(54)【発明の名称】任意的なパーティションを利用した動き予測によるビデオ符号化方法及びその装置、任意的なパーティションを利用した動き補償によるビデオ復号化方法及びその装置
【文献】
Jaeil Kim, Taeyoung Na, Changhee Kim, Bumshik Lee, Munchurl Kim,Enlarging MB size for high fidelity video coding beyond HD,ITU - Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group,2008年10月 5日,[VCEG-AJ21],URL,http://wftp3.itu.int/av-arch/video-site/0810_San/
【文献】
Naito, S., et.al.,"Efficient coding scheme for super high definition video based on extending H.264 high profile",Proc. of SPIE-IS&T Electronic Imaging, SPIE Vol.6077,2006年 1月,p.607727-1〜607727-8,JST資料番号:D0943ABQ
【文献】
木全英明(外2名),「H.26Lにおける非対称マクロブロック分割の効果の検証と実装方法の一検討」,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,2002年11月15日,Vol.2002, No.106,第191〜195頁,ISSN:0919-6072
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法は、ビデオデータを最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測を含み、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域別に、深度が深くなることによって上位深度の符号化単位が分割される階層的構造の深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位のビデオデータを符号化し、符号化結果が出力される深度である符号化深度を決定する段階と、前記最大符号化単位別に、前記分割領域別符号化深度に対応する符号化されたビデオデータ、前記符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含む。
【0009】
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び深度で特徴づけられる。
【0010】
深度とは、符号化単位が階層的に分割される段階を示し、深度が深くなるほど深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割される。本明細書では、高い深度または上位深度から低い深度または下位深度の方向に、「深度が深くなる」と定義する。深度が深くなることによって、最大符号化単位の分割回数が増加し、最大符号化単位の分割可能な総回数が「最大深度」に対応する。符号化単位の最大サイズ及び最大深度があらかじめ設定されている。
【0011】
一実施形態による前記符号化深度決定段階は、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かを選択的に決定する段階を含んでもよい。
【0012】
一実施形態による前記出力段階は、前記インター予測のためのパーティションタイプが、前記符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報を、前記ビットストリームに含んでもよい。
【0013】
一実施形態による前記任意の比率で分割されたパーティションは、前記符号化単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが、1:3または3:1に分割される。
【0014】
一実施形態による前記最大符号化単位は、16x16,32x32,64x64,128x128及び256x256ブロックのうち少なくとも一つに選択的に設定されてもよい。
【0015】
一実施形態による前記符号化深度は、当該分割領域の前記階層的構造による深度別符号化単位に基づいた符号化結果のうち、符号化効率が最も高い深度別符号化単位の深度に決定され、前記最大符号化単位内の少なくとも1つの分割領域ごとに符号化深度が独立して決定されてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする段階と、前記ビットストリームから、最大符号化単位別に符号化されたビデオデータ、並びに前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報を抽出する段階と、前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報に基づいて、前記最大符号化単位別に少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を含む復号化を遂行する段階と、を含み、前記符号化深度別符号化単位は、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域ごとに、階層的構造の深度別符号化単位の深度のうち一つに決定される。
【0017】
一実施形態による前記抽出段階は、前記ビットストリームからインター予測のためのパーティションタイプが、前記符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報をさらに抽出することができる。
【0018】
一実施形態による前記復号化遂行段階は、前記ビットストリームから前記インター予測のためのパーティションタイプが、前記符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報に基づいて、前記任意の比率で分割されたパーティションを利用して動き補償を行うか否かを選択的に決定することができる。
【0019】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置は、ビデオデータを最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部と、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測を含み、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域別に、深度が深くなることによって上位深度の符号化単位が分割される階層的構造の深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位のビデオデータを符号化し、符号化結果が出力される深度である符号化深度を決定する符号化部と、前記最大符号化単位別に、前記分割領域別符号化深度に対応する符号化されたビデオデータ、前記符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームを出力する出力部と、を含む
本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングするパージング部と、前記ビットストリームから、最大符号化単位別に符号化されたビデオデータ、並びに前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報を抽出する抽出部と、前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報に基づいて、前記最大符号化単位別に少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を含む復号化を遂行する復号化部と、を含み、前記符号化深度別符号化単位は、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域ごとに、階層的構造の深度別符号化単位の深度のうち一つに決定されてもよい。
【0020】
本発明は、一実施形態によるビデオ符号化方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含む。また本発明は、一実施形態によるビデオ復号化方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含む。
【0021】
以下、
図1ないし
図21を参照して記述される本発明の実施形態に、「単位」は、文脈上サイズの単位でもあり、そうではないこともある。
【0022】
後述する実施形態で、符号化端で、「符号化単位」は、映像データを符号化するデータ単位を意味するか、または復号化端で、「符号化単位」は、映像データを復号化するための符号化されたデータ単位を意味する。また、「符号化深度」は、符号化単位が符号化された深度を意味する。
【0023】
以下、「映像」は、ビデオの静止映像であるか動映像、すなわち、ビデオそれ自体を示すことができる。
【0024】
以下、
図1ないし
図21を参照しつつ、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置、ビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法について説明する。
図1ないし
図15を参照しつつ、本発明の一実施形態による、空間的に階層的なデータ単位に基づいたビデオの符号化及びビデオの復号化について説明し、以下、
図16ないし21を参照し、一実施形態による、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測によるビデオ符号化及びビデオ復号化について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置100のブロック図を図示している。
【0026】
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大符号化単位分割部110、符号化単位決定部120及び出力部130を含む。
【0027】
最大符号化単位分割部110は、映像の現在ピクチャのための最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャを区画することができる。現在ピクチャが最大符号化単位より大きいならば、現在ピクチャの映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。一実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256などのデータ単位であり、縦横サイズが2の二乗である正方形のデータ単位であってもよい。映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位別に、符号化単位決定部120に出力される。
【0028】
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び深度で特徴づけられる。深度とは、最大符号化単位から符号化単位が空間的に分割した回数を示し、深度が深くなったり増加するほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割される。最大符号化単位の深度が最上位深度であり、最小符号化単位が最下位符号化単位と定義することができる。最大符号化単位は、深度が深くなることによって、深度別符号化単位のサイズは縮小されるので、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含んでもよい。
【0029】
前述の通り、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。一実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが、深度によって階層的に分類される。
【0030】
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる総回数を制限する最大深度及び符号化単位の最大サイズがあらかじめ設定されている。
【0031】
符号化単位決定部120は、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、符号化単位決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位で、映像データを符号化し、最も小さい符号化誤差が発生する深度を選択して符号化深度に決定する。従って、決定された符号化深度の符号化単位の符号化された映像データが最終的に出力される。また、符号化深度の符号化単位を、符号化される符号化単位であると見る。
【0032】
決定された符号化深度及び最大符号化単位別映像データは、出力部130に出力される。
【0033】
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最も小さい深度が選択される。それぞれの最大化符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化深度が決定される。
【0034】
最大符号化単位のサイズは、深度が深くなることによって、符号化単位が階層的に分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同じ深度の符号化単位であるにしても、それぞれのデータに係わる符号化誤差を測定し、下位深度への分割いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであると言っても、位置によって深度別符号化誤差が異なるので、位置によって、符号化深度が異なって決定される。従って、1つの最大符号化単位について符号化深度が一つ以上設定され、最大符号化単位のデータは、一つ以上の符号化深度の符号化単位によって区画される。
【0035】
従って、一実施形態による符号化単位決定部120は、現在最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位が決定される。一実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれるあらゆる深度別符号化単位のうち、符号化深度に決定された深度の符号化単位を含む。符号化深度の符号化単位は、最大符号化単位内で、同一領域では、深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定される。同様に、現在領域に係わる符号化深度は、他の領域に係わる符号化深度と独立して決定される。
【0036】
一実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数と関連した指標である。すなわち、最大符号化単位が最小符号化単位まで分割される回数が最大深度であってもよい。一実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示すことができる。一実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの総個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度は、2に設定される。この場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の5深度レベルが存在するので、第1最大深度は4、第2最大深度は5に設定される。
【0037】
最大符号化単位の予測符号化及び変換が行われる。予測符号化及び変換も、同様に、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに、深度別符号化単位を基にして行われる。変換は、直交変換または整数変換の方式によって行われる。
【0038】
最大符号化単位が深度別に分割されるたびに、深度別符号化単位の個数が増加するので、深度が深くなることによって生成されるあらゆる深度別符号化単位について、予測符号化及び変換を含んだ符号化が行われなければならない。以下、説明の便宜のために、少なくとも1つの最大符号化単位のうち、現在深度の符号化単位を基にして、予測符号化及び変換について説明する。
【0039】
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のためのデータ単位のサイズまたは形態を多様に選択することができる。映像データの符号化のためには、予測符号化、変換、エントロピ符号化などの段階を経るが、あらゆる段階にわたって、同じデータ単位が使われ、段階別にデータ単位が変更されもする。
【0040】
例えば、ビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけではなく、符号化単位の映像データの予測符号化を行うために、符号化単位と異なるデータ単位を選択することができる。
【0041】
最大符号化単位の予測符号化のためには、一実施形態による符号化深度の符号化単位、すなわち、もうそれ以上分割されない符号化単位を基にして、予測符号化が行われる。以下、予測符号化の基盤になる、もうそれ以上分割されない符号化単位を「予測単位」とする。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位、並びに予測単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが分割されたデータ単位を含んでもよい。
【0042】
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは正の整数)の符号化単位が、それ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になって、パーティションのサイズは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNであってもよい。一実施形態によるパーティションタイプは、予測単位の高さまたは幅が、対称的比率で分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように、非対称的比率で分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含むこともできる。
【0043】
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つであってもよい。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションについて行われる。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションについてのみ行われる。符号化単位以内の1つの予測単位ごとに、独立して符号化が行われ、符号化誤差が最も小さい予測モードが選択される。
【0044】
また、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけではなく、符号化単位と異なるデータ単位を基にして、符号化単位の映像データの変換を行う。
【0045】
符号化単位の変換のためには、符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサイズのデータ単位を基にして変換が行われる。例えば、変換のためのデータ単位は、イントラモードのためのデータ単位、及びインターモードのためのデータ単位を含んでもよい。
【0046】
以下、変換の基盤になるデータ単位は、「変換単位」とする。一実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定される。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位が、現在符号化単位とサイズが同じであるサイズ2Nx2Nの変換単位であるならば、変換深度0に設定され、現在符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ半分になり、総4^1個に分割されたサイズNxNの変換単位であるならば、変換深度1に、現在符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ四分され、総4^2個に分割されたサイズN/2xN/2の変換単位であるならば、変換深度2に設定できる。例えば、変換深度の階層的性格によって、上位変換深度の変換単位が、4個の下位変換深度の変換単位に分割される階層的ツリー構造による変換単位が設定される。
【0047】
また、符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も、再帰的にさらに小さいサイズの変換単位に分割されつつ、領域別に独立して決定される。従って、一実施形態による符号化単位内で、符号化単位の残差データは、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって区画される。
【0048】
符号化深度別符号化情報は、符号化深度だけではなく、予測関連情報及び変換関連情報が必要である。従って、符号化単位決定部120は、最小符号化誤差を発生させた符号化深度だけではなく、予測単位をパーティションに分割したパーティションタイプ、予測単位別予測モード、変換のための変換単位のサイズなどを決定することができる。
【0049】
一実施形態による最大符号化単位のツリー構造による符号化単位及びパーティションの決定方式については、
図3ないし12を参照して詳細に後述する。
【0050】
符号化単位決定部120は、深度別符号化単位の符号化誤差を、ラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用して測定することができる。
【0051】
出力部130は、符号化単位決定部120で決定された少なくとも1つの符号化深度に基づいて符号化された最大符号化単位の映像データ及び深度別符号化モードについての情報を、ビットストリーム状で出力する。
【0052】
符号化された映像データは、映像の残差データの符号化結果であってもよい。
【0053】
深度別符号化モードについての情報は、符号化深度情報、予測単位のパーティションタイプ情報、予測モード情報、変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。
【0054】
符号化深度情報は、現在深度で符号化せずに、下位深度の符号化単位で符号化するか否かを示す深度別分割情報を利用して定義される。現在符号化単位の現在深度が符号化深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位で符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上下位深度に分割されないように定義される。反対に、現在符号化単位の現在深度が、符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みなければならないので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位で分割されるように定義される。
【0055】
現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位に分割された符号化単位について符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に、下位深度の符号化単位が一つ以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに反復的に符号化が行われ、同じ深度の符号化単位ごとに、再帰的符号化が行われる。
【0056】
1つの最大符号化単位内に、ツリー構造の符号化単位が決定され、符号化深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化モードについての情報が決定されねばならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの符号化モードについての情報が決定される。また、最大符号化単位のデータは、深度によって階層的に区画され、位置別に符号化深度が異なることがあるので、データについて、符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報が設定される。
【0057】
従って、一実施形態による出力部130は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して、当該符号化深度及び符号化モードに対する符号化情報を割り当てることができる。
【0058】
一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度の最小符号化単位が4分割されたサイズの正方形のデータ単位である。一実施形態による最小単位は、最大符号化単位に含まれるあらゆる符号化単位、予測単位、パーティション単位及び変換単位内に含まれる最大サイズの正方形データ単位であってもよい。
【0059】
例えば、出力部130を介して出力される符号化情報は、深度別の符号化単位別符号化情報と、予測単位別符号化情報とに分類される。深度別の符号化単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向についての情報、インターモードの参照映像インデックスについての情報、動きベクトルについての情報、イントラモードのクロマ成分についての情報、イントラモードの補間方式についての情報などを含んでもよい。また、ピクチャ、スライスまたはGOP別に定義される符号化単位の最大サイズについての情報及び最大深度についての情報は、ビットストリームのSPS(sequence parameter set)またはヘッダに挿入される。
【0060】
ビデオ符号化装置100で、深度別符号化単位は、1階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にしたサイズの符号化単位である。すなわち、現在深度の符号化単位のサイズが2Nx2Nであるならば、下位深度の符号化単位のサイズは、NxNである。また、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を、最大4個含む。
【0061】
従って、一実施形態によるビデオ復号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位のサイズ及び最大深度を基にして、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及びサイズの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、変換方式で符号化可能であるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮し、最適の符号化モードが決定される。
【0062】
映像の解像度が非常に高かったり、あるいはデータ量が非常に大きい映像を既存マクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。これにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下する傾向がある。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置は、映像のサイズを考慮して符号化単位の最大サイズを増大させつつ、映像特性を考慮して符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が上昇する。
【0063】
図2は、本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置200のブロック図を図示している。
【0064】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、受信部210、映像データ及び符号化情報抽出部220及び映像データ復号化部230を含む。一実施形態によるビデオ復号化装置200の各種プロセシングのための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種符号化モードについての情報などの各種用語の定義は、
図1及びビデオ符号化装置100を参照して説明した通りである。
【0065】
受信部210は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする。映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位によって、符号化単位ごとに符号化された映像データを抽出し、映像データ復号化部230に出力する。映像データ及び符号化情報抽出部220は、現在ピクチャに係わるヘッダまたはSPSから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズについての情報を抽出することができる。
【0066】
また、映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を抽出する。抽出された符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、映像データ復号化部230に出力される。すなわち、ビット列の映像データを最大符号化単位に分割し、映像データ復号化部230が最大符号化単位ごとに、映像データを復号化するようにする。
【0067】
最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、一つ以上の符号化深度情報について設定され、符号化深度別符号化モードについての情報は、当該符号化単位のパーティションタイプ情報、予測モード情報及び変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。また、符号化深度情報として、深度別分割情報が抽出されもする。
【0068】
映像データ及び符号化情報抽出部220が抽出した最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、一実施形態によるビデオ符号化装置100のように、符号化端で、最大符号化単位別の深度別符号化単位ごとに反復的に符号化を遂行し、最小符号化誤差を発生させると決定された符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報である。従って、ビデオ復号化装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によって、データを復号化して映像を復元する。
【0069】
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位において、所定データ単位について割り当てられているので、映像データ及び符号化情報抽出部220は、所定データ単位別に、符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報が記録されているならば、同じ符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を有している所定データ単位は、同じ最大符号化単位に含まれるデータ単位であると類推される。
【0070】
映像データ復号化部230は、最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを復元する。すなわち、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位ごとに、読み取られたパーティションタイプ、予測モード、変換単位に基づいて符号化された映像データを復号化することができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む予測過程、及び逆変換過程を含んでもよい。逆変換過程は、直交逆変換または整数逆変換の方式に従うことができる。
【0071】
映像データ復号化部230は、符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションタイプ情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとにそれぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行う。
【0072】
また、映像データ復号化部230は、最大符号化単位別逆変換のために、符号化深度別符号化単位の変換単位のサイズ情報に基づいて、符号化単位ごとにそれぞれの変換単位によって逆変換を行う。
【0073】
映像データ復号化部230は、深度別分割情報を利用して、現在最大符号化単位の符号化深度を決定することができる。もし分割情報が、現在深度で、それ以上分割されないということを示しているならば、現在深度が符号化深度である。従って、映像データ復号化部230は、現在最大符号化単位の映像データについて、各符号化深度に対応する符号化単位の符号化されたデータを、予測単位のパーティションタイプ、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して復号化し、現在最大符号化単位の映像データを出力することができる。
【0074】
すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位において、所定データ単位について設定されている符号化情報を観察し、同じ分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、映像データ復号化部230によって、同じ符号化モードで復号化する1つのデータ単位と見なされる。
【0075】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、符号化過程で最大符号化単位ごとに、再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位に係わる情報を獲得し、現在ピクチャに係わる復号化に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに、最適符号化単位に決定されたツリー構造による符号化単位の符号化された映像データの復号化が可能になる。符号化単位の最大単位は、解像度または映像データ量を考慮して決定される。
【0076】
従って、高い解像度の映像またはデータ量が過度に多い映像でも、符号化端から伝送された最適符号化モードについての情報を利用し、映像の特性に適応的に決定された符号化単位のサイズ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号化して復元する。
【0077】
以下、
図3ないし
図13を参照しつつ、本発明の一実施形態によるツリー構造による符号化単位、予測単位及び変換単位の決定方式について説明する。
【0078】
図3は、階層的符号化単位の概念を図示している。符号化単位の例として、符号化単位のサイズは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、32x32、16x16、8x8を含んでもよい。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割される。
【0079】
第1ビデオデータ310については、解像度が1920x1080、符号化単位の最大サイズが64x64、最大深度が2に設定されている。第2ビデオデータ320については、解像度が1920x1080、符号化単位の最大サイズが64x64、最大深度が3に設定されている。第3ビデオデータ330については、解像度が352x288、符号化単位の最大サイズが16x16、最大深度が1に設定されている。
図3に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示す。
【0080】
解像度が高かったり、あるいはデータ量が多い場合、符号化効率の向上だけではなく、映像特性を正確に反省させるために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、第3ビデオデータ330に比べ、解像度が高い第1ビデオデータ310及び第2ビデオデータ320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択される。
【0081】
第1ビデオデータ310の最大深度は、2であるから、第1ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割して深度が2階層深くなり、長軸サイズが32、16である符号化単位まで含んでもよい。一方、第3ビデオデータ330の最大深度は、1であるから、第3ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割して深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
【0082】
第2ビデオデータ320の最大深度は、3であるから、第2ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、3回分割して深度が3階層深くなり、長軸サイズが32、16、8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、細部情報の表現能力が向上しうる。
【0083】
図4は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部400のブロック図を図示している。一実施形態による映像符号化部400は、ビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120で、映像データを符号化するのに経る作業を含む。すなわち、イントラ予測部410は、現在フレーム405において、イントラモードの符号化単位についてイントラ予測を行い、動き推定部420及び動き補償部425は、インターモードの現在フレーム405及び参照フレーム495を利用してインター推定及び動き補償を行う。
【0084】
イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425から出力されたデータは、変換部430及び量子化部440を経て、量子化された変換係数として出力される。量子化された変換係数は、逆量子化部460、逆変換部470を介して、空間領域のデータに復元され、復元された空間領域のデータは、デブロッキング部480及びループフィルタリング部490を経て後処理され、参照フレーム495として出力される。量子化された変換係数は、エントロピ符号化部450を経て、ビットストリーム455として出力される。
【0085】
一実施形態によるビデオ符号化装置100に適用されるためには、映像符号化部400の構成要素であるイントラ予測部410、動き推定部420、動き補償部425、変換部430、量子化部440、エントロピ符号化部450、逆量子化部460、逆変換部470、デブロッキング部480及びループフィルタリング部490が、いずれも最大符号化単位ごとに、最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位に基づいた作業を行わねばならない。
【0086】
特に、イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位のパーティション及び予測モードを決定し、変換部430は、ツリー構造による符号化単位において、それぞれの符号化単位内の変換単位のサイズを決定しなければならない。
【0087】
図5は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部500のブロック図を図示している。ビットストリーム505が、パージング部510を経て、復号化対象である符号化された映像データ、及び復号化のために必要な符号化についての情報がパージングされる。符号化された映像データは、エントロピ復号化部520及び逆量子化部530を経て、逆量子化されたデータとして出力され、逆変換部540を経て、空間領域の映像データが復元される。
【0088】
空間領域の映像データについて、イントラ予測部550は、イントラモードの符号化単位に対してイントラ予測を行い、動き補償部560は、参照フレーム585を共に利用し、インターモードの符号化単位について動き補償を行う。
【0089】
イントラ予測部550及び動き補償部560を経た空間領域のデータは、デブロッキング部570及びループフィルタリング部580を経て後処理され、復元フレーム595に出力される。また、デブロッキング部570及びループフィルタリング部580を経て後処理されたデータは、参照フレーム585として出力される。
【0090】
ビデオ復号化装置200の映像データ復号化部230で映像データを復号化するために、一実施形態による映像復号化部500のパージング部510以後の段階別作業が行われる。
【0091】
一実施形態によるビデオ復号化装置200に適用されるためには、映像復号化部500の構成要素であるパージング部510、エントロピ復号化部520、逆量子化部530、逆変換部540、イントラ予測部550、動き補償部560、デブロッキング部570及びループフィルタリング部580が、いずれも最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位に基づいて作業を行わねばならない。
【0092】
特に、イントラ予測部550、動き補償部560は、ツリー構造による符号化単位それぞれごとに、パーティション及び予測モードを決定し、逆変換部540は、符号化単位ごとに、変換単位のサイズを決定しなければならない。
【0093】
図6は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位及びパーティションを図示している。
【0094】
一実施形態によるビデオ符号化装置100及び一実施形態によるビデオ復号化装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を使用する。符号化単位の最大高さ及び幅、最大深度は、映像の特性によって適応的に決定され、ユーザの要求によって、多様に設定されもする。あらかじめ設定された符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位のサイズが決定される。
【0095】
一実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高さ及び幅が64であり、最大深度が4である場合を図示している。一実施形態による符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測符号化の基盤になる予測単位及びパーティションが図示されている。
【0096】
すなわち、第1符号化単位610は、符号化単位の階層構造600のうち、最大符号化単位であって深度が0であり、符号化単位のサイズ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の第2符号化単位620、サイズ16x16である深度2の第3符号化単位630、サイズ8x8である深度3の第4符号化単位640、サイズ4x4である深度4の第5符号化単位650が存在する。サイズ4x4である深度4の第6符号化単位650は、最小符号化単位である。
【0097】
それぞれの深度別に横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の第1符号化単位610が予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の第1符号化単位610に含まれるサイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割される。
【0098】
同様に、深度1のサイズ32x32の第2符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の第2符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割される。
【0099】
同様に、深度2のサイズ16x16の第3符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の第3符号化単位630に含まれるサイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割される。
【0100】
同様に、深度3のサイズ8x8の第4符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の第4符号化単位640に含まれるサイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割される。
【0101】
最後に、深度4のサイズ4x4の第5符号化単位650は、最小符号化単位であり、最下位深度の符号化単位であり、当該予測単位も、サイズ4x4のパーティション650にのみ設定される。
【0102】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120は、第1符号化単位610の符号化深度を決定するために、第1符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに、符号化を行わなければならない。
【0103】
同じ範囲及びサイズのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も増加する。例えば、深度1の符号化単位1個を含むデータについて、深度2の符号化単位は、4個が必要である。従って、同じデータの符号化結果を深度別に比較するために、1個の深度1の符号化単位及び4個の深度2の符号化単位を利用し、それぞれ符号化されねばならない。
【0104】
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で、最も小さい符号化誤差である代表符号化誤差が選択される。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って、深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610において、最小符号化誤差が発生する深度及びパーティションが、最大符号化単位610の符号化深度及びパーティションタイプとして選択される。
【0105】
図7は、本発明の一実施形態による、符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
【0106】
一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサイズの符号化単位で、映像を符号化したり復号化する。符号化過程において、変換のための変換単位のサイズは、それぞれの符号化単位より大きくないデータ単位を基にして選択される。
【0107】
例えば、一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200で、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して変換が行われる。
【0108】
また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位でそれぞれ変換を行って符号化した後、原本との誤差が最も小さい変換単位が選択される。
【0109】
図8は、本発明の一実施形態による深度別符号化情報を図示している。一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、符号化モードについての情報であり、それぞれの符号化深度の符号化単位ごとに、パーティションタイプについての情報800予測モードについての情報810、変換単位サイズについての情報820を符号化して伝送することができる。
【0110】
パーティションタイプについての情報800は、現在符号化単位の予測符号化のためのデータ単位として、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態についての情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうち、いずれか1つのタイプに分割されて利用される。その場合、現在符号化単位のパーティションタイプについての情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうち一つを示すように設定される。
【0111】
予測モードについての情報810は、それぞれのパーティションの予測モードを示す。例えば、予測モードについての情報810を介して、パーティションタイプについての情報800が指すパーティションが、イントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち一つで、予測符号化が行われるか否かが設定される。
【0112】
また、変換単位サイズについての情報820は、現在符号化単位をいかなる変換単位を基にして変換を行うかを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2イントラ変換単位サイズ828のうち一つであってもよい。
【0113】
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティションタイプについての情報800、予測モードについての情報810、変換単位サイズについての情報820を抽出し、復号化に利用することができる。
【0114】
図9は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示している。深度の変化を示すために、分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。
【0115】
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティションタイプ912、2N_0xN_0サイズのパーティションタイプ914、N_0x2N_0サイズのパーティションタイプ916、N_0xN_0サイズのパーティションタイプ918を含んでもよい。
図9では、予測単位が対称的比率で分割されたパーティション912,914,916,918だけ例示されているが、前述の通り、パーティションタイプは、これに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
【0116】
パーティションタイプごとに、1個の2N_0x2N_0サイズのパーティション、2個の2N_0xN_0サイズのパーティション、2個のN_0x2N_0サイズのパーティション、4個のN_0xN_0サイズのパーティションごとに、反復して予測符号化が行われねばならない。サイズ2N_0x2N_0、サイズN_0x2N_0及びサイズ2N_0xN_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターモードで予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションについてのみ予測符号化が行われる。
【0117】
パーティションタイプ912,914,916,918による予測符号化を含む符号化誤差が比較され、パーティションタイプ912,914,916,918のうち、最小符号化誤差が決定される。サイズ2N_0x2N_0,2N_0xN_0及びN_0x2N_0のパーティションタイプ912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最も小さいならば、それ以上下位深度に分割する必要はない。
【0118】
サイズN_0xN_0のパーティションタイプ918による符号化誤差が最も小さいならば、深度0を1に変更して分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティションタイプの符号化単位930に対して反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0119】
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティションタイプ942、サイズ2N_1xN_1のパーティションタイプ944、サイズN_1x2N_1のパーティションタイプ946、サイズN_1xN_1のパーティションタイプ948を含んでもよい。
【0120】
また、N_1xN_1サイズのパーティションタイプ948による符号化誤差が最も小さいならば、深度1を深度2に変更して分割して(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960に対して反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0121】
最大深度がdである場合、深度別分割情報は、深度d−1になるまで設定され、分割情報は、深度d−2まで設定される。すなわち、深度d−2から分割され(970)、深度d−1まで符号化が行われる場合、深度d−1及びサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションタイプ992、サイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティションタイプ994、サイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションタイプ996、サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションタイプ998を含んでもよい。
【0122】
パーティションタイプにおいて、1個のサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、2個のサイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション、2個のサイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、4個のサイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションごとに、反復して予測符号化を介した符号化が行われ、最小符号化誤差が発生するパーティションタイプが検索される。
【0123】
サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションタイプ998による符号化誤差が最も小さくても、最大深度がdであるから、深度d−1の符号化単位CU_(d−1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる符号化深度が深度d−1に決定され、パーティションタイプは、N_(d−1)xN_(d−1)に決定される。また、最大深度がdであるから、深度d−1の符号化単位952について、分割情報は設定されない。
【0124】
データ単位999は、現在最大符号化単位に係わる「最小単位」であると言える。一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割されたサイズの正方形のデータ単位であってもよい。このような反復的符号化過程を介して、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較し、最も小さい符号化誤差が発生する深度を選択し、符号化深度を決定し、当該パーティションタイプ及び予測モードが符号化深度の符号化モードに設定される。
【0125】
このように、深度0、1、…、d−1、dのあらゆる深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最も小さい深度が選択され、符号化深度に決定してもよい。符号化深度、予測単位のパーティションタイプ及び予測モードは、符号化モードについての情報に符号化されて伝送される。また、深度0から符号化深度に至るまで、符号化単位が分割されねばならないので、符号化深度の分割情報のみが「0」に設定され、符号化深度を除外した深度別分割情報は、「1」に設定されねばならない。
【0126】
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる符号化深度及び予測単位についての情報を抽出し、符号化単位912を復号化するのに利用される。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、深度別分割情報を利用し、分割情報が「0」である深度を符号化深度で把握し、当該深度に係わる符号化モードについての情報を利用して復号化に利用することができる。
【0127】
図10、
図11及び
図12は、本発明の一実施形態による、符号化単位1010、予測単位1060及び変換単位1070の関係を図示している。
【0128】
符号化単位1010は、最大符号化単位について、一実施形態によるビデオ符号化装置100が決定した符号化深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010において、それぞれの符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの符号化深度別符号化単位の変換単位である。
【0129】
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位の深度が0であるとすれば、符号化単位1012,1054は、深度が1、符号化単位1014,1016,1018,1028,1050,1052は、深度が2、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1048は、深度が3、符号化単位1040,1042,1044,1046は、深度が4である。
【0130】
予測単位1060において、一部パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティションタイプであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティションタイプ、パーティション1032は、NxNのパーティションタイプである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じである。
【0131】
変換単位1070において、一部変換単位1052の映像データについては、符号化単位に比べて、小さいサイズのデータ単位で、変換または逆変換が行われる。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060において、当該予測単位及びパーティションと比較してみれば、互いに異なるサイズまたは形態のデータ単位である。すなわち、一実施形態によるビデオ符号化装置100及び一実施形態に他のビデオ復号化装置200は、同じ符号化単位に係わるイントラ予測/動き推定/動き補償作業、及び変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基にして行う。
【0132】
これにより、最大符号化単位ごとに、領域別に階層的な構造の符号化単位ごとに再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることによって、再帰的ツリー構造による符号化単位が構成される。符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティションタイプ情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。以下の表1は、一実施形態によるビデオ符号化装置100及び一実施形態によるビデオ復号化装置200で設定される一例を示している。
【0133】
【表1】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、一実施形態によるビデオ復号化装置200の符号化情報抽出部220は、受信されたビットストリームから、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
【0134】
分割情報は、現在符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が、下位符号化単位にそれ以上分割されない深度が符号化深度であるから、符号化深度に対して、パーティションタイプ情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割されねばならない場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに、独立して符号化が行われねばならない。
【0135】
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、あらゆるパーティションタイプで定義され、スキップモードは、パーティションタイプ2Nx2Nでのみ定義される。
【0136】
パーティションタイプ情報は、予測単位の高さまたは幅が、対称的比率で分割された対称的パーティションタイプ2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的比率で分割された非対称的パーティションタイプ2NxnU,2NxnD,nLx2N,nRx2Nとを示すことができる。非対称的パーティションタイプ2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:3及び3:1に分割された形態であり、非対称的パーティションタイプnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:3及び3:1に分割された形態を示す。
【0137】
変換単位サイズは、イントラモードで2種のサイズ、インターモードで2種のサイズに設定される。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位のサイズが、現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割されたサイズの変換単位が設定される。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティションタイプが対称形パーティションタイプであるならば、変換単位のサイズは、NxN、非対称型パーティションタイプであるならば、N/2xN/2に設定される。
【0138】
一実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、符号化深度の符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して割り当てられる。符号化深度の符号化単位は、同じ符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を一つ以上含んでもよい。
【0139】
従って、隣接したデータ単位同士それぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同じ符号化深度の符号化単位に含まれるか否かが確認される。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該符号化深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の符号化深度の分布が類推される。
【0140】
従って、この場合、現在符号化単位が周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用される。しかし、これに限定されるものではなく、他の実施形態も可能である。例えば、他の実施形態によれば、現在符号化単位が周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用し、深度別符号化単位内で、現在符号化単位に隣接するデータが検索されることによって、周辺符号化単位が参照されもする。
【0141】
図13は、表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。最大符号化単位1300は、符号化深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。このうち1つの符号化単位1318は、符号化深度の符号化単位であるから、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティションタイプ情報は、パーティションタイプ2Nx2N1322,2NxN1324,Nx2N1326,NxN1328,2NxnU1332,2NxnD1334,nLx2N1336及びnRx2N1338のうち一つに設定される。
【0142】
パーティションタイプ情報が対称形パーティションタイプ2Nx2N1322,2NxN1324,Nx2N1326及びNxN1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報(TU size flag)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、TU size flagが1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
【0143】
パーティションタイプ情報が非対称型パーティションタイプ2NxnU1332,2NxnD1334,nLx2N1336及びnRx2N1338のうち一つに設定された場合、TU
size flagが0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、TU size flagが1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
【0144】
図13を参照して説明した変換単位分割情報(TU size flagz)は、0または1の値を有するフラグであるが、一実施形態による変換単位分割情報が、1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって、0、1、2、3、…などに増加させて変換単位が階層的に分割されもする。
【0145】
図13を参照して説明した変換単位分割情報(TU size flag)は、0または1の値を有するフラグであるが、一実施形態による変換単位分割情報が、1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって、0、1、2、3、…などに増加して変換単位が階層的に分割されもする。
【0146】
この場合、一実施形態による変換単位分割情報を、変換単位の最大サイズ、変換単位の最小サイズのように利用すれば、実際に利用された変換単位のサイズが表現される。一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報が符号化可能である。符号化された最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報は、SPSに挿入される。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を利用し、ビデオ復号化に利用することができる。
【0147】
例えば、現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位サイズが32x32であるならば、変換単位分割情報が0であるとき、変換単位のサイズが32x32、変換単位分割情報が1であるとき、変換単位のサイズが16x16、変換単位分割情報が2であるとき、変換単位のサイズが8x8に設定される。
【0148】
他の例で、現在符号化単位がサイズ32x32であり、最小変換単位サイズが32x32であるならば、変換単位分割情報が0であるとき、変換単位のサイズが32x32に設定され、変換単位のサイズが32x32より小さくはないので、それ以上の変換単位分割情報が設定されない。
【0149】
さらに他の例で、現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位分割情報が1であるならば、変換単位分割情報は、0または1であって、他の変換単位分割情報が設定されない。
【0150】
従って、最大変換単位分割情報を「MaxTransformSizeIndex」、最小変換単位サイズを「MinTransformSize」、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズを「RootTuSize」と定義するとき、現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」は、下記数式(1)のように定義される。
【0151】
CurrMinTuSize
=max(MinTransformSize,RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)) (1)
現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」と比較し、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、システム上採択可能な最大変換単位サイズを示すことができる。すなわち、数式(1)によれば、「RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)」は、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」を、最大変換単位分割情報に相応する回数ほど分割した変換単位サイズであり、「MinTransformSize」は、最小変換単位サイズであるから、それらのうち小さい値が、現在現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」である。
【0152】
一実施形態による最大変換単位サイズRootTuSizeは、予測モードによって変わることもある。
【0153】
例えば、現在予測モードがインターモードであるならば、RootTuSizeは、下記数式(2)によって決定される。数式(2)で、「MaxTransformSize」は、最大変換単位サイズ、「PUSize」は、現在予測単位サイズを示す。
【0154】
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PUSize) (2)
すなわち、現在予測モードがインターモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在予測単位サイズのうち小さい値に設定される。
【0155】
現在パーティション単位の予測モードがイントラモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(3)によって決定される。「PartitionSize」は、現在パーティション単位のサイズを示す。
【0156】
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PartitionSize) (3)
すなわち、現在予測モードがイントラモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在パーティション単位サイズのうち小さい値に設定される。
【0157】
ただし、パーティション単位の予測モードによって変動する一実施形態による現在最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、一実施形態であるのみ、現在最大変換単位サイズを決定する要因がこれに限定されるものではないということに留意しなければならない。
【0158】
図14は、本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法のフローチャートを図示している。段階1210で、現在ピクチャは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。また、可能な総分割回数を示す最大深度があらかじめ設定されもする。
【0159】
段階1220で、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域で符号化され、少なくとも1つの分割領域別に、最終符号化結果が出力される深度が決定され、ツリー構造による符号化単位が決定される。
【0160】
最大符号化単位は、深度が深くなるたびに空間的に分割され、下位深度の符号化単位に分割される。それぞれの符号化単位は、隣接する他の符号化単位と独立し、空間的に分割されつつ、さらに下位深度の符号化単位に分割される。深度別に符号化単位ごとに反復して符号化が行われねばならない。
【0161】
また、深度別符号化単位ごとに、符号化誤差が最も小さいパーティションタイプ別変換単位が決定されねばならない。符号化単位の最小符号化誤差を発生させる符号化深度が決定されるために、あらゆる深度別符号化単位ごとに、符号化誤差が測定されて比較される。
【0162】
段階1230で、最大符号化単位ごとに、少なくとも1つの分割領域別最終符号化結果の映像データと、符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報とが出力される。符号化モードについての情報は、符号化深度についての情報または分割情報、予測単位のパーティションタイプ情報、予測モード情報及び変換単位サイズ情報などを含んでもよい。符号化された符号化モードについての情報は、符号化された映像データと共に復号化端に伝送される。
【0163】
図15は、本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法のフローチャートを図示している。段階1310で、符号化されたビデオに係わるビットストリームが受信されてパージングされる。
【0164】
段階1320で、パージングされたビットストリームから最大サイズの最大符号化単位に割り当てられる現在ピクチャの映像データ、並びに最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報が抽出される。最大符号化単位別符号化深度は、現在ピクチャの符号化過程で最大符号化単位別に、符号化誤差が最も小さい深度に選択された深度である。最大符号化単位別符号化は、最大符号化単位を深度別に階層的に分割した少なくとも1つのデータ単位に基づいて、映像データが符号化されたものである。
【0165】
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報によれば、最大符号化単位がツリー構造による符号化単位に分割される。ツリー構造による符号化単位による符号化単位は、それぞれ符号化深度の符号化単位である。従って、符号化単位別符号化深度を把握した後、それぞれの映像データを復号化することによって、映像の符号化/復号化の効率性が向上しうる。
【0166】
段階1330で、最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データが復号化される。復号化された映像データは、再生装置によって再生されるか、あるいは記録媒体に保存されるか、あるいはネットワークを介して伝送される。
【0167】
以下、
図16ないし
図21を参照し、一実施形態による、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測によるビデオ符号化及びビデオ復号化について説明する。
【0168】
図16は、一実施形態によって、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測によるビデオ符号化装置のブロック図を図示している。一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、最大符号化単位分割部1410、符号化部1420及び出力部1430を含む。
【0169】
最大符号化単位分割部1410は、ビデオデータを、最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する。最大符号化単位に分割されたビデオデータは、符号化部1420に出力される。最大符号化単位は、フレームシーケンス、フレーム、スライス、符号化単位などのデータ単位別にあらかじめ設定される。
【0170】
一実施形態による最大符号化単位は、16x16,32x32,64x64,128x128及び256x256ブロックのうち少なくとも一つに選択的に設定される。
【0171】
符号化部1420は、最大符号化単位分割部1410によって分割された最大符号化単位別ビデオデータを符号化する。符号化部1420は、最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域別に、階層的構造の深度別符号化単位に基づいて符号化する。深度別符号化単位の符号化過程においてインター予測は、深度別符号化単位が含むパーティションを利用し、類似領域を検索してパーティションの動き情報を推定することによって行われる。
【0172】
一実施形態によるインター予測は、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用することができる。前述の
図3ないし
図13で図示された予測単位及びパーティションタイプの例は、2Nx2Nサイズの符号化単位が分割された2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションを含む。かような方法で、符号化単位の幅及び高さのうち少なくとも一つが、1:1の比率で分割されたパーティションだけではなく、一実施形態による符号化部1420は、任意の比率または非対称的比率で分割されたパーティションを含むパーティションタイプによってインター予測を行う。
【0173】
例えば、一実施形態による符号化単位の任意の比率で分割されたパーティションは、符号化単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが、1:3または3:1に分割されたパーティションであってもよい。また、パーティションに分割される任意の比率は、1:2、2:1、1:3、3:1、2:3、3:2、1:4、4:1などの多様な比率であってもよい。
【0174】
一実施形態によるパーティションタイプは、符号化単位が任意の比率で分割されるパーティションだけではなく、符号化単位が非対称的に分割されるパーティションを含んでもよい。また、一実施形態による符号化単位のインター予測のためのパーティションタイプは、任意の比率によって一定の方向に分割されるパーティションに限定して含むものではなく、任意的形態のパーティションを含むことも可能である。
【0175】
一実施形態による符号化部1420は、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用し、インター予測を行うか否かを選択的に決定することができる。符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用し、インター予測を行うか否かを示す情報は、別途に符号化されてビットストリームに含まれる。
【0176】
一実施形態による符号化部1420は、最大符号化単位のビデオデータを分割領域別に、階層的構造による深度別符号化単位に基づいて符号化し、深度別符号化結果を比較し、符号化効率が最も高い深度を選択する。選択された深度は、当該最大符号化単位の分割領域に係わる符号化深度として、符号化深度についての情報は、当該符号化単位の符号化結果として符号化される。最大符号化単位内の少なくとも1つの分割領域ごとに、符号化深度が独立して決定されるので、1つの最大符号化単位について、少なくとも1つの符号化深度が決定される。
【0177】
一実施形態による出力部1430は、最大符号化単位別に、分割領域別符号化深度に対応する符号化されたビデオデータ、符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームを出力する。一実施形態による出力部1430は、インター予測のためのパーティションタイプが、符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報をビットストリームに含める。インター予測のためのパーティションタイプが、符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報は、フレームシーケンス、スライス、符号化単位データ単位別に設定され、ビットストリームのシーケンスパラメータ・セット、スライスヘッダ、符号化単位別符号化情報などに挿入される。
【0178】
一実施形態による符号化単位は、既存マクロブロックに比べ、はるかに大きいデータ量を収録するので、1つの符号化単位内には、それぞれ異なる映像特性を有した領域が含まれる。符号化単位の予測符号化のためには、符号化単位が同じ映像特性の領域同士分割され、予測符号化のためのパーティションが生成されることが有利である。
【0179】
符号化単位の中心を基準に、互いに異なる映像特性の領域に区分されもするが、符号化単位のサイズが大きいほど、相互区別される領域間の境界が、上下左右いずれかに偏る可能性が高い。符号化単位の幅及び高さを、1対1に分割するパーティションだけが利用される場合、互いに区別される領域間の境界が、片方に偏った符号化単位を正確に予測符号化するためには、1つの独立的な領域だけを含む小さいパーティションを生成するために、現在符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されなければならない。
【0180】
しかし、一実施形態によるビデオ符号化装置1400のように、任意の比率で分割されるパーティションを利用したインター予測が可能である場合、現在深度別符号化単位を、下位深度にさらに分割する必要なしに、現在深度で、いずれか一方に偏って分割されるパーティションを利用し、インター予測を行うことで十分である。従って、符号化単位のパーティションが、符号化単位の高さまたは幅を、1対1に半分するパーティションだけではなく、任意の比率で分割するパーティションまたは任意的形態のパーティションを含む場合、大型符号化単位に係わる、さらに効率的であって正確な予測符号化が可能である。
【0181】
また、符号化単位が任意の比率で分割されるパーティションまたは任意的形態のパーティションによる予測符号化は、ビデオ符号化器/復号化器のハードウェア性能、ビデオ符号化/復号化サービスを提供されるユーザの要求、ビデオが符号化されたビットストリームの伝送環境によって、選択的に行われる。
【0182】
図17は、一実施形態による、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測によるビデオ復号化装置のブロック図を図示している。一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、パージング部1510、抽出部1520及び復号化部1530を含む。パージング部1510は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信し、ビットストリームのシンボルをパージングする。抽出部1520は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、符号化されたビデオデータ、並びに最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報を抽出する。
【0183】
一実施形態による抽出部1520は、ビットストリームから、インター予測のためのパーティションタイプが符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報をさらに抽出することができる。インター予測のためのパーティションタイプが、符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かということは、ビットストリームのシーケンスパラメータ・セット、スライスヘッダ、符号化単位別符号化情報などから抽出される。
【0184】
復号化部1530は、抽出部1520から抽出されたビデオデータ及び符号化情報を受信され、符号化情報に基づいて、ビデオデータを復号化する。具体的には、一実施形態による復号化部1520は、最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報に基づいて、最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとにビデオデータを復号化する。
【0185】
特に、一実施形態による復号化部1520は、抽出部1520から抽出されたインター予測のためのパーティションタイプが、符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報によって、選択的に、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を行う。
【0186】
すなわち、一実施形態による復号化部1520は、符号化単位が1:1に分割されたパーティションだけではなく、1:2、2:1、1:3、3:1、2:3、3:2、1:4、4:1などの任意の比率で非対称的に分割されたパーティションを含むパーティションタイプによって予測された動きベクトルを利用し、動き補償を行う。また、符号化単位が一定の方向に分割されたパーティションだけではなく、任意的形態のパーティションを利用し、動き補償が行われることも可能である。
【0187】
一実施形態による復号化部1520は、符号化単位が、任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行って符号化されたか否かを把握し、選択的に、幅及び高さが任意の比率であるパーティションによって動き補償を行うことができるので、多様な映像特性の領域に区分される符号化単位を正確に復元する。
【0188】
一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、最大符号化単位別に、復号化されたビデオデータを復元して再生することができる。
【0189】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400及び一実施形態によるビデオ復号化装置1500のように、任意の比率で分割されるパーティションを利用した予測符号化/復号化が可能である場合、現在深度別符号化単位を下位深度にさらに分割する必要なしに、現在深度で、いずれか一方に偏って分割されるパーティションを利用してインター予測を行う。このように、任意の比率で分割されるパーティションを利用し、大型符号化単位について、さらに正確であって効率的に予測符号化または予測復号化と行うことができる。
【0190】
図18は、一実施形態によって、符号化単位が任意の比率で分割された例示的パーティションを図示している。一実施形態によって、符号化単位の予測符号化のためのパーティションタイプは、符号化単位の高さ及び幅を、任意の比率で分割したパーティションを含んでもよい。例えば、64x64サイズの符号化単位1600のパーティションは、符号化単位の高さ及び幅のうち、少なくとも一つを1:1に分割した64x32,32x64,32x32パーティションだけではなく、1:3または3:1に分割したパーティションを含んでもよい。
【0191】
すなわち、64x64サイズの符号化単位1600のパーティションタイプは、符号化単位1610または1620のように、高さを1:3または3:1に分割して生成された64x16,64x48サイズのパーティションを含んでもよい。また、64x64サイズの符号化単位1600のパーティションタイプは、復号化単位1630または1640のように、幅を1:3または3:1に分割して生成された16x64,48x64サイズのパーティションを含んでもよい。
【0192】
図19は、一実施形態によって、符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報が含まれたシーケンスパラメータ・セットのシンタックスを図示している。sequence_parameter_setは、現在映像スライスに係わるシーケンスパラメータ・セット1700のシンタックスを示している。一実施形態によるインター予測のためのパーティションタイプが、符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報が、映像スライスに係わるシーケンスパラメータ・セット1700のシンタックスに挿入されている一例について説明している。
【0193】
picture_widthは、入力映像の幅、picture_heightは、入力映像の高さを示すシンタックスであり、max_coding_unit_sizeは、最大符号化単位のサイズ、max_coding_unit_depthは、最大深度を示すシンタックスである。
【0194】
一実施形態では、シーケンスパラメータの例として、符号化単位レベルの独立的復号化いかんを示す情報(use_independent_cu_decode_flag)、符号化単位レベルの独立的パージングいかんを示す情報(use_independent_cu_parse_flag)、動きベクトル正確性制御動作の利用可能性(use_mv_accuracy_control_flag)、任意的方向性イントラ予測動作の利用可能性(use_arbitrary_direction_intra_flag)、周波数変換上の予測符号化/復号化動作の利用可能性(use_frequency_domain_prediction_flag)、回転変換動作の利用可能性(use_rotational_transform_flag)、ツリーシグニフィカント・マップを利用した符号化/復号化の利用可能性(use_tree_significant_map_flag)、マルチパラメータを利用したイントラ予測符号化動作の利用可能性(use_multi_parameter_intra_prediction_flag)、改善された動きベクトル予測符号化動作の利用可能性(use_advanced_motion_vector_prediction_flag)、適応的ループフィルタリング動作の利用可能性(use_adaptive_loop_filter_flag)、クワッドツリー構造の適応的ループフィルタリング動作の利用可能性(use_quadtree_adaptive_loop_filter_flag)、量子化パラメータのデルタ値を利用した量子化動作の利用可能性(use_delta_qp_flag)、ランダムノイズ生成動作の利用可能性(use_random_noise_generation_flag)、符号化単位のインター予測のための任意的形態のパーティションを許容するか否か(use_arbitrary_motion_partition_flag)を示す情報が定義される。前述の各種動作の利用可能性を示すシンタックスは、現在スライスの符号化/復号化過程で、当該動作が利用されるか否かを定義し、効率的な符号化/復号化を可能にする。
【0195】
特に、適応的ループフィルタリング動作の利用可能性(use_adaptive_loop_filter_flag)及びクワッドツリー構造の適応的ループフィルタリング動作の利用可能性(use_quadtree_adaptive_loop_filter_flag)によって、適応的ループフィルタのフィルタ長(alf_filter_length)、適応的ループフィルタタイプ(alf_filter_type)、適応的ループフィルタ係数の量子化のための基準値(alf_qbits)、適応的ループフィルタリングでのカラー成分の個数(alf_num_color)がシーケンスパラメータ・セット1700で定義される。
【0196】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400及び一実施形態によるビデオ復号化装置1500で利用される符号化単位の深度、コーディングツール及び作動モードの対応関係についての情報は、符号化単位の深度(uiDepth)によって、対応するインター予測の作動モード(mvp_mode[uiDepth])及びツリーシグニフィカント・マップのうち、シグニフィカント・マップの種類を示す作動モード(significant_map_mode[uiDepth])を含んでもよい。すなわち、一実施形態による符号化単位の深度による、インター予測及び当該作動モードの対応関係、またはツリーシグニフィカント・マップを利用した符号化/復号化及び当該作動モードの対応関係が、シーケンスパラメータ・セット1700で設定される。
【0197】
入力サンプルのビット深度(input_sample_bit_depth)及び内部サンプルのビット深度(internal_sample_bit_depth)もまた、シーケンスパラメータ・セット1700で設定される。
【0198】
一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、シーケンスパラメータを読み取り、符号化単位のインター予測のための任意的形態のパーティションを許容するか否か(use_arbitrary_motion_partition_flag)を示す情報を抽出し、当該シーケンスで、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用し、インター予測を行うか否かを決定することができる。
【0199】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400及び一実施形態によるビデオ復号化装置1500が利用する、符号化単位のインター予測のための任意的形態のパーティションを許容する否か(use_arbitrary_motion_partition_flag)を示す情報は、
図19で図示されたシーケンスパラメータ・セット1700に挿入された実施形態に限定されるものではなく、最大符号化単位、スライス、フレーム、ピクチャ、GOPなどの単位で設定されて符号化/復号化されもする。
【0200】
スライスヘッダに符号化単位のインター予測のための任意的形態のパーティションを許容する否か(use_arbitrary_motion_partition_flag)を示す情報が、「真」値であるならば、当該スライスで、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用し、インター予測を行い、「偽」値を有するならば、当該スライスで、符号化単位の幅及び高さのうち、少なくとも一つが1:1に分割されたパーティションだけを利用し、インター予測を行う。
【0201】
図20は、一実施形態による、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測によるビデオ符号化方法のフローチャートを図示している。段階1810で、ビデオデータが最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。
【0202】
段階1820で、最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域別に、階層的構造の深度別符号化単位に基づいて、最大符号化単位のビデオデータが符号化され、符号化結果が出力される深度の符号化深度が決定される。一実施形態によってインター予測は、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを選択的に利用することができる。符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かということは、フレームシーケンス、フレーム、スライス、符号化単位などのデータ単位別に設定される。
【0203】
段階1830で、最大符号化単位別に、分割領域別符号化深度に対応する符号化されたビデオデータ、符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームが出力される。一実施形態によって、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かを示す情報が符号化され、ビットストリームに挿入されて出力される。
【0204】
図21は、一実施形態による、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測によるビデオ復号化方法のフローチャートを図示している。段階1910で、符号化されたビデオに係わるビットストリームが受信されてシンボルがパージングされる。
【0205】
段階1920で、ビットストリームから、最大符号化単位別に、符号化されたビデオデータ、並びに最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報が抽出される。一実施形態によって、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かを示す情報が、ビットストリームから抽出されもする。符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かを示す情報は、シーケンスパラメータ・セット、スライスヘッダ、符号化単位別符号化情報から抽出される。
【0206】
段階1930で、最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報に基づいて、最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を含む復号化が行われる。符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を含む復号化が行われるか否かということは、前述のビットストリームから抽出された符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かを示す情報によって、選択的に決定される。
【0207】
一実施形態によるビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法のように、任意の比率で分割されるパーティションを利用したインター予測が可能である場合、現在深度別符号化単位を下位深度にさらに分割必要なしに、現在深度で、いずれか一方に偏って分割されるパーティションを利用してインター予測を行う。
【0208】
また、符号化単位のパーティションが、符号化単位の高さまたは幅を、1対1に半分するパーティションだけではなく、任意の比率で分割するパーティションまたは任意的形態のパーティションを含むか否かということを選択することができるので、既存の任意の比率で分割されたパーティションを支援することができない符号化/復号化システムでも、一実施形態によるビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法を利用することができる。従って、必要によって、一実施形態のビデオ符号化/復号化方法による、正確であって効率的な予測符号化が選択的に行われる。
【0209】
一方、前述の本発明の実施形態は、コンピュータで実行することができるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)及び光学的判読媒体(例えば、CD(compact disc)−ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。本発明の実施形態は、コンピュータプロセッサ及びハードウェアデバイスで具現されもする。
【0210】
以上、本発明についてその望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現可能であるということを理解するであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それ彼と同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたものであると解釈されねばならないのである。
上記の実施形態につき以下の付記を残しておく。
(付記1)
ビデオデータを最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、
前記符号化単位が、任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測を含み、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域別に、深度が深くなることによって、上位深度の符号化単位が分割される階層的構造の深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位のビデオデータを符号化し、符号化結果が出力される深度である符号化深度を決定する段階と、
前記最大符号化単位別に、前記分割領域別符号化深度に対応する符号化されたビデオデータ、前記符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含むことを特徴とするビデオ符号化方法。
(付記2)
前記符号化深度決定段階は、
前記符号化単位が、任意の比率で分割されたパーティションを利用してインター予測を行うか否かを選択的に決定する段階を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記3)
前記出力段階は、
前記インター予測のためのパーティションタイプが、前記符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報を、前記ビットストリームに含むことを特徴とする付記2に記載のビデオ符号化方法。
(付記4)
前記任意の比率で分割されたパーティションは、前記符号化単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが、1:3または3:1に分割されたことを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記5)
前記最大符号化単位は、16x16,32x32,64x64,128x128及び256x256ブロックのうち少なくとも一つに選択的に設定されることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記6)
前記符号化深度は、当該分割領域の前記階層的構造による深度別符号化単位に基づいた符号化結果のうち、符号化効率が最も高い深度別符号化単位の深度に決定され、前記最大符号化単位内の少なくとも1つの分割領域ごとに符号化深度が独立して決定されることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記7)
符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする段階と、
前記ビットストリームから、最大符号化単位別に、符号化されたビデオデータ、並びに前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報を抽出する段階と、
前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報に基づいて、前記最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を含む復号化を行う段階と、を含み、
前記符号化深度別符号化単位は、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域ごとに、階層的構造の深度別符号化単位の深度のうち一つに決定されていることを特徴とするビデオ復号化方法。
(付記8)
前記抽出段階は、
前記ビットストリームからインター予測のためのパーティションタイプが、前記符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報をさらに抽出することを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記9)
前記復号化遂行段階は、
前記ビットストリームから、前記インター予測のためのパーティションタイプが、前記符号化単位を任意の比率で分割するパーティションを含むか否かを示す情報に基づいて、前記任意の比率で分割されたパーティションを利用して動き補償を行うか否かを選択的に決定することを特徴とする付記8に記載のビデオ復号化方法。
(付記10)
前記任意の比率で分割されたパーティションは、前記符号化単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが、1:3または3:1に分割されたことを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記11)
前記最大符号化単位は、16x16,32x32,64x64,128x128及び256x256ブロックのうち少なくとも一つに選択的に設定されたことを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記12)
前記符号化深度は、当該分割領域の前記階層的構造による深度別符号化単位に基づいた符号化結果のうち、符号化効率が最も高い符号化結果に係わる深度に決定されたことを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記13)
ビデオデータを最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部と、
前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用したインター予測を含み、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域別に、深度が深くなることによって、上位深度の符号化単位が分割される階層的構造の深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位のビデオデータを符号化し、符号化結果が出力される深度である符号化深度を決定する符号化部と、
前記最大符号化単位別に、前記分割領域別符号化深度に対応する符号化されたビデオデータ、前記符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームを出力する出力部と、を含むことを特徴とするビデオ符号化装置。
(付記14)
符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングするパージング部と、
前記ビットストリームから、最大符号化単位別に、符号化されたビデオデータ、並びに前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報を抽出する抽出部と、
前記最大符号化単位別の符号化深度及び符号化モードについての情報に基づいて、前記最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記符号化単位が任意の比率で分割されたパーティションを利用した動き補償を含む復号化を行う復号化部と、を含み、
前記符号化深度別符号化単位は、前記最大符号化単位の少なくとも1つの分割領域ごとに、階層的構造の深度別符号化単位の深度のうち一つに決定されていることを特徴とするビデオ復号化装置。
(付記15)
付記1または付記7に記載の方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能である記録媒体。