【文献】
寺島芳樹,宅内HEMSに用いるECHONET Lite通信技術,東芝レビュー,日本,株式会社東芝,2012年11月 1日,Vol.67 No.11,pp.37-40
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動作制御部は、災害が発生すると、さらに、前記各電気機器の消費電力の合計が前記電力管理情報に基づく節電目標を達成するように、前記各電気機器の動作内容を変更する、請求項3に記載の機器管理装置。
前記動作制御部は、前記各電気機器に付与される前記優先度または前記優先順位の複数のパターンのうち、災害の状況に応じたパターンにおける前記各電気機器の優先度または優先順位に従って、前記各電気機器の動作内容を変更し、
前記電気機器には、電気給湯器がさらに含まれ、
地震が発生した場合における前記蓄電池の優先度または優先順位は、前記電気給湯器と比べて低く設定されており、
気象災害が発生した場合における前記蓄電池の優先度または優先順位は、前記電気給湯器と比べて高く設定されている、請求項3または請求項4に記載の機器管理装置。
前記動作制御部は、災害が収束すると、前記電気機器の動作内容を、災害が発生していない場合の動作内容に変更する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の機器管理装置。
前記目標設定部は、災害が発生すると、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の災害時における動作の必要性に応じて付与された前記機器管理装置の優先度または優先順位に従って、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更し、
前記共用エリアに対応する前記機器管理装置の優先度または優先順位は、災害が発生していない場合において、前記世帯に対応する前記機器管理装置と比べて低くなるように設定されており、災害が発生した場合において、前記世帯に対応する前記機器管理装置と比べて高くなるように設定されている、請求項7に記載の統合機器管理装置。
前記目標設定部は、災害が発生すると、さらに、前記機器管理装置の制御対象である全ての前記電気機器の消費電力の合計が、前記電力管理情報に基づく全ての前記電気機器を対象とした全体目標を達成するように、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更する、請求項9に記載の統合機器管理装置。
前記目標設定部は、災害が収束すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を、災害が発生していない場合の節電目標に変更する、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の統合機器管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0020】
(1)本発明の実施の形態に係る機器管理装置は、電力消費に関する電力管理情報を取得する電力管理情報取得部と、前記電力管理情報に基づいて、電気機器に省電力動作を行わせることが可能な動作制御部とを備え、前記動作制御部は、災害が発生すると、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更する。
【0021】
このような構成により、災害時には、省電力動作中の電気機器の動作内容を変更することにより、当該電気機器の動作の制限を平時における当該電気機器の動作の制限よりも緩和させることが可能であるため、電気機器の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0022】
(2)好ましくは、前記動作制御部は、災害が発生すると、前記電気機器の前記省電力動作を解除する。
【0023】
このような構成により、災害時には、利用者が任意の設定で電気機器を動作させることができるため、緊急事態において利用者が当該電気機器をより自由に利用することができる。
【0024】
(3)好ましくは、前記機器管理装置は、複数の前記電気機器の動作を制御し、前記動作制御部は、災害が発生すると、災害時における前記電気機器の動作の必要性に応じて付与された優先度または優先順位に従って、前記各電気機器の動作内容を変更する。
【0025】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器ほど、利用者が自由に利用可能となるように各電気機器の動作内容を変更することができるため、電気機器の省電力動作をより一層適切に制御することができる。
【0026】
(4)より好ましくは、前記動作制御部は、災害が発生すると、さらに、前記各電気機器の消費電力の合計が前記電力管理情報に基づく節電目標を達成するように、前記各電気機器の動作内容を変更する。
【0027】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器の動作の制限を緩和した場合であっても、他の電気機器の動作を平時よりも制限することにより、複数の電気機器による消費電力の合計が増大することを抑えることができる。
【0028】
(5)より好ましくは、前記動作制御部は、前記各電気機器に付与される前記優先度または前記優先順位の複数のパターンのうち、災害の状況に応じたパターンにおける前記各電気機器の優先度または優先順位に従って、前記各電気機器の動作内容を変更する。
【0029】
このように、たとえば、地震災害時と気象災害時とで各電気機器の動作の制限内容を変更する構成により、災害の状況に応じたより適切な制御を行うことができる。
【0030】
(6)好ましくは、前記動作制御部は、災害が収束すると、前記電気機器の動作内容を、災害が発生していない場合の動作内容に変更する。
【0031】
このような構成により、災害が収束した場合に、災害時に変更された電気機器の動作内容を、たとえば、平時における省電力動作に自動的に戻すことができる。
【0032】
(7)本発明の実施の形態に係る統合機器管理装置は、電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置、の管理を行う統合機器管理装置であって、電力消費に関する電力管理情報を取得する電力管理情報取得部と、前記電力管理情報に基づいて、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の消費電力の節電目標を、前記機器管理装置ごとに設定する目標設定部とを備え、前記目標設定部は、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更する。
【0033】
このような構成により、災害時には、ある機器管理装置の節電目標を平時における節電目標よりも低く設定することにより、当該機器管理装置により制御される電気機器の動作の制限を平時における当該電気機器の動作の制限よりも緩和させることが可能であるため、電気機器の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0034】
(8)好ましくは、前記目標設定部は、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を解除する。
【0035】
このような構成により、災害時には、利用者が任意の設定で電気機器を動作させることができるため、緊急事態において利用者が当該電気機器をより自由に利用することができる。
【0036】
(9)好ましくは、前記目標設定部は、災害が発生すると、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の災害時における動作の必要性に応じて付与された前記機器管理装置の優先度または優先順位に従って、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更する。
【0037】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器ほど、利用者が自由に利用可能となるように、当該電気機器の動作を制御する機器管理装置の節電目標を変更できるため、電気機器の省電力動作をより一層適切に制御することができる。
【0038】
(10)より好ましくは、前記目標設定部は、災害が発生すると、さらに、前記機器管理装置の制御対象である全ての前記電気機器の消費電力の合計が、前記電力管理情報に基づく全ての前記電気機器を対象とした全体目標を達成するように、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更する。
【0039】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器の動作の制限が緩和されるように、当該電気機器の動作を制御する機器管理装置の節電目標を平時における節電目標よりも低く設定した場合であっても、他の電気機器の動作を制御する機器管理装置の節電目標を平時における節電目標よりも高く設定することにより、複数の電気機器による消費電力の合計が増大することを抑えることができる。
【0040】
(11)好ましくは、前記目標設定部は、災害が収束すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を、災害が発生していない場合の節電目標に変更する。
【0041】
このような構成により、災害が収束した場合に、災害時に変更された電気機器の動作内容を、たとえば、平時における省電力動作に自動的に戻すことができる。
【0042】
(12)本発明の実施の形態に係る機器管理システムは、電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置と、複数の前記機器管理装置の管理を行う統合機器管理装置とを備え、前記統合機器管理装置は、電力消費に関する電力管理情報に基づいて、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の消費電力の節電目標を前記機器管理装置ごとに設定し、設定した前記節電目標を対応の前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置は、前記統合機器管理装置から受信した前記節電目標に基づいて、自己の制御対象である前記電気機器に省電力動作を行わせ、前記統合機器管理装置は、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更し、前記機器管理装置は、前記統合機器管理装置により変更された後の前記節電目標に基づいて、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更する。
【0043】
このような構成により、災害時には、ある機器管理装置の節電目標を、平時における節電目標よりも低く設定することにより、当該機器管理装置により制御される電気機器の動作の制限を緩和させることが可能であるため、電気機器の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0044】
(13)本発明の実施の形態に係る機器管理方法は、電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置と、複数の前記機器管理装置の管理を行う統合機器管理装置とを備える機器管理システムにおける機器管理方法であって、前記統合機器管理装置が、電力消費に関する電力管理情報に基づいて、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の消費電力の節電目標を前記機器管理装置ごとに設定し、設定した前記節電目標を対応の前記機器管理装置へ送信するステップと、前記機器管理装置が、前記統合機器管理装置から受信した前記節電目標に基づいて、自己の制御対象である前記電気機器に省電力動作を行わせるステップと、前記統合機器管理装置が、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更するステップと、前記機器管理装置が、前記統合機器管理装置により変更された後の前記節電目標に基づいて、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更するステップとを含む。
【0045】
このような方法により、災害時には、ある機器管理装置の節電目標を、平時における節電目標よりも低く設定することにより、当該機器管理装置により制御される電気機器の動作の制限を緩和させることが可能であるため、電気機器の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0046】
(14)本発明の実施の形態に係る機器管理プログラムは、電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置において用いられる機器管理プログラムであって、コンピュータに、電力消費に関する電力管理情報を取得するステップと、前記電力管理情報に基づいて、前記電気機器に省電力動作を行わせるステップと、災害が発生すると、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更するステップとを実行させるためのプログラムである。
【0047】
このようなプログラムにより、災害時には、省電力動作中の電気機器131の動作内容を変更することにより、当該電気機器131の動作の制限を平時における当該電気機器131の動作の制限よりも緩和させることが可能であるため、電気機器131の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0048】
(15)本発明の実施の形態に係る機器管理プログラムは、電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置、の管理を行う統合機器管理装置において用いられる機器管理プログラムであって、コンピュータに、電力消費に関する電力管理情報を取得するステップと、前記電力管理情報に基づいて、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の消費電力の節電目標を前記機器管理装置ごとに設定するステップと、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更するステップとを実行させるためのプログラムである。
【0049】
このようなプログラムにより、災害時には、ある機器管理装置の節電目標を、平時における節電目標よりも低く設定することにより、当該機器管理装置により制御される電気機器の動作の制限を緩和させることが可能であるため、電気機器の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0050】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0051】
(第1の実施の形態)
[構成および基本動作]
(機器管理システム全体の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システムの構成を示す図である。
【0052】
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システム201は、機器管理装置101と、1または複数の電気機器131とを備える。機器管理装置101は、たとえば宅内に設置され、当該宅内に設けられた電気機器131と通信を行うことにより、電気機器131の動作を制御する。
【0053】
機器管理装置101および各電気機器131は、たとえば、イーサネット(登録商標)規格に従う通信、無線LANの規格に従う通信、PLC(Power Line Communication)の規格に従う通信、または、ZigBee規格に従う通信を行う。なお、電気機器131は、機器管理システム201に必ずしも含まれていなくても良い。
【0054】
機器管理装置101は、たとえば、電力会社のサーバからインターネット終端装置121または電力計量メータ123を介して電力消費に関する電力管理情報を受信する。この電力管理情報は、電力供給が逼迫していることを示す情報、日別もしくは時間帯別の電気料金情報、または、機器管理装置101が設置されている宅内全体の消費電力の節電要請を示す情報などである。
【0055】
機器管理装置101は、電力管理情報を受信すると、受信した電力管理情報に基づいて電気機器131の動作を制御する。具体的には、機器管理装置101は、宅内全体で消費電力の20%削減を節電目標とする節電要請を電力管理情報として受信した場合、当該節電目標が達成されるように、すなわち宅内に設置された電気機器131の消費電力の合計が現在の消費電力よりも20%以上削減されるように、電気機器131に省電力動作を行わせる。
【0056】
これにより、電気機器131の動作は、利用者の任意の設定に従う通常動作から、電気機器131の動作が停止または制限される省電力動作に切り替わる。
【0057】
なお、節電目標は、削減すべき消費電力の割合を示す具体的な数値に限定されず、たとえば、高、中、低に分けられた複数の節電レベルのうちのいずれかの節電レベルを示す情報などであっても良い。
【0058】
また、機器管理装置101は、たとえば、放送局または地域防災センタから放送終端装置122を介して災害情報を受信する。この災害情報とは、地震の発生の有無を示す情報、発生した地震の揺れの規模を示す情報、地震が来ることを前もって通知する緊急地震速報、大雨または台風などの気象災害を示す情報、または、Jアラートなどの警報システムから発信される情報などである。
【0059】
機器管理装置101は、災害情報を受信すると、受信した災害情報に基づいて災害発生の有無を確認する。たとえば、機器管理装置101は、災害情報が示す地震の揺れの規模が震度5弱より大きい場合、災害発生有りと判断する。そして、機器管理装置101は、災害発生有りと判断すると、省電力動作を行っている電気機器131の動作内容を変更する。具体的には、機器管理装置101は、電気機器131の省電力動作を解除し、電気機器131に通常動作を行わせる。
【0060】
なお、機器管理装置101は、インターネット終端装置121を介して、気象用Webページに開示されている災害情報、または、サービス事業者から配信される災害情報などを受信することも可能である。また、機器管理装置101は、災害情報を受信する構成に限らず、地震または気象災害などを自身で検知するためのセンサ等を有していても良い。
【0061】
(機器管理装置の構成)
図2は、
図1に示す機器管理装置の構成を示す図である。
【0062】
図2を参照して、機器管理装置101は、電力管理情報取得部11と、記憶部12と、動作制御部13と、災害情報受信部14とを含む。動作制御部13は、動作決定部15と、信号送信部16とを有する。
【0063】
電力管理情報取得部11は、電力会社のサーバなどからインターネット終端装置121または電力計量メータ123を介して電力管理情報を受信する。そして、電力管理情報取得部11は、受信した電力管理情報に基づいて、自己の機器管理装置101が設置されている宅内全体の節電目標を設定する。そして、電力管理情報取得部11は、設定した節電目標を動作決定部15へ通知する。
【0064】
記憶部12は、自己の機器管理装置101の制御対象である電気機器131の消費電力等の情報を含む電気機器一覧を記憶する。たとえば、電気機器一覧には、エアコン、テレビおよび蓄電池などの電気機器131の種別と、当該電気機器131の現在の消費電力とが対応づけられている。
【0065】
動作制御部13において、動作決定部15は、電力管理情報取得部11から宅内全体における節電目標の通知を受けると、記憶部12に記憶されている電気機器一覧を参照し、当該電気機器一覧に含まれる電気機器131の消費電力の合計が、電力管理情報取得部11により設定された節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。そして、動作決定部15は、決定した各電気機器131の動作内容を示す制御信号を、信号送信部16へ出力する。
【0066】
信号送信部16は、動作決定部15から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。これにより、各電気機器131は、信号送信部16から受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0067】
災害情報受信部14は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して災害情報を受信する。そして、災害情報受信部14は、受信した災害情報に基づいて災害発生の有無を確認し、災害発生有りと判断した場合、災害発生通知を動作決定部15へ出力する。
【0068】
動作決定部15は、災害情報受信部14から災害発生通知を受けると、記憶部12に記憶されている電気機器一覧を参照し、当該電気機器一覧に含まれる電気機器131の省電力動作を解除することを決定する。そして、動作決定部15は、各電気機器131の省電力動作を解除することを示す制御信号を、信号送信部16へ出力する。
【0069】
信号送信部16は、動作決定部15から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。これにより、各電気機器131は、信号送信部16から受信した制御信号に従い、たとえば省電力動作を行う以前に行っていた通常動作を行う。
【0070】
また、災害情報受信部14は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して、災害が収束して平時と変わらない状況になったこと、または、災害が収束して平時に近い状況になったことを示す災害解除通知を受信する。災害情報受信部14は、災害解除通知を受信すると、災害が収束したことを示す災害解除通知を動作決定部15へ出力する。
【0071】
動作決定部15は、災害情報受信部14から災害解除通知を受けると、記憶部12に記憶されている電気機器一覧に含まれる電気機器131の動作内容を、災害が発生していない場合の動作内容に変更する。たとえば、動作決定部15は、各電気機器131の省電力動作を再開させることを決定し、各電気機器131の省電力動作を再開させることを示す制御信号を、信号送信部16へ出力する。
【0072】
信号送信部16は、動作決定部15から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。これにより、各電気機器131は、信号送信部16から受信した制御信号に従い、省電力動作を再開する。
【0073】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システム201の動作について説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システムによる動作手順を定めたシーケンス図である。
【0074】
機器管理システム201における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0075】
図3を参照して、まず、機器管理装置101は、電力会社のサーバなどから電力管理情報を受信する。ここでは、当該電力管理情報は、宅内全体で消費電力の20%削減を目標とする節電要請を示す情報であることとする(ステップS11)。
【0076】
次に、機器管理装置101は、受信した電力管理情報に基づいて、宅内全体における消費電力の20%を削減することを節電目標として設定し、設定した節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0077】
たとえば、動作決定部15は、エアコンが現在よりも冷房設定温度を2℃上げて動作すること、テレビが画面表示を行わないスタンバイモードで動作すること、および、蓄電池が現在よりも50%減速した充電速度で動作することなどを決定する(ステップS12)。
【0078】
次に、機器管理装置101は、ステップS12において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0079】
すなわち、機器管理装置101は、現在よりも冷房設定温度を2℃上げて動作することを指示する制御信号を、エアコンである電気機器131へ送信する(ステップS13)。また、機器管理装置101は、スタンバイモードで動作することを指示する制御信号を、テレビである電気機器131へ送信する(ステップS14)。また、機器管理装置101は、現在よりも50%減速した充電速度で動作することを指示する制御信号を、蓄電池である電気機器131へ送信する(ステップS15)。
【0080】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0081】
次に、機器管理装置101は、放送局などから災害情報を受信すると(ステップS16)、受信した災害情報に基づいて、災害発生の有無を確認する。なお、ここでは、当該災害情報は、震度6の地震が発生したことを示す情報であり、機器管理装置101は、当該災害情報に基づいて、災害発生有りと判断することとする(ステップS17)。
【0082】
次に、機器管理装置101は、災害発生有りと判断すると、各電気機器131の省電力動作を解除することを決定する(ステップS18)。
【0083】
次に、機器管理装置101は、各電気機器131に、省電力動作を行う以前に行っていた通常動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0084】
すなわち、機器管理装置101は、現在よりも冷房設定温度を2℃下げた元の冷房設定温度で動作することを指示する制御信号を、エアコンである電気機器131へ送信する(ステップS19)。また、機器管理装置101は、画面の表示を行う通常モードで動作することを指示する制御信号を、テレビである電気機器131へ送信する(ステップS20)。また、機器管理装置101は、現在よりも50%上げた元の充電速度で動作することを指示する制御信号を、蓄電池である電気機器131へ送信する(ステップS21)。
【0085】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従い、通常動作を行う。
【0086】
次に、機器管理装置101は、放送局などから災害解除通知を受信すると(ステップS22)、各電気機器131の省電力動作を再開することを決定する(ステップS23)。
【0087】
そして、機器管理装置101は、各電気機器131に省電力動作を再び行わせることを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。ステップS24からステップS26までの動作は、ステップS13からステップS15までの動作と同様であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0088】
なお、機器管理装置101から各電気機器131へ制御信号を送信する順番は、必ずしも
図3に示す順番で行われなくても良く、たとえば、各電気機器131への制御信号の送信が並行して行われても良い。
【0089】
また、機器管理装置101は、災害解除通知を受信した場合、各電気機器131の省電力動作を再開させる代わりに、各電気機器131の動作内容を災害発生前における動作内容とは異なる動作内容に変更することも可能である。
【0090】
具体的には、機器管理装置101は、災害解除通知を受信すると、電力会社のサーバなどから電力管理情報を新たに受信する。そして、機器管理装置101は、新たに受信した電力管理情報の示す内容が、災害発生前に受信した電力管理情報の示す内容と異なる場合、新たに受信した電力管理情報の示す内容に基づいて各電気機器131の動作内容を再び決定することができる。
【0091】
たとえば、災害発生前に受信された電力管理情報が、宅内全体で消費電力の20%削減を目標とする節電要請を示す情報であり、災害収束後に受信された電力管理情報が、宅内全体で消費電力の10%削減を目標とする節電要請を示す情報であるとする。このような場合、機器管理装置101は、
図3に示すステップS22において災害解除通知を受信した後、宅内全体における消費電力の10%を削減することを新たな節電目標として設定し、設定した節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の内容を再び決定することができる。
【0092】
ところで、上述した非特許文献1に記載の機器管理システムでは、各種電気機器の動作を制御する機器管理装置は、たとえば電力供給が逼迫している場合、電気機器の電源を切る、または、電気機器の動作を制限するなど、各種電気機器による消費電力が低くなるように電気機器の動作状態を制御することができる。
【0093】
しかしながら、このように各種電気機器が低消費電力で動作している場合において災害が発生すると、緊急事態であるにも関わらず利用者がこれらの電気機器を自由に使用することができない可能性がある。具体的には、災害発生時にテレビ、ラジオまたはパソコンなどの電気機器の動作が停止または制限されていることにより、利用者がこれらの電気機器を自由に利用することができず、たとえば、災害に関する情報収集を行うことができない可能性がある。また、災害発生時に集合住宅におけるエレベータの動作が停止または制限されていることにより、利用者が建物から避難する際に当該エレベータを自由に利用することができない可能性がある。
【0094】
このように、省電力のために電気機器の動作を停止または制限する場合、電気機器の種類などによっては、災害時に利用者が自由に利用することができないことにより不都合を招く可能性がある。
【0095】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システム201における機器管理装置101では、電力管理情報取得部11が、電力消費に関する電力管理情報を取得する。また、動作制御部13が、電力管理情報に基づいて、電気機器131に省電力動作を行わせることが可能であり、災害が発生すると、省電力動作を行っている電気機器131の動作内容を変更する。
【0096】
このような構成により、災害時には、省電力動作中の電気機器131の動作内容を変更することにより、当該電気機器131の動作の制限を平時における当該電気機器131の動作の制限よりも緩和させることが可能であるため、電気機器131の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0097】
また、第1の実施の形態に係る機器管理システム201における機器管理装置101では、動作制御部13は、災害が発生すると、電気機器131の省電力動作を解除する。
【0098】
このような構成により、災害時には、利用者が任意の設定で電気機器131を動作させることができるため、緊急事態において利用者が当該電気機器131をより自由に利用することができる。
【0099】
また、第1の実施の形態に係る機器管理システム201における機器管理装置101では、動作制御部13は、災害が収束すると、電気機器131の動作内容を、災害が発生していない場合の動作内容に変更する。
【0100】
このような構成により、災害が収束した場合に、災害時に変更された電気機器131の動作内容を、たとえば、平時における省電力動作に自動的に戻すことができる。
【0101】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0102】
(第2の実施の形態)
上述した本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システム201では、災害が発生すると、電気機器131の省電力動作を解除する。これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システム201では、災害が発生すると、電気機器131の省電力動作の具体的な内容を変更する。
【0103】
本発明の第2の実施の形態に係る監視システム201は、
図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る監視システム201と同様に、機器管理装置101と、1または複数の電気機器131とを備える。ここでは、本発明の第1の実施の形態に係る監視システム201と異なる点について主に説明する。
【0104】
[構成および基本動作]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システムにおける機器管理装置の構成を示す図である。
【0105】
図4を参照して、機器管理装置101は、電力管理情報取得部11と、記憶部12と、動作制御部13と、災害情報受信部14とに加えて、さらに、優先度決定部17を含む。
【0106】
記憶部12は、自己の機器管理装置101の制御対象である電気機器131の消費電力等の情報を含む電気機器一覧に加えて、さらに、災害が発生していない平時における動作の必要性に応じて各電気機器131に付与された優先度、および、災害時における動作の必要性に応じて各電気機器131に付与された優先度を記憶する。
【0107】
図5は、
図4に示す記憶部に記憶されている優先度の一例を示す図である。
【0108】
ここで、たとえば、平時において、電気給湯器の加熱速度が減速する場合と、蓄電池の充電速度が減速する場合とを比較して、電気給湯器の加熱速度が減速する場合の方が利用者にとって不便に感じる可能性が高いとする。このような場合、当該利用者は、平時において電力会社から節電要請を示す電力管理情報などが送信された場合に、電気給湯器の動作が蓄電池の動作よりも優先されるように、電気給湯器および蓄電池に予め優先度を付与しておくことができる。
【0109】
より詳細には、
図5に示すように、利用者は、平時において電力会社から節電要請を示す電力管理情報などが送信された場合に、たとえば電気給湯器、エアコン、テレビ、蓄電池の順で動作が優先されることを希望する場合、この順の逆順、すなわち蓄電池、テレビ、エアコン、電気給湯器の順で優先的に多くの消費電力が削減されるように、各電気機器131に優先度を予め付与しておくことができる。
【0110】
また、地震が発生した場合は平時と比較して、テレビなどから情報収集を行う必要性が高まる。また、地震の影響によって水道管が破損して使用できなくなる可能性があるため、使用できるうちに電気給湯器に水を貯めておくことが有効である。このような理由によって利用者が、地震災害時においては、たとえばテレビ、電気給湯器、蓄電池、エアコンの順で動作が優先されることを希望する場合、当該利用者は、この順の逆順、すなわちエアコン、蓄電池、電気給湯器、テレビの順で優先的に消費電力が削減されるように、各電気機器131に予め優先度を付与しておくことができる。
【0111】
また、大雨または洪水などの気象災害が発生した場合、地震が発生した場合と同様に、テレビなどから情報収集を行う必要性が高まる。また、台風などの影響によって停電となる可能性があるため、蓄電池に電気を貯めておくことが有効である。このような理由により、利用者は、気象災害時において、たとえばテレビ、蓄電池、電気給湯器、エアコンの順で動作が優先されることを希望する場合、この順の逆順、すなわちエアコン、電気給湯器、蓄電池、テレビの順で優先的に消費電力が削減されるように、各電気機器131に予め優先度を付与しておくことができる。
【0112】
なお、上述した例は一例であって、各電気機器131に付与される優先度は
図5に示すものに限定されない。また、各電気機器131に付与される優先度は、利用者により付与されるものに限らず、たとえば、各電気機器131には、平時、地震災害時および気象災害時のそれぞれにおける優先度が初期値として付与されていても良い。
【0113】
また、各電気機器131には、平時、地震災害時および気象災害時のそれぞれにおける動作の必要性に応じた優先度に限らず、平時、地震災害時および気象災害時のそれぞれにおける動作の必要性に応じた優先順位が付与されていても良い。
【0114】
また、
図5では、地震災害時における各電気機器131の優先度のパターンと、気象災害時における各電気機器131の優先度のパターンとが異なる場合を示しているが、これらの優先度のパターンは同じであっても良い。また、各電気機器131に付与される優先度のパターンは、災害の規模などに応じて異なっても良い。
【0115】
再び
図4を参照して、災害情報受信部14は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して災害情報を受信する。そして、災害情報受信部14は、受信した災害情報に基づいて災害発生の有無を確認し、災害発生有りと判断した場合、災害発生通知を優先度決定部17へ出力する。
【0116】
また、災害情報受信部14は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して、災害が収束して平時と変わらない状況になったこと、または、災害が収束して平時に近い状況になったことを示す災害解除通知を受信する。災害情報受信部14は、災害解除通知を受信すると、災害が収束したことを示す災害解除通知を優先度決定部17へ出力する。
【0117】
優先度決定部17は、災害情報受信部14から災害発生通知を受けない間、すなわち平時の間は、記憶部12に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された平時における優先度を動作決定部15へ通知する。
【0118】
また、優先度決定部17は、地震の発生を示す災害発生通知を災害情報受信部14から受けると、記憶部12に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された地震災害時における優先度を動作決定部15へ通知する。
【0119】
また、優先度決定部17は、気象災害の発生を示す災害発生通知を災害情報受信部14から受けると、記憶部12に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された気象災害時における優先度を動作決定部15へ通知する。
【0120】
さらに、優先度決定部17は、災害が収束して平時と変わらない状況になったこと、または、災害が収束して平時に近い状況になったことを示す災害解除通知を災害情報受信部14から受けると、記憶部12に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された平時における優先度を動作決定部15へ通知する。
【0121】
動作決定部15は、たとえば、宅内全体における節電目標の通知を電力管理情報取得部11から受ける。そして、動作決定部15は、電力管理情報取得部11から受けた節電目標と、優先度決定部17から通知された各電気機器131の優先度とに基づいて、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0122】
詳細には、動作決定部15は、優先度が低い、すなわち動作の必要性が低い電気機器131ほど多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が電力管理情報取得部11から受けた節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。そして、動作決定部15は、決定した各電気機器131の動作内容を示す制御信号を、信号送信部16へ出力する。
【0123】
信号送信部16は、動作決定部15から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。
【0124】
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システム201の動作について説明する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システムによる動作手順を定めたシーケンス図である。
【0125】
機器管理システム201における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0126】
図6を参照して、まず、機器管理装置101は、電力会社のサーバなどから電力管理情報を受信する。ここでは、当該電力管理情報は、宅内全体で電気機器131の消費電力の20%削減を目標とする節電要請を示す情報であることとする(ステップS31)。
【0127】
次に、機器管理装置101は、受信した電力管理情報に基づいて、宅内全体における消費電力の20%を削減することを節電目標として設定する。そして、機器管理装置101は、電気機器131にそれぞれ付与された平時における優先度に基づいて、たとえば、蓄電池、テレビ、エアコン、電気給湯器の順で多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が、設定した節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0128】
たとえば、機器管理装置101は、蓄電池が現在よりも80%減速した充電速度で動作すること、テレビが画面表示を行わないスタンバイモードで動作すること、エアコンが現在よりも1℃上げた冷房設定温度で動作すること、および、電気給湯器が現在よりも2%減速した加熱速度で動作することを決定する(ステップS32)。
【0129】
次に、機器管理装置101は、ステップS32において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0130】
すなわち、機器管理装置101は、現在よりも1℃上げた冷房設定温度で動作することを指示する制御信号を、エアコンである電気機器131へ送信する(ステップS33)。また、機器管理装置101は、スタンバイモードで動作することを指示する制御信号を、テレビである電気機器131へ送信する(ステップS34)。
【0131】
また、機器管理装置101は、現在よりも80%減速した充電速度で動作することを指示する制御信号を、蓄電池である電気機器131へ送信する(ステップS35)。また、機器管理装置101は、現在よりも2%減速した加熱速度で動作することを指示する制御信号を、電気給湯器である電気機器131へ送信する(ステップS36)。
【0132】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0133】
次に、機器管理装置101は、放送局などから、たとえば震度6の地震の発生を示す災害情報を受信すると(ステップS37)、受信した災害情報に基づいて、災害発生の有無を確認する。なお、ここでは、当該災害情報は、震度6の地震が発生したことを示す情報であり、機器管理装置101は、当該災害情報に基づいて、地震災害の発生有りと判断することとする(ステップS38)。
【0134】
次に、機器管理装置101は、地震災害の発生有りと判断すると、電気機器131にそれぞれ付与された地震災害時における優先度に基づいて、たとえば、エアコン、蓄電池、電気給湯器、テレビの順で多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が、ステップS32において設定した節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0135】
具体的には、エアコンに付与された平時における優先度が「3」であるのに対して、エアコンに付与された地震災害時における優先度が「1」であるとする。このように、平時と比べて地震災害時の優先度が低い、すなわち動作の必要性が低い場合、機器管理装置101は、平時と比べて地震災害時の方がエアコンの消費電力が多く削減されるように、エアコンの省電力動作の具体的な内容を決定する。たとえば、機器管理装置101は、エアコンが通常動作における冷房設定温度よりも5℃上げた冷房設定温度で動作することを決定する。
【0136】
また、蓄電池に付与された平時における優先度が「1」であるのに対して、蓄電池に付与された地震災害時における優先度の方が「2」であるとする。このように、平時と比べて地震災害時の優先度が高い、すなわち動作の必要性が高い場合、機器管理装置101は、地震災害時と比べて平時の方が蓄電池の消費電力が多く削減されるように、蓄電池の省電力動作の具体的な内容を決定する。たとえば、機器管理装置101は、蓄電池が通常動作における充電速度よりも10%減速した充電速度で動作することを決定する。
【0137】
また、機器管理装置101は、たとえば、電気給湯器が通常動作における加熱速度よりも5%減速した加熱速度で動作すること、および、テレビが画面の表示を行う通常モードで動作することを決定する(ステップS39)。
【0138】
次に、機器管理装置101は、ステップS39において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0139】
すなわち、機器管理装置101は、通常動作における冷房設定温度よりも5℃上げた冷房設定温度で動作することを指示する制御信号を、エアコンである電気機器131へ送信する(ステップS40)。また、機器管理装置101は、通常モードで動作することを指示する制御信号を、テレビである電気機器131へ送信する(ステップS41)。
【0140】
また、機器管理装置101は、通常動作における充電速度よりも10%減速した充電速度で動作することを指示する制御信号を、蓄電池である電気機器131へ送信する(ステップS42)。また、機器管理装置101は、通常動作における加熱速度よりも5%減速した加熱速度で動作することを指示する制御信号を、電気給湯器である電気機器131へ送信する(ステップS43)。
【0141】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0142】
次に、機器管理装置101は、放送局などから災害解除通知を受信すると(ステップS44)、電気機器131にそれぞれ付与された平時における優先度に基づいて、たとえば、蓄電池、テレビ、エアコン、電気給湯器の順で多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が、ステップS31において設定した節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を再び決定する。すなわち、機器管理装置101は、各電気機器131の省電力動作の内容を平時における省電力動作の内容に戻すことを決定する(ステップS45)。
【0143】
そして、機器管理装置101は、ステップS45において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。ステップS46からステップS49までの動作は、ステップS33からステップS36までの動作と同様であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0144】
なお、機器管理装置101から各電気機器131へ制御信号を送信する順番は、必ずしも
図6に示す順番で行われなくても良く、たとえば、各電気機器131への制御信号の送信が並行して行われても良い。
【0145】
その他の構成および動作は上述した本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システム201と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0146】
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システム201における機器管理装置101は、複数の電気機器131の動作を制御する。また、機器管理装置101における動作制御部13は、災害が発生すると、災害時における電気機器131の動作の必要性に応じて付与された優先度または優先順位に従って、各電気機器131の動作内容を変更する。
【0147】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器131ほど、利用者が自由に利用可能となるように各電気機器131の動作内容を変更することができるため、電気機器131の省電力動作をより一層適切に制御することができる。
【0148】
また、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システム201における機器管理装置101では、動作制御部13は、災害が発生すると、さらに、各電気機器131の消費電力の合計が電力管理情報に基づく節電目標を達成するように、各電気機器131の動作内容を変更する。
【0149】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器131の動作の制限を緩和した場合であっても、他の電気機器131の動作を平時よりも制限することにより、複数の電気機器131による消費電力の合計が増大することを抑えることができる。
【0150】
また、本発明の第2の実施の形態に係る機器管理システム201における機器管理装置101では、動作制御部13は、各電気機器131に付与される優先度または優先順位の複数のパターンのうち、災害の状況に応じたパターンにおける各電気機器131の優先度または優先順位に従って、各電気機器131の動作内容を変更する。
【0151】
このように、たとえば、地震災害時と気象災害時とで各電気機器131の動作の制限内容を変更する構成により、災害の状況に応じたより適切な制御を行うことができる。
【0152】
(第3の実施の形態)
上述した本発明の第1および第2の実施の形態に係る機器管理システム201では、機器管理装置101が電力管理情報に基づいて、たとえば自己が設置されている宅内全体における節電目標を設定する。これに対して、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202では、複数の機器管理装置101の管理を行う統合機器管理装置102が、機器管理装置101ごとに節電目標を設定する。
【0153】
[構成および基本動作]
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システムの構成を示す図である。
【0154】
図7を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202は、機器管理装置101A,101B,101Cと、統合機器管理装置102と、機器管理装置101A,101B,101Cのそれぞれの制御対象である電気機器131とを備える。以下、機器管理装置101A,101B,101Cのそれぞれを、機器管理装置101とも称する。
【0155】
機器管理装置101は、たとえば、1世帯に1つずつ設置され、各世帯の宅内に設けられた1または複数の電気機器131、具体的にはエアコン、テレビおよび蓄電池などの動作を制御する。また、機器管理装置101は、各世帯に設置されるだけでなく、たとえば、集合住宅の共用部に設置され、共用エリアの電気機器131、具体的には共用エリアのエレベータ、共用エリアの照明および共用エリアのエアコンなどの動作を制御する。
【0156】
ここでは、機器管理装置101Aが共用エリアの電気機器131の動作を制御し、機器管理装置101Bが世帯Xの宅内に設けられた電気機器131の動作を制御し、機器管理装置101Cが世帯Yの宅内に設けられた電気機器131の動作を制御することとする。なお、機器管理システム202に含まれる機器管理装置101は3つに限らない。
【0157】
統合機器管理装置102は、たとえば、集合住宅に設置され、電力会社のサーバからインターネット終端装置121または電力計量メータ123を介して電力管理情報を受信する。そして、統合機器管理装置102は、電力管理情報を受信すると、受信した電力管理情報に基づいて、各機器管理装置101の制御対象である電気機器131の消費電力の節電目標を設定する。そして、統合機器管理装置102は、設定した節電目標を、対応する機器管理装置101へそれぞれ送信する。
【0158】
機器管理装置101は、統合機器管理装置102から節電目標を受信すると、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が当該節電目標を達成するように、各電気機器131に省電力動作を行わせる。
【0159】
また、統合機器管理装置102は、たとえば、放送局または地域防災センタから放送終端装置122を介して災害情報を受信する。そして、統合機器管理装置102は、受信した災害情報に基づいて、災害発生の有無を確認し、災害発生有りと判断すると、各機器管理装置101の節電目標を変更する。
【0160】
具体的には、統合機器管理装置102は、各機器管理装置101の節電目標を解除することを決定し、節電目標の解除を指示するための節電解除指示を、各機器管理装置101へ送信する。
【0161】
機器管理装置101は、統合機器管理装置102から節電解除指示を受信すると、自己の制御対象である電気機器131の省電力動作を解除し、当該電気機器131に通常動作を行わせる。
【0162】
なお、統合機器管理装置102は、複数の機器管理装置101を管理するものであれば、集合住宅に設置されるものに限らない。また、統機器管理装置102は、災害発生有りと判断した場合、必ずしも全ての機器管理装置101の節電目標を変更しなくても良く、複数の機器管理装置101のうちの一部の機器管理装置101の節電目標を変更する構成であっても良い。
【0163】
(統合機器管理装置の構成)
図8は、
図7に示す統合機器管理装置の構成を示す図である。
【0164】
図8を参照して、統合機器管理装置102は、電力管理情報取得部21と、記憶部22と、目標設定部23と、信号送信部24と、災害情報受信部25とを含む。
【0165】
電力管理情報取得部21は、電力会社のサーバなどからインターネット終端装置121または電力計量メータ123を介して電力管理情報を受信する。この電力管理情報は、たとえば、統合機器管理装置102が設置された集合住宅全体の消費電力の節電要請を示す情報である。電力管理情報取得部21は、受信した電力管理情報に基づいて、たとえば機器管理装置101の制御対象である全ての電気機器131を対象とした節電の全体目標を設定し、設定した全体目標を目標設定部23へ出力する。
【0166】
記憶部22は、自己の統合機器管理装置102の管理対象である1または複数の機器管理装置101の制御対象である電気機器131、による消費電力等の情報を含む機器管理装置一覧を記憶する。
【0167】
目標設定部23は、全ての電気機器131を対象とした節電の全体目標を電力管理情報取得部21から受けると、記憶部22に記憶されている機器管理装置一覧を参照し、当該全体目標に基づいて機器管理装置101ごとの節電目標を設定する。そして、目標設定部23は、設定した節電目標を、信号送信部24へ出力する。
【0168】
信号送信部24は、目標設定部23から受けた節電目標を、それぞれ対応の機器管理装置101へ送信する。これにより、機器管理装置101は、信号送信部24から受信した節電目標を達成するように、自己の制御対象である電気機器131に省電力動作を行わせる。
【0169】
災害情報受信部25は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して災害情報を受信し、受信した災害情報に基づいて災害発生の有無を確認する。そして、災害情報受信部25は、災害発生有りと判断すると、災害発生通知を目標設定部23へ出力する。
【0170】
目標設定部23は、災害情報受信部25から災害発生通知を受けると、記憶部22に記憶されている機器管理装置一覧を参照し、当該機器管理装置一覧に含まれる各機器管理装置101の節電目標を解除すること、すなわち機器管理装置101の制御対象である電気機器131の省電力動作を解除することを決定する。
【0171】
そして、目標設定部23は、節電目標を解除することを指示するための節電解除指示を信号送信部24へ出力する。信号送信部24は、目標設定部23から受けた節電解除指示を、それぞれ対応の機器管理装置101へ送信する。そして、機器管理装置101は、節電解除指示を受信すると、自己の制御対象である電気機器131の省電力動作を解除して、電気機器131に通常動作を行わせる。
【0172】
また、災害情報受信部25は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して、災害が収束して平時と変わらない状況になったこと、または、災害が収束して平時に近い状況になったことを示す災害解除通知を受信する。災害情報受信部25は、災害解除通知を受信すると、災害が収束したことを示す災害解除通知を目標設定部23へ出力する。
【0173】
目標設定部23は、災害情報受信部25から災害解除通知を受けると、記憶部22に記憶されている機器管理装置一覧に含まれる各機器管理装置101の節電目標を、災害が発生していない場合の節電目標に変更する。たとえば、目標設定部23は、各機器管理装置101の節電目標を、災害発生前における節電目標に戻し、災害発生前における節電目標を信号送信部24へ出力する。
【0174】
信号送信部24は、目標設定部23から受けた節電目標を、それぞれ対応の機器管理装置101へ送信する。そして、機器管理装置101は、受信した節電目標に基づいて、自己の制御対象である電気機器131に省電力動作を再開させる。
【0175】
(機器管理装置の構成)
図9は、
図7に示す機器管理装置の構成を示す図である。
【0176】
図9を参照して、機器管理装置101は、節電目標取得部31と、記憶部32と、動作制御部33とを含む。動作制御部33は、動作決定部34と、信号送信部35とを有する。
【0177】
節電目標取得部31は、統合機器管理装置102の信号送信部24から自己の機器管理装置101の節電目標を受信し、受信した節電目標を動作決定部34へ出力する。記憶部32は、自己の機器管理装置101の制御対象である電気機器131の消費電力等の情報を含む電気機器一覧を記憶する。
【0178】
動作決定部34は、節電目標取得部31から節電目標を受けると、記憶部32に記憶されている電気機器一覧を参照し、当該電気機器一覧に含まれる電気機器131の消費電力の合計が節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。そして、動作決定部34は、決定した動作内容を示す制御信号を、信号送信部35へ出力する。
【0179】
信号送信部35は、動作決定部34から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。これにより、各電気機器131は、信号送信部35から受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0180】
また、節電目標取得部31は、統合機器管理装置102の信号送信部24から各電気機器131の節電目標を解除することを示す節電解除指示を受信すると、受信した節電解除指示を動作決定部34へ出力する。
【0181】
動作決定部34は、節電目標取得部31から節電解除指示を受けると、記憶部32に記憶されている電気機器一覧を参照し、当該電気機器一覧に含まれる電気機器131の省電力動作を解除することを決定する。そして、動作決定部34は、各電気機器131の省電力動作を解除することを示す制御信号を信号送信部35へ出力する。
【0182】
信号送信部35は、動作決定部34から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。これにより、各電気機器131は、信号送信部35から受信した制御信号に従い、省電力動作を行う以前に行っていた通常動作を行う。
【0183】
[動作]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202の動作について説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システムによる動作手順を定めたシーケンス図であり、
図11は、
図10に示すシーケンス図の続きである。
【0184】
機器管理システム202における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0185】
図10および
図11を参照して、まず、統合機器管理装置102は、電力会社のサーバなどから電力管理情報を受信する。ここでは、当該電力管理情報は、統合機器管理装置102が設置されている集合住宅全体で消費電力の20%削減を目標とする節電要請を示す情報であることとする(ステップS51)。
【0186】
次に、統合機器管理装置102は、受信した電力管理情報に基づいて、全ての電気機器131による消費電力の合計を20%削減することを集合住宅における全体目標として設定し、設定した当該全体目標を達成するように各機器管理装置101の節電目標を設定する。
【0187】
たとえば、統合機器管理装置102は、機器管理装置101Aの制御対象である共用エリアにおける電気機器131の消費電力の合計を20%削減すること、機器管理装置101Bの制御対象である世帯Xにおける電気機器131の消費電力の合計を20%削減すること、機器管理装置101Cの制御対象である世帯Yにおける電気機器131の消費電力の合計を20%削減すること、を機器管理装置101A,101B,101Cのそれぞれの節電目標として設定する(ステップS52)。
【0188】
次に、統合機器管理装置102は、ステップS52において設定した節電目標を対応の機器管理装置101へそれぞれ送信する。
【0189】
すなわち、統合機器管理装置102は、共用エリアの電気機器131による消費電力の合計の20%削減を示す節電目標を、機器管理装置101Aへ送信する(ステップS53)。また、統合機器管理装置102は、世帯Xの電気機器131による消費電力の合計の20%削減を示す節電目標を、機器管理装置101Bへ送信する(ステップS54)。また、統合機器管理装置102は、世帯Yの電気機器131による消費電力の合計の20%削減を示す節電目標を、機器管理装置101Cへ送信する(ステップS55)。
【0190】
次に、各機器管理装置101は、統合機器管理装置102から受信した節電目標に基づいて、自己の制御対象である電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0191】
たとえば、機器管理装置101Aは、共用エリアにおける複数のエレベータのうちの1台の運転を停止させること、共用エリアにおける複数の照明のうち20%の照明を消灯させること、および、共用エリアにおけるエアコンの冷房設定温度を2℃上げることを決定する(ステップS56)。
【0192】
次に、機器管理装置101Aは、ステップS56において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0193】
すなわち、機器管理装置101Aは、複数のエレベータのうちの1台の運転を停止させることを指示する制御信号を、共用エリアのエレベータである電気機器131へ送信する(ステップS57)。また、機器管理装置101Aは、複数の照明のうち20%の照明を消灯させることを指示する制御信号を、共用エリアの照明である電気機器131へ送信する(ステップS58)。また、機器管理装置101Aは、現在よりも冷房設定温度を2℃上げて動作することを指示する制御信号を、共用エリアのエアコンである電気機器131へ送信する(ステップS59)。
【0194】
また、機器管理装置101Bは、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が20%削減されるように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定し、決定した内容を示す制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS60)。
【0195】
また、機器管理装置101Cは、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が20%削減されるように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定し、決定した内容を示す制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS61)。
【0196】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0197】
次に、統合機器管理装置102は、放送局などから災害情報を受信すると(ステップS62)、受信した災害情報に基づいて、災害発生の有無を確認する。なお、ここでは、当該災害情報は、震度6の地震が発生したことを示す情報であり、統合機器管理装置102は、当該災害情報に基づいて、災害発生有りと判断することとする(ステップS63)。
【0198】
次に、統合機器管理装置102は、災害発生有りと判断すると、各機器管理装置101の節電目標の解除を決定する(ステップS64)。
【0199】
次に、統合機器管理装置102は、各機器管理装置101の節電目標の解除を指示するための節電解除指示を、各機器管理装置101へそれぞれ送信する(ステップS65〜S67)。
【0200】
次に、機器管理装置101Aは、統合機器管理装置102から節電解除指示を受信すると、自己の制御対象である電気機器131の省電力動作を解除することを決定する(ステップS68)。そして、機器管理装置101Aは、各電気機器131に省電力動作を行う以前に行っていた通常動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0201】
たとえば、機器管理装置101Aは、共用エリアの全てのエレベータを運転させることを指示する制御信号を、共用エリアのエレベータである電気機器131へ送信する(ステップS69)。また、機器管理装置101Aは、共用エリアの全ての照明を点灯させることを指示する制御信号を、共用エリアの照明である電気機器131へ送信する(ステップS70)。また、機器管理装置101Aは、共用エリアのエアコンの冷房設定温度を元の冷房設定温度に戻すことを指示する制御信号を、共用エリアのエアコンである電気機器131へ送信する(ステップS71)。
【0202】
また、機器管理装置101Bは、自己の制御対象である電気機器131に省電力動作を行う以前に行っていた通常動作を行わせるための制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS72)。
【0203】
また、機器管理装置101Cは、自己の制御対象である電気機器131に省電力動作を行う以前に行っていた通常動作を行わせるための制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS73)。
【0204】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従い、通常動作を行う。
【0205】
次に、統合機器管理装置102は、放送局などから災害解除通知を受信すると(ステップS74)、各機器管理装置101の節電目標を、災害発生前における節電目標に戻すことを決定する(ステップS75)。
【0206】
そして、統合機器管理装置102は、ステップS52において設定した各機器管理装置101の節電目標を、対応の機器管理装置101へそれぞれ送信する。ステップS76からステップS84に示す動作は、ステップS53からステップS61に示す動作と同様であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0207】
なお、統合機器管理装置102から各機器管理装置101へ節電目標を送信する順番は、必ずしも
図10および
図11に示す順番で行われなくても良く、たとえば、各機器管理装置101への節電目標の送信が並行して行われても良い。
【0208】
また、機器管理装置101から各電気機器131へ制御信号を送信する順番は、必ずしも
図10および
図11に示す順番で行われなくても良く、たとえば、各電気機器131への制御信号の送信が並行して行われても良い。
【0209】
また、統合機器管理装置102は、災害解除通知を受信した場合、各機器管理装置101の節電目標を災害発生前における節電目標に戻す代わりに、各機器管理装置101の節電目標を災害発生前における節電目標とは異なる節電目標に設定することも可能である。
【0210】
具体的には、統合機器管理装置102は、災害解除通知を受信すると、電力会社のサーバなどから電力管理情報を新たに受信する。そして、統合機器管理装置102は、新たに受信した電力管理情報の示す内容が、災害発生前に受信した電力管理情報の示す内容と異なる場合、新たに受信した電力管理情報の示す内容に基づいて各機器管理装置101の節電目標を再び設定することができる。
【0211】
たとえば、災害発生前に受信された電力管理情報が、集合宅内全体で消費電力の20%削減を目標とする節電要請を示す情報であり、災害収束後に受信された電力管理情報が、集合宅内全体で消費電力の10%削減を目標とする節電要請を示す情報であるとする。このような場合、統合機器管理装置102は、
図11に示すステップS74において災害解除通知を受信した後、集合宅内全体における消費電力の10%を削減することを新たな全体目標として設定し、設定した当該全体目標を達成するように、各機器管理装置101の節電目標を設定することができる。
【0212】
その他の構成および動作は上述した本発明の第1の実施の形態に係る機器管理システム201と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0213】
上記のように、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202における機器管理装置101では、統合機器管理装置102が、電気機器131の動作を制御する複数の機器管理装置101の管理を行う。また、統合機器管理装置102において、電力管理情報取得部21が、電力消費に関する電力管理情報を取得する。また、目標設定部23が、電力管理情報に基づいて、機器管理装置101の制御対象である電気機器131の消費電力の節電目標を、機器管理装置101ごとに設定する。また、目標設定部23は、災害が発生すると、一部または全部の機器管理装置101の節電目標を変更する。
【0214】
このような構成により、災害時には、ある機器管理装置101の節電目標を平時における節電目標よりも低く設定することにより、当該機器管理装置101により制御される電気機器131の動作の制限を平時における当該電気機器131の動作の制限よりも緩和させることが可能であるため、電気機器131の省電力動作をより適切に制御することができる。
【0215】
また、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202における機器管理装置101では、目標設定部23は、災害が発生すると、一部または全部の機器管理装置101の節電目標を解除する。
【0216】
このような構成により、災害時には、利用者が任意の設定で電気機器131を動作させることができるため、緊急事態において利用者が当該電気機器131をより自由に利用することができる。
【0217】
また、本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202における機器管理装置101では、目標設定部23は、災害が収束すると、一部または全部の機器管理装置101の節電目標を、災害が発生していない場合の節電目標に変更する。
【0218】
このような構成により、災害が収束した場合に、災害時に変更された電気機器131の動作内容を、たとえば、平時における省電力動作に自動的に戻すことができる。
【0219】
(第4の実施の形態)
上述した本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202では、災害が発生すると、各機器管理装置101の節電目標を解除する。これに対して、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システム202では、災害が発生すると、各機器管理装置101の節電目標の内容を変更する。
【0220】
本発明の第4の実施の形態に係る監視システム202は、
図7に示す本発明の第3の実施の形態に係る監視システム202と同様に、複数の機器管理装置101と、統合機器管理装置102と、各機器管理装置101の制御対象である電気機器131とを備える。ここでは、本発明の第3の実施の形態に係る監視システム202と異なる点について主に説明する。
【0221】
[構成および基本動作]
(統合機器管理装置の構成)
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システムにおける統合機器管理装置の構成を示す図である。
【0222】
図12を参照して、統合機器管理装置102は、電力管理情報取得部21と、記憶部22と、目標設定部23と、信号送信部24と、災害情報受信部25とに加えて、さらに、優先度決定部26と、災害情報送信部27とを含む。
【0223】
記憶部22は、自己の統合機器管理装置102の管理対象である機器管理装置101の制御対象である電気機器131、による消費電力等の情報を含む機器管理装置一覧に加えて、さらに、機器管理装置101の制御対象である電気機器131の平時における動作の必要性に応じて各機器管理装置101に付与された優先度、および、機器管理装置101の制御対象である電気機器131の災害時における動作の必要性に応じて各機器管理装置101に付与された優先度、を記憶する。
【0224】
図13は、
図12に示す記憶部に記憶されている優先度の一例を示す図である。
【0225】
ここで、平時において、共用エリアの電気機器131が動作の制限を受ける場合と、各世帯の電気機器131が動作の制限を受ける場合とを比較して、各世帯の電気機器131が動作の制限を受ける場合の方が利用者にとって不便に感じる可能性が高いとする。このような場合、機器管理システム202の管理者等は、平時において電力会社から節電要請を示す電力管理情報などが送信された場合に、各世帯の電気機器131の動作が、共用エリアの電気機器131の動作よりも優先されるように、対応する機器管理装置101の優先度を予め付与しておくことができる。
【0226】
より詳細には、このような場合、機器管理システム202の管理者等は、
図13に示すように、各世帯の電気機器131、共用エリアの電気機器131の順で動作が優先されるように、この順の逆順、すなわち共用エリアの電気機器131、各世帯の電気機器131の順で優先的に多くの消費電力が削減されるように、対応する機器管理装置101の優先度を予め付与しておくことができる。
【0227】
また、災害が発生した場合、人が安全に避難することなどを可能にするため、共用エリアの電気機器131の動作が各世帯の電気機器131の動作よりも優先されるように、各世帯の電気機器131、共用エリアの電気機器131の順で優先的に多くの消費電力が削減されるように、対応する機器管理装置101の優先度を予め付与される。
【0228】
なお、上述した例は一例であって、各機器管理装置101の優先度は、
図13に示す順に限定されない。
【0229】
再び
図12を参照して、災害情報受信部25は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して災害情報を受信する。そして、災害情報受信部25は、受信した災害情報に基づいて災害発生の有無を確認し、災害発生有りと判断した場合、災害発生通知を優先度決定部26へ出力する。
【0230】
また、災害情報受信部25は、放送局などから放送終端装置122またはインターネット終端装置121を介して、災害が収束して平時と変わらない状況になったこと、または、災害が収束して平時に近い状況になったことを示す災害解除 通知を受信する。災害情報受信部25は、災害解除通知を受信すると、災害が収束したことを示す災害解除通知を優先度決定部26へ出力する。
【0231】
優先度決定部26は、災害情報受信部25から災害情報を受けない間は、記憶部22に記憶されている情報を参照して、記憶部22に記憶されている優先度を参照して、機器管理装置一覧の各機器管理装置101に付与された平時における優先度を目標設定部23へ通知する。
【0232】
また、優先度決定部26は、災害の発生を示す災害発生通知を災害情報受信部25から受けると、記憶部22に記憶されている優先度を参照して、機器管理装置一覧の各機器管理装置101に付与された災害時における優先度を目標設定部23へ通知する。
【0233】
また、優先度決定部26は、災害情報受信部25から災害発生通知を受けると、当該災害発生通知を災害情報送信部27へ出力する。災害情報送信部27は、優先度決定部26から受けた災害発生通知を、自己の統合機器管理装置102により管理される1または複数の機器管理装置101へそれぞれ送信する。
【0234】
また、優先度決定部26は、災害情報受信部25から災害解除通知を受信すると、当該災害解除通知を災害情報送信部27へ出力する。災害情報送信部27は、優先度決定部26から受けた災害解除通知を、自己の統合機器管理装置102により管理される1または複数の機器管理装置101へそれぞれ送信する。
【0235】
目標設定部23は、たとえば、自己の統合機器管理装置102が設置されている集合住宅における全ての電気機器131を対象とした節電の全体目標を、電力管理情報取得部21から受ける。そして、目標設定部23は、当該全体目標と、優先度決定部26から通知された機器管理装置101の優先度とに基づいて、各機器管理装置101の節電目標を設定する。
【0236】
詳細には、目標設定部23は、優先度が低い、すなわち制御対象である電気機器131の動作の必要性が低い機器管理装置101ほど、制御対象である電気機器131の消費電力が多く削減され、かつ、全ての電気機器131の消費電力の合計が全体目標を達成するように、各機器管理装置101の節電目標を設定する。そして、目標設定部23は、設定した各機器管理装置101の節電目標を、信号送信部24へ送信する。
【0237】
信号送信部24は、目標設定部23から受けた節電目標を、それぞれ対応の機器管理装置101へ送信する。
【0238】
なお、各機器管理装置101には、平時および災害時のそれぞれにおける、自己の制御対象である電気機器131の動作の必要性に応じた優先度に限らず、平時および災害時のそれぞれにおける、自己の制御対象である電気機器131の動作の必要性に応じた優先順位が付与されていても良い。
【0239】
(機器管理装置の構成)
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システムにおける機器管理装置の構成を示す図である。
【0240】
図14を参照して、機器管理装置101は、節電目標取得部31と、記憶部32と、動作制御部33とに加えて、さらに、災害情報受信部36と、優先度決定部37とを含む。
【0241】
節電目標取得部31は、自己の機器管理装置101の節電目標を、統合機器管理装置102の信号送信部24から受信し、受信した当該節電目標を、動作制御部33の動作決定部34へ出力する。
【0242】
記憶部32は、自己の機器管理装置101の制御対象である電気機器131の消費電力等の情報を含む電気機器一覧に加えて、さらに、災害が発生していない平時における動作の必要性に応じて各電気機器131に付与された優先度、および、災害時における動作の必要性に応じて各電気機器131に付与された優先度を記憶する。
【0243】
図15は、
図14に示す記憶部に記憶されている優先度の一例を示す図である。
【0244】
なお、ここでは、共用エリアの電気機器131、具体的には共用エリアのエレベータ、共用エリアの照明、および、共用エリアのエアコンの動作を制御する機器管理装置101の記憶部32に記憶されている優先度を例示することとする。
【0245】
たとえば、平時において、共用エリアのエアコンの動作が制限される場合と、共用エリアのエレベータの動作が制限される場合とを比較して、共用エリアのエアコンの動作が制限される場合の方が利用者にとって不便に感じる可能性が高いとする。このような場合、当該利用者は、平時において電力会社から節電要請を示す電力管理情報などが送信された場合に、共用エリアのエアコンの動作が共用エリアのエレベータの動作よりも優先されるように、共用エリアのエアコンおよび共用エリアのエレベータに予め優先度を付与しておくことができる。
【0246】
より詳細には、
図15に示すように、利用者は、平時において電力会社から節電要請を示す電力管理情報などが送信された場合に、たとえば共用エリアのエアコン、共用エリアのエレベータ、共用エリアの照明の順で動作が優先されることを希望する場合、この順の逆順、すなわち共用エリアの照明、共用エリアのエレベータ、共用エリアのエアコンの順で優先的に多くの消費電力が削減されるように、各電気機器131に優先度を予め付与しておくことができる。
【0247】
また、災害が発生した場合、人が安全に避難することなどを可能にするため、平時と比較して、共用エリアの照明および共用エリアのエレベータの動作の必要性が高まる。このような理由によって利用者が、災害時においては、たとえば共用エリアの照明、共用エリアのエレベータ、共用エリアのエアコンの順で動作が優先されることを希望する場合、当該利用者は、この順の逆順、すなわち共用エリアのエアコン、共用エリアのエレベータ、共用エリアの照明の順で優先的に消費電力が削減されるように、各電気機器131に予め優先度を付与しておくことができる。
【0248】
なお、上述した例は一例であって、各電気機器131の優先度は、
図15に示す順に限定されない。また、各電気機器131には、初期値として所定の優先度が付与されていても良い。また、各電気機器131には、平時、地震災害時および気象災害時のそれぞれにおける動作の必要性に応じた優先度に限らず、平時、地震災害時および気象災害時のそれぞれにおける動作の必要性に応じた優先順位が付与されていても良い。
【0249】
再び
図14を参照して、災害情報受信部36は、統合機器管理装置102の災害情報送信部27から災害発生通知を受信する。そして、災害情報受信部36は、受信した災害発生通知を優先度決定部37へ出力する。
【0250】
また、災害情報受信部36は、統合機器管理装置102の災害情報送信部27から災害解除通知を受信する。災害情報受信部36は、災害解除通知を受信すると、当該災害解除通知を優先度決定部37へ出力する。
【0251】
優先度決定部37は、災害情報受信部25から災害情報を受けない間、すなわち平時の間は、記憶部32に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された平時における優先度を動作決定部15へ通知する。
【0252】
また、優先度決定部37は、災害発生通知を災害情報受信部36から受けると、記憶部32に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された災害時における優先度を動作決定部34へ通知する。
【0253】
また、優先度決定部37は、災害が収束して平時と変わらない状況になったこと、または、災害が収束して平時に近い状況になったことを示す災害解除通知を災害情報受信部36から受けると、記憶部32に記憶されている優先度を参照して、電気機器一覧の各電気機器131に付与された平時における優先度を動作決定部15へ通知する。
【0254】
動作決定部34は、節電目標取得部31から受けた節電目標と、優先度決定部37から通知された各電気機器131の優先度とに基づいて、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0255】
詳細には、動作決定部34は、優先度が低い、すなわち動作の必要性が低い電気機器131ほど多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が節電目標取得部31から受けた節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。そして、動作決定部34は、決定した各電気機器131の動作内容を示す制御信号を、信号送信部35へ出力する。
【0256】
信号送信部35は、動作決定部34から受けた制御信号を、それぞれ対応の電気機器131へ送信する。
【0257】
[動作]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システム202の動作について説明する。
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システムによる動作手順を定めたシーケンス図であり、
図17は、
図16に示すシーケンス図の続きである。
【0258】
機器管理システム202における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0259】
図16および
図17を参照して、まず、統合機器管理装置102は、電力会社のサーバなどから電力管理情報を受信する。ここでは、当該電力管理情報は、統合機器管理装置102が設置されている集合宅内全体で消費電力の20%削減を目標とする節電要請を示す情報であることとする(ステップS91)。
【0260】
次に、統合機器管理装置102は、受信した電力管理情報に基づいて、全ての電気機器131による消費電力の合計を20%削減することを集合住宅における全体目標として設定する。そして、統合機器管理装置102は、自己の管理対象である機器管理装置101にそれぞれ付与された平時における優先度に基づいて、たとえば、共用エリアの電気機器131、各世帯の電気機器131の順で多くの消費電力が削減され、かつ、設定した全体目標が達成されるように、各機器管理装置101の節電目標を設定する。
【0261】
たとえば、統合機器管理装置102は、共用エリアの電気機器131による消費電力の合計を40%削減することを、対応する機器管理装置101の節電目標として設定する。また、たとえば、統合機器管理装置102は、各世帯の電気機器131による消費電力の合計を15%削減することを、対応する機器管理装置101の節電目標として設定する(ステップS92)。
【0262】
次に、統合機器管理装置102は、ステップS92において設定した節電目標を、対応の機器管理装置101へそれぞれ送信する。
【0263】
すなわち、統合機器管理装置102は、共用エリアの電気機器131による消費電力の合計を40%削減することを示す節電目標を、共用エリアにおける電気機器131の動作の制御を行う機器管理装置101Aへ送信する(ステップS93)。
【0264】
また、統合機器管理装置102は、たとえば、世帯Xの電気機器131による消費電力の合計を15%削減することを示す節電目標を、世帯Xにおける電気機器131の動作の制御を行う機器管理装置101Bへ送信する(ステップS94)。
【0265】
さらに、統合機器管理装置102は、たとえば、世帯Yの電気機器131による消費電力の合計を15%削減することを示す節電目標を、世帯Yにおける電気機器131の動作の制御を行う機器管理装置101Cへ送信する(ステップS95)。
【0266】
そして、各機器管理装置101は、統合機器管理装置102から受信した節電目標に基づいて、自己の制御対象である電気機器131に省電力動作を行わせることを決定する。
【0267】
詳細には、各機器管理装置101は、統合機器管理装置102から受信した節電目標と、自己の制御対象である電気機器131にそれぞれ付与された平時における優先度とに基づいて、優先度が低い電気機器131ほど多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が、節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0268】
たとえば、機器管理装置101Aは、共用エリアにおける複数のエレベータのうちの1台の運転を停止させること、共用エリアにおける複数の照明のうち50%の照明を消灯させること、および、共用エリアにおけるエアコンの冷房設定温度を2℃上げることを決定する(ステップS96)。
【0269】
次に、機器管理装置101Aは、ステップS96において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0270】
すなわち、機器管理装置101Aは、複数のエレベータのうちの1台の運転を停止させることを指示する制御信号を、共用エリアのエレベータである電気機器131へ送信する(ステップS97)。また、機器管理装置101Aは、複数の照明のうち50%の照明を消灯させることを指示する制御信号を、共用エリアの照明である電気機器131へ送信する(ステップS98)。また、機器管理装置101Aは、現在よりも冷房設定温度を2℃上げて動作することを指示する制御信号を、共用エリアのエアコンである電気機器131へ送信する(ステップS99)。
【0271】
また、機器管理装置101Bは、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が15%削減されるように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定し、決定した内容を示す制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS100)。
【0272】
また、機器管理装置101Cは、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が15%削減されるように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定し、決定した内容を示す制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS101)。
【0273】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0274】
次に、統合機器管理装置102は、放送局などから災害情報を受信すると(ステップS102)、受信した災害情報とに基づいて災害発生の有無を確認する。なお、ここでは、当該災害情報は、震度6の地震が発生したことを示す情報であり、統合機器管理装置102は、当該災害情報に基づいて、災害発生有りと判断することとする(ステップS103)。
【0275】
次に、統合機器管理装置102は、災害発生有りと判断すると、ステップS92において設定した全体目標と、自己の管理対象である機器管理装置101にそれぞれ付与された災害時における優先度に基づいて、各機器管理装置101の節電目標の内容を変更する。すなわち、統合機器管理装置102は、たとえば、各世帯の電気機器131、共用エリアの電気機器131の順で多くの消費電力が削減され、かつ、ステップS92において設定した全体目標が達成されるように、各機器管理装置101の節電目標を設定する。
【0276】
たとえば、統合機器管理装置102は、共用エリアの電気機器131による消費電力の合計を10%削減することを、対応する機器管理装置101の節電目標として設定する。また、たとえば、統合機器管理装置102は、各世帯の電気機器131による消費電力の合計を25%削減することを、対応する機器管理装置101の節電目標として設定する(ステップS104)。
【0277】
次に、統合機器管理装置102は、ステップS104において設定した節電目標を、対応の機器管理装置101へそれぞれ送信する。
【0278】
すなわち、統合機器管理装置102は、共用エリアの電気機器131による消費電力の合計を10%削減することを示す節電目標を、共用エリアにおける電気機器131の動作の制御を行う機器管理装置101Aへ送信する(ステップS105)。
【0279】
また、統合機器管理装置102は、たとえば、世帯Xの電気機器131による消費電力の合計を25%削減することを示す節電目標を、世帯Xにおける電気機器131の動作の制御を行う機器管理装置101Bへ送信する(ステップS106)。
【0280】
さらに、統合機器管理装置102は、たとえば、世帯Yの電気機器131による消費電力の合計を25%削減することを示す節電目標を、世帯Yにおける電気機器131の動作の制御を行う機器管理装置101Cへ送信する(ステップS107)。
【0281】
そして、各機器管理装置101は、統合機器管理装置102から受信した節電目標と、自己の制御対象である電気機器131にそれぞれ付与された災害時における優先度に基づいて、優先度が低い電気機器131ほど多くの消費電力が削減され、かつ、電気機器131の消費電力の合計が、節電目標を達成するように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定する。
【0282】
たとえば、機器管理装置101Aは、共用エリアの全てのエレベータを運転させること、共用エリアの全ての照明を点灯させること、および、共用エリアのエアコンの冷房設定温度を通常動作における冷房設定温度よりも2℃上げた状態で継続して動作することを決定する(ステップS108)。
【0283】
次に、機器管理装置101Aは、ステップS108において決定した内容の省電力動作を行うことを指示するための制御信号を、対応の電気機器131へそれぞれ送信する。
【0284】
すなわち、機器管理装置101Aは、共用エリアの全てのエレベータを運転させることを指示する制御信号を、共用エリアのエレベータである電気機器131へ送信する(ステップS109)。また、機器管理装置101Aは、共用エリアの全ての照明を点灯させることを指示する制御信号を、共用エリアの照明である電気機器131へ送信する(ステップS110)。また、機器管理装置101Aは、現在の冷房設定温度を継続することを指示する制御信号を、共用エリアのエアコンである電気機器131へ送信する(ステップS111)。
【0285】
また、機器管理装置101Bは、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が25%削減されるように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定し、決定した内容を示す制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS112)。
【0286】
また、機器管理装置101Cは、自己の制御対象である電気機器131の消費電力の合計が25%削減されるように、各電気機器131の省電力動作の具体的な内容を決定し、決定した内容を示す制御信号を、電気機器131へそれぞれ送信する(ステップS113)。
【0287】
そして、各電気機器131は、機器管理装置101から制御信号を受信すると、受信した制御信号に従った内容の省電力動作を行う。
【0288】
次に、統合機器管理装置102は、放送局などから災害解除通知を受信すると(ステップS114)、各機器管理装置101の節電目標を、災害発生前における節電目標に戻すことを決定する(ステップS115)。
【0289】
そして、統合機器管理装置102は、ステップS92において設定した各機器管理装置101の節電目標を、対応の機器管理装置101へそれぞれ送信する。ステップS116からステップS124に示す動作は、ステップS93からステップS101に示す動作と同様であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0290】
なお、統合機器管理装置102から各機器管理装置101へ節電目標を送信する順番は、必ずしも
図16および
図17に示す順番で行われなくても良く、たとえば、各機器管理装置101への節電目標の送信が並行して行われても良い。
【0291】
また、機器管理装置101から各電気機器131へ制御信号を送信する順番は、必ずしも
図16および
図17に示す順番で行われなくても良く、たとえば、各電気機器131への制御信号の送信が並行して行われても良い。
【0292】
その他の構成および動作は上述した本発明の第3の実施の形態に係る機器管理システム202と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0293】
上記のように、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システム202における機器管理装置101では、目標設定部23は、災害が発生すると、機器管理装置101の制御対象である電気機器131の災害時における動作の必要性に応じて付与された機器管理装置101の優先度または優先順位に従って、一部または全部の機器管理装置101の節電目標を変更する。
【0294】
このような構成により、災害時1において、動作の必要性の高い電気機器131ほど、利用者が自由に利用可能となるように、当該電気機器131の動作を制御する機器管理装置101の節電目標を変更できるため、電気機器131の省電力動作をより一層適切に制御することができる。
【0295】
また、本発明の第4の実施の形態に係る機器管理システム202における機器管理装置101では、目標設定部23は、災害が発生すると、さらに、機器管理装置101の制御対象である全ての電気機器131の消費電力の合計が、電力管理情報に基づく全ての電気機器131を対象とした全体目標を達成するように、一部または全部の機器管理装置101の節電目標を変更する。
【0296】
このような構成により、災害時において、動作の必要性の高い電気機器131の動作の制限が緩和されるように、当該電気機器131の動作を制御する機器管理装置101の節電目標を平時における節電目標よりも低く設定した場合であっても、他の電気機器131の動作を制御する機器管理装置101の節電目標を平時における節電目標よりも高く設定することにより、複数の電気機器131による消費電力の合計が増大することを抑えることができる。
【0297】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0298】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0299】
[付記1]
電力消費に関する電力管理情報を取得する電力管理情報取得部と、
前記電力管理情報に基づいて、電気機器に省電力動作を行わせることが可能な動作制御部とを備え、
前記動作制御部は、災害が発生すると、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更し、
前記動作制御部は、災害の発生前において、前記電力管理情報に基づいて、前記電気機器の消費電力の合計の節電目標を設定し、設定した前記節電目標を達成するように、前記各電気機器に省電力動作を行わせ、
前記動作制御部は、災害情報に基づいて災害の発生有りと判断された場合、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更する、機器管理装置。
【0300】
[付記2]
電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置、の管理を行う統合機器管理装置であって、
電力消費に関する電力管理情報を取得する電力管理情報取得部と、
前記電力管理情報に基づいて、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の消費電力の節電目標を、前記機器管理装置ごとに設定する目標設定部とを備え、
前記目標設定部は、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更し、
前記目標設定部は、災害の発生前において、前記電力管理情報に基づいて、全ての前記電気機器を対象とした全体目標を設定し、設定した前記全体目標を達成するように、前記各機器管理装置の前記節電目標を設定し、
前記目標設定部は、災害情報に基づいて災害の発生有りと判断された場合、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更する、統合機器管理装置。
【0301】
[付記3]
電気機器の動作を制御する複数の機器管理装置と、
複数の前記機器管理装置の管理を行う統合機器管理装置とを備え、
前記統合機器管理装置は、電力消費に関する電力管理情報に基づいて、前記機器管理装置の制御対象である前記電気機器の消費電力の節電目標を前記機器管理装置ごとに設定し、設定した前記節電目標を対応の前記機器管理装置へ送信し、
前記機器管理装置は、前記統合機器管理装置から受信した前記節電目標に基づいて、自己の制御対象である前記電気機器に省電力動作を行わせ、
前記統合機器管理装置は、災害が発生すると、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更し、
前記機器管理装置は、前記統合機器管理装置により変更された後の前記節電目標に基づいて、前記省電力動作を行っている前記電気機器の動作内容を変更し、
前記統合機器管理装置は、災害の発生前において、前記電力管理情報に基づいて、全ての前記電気機器を対象とした全体目標を設定し、設定した前記全体目標を達成するように、前記各機器管理装置の前記節電目標を設定し、
前記統合機器管理装置は、災害情報に基づいて災害の発生有りと判断した場合、一部または全部の前記機器管理装置の前記節電目標を変更する、機器管理システム。