特許第6149626号(P6149626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6149626
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】半透膜による水処理方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20170612BHJP
   B01D 61/00 20060101ALI20170612BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   C02F1/44 D
   B01D61/00 500
   B01D61/58
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-189282(P2013-189282)
(22)【出願日】2013年9月12日
(65)【公開番号】特開2015-54292(P2015-54292A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085109
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 政浩
(72)【発明者】
【氏名】功刀 亮
(72)【発明者】
【氏名】辻 猛志
(72)【発明者】
【氏名】渕上 浩司
(72)【発明者】
【氏名】藤原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 江梨
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/148864(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 61/00
B01D 61/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤と、前記界面活性剤よりもHLB値が低い非イオン性界面活性剤もしくは脂肪酸もしくはアルコール、またはそれらの混合物とを混合し、平均のHLB値が〜16である温度感応性混合物を誘引物質に用いることにより曇点を80℃以下に調節した誘引溶液を半透膜を介して被処理水と接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る順浸透工程と、前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で凝集した温度感応性混合物を含む希釈誘引溶液を、温度感応性混合物の凝縮した下層液と水を主体とする上層液とに相分離する相分離工程と、前記相分離工程で分離された下層液を前記誘引溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記順浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する冷却工程と、前記相分離工程で分離された上層液を膜処理し、膜ろ過水を得る膜処理工程を有することを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
前記膜処理工程で得られる膜濃縮水を前記相分離工程へ循環することを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
相分離工程において分離された分離液の顕熱を加温工程における熱源として使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理方法。
【請求項4】
順浸透工程において得られた希釈誘引溶液を冷却工程における冷熱源として使用することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水、かん水などの被処理水から淡水を製造する水処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費にコストがかかるという問題点がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より高濃度の塩溶液を接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの塩溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する方法が開発されている。(特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液をイオン交換膜や蒸留塔等を用いてアンモニウムイオンと炭酸イオンを個別に分離して浄水を得るとともに、分離したアンモニウムイオンと炭酸イオンを該塩溶液に溶解して半透膜の元の部屋に戻す方法である。
【0004】
特許文献2の方法は、曇点を有する溶質を用いた誘引溶液を用いており、図3に示すように、海水21を順浸透システム30に送って、そこで半透膜を介して誘引溶液24と接触させて海水21中の水を浸透圧により半透膜を透過させて誘引溶液22へ移動させる。水が誘引溶液に移動して残った濃縮海水22は順浸透システム30から流出する。一方、海水中の水で希釈された希釈誘引溶液25は加熱器を備えた沈殿システム34に送られ、そこで相分離あるいは沈殿を生じた希釈誘引溶液はポンプ37で加圧されてろ過システム32に送られる。その際、溶質の曇点より低い温度の液29を添加することができる。ろ過システム32で濃縮された誘引溶液24は順浸透システム30に返送される。一方、ろ過された膜ろ過水28は後処理部33でさらに精製されて飲料水となる。曇点を有する溶質にはポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールが使用され、ろ過システムのろ材にはナノろ過膜や逆浸透膜が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−83663号公報
【特許文献2】米国特許第2010/0155329A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法では、誘引物質(例えば炭酸アンモニウム)の分離、回収を蒸発法で行うが、その際、アンモニアおよび同伴する水分の蒸発潜熱が多大で、膨大なエネルギーを要しコストも高い。さらに、蒸発設備サイズが極めて大きく、大量(例えば10万m/日)の飲料水製造には不向きである。また、投入エネルギーが大きいため熱交換器のサイズも大きくなり、大量処理には不向きである。さらに、炭酸アンモニウムを用いる場合にはFO膜からのバックフローによって膜濃縮水を介して環境中に漏洩する誘引物質が窒素を含むため、富栄養化の原因となる。
【0007】
特許文献2の方法は、誘引溶液の温度感応性を利用して誘引物質の一部を凝集させることにより、膜ろ過エネルギーを低減させることができる。しかしながら、誘引溶液が凝集する温度(転移温度、曇点)を調整することは特許文献2には示されていない。
【0008】
本発明者は、海水から淡水を製造した場合に、この淡水が飲料水などに使用されることに鑑み、健康の問題を考慮して誘引物質に食品添加物であるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることを考えたが、ポリグリセリン脂肪酸エステルは曇点が高く、FO膜による水処理システムで利用可能な80℃以下では凝集が起こらない。
【0009】
本発明の目的は、順浸透(FO)膜を用いた淡水の製造方法において、誘引物質に各種の物質を使用できる水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意の結果、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤と、この界面活性剤よりもHLB値が低い非イオン性界面活性剤もしくは脂肪酸もしくはアルコールまたはそれらの混合物とを混合して得られる平均のHLB値が9〜16である温度感応性混合物を誘引物質に用いることにより誘引溶液が凝集する温度をコントロールして、各種の物質を順浸透法を用いた水処理に適用できることを見出し、本発明を実感するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤と、前記界面活性剤よりもHLB値が低い非イオン性界面活性剤もしくは脂肪酸もしくはアルコール、またはそれらの混合物とを混合し、平均のHLB値が9〜16である温度感応性混合物を水に溶解した誘引溶液を半透膜を介して被処理水と接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る順浸透工程と、前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で凝集した温度感応性混合物を含む希釈誘引溶液を、温度感応性混合物の凝縮した下層液と水を主体とする上層液とに相分離する相分離工程と、前記相分離工程で分離された下層液を前記誘引溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記順浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する冷却工程と、前記相分離工程で分離された上層液を膜処理し、膜ろ過水を得る膜処理工程を有することを特徴とする水処理方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、順浸透法で使用される誘引溶液の凝集温度を調整して、各種物質を誘引物質として使用することができる。この誘引物質として、例えば食品添加物を使用すれば健康上安心できる淡水を被処理水から製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施態様を模式的に示すブロック図である。
図2】実施例と比較例で使用した誘引溶液の曇点を示す図である。
図3】公知の水処理方法の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に本発明の一実施態様を模式的に示す。
【0015】
本発明の方法で処理される被処理水は水を溶媒とする溶液であり、海水、かん水などである。かん水は、シェールガス、オイルサンド、CBM(炭層メタン)、石油等を採掘する坑井からの随伴水も含まれる。
【0016】
随伴水は、坑井からの採掘目的物に同伴して排出される水であり、塩分、有機物、懸濁物などを含んでいる。汚濁物質の濃度としては、例えば蒸発残留物(主にNa+、K+、Ca2+、Cl-、SO42-など)が1,000〜100,000mg/L、有機物(油分や添加した薬剤など)がTOCとして10〜1,000mg/L、懸濁物質が100〜10,000mg/Lといった範囲で含有される。
【0017】
油分と随伴水の分離手段は問わないが、例えば沈降などで油水分離が行われている。
【0018】
ろ過工程
図1に示していないが、被処理水を必要によりまずろ過処理する。このろ過処理は精密膜ろ過膜を用いた濾過器で行い、ろ過膜は、精密ろ過膜として使用されている通常の膜を使用することができる。例えば、酢酸セルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニルなどの外、セラミック製の膜や多孔質ガラス製の膜なども利用できる。精密膜ろ過処理では、精密ろ過膜を通過した膜ろ過水と、膜を通過しないで残った膜濃縮水が得られる。
精密膜ろ過のほか、限外膜ろ過、砂ろ過等のろ過処理が用いられる。限外膜ろ過の材質は精密膜ろ過と同様のものが用いられる。
【0019】
順浸透工程
順浸透工程は、ろ過処理した被処理水と、温度感応性物質を水に溶解した高浸透圧の誘引溶液を半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る工程である。
【0020】
温度感応性物質は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、本現象は、LCST(下限臨界溶液温度)型相分離として知られ、水溶性〜水不溶性に変化する温度が曇点と呼ばれる。
【0021】
本発明では、この温度感応性物質に、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤と、前記界面活性剤よりもHLB値が低い非イオン性界面活性剤もしくは脂肪酸もしくはアルコール、またはそれらの混合物とを混合し、平均HLB値が9〜16である温度感応性混合物を用いるところに特徴がある。
【0022】
HLB値10以上の界面活性剤は、ポリグリセリンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどである。好ましいHLB値は12〜17である。
【0023】
前記界面活性剤よりもHLB値が低い非イオン性界面活性剤は、ソルビタンモノカプリレート、グリセリンモノカプリレートなどである。
【0024】
それらの混合物は、上記のものの2種以上の混合物であり、非イオン性界面活性剤と脂肪酸などの組合せのほか、2種以上の非イオン性界面活性剤などの組合せも含まれる。
【0025】
これらのもののHLB値は前記界面活性剤より低ければよく、そのなかから温度感応性混合物の平均のHLB値が9〜16になるように選択される。
【0026】
そして、この温度感応性混合物は、曇点がFO膜による水処理システムで利用しうるよう80℃以下、好ましくは30〜80℃、より好ましくは35〜50℃になるように配合される。例えば、HLB値が16.0のポリグリセリンモノラウレートにHLB値が9.6のソルビタンモノカプリレートを混合する場合は、混合比を重量比で前者1に対し後者が0.5〜1.5程度とすることが好ましい。
【0027】
誘引溶液は、この温度感応性混合物を水に溶解した濃度が、高浸透圧が得られるようなるべく高濃度にするのがよく、浸透圧は被処理液の浸透圧より十分に高くなければならない。
【0028】
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、順浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
【0029】
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱形の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に膜ろ過水を流し、他方の室に誘引溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることができる。
【0030】
順浸透工程で被処理水を半透膜を介して誘引溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って誘引溶液に移動する。
【0031】
加温工程
順浸透工程で被処理水から水が移動して希釈された希釈誘引溶液を曇点以上の温度まで加温して、温度感応性混合物の少なくとも一部を凝集させる。この凝集は、温度感応性混合物の濃厚溶液が相分離したものである。
【0032】
この加温工程の熱源には、次の相分離工程で分離された分離液の顕熱を使用することが好ましい。
【0033】
相分離工程
前記加温工程で凝集した温度感応性混合物を含む希釈誘引溶液を温度感応性混合物の凝集した下層液と水を主体とする上層液に相分離する。この相分離は曇点以上の液温で相分離槽内で静置することによって行うことができる。その外、重液と軽液に分離するスーパーデカンターのような遠心分離機などを用いて行うこともできる。
【0034】
冷却工程
前記相分離工程で分離された下層液は前記誘引溶液の曇点より低い温度に冷却することで水に溶解させて誘引溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。この冷却熱源としては、被処理水あるいは順浸透工程において得られた希釈誘引溶液を用いることがエネルギーの効率利用の点で好ましい。
【0035】
再生した誘引溶液はそのまま循環使用できる。
【0036】
膜処理工程
一方、前記相分離工程で分離された上層液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで膜ろ過して、そこに残存している温度感応性混合物を除去する。膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った膜濃縮水は、温度感応性混合物が含まれているので、相分離工程に循環するのがよい。あるいは、濃縮して誘引溶液として順浸透工程に直接返送することもできる。
【0037】
一方、順浸透工程で得られた膜濃縮水は塩分を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩分を析出させて分離し、有効利用することができる。
【0038】
この本発明の方法を図1に模式化して示す。同図に示すように、海水等の被処理水1は順浸透膜装置10に送入され、半透膜3を通して水が反対側の室に透過されて残った膜濃縮水が排出される。順浸透膜装置10の反対側の室には誘引溶液4が流入しており、そこで半透膜3を介して被処理水1と向流接触して被処理水1から移行した水で希釈されて順浸透膜装置10を出る。順浸透膜装置10を出た希釈誘引溶液5は、熱交換器16を通って、相分離された下層液7と熱交換して加温され、加熱器14でさらに加温されて相分離装置11に入る。
【0039】
相分離装置11で分離された上層液6は膜ろ過装置12でろ過され、得られた膜ろ過水8は活性炭等の後処理装置13でさらに精製されて精製水を得る。膜ろ過装置12でろ過されなかった膜濃縮水9は相分離装置11に返送されて希釈誘引溶液とともに相分離される。
【0040】
一方、相分離装置11で分離された下層液7は、熱交換器16を経て冷却器15で冷却されて、誘引溶液4として順浸透装置10に返送される。
【実施例】
【0041】
図1に示す装置を用いた。順浸透膜装置10の半透膜には酢酸セルロース製FO膜を、膜ろ過装置13にはナノろ過膜をそれぞれ使用した。
【0042】
誘引溶液には、HLB値が16.0のポリグリセリンモノラウレート1に対し、HLB値が9.6のソルビタンモノカプリレートを重量比1.0(混合剤1)または0.78(混合剤2)の割合で混合した。この混合剤1(HLB値12.8)と混合剤2(HLB値13.2)と、比較例としてポリグリセリンモノラウレート単独の、それぞれについて温度と光透過率の関係を測定した結果を図2に示す。この図からわかるように、混合剤1の曇点は59℃、混合剤2の曇点は55℃であり、比較例の場合は70℃以上であった。
【0043】
UF膜により前処理した海水を被処理水1として順浸透膜装置10に3L/分の流速で流入させた。誘引溶液4には混合剤2を用いた。膜透過水の量は1.5L/分であり、順浸透膜装置10から流出する希釈誘引溶液5の量は3.8L/分であった。この稀釈誘引溶液5は熱交換器16を経て加熱器14で60℃に加温し、相分離装置11に流入させた。相分離装置11では温度感応性混合物が凝集し、濃度90重量%の下層液7と5%の上層液6に相分離した。下層液7は熱交換器16を経て冷却器15で40℃に冷却し、再び順浸透膜装置10に流入させた。上層液6は膜ろ過装置12に導入し、膜ろ過水8と膜濃縮水9に分離した。膜濃縮水9は再び相分離装置11へ流入させた。膜ろ過水8は後処理装置13を経て1.5L/分の淡水を獲た。この淡水は飲料水として使用可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の方法は、海水から淡水の製造や、坑井からの随伴水の処理などに広く利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 被処理水
2 膜濃縮水
3 半透膜
4 誘引溶液
5 希釈誘引溶液
6 上層液
7 下層液
8 膜ろ過水
9 膜濃縮水
10 順浸透膜装置
11 相分離装置
12 膜ろ過装置
13 後処理装置
14 加熱器
15 冷却器
16 熱交換器
図1
図2
図3