い断面形状を伴う管状構造であるが、さらに、限定されないが、卵形、正方形、正方形、長方形、および他の多角形形状を含む、種々の幾何学的形状断面が、伸長部材201を構築する際に使用され得ることが企図される。さらに、
図19に示されるように、伸長部材201は、中空であって、内径は、カニューレ状管304を収容および囲繞するようにサイズ調節される。第1の端部202は、概して、執刀医に、必要なとき、伸長部材201を把持および旋回するための増加した表面積およびテクスチャを提供する構成を伴う、把持部分211として、成形される。第2の端部203は、典型的には、作動体205に螺合係合するであろう、一式の雄ねじ212を含むように構成される。執刀医が、伸長部材201を回転させると、係合された作動体205は、遠位に移動し、保持部分206とインプラントの係合および握持をもたらす。執刀医が、伸長部材201の回転方向を逆にする場合、これは、係合された作動体205を伸長部材201に対して近位に移動させ、保持部分206に、インプラントを第1および第2のアーム207、208間から拡張および解放させるであろう。
【0047】
図13は、インプラント係合アセンブリ204、具体的には、作動体205および保持部分206を詳細に示す、分解図である。作動体205はさらに、雄ねじ212に係合する雌ねじ209を伴う、貫通中心孔220を含むように構築されてもよい。少なくとも2つの貫通孔215が、外側に位置決めされ、接続ロッド403を受け取るようにサイズ調節されてもよい。整合体214に摺動係合するようにサイズ調節される、スロット付き横方向開口部221が、作動体205の遠位側面に位置決めされる。駆動リンク213を連結するための接続孔222もまた、作動体205の遠位側面の上方および下方表面内に構築されてもよい。貫通孔223が、整合体214の中央線に沿って位置決めされ、カニューレ状管304および駆動シャフト303を受け取るようにサイズ調節される。加えて、整合体214は、アーム207、208の移動可能連結を可能にする、固定孔224を含んでもよい。
【0048】
図16−18に見られるような保持部分206は、概して、整合体214と、駆動リンク213と、第1のアーム207と、第2のアーム208とを含み、取り付けられた係合部材216は、第1および第2のアーム207、207の遠位側面に位置決めされる。保持部分206は、第1および第2のアーム207、208が、外科手術器具11の中央線に向かう方向に、次いで、駆動リンク213が、それぞれ、遠位または近位のいずれかに移動されると、中央線から離される方向に、移動することを可能にするように構築される。
【0049】
図17に見られるように、駆動リンク213は、作動体205に取り付けられ、したがって、前述のように、伸長部材201が、作動体205内に螺合され、遠位または近位方向のいずれかに作動体205を移動させると、遠位に取り付けられた駆動リンク213は、次いで、中央線に向かって、または中央線から離れるようにのいずれかに第1および第2のアーム207、208を移動させるであろう。第1および第2のアーム207、208は、概して、L形状体として構成され、駆動リンク213に連結されると、持続移動を促進する。
【0050】
図13および17はまた、第1および第2のアーム207、208の遠位端に位置決めされる、2つの係合部材216を描写する。係合部材216は、係合部材216が、アーム端部の周囲で枢動および回転することを可能にする様式において、第1および第2のアーム207、208の遠位端に取り付けられる。アーム207、208の可動性と連結される本枢動運動は、外科手術器具11が、可変幅または直径を伴うインプラントを含む、広範囲のサイズのインプラントに対応することを可能にする。係合部材216は、インプラントの外部表面上の対応する開口部と係合または噛合するようにサイズ調節される、取り付けられた係合要素218を含む、遠位表面217を有する。
【0051】
例示目的のために、
図13および17に見られるように、係合要素218は、ノブ状構造として構成されるが、限定されないが、ばねボール、ロッド、またはピンを含む、他の突出状構造も使用され得ることが企図される。
【0052】
図12および15はさらに、インプラントと係合し、インプラントの延在およびインプラントの縮小または短縮の両方を通して、インプラントの全長を機械的に変化させるように機能する、長さ制御機構300を示す。これは、概して、インプラント内の対応する長さ調節機構と噛合する、長さ制御機構300の回転運動を使用することによって達成される。インプラントの長さ調節機構は、長さ制御機構300の回転運動を平行移動運動に変換するように設計され、インプラントの全体的線形長が、次いで、変化される。長さ制御機構300は、外科手術器具11の近位端に位置決めされる、把持部分301を含む。把持部分301は、典型的には、ノブまたは他の類似構造として成形され、執刀医の容易な操作を可能にする。把持部分301は、概して、近位から遠位方向に延在し、また、実質的に、長手方向軸210に平行である、駆動シャフト303の近位端に接続される。
【0053】
図19に見られるように、駆動シャフト303は、貫通孔103を通過し、ハンドルアセンブリ100内のカニューレ状管304によって封入される。カニューレ状管304は、駆動シャフト303が、遠位から近位方向に移動し、回転することを可能にするようにサイズ調節される。駆動シャフト303の遠位端に取り付けられるのは、ギアアセンブリ302である。
【0054】
図13、15、および17は、ギアアセンブリ302が、インプラントのいくつかの孔のうちの1つを通して進入し、インプラントの長さ調節機構に係合することを可能にする、概して、アーム207、208間の距離に延在する、ギアアセンブリ302を示す。
図13に見られるように、ギアアセンブリ302は、カニューレ状管304からの駆動シャフト303の出口点に近接近して、駆動シャフト303の遠位端に固着される。駆動シャフト303へのギアアセンブリ302の直接固着のため、把持部分301が時計回りに回転されると、本指向性運動は、直接、ギアアセンブリ302に伝達され、対応して、時計回り方向に回転させる。長さ制御機構300は、外科医が、インプラントを延長(拡張)または短縮(縮小)させているかに応じて、時計回りおよび反時計回り方向の両方に回転され得ることに留意されたい。
【0055】
図12、15、および19は、概して、係止機構400を示す。例示目的のために、外科手術器具11は、これらの図に描写されるように、2つの係止機構400を含むが、1つのみの係止機構が、移植後、インプラントの全長を固着させるために必要であり得ることも企図される。
図19の横断面図に見られるように、係止機構400は、外科手術器具11の近位端近傍かつハンドルアセンブリ100に近接して位置決めされる、把持部分401を有する。把持部分401は、典型的には、ノブまたは他のハンドル状形状として構成され、使用するとき、執刀医の容易な握持および操作を可能にする。把持部分401に接続されるのは、近位から遠位方向に、かつ実質的に、長手方向軸210に平行に延在する、接続ロッド403である。接続ロッド401は、ハンドルアセンブリ100内の貫通孔104を通過し、孔104は、いかなる衝突も伴わずに、接続ロッド403の回転および平行移動を可能にするようにサイズ調節される。接続ロッド403の遠位部分に接続されるのは、連結端402(
図13参照)である。
【0056】
図13、16、および18に見られるように、接続ロッド403は、若干、湾曲され、可撓性材料から加工され、連結端402の湾曲および整合体214内への進入を可能にし得る、遷移部分408を含んでもよい。遷移部分408を構築するために使用するための可能性として考えられる可撓性材料の実施例として、ニチノールまたは他の弾性/疑似弾性金属、ならびにポリマー、ポリエチレンおよびポリスチレンを含むが、それらに限定されない、種々の適合性が挙げられる。連結端402はさらに、インプラント内への固着後、係止ピン/ねじの着脱可能連結を可能にするように構成される、遠位先端406を含む。
図17に見られるように、遠位先端406は、順に、対応する係止ピン/ねじの頭部と合致するであろう、六角形または他の幾何学的形状として成形されてもよい。
【0057】
図13、16、および17はさらに、接続ロッド403がまた、整合体214の外側に位置決めされるスロット219と摺動係合する、軸受部分407を含み得ることを示す。スロット219は、概して、軸受部分407の回転および平行移動を可能にする一方、また、係止ピン/ねじの挿入のために、先端406とインプラントの側の孔と正しく整合するようにサイズ調節される。1つまたは2つの係止機構400が本発明に存在するかどうかどうかに応じて、整合体214内に存在するスロット219の数を決定するであろう。図示されないが、係止ピン/ねじが、インプラントまたは内部長さ調節機構の側孔に係合するための雄ねじを含んでもよいことは、当業者によって理解されるであろう。係止ピン/ねじの頭部または係合端部のいずれか上の代替係止機構が、係止ピン/ねじをインプラントの内部長さ調節機構に固着させるために使用されてもよい。
【0058】
図15に示されるように、外科手術器具11は、2つの係止機構400を使用してもよい。これが該当する場合、接続ロッド403は、概して、外科手術器具11の長さにわたって、それぞれに平行に走るであろう。2つの係止機構400が存在することは、執刀医が、インプラントを2つの場所に固着し、術後、インプラントの全長の長期安定性を保証することを可能にする。
【0059】
適切な外科手術露出および切開技法を含む、インプラント700の移植のための外科手術技法は、当技術分野において周知である。本方法は、概して、インプラント700と、外科手術器具11の近位端に位置決めされるハンドルアセンブリ100ならびにハンドルアセンブリ100に隣接して位置する第1の端部202およびインプラント係合アセンブリ204に接続された第2の端部203を有する、伸長部材201を含み得る、外科手術器具11とを取得するステップを含む。外科手術器具11はさらに、概して、把持部分301、ギアアセンブリ302、および駆動シャフト303から構築されるであろう、長さ制御機構300を有してもよい。外科手術器具11はさらに、把持部分401、連結端402、および接続ロッド403を有する、少なくとも1つの係止機構400を有してもよい。前述の器具構成要素および個別の要素は全て、本明細書に前述されたものと同一の構造および機能特性を含むことを理解されたい。
【0060】
本方法はさらに、インプラント700をインプラント係合アセンブリ204、またはより具体的には、係合部材216に連結するステップを含んでもよい。インプラント700は、執刀医がインプラント700を係合部材216間に留置するとき、外科手術器具11によって握持または把持される。執刀医は、次いで、アーム207、208が、インプラント700から離れるように広げられるか、またはそれと接触するようにともにより接近させる必要があるかどうかに応じて、時計回りまたは反時計回りのいずれかに、保持把持部分211を介して、伸長部材201を回転させる。執刀医は、把持部分211の保持をゆるめると同時に、また、伸長部材201をそのシャフトに沿って旋回させてもよい。伸長部材201の回転に応じて、雄ねじ212は、作動体205の雌ねじ209に係合し、伸長部材201の回転方向に応じて、作動体205を近位または遠位のいずれかに移動させる。作動体205の移動は、駆動リンク213がアーム207、208を作動させ、ともにより近接するように移動させ、インプラントを把持するか、または引き離し、インプラントを係合部材216間から解放するかのいずれかをもたらす。アーム207、208と係合部材216との間の枢動接続は、保持部分206が、広範囲のサイズ、構成、および直径のインプラントに対応および係合することを可能にする。
【0061】
図20に示されるように、外科手術方法はまた、外科手術器具11および取り付けられたインプラント700を皮膚開口部を通して挿入し、取り付けられたインプラント700を2つの標的骨800間の空間801に隣接して位置決めるステップを含んでもよい。例示目的のためにすぎないが、
図20に見られるように、2つの骨は、椎体または椎骨800であってもよい。
【0062】
図21および22は、可能性として考えられるさらなる方法ステップ、すなわち、インプラント700の2つの端部705(図示せず)が椎骨800と接触し、インプラント700によって印加される力をもたらし、空間開口部を2つの椎骨800間に維持するまでのインプラント700の全長の延在または縮小を呈する。インプラント700の全長は、長さ制御機構300を時計回りまたは反時計回り方向のいずれかに回転させることによって、延在または縮小(短縮)されてもよい。インプラント700と外科手術器具11の保持部分206の係合後、執刀医は、把持部分301を近位方向に押動し、駆動シャフト303および取り付けられるギアアセンブリ302もまた、近位に移動させ、ギアアセンブリ302が孔702内に進入する結果をもたらすであろう。図示されないが、ギアアセンブリ302は、インプラント700の内側部分内への移動に応じて、対応して、構成される長さ調節機構に係合するであろう。ギアアセンブリ302が、長さ調節機構と係合されると、執刀医は、把持部分301を時計回りまたは反時計回り方向のいずれかに旋回させるであろう。把持部分301が回転されると、駆動シャフト303および接続されたギアアセンブリ302もまた、回転するであろう。参照することによって本明細書に組み込まれる前述の係属中の出願に説明されるように、インプラントの長さ調節機構は、ギアアセンブリ302の回転移動をインプラント内の平行移動に変換するように構成される。本質的に、長さ制御機構300がある方向に回転されると、インプラント700は、延在する、またはより長くなり、反対方向における長さ制御機構300の回転は、インプラント700を短縮または縮小させる一方、インプラントが、2つの骨間に留置される。本新規機能性は、執刀医に、作業空間内の位置決めを損なうことなく、適切なインプラントサイズを正確に調節し、保証する能力を提供する。
【0063】
図22および23はさらに、適切な全長が判定されると、インプラント700の孔704内への係止ピン/ねじ405の挿入によって、インプラント700の全長を固定または固着させる、可能性として考えられるステップを示す。執刀医は、最初に、係止ピン405を先端406に連結することによって(図示せず)、係止機構400を使用する。インプラントの体内最終位置決めおよびサイズ調節後、執刀医は、把持部分401を保持および旋回し、順に、接続ロッド403を回転させるであろう。係止ピン405および孔704の係止またはねじ構成に応じて、把持部分401は、時計回りまたは反時計回り方向のいずれかに旋回されてもよい。把持部分401は、次いで、近位方向に押動され、係止ピン405を孔704内に進入させ、インプラント700内のねじまたは別の固着構成のいずれかに係合させる。孔704内への係止ピン405の回転挿入後、長さ調節機構は、定位置に係止され、それによって、インプラント700の全長を固定するであろう。係止ピン405が完全に着座されると、執刀医は、係止機構400を遠位方向に移動させ、先端406を係止ピン405から分断するであろう。
【0064】
本明細書に説明される外科手術方法および外科手術器具11の使用が、例示的脊柱に対して、前方、後方、または外側アプローチのいずれかを使用して行われてもよいことは、当業者によって理解されるはずである。加えて、執刀医は、インプラント700に対する外科手術器具11の多機能性(すなわち、握持、延在/縮小、および係止)動作のため、低侵襲的外科手術アプローチを使用し、外科手術器具11を採用してもよい。さらに、外科手術器具11は、内視鏡下挿入を可能にするようにサイズ調節され得ることが企図される。これらの複数の機能が、1つの器具内に組み込まれることは、執刀医に、1つの器具を創傷内に保ち、繰り返し、器具を除去し、異なる器具と交換し、別の機能を果たす必要がない能力を提供するという長年の要望に対処する。多目的外科手術器具を有することは、組織分裂および隣接する構造損傷の潜在性を減少させるであろう。
【0065】
さらに、外科手術器具11を加工する方法は、ハンドルアセンブリ100に、伸長部材201の一端202がハンドルアセンブリ100に隣接して位置決めされ、伸長部材201の第2の端部203がインプラント係合アセンブリ204に移動可能または螺合接続される、伸長部材201を提供する付加的ステップを提供するステップを含み得ることが企図される。ハンドルアセンブリ100およびインプラント係合アセンブリに対する伸長部材201の回転移動は、係合部材216間におけるインプラントの握持および保持をもたらす。
【0066】
加工方法はまた、典型的には、執刀医が、係合部材216間において、インプラントを定位置保持しながら、インプラントの全長を調節することを可能にする、長さ制御機構300を提供するさらなるステップを含んでもよい。本方法のさらなるステップは、外科手術器具11のための少なくとも1つの係止機構400を提供するステップを含んでもよい。係止機構400は、執刀医が、最終位置決めおよびサイズ調節が体内で達成された後、インプラントの全長を固着および固定する能力を可能にする。
【0067】
さらに、脊椎インプラント挿入キットは、種々の断面サイズ、断面多角形および円形/卵形形状、および長手方向長さのインプラントから成り、対応する外科手術器具11は、キットとして利用可能であろうことが企図される。これは、執刀医が、ある脊椎区画に最良適合する脊椎インプラントを組み立てる、または患者内に存在するある解剖学的奇形に対処するために必要なこれらのモジュール式構成要素を選別および選定することを可能にするであろう。キットはさらに、複数のサイズ調節された(長さおよび直径の両方)脊椎インプラントと併用され得る、単一挿入体11を含むであろう。また、複数のサイズ調節された挿入体が、脊椎の種々の解剖学的領域および対応するインプラントサイズ(すなわち、腰部、胸部、および頸部)に対応するようにキット内に含まれ得ることが企図される。挿入体11は、ハンドルアセンブリ100と、伸長部材201と、長さ制御機構300と、少なくとも1つの係止機構400とを含む。簡潔にするために、前述の挿入体構成要素および個別の要素は全て、ここで再び論じられず、本明細書で前述のものと同一の構造および機能特性を含む。
【0068】
ここで
図25−36を参照すると、本発明の別の例示的実施形態による、椎体置換デバイス1000が、示される。椎体置換デバイス1000は、本体部材1100と、中心ロッド部材1200と、第1の端部材1300と、第2の端部材1400とを含む。当業者は、本体部材1100、中心本体部材1200、第1の端部材1300、および第2の端部材1400が、デバイス10を参照して図示および前述の特徴に対応する特徴を有することを観察するであろう。したがって、デバイス10上の対応する構成要素および特徴の説明は、参照することによって本セクションに組み込まれる。
【0069】
デバイス10同様に、本体部材1100は、内壁1101と、外壁1102とを有する。外壁1102は、外壁1102から、内壁1101を通して延在する、複数のツール用ポート1103を特徴とする。複数のツール用ポート1103は、本体部材1100の周縁1110の一部に沿って配列される。外壁1102は、椎体デバイス1000を拡張させるように動作可能なドライバツール等のツールと係合するために構成される。第1の端部材1300および第2の端部材1400はそれぞれ、それぞれ、端壁1350および1450を有する。端壁1350および1450はそれぞれ、それぞれ、突起またはスパイク1352および1452を特徴とする。突起1352および1452は、椎体置換デバイス1000が2つの椎骨間の空間内で完全に拡張される、またはほぼ完全に拡張されると、椎体に係合するように構成される。本体部材1100は、本体部材30のように、種々の外径サイズおよび長手方向長において、執刀医に利用可能となり得る。
【0070】
中心ロッド部材1200は、第1のねじ山付き部分1210と、第2のねじ山付き部分1220とを含む。中心ロッド部材1200は、本体部材1100内に動作可能に関連付けられ、歯車部1230を含むように構成される。歯車部1230は、歯状表面1232と、支持表面1234とを含む。歯状表面1232は、中心ロッド部材1200を囲繞する、ギアの歯1233の円形配列を含む。支持表面1234は、陥凹セクション1236によって、歯状表面1232から分離される。
【0071】
本体部材1100上の複数のツール用ポート1103は、第1のツール用ポート1110と、第2のツール用ポート1120と、第3のツール用ポート1130とを含む。第3のツール用ポート1130は、第1のツール用ポート1110と第2のツール用ポート1120との間に位置決めされる。歯車部1230のギアの歯1233は、中心ロッド部材1200が、
図26に示されるように、本体部材内で動作可能に関連付けられると、第3のツール用ポート1130を通して暴露される。第3のツール用ポート1130は、
図27および30に示されるように、外科手術器具2000の駆動シャフト2010を受け取るように構成される。駆動シャフト2010は、ギア機構2022を含む、遠位端2020を有する。ギア機構2022は、個々に、歯状表面1232上の隣接する歯1233間に嵌合するように構成される、複数の歯2024を含む。駆動シャフト2010が、第3のツール用ポート1130を通して挿入され、ギア機構2022が、歯状表面1232と係合されると、椎体置換デバイス1000は、駆動シャフトの回転に応答して、拡張または後退されることができる。
【0072】
本体部材1100は、第1のまたは上方に位置決めされる端受部1133と、第2のまたは下方に位置決めされる端受部1134とを含む。長手方向軸1137は、端受部1133と1134との間に延在する。中央チャンバ1136は、第1の端受部1133と第2の端受部1134との間に延在する。第1のツール用ポート1110、第2のツール用ポート1120、および第3のツール用ポート1130は全て、外壁1102を通して、中央チャンバ1136内に延在する。
【0073】
第1の端部材1300は、中心ロッド部材1200の第1のねじ山付き部分1210に螺合係合するように構成される。同様に、第2の端部材1400は、中心ロッド部材1200の第2のねじ山付き部分1220に螺合係合するように構成される。以下により詳細に説明されるように、本体部材1100、第1の端部材1300、および第2の端部材1400は、中心ロッド部材1200が、第1の端部材および第2の端部材を本体部材に対して軸方向に移動させるように回転作動されると、本体部材に対する第1および第2の端部材の回転移動を抑制する、特徴を含む。
【0074】
駆動シャフト2010と歯状表面1232との間の適切な係合は、椎体置換デバイス1000が、部品の最小機械抵抗または妨害を伴って拡張されることを可能にする。外科医が、駆動シャフト2010を回転させる際、過剰機械抵抗を被る場合、本抵抗は、感触によって、椎体置換デバイス1000が完全に拡張されるとき、それを感知する外科医の能力に干渉し得る。抵抗は、歯状表面1232に対する駆動シャフト2010の不適切な位置決めによって生じ得る。駆動シャフト2010の相対的位置は、駆動シャフトを受け取るツール用ポートの形状およびサイズを制御することによって制御され得るが、駆動シャフト2010とツール用ポートの縁との間にある程度の隙間が、駆動シャフトの挿入を促進するために提供されなければならない。駆動シャフト2010の軸方向位置が、しっかりと固着されない場合、隙間は、駆動シャフト2010が、ツール用ポートを通して挿入された後、若干、移動することを可能にし得る。いかなるそのような移動も、駆動シャフト2010を歯状表面1232との適切な係合からずれさせ、不適切な係合および機械抵抗につながり得る。
【0075】
駆動シャフトと歯状表面との間の不整合によって生じる機械抵抗の潜在性を低減または防止するために、本発明による椎体置換デバイスは、好ましくは、整合および割出機構を含む。整合および割出機構は、駆動シャフトがツール用ポートを通して挿入された後、駆動シャフト上の歯が、適切に割り出され、歯状表面上のギアの歯と係合されることを保証する。整合および割出機構はまた、駆動シャフト上の歯が、適切に割り出され、歯状表面上のギアの歯と係合されたままであることを保証する。これは、1つ以上の係合点を椎体の外壁上に提供することによって達成される。係合点または複数の点は、外科手術器具および駆動シャフトが、歯状表面に適切に係合する正しい場所に位置決めされるときのみ、外科手術器具上の係合要素と噛合および係止するように位置し、構成される。
【0076】
図26は、本発明の一例示的実施形態による、整合および割出機構1500を示す。整合および割出機構1500は、第1のツール用ポート1110および第2のツール用ポート1120によって形成される。第1および第2のツール用ポート1110および1120は、第3のツール用ポート1130の両側に位置決めされ、第1および第2の端部材1300および1400から等距離にある。第1および第2のツール用ポート1110および1120はそれぞれ、伸長構成を有し、外科手術器具2000上の対応する整合および割出特徴と協働するように構成される。
【0077】
ここで
図29−31を参照すると、外科手術器具2000は、2つの係合部材2216を含む、整合および割出特徴2200を含む。係合部材2216は、両一式の係合部材が、インプラントを握持するために、相互に向かって移動され得る限りにおいて、多くの点において、前述の係合部材216に類似する。各係合部材2216は、ピン2218の形態の係合要素を含む。外筒2230は、係合部材2216を囲繞し、各係合部材の外側縁2217に係合する。係合部材2216は、係合部材が外筒内に引き込まれる近位方向に、および係合部材が外筒から延在される遠位方向に、外筒2230に対して軸方向変位可能である。したがって、係合部材2216は、外筒2230内に近位に引き込まれるのに応答して、相互に向かって内向きに移動し、ともに近づき、外筒から遠位に延在されるのに応答して、外向きに移動し、相互から離れる。係合部材2216は、ピン2218が締付位置に位置する位置に達するまで、相互に向かって移動可能である。係合部材2216は、相互から離れるように変位され、ピンが解放位置に達するまで、ピン2218を広げ得る。
【0078】
第1および第2のポート1110および1120は、器具2000上の係合ピン2218を受け取るように位置決めされる。第1および第2のポート1110および1120の伸長幾何学形状は、ピンが締付位置または解放位置のいずれかにあるとき、ピン2218が第1および第2のポート内に常駐し得るようなものである。各ピン2218は、第1および第2のポート1110および1120の上縁と下縁との間の中心に置かれる。これは、駆動シャフトのギア機構2022が歯車部1230の歯状表面に適切に係合するように、駆動シャフト2010の適切な配向および位置を設定する。特に、第1および第2のスロット1110および1120は、歯2024が、歯状表面1232上の歯1233に伴って割り出され、その間に嵌合するために要求される精密な位置および配向にあるように、第3のツール用ポート1130を通して挿入されるにつれて、駆動シャフト2010の位置を制御する。これは、最小機械抵抗を伴って、駆動シャフト2010と歯車部2130との間の適切な係合を保証する。ピン2218はまた、器具が、挿入の間、インプラントから分断される場合、器具2000をインプラント1000に再取り付けすることをより容易にする。通常、ドライバ器具を切開内に操向し、原位置で器具のドライバ先端とインプラント内のギア機構を再整合させることは非常に困難であり得る。ピン2218ならびに第1および第2のポート1110および1120は、ピンと第1および第2のポートの係合が、駆動シャフトのための適切な配向を設定するため、はるかに単純に再接続を行う。
【0079】
椎体置換デバイス1000と外科手術器具2000との間の係合は、外壁1102上の「蟻継ぎ」突起1105によって向上される。蟻継ぎ突起1105は、外壁1102内の一対の平行チャネル1106によって形成される。各チャネル1106は、V形状断面プロファイルを有し、蟻継ぎ突起1105の各側に尖頭縁1107を形成する。係合部材2216は、尖頭縁1107に幾何学的に一致する、V形状切り欠き2219を有する。係合部材2216が、締付位置に向かって移動されると、V形状切り欠き2219は、尖頭縁1107に係止係合する。本状態では、椎体置換デバイス1000は、器具2000によってしっかりと把持され、駆動シャフト2010は、歯状表面に適切に係合するように位置決めされる。固着係合は、駆動シャフトが、本位置から偏移または滑動しないように防止し、適切な割出および係合が維持されることを保証する。
【0080】
再び、
図25および26を参照すると、椎体置換デバイス1000は、係止機構1600を含み、所望の高さまで拡張された後、インプラントの位置を固定する。係止機構1600は、係止ピン孔1610および1612の形態における一対のツール用ポートを含む。係止ピン孔1610および1612は、前述の係止ピン孔71に類似する。係止ピン孔1610は、第3のツール用ポート1130の上方の場所において、第1の端部材1300内に形成される。係止ピン孔1612は、第3のツール用ポート1130の下方の場所において、第2の端部材1400内に形成される。各係止ピン孔1610および1612は、ねじ山付き係止ピンまたはねじ1620の形態における係止要素を含有する。各係止ピン1620は、係止ピン孔1610および1612のそれぞれの内側の雌ねじ1616に係合する、雄ねじ1622を有する。
【0081】
第1の端部材1300は、外壁1310を含み、第2の端部材1400は、外壁1410を含む。第1の端部材1300の内部は、好ましくは、第2の端部材1400の内部と同じまたは実質的に同じである。簡潔にするために、第1の端部材1300の内部は、第1の端部材1300の内側の特徴がまた、第2の端部材1400の内側にも存在するという理解のもとで説明される。
図28を参照すると、第1の端部材1300の内部が、示される。雌ねじ1616は、係止ピン孔1610の内壁1615に沿って延在し、終端点1617で終端する。終端点1617は、外壁1310の内側に陥凹され、そこから離間される。係止ピン1620は、係止ピン孔1610内に閉じ込められ、終端点1617を越えて前進されることはできない。したがって、係止ピン1620は、外壁1310を通して、係止ピン孔1610から除去されることができない。
【0082】
第1のツール用ポート1110、第2のツール用ポート1120、第3のツール用ポート1130、係止ピン孔1610、および係止ピン孔1620は、インプラントの同一側または「セグメント」に相互に近接近して位置する。用語「セグメント」は、本明細書で使用されるように、平面が、インプラントの長手方向軸と平行かつ一致するようにインプラントを通して通過されるときに画定される、インプラントのセクションを意味する。用語「長手方向軸」は、本明細書で使用されるように、インプラントの各端壁の中心点を通して延在する、軸を意味する。
図28は、インプラント1000の長手方向軸Lを通して通過し、2つのセグメントS1およびS2を画定する、平面Pを示す。第1のツール用ポート1110、第2のツール用ポート1120、第3のツール用ポート1130、係止ピン孔1610、および係止ピン孔1620は全て、
図26に最も良く見られるように、セグメントS1内に相互に近接近して位置する。同一のセグメント上のツール用ポートおよび係止ピン孔の近接配列は、異なる器具が、同一のアプローチ角度からインプラントに係合することを可能にする。
図32は、外科手術器具2000が、第1のツール用ポート1110、第2のツール用ポート1120、および第3のツール用ポート1130に係合している状態を示す(第2のおよび第3のツール用ポートは、器具の背後にあって、図中では非可視である)。別個のドライバ器具3000は、係止ピン孔1610内に挿入され、係止ピン1620のうちの1つに係合している状態で示される。
【0083】
図25に戻って参照すると、椎体置換デバイス1000は、C形状支持リング1050を含む。支持リング1050は、中心ロッド部材が本体部材1100内に動作可能に位置決めされると、中心ロッド部材1200に接触する、軸受表面1051を有する。歯車部1230の支持表面1234は、中心ロッド部材1200が本体部材内に動作可能に位置決めされると、支持リング1050の軸受表面1051に接触するように構成される。中心ロッド部材1200は、第1のねじ山付き部分1210と第2のねじ山付き部分1220との間に延在する、中心軸1201を有する。歯車部1230は、実質的に、中心軸1201と同軸の回転軸1231を有する。本配列では、歯車部1230が、回転軸1231を中心として回転されるにつれて、第1および第2のねじ山付き部分1210および1220が、対応して、中心軸1201を中心として回転する。
【0084】
第1の端部材1300は、内壁1320と、端壁1330と、一対のピン1340の形態における進行制限機構とを含む。同様に、第2の端部材1400は、内壁1420と、端壁1430と、一対のピン1440の形態における進行制限機構とを含む。第1の端部材1300は、ピン1340を受け取るための一対のピン孔1341を有し、第2の端部材1400は、ピン1440を受け取るための一対のピン孔1441を有する。本体部材1100は、ピン1340を受け取るように適合される第1の対の長手方向スロット1140と、ピン1440を受け取るように適合される第2の対の長手方向スロット1150とを含む。ピン1340および1440は、インプラント構成要素が組み立てられると、第1および第2の長手方向スロット1140および1150と整合および係合する。ピン1340と第1の長手方向スロット1140との係合は、第1の端部材1300が、本体部材1100に対して回転しないように防止する。同様に、ピン1440と第2の長手方向スロット1150の係合は、第2の端部材1300が、本体部材1100に対して回転しないように防止する。第1の長手方向スロット1140は、ピン1340が進行し得る距離を制限する、終端1142を有し、第2の長手方向スロット1150は、ピン1440が進行し得る距離を制限する、終端1152を有する。本配列では、ピン1340および1440は、第1および第2の長手方向スロット1140および1150と組み合わせて、第1および第2の端部材が本体部材1100に対して拡張され得る距離を制限する。
【0085】
本発明による、第1および第2の端部材は、外壁および端壁のうちの少なくとも1つ内に配置され、それを通して延在し、第1および第2の端部材内への生体適合性材料の留置を可能にする、1つ以上の孔を含んでもよい。本発明による、本体部材はまた、本体部材内に適合性材料を受け取るための1つ以上の孔を含んでもよい。例えば、第1の端部材1300は、複数のツール用ポート1305を含み、第2の端部材1400は、複数のツール用ポート1405を含む。本体部材1100はまた、複数のツール用ポート1105を含む。ツール用ポート1305、1405、および1105は、骨移植片および他の生体適合性材料をインプラントの内側の種々の面積内に受け取るように構成および位置決めされる。ツール用ポート1305、1405、および1105はまた、インプラント1000の内側の空間内に骨グラフト材料を詰めるためのインパクタツールを受け取るように構成される。
【0086】
ここで
図33−36を参照すると、本発明の別の例示的実施形態による、椎体置換デバイス5000が、示される。椎体置換デバイス5000は、多くの点において、デバイス1000に類似するが、底板5500に取り付ける、モジュール式の第1の端部材5300およびモジュール式の第2の端部材5400を特徴とする。第1および第2の端部材5300および5400は、本体部材5100および中心ロッド部材5200と協働する。
【0087】
第1の端部材5300および第2の端部材5400は、同じように構成される。したがって、第1の端部材5300のみ、第1の端部材5300の特徴もまた、第2の端部材5400上に存在するという理解のもとで説明される。
図35を参照すると、底板5500が、第1の端部材5300に着脱可能に連結されて示される。第1の端部材5300は、環状溝5320を伴う、円形突起5310を含む。各底板5500は、中心開口部5510と、弾性的に変形可能なスナップリング5530を担持する、内側スロット5520とを有する。底板5500を第1の端部材5300に取り付けるために、底板は、第1の端部材にわたって留置され、円形突起が中心開口部5510内に延在するように、円形突起5310上に押下される。底板5500が、第1の端部材5300上に押下されるにつれて、スナップリング5530は、円形突起5310の外部との接触に応答して、半径方向外向きに拡張し、円形突起の外部にわたって摺動する、拡張状態に留まる。拡張状態では、スナップリング5530は、スナップリングが環状溝5320と整合するまで、貯蔵されたエネルギーを維持する。スナップリング5530が環状溝5320と整合すると、スナップリングは、拡張状態から解放され、より弛緩状態に向かって、溝内に後退する。本位置では、スナップリング5530は、環状溝5320およびスロット5520の両方内に延在し、底板5500を第1の端部材5300に着脱可能に連結する。
【0088】
図33における第1および第2の端部材5300および5400は、底板5500のように、底板と接続し得るという点において、前述のように、モジュール式である。対照的に、
図25における第1および第2の端部材1300および1400は、「一体型」設計を有する。すなわち、それらは、直接、椎骨に係合し、底板に接続しない、端壁を有する。種々の修正、追加、および置換が、本発明に従って、これらの特徴および他の特徴に行われ得ることは、当業者に明白となるであろう。端部材に関して、本発明による、椎体置換デバイスは、同じように構成される第1および第2の端部材を有する必要はない。
図36は、異なる端部材構成を特徴とする、別の本発明の実施形態による、椎体置換デバイス6000を示す。第1の端部材6300は、モジュール式である一方、第2の端部材6400は、一体型である。
【0089】
本明細書では、好ましい実施形態および図面が詳細に示されてきたが、関連技術分野の当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正、追加、および代替が行われ得ることが、明白である。よって、そのような修正、追加、および代替は、以下の特許請求の範囲と見なされるべきである。