(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6149143
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】篩装置のスクリーン用の流れ阻害具、篩装置用のスクリーン及び篩装置
(51)【国際特許分類】
B07B 1/46 20060101AFI20170607BHJP
B07B 1/28 20060101ALI20170607BHJP
B07B 1/42 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
B07B1/46 Z
B07B1/28 Z
B07B1/42 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-180265(P2016-180265)
(22)【出願日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年10月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516279019
【氏名又は名称】能登リサイクル協同組合
(74)【代理人】
【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
(72)【発明者】
【氏名】水上 猛之
【審査官】
池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−068002(JP,A)
【文献】
特開2004−351385(JP,A)
【文献】
特開昭62−083075(JP,A)
【文献】
特開2008−136893(JP,A)
【文献】
実開昭50−000570(JP,U)
【文献】
特表2005−502465(JP,A)
【文献】
特開昭60−058279(JP,A)
【文献】
特開昭59−120279(JP,A)
【文献】
特開平10−226409(JP,A)
【文献】
特開2014−103936(JP,A)
【文献】
特開2006−000047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00− 1/62
B07B 13/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩分対象物を篩分けするための所定の大きさの孔が配設されており、前記篩分対象物が投入されて、スクリーンの表面に直接載置された状態となる位置を上流とし、篩分けられた残留物が排出される位置を下流とし、前記スクリーンの運動によって、前記上流から前記下流に向かって流れ、前記孔よりも小さい篩分対象物は、前記孔を通過して篩分けられ、前記スクリーンの表面上に残留する前記篩分対象物は前記残留物として排出される篩装置のスクリーンにおいて、
前記スクリーンの表面から立設されている剛体であって、
二つの平面がなす角部又は二つの曲面がなす尖った縁部を有しており、これらの角部及び尖った縁部の先端は、前記スクリーンの表面における前記篩分対象物の流れの方向とは反対方向に向くように配置されているものを含むことを特徴とする篩装置のスクリーン用の流れ阻害具。
【請求項2】
前記篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、前記スクリーンに取り付け及び取り外し自在となっていることを特徴とする請求項1に記載の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具。
【請求項3】
前記篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、前記角部又は前記尖った縁部に向かって前記篩分対象物の流れを案内するように設けられているものを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具。
【請求項4】
前記篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、前記スクリーンの幅方向に対向し上流から下流に向かって延びる前記スクリーンの外縁近傍から前記スクリーンの幅方向中央に向かって前記篩分対象物の流れを案内するように設けられているものを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具。
【請求項5】
篩分対象物を篩分けするための所定の大きさの孔が配設されており、前記篩分対象物が投入されて、スクリーンの表面に直接載置された状態となる位置を上流とし、篩分けられた残留物が排出される位置を下流とし、前記スクリーンの運動によって、前記上流から前記下流に向かって流れ、前記孔よりも小さい篩分対象物は、前記孔を通過して篩分けられ、前記スクリーンの表面上に残留する前記篩分対象物は前記残留物として排出される篩装置用のスクリーンであって、
請求項1から4のいずれかの篩装置のスクリーン用の流れ阻害具を有することを特徴とする篩装置用のスクリーン。
【請求項6】
篩分対象物を篩分けするための所定の大きさの孔が配設されており、前記篩分対象物が投入されて、スクリーンの表面に直接載置された状態となる位置を上流とし、篩分けられた残留物が排出される位置を下流とし、前記スクリーンの運動によって、前記上流から前記下流に向かって流れ、前記孔よりも小さい篩分対象物は、前記孔を通過して篩分けられ、前記スクリーンの表面上に残留する前記篩分対象物は前記残留物として排出される篩装置用のスクリーンを有している篩装置であって、
請求項5の篩装置用のスクリーンを備えること特徴とする篩装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、篩装置に関するものであり、特に篩分対象物がスクリーン上に滞在する時間を長くすることができる篩装置のスクリーン用の流れ阻害具、篩装置用のスクリーン及び篩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な大きさの固体を含む対象物を、大きさごとに連続して大量に分離するために篩装置が用いられる。
【0003】
このような篩装置として、特許文献1に示すものがある。特許文献1に記載の篩装置は、スクリーンである篩網へ篩分対象物である破砕産物を投入して篩分け処理をする。投入された破砕産物は、篩網の上流から下流に向かって流れる過程で、スクリーンを通過する固体とスクリーン上に留まる固体とに分離されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−52650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示すような篩装置では、篩運動条件、篩分対象物の形状及び大きさ、並びに、スクリーンの穴の形状及び配置等の様々な要因によって、篩分対象物が篩網上で上流から下流に向かって流れる過程で、篩分対象物を大きさごとに十分に分離できず篩分効率が向上しないという問題がある。
【0006】
そこで、上記点より本発明は、篩分効率を向上させた篩装置のスクリーン用の流れ阻害具、篩分効率を向上させた篩装置のスクリーン及び篩分効率を向上させた篩装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、
篩分対象物を篩分けするための所定の大きさの孔が配設されており、前記篩分対象物が投入されて、
スクリーンの表面に直接載置された状態となる位置を上流とし、篩分けられた残留物が排出される位置を下流とし、
前記スクリーンの運動によって、前記上流から前記下流に向かって流れ、前記孔よりも小さい篩分対象物は、前記孔を通過して篩分けられ、前記スクリーンの表面上に残留する前記篩分対象物は前記残留物として排出される篩装置のスクリーンにおいて、前記スクリーンの表面から立設されている剛体であって、
二つの平面がなす角部又は二つの曲面がなす尖った縁部を有しており、これらの角部及び尖った縁部の先端は、前記スクリーンの表面における前記篩分対象物の流れの方向とは反対方向に向くように配置されているものを含む。
【0008】
請求項1の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具によれば、篩分対象物がスクリーン上に滞在する時間を長くするようになっているので、篩分効率を向上させることができる。そのため、十分に分離できなかった篩分対象物をスクリーンの下流から上流に向かって戻すラインを別途設ける必要がない、若しくは、戻りラインで戻す回数を減らすことができる。したがって、篩分けに必要なエネルギーを抑制することができる。
【0009】
また、請求項1の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具によれば、スクリーンの表面を流れる篩分対象物の塊が流れ阻害具に衝突して分割されるので、篩分効率をより向上させることができる。
【0010】
さらに、請求項1の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具によれば、塊が上流から下流に向かって流れる過程で篩装置のスクリーン用の流れ阻害具の角部又は尖った縁部に衝突すると、塊が複数の固体に分かれる。分かれた固体はスクリーンで篩分け可能となるので、さらに篩分効率向上を実現することができる。
【0011】
請求項2の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、
請求項1の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具において、前記スクリーンに取り付け及び取り外し自在となっている。
【0012】
請求項2の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具によれば、
請求項1の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具と同様に作用する上に、既存の篩装置のスクリーンに取り付けることができる。また、篩分対象物がスクリーン上に滞在する時間をより長くすることができるように、スクリーンの任意の位置に取り付けることが可能となる。そのため、篩分対象物又は篩運動等に応じて、より篩分効率向上を実現することができる。
【0013】
請求項3の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、
請求項1又は2の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具において、前記角部又は前記尖った縁部に向かって前記篩分対象物の流れを案内するように設けられているものを含む。
【0014】
請求項3の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具によれば、
請求項1又は2の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具と同様に作用する上に、
請求項1又は2の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具の角部又は尖った縁部に向かって、
請求項3の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具が篩分対象物の流れを案内することとなる。これにより、篩分対象物に含まれ、スクリーンの孔より大きな塊を
請求項1又は2の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具の角部又は尖った縁部に衝突させる確率を向上させることができる。この衝突よって、塊が複数の固体に分かれる。分かれた固体はスクリーンで篩分け可能となるので、さらに篩分効率向上を実現することができる。
【0015】
請求項4の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具は、
請求項1から3のいずれかの流れ阻害具において、前記スクリーンの幅方向に対向し上流から下流に向かって延びる前記スクリーンの外縁近傍から前記スクリーンの幅方向中央に向かって前記篩分対象物の流れを案内するように設けられているものを含む。
【0016】
篩装置において、スクリーンを支持するために、スクリーンの外縁近傍には穴が形成できない場合がある。そのため、スクリーンの幅方向に対向し上流から下流に向かって延びるスクリーンの外縁近傍では篩分対象物を篩分けることができない領域となる。上流から下流に至るまで篩分対象物がこの領域を流れてしまうことで、篩分効率が低下してしまうことがある。
【0017】
請求項4の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具によれば、
請求項1から3のいずれかの篩装置のスクリーン用の流れ阻害具と同様に作用する上に、スクリーンの外縁近傍を流れる篩分け対象部をスクリーンの幅方向中央に向かって案内することで、篩分効率を向上させることができる。
【0018】
請求項5の篩装置用のスクリーンは、
篩分対象物を篩分けするための所定の大きさの孔が配設されており、前記篩分対象物が投入されて、
スクリーンの表面に直接載置された状態となる位置を上流とし、篩分けられた残留物が排出される位置を下流とし、
前記スクリーンの運動によって、前記上流から前記下流に向かって流れ
、前記孔よりも小さい篩分対象物は、前記孔を通過して篩分けられ、前記スクリーンの表面上に残留する前記篩分対象物は前記残留物として排出される篩装置用のスクリーンであって、
請求項1から4のいずれかの篩装置のスクリーン用の流れ阻害具を有する。
【0019】
請求項6の篩装置は、
篩分対象物を篩分けするための所定の大きさの孔が配設されており、前記篩分対象物が投入されて、
スクリーンの表面に直接載置された状態となる位置を上流とし、篩分けられた残留物が排出される位置を下流とし、
前記スクリーンの運動によって、前記上流から前記下流に向かって流れ
、前記孔よりも小さい篩分対象物は、前記孔を通過して篩分けられ、前記スクリーンの表面上に残留する前記篩分対象物は前記残留物として排出される篩装置
用のスクリーンを有している篩装置であって、
請求項5の篩装置用のスクリーンを備える。
【0020】
請求項5の篩装置用のスクリーン及び
請求項6の篩装置は、
請求項1から4のいずれかと同様の作用効果を有する。
【発明の効果】
【0021】
請求項1から4の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具、
請求項5の篩装置用のスクリーン及び
請求項6の篩装置は、優れた篩分効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の篩装置のスクリーン用の流れ阻害具を有する篩装置の側面方向からの概略斜視図である。
【
図2】
図1の篩装置の正面方向からの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態の篩装置1について、図面に基づいて説明する。
【0024】
篩装置1は、
図1に示すように、架台2と、架台2に対して揺動可能に取り付けられている篩支持体3と、篩支持体3に支持される篩本体4とを有する。
【0025】
本実施形態の篩装置1で篩分けされる対象物は、木材チップである。
【0026】
架台2には、篩支持体3を運動させる駆動部21が収容されている。この駆動部21が篩支持体3を運動させることによって、篩支持体3と篩本体4とが一体となって運動するようになっている。
【0027】
篩本体4は、上面視で略矩形の箱体である。篩本体4は、
図1の側面方向からの斜視図において、右側が上流となっており、左側が下流となっている。また、篩本体4は、
図2の正面方向からの斜視図において、奥側が上流となっており、手前側が下流となっている。篩本体4は、
図2の正面方向からの斜視図において、左右方向が幅方向となっている。
【0028】
篩本体4は、
図1及び
図2に示すように、上流壁41及び側壁42,42を有する。箱本体4の下流側には壁がなく開放されている。上流壁41及び側壁42,42に囲まれた空間にはスクリーン5が敷設されている。側壁42,42は、スクリーン5の幅方向に対向し上流から下流に向かって延びるスクリーン5の外縁近傍にある。本実施形態では、スクリーン5の面は上流側から下流側に向かって傾斜した状態となっている。
【0029】
スクリーン5の上流側に、篩分対象物が投入されるようになっている。篩本体4が運動することによって、投入された篩分対象物はスクリーン5上を下流に向かって流れていくようになっている。本実施形態では、スクリーン5が、平面内での旋回運動をするようになっている。
【0030】
図1に示すように、スクリーン5には所定の大きさの孔51が多数設けられている。スクリーン5上を流れる篩分対象物の中で、孔51よりも小さいものはスクリーン5を通過して篩分けされることとなる。篩分対象物が篩分けられ、スクリーン5上に残った残留物は、箱本体4の下流側の開放されている部分から排出されるようになっている。また孔51を通してスクリーン5を通過した通過物は残留物が排出される位置より、スクリーン5の下方かつ少し上流側の通過物排出口43から排出されるようになっている。
【0031】
スクリーン5には、篩装置のスクリーン用の流れ阻害具として、上面視逆V型板61及び流れ案内板62,63が立設している。
【0032】
上面視逆V型板61は、
図2に示すように、スクリーン5に立設する方向に立ち上がる壁部61aと、壁部61aの下端からスクリーン5の表面に沿って延びる基部61bとを有する。
【0033】
同様に、流れ案内板62,63は、
図2に示すように、それぞれスクリーン5に立設する方向に立ち上がる壁部62a,63aと、壁部62a,63aの下端からスクリーン5の表面に沿って延びる基部62b,63bとを有する。
【0034】
上面視逆V型板61及び流れ案内板62,63は、スクリーン5に取り付け及び取り外し自在となっている。
図1及び
図2では記載を省略しているが、例えば、ボルト及びナットによって、上面視逆V型板61の基部61b及び流れ案内板62,63の基部62b,63bがスクリーン5に当接した状態で固定可能となっている。
【0035】
図2に示すように、上面視逆V型板61の基部61b及び流れ案内板62,63の基部62b,63bは、スクリーン5の表面に沿って下流側に向かって延びるように、スクリーン5に取り付けられるようになっている。上面視逆V型板61の基部61b及び流れ案内板62,63の基部62b,63bと、スクリーン5との段差に上流から下流に向かって流れる篩分対象物が貯まってしまわないようにするためである。
【0036】
上面視逆V型板61は、壁部61a,61aの二つの平面がなす角部を有している。上面視逆V型板61は、この角部の先端が篩分対象物の流れの方向とは反対方向に向くように配置されている。言い換えると、上面視逆V型板61は、V型の折れている部分が上流側に向かって飛び出ているように配置されている。
【0037】
スクリーン5上を上流から下流に流れる篩分対象物が上面視逆V型板61の壁部61aに到達すると、篩分対象物は壁部61aに沿って側端に向かって案内される。この篩分対象物が案内される方向は、上流から下流に向かって流れる方向と異なっている。具体的には、篩分対象物が案内されている場合の上流から下流へ流れる方向の速度成分は、篩分対象物が案内されてない場合の上流から下流へ流れる方向の速度成分よりも小さくなっている。そのため、上面視逆V型板61は、スクリーン5の上流から下流の間で篩分対象物の流れを阻害し、篩分対象物がスクリーン5上に滞在する時間を長くすることができる。案内された篩分対象物は、壁部61aの側端を越えて、再び下流に向かって流れる。
【0038】
スクリーン5上を上流から下流に流れる篩分対象物の中に複数の固体から構成される塊があった場合、その塊が上面視逆V型板61の角部や壁部61aに衝突することによって、その塊を複数の固体に分かれさせることができる。
【0039】
図1及び
図2に示すように、流れ案内板62は、壁部62aの両側端がスクリーン5の幅方向に広がるようになっている。流れ案内板62は、壁部62aの一方の側端が他方の側端より下流側に位置するようになっている。
【0040】
スクリーン5上を上流から下流に流れる篩分対象物が流れ案内板62の壁部62aに到達すると、篩分対象物は壁部62aに沿って一方の側端に向かって案内される。この篩分対象物が案内される方向は、上流から下流に向かって流れる方向と異なっている。上記上面視逆V型板61と同様に、流れ案内板62は、スクリーン5の上流から下流の間で篩分対象物の流れを阻害し、篩分対象物がスクリーン5上に滞在する時間を長くすることができる。案内された篩分対象物は、壁部62aの一方の側端を越えて、再び下流に向かって流れる。
【0041】
スクリーン5上を上流から下流に流れる篩分対象物の中に複数の固体から構成される塊があった場合、その塊が上面視逆V型板61と同様に、流れ案内板62の壁部62aに衝突することによって、その塊を複数の固体に分かれさせることができる。
【0042】
壁部62aの一方の側端の下流の位置に、上面視逆V型板61の角部が配置されている。したがって、流れ案内板62は、上面視逆V型板61の角部に向かって篩分対象物の流れを案内するようになっている。
【0043】
図1及び
図2に示すように、流れ案内板63も、流れ案内板62と同様に、壁部63aの両側端がスクリーン5の幅方向に広がるようになっている。流れ案内板63は、壁部63aの一方の側端が他方の側端より下流側に位置するようになっている。
【0044】
図2に示すように、壁部63aにおいて上流側にある他方の側端は、スクリーン5の幅方向に対向し上流から下流に向かって延びるスクリーン5の外縁近傍にある篩本体4の側壁42,42と当接している。
【0045】
壁部63aにおいて下流側にある一方の側端は、スクリーン5の幅方向中央付近に位置している。
【0046】
スクリーン5の外縁近傍を上流から下流に流れる篩分対象物が流れ案内板63の壁部63aに到達すると、篩分対象物は壁部63aに沿って一方の側端に向かって案内される。この篩分対象物が案内される方向は、上流から下流に向かって流れる方向と異なっている。上記上面視逆V型板61と同様に、流れ案内板63は、スクリーン5の上流から下流の間で篩分対象物の流れを阻害し、篩分対象物がスクリーン5上に滞在する時間を長くすることができる。案内された篩分対象物は、壁部63aの一方の側端を越えて、再び下流に向かって流れる。
【0047】
スクリーン5上を上流から下流に流れる篩分対象物の中に複数の固体から構成される塊があった場合、その塊が上面視逆V型板61と同様に、流れ案内板63の壁部63aに衝突することによって、その塊を複数の固体に分かれさせることができる。
【0048】
上記実施形態では、篩装置1で篩分けされる対象物が木材チップである場合について説明したが、これに限定されることはない。篩分けされる対象物は、破砕された岩石、砂、土若しくは石炭等の鉱物、破砕されたセメント原料若しくはスラグ、破砕されたコンクリート若しくはアスファルト、破砕されたセラミックス、破砕されたガラス、破砕された氷、破砕された金属、破砕された繊維、パルプ、木材若しくは籾殻、破砕された紙、破砕された食品、破砕されたゴム若しくはプラスチック、破砕された厨芥、破砕された都市ゴミ、破砕された医療廃棄物、又は、粉体その他であってもよい。
【0049】
上記実施形態では、篩本体4は、上面視で略矩形の箱体である場合について説明したが、これに限定されることはない。篩本体は、上面視で円形等の別の形状の箱体であってもよい。
【0050】
上記実施形態では、スクリーン5の面が上流側から下流側に向かって傾斜した状態となっている場合について説明したが、これに限定されることはない。スクリーンの面が水平となっていてもよい。
【0051】
上記実施形態では、スクリーン5が、平面内での旋回運動をするようになっている場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、スクリーンに斜め前方への振動を連続的に発生させるように篩本体が運動する等、異なる種類の運動によって篩分けが行われるようになっていてもよい。
【0052】
上記実施形態では、スクリーン5には、篩装置のスクリーン用の流れ阻害具として、上面視逆V型板61及び流れ案内板62,63が立設している場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、スクリーン5には、横断面が多角形の柱が篩装置のスクリーン用の流れ阻害具として立設していてもよい。
【0053】
上記実施形態では、篩装置のスクリーン用の流れ阻害具である上面視逆V型板61及び流れ案内板62,63は、それぞれ、スクリーン5に立設する方向に立ち上がる壁部61a,62a,63aと、壁部61a,62a,63aの下端からスクリーン5の表面に沿って延びる基部61b,62b,63bとを有する場合について説明したが、これに限定されることはない。篩装置のスクリーン用の流れ阻害具である上面視逆V型板及び流れ案内板は、スクリーンから立設可能となっているならば、他の構成であってもよい。
【0054】
上記実施形態では、ボルト及びナットによって、上面視逆V型板61及び流れ案内板62,63をスクリーン5に取り付けることも取り外すこともできる場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、磁石などによって、篩装置のスクリーン用の流れ阻害具がスクリーンに取り付け及び取り外し自在となっていてもよい。
【0055】
上記実施形態では、上面視逆V型板61はそれぞれの板材の二つの平面がなす角部を有している場合について説明したが、これに限定されることはない。上面視逆V型板は、例えば、二つの曲面がなす尖った縁部を有していてもよい。
【0056】
上記実施形態では、図に示すように、流れ案内板62,63の壁部62a,63aが平板である場合について説明したが、これに限定されることはない。流れ案内板の壁部は、例えば湾曲している板であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 篩装置
2 架台
3 篩支持体
4 篩本体
5 スクリーン
21 駆動部
41 上流壁
42 側壁
43 通過物排出口
51 孔
61 上面視逆V型板
61a 壁部
61b 基部
62,63 流れ案内板
62a,63a 壁部
62b,63b 基部
【要約】
【課題】篩分効率を向上させた篩装置のスクリーン用の篩分効率向上具、篩分効率を向上させた篩装置のスクリーン及び篩分効率を向上させた篩装置を提供すること。
【解決手段】篩分効率向上具61,62,63は、上流側に篩分対象物が投入され、下流側で篩分けられた残留物が排出される篩装置1のスクリーン5に立設しており、スクリーン5の上流から下流の間で篩分対象物の流れを阻害し、篩分対象物がスクリーン5上に滞在する時間を長くするようになっている。
【選択図】
図1