(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0021】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0022】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを備えた入力操作部25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0023】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25aを操作することによって、表示装置41(
図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。
【0024】
また、この実施形態においては、入力操作部25を操作することで、スピーカ19a、19bから発せられる音量を調節できるようになっている。また、遊技機の裏面側に多段階の音量設定器46(
図5参照)が設けられており、この音量設定器46の設定状態に応じてスピーカ19a、19bから発せられる音量を調節できるようにも構成されている。すなわち、遊技機の前面と裏面の両方の音量設定手段(音量調節スイッチ)が設けられている。
さらに、上記上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0025】
パチンコ店のような遊技店においては、上記のような構成を有する複数の遊技機10が列状に配置されて島設備が構成され、このような島設備が1つのフロアに複数設けられている。そして、各遊技機10には、
図2に示すように、遊技機の情報を収集する情報収集端末装置410および呼び出しランプ420が1対1で設けられ、各情報収集端末装置410はイーサネット(登録商標)のようなLAN(ローカルエリアネットワーク)510を介して、データベースを有する遊技場管理装置600とデータ送受信可能に接続される。大規模な遊技場では、LAN510の途中に中継装置520が設けられる。また、島設備ごとにコーナーランプ530が設けられている。
【0026】
図2のシステムにおいては、遊技場管理装置600が特定のアドレスを使用してブロードキャスト方式(不特定多数向け通信)で、音量規制情報を送信し、該情報を受信した情報収集端末装置410が音量規制信号を生成して対応する遊技機へ出力するように構成されている。情報収集端末装置410は、対応する遊技機10から出力される賞球信号や特賞信号(大当り信号)、確変・時短信号、スタート信号/始動入賞信号、図柄確定信号、ガラス枠/外枠開放信号を受けて、収集データを生成しLAN510を介して遊技場管理装置600へ送信する。
【0027】
次に、
図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0028】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0029】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0030】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0031】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0032】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0033】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図3表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0034】
特
図1表示器と特
図3表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0035】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0036】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0037】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0038】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0039】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0040】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
【0041】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0042】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器または特
図3表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器若しくは特
図3表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0043】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0044】
なお、特
図1表示器、特
図3表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器、特
図3表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0045】
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0046】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0047】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0048】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0049】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0050】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0051】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0052】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0053】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0054】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0055】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0056】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0057】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0058】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0059】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0060】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(
図13参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0061】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0062】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0063】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0064】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0065】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0066】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0067】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0068】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0069】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0070】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0071】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0072】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末装置410、中継装置510を介して遊技場管理装置600(
図2)へ送信される。
【0073】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0074】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0075】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0076】
次に、
図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0077】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0078】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
【0079】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0080】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0081】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、
図24に示すように、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0082】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0083】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた入力操作部25の演出ボタン25aやセレクトボタン25bに内蔵されているスイッチの検出信号や、前記音量設定器46からの信号、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を示す検出信号を主制御用マイコン(1stCPU)311へ入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
また、演出制御装置300には、情報収集端末装置410、中継装置510を介して遊技場管理装置600(
図2)から送られてくる音量規制信号を取り込んで主制御用マイコン(1stCPU)311へ伝送する外部信号入力回路338、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。遊技場管理装置600からの音量規制信号は、主制御用マイコン(1stCPU)311ではなく後述の音源LSI314へ直接伝送するように構成しても良い。
【0084】
前述したように、本実施形態においては、遊技者が入力操作部25を操作することによりスピーカ19a、19bから発せられる音量を調節できるように構成されている。具体的には、例えばセレクトボタン25bを用いて表示装置41に表示させた各種機能の中から音量調節機能を選択して、
図25に示すような音量調節画面を表示させる。この音量調節画面において、セレクトボタン25bを操作して画面の下部に表示されている「−」または「+」が表示されている機能ボタンF1,F3のいずれかにカーソル(太枠)を移動させて所望のボタンを選択する。そして、演出ボタン25aを操作して音量レベルを選択した後、セレクトボタン25bを操作して「決定」が表示されている機能ボタンF2に移動させ、演出ボタン25aを操作することにより音量を確定するように構成することで実現できる。なお、
図25には、入力操作部25の操作に応じて音量を5段階に設定できるようにする場合の音量調節画面の例が示されている。
【0085】
従って、本実施形態の遊技機は、遊技演出音を出力可能なスピーカ19a,19bと、識別情報を変動表示可能な表示装置41と、前記スピーカから出力される遊技演出音の音量を、所定の設定操作により変更可能な音量設定手段としての入力操作部25と、遊技の進行を管理する遊技制御手段としての遊技制御装置100と、前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記表示装置における表示の制御を行うとともに、前記スピーカに出力する遊技演出音の制御を行う演出制御手段としての演出制御装置300とを備えることとなる。
【0086】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0087】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0088】
図6には、演出制御装置300を構成するグラフィックプロセッサとしての上記VDP313の内部構成を示す機能ブロック図が示されている。
VDP313は、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間でコマンドなどの送受信を行うCPUインタフェース301と、画像ROM323からのデータの受信を行うCGバスインタフェース302、DMA(ダイレクトメモリアクセス)制御で2ndCPU312や画像ROM323と間のデータ転送を行うデータ転送回路303、画像ROM323から読み出された圧縮データを伸長するデコーダ304を備える。
【0089】
また、VDP313は、画像データの描画の際に使用する素材データを格納する画像RAM(VRAM CG)305、2ndCPU312から送られてきたコマンドもしくは画像ROM323から読み出されたコマンドリストに従って画像ROM323から読み出した画像データを予め設定した相対座標内で描画処理し描画データを生成するCPUなどからなる描画回路306、描画回路306によって生成された描画データを格納するフレームバッファとしての画像RAM(VRAM FB)307、該画像RAM307に格納された1画面分の描画データを表示データとして順次読み出してデジタル表示信号を表示装置41へ出力する表示回路308などを備える。
【0090】
フレームバッファとしての画像RAM307は、本実施形態では表示装置41の2画面分の表示データを記憶可能な記憶容量を備えており、描画回路306が1フレーム(1画面)の表示データの描画を行っている間に、既に描画された他方のフレームの表示データを表示回路308によって読み出す処理を交互に繰り返すことで動画像を表示装置41に表示させるように構成されている。
従って、表示制御手段としてのVDP313(グラフィックプロセッサ)は、画像データを格納する画像データ記憶手段と、画像データ記憶手段から読み出した画像データを予め設定した相対座標内で描画処理し、描画データを生成する描画処理手段と、描画処理手段によって生成される描画データを格納するフレームバッファと、所定のフレーム更新タイミングで、前記フレームバッファに格納された前記描画データを読み出して、前記表示装置で表示可能な表示データを出力する表示データ出力手段とを備えることとなる。
なお、画像RAM307の記憶容量は2フレームの大きさに限定されるものでなく、1フレームでもよいし、3フレーム以上であっても良い。
【0091】
図7には、演出制御装置300を構成する上記音源LSI(サウンドIC)314の内部構成を示す機能ブロック図が示されている。
音源LSI(サウンドIC)314は、演出制御装置300全体を制御する主制御用マイコン(1stCPU)311との間でコマンドなどの送受信を行うCPUインタフェース341と、主制御用マイコン(1stCPU)311が遊技制御装置100から受信したコマンドに応じてフレーズの再生や音量設定、パン(各チャンネルの音の混合比率や出力比率等)の設定などの処理を音声ROM324に格納されているシーケスに従って順次実行するシーケンサ342、遊技制御装置100から送信された簡易アクセスコマンドを受信したことに応じて音声ROM324から該コマンド対応したコマンド列を読み出して実行する簡易アクセス回路343、音声ROM324から読み出された圧縮音声データを伸長するデコーダ344を備える。
【0092】
さらに、音源LSI(サウンドIC)314は、該LSIに設けられている16チャンネルの単位音源のそれぞれについて音量を設定するチャンネルボリューム回路345、任意のチャンネルの音源同士を混合するチャンネルミックス回路346、各チャンネルの音源もしくは混合された合成音にエフェクト(音響効果)を与えるエフェクト回路347、16チャンネル全体での音量を調節するトータルボリューム回路348、調節された音源データをアナログ信号に変換して指定された出力端子へスピーカ駆動信号として出力する出力インタフェース349を備える。出力インタフェース349から出力されるスピーカ駆動信号は、本実施形態では、上スピーカ(左右)19a用の駆動信号R,Lと、下スピーカ19b用の駆動信号SUBである。
この実施例の音源LSI(サウンドIC)314のトータルボリューム回路348には、情報収集端末装置520(遊技場管理装置600)からの音量規制信号または該音量規制信号に応じて主制御用マイコン(1stCPU)311から供給されるミュート信号MUTEが入力され、該信号に応じて最小音量(無音)のスピーカ駆動信号を出力するようになっている。なお、音量規制信号が入力された場合に、主制御用マイコン(1stCPU)311から音源LSI314へミュート信号MUTEでなく最小レベルの音量(後述の音量レベル「1」に相当する音量)を指定する信号を供給するようにしてもよい。
【0093】
次に、遊技制御装置100において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0094】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、CPU111Aは、乱数値の取得条件検出手段および乱数値取得手段として機能する。
【0095】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1表示器や特
図3表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。従って、CPU111Aは、乱数値を判定して遊技に係わる決定処理を行う遊技結果決定手段として機能する。
【0096】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特
図1表示器や特
図3表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0097】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器や特
図3表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0098】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0099】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
【0100】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0101】
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図8及び
図9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0102】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図8に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0103】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0104】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、
図9のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0105】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、
図9のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
【0106】
図9のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0107】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0108】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0109】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0110】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0111】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0112】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0113】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0114】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0115】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0116】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について
図10のフローチャートを用いて説明する。
図10に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
【0117】
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0118】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0119】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0120】
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について
図11のフローチャートを用いて説明する。
図11(A)に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS410)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS420)とからなる。
【0121】
コマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS410)の詳細は
図11(B)に示されている。払出コマンド送信処理は、本発明と直接関係しないので説明を省略する。
演出制御コマンド送信処理においては、
図11(B)に示すように、先ず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックする(ステップS411)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS412)。
【0122】
このステップS412の判定で、設定コマンドなし(ステップS412;No)と判定した場合には当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS412の判定で、コマンドが設定されている(ステップS412;Yes)と判定した場合には次のステップS413でリードカウンタを更新(+1)する。そして、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS414)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS415)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS416)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS416)。しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS418)へ移行する。
【0123】
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS418)の詳細について説明する。
図12(A)に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS181)、コマンドデータ出力処理(ステップS182:
図12(B))を実行する。これにより、演出制
御コマンドの前半の8ビット(MODE)が出力される。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS183)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS184)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS185:
図12(B))を実行する。
上記ステップS181およびS184によって、
図24に示されているストローブ信号の期間TaとTcのオフ時間の設定が行われる。
【0124】
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS182、S185)の詳細について説明する。
図12(B)に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS821)。それから、制御情報としての演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS822)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS823)。そして、次のステップS824で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS824;No)と判定するとステップS822へ戻って上記処理を繰り返す。
【0125】
一方、ステップS824で、オフ時間が終了した(ステップS824;Yes)と判定するとステップS825へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS826)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS827)。
上記ステップS182で実行されるコマンドデータ出力処理のステップS822によって、
図24に示されている演出制御コマンドの前半の8ビット(MODE)の出力が行われ、上記ステップS182で実行されるコマンドデータ出力処理のステップS822によって、
図24に示されている演出制御コマンドの後半の8ビット(ACTION)の出力が行われる。また、上記ステップS825によって、
図24に示されているストローブ信号の期間TbとTdのオン時間の設定が行われる。
【0126】
そして、次のステップS828で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS828;No)と判定するとステップS826へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS828で、オン時間が終了した(ステップS828;Yes)と判定するとステップS829へ移行して、オフ状態(ロウレベル)のストローブ信号を出力して当該コマンドデータ出力処理を終了する。
なお、ステップS826で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS826〜S828のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS824及びステップS828は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
【0127】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0128】
図16に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については、後に
図17を用いて説明する。
【0129】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
【0130】
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
【0131】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0132】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0133】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0134】
そして、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特
図3表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特
図3表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0135】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図14に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図3保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。
そして、特
図3保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。
ここで、特
図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモフラグをセーブする処理(ステップA307)を行う。
【0136】
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
次に、特図普段処理へ移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
【0137】
一方、ステップA302にて、特
図3保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特
図3変動開始処理(ステップA311)を行う。その後、特
図3変動中処理へ移行するためのテーブルを準備する特
図3の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、特
図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特
図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特
図1変動開始処理の詳細については後述する。
【0138】
その後、特
図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA314)を行って、特図普段処理を終了する。なお、ステップA314における特
図1の特図変動中処理移行設定処理の詳細については後述する。
このように、ステップA301とステップA302における特
図3保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図3保留数が0でない場合には、特
図3変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0139】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。
特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図15に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。なお、ステップA321における大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
【0140】
次に、第1特図停止図柄(特
図1停止図柄)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA323)。なお、ステップA322における特
図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。
続いて、特
図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
【0141】
次に、特
図1変動フラグを設定して準備し(ステップA326)、特
図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA327)。
その後、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特
図1変動開始処理を終了する。
なお、ステップA332における変動開始情報設定処理の詳細については後述する。特図普段処理における特
図3変動開始処理(ステップA311)の手順も
図15の特
図1変動開始処理と同様である。
【0142】
〔特
図1停止図柄設定処理〕
図15の特
図1変動開始処理のステップA322における特
図1停止図柄設定処理は、第1特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、
図16に示すように、先ず、大当りフラグ1が大当りであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているか否かをチェックする(ステップA381)。そして、このステップA381で、大当りである(ステップA382:Yes)と判定すると、特
図1の大当り図柄テーブルを設定する処理(ステップA383)を行う。
【0143】
続いて、RWMの乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードして(ステップA384)、当該大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し準備する処理(ステップA385)を行い、特
図1停止図柄領域に大当り時の停止図柄番号をセーブする(ステップA386)。その後、普電サポート中であるか否かの判定(ステップS387)を行い、普電サポート中である(Yes)と判定すると、高確率で時短時の特
図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(ステップS388)。
【0144】
また、ステップS387で、普電サポート中でない(No)と判定すると、低確率時の特
図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(ステップS389)。その後、ステップS390で、特
図1停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理(ステップA390)を行い、ステップA393へ移行する。
一方、ステップS382で、大当りでない(No)と判定すると、ステップS391へ移行して、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特
図1停止図柄領域にセーブした後、ステップS382ではずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブし、ステップA393へ移行する。
【0145】
ステップA393では、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理を行い、次のステッ
プA394にて、パラメータ情報である図柄情報に対応する図柄指定コマンドしての飾り特
図1コマンド(ACTION)を取得する処理を行った後、飾り特図コマンド(MODE)を設定する処理(ステップA3965)を行って、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップA396)。そして、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域を0にクリアして(ステップA394)、特
図1停止図柄設定処理を終了する。
なお、特
図3変動開始処理(ステップA311)の中で行われる特
図3停止図柄設定処理の手順も
図16の特
図1停止図柄設定処理と同様である。
【0146】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理(
図15)における変動開始情報設定処理(ステップA332)の詳細について説明する。
図17に示すように、変動開始情報設定処理では、先ず、当該変動が特
図1か特
図3かを判別するための変動図柄判別フラグをロードする(ステップA491)。そして、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA492)、RWMの変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定する(ステップA493)。その後、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を減算(−1更新)する(ステップS494)。次に、変動図柄判別フラグに対応しパラメータ情報である特図保留数の値に対応する特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA495)、コマンド設定処理(ステップA496)を行う。
【0147】
その後、RWMの飾り特図コマンド領域からコマンドを準備し(ステップA497)、コマンド設定処理(ステップA498)を行う。それから、対象の変動パターン乱数セーブ領域を「0」にクリアし(ステップS499)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップA500)を行い、さらに、前半変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する処理(ステップA501)を行う。
【0148】
続いて、変動パターン設定処理にて取得された後変動番号に対応する後半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップA502)を行い、さらに、前半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号をロードし(ステップS503)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する処理(ステップA504)を行う。その後、前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップA505)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA506)。
次に、前半変動パターンを指定する前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップA507)、後半変動パターンを指定する後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA508)、コマンド設定処理(ステップA509)を行う。なお、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)と後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を組み合わせたものが後述の変動パターンコマンドに相当するもので、以下飾り図柄保留数コマンド、飾り図柄指定コマンド、変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと称する。
【0149】
その後、RWMの変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA510)、シフト後の空き領域を「0」にクリアして当該変動開始情報設定処理を終了する(ステップA511)。
上記のように、本実施形態の変動開始情報設定処理においてはパラメータ情報としての特図保留数コマンド、飾り特図コマンドを設定してから、変動パターンを指定しかつ変動開始を指示することとなる変動表示開始情報としての変動パターンコマンドを設定するようにしている。従って、変動パターンコマンドが送信される前に特図保留数コマンドが送信される。つまり、特図保留数コマンド−飾り特図コマンド−変動パターンコマンドの順にコマンドが送信されることとなる。
【0150】
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(
図13)における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図18に示すように、特図変動中処理では、先ず、飾り特
図3の変動を停止させる飾り特
図3変動停止コマンド(MODE,ACTION)を準備する(ステップA521)。次に、特
図1の変動中か否かを判定し(ステップA522)、特
図1の変動中でない(No)と判定すると、ステップA523〜A524をスキップしてステップA525へ移行する。
また、ステップS522で、特
図1の変動中である(Yes)と判定すると、ステップA523へ進み、特
図1変動停止コマンド(MODE,ACTION)を準備した後、コマンド設定処理(ステップA524)を実行し、ステップA525へ移行する。なお、後述の実施形態のように、停止コマンドを送信しない実施形態における特図変動中処理では、上記ステップA521〜A524は不要である。
【0151】
ステップA525では、特
図1停止図柄設定処理(
図16)において乱数に基づいて決定した図柄情報がはずれ図柄情報である否かを判定し、はずれ図柄情報でない(ステップA526:No)と判定すると、大当り図柄であるということであるため、ステップA531へ移行して特別結果態様が導出されて大当りとなる場合の特図表示時間ポインタを設定する。
また、はずれ図柄情報である(ステップA526: Yes)と判定すると、ステップS527へ進み、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックして、後半変動番号がリーチなしの番号でない、即ち、リーチありの番号である(ステップA528;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生する場合の特図表示時間ポインタを設定する処理(ステップA530)を行う。
【0152】
一方、ステップA528にて、後半変動番号がリーチなしの番号である(Yes)と判定すると、ステップA529へ進み、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合の特図表示時間ポインタを設定する処理を行う。
その後、ステップA532へ進み、特図表示時間テーブルを設定し、該テーブルよりステップA529、A530、A531の何れかにて設定された特図表示時間ポインタに対応する特図表示時間を取得する処理(ステップA533)を行う。ここで、はずれ時の特図表示時間は例えば600ms、はずれリーチ時の特図表示時間は例えば800ms、大当り時のはずれ時の特図表示時間は例えば3600msである。
そして、取得された停止時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする処理(ステップA534)、特図表示中処理に移行するための準備(処理番号の設定等)を行う特図表示中処理移行設定処理(ステップA535)を実行し、当該特図変動中処理を終了する。
【0153】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、
図19に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われる
図20に示すコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
【0154】
〔1stメイン処理〕
先ず、1stメイン処理について
図19に示すフローチャートを用いて説明する。
図19に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0155】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
【0156】
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB12)を行う。
次いで、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB13)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠12に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0157】
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、コマンド受信割込み処理について
図20に示すフローチャートを用いて説明する。
図20に示すように、このコマンド受信割込み処理では、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB21)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB22)を行う。
ここで、MODEコマンドの待機中である場合(ステップB22;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB23)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB23;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB24)する。
【0158】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB24;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB25)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB26)を行う。
続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB27)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB28)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB23において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない(No)と判定した場合、又はステップB24において、受信したコマンドがMODEコマンドでない(No)と判定した場合は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0159】
また、ステップB22において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB22;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定する(ステップB29)。
ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB29;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB30)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である(Yes)と判定した場合は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(ステップB31)。
【0160】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB31;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB32)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB33)を行う。
続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB34)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0161】
また、ステップB29において、タイムアウト(Yes)となった場合、又はステップB30において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB30;No)は、ステップB35へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB35)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB36)を行う。
それから、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。また、ステップB31において、受信したコマンドがMODEコマンドである(Yes)と判定した場合は、ステップB25へ移行し、それ以降の処理を行う。
【0162】
次に、上記演出制御装置300の2ndCPU312によって実行される2ndメイン処理について説明する。
2ndCPU312による制御処理には、
図21に示す2ndメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われる
図23に示すVブランク割込み処理がある。
【0163】
〔2ndメイン処理〕
先ず、2ndメイン処理について
図21に示すフローチャートを用いて説明する。
図21に示すように、2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
【0164】
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行い、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻る。
【0165】
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB51)の詳細について説明する。
図22に示すように、通常ゲーム処理では、先ず、遊技制御装置100から受信したコマンドをチェックする処理(ステップB61)を行う。
続いて、背景処理(ステップB62)、リール制御/表示処理(ステップB63)、保留表示処理(ステップB64)、客待ちデモ処理(ステップB65)、シーン制御/表示処理(ステップB66)、表示システム処理(ステップB67)を行い、通常ゲーム処理を終了する。
【0166】
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について
図23に示すフローチャートを用いて説明する。
図23に示すVブランク割込み処理は、例えば16.6ms(フレーム周期33msの1/2)毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPU312に入力されることで開始される。
Vブランク割込み処理が開始されると、先ず、フレームカウンタの値を+1更新する処理(ステップB71)を行い、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか判定(ステップB72)する。
ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB72;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB72;Yes)は、ステップB73へ移行し、システム周期待ちフラグが「0」であるか判定(ステップB73)する。
【0167】
そして、ステップB73で、システム周期待ちフラグが「0」でない(No)と判定した場合はVブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である(Yes)と判定した場合は、ステップB74へ移行し、VDP313が表示装置41へ表示する描画を完了したか判定(ステップB74)する。
このステップB74で、VDP313が描画を完了していない(No)と判定した場合はVブランク割込み処理を終了し、VDP313が描画を完了した(Yes)と判定した場合は、ステップB75へ移行し、表示フレームバッファを切り替える処理を行い、VDP313に切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(ステップB76)。上記規定値を例えば「2」に設定することによって、基本的には2回のVブランク割込みに1回、フレームの切り替えが行われるようにすることができる。
次いで、VDP313が描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(ストップB77)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(ステップB78)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(ステップB79)を順次行い、当該Vブランク割込み処理を終了する。
【0168】
次に、上記実施形態の遊技機においてエラー(不正を含む)が発生し検出された場合に、演出制御装置300によって実行されるエラー報知の制御について、
図26〜
図33のタイミングチャートを用いて説明する。
なお、以下の説明において、エラーは遊技制御装置100または演出制御装置300のいずれによって検出されたものであっても良い。遊技制御装置100においてエラーが検出された場合には、コマンドによって演出制御装置300へ知らせるように構成することができる。また、「ボリュームSW」は、遊技機の前面側に設けられている音量調節手段(前記実施形態における入力操作部25)または遊技機の裏面側に設けられている音量設定器46のいずれによって設定されたものであってもよい。
【0169】
図26にはエラー報知制御の第1の実施例におけるタイミングが示されている。この実施例では、
図26に示すように、例えば「ボリュームSW」が5段階レベル(0を除く)のうち例えば第4レベル「4」に設定されている状態でエラーが発生したとする(タイミングt1)。すると、表示装置41のフレーム更新タイミングt2で、音源LSI314へエラー音開始コマンドが送信され、スピーカから5段階レベルのうち最大レベル「5」の音量による異常報知音(以下、エラー報知音と称する)が出力される。なお、エラー報知音は、エラー又は不正の種類に応じ異なるようにしてもよいし、一の音を共通で使用するようしてもよい。
【0170】
また、エラーが解消したとすると、エラーが解消したタイミングt4の直後のフレーム更新タイミングt5で、エラー音停止コマンドが音源LSI314へ送信され、スピーカの音量が最大レベルからエラー発生前の設定レベル(第4レベル)に復帰するように制御される。なお、この実施形態では、エラーが発生している期間T1に「ボリュームSW」が操作されて音量レベルが変更されたとしても(タイミングt3)、その操作は無効とされ、エラーが解消した後にエラー発生前の設定レベル(第4レベル)に復帰される。
一方、エラー解消後に「ボリュームSW」が操作されて音量レベルが変更された場合には、変更されたタイミングt6の直後のフレーム更新タイミングt7で、音源LSI314へ音量設定コマンドが送信され、スピーカの音量が指定されたレベル(図では第1レベル「1」)に変更される。
【0171】
上記のような制御を行うことによって、遊技制御装置100または演出制御装置300のいずれかでエラーが発生した時に、スピーカの音量がボリュームSWによって最大レベルよりも低いレベルに設定されていたとしても、最大音量によるエラー報知音が出力される。そのため、例えば不正行為者が不正を行う前にスピーカの音量を下げてから不正を行ったとしても、エラーが検出されると最大音量によるエラー報知音が出力され、遊技店の係員にエラー(不正)の発生を速やかに認知させることができる。また、エラーが発生したり終了したりした場合、フレーム更新タイミングで遊技演出音とエラー報知音が切り替わるため、それまで変動表示と同期して出力されていた遊技演出音が突然エラー音に切り替わったり、変動表示のタイミングと無関係に遊技演出音が復帰して、遊技者に違和感を与えるのを回避することができる。
【0172】
以上の説明から、上記実施形態には、遊技演出音を出力可能なスピーカと、識別情報を変動表示可能な表示装置と、前記スピーカから出力される遊技演出音の音量を、所定の設定操作により変更可能な音量設定手段と、遊技の進行を管理する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記表示装置における表示の制御を行うとともに、前記スピーカに出力する遊技演出音の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、前記演出制御手段としての演出制御装置は、前記表示装置に表示する描画データをフレームバッファに格納し、所定のフレーム更新タイミングとなった場合に、前記フレームバッファに格納された前記描画データに基づいて前記表示装置で表示可能な表示データを生成して出力する表示制御手段と、所定の事象に基づいて遊技機に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、を備えるとともに、前記スピーカの出力音量を、前記音量設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、前記異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、前記表示装置における表示のフレーム更新タイミングに同期し、前記音量設定手段による設定に基づかない所定の音量で異常報知音を前記スピーカより出力させる発明が含まれることが分かる。
【0173】
かかる発明によれば、異常が検出された場合に、音量設定手段による設定にかかわらず所定の音量で異常報知を行うので、音量設定手段によって比較的小さな音量に設定されていたとしても、所定の音量で報知することで、遊技機において異常が発生したことを確実に認識させることができるとともに、異常報知音を表示装置の表示と同期して出力させるので、違和感のない異常報知を行うことができる。
なお、異常検出手段による異常発生の検出に基づいて、異常報知音の出力を所定時間だけ行うようにしてもよい。例えば、演出制御装置は、遊技制御装置からの異常発生を示す指令を受信したことに基づいて異常報知を開始し、所定時間経過後に異常報知を終了するようにしてもよい。
【0174】
図27には、
図26に示されている第1の実施例のエラー報知制御の変形例におけるタイミングが示されている。この変形例においては、第1の実施例と同様に、エラーが発生したとすると最大レベルの音量によるエラー報知音が出力される。また、エラーが解消したとすると、エラーが解消したタイミングt4の直後のフレーム更新タイミングt5で、音量が最大レベルからエラー発生前の設定レベル(第4レベル)に復帰される。
図26の実施例との違いは、
図26の実施例ではエラーが発生したタイミングの直後のフレーム更新タイミングt2でエラー報知音を出力するのに対し、この変形例においてはエラーが発生するとそのタイミングt1で直ちにエラー報知音を出力させる点と、エラーが発生している期間T1に「ボリュームSW」が操作されて音量レベルが低い方に変更されたとするとその操作は無効とされるがエラー発生中に音量レベルが高い方に変更された場合には、エラー解消後に変更後の音量に切り替わる点にある。
【0175】
この変形例によれば、エラーが発生した場合には直ちにエラー報知音を出力することでいち早くエラーの発生を知らせることができる一方、エラー報知音が終了する際は変動表示とのタイミングと無関係に遊技演出音が復帰して遊技者に違和感を与えるのを回避することができる。また、エラー発生中でも音量レベルが高い方に変更された場合には、エラー解消後に音量レベル切り替えるため、不正とは関係ない高い方への音量調整を反映することができる。
なお、エラー発生中に行われた音量レベルを低い方へ変更する操作に関しても、エラー解消後において変更後の音量に切り替えるようにしてもよい。
【0176】
従って、上記変形例における演出制御手段としての演出制御装置は、遊技機の異常が解消されたことを検出する異常解消検出手段を備え、異常解消検出手段によって遊技機の異常が解消したことが検出された場合には、出力中の異常報知音の出力を表示装置における表示のフレーム更新タイミングに同期して停止させ、前記異常報知音の出力中に、音量設定手段において音量を前記異常報知音の出力開始前の音量よりも低くする設定操作が行われた場合には、該設定操作に基づく音量の変更を無効とし、音量の変更を行わないようにする一方、前記異常報知音の出力中に、前記音量設定手段において音量を前記異常報知音の出力開始前の音量よりも高くする設定操作が行われた場合には、該設定操作に基づく音量の変更を保留し、前記異常報知音が停止されるタイミングで、異常報知音の出力中の前記設定操作に基づく音量に変更することとなる。
【0177】
上記のように、遊技機の異常が解消されたことを検出した場合には異常報知音による報知を表示装置の表示と同期して停止させるようにしたので、異常報知から遊技演出音への復帰を違和感なく行うことができる。また、異常報知中は、音量を高める設定操作は有効とし、異常報知を終了するタイミングで音量を変更するようにしたので、遊技者が大きな異常報知音を聞いたことによって、それまでの遊技演出音が小さかったことに気がついて音量を大きくしたいと考えて音量設定手段を操作した場合にその要望を即座に反映できる。また、異常報知中は、音量を低下させる設定操作を無効としたので、遊技者が大きな異常報知音を聞いて誤って音量を低下させてしまい、異常が解消した際に遊技演出音が聞こえなくなってしまうような不都合な状況が発生するのを防止することができる。
【0178】
図28には、変動表示ゲームの実行中にエラーが発生した場合に演出制御装置300によって実行されるエラー報知制御のタイミングが示されている。
図28においては、演出制御装置300が変動開始コマンド(変動パターンコマンド)を受信したタイミングt11から変動停止コマンドを受信したタイミングt15までが1回の変動表示ゲームの実行期間である。
図28に示すように、この実施例では、変動表示ゲームの実行中はチャンネル1により変動音を再生するとともに、例えば連続予告のような演出をする場合に出力する予告音をチャンネル1,n以外のチャンネルで再生する。そして、変動開始後のタイミングt12でエラーが発生したとすると、音源LSI314へエラー音開始コマンドが送信される。すると、音源LSI314は、エラー報知音のためにリザーブされているチャンネルn以外のチャンネル1〜チャンネル(n−1)のボリュームを例えば「0」または「1」のようなレベルに下げ、チャンネルnにエラー報知音のフレーズデータを供給するとともに該チャンネルのボリュームを5段階レベルのうち最大レベルに設定し、表示装置のフレーム切替えタイミングに同期してスピーカより出力させる。
また、タイミングt14でエラーが解消したとすると、表示フレーム切替えタイミングに同期して音源LSI314へエラー音停止コマンドが送信され、最大レベルでのエラー報知音の出力が停止されるとともに、予め設定されたレベルで変動音の出力が再開される。
【0179】
上記のような制御により、エラーが発生すると変動音の再生を中断することなく、最大音量によるエラー報知音をスピーカから出力させることができる。また、エラー解消後に遊技演出音の出力を変動表示の内容とのずれを生じることなく速やかに再開することができる。なお、チャンネルnのフレーズデータはすべてのスピーカ19a,19bに供給するように設定しておくことで、すべてのスピーカからエラー報知音を出力させることができる。
また、変動表示ゲームの実行中に始動入賞が発生することがあり、その場合、始動入賞コマンド(保留数コマンド)が送信され、通常は演出制御装置300がそのコマンドを受信すると始動入賞音が出力されるが、
図28に示すように、エラー発生中に始動入賞コマンドを受信すると始動入賞音が割り当てられたチャンネルは音量「0」で再生され、これによってスピーカからは見かけ上は始動入賞音が出力されないようになっている。
【0180】
従って、上記実施例における演出制御手段としての演出制御装置は、遊技機で発生した異常が解消されたことを検出する異常解消検出手段を備え、スピーカに出力するためのチャンネルを複数有し、前記複数のチャンネル毎に音量を設定可能であるとともに、チャンネル毎に異なるフレーズデータを再生することにより同時に出力可能であって、一のチャンネルには異常報知音に関するフレーズデータを割り当てるとともに、前記一のチャンネルとは異なるチャンネルに遊技演出音に関するフレーズデータを割り当て、異常検出手段が異常の発生を検出していない場合および異常解消検出手段により遊技機の異常が解消されたことが検出された場合には、前記遊技演出音が割り当てられたチャンネルのフレーズデータを音量設定手段による設定に基づく音量で再生し、前記異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、前記異常報知音が割り当てられたチャンネルのフレーズデータを再生するとともに、前記遊技演出音が割り当てられたチャンネルのフレーズデータの再生を停止させないで音量を低下させて出力することとなる。
【0181】
図29には音源LSI314内における通常遊技中と異常(エラー)発生中の各チャンネルの音量レベルの設定状態の一例を示す。このうち、
図29(A)は通常遊技中の設定を、また
図29(B)は異常(エラー)発生中の設定を表す。
図29(A)に示す例では、通常遊技中においては、チャンネル1に変動音が割り当てられ、かつ音量レベルが5段階中の「3」に設定され、チャンネル2に始動入賞音が割り当てられ、かつ音量レベルが「4」に設定され、チャンネル3に変動停止音が割り当てられ、かつ音量レベルが「4」に設定され、チャンネルnにエラー音が割り当てられ、かつ音量レベルが「0」に設定される。
図29(B)は、異常(エラー)発生中においては、チャンネルn以外のフレーズ音は音量レベルが「0」に設定され、チャンネルnに割り当てられたエラー音の音量レベルが最大レベルである「5」に設定されることを表している。
【0182】
図30には、電源投入直後のRAMクリア動作中に演出制御装置300によって実行されるエラー報知制御のタイミングが示されている。
本実施形態の遊技機は、前述したように電源装置400内の初期化スイッチがオンされるとRAMの初期化処理が行われる(
図8のステップS9、
図9のステップS24,S25)。従来より、初期化スイッチ信号によるRAMクリア動作中(数10秒間)は演出制御装置300によって最大音量でエラー報知音を出力することが行われている。そして、このRAMクリア動作中は音量調整スイッチからの信号は無効にされていた。そのため、音量調整をしたい場合には、RAMクリア動作が終了するのを待って音量調整スイッチを操作せざるを得なかった。
【0183】
本実施例は、RAMクリア動作中においても音量調整を可能にするものである。ただし、無条件に音量調整を可能にすると、不正を行おうとする者が、初期化スイッチをオンにしかつ音量調整スイッチを操作して音量を下げてから不正を行った場合にエラー報知音が出力されず、不正の発見ができないおそれがある。
そこで、本実施例は、
図30に示すように、RAMクリア動作中に音量調整スイッチ(ボリュームSW)が操作されると、一定時間T0だけは音量調整スイッチによる設定を有効にして、演出制御装置300が設定レベルに応じた音量でエラー報知音を出力する(t21〜t22)。そして、一定時間T0が経過すると少なくとも一定時間T0の間(t22〜t23)は最大音量でエラー報知音を出力するようにした。RAMクリア動作中において設定レベルに応じた音量でエラー報知音を出力する時間は、最大音量でエラー報知音を出力する時間T0と同一でなくても良い。
【0184】
本実施例によれば、従来は単なる待ち時間であったRAMクリア動作中においても発生する音のレベルを聞きながら音量調節をすることができるようになる。また、音量調整スイッチによる設定レベルでエラー報知音が出力されるのは一定時間T0でありその時間が経過すると最大音量に戻るので、不正を行おうとする者が初期化スイッチをオンにし(これによりRAMクリア動作が開始される)かつ音量調整スイッチを操作して、音量を「0」に下げたとしても、一定時間T0が経過するとRAMクリア動作中であることを知らせるエラー報知音が最大音量で出力されるため、不正を容易に発見することができる。
また、電源投入後に実行される初期化処理の終了を待たずに音量設定手段の動作および設定操作によって調整した音量レベルを確認することができ、営業開始前の検査および音量レベルの設定作業を短時間に終了することができる。
なお、この実施例における音量調整スイッチは、遊技機の裏面側に設けられた音量設定器46であっても良いし、遊技機の前面側に設けられた入力操作部25等のスイッチであっても良い。
【0185】
従って、上記実施例における遊技制御手段としての遊技制御装置は、バックアップ電源が供給されて停電発生時にも各種データを記憶可能な記憶手段としてのRAMと、電源投入時に前記記憶手段の記憶内容が正常か否かの判定を行い、記憶内容が正常でないと判定された場合に記憶内容を初期化するとともに、初期化したことを示す初期化報知音の出力をスピーカにより行うための制御指令を送信する制御指令送信手段とを備え、演出制御手段としての演出制御装置は、前記初期化報知音の出力を行うための制御指令を受信したことに基づいて、前記初期化報知音の出力を行い、前記初期化報知音の出力中に、音量設定手段において音量を変更する設定操作が行われた場合には、スピーカの出力音量を該設定操作に基づく音量に変更することとなる。
また、上記実施例における演出制御手段としての演出制御装置は、初期化報知音の出力中に、音量設定手段において音量を変更する設定操作が行われた場合には、該設定操作された後の所定期間のみ、前記スピーカの出力音量を該設定操作に基づく音量に変更することとなる。
【0186】
図31には、遊技中に遊技機前面側のボリュームSW(音量調節スイッチ:入力操作部25)が操作された場合に、スイッチの操作速度に応じて演出制御装置300がスピーカの音量を制御するようにした実施例のタイミングが示されている。
この実施例は、ボリュームSWが連続して操作された場合のようにスイッチの操作速度が速いため各音量レベルの選択時間が予め設定された所定時間よりも短い状態が連続した場合には、実際に操作された回数に応じたレベルよりも高いレベルの音量に設定する一方、各音量レベルの選択時間が所定時間よりも長い場合には、設定操作されたレベルの音量に設定するようにするものである。
【0187】
具体的には、
図31に示されているように、ボリュームSWが連続して操作されている途中のタイミングt32で変動表示ゲームが開始された場合、期間T1の各音量レベルの選択時間T11,T12,T13が所定時間よりも短かったとすると、実際にボリュームSWにより最後に選択されたレベル(図では「4」)よりも1つ高いレベルに音量を設定してスピーカの音量を制御する。また、
図31の期間T2のように、ボリュームSWが連続して操作された際に、最初の操作による選択時間T21は所定時間よりも短かったものの、その後の操作による選択時間T22が所定時間よりも長かった場合には、見込み制御は行わずに、実際に設定操作されたレベルの音量に設定してスピーカの音量を制御する。
【0188】
上記のような音量制御を行うことにより、早く音量を上げたい遊技者は早くスイッチを操作するので、それを検知して高めの音量に設定することより、短時間に所望の音量レベルに到達させることができる。また、音量を少しだけ変更したい遊技者はゆっくりとスイッチを操作するので、見込み制御は行わずに、実際に設定操作されたレベルの音量に設定してスピーカの音量を制御することで、確実に遊技者が望む音量レベルで遊技演出音を出力させることができる。なお、選択時間T12とT13を比較して、T13がT12より短いことを条件に、1つ高いレベルの音量の設定を行うようにしてもよい。これにより、早く音量を上げようとする遊技者による操作をより確実に特定することができる。
【0189】
図32および
図33には、遊技機の前面側と裏面側にそれぞれ音量設定手段としての音量調節スイッチを設けた実施例における演出制御装置300による音量制御の仕方が示されている。なお、
図32および
図33において、「ボリュームSW」は遊技機裏面側の音量設定手段46を意味し、「演出SW」は遊技機前面側の音量調節スイッチ(入力操作部25)を意味している。また、この実施例においては、「ボリュームSW」はスライドスイッチのような、操作されない限り設定音量レベルは固定、つまり物理的な状態で音量レベルが決まるスイッチを想定している。一方、「演出SW」はデフォルト値から操作回数に応じて設定音量レベルが変化する、つまり相対的にレベルが決まるスイッチを想定している。なお、
図32および
図33において、「演出SW」の後に括弧書きで表示装置と記されているのは、表示装置に表示される音量レベルを表すことを意味している。
【0190】
この実施例においては、電源投入後、初めて遊技機の前面側の音量調節スイッチである「演出SW」が操作されるまでは、遊技機裏面側の音量調節スイッチ(音量設定手段46)である「ボリュームSW」の設定を優先し、一旦「演出SW」が操作されると「演出SW」の操作を優先するようにしている。
図32にその具体的な制御の様子が示されている。
図32において、タイミングt42より前の期間T3は「ボリュームSW」の設定が有効な期間であり、タイミングt42より後ろの期間T4は「演出SW」の操作が有効な期間である。期間T3のタイミングt41で、ボリュームSWが操作されて音量レベルが「2」から「4」に変更されたとすると、その設定がスピーカの出力音量レベルに反映され、演出制御装置300は音量レベル「4」で遊技演出音の出力を行うように制御する。また、「ボリュームSW」の設定変更は、表示装置41における音量レベルの表示に反映される(期間T5参照)。
【0191】
また、
図32のタイミングt42で演出SWが操作されて音量レベルが「4」から「2」に変更されたとすると、演出制御装置300は音量レベル「2」で遊技演出音の出力を行うように制御する。
なお、本実施例においては、
図32のt43〜t44の期間のように、電源投入直後は、最大音量もしくはプログラムによるデフォルト値にスピーカの出力音量レベル(
図32では「最大値」)を設定し、立ち上げ中を表す音を出力する。そして、所定時間を経過したタイミングt44で、ボリュームSWの設定に従った音量レベル(
図32では「4」)に変更するようになっている。
上記のように、電源が投入され最初に演出SWが操作されるまでは、ボリュームSWの設定を優先することにより、前日の営業中に遊技者によって遊技機ごとにばらばらに設定された音量レベルをクリアして、開店時にすべての遊技機のスピーカが同一の音量で出力するようにさせることができる。
【0192】
従って、上記実施例における演出制御手段としての演出制御手段は、電源投入時には、スピーカから出力される遊技演出音の音量を、第1音量設定手段としての音量設定器(ボリュームSW)での設定に基づく音量で出力するとともに、電源投入後にあっては、第2音量設定手段としての入力操作部25(演出SW)による設定操作が行われた場合には、第2音量設定手段での設定に基づく音量で出力することとなる。
これにより、電源投入時に遊技機毎に音量が異なることがないので、遊技店の係員は電源投入時に音量を所定の音量に戻す必要がない。また、遊技者は自分の好みの音量を選択することができ、快適な遊技環境で遊技を行うことができる。
【0193】
さらに、遊技機の前面側と裏面側にそれぞれ音量設定手段を設けた本実施例においては、電源投入時のRAMデータの検査でRAMデータが正常であった場合とRAMデータが異常であった場合とで、スピーカの出力音量レベルの設定を変えるようにしている。また、このような制御を可能にするため、演出制御装置内の主制御用マイコン(1stCPU)のRAMにバックアップ電源を供給し、演出SWにより設定された電源遮断直前の音量レベルを記憶保持するようになっている。
具体的には、
図33に示すように、RAMデータが正常であった場合は、電源投入後、電源遮断直前の演出SWにより設定された音量レベル(
図33では「4」)に設定する一方、RAMデータが異常であった場合は、電源投入後、ボリュームSWにより設定されている音量レベル(
図33では「3」)に設定するようにしている。
【0194】
これにより、電源投入後のスピーカの音量から不正が行われたか否かを判断することが可能となる。なお、
図33には示されていないが、
図32と同様に、電源投入後に一旦、最大音量もしくはプログラムによるデフォルト値にスピーカの出力音量レベルを設定してから、RAMの正常/異常に応じて音量レベルを演出SWの設定またはボリュームSWの設定に変更するように制御しても良い。
また、遊技中に停電が発生した場合に、音量レベルの再設定を行う必要がなく、停電復旧後も電源断前に設定された音量レベルで遊技を行うことができる。
【0195】
従って、上記実施例における演出制御手段としての演出制御手段は、第2音量設定手段としての入力操作部25(演出SW)により設定された音量値を電源が遮断されている間も記憶する記憶手段としてのRAMを備え、電源投入時に前記記憶手段が初期化された場合には、スピーカから出力される遊技演出音の音量を、第1音量設定手段としての音量設定器(ボリュームSW)での設定に基づく音量で出力するとともに、電源投入時に記憶手段としてのRAMが初期化されなかった場合には、記憶手段に記憶されている音量値に基づく音量で出力することとなる。
これにより、遊技店の係員は電源投入後のスピーカの音量から不正が行われたか否かを判断することが可能となる。また、電源投入時に記憶手段としてのRAMのデータが正常である場合は、記憶手段に記憶されている音量に設定されるため、遊技者が毎回の好みの音量を選択する必要がなく、快適な遊技環境を維持できる。
【0196】
図34には、上記実施例の遊技機に対して情報収集端末装置410(遊技場管理装置600)から音量規制信号が入力された場合の演出制御装置300による音量制御の仕方が示されている。なお、
図34において、「ボリュームSW」は遊技機裏面側の音量設定器46または遊技機前面側の音量調節スイッチ(入力操作部25)のいずれであってよい。
この実施例においては、音量設定手段である「ボリュームSW」が5段階のレベル(0を除く)のうち第4レベル「4」に設定されている状態で、タイミングt0のように、音量規制信号が入力(ハイレベルに変化)されると、演出制御装置300は、その直後のフレーム更新タイミングt1で、1stCPU311から音源LSI314へ「音量規制コマンド」を送信する。すると、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「4」から「0」に変更され、音量規制が開始される。
【0197】
そして、この音量規制制御中に、
図34のタイミングt2のように、エラーが発生したとすると、その直後のフレーム更新タイミングt3で、1stCPU311から音源LSI314へ「エラー音開始コマンド」が送信される。すると、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「0」から最大レベルの「5」に変更され、最大音量でエラー音の出力が開始される。このエラー音の出力期間T1中は「ボリュームSW」により音量を下げる操作が無効とされる。つまり、タイミングt4のように、「ボリュームSW」が音量を下げる方向に操作されたとしても音源LSI314へ制御コマンドが送信されることがない。ただし、音量を上げる操作は有効とされる。
エラー状態が回復すると、回復タイミングt5の直後のフレーム更新タイミングt6で、1stCPU311から音源LSI314へ「エラー音停止コマンド」が送信される。すると、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「5」から「0」に変更され、エラー音の出力が停止される。
【0198】
その後、タイミングt7のように、音量規制信号がなくなる、つまりハイレベルからロウレベルに変化したとすると、直後のフレーム更新タイミングt8で、1stCPU311から音源LSI314へ「音量規制終了コマンド」が送信される。すると、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「0」から元の「4」に変更され、音量規制が終了される。演出制御装置300は音量レベル「4」で遊技演出音の出力を行うように制御する。
そして、音量規制が終了すると、その後は、タイミングt9のように、「ボリュームSW」が音量を下げる方向に操作されると、直後のフレーム更新タイミングt10で、設定された音量レベル(
図34では「1」)に変更されて、スピーカ19a,19bは設定後の「1」に対応するレベルの音を出力する。
【0199】
上記のように、この実施例の遊技機は、情報収集端末装置410(遊技場管理装置600)から音量規制信号が入力されると、スピーカの音量が「0」にされる。また、音量規制中であっても、エラーが発生すると最大音量でエラー報知音が出力されるため、遊技場の店員や遊技者はエラーが発生したことを認知することができる。また、音量規制の開始と終了およびエラー報知の開始と終了がそれぞれフレーム更新タイミングで行われるため、遊技者に違和感(表示と音のずれ)を与えることがないという利点がある。なお、エラー報知の終了はフレーム更新と同期させるが、エラー報知開始は、点線で示すようにフレーム更新と同期させずに直ちに行うようにしても良い。これにより、エラーが発生すると直ちにこれを報知することができる。
なお、
図34のような制御は、前述した
図26〜
図28や
図30〜
図33の制御と組み合わせて実行することも可能である。
【0200】
以上の説明から、上記実施例には、遊技演出音を出力可能なスピーカと、識別情報を変動表示可能な表示装置と、前記スピーカから出力される遊技演出音の音量を、所定の設定操作により変更可能な音量設定手段と、遊技の進行を管理する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記表示装置における表示の制御を行うとともに、前記スピーカに出力する遊技演出音の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示装置に表示する描画データをフレームバッファに格納し、所定のフレーム更新タイミングとなった場合に、前記フレームバッファに格納された前記描画データに基づいて前記表示装置で表示可能な表示データを生成して出力する表示制御手段と、所定の事象に基づいて遊技機に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、前記異常が解消されたことを検出する異常解消検出手段と、遊技機の外部から送信される音量規制信号を受信する音量規制信号受信手段と、を備えるとともに、
前記スピーカの出力音量を、前記音量設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、前記音量規制信号受信手段が前記音量規制信号を受信した場合には、前記スピーカから出力される前記遊技演出音の音量を、前記音量設定手段の設定に基づかない所定の第1音量に設定するようにし、
前記異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、前記所定の第1音量に設定されているか否かに拘わらずに、前記音量設定手段による設定に基づかない前記第1音量よりも大きな所定の第2音量で、異常報知音をフレーム更新タイミングに同期して前記スピーカより出力させるようにし、前記異常解消検出手段により異常が解消されたことを検出した場合には、前記異常報知音をフレーム更新タイミングに同期して停止させるようにした発明が含まれることが分かる。
【0201】
そして、かかる発明によれば、異常が検出された場合に、音量設定手段による設定にかかわらず所定の音量で異常報知を行うので、音量設定手段によってスピーカの出力が比較的小さな音量に設定されていたとしても、所定の音量で報知することで、遊技機において異常が発生したことを確実に認識させることができるとともに、異常報知音を表示装置の表示と同期して出力させるようにしたので、違和感のない異常報知を行うことができる。
また、遊技機の異常が解消されたことを検出した場合には異常報知音による報知を表示装置の表示と同期して停止させるようにしたので、異常報知から遊技演出音への復帰を違和感なく行うことができる。
さらに、遊技機の外部に設けられた管理装置(ホールコンピュータ)等から音量規制信号を出力することで遊技機の音量を一斉に下げることができるようになり、災害等の発生を知らせる緊急アナウンスを報知した場合に、遊技者が遊技演出音によって緊急アナウンスを聞き逃してしまうといった事態が生じるのを避けることができる。
【0202】
また、上記実施例には、遊技演出音を出力可能なスピーカと、識別情報を変動表示可能な表示装置と、前記スピーカから出力される遊技演出音の音量を、所定の設定操作により変更可能な音量設定手段と、遊技の進行を管理する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記表示装置における表示の制御を行うとともに、前記スピーカに出力する遊技演出音の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示装置に表示する描画データをフレームバッファに格納し、所定のフレーム更新タイミングとなった場合に、前記フレームバッファに格納された前記描画データに基づいて前記表示装置で表示可能な表示データを生成して出力する表示制御手段と、所定の事象に基づいて遊技機に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、前記異常が解消されたことを検出する異常解消検出手段と、遊技機の外部から送信される音量規制信号を受信する音量規制信号受信手段と、を備えるとともに、
前記スピーカの出力音量を、前記音量設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、前記音量規制信号受信手段が前記音量規制信号を受信した場合には、前記スピーカから出力される前記遊技演出音の音量を、前記音量設定手段の設定に基づかない所定の第1音量に設定するようにし、
前記異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、前記所定の第1音量に設定されているか否かに拘わらずに、前記音量設定手段による設定に基づかない前記第1音量よりも大きな所定の第2音量で、異常報知音をフレーム更新タイミングに関係なく前記スピーカより出力させるようにした発明が含まれることが分かる。
【0203】
そして、かかる発明によれば、異常が検出された場合に、音量設定手段による設定にかかわらず所定の音量で異常報知を行うので、音量設定手段によってスピーカの出力が比較的小さな音量に設定されていたとしても、所定の音量で報知することで、遊技機において異常が発生したことを確実に認識させることができるとともに、異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、異常報知音をフレーム更新タイミングに関係なくスピーカより出力させるようにしたので、遊技機に異常が発生したことを直ちに報知することができる。
また、遊技機の外部に設けられた管理装置(ホールコンピュータ)等から音量規制信号を出力することで遊技機の音量を一斉に下げることができるようになり、災害等の発生を知らせる緊急アナウンスを報知した場合に、遊技者が遊技演出音によって緊急アナウンスを聞き逃してしまうといった事態が生じるのを避けることができる。
【0204】
図35および
図36には、遊技機の前面側と裏面側にそれぞれ音量設定手段としての音量調節スイッチを設けた実施例における演出制御装置300による音量制御の他の実施例が示されている。なお、
図35においては、
図32や
図33の場合と同様に、「ボリュームSW」は遊技機裏面側の音量設定手段46を意味し、「演出SW」は遊技機前面側の音量調節スイッチ(入力操作部25)を意味している。
また、
図35において、「演出SW」の後に括弧書きで表示装置と記されているのは、遊技機前面側の表示装置41に表示される音量レベルを表す画像が表示されることを意味しており、
図36に、表示装置41における音量レベルを表示画像例が示されている。
【0205】
この実施例は、遊技機裏面側の音量調節スイッチ(音量設定器46)である「ボリュームSW」の設定を上限として、前面側の「演出SW」の操作による音量レベルの設定を可能にするものである。また、音量設定器46が有効にされるかまたは設定が変更されると表示装置41に、
図36に示すような音量レベルの表示を行う。入力操作部25の演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bの操作により、音量設定モードが設定された場合にも
図36に示すような音量レベルの表示を行う。そして、この音量レベルの表示においては、音量設定器46である「ボリュームSW」の設定状態に応じた表示、すなわち、そのときの音量設定器46の設定が例えば「4」であれば、
図36(A)のように、最大音量レベルが「4」までであることが分かるように表示し、音量設定器46の設定が例えば「3」であれば、
図36(B)のように、最大音量レベルが「3」までであることが分かるように表示する。
【0206】
次に、本実施例における具体的な音量調節制御の例について、
図35を用いて説明する。
図35においては、タイミングt0で遊技機裏面側の音量調節スイッチ(音量設定器46)である「ボリュームSW」の設定が「2」から「4」へ変更されている。すると、演出制御装置300は、その直後のフレーム更新タイミングt1で、1stCPU311から音源LSI314へ「音量制御コマンド」を送信する。これにより、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「2」から「4」に変更され、その後、音源LSI314は音量レベル「4」でスピーカを駆動する信号を出力する。
図35の期間T2は「ボリュームSW」の設定が「4」である期間であり、この期間T2内に、
図36(A)のような表示を見ながら「演出SW」を操作して、例えば
図35のタイミングt2で、音量レベルを「4」から「2」に変更したとすると、その設定がスピーカの出力音量レベルに反映され、その後、演出制御装置300は音量レベル「2」で遊技演出音の出力を行うように制御する。なお、この「演出SW」の操作による音量レベルの設定変更は、タイミングt3のようにフレーム更新に同期して行われる。
【0207】
さらに、本実施例においては、最新の音量調節スイッチの設定が優先される。例えば、上記期間T2のような音量設定状態において、遊技機裏面側の音量設定器46(
図35のボリュームSW)が操作されて、タイミングt4で音量設定が「4」から「3」へ変更されたとすると、「演出SW」の操作による音量レベル(図では「2」)にかかわらず、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「2」から「3」に変更される。この変更もフレーム更新に同期して行われる(タイミングt5)。また、この状態において、遊技機前面側の入力操作部25(
図35の「演出SW」)が操作されて、タイミングt6で音量設定が「3」から「0」へ変更されたとすると、「ボリュームSW」の設定による音量レベル(図では「3」)にかかわらず、スピーカ19a,19bの出力音量レベルが「3」から「0」に変更される。そして、この変更もフレーム更新に同期して行われる(タイミングt7)。
【0208】
なお、
図35には、エラーが発生した場合の音量制御についても示されている。この実施例では、タイミングt8のように、エラーが発生すると直ちに最大音量レベル「5」でエラー報知音を出力するように制御される。一方、エラーが回復したときは、次のフレーム更新に同期してエラー発生前の設定音量レベルで演出音を出力するように制御される(タイミングt9)。従って、緊急性のあるエラーが発生した場合には遊技場の店員や遊技者はエラーが発生したことを直ちに認知することができるとともに、緊急性がないエラー回復時にはフレーム更新に同期してエラー発生前の設定音量レベルで演出音を出力することで、遊技者に違和感を与えるのを防止することができる。なお、エラー報知音の出力開始もフレーム更新タイミングに同期して行うようにしてもよい。これにより、違和感のない報知が可能となる。
なお、
図35のような制御は、前述した
図26〜
図28や
図30〜
図33、
図34の制御と組み合わせて実行することも可能である。
【0209】
以上の説明から、上記実施例には、遊技演出音を出力可能なスピーカと、識別情報を変動表示可能な表示装置と、前記スピーカから出力される遊技演出音の音量を、所定の設定操作により変更可能な音量設定手段と、遊技の進行を管理する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記表示装置における表示の制御を行うとともに、前記スピーカに出力する遊技演出音の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記音量設定手段は、遊技機の裏面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作不可能な第1音量設定手段としての音量設定器と、遊技機の前面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作可能な第2音量設定手段としての入力操作部(音量調節スイッチ)とを含み、
前記演出制御手段は、
前記表示装置に表示する描画データをフレームバッファに格納し、所定のフレーム更新タイミングとなった場合に、前記フレームバッファに格納された前記描画データに基づいて前記表示装置で表示可能な表示データを生成して出力する表示制御手段と、所定の事象に基づいて遊技機に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、前記異常が解消されたことを検出する異常解消検出手段と、を備えるとともに、前記スピーカの出力音量を、前記音量設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、
前記第2音量設定手段による音量の設定操作では、前記第1音量設定手段で設定された音量を前記第2音量設定手段で設定可能な音量の上限とし、該上限以下の音量が設定可能に構成され、
前記異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、前記音量設定手段による設定に基づかない所定の音量で異常報知音をフレーム更新タイミングに同期して前記スピーカより出力させるとともに、前記異常解消検出手段により異常が解消されたことを検出した場合には、前記異常報知音をフレーム更新タイミングに同期させて停止させるようにした発明が含まれることが分かる。
【0210】
かかる発明によれば、異常が検出された場合に、音量設定手段による設定にかかわらず所定の音量で異常報知を行うので、音量設定手段によってスピーカの出力が比較的小さな音量に設定されていたとしても、所定の音量で報知することで、遊技機において異常が発生したことを確実に認識させることができるとともに、異常報知音を表示装置の表示と同期して出力させるようにしたので、違和感のない異常報知を行うことができる。
また、遊技機の前面と裏面にそれぞれ音量設定手段を設けたとしても、遊技機の前面遊技者が操作可能な音量設定手段による音量変更は、遊技機の裏面に設けられた音量設定手段で設定された音量の範囲で変更できるように制限されることにより、災害等の発生を知らせる緊急アナウンスを報知した場合に、遊技者が遊技演出音によって緊急アナウンスを聞き逃してしまうといった事態が生じるのを避けることができる。
【0211】
さらに、以上の説明から、上記実施例には、遊技演出音を出力可能なスピーカと、識別情報を変動表示可能な表示装置と、前記スピーカから出力される遊技演出音の音量を、所定の設定操作により変更可能な音量設定手段と、遊技の進行を管理する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記表示装置における表示の制御を行うとともに、前記スピーカに出力する遊技演出音の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記音量設定手段は、遊技機の裏面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作不可能な第1音量設定手段としての音量設定器と、遊技機の前面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作可能な第2音量設定手段としての入力操作部(音量調節スイッチ)とを含み、
前記演出制御手段は、
前記表示装置に表示する描画データをフレームバッファに格納し、所定のフレーム更新タイミングとなった場合に、前記フレームバッファに格納された前記描画データに基づいて前記表示装置で表示可能な表示データを生成して出力する表示制御手段と、所定の事象に基づいて遊技機に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、前記異常が解消されたことを検出する異常解消検出手段と、を備えるとともに、前記スピーカの出力音量を、前記音量設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、
前記第2音量設定手段による音量の設定操作では、前記第1音量設定手段で設定された音量を前記第2音量設定手段で設定可能な音量の上限とし、該上限以下の音量が設定可能に構成され、
前記異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、前記音量設定手段による設定に基づかない所定の音量で異常報知音をフレーム更新タイミングに関係なく前記スピーカより出力させるとともに、前記異常解消検出手段により異常が解消されたことを検出した場合には、前記異常報知音をフレーム更新タイミングに同期させて停止させるようにした発明が含まれることが分かる。
【0212】
かかる発明によれば、異常検出手段によって異常の発生が検出された場合には、異常報知音をフレーム更新タイミングに関係なく前記スピーカより出力させるようにしたので、遊技機に異常が発生したことを直ちに報知することができる。一方、遊技機の異常が解消されたことを検出した場合には異常報知音による報知を表示装置の表示と同期して停止させるようにしたので、異常報知から遊技演出音への復帰を違和感なく行うことができる。
また、遊技機の前面と裏面にそれぞれ音量設定手段を設けたとしても、遊技機の前面遊技者が操作可能な音量設定手段による音量変更は、遊技機の裏面に設けられた音量設定手段で設定された音量の範囲で変更できるように制限されることにより、災害等の発生を知らせる緊急アナウンスを報知した場合に、遊技者が遊技演出音によって緊急アナウンスを聞き逃してしまうといった事態が生じるのを避けることができる。
【0213】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、遊技機の前面に設けられた演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを音量設定手段として兼用するようにしているが、専用の音量調節スイッチを設けるようにしてもよい。また、遊技機の前面の音量調節スイッチは、スライド式の設定スイッチあるいはダイヤル式の設定スイッチのようなものであっても良い。
【0214】
また、前記実施形態では、表示装置41とは別個に本来の変動表示ゲームを実行する特図表示器51,52を設けて表示装置41では飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしたものを説明したが、特図表示器51,52を設けずに表示装置41で本来の変動表示ゲームを実行するように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。