(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6149170
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】縫付不要安全露先
(51)【国際特許分類】
A45B 25/10 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
A45B25/10
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-553690(P2016-553690)
(86)(22)【出願日】2014年11月19日
(65)【公表番号】特表2016-536106(P2016-536106A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】CN2014001034
(87)【国際公開番号】WO2016058113
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】201410541999.0
(32)【優先日】2014年10月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514311450
【氏名又は名称】太陽城(厦門)戸外用品科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 栄湍
(72)【発明者】
【氏名】呉 金全
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05468087(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 1/00−27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫付不要安全露先であって、
柱部と、屈曲鉤部と、挟み部と、を含み、
前記柱部は、軸方向に差込孔が設けられ、
前記挟み部は、前記柱部の前記軸方向と垂直な横方向に挟み溝が設けられ、
前記挟み部は、前記柱部の尾部に当接し且つ前記屈曲鉤部によって囲まれ、
前記柱部と前記屈曲鉤部とは、連結されている
ことを特徴とする縫付不要安全露先。
【請求項2】
請求項1に記載の縫付不要安全露先であって、
前記柱部と前記屈曲鉤部とは、一体に成形して連結されている
ことを特徴とする縫付不要安全露先。
【請求項3】
請求項2に記載の縫付不要安全露先であって、
前記柱部は、前記屈曲鉤部と連結する端面の両側にそれぞれ外壁面から内側に凹む位置制限面を有し、
前記挟み部は、端面の両側にそれぞれ前記柱部の前記軸方向に凸出した凸部を有し、
前記凸部は、前記位置制限面に係合している
ことを特徴とする縫付不要安全露先。
【請求項4】
請求項1に記載の縫付不要安全露先であって、
前記挟み部と前記柱部とは、一体に成形して連結され、
前記挟み部は、底面に二つの凸出した凸部が設けられ、
前記屈曲鉤部は、底面に二つの位置制限孔が設けられ、
前記屈曲鉤部を前記柱部に嵌め込むとき、前記凸部を前記位置制限孔に嵌め込むことによって前記柱部と前記屈曲鉤部が連結される
ことを特徴とする縫付不要安全露先。
【請求項5】
請求項4に記載の縫付不要安全露先であって、
前記凸部は、逆台形である
ことを特徴とする縫付不要安全露先。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の縫付不要安全露先であって、
前記柱部、前記屈曲鉤部及び前記挟み部は、プラスチック樹脂又は金属材料を用いて形成される
ことを特徴とする縫付不要安全露先。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘の部品に関し、特に縫付不要安全露先に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の露先は、柱状の本体に一対の貫通孔を設けて、傘布の端部に縫い付けた縫い糸を環状柱部に巻き付けている。この種の露先は、人手によって縫い付けなければならず、傘の製造が煩雑になり、効率が低下し、多くの人手を要し、生産コストが高くなる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上記課題を解決することを目的とし、縫い糸による縫い付けを必要とせず、組立てがより安全で、傘の製造効率を向上させる縫付不要安全露先を提供する。
【0004】
上記目的を実現するために、本発明に係る縫付不要安全露先は、柱部と、屈曲鉤部と、挟み部と、を含み、前記柱部は、軸方向に差込孔が設けられ、前記挟み部は、
前記柱部の前記軸方向と垂直な横方向に挟み溝が設けられ、前記挟み部は、前記柱部の尾部に当接し且つ前記屈曲鉤部によって囲まれ、前記柱部と前記屈曲鉤部とは、連結されている。
【0005】
好ましくは、前記柱部と前記屈曲鉤部とは、一体に成形して連結されている。
【0006】
好ましくは、前記柱部は、前記屈曲鉤部と連結する端面の両側にそれぞれ
外壁面から内側に凹む位置制限面を有し、前記挟み部は、端面の両側にそれぞれ
前記柱部の前記軸方向に凸出した凸部を有し、前記凸部は、前記位置制限面に係合している。
【0007】
好ましくは、前記挟み部と前記柱部とは、一体に成形して連結され、前記挟み部は、底面に二つの凸出した凸部が設けられ、前記屈曲鉤部は、底面に二つの位置制限孔が設けられ、前記屈曲鉤部を前記柱部に嵌め込むとき、前記凸部を前記位置制限孔に嵌め込むことによって前記柱部と前記屈曲鉤部が連結される。
【0008】
好ましくは、前記凸部は、逆台形である。
【0009】
好ましくは、前記柱部、前記屈曲鉤部及び前記挟み部は、プラスチック樹脂又は金属材料を用いて形成される。
【0010】
上記技術方案を用いることによって、本発明は以下の有益な効果が得られる。本発明は、布を挟むための挟み部を設けて、挟み部が柱部の尾部に当接し且つ屈曲鉤部によって囲まれることによって、傘布への露先の取り付けを実現し、人手による縫付けを必要とせず、いかなる工具も用いずに直接手で組立を完成することができ、傘の製造効率と作業安全性を大幅に向上させる。これとともに、この露先は、一般の消費者が自分の好きな色や形状の露先を随意交換するにも適しており、また、露先が壊れたときにも自分で交換することができ、非常に簡便で、市場の見通しが明るく、企業に巨大な経済利益をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施形態1に係る柱部と屈曲鉤部との一体成形の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面及び実施形態を用いて本発明についてさらに説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1及び
図3に示すように、縫付不要安全露先は、柱部1と、挟み部2と、屈曲鉤部3とを含む。上記柱部1は、軸方向に差込孔11が設けられる。差込孔11は、親骨5を差し込むためのものである。上記柱部1と屈曲鉤部3とは、一体に成形されている(
図2)。挟み部2は、横方向に挟み溝21が設けられる。上記挟み部2は、端面の両側にそれぞれ縦方向に凸出した凸部22を有する。柱部1は、屈曲鉤部3と連結する端面の両側にそれぞれ縦方向に凹下する位置制限面12を有する。具体的な組立て(
図1及び
図3)は、端部を縫い合わせた傘布4を挟み部2の挟み溝21に挟み込んだ後に、挟み部2を180度回転させ、挟み部2を屈曲鉤部3に横から嵌め込むと、凸部22がちょうど対応する位置制限面12に係合し、挟み部2が外れないように確保される。取り外すときは、凸部22を押して挟み部2を外向きに引けば、直接挟み部2を外すことができる。
【0014】
<実施形態2>
図4に示すように、縫付不要安全露先は、柱部1’と、挟み部2’と、屈曲鉤部3’とを含む。上記柱部1’は、軸方向に差込孔11’が設けられる。差込孔11’は、親骨5’を差し込むためのものである。上記柱部1’と挟み部2’とは一体に成形されている。挟み部2’は、横方向に挟み溝21’が設けられる。上記挟み部2’は、底面に二つの凸出した凸部22’が設けられる。上記凸部22’は逆台形である。上記屈曲鉤部3’は底面に二つの位置制限孔31’が設けられる。具体的な組立て(
図4)は、端部を縫い合わせた傘布4’を挟み部2’の挟み溝21’に挟み込んだ後に、挟み部2’を180度回転させ、挟み部2’を屈曲鉤部3’に挿し込むと、凸部22’がちょうど対応する位置制限孔31’から露出し、屈曲鉤部3’が挟み部2’を囲むこととなり且つ両者が連結固定される。取り外すときは、まず挟み部2’を屈曲鉤部3’の内側に押して、屈曲鉤部3’の二つの位置制限孔31’がある側をすこし引けば、屈曲鉤部3’を引っ張り出して、挟み部2’を取り外すことができる。
【0015】
以上の実施形態に係る柱部、挟み部、屈曲鉤部はプラスチック樹脂又は金属を用いて形成することができる。好ましくは、プラスチックを用いることによって、生産コストを効率よく低減させることができる。露先の全体形状は、傘の全体のデザインや形態及び消費者の需要に応じて、キャラクター等異なる形状に設計できることは言うまでもない。
【0016】
上記は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本願特許請求の範囲に対する均等変更や修飾は、すべて本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0017】
1 柱部
11 差込孔
12 位置制限面
2 挟み部
21 挟み溝
22 凸部
3 屈曲鉤部
4 傘布
5 親骨
1’ 柱部
11’ 差込孔
2’ 挟み部
21’ 挟み溝
22’ 凸部
3’ 屈曲鉤部
32’ 位置制限孔
4’ 傘布
5’ 親骨