特許第6149762号(P6149762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6149762
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20170612BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20170612BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20170612BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20170612BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170612BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   G03G21/00
   B41J5/30 Z
   B41J29/00 Z
   B41J29/38 Z
   G06F3/12
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-39503(P2014-39503)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-164250(P2015-164250A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】益井 隆徳
【審査官】 豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−028650(JP,A)
【文献】 特開2013−106107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 5/30
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加手段と、
前記プラグイン追加手段による前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された追加課金情報を追加する追加課金情報追加手段と、
前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索手段と、
前記課金情報検索手段によって前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索手段と、
前記ジョブ検索手段によって、起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて当該ジョブに対して課金する課金手段と、を備え、
前記プラグインに対応して設定された前記追加課金情報は、
前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブのそれぞれに対して設けられた複数の課金カウンタと、
前記複数の課金カウンタの少なくとも一つの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される課金条件と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加手段と、
前記プラグイン追加手段による前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された追加課金情報を追加する追加課金情報追加手段と、
前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索手段と、
前記課金情報検索手段によって前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索手段と、
前記ジョブ検索手段によって、起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて当該ジョブに対して課金する課金手段と、を備え、
前記プラグインに対応する前記追加課金情報は、
前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブにおける少なくとも1つのジョブに対して設けられた損金カウンタと、
前記損金カウンタの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される損金条件と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段が実行する機能に対して設定された組込み課金情報をさらに備え、
前記ジョブ検索手段は、前記課金情報検索手段によって、前記追加課金情報が含まれないとされた場合に、前記組込み課金情報を構成するジョブに、起動された前記ジョブがあるか否かを検索し、
前記課金手段は、前記ジョブ検索手段によって、前記組込み課金情報に起動された前記ジョブがあるとされた場合に、当該組込み課金情報に基づいて当該ジョブに対して課金することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ジョブ検索手段は、前記追加課金情報が複数ある場合に、後に追加された追加課金情報から順に、起動されたジョブがあるか否かを検索することを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
追加された前記プラグインを削除するプラグイン削除手段と、
前記プラグイン削除手段による前記プラグインの削除に伴って、当該プラグインの追加に伴って追加された追加課金情報を削除する追加課金情報削除手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
追加された前記プラグインを更新するプラグイン更新手段と、
前記プラグイン更新手段による前記プラグインの更新に伴って、当該プラグインの追加に伴って追加された追加課金情報を更新する追加課金情報更新手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
画像を処理する画像処理機能と、
前記画像処理機能と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加機能と、
前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された課金情報を当該プラグインに対応する追加課金情報として追加する追加課金情報追加機能と、
前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索機能と、
前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索機能と、
起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて課金する課金機能と、を実現させるプログラムであって、
前記プラグインに対応する前記追加課金情報は、
前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブのそれぞれに対して設けられた複数の課金カウンタと、
前記複数の課金カウンタの少なくとも一つの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される課金条件と、を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
画像を処理する画像処理機能と、
前記画像処理機能と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加機能と、
前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された課金情報を当該プラグインに対応する追加課金情報として追加する追加課金情報追加機能と、
前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索機能と、
前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索機能と、
起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて課金する課金機能と、を実現させるプログラムであって、
前記プラグインに対応する前記追加課金情報は、
前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブにおける少なくとも1つのジョブに対して設けられた損金カウンタと、
前記損金カウンタの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される損金条件と、を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機能の実行要求を行う実行要求手段と、自機に機能が無ければサービス管理サーバへモジュールのサーチを要求し、サーチ結果に基づき、機能に応じたモジュールを自機にインストールして機能を実行するか、又は、他機に実行要求を委譲して機能を実行するモジュール管理手段とを有し、モジュール管理手段は、他機に実行要求を委譲して機能を実行するとき、機能を実行する他機に対して利用課金を要求し、又は他機にモジュールをダウンロートするサービス管理サーバに対してダウンロード課金を要求する利用課金管理手段を有する画像処理装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、画像入力部からの入力画像データに対して画像処理部で種々の画像処理を行った後、画像出力部から出力するサービスを提供する画像処理システムにおいて、複数のサービスに対応して複数の課金カウンタをカウンタ部に設けるとともに、課金カウンタを特定する対応テーブルを対応テーブル格納部に格納しておき、当該対応テーブルから要求されるサービスに対応する課金カウンタを特定し、この特定した課金カウンタを対応するインクリメント値でインクリメントして得られるカウント値を用いて課金額を課金演算部で算出する一方、対応テーブル更新部によって対応テーブルの内容を適宜更新できるようにする画像処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−71726号公報
【特許文献2】特開2004−186859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プラグインによる機能の追加とともに追加されたプラグインに対応する課金情報により、課金条件をきめ細かく管理できる画像処理装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、画像を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加手段と、前記プラグイン追加手段による前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された追加課金情報を追加する追加課金情報追加手段と、前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索手段と、前記課金情報検索手段によって前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索手段と、前記ジョブ検索手段によって、起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて当該ジョブに対して課金する課金手段と、を備え、前記プラグインに対応して設定された前記追加課金情報は、前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブのそれぞれに対して設けられた複数の課金カウンタと、前記複数の課金カウンタの少なくとも一つの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される課金条件と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、画像を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加手段と、前記プラグイン追加手段による前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された追加課金情報を追加する追加課金情報追加手段と、前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索手段と、前記課金情報検索手段によって前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索手段と、前記ジョブ検索手段によって、起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて当該ジョブに対して課金する課金手段と、を備え、前記プラグインに対応する前記追加課金情報は、前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブにおける少なくとも1つのジョブに対して設けられた損金カウンタと、前記損金カウンタの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される損金条件と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記画像処理手段が実行する機能に対して設定された組込み課金情報をさらに備え、前記ジョブ検索手段は、前記課金情報検索手段によって、前記追加課金情報が含まれないとされた場合に、前記組込み課金情報を構成するジョブに、起動された前記ジョブがあるか否かを検索し、前記課金手段は、前記ジョブ検索手段によって、前記組込み課金情報に起動された前記ジョブがあるとされた場合に、当該組込み課金情報に基づいて当該ジョブに対して課金することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記ジョブ検索手段は、前記追加課金情報が複数ある場合に、後に追加された追加課金情報から順に、起動されたジョブがあるか否かを検索することを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、追加された前記プラグインを削除するプラグイン削除手段と、前記プラグイン削除手段による前記プラグインの削除に伴って、当該プラグインの追加に伴って追加された追加課金情報を削除する追加課金情報削除手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、追加された前記プラグインを更新するプラグイン更新手段と、前記プラグイン更新手段による前記プラグインの更新に伴って、当該プラグインの追加に伴って追加された追加課金情報を更新する追加課金情報更新手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、コンピュータに、画像を処理する画像処理機能と、前記画像処理機能と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加機能と、前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された課金情報を当該プラグインに対応する追加課金情報として追加する追加課金情報追加機能と、前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索機能と、前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索機能と、起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて課金する課金機能と、を実現させるプログラムであって、前記プラグインに対応する前記追加課金情報は、前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブのそれぞれに対して設けられた複数の課金カウンタと、前記複数の課金カウンタの少なくとも一つの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される課金条件と、を含むことを特徴とするプログラムである。
請求項に記載の発明は、コンピュータに、画像を処理する画像処理機能と、前記画像処理機能と連携して実行される機能をプラグインとして追加するプラグイン追加機能と、前記プラグインの追加に伴って、当該プラグインに対応して設定された課金情報を当該プラグインに対応する追加課金情報として追加する追加課金情報追加機能と、前記追加課金情報があるか否かを検索する課金情報検索機能と、前記追加課金情報があるとされた場合に、当該追加課金情報を構成する複数のジョブに起動されたジョブが含まれるか否かを検索するジョブ検索機能と、起動された前記ジョブが前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブに含まれるとされた場合に、当該追加課金情報に基づいて課金する課金機能と、を実現させるプログラムであって、前記プラグインに対応する前記追加課金情報は、前記追加課金情報を構成する前記複数のジョブにおける少なくとも1つのジョブに対して設けられた損金カウンタと、前記損金カウンタの値が、前記複数のジョブの成功と失敗との組合せによって設定される損金条件と、を含むことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1、2の発明によれば、組込み課金情報を変更して使用する場合に比べて、プラグインによる機能の追加とともに追加されたプラグインに対応する課金情報により課金条件をきめ細かく管理できる。
請求項の発明によれば、組込み課金情報を変更して使用する場合に比べて、プラグインの機能と組込み機能とを併用して用いることができる。
請求項の発明によれば、本構成を備えない場合に比べ、プラグインの管理が容易になる。
請求項の発明によれば、本構成を備えない場合に比べ、誤操作が抑制できる。
請求項の発明によれば、本構成を備えない場合に比べ、改良された複合サービスが利用できる。
請求項7、8の発明によれば、組込み課金情報を変更して使用する場合に比べて、プラグインによる機能の追加とともに追加されたプラグインに対応する課金情報により課金条件をきめ細かく管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される画像処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】画像処理装置における制御部の構成の一例を示す図である。
図3】画像処理装置が備える機能を説明する図である。
図4】組込み機能に対応する組込み課金情報の一例を示す図である。
図5】プラグイン1に対応する追加課金情報1の一例を示す図である。(a)と(b)とで、課金条件が異なる例を示す。
図6】プラグイン2に対応する追加課金情報2の一例を示す図である。
図7】プラグイン3に対応する追加課金情報3の一例を示す図である。
図8】プラグイン4に対応する追加課金情報4の一例を示す図である。
図9】制御部のユニット構成の一例を示す図である。
図10】制御部が行う課金処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(画像処理システム)
図1は、本実施の形態が適用される画像処理システムの構成の一例を示す図である。
この画像処理システムは、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、ファクシミリ機能などを備えた所謂複合機として動作する画像処理装置1と、画像処理装置1に接続される通信回線2と、通信回線2に接続される端末装置3と、通信回線2に接続されるファクシミリ装置4と、通信回線2に接続されるサーバ装置5とを有している。
【0010】
ここで、通信回線2は、インターネット回線や電話回線等によって構成されている。また、端末装置3は、通信回線2を介して、画像処理装置1に画像の処理等を指示するものであり、例えばPC(Personal Computer)で構成される。さらに、ファクシミリ装置4は、通信回線2を介して、画像処理装置1との間でファクシミリを送受信する。さらにまた、サーバ装置5は、通信回線2を介して、画像処理装置1との間でデータ(プログラムを含む)を送受信する。
なお、サーバ装置5は、所謂クラウドコンピューティングを行うもの、クラウドサービスを提供するものであってよい。
【0011】
(画像処理装置1)
画像処理装置1は、紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部20と、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る画像読取部30と、通信回線2を介して端末装置3、ファクシミリ装置4およびサーバ装置5との間でデータの送受信を行う送受信部40と、利用者から電源のオン/オフ、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能、さらには後述する追加された機能を用いた動作に関連する指示を受け付けるとともに、利用者に対してメッセージを表示する利用者インタフェース(UI)部50と、これら画像形成部20、画像読取部30、送受信部40及びUI部50の動作を制御する制御部10とを備えている。
そして、制御部10と、画像形成部20、画像読取部30、送受信部40及びUI部50とは制御バス60で接続されている。
制御部10、画像形成部20、画像読取部30、送受信部40及びUI部50はそれぞれが画像処理手段の一例である。
【0012】
画像処理装置1は、画像読取部30から読み取った画像を、画像形成部20により紙等の記録部材に印刷する。
また、画像処理装置1は、通信回線2を介して、画像処理装置1の外部に置かれた端末装置3、ファクシミリ装置4またはサーバ装置5から送信された画像などのデータを画像形成部20により記録部材に印刷する。
一方、画像処理装置1は、画像読取部30が読み取った画像などのデータを、送受信部40から通信回線2を介して画像処理装置1の外部に置かれた端末装置3、ファクシミリ装置4、サーバ装置5に送信する。
なお、送受信部40は、例えばインターネット回線用のものと電話回線用のものとを、別々に設けるようにしてもかまわない。
【0013】
すなわち、この画像処理装置1では、後述する組込み機能として画像読取部30によってスキャン機能が実現され、画像形成部20によってプリント機能が実現され、画像読取部30および画像形成部20によってコピー機能が実現され、画像読取部30、画像形成部20および送受信部40によってファクシミリ機能が実現される。
【0014】
(制御部10)
図2は、画像処理装置1における制御部10の構成の一例を示す図である。
制御部10は、中央演算処理装置(以下ではCPUと表記する。)11と、RAM12と、不揮発性メモリ(以下ではNVMと表記する。)13と、ハードディスクドライブ(以下ではHDDと表記する。)14とを備えている。
そして、CPU11、RAM12、NVM13及びHDD14は、信号バス15で接続されている。
信号バス15は、制御バス60に接続されている。
【0015】
CPU11は、論理演算および算術演算を実行するALU(Arithmetic Logical Unit:論理算術演算ユニット)などを備えている。
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11が演算の実行に用いるプログラム、データを保持する。なお、プログラム、データを合わせてデータと表記することがある。
通常、RAM12は揮発性の記憶媒体であって、電源が供給されている間において、データの読み書きができ、書き込まれたデータを保持し、電源が供給されていないとデータが失われる。
NVM13は不揮発性の記憶媒体であって、電源が供給されている間において、データの読み書きができるとともに、電源が供給されていないときにおいても、書き込まれたデータを保持する。ここでは、NVM13は、データの書き換えができないROM(Read Only Memory)であってもよく、データの書き換えが可能なフラッシュメモリであってもよい。ここでは、NVM13は、フラッシュメモリであるとして説明する。
HDD14は、大容量の書き換え可能な不揮発性メモリであって、画像処理装置1を動作させるためのプログラムやデータを保持している。なお、NVM13が、ファームウエアとして、これらのプログラムやデータを保持していてもよい。この場合、制御部10は、HDD14を備えなくてもよい。
ここでは、NVM13が、ファームウエアとして画像処理装置1を動作させるためのプログラムやデータを保持しているとして説明する。
【0016】
制御部10に電源が投入されると、CPU11は、NVM13から画像処理装置1を動作させるために必要なプログラムをRAM12に読み込む(ロード)する。そして、予め定められたアドレス(番地)から、プログラムを実行して、画像処理装置1を動作状態にする(立ち上げる)。
【0017】
(組込み機能200とプラグイン機能300)
図3は、画像処理装置1が備える機能を説明する図である。
画像処理装置1は、組込み機能200とプラグイン機能300とを実行することができる。
組込み機能200は、画像処理装置1に予め組み込まれた標準機能であって、例えば、コピー機能(図3では「コピー」と表記する。以下同様。)、スキャン機能(スキャン)、プリント機能(プリント)およびファクシミリ機能(ファクシミリ送信)、その他の機能1(機能1)、その他の機能2(機能2)である。これらの機能は、画像処理装置1が備える画像形成部20、画像読取部30などにより実行できる機能であり、画像処理装置1に閉じた機能である。
ここでは、組込み機能200を6個としたが、これは例示であって、他の数であってよい。
【0018】
プラグイン機能300は、利用者によって追加される機能であって、図3では、それぞれが独立した機能を有するプラグイン1〜N(Nは1以上の整数。)である。なお、利用者によって組み込まれるプラグイン機能300は、プラグイン1の1個のみでもよく、複数個あってもよい。なお、プラグイン1〜Nをそれぞれ区別しないときは、プラグインと表記する。
【0019】
プラグインは、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)などのプログラム言語で記述されたプログラムであって、画像処理装置1にプラグインを追加されて実行させることにより、画像処理装置1の機能をカスタマイズする。
なお、プラグインを記述したプログラムは、HDD14に格納されていてもよく、通信回線2を介して取得してもよい。
【0020】
ここで、プラグイン機能300の一例を説明する。
画像処理装置1の画像読取部30によって画像を読み込んで画像データとし、画像データを、送受信部40を介して画像処理装置1の外部に設けられたサーバ装置5に送信し、サーバ装置5において文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データをサーバ装置5において保管するという一連の処理の実行(サービス)を考える。
画像読取部30により画像を読み込む処理は、画像処理装置1のスキャン機能(スキャン)を用いた処理(サービス)である。しかし、サーバ装置5において文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データをサーバ装置5に保管する処理は、画像処理装置1だけでは実行できない。なお、サーバ装置5において文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データをサーバ装置5に保管する処理をここではクラウドサービスと表記する。
【0021】
上記の一連の処理は、画像処理装置1と画像処理装置1の外部に設けられ通信回線2で接続されたサーバ装置5などとの連携により実行される。
そこで、画像読取部30によって画像を読み込み画像データとし、送受信部40を介して送信する処理(サービス)と、サーバ装置5において受信した画像データに対して文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データをサーバ装置5において保管する処理(クラウドサービス)とを、プラグインとして定義し、これらのサービスが連続して実行されるようにする。
すなわち、ここで例示したプラグイン機能300の一例は複合サービスである。
【0022】
このように、画像処理装置1においては、組込み機能に加えて、組込み機能と画像処理装置1の外部に設けられた機能とを連携させたサービスを提供することが求められている。
【0023】
上述したように、画像処理装置1は、組込み機能200とプラグイン機能300とを備える。このとき、組込み機能200及びプラグイン機能300のそれぞれの機能に対して、課金することが必要となる場合がある。
この場合、画像処理装置1は、組込み機能200に対しては、予め課金を管理する情報(組込み課金情報)を備えている。
しかし、プラグイン機能300に対しては、画像処理装置1に、プラグイン1〜Nを追加する際に、プラグイン1〜Nに対応する課金を管理する情報(追加課金情報1〜N(Nは1以上の整数))を追加するようにしている。なお、追加課金情報1〜Nをそれぞれ区別しない場合は、追加課金情報と表記する。
【0024】
画像処理装置1は、図3に示すように、組込み機能200に対して、組込み機能200全体に対応する課金情報である組込み課金情報を備えている。ここでは、組込み課金情報は、図2に示したNVM13上に保持されているとする。そして、組込み機能200の機能が利用される毎に組込み課金情報で指定される課金カウンタ(後述する図4を参照)が積算される。なお、HDD14上に、組込み課金情報が保持されるようにしてもよい。このように、組込み課金情報は、電源の供給がなくてもデータが保持される不揮発性の記憶媒体に保持されていることが好ましい。揮発性の記憶媒体であるRAM12に保持されるようにしてもよいが、電源の瞬断などによってデータが失われるおそれがある。ここでは、組込み課金情報は、NVM13上に保持されているとして説明する。
【0025】
一方、追加課金情報は、プラグイン毎に設定される。よって、図3に示すように、プラグイン1〜Nの場合、プラグイン1に対応して追加課金情報1が、プラグイン2に対応して追加課金情報2が、そして、プラグインNに対して追加課金情報Nが設定される。
そして、プラグインが追加される毎に、対応する追加課金情報が追加される。追加課金情報も不揮発性の記憶媒体に保持されていることが好ましい。なお、NVM13の容量の制限によって追加課金情報が保持できない場合には、HDD14上に保持されてもよい。ここでは、追加課金情報は、HDD14に保持されるとして説明する。
【0026】
ここでは、組込み課金情報と追加課金情報(追加課金情報1〜N)とをまとめて課金情報400と呼ぶ。
【0027】
追加課金情報は、プラグインを記述するプログラムに含まれている。そして、利用者によるUI部50からの指示により、プラグインを追加する際に、プラグインを記述するプログラムがRAM12に読み込まれることで、そのプラグイン機能が画像処理装置1に追加される。そして、プラグインに対応する追加課金情報は、プラグインがRAM12に読み込まれて初期化される際に、HDD14上に書き込まれる。
なお、図3に示す検索方向については、後述する。
【0028】
図4は、組込み機能200に対応する組込み課金情報の一例を示す図である。
組込み課金情報は、所謂課金テーブルであって、ジョブ名、パラメータ1、パラメータ2、単価(円)、単位、課金カウンタから構成されている。
ジョブ名は、組込み機能200における「コピー」、「スキャン」、「プリント」および「ファクシミリ送信」、「機能1」、「機能2」である。
パラメータ1は、例えばカラーモードであって、「モノクロ」又は「カラー」である。パラメータ2は、例えば用紙サイズであって、「A4」、「A3」、「その他」である。ここでは、パラメータ1とパラメータ2としたが、パラメータは、単価を決めるときに考慮しなければならない項目であるので、その他のパラメータを含んでいてもよい。また、それぞれのパラメータが他の内容を規定するものであってもよい。
単価(円)は、単位毎の課金金額である。
単位は、「ページ」、「ジョブ」である。すなわち、単位が「ページ」である場合には、「ページ」毎に単価(円)が課金される。単位が「ジョブ」である場合には、「ジョブ」毎に単価(円)が課金されることになる。
課金カウンタは、単位の積算値が保持される記憶媒体(メモリ)の領域(アドレス)である。例えば、ジョブ「コピー」を、パラメータ1(カラーモード)が「モノクロ」でパラメータ2(用紙サイズ)が「A4」において10ページ行った場合には、課金カウンタC01が「10」カウントアップされる。この場合、課金カウンタC01のカウントアップ分(10)×単価10円の100円が利用者に課金される。
【0029】
なお、図4において、“*”は、「いずれであっても(any)」を意味する。例えば、ジョブ名(ジョブと略す。以下同じ。)「スキャン」の場合、パラメータ1(カラーモード)が「モノクロ」であれば、パラメータ2(用紙サイズ)が「A4」、「A3」又は「その他」のいずれであっても、「ページ」毎に課金カウンタC07が「1」カウントアップされる。そして、カウントアップ分(1)×単価10円による10円が利用者に課金される。
【0030】
また、ジョブ「機能1」では、パラメータ1(カラーモード)が「モノクロ」又は「カラー」のいずれであっても、パラメータ2(用紙サイズ)が「A4」、「A3」又は「その他」のいずれであっても、「ページ」毎に単価20円が課金される。
一方、ジョブ「機能2」では、パラメータ1(カラーモード)が「モノクロ」又は「カラー」のいずれであっても、パラメータ2(用紙サイズ)が「A4」、「A3」又は「その他」のいずれであっても、「ジョブ」毎に単価20円が課金される。
【0031】
上記のように、組込み機能200については、図4に示した組込み課金情報を参照して、該当するジョブ名のパラメータ1、パラメータ2、単位に基づいて対応する単価(円)が課金されて管理される。
【0032】
図5は、プラグイン1に対応する追加課金情報1の一例を示す図である。図5(a)と図5(b)とで、課金条件が異なる例を示す。
プラグイン1に対応する追加課金情報1は、所謂課金テーブルであって、プラグイン名、ジョブ名、パラメータ1、パラメータ2、単価(円)、単位、課金カウンタ、課金条件から構成されている。
【0033】
プラグイン1を、プラグイン機能300の一例として説明した複合サービスで説明する。すなわち、プラグイン1は、画像を画像読取部30によって読み込んで画像データにして送受信部40を介して送信するサービス(サービス1)と、サーバ装置5が受信した画像データに対して文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データを保管するクラウドサービス(サービス2)とからなる複合サービスである。
プラグイン1において、サービス1は、画像処理装置1のジョブ「スキャン」及びジョブ「ファクシミリ送信」に対応する。よって、サービス1に対する利用者への課金は、画像処理装置1の所有者又は管理者などのサービス1の提供者に対して支払われることが必要となる。
一方、サービス2(クラウドサービス)に対する課金は、クラウドサービスの提供者に支払われることが必要となる。
つまり、サービス1とサービス2とは、分けて課金されることが必要となる。
【0034】
プラグイン1は、ジョブ「サービス1」と「サービス2」とのマルチジョブである。そして、図5(a)、(b)に示すプラグイン1の追加課金情報から分かるように、サービス1とサービス2とに分けて課金される。
パラメータ1、2、単価(円)、単位については、図4で説明した組込み課金情報と同様であるので、説明を省略する。
サービス1の課金カウンタP1−C01及びサービス2の課金カウンタP1−C02は制御部10のHDD14に設けられている。
【0035】
そして、図5(a)では、課金条件は、サービス1とサービス2とのAND条件(*)であることを規定している。サービス1が成功した場合を“1”、失敗した場合を“0”とし、サービス2が成功した場合を“1”、失敗した場合を“0”とする。そして、サービス1が成功(“1”)し、サービス2が成功(“1”)の場合(サービス1 * サービス2 = 1)に、サービス1の課金カウンタP1−C01及びサービス2の課金カウンタP1−C02のそれぞれにおいて「1」カウントアップされる。
すなわち、利用者には、課金カウンタP1−C01のカウントアップ値(1)×単価20円による20円と、課金カウンタP1−C02のカウントアップ値(1)×単価30円による30円との合計の50円が課金される。
そして、サービス1の提供者に、課金カウンタP1−C01のカウントアップ値(1)×単価20円による20円が支払われ、サービス2の提供者に、課金カウンタP1−C02のカウントアップ値(1)×単価30円による30円が支払われる。
【0036】
そして、サービス1が失敗(“0”)した場合、又はサービス1は成功(“1”)したがサービス2が失敗(“0”)した場合には、課金カウンタP1−C01及び課金カウンタP1−C02はカウントアップされない。
プラグイン1が成功しない限り、利用者に課金されず、サービス1の提供者及びサービス2の提供者のいずれにも支払われない。
【0037】
なお、上記の例は、サービス1の出力がサービス2の入力になりサービス2が行われる場合を想定しているが、サービス1とサービス2とが並行して行われる場合においては、サービス1は失敗(“0”)したがサービス2が成功(“1”)した場合にも、課金カウンタP1−C01及び課金カウンタP1−C02はカウントアップされない。
【0038】
一方、図5(b)では、課金条件を、サービス1とサービス2とのOR条件(+)であることを規定している。この場合、サービス1は成功(“1”)したがサービス2が失敗(“0”)した場合に、課金カウンタP1−C01のみが「1」カウントアップされる。
よって、プラグイン1の機能は達成されていないがサービス1を利用したことから、利用者には、課金カウンタP1−C01のカウントアップ値(1)×単価20円による20円が課金される。
そして、サービス1の提供者に、課金カウンタP1−C01のカウントアップ値(1)×単価20円による20円が支払われる。一方、サービス2の提供者には、支払われない。
この場合、利用者はなんの出力も得られない。そこで、利用者は画像処理装置1から成功(“1”)したサービス1の出力、前述の例ではスキャンした画像データを取り出すことができるようにしてもよい。
【0039】
なお、サービス1とサービス2とが並行して行われる場合において、サービス1は失敗(“0”)したがサービス2が成功(“1”)した場合には、課金カウンタP1−C02のみが「1」カウントアップされる。
よって、プラグイン1が成功していないがサービス2を利用したことから、利用者には、課金カウンタP1−C02のカウントアップ値(1)×単価30円による30円が課金される。
そして、サービス2の提供者に、課金カウンタP1−C02のカウントアップ値(1)×単価30円による30円が支払われる。一方、サービス1の提供者には、支払われない。
【0040】
以上において、画像処理装置1にプラグイン1を追加する際に、追加課金情報1も追加するようにしている。
もし、追加課金情報1を追加しないとすると、プラグイン1に対する課金管理を図4に示した組込み課金情報を流用して行わざるを得ない。
このとき、例えば組込み課金情報に含まれるジョブ「スキャン」、「コピー」、「ファクシミリ送信」を同時に行う場合では、図4に示した組込み課金情報におけるそれぞれのジョブに対して課金し、合計すればよい。
しかし、画像処理装置1に上記の複合サービスをプラグインとして追加する場合には、組込み課金情報を書き換えて対応することになる。そして、元のサービスに戻る場合に、組込み課金情報を元に戻すことが必要となる。
また、画像処理装置1が提供するサービスと、画像処理装置1の外部が提供するサービスとの複数のサービスの場合に、それぞれのサービス提供者毎に課金することが難しい。
【0041】
すなわち、上記のように、プラグインの追加の際に追加課金情報を追加することで、予め定義された組込み課金情報の内容に制限されることなく、課金を管理できる。
また、複数のジョブが含まれるマルチジョブにおいて、成功(“1”)と失敗(“0”)とを組み合わせた課金条件を用いることで、きめ細かく課金を設定することができる。
【0042】
図6は、プラグイン2に対応する追加課金情報2の一例を示す図である。
プラグイン2は、ジョブ「サービス3」、「サービス4」、「サービス5」からなる複合サービス、すなわちマルチジョブとして構成されている。
そして、課金条件は、一例として、サービス3、サービス4のAND条件(*)とサービス5とのOR条件(+)である。
【0043】
例えば、ジョブ「サービス3」をプラグイン1のジョブ「サービス1」、ジョブ「サービス4」をプラグイン1のジョブ「サービス2」とする。すなわち、サービス3は画像を画像読取部30によって読み込んで画像データにして送受信部40を介して送信するサービス、サービス4はサーバ装置5が受信した画像データに対して文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データを保管するクラウドサービスである。そして、サービス5は、画像処理装置1を設置している店舗のサービス(設置料)である。
この例では、サービス3及びサービス4がそれぞれ成功(“1”)した場合に、課金カウンタP2−C01、P2−C02が「1」カウントアップされる。サービス3又はサービス4のいずれか又両方が失敗(“0”)した場合には、課金カウンタP2−C01、P2−C02はカウントアップされない。
そして、サービス3及びサービス4のいずれか又は両方が成功(“1”)しても失敗(“0”)しても、画像処理装置1が使用されたことから、課金カウンタP2−C03が「1」カウントアップされる。
【0044】
そして、サービス3及びサービス4がそれぞれ成功(“1”)した場合に、利用者には、課金カウンタP2−C01のカウントアップ値(1)×単価20円による20円、課金カウンタP2−C02のカウントアップ値(1)×単価30円による30円、課金カウンタP2−C03のカウントアップ値(1)×単価10円による10円の合計60円が課金される。
そして、サービス3の提供者には、課金カウンタP2−C01のカウントアップ値(1)×単価20円による20円が支払われ、サービス4の提供者には、課金カウンタP2−C02のカウントアップ値(1)×単価30円による30円が支払われ、サービス5の提供者には、課金カウンタP2−C03のカウントアップ値(1)×単価10円による10円が支払われる。
【0045】
なお、サービス3が失敗(“0”)、又はサービス3は成功(“1”)したがサービス4が失敗(“0”)した場合には、利用者には課金カウンタP2−C03のカウントアップ値(1)×単価10円による10円が課金され、サービス5の提供者にはこの10円が支払われる。
【0046】
図7は、プラグイン3に対応する追加課金情報3の一例を示す図である。
ジョブ「スキャン」は、図4に示した組込み課金情報におけるジョブ「スキャン」と重なっている。そして、プラグイン3のジョブ「スキャン」では、パラメータ1(カラーモード)が「モノクロ」である場合、パラメータ2(用紙サイズ)が「A4」、「A3」又は「その他」のいずれであっても、ページ当りの単価が20円、パラメータ1(カラーモード)が「カラー」である場合、パラメータ2(用紙サイズ)が「A4」、「A3」又は「その他」のいずれであっても、ページ当りの単価が20円であって、図4に示した組込み追加課金情報におけるジョブ「スキャン」の場合と異なっている。
「プラグイン3」は、組込み課金情報のジョブ「スキャン」に規定された単価(円)と異なる単価(円)を提供する場合である。
なお、課金カウンタC07、C08は、組込み課金情報のジョブ「スキャン」の場合と同じである。
【0047】
この場合、後述するように、利用者によって指定されたジョブ「スキャン」に対して、組込み課金情報のジョブ「スキャン」より、プラグイン3に対応する追加課金情報3が優先して適用されるようにする。
すなわち、プラグイン3のようなプラグインを設けることにより、組込み課金情報を書き換えることなく、あたかも書き換えたように課金を管理できる。
また、プラグイン3はジョブ「スキャン」のみを含むが、ジョブ「コピー」、「ファクシミリ送信」が連続して実行されるマルチジョブとし、単価を組込み課金情報におけるより、低い値に設定することもできる。複数のジョブを同時に使用する場合に割引単価を設定できる。
【0048】
図8は、プラグイン4に対応する追加課金情報4の一例を示す図である。
これは、図5に示したプラグイン1を拡張したものである。すなわち、ジョブ名、パラメータ1、パラメータ2、単価(円)、単位、課金カウンタ、課金条件は、図5に示したプラグイン1と同じである。これに、損金カウンタ及び損金条件を付加している。なお、プラグイン4に合わせて、課金カウンタP4−C01、P4−C02としている。
【0049】
図5で説明した複合サービスの例で説明する。プラグイン4のサービス1は、画像を画像読取部30によって読み込んで画像データにして送受信部40を介して送信するサービス、サービス2は、サーバ装置5が受信した画像データに対して文字認識処理をして文書データに変換し、その文書データを保管するクラウドサービスである。
そして、課金条件は、図5(a)で示したと同様に、サービス1とサービス2とのAND条件(*)である。このとき、サービス1は成功(“1”)したがサービス2が失敗(“0”)した場合、利用者に対して課金されず、成功(“1”)したサービス1の提供者に対しても支払がない。
この場合、プラグイン4が成功しなかったのはサービス2が失敗(“0”)したことによる。よって、サービス1に対する利用者への課金を、失敗(“0”)したサービス2の提供者に転換して行うようにしている。
【0050】
そこで、サービス2に損金カウンタP4−L02を設け、損金条件をサービス1とサービス2の否定(NOT)とのAND条件(*)としている。すなわち、サービス1が成功(“1”)し、サービス2が失敗(“0”)した場合に、損金カウンタP4−L02が「1」カウントアップされ、サービス2の提供者に課金される。つまり、損金カウンタP4−L02のカウントアップ分(1)×サービス1の単価20円による20円を、サービス2の提供者に支払わせる。
なお、サービス1が成功(“1”)し且つサービス2が成功(“1”)した場合には、損金カウンタP4−L02はカウントアップされない。
【0051】
図9は、制御部10のユニット構成(機能ブロック)の一例を示す図である。
制御部10は、プラグインを追加するプラグイン追加手段の一例としてのプラグイン追加ユニット101、プラグインの追加に伴って追加課金情報を追加する追加課金情報追加手段の一例としての追加課金情報追加ユニット102、プラグインを更新するプラグイン更新手段の一例としてのプラグイン更新ユニット103、プラグインの更新に伴って追加課金情報を更新する追加課金情報更新手段の一例としての追加課金情報更新ユニット104、プラグインを削除するプラグイン削除手段の一例としてのプラグイン削除ユニット105、プラグインの削除に伴って追加課金情報を削除する追加課金情報削除手段の一例としての追加課金情報削除ユニット106、ジョブを管理するジョブ管理ユニット107、ジョブが起動された際に追加課金情報の有無を検索する課金情報検索手段の一例としての課金情報検索ユニット108、組込み課金情報又は追加課金情報ジョブのいずれかにおいてジョブを検索するジョブ検索手段の一例としてのジョブ検索ユニット109、課金情報に基づいて課金カウンタ(又は損金カウンタ)をカウントアップする課金手段の一例としての課金ユニット110を備えている。
【0052】
利用者は、UI部50を介してプラグインの追加、更新、削除を指示する。また、利用者は、UI部50を介してジョブを指定する。
プラグインを追加する場合、プラグイン追加ユニット101は、指定されたプラグインを記述したプログラムをHDD14又は通信回線2を介してRAM12上に読み出して実行させる。この際、追加課金情報追加ユニット102は、指定されたプラグインを記述したプログラムにより、HDD14上に追加課金情報が設定される。そして、プラグインの総数を、プラグインを追加する前の総数に「1」を加えた数とする。
【0053】
プラグインを更新する場合、プラグイン更新ユニット103は、指定されたプラグインを更新するプログラムをHDD14又は通信回線2を介して読み出して実行させて、指定されたプラグインを更新する。この際、追加課金情報更新ユニット104は、指定されたプラグインを更新するプログラムにより、HDD14上の追加課金情報を更新する。
また、プラグインを更新する場合には、追加課金情報をそのまま保存してもよく、追加課金情報を書き換えてもよい。追加課金情報を書き換える場合には、更新前のデータを削除して上書きしてもよく、更新前のデータを更新後のデータに変換してもよい。更新前のデータから更新後のデータへの変換は、プラグインの初期化に伴って行われるようにプログラムしておけばよい。
【0054】
プラグインを削除する場合、プラグイン削除ユニット105は、指定されたプラグインを削除するプログラムをHDD14又は通信回線2を介して読み出して実行させ、指定されたプラグインを削除する。この際、追加課金情報削除ユニット106は、指定されたプラグインを削除するプログラムにより、HDD14上の追加課金情報を削除する。そして、プラグインの番号を追加された順に設定し直すとともに、プラグインの総数を、プラグインを削除する前の総数から「1」を減じた数とする。
なお、プラグインを削除せずに、UI部50において利用者によって指定できないようにしてもよい。
【0055】
ジョブ管理ユニット107は、ジョブを管理する。利用者によってジョブ及び関連するパラメータ1、2が指定された(起動された)場合、起動されたジョブが組込み機能200に対応する組込み課金情報又はプラグイン機能300に対応する追加課金情報にある場合に、ジョブを実行させる。
【0056】
課金情報検索ユニット108は、追加課金情報があるか否かを検索する。
【0057】
ジョブ検索ユニット109は、課金情報検索ユニット108の検索によって追加課金情報があるとされた場合には、追加課金情報に起動されたジョブがあるか否かを検索する。追加課金情報がない場合には、組込み課金情報に対応するジョブがあるか否かを検索する。
そして、起動されたジョブが追加課金情報又は組込み課金情報にある場合、そのことをジョブ管理ユニット107に通知するとともに、指定されたパラメータ1、2にしたがって単位、課金条件、課金カウンタを課金ユニット110に通知する。なお、そのジョブに損金条件が設定されている場合には、損金条件、損金カウンタを課金ユニット110に通知する。
なお、プラグインが指定された場合には、プラグインに含まれる複数のジョブがマルチジョブとして実行される。
一方、起動されたジョブが組込み課金情報及び追加課金情報のいずれにもない場合には、そのことをジョブ管理ユニット107に通知する。
【0058】
課金ユニット110は、ジョブの実行にともなって、通知された単位、課金条件に基づいて、課金カウンタをカウントアップする。なお、損金条件が設定されている場合には、損金条件に基づいて、損金カウンタをカウントアップする。
【0059】
図10は、制御部10が行う課金処理のフローチャートを示す図である。
ここでは、制御部10のプラグイン追加ユニット101により、画像処理装置1にN個のプラグインが追加されているとする(プラグイン追加機能)。そして、N個のプラグインの追加に伴い、制御部10の追加課金情報追加ユニット102により、画像処理装置1にN個のプラグインに対応するN個の追加課金情報が追加されているとする(追加課金情報追加機能)。
制御部10のジョブ管理ユニット107により、利用者によりジョブが起動されたか否かが判断される(ステップ11。図10ではS11と表記する。以下同様。)。
【0060】
ステップ11において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、ジョブが起動されていない場合には、ステップ11に戻って、ジョブが起動されるのを待つ。
一方、ステップ11において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、ジョブが起動された場合には、制御部10の課金情報検索ユニット108により、追加課金情報があるか否かが判断される(ステップ12)(課金情報検索機能)。ステップ12において、否定(No)の判断がされた場合については後述する。
【0061】
ステップ12において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、追加課金情報がある場合には、制御部10のジョブ検索ユニット109により、追加課金情報の総数(N)が読み込まれ変数Xに入れられる(ステップ13)。
そして、ジョブ検索ユニット109により、追加課金情報Xのジョブ名に起動されたジョブがあるか否かが判断される(ステップ14)(ジョブ検索機能)。ステップ14において、否定(No)の判断がされる場合については後述する。
【0062】
ステップ14において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、追加課金情報Xのジョブ名に起動されたジョブがある場合には、制御部10のジョブ管理ユニット107の管理に基づいてジョブが実行され(画像処理機能)、制御部10における課金ユニット110により、追加課金情報Xに基づいて、課金がされる(ステップ15)(課金機能)。
この場合、Xより小さい番号の追加課金情報及び組込み課金情報に対しては、起動されたジョブの検索がされない。
【0063】
なお、ステップ14において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、追加課金情報Xに起動されたジョブがない場合には、変数Xが「1」減算される(ステップ16)。そして、Xが0より大きい(X>0)か否かが判断される(ステップ17)。ステップ17において、否定(No)の判断がされる場合については後述する。
【0064】
ステップ17において、肯定(Yes)の判断がされる場合、すなわち、Xが0より大きい(X>0)場合には、ステップ14に戻って、追加課金情報Xに起動されたジョブがあるか否かが判断される。
【0065】
なお、ステップ12において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、追加課金情報がない場合には、制御部10のジョブ検索ユニット109により、組込み課金情報に起動されたジョブがあるか否かが判断される(ステップ18)。ステップ18において、否定(No)の判断がされる場合については後述する。
【0066】
ステップ18において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、組込み課金情報のジョブ名に起動されたジョブがある場合には、制御部10のジョブ管理ユニット107の管理に基づいてジョブが実行され、制御部10における課金ユニット110により、組込み課金情報に基づいて、課金がされる(ステップ19)。
【0067】
一方、ステップ17において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、Xが0の場合には、ステップ18で、制御部10のジョブ検索ユニット109により、組込み課金情報のジョブ名に起動されたジョブがあるか否かが判断される。
【0068】
そして、ステップ18において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、組込み課金情報のジョブ名に起動されたジョブがない場合には、ジョブ管理ユニット107により、ジョブの実行が禁止される(ステップ20)。この場合は、画像処理装置1において、ジョブが実行されない(禁止される)と共に、UI部50での「エラー」表示や、アラーム音などにより、予期しないジョブが要求されたことを利用者に報知する。
【0069】
以上説明したように、図10に示すフローチャートでは、プラグインが追加されている場合には、組込み課金情報より優先して、追加課金情報においてジョブが検索されるようになっている。
このようにすることで、ジョブ名が追加課金情報と組込み課金情報とで重複していても、追加課金情報が優先される。
すなわち、図7に示したプラグイン3における追加課金情報3のジョブ「スキャン」と、図4に示す組込み課金情報におけるジョブ「スキャン」とが同じであるが、追加課金情報3のジョブ「スキャン」が適用される。
そして、プラグイン3におけるジョブ「スキャン」でも、組込み課金情報におけるジョブ「スキャン」と同じ課金カウンタC07、C08を使用することから、プラグイン3の追加課金情報3は、組込み課金情報を部分的に上書きしたと同様となる。
【0070】
そして、図3及び図10に示したように、追加課金情報が複数(追加課金情報1〜N)ある場合であっても、図3の検索方向で示すように、番号が大きい側(N側)からジョブを検索するので、例え追加課金情報間において、同じジョブ名が設定されていても、番号の大きい側の追加課金情報が優先される。
このとき、番号が大きいほど、後に追加されたプラグイン及び追加課金情報、すなわち、最も新しく追加したプラグイン及び追加課金情報とすれば、最も新しく追加された追加課金情報が使用される。
【0071】
また、ジョブ名が組込み課金情報と重複する追加課金情報のプラグインを削除することで、組込み課金情報が利用されるようになる。
なお、組込み課金情報及び追加課金情報において、ジョブ名が重複しないように設定されている場合には、課金情報検索ユニット108によるジョブの検索を、組込み課金情報及び追加課金情報のいずれから開始してもかまわない。
組込み課金情報の変更を許可したくない場合には、プラグインを追加する時に、プラグインの追加課金情報のジョブ名が組込み課金情報と重複していないか判断し、重複している場合にエラーとして、プラグインを追加できないようにしてもよい。
【0072】
以上説明したように、画像処理装置1が予め備えない機能をプラグインで追加した場合に、組込み課金情報とは別に追加課金情報を追加して設けている。これにより、画像処理装置1に予め備えられた組込み課金情報の内容に制限されることなく、追加課金情報を設けることができる。また、HDD14などの大容量の不揮発記録媒体に追加課金情報を設ければ、追加課金情報のサイズに左右されずに、追加課金情報を設けることができる。
また、ジョブの検索を、追加課金情報から開始することにより、あたかも組込み課金情報を書き換えたと同様にできるので、利用者毎にプラグイン課金情報を設定することもできる。
【0073】
そして、プラグインが複数のサービスで構成されたマルチジョブであって、サービス毎に提供者が異なる場合であっても、サービス(提供者)毎に課金することができる。
さらに、プラグインが複数のサービスで構成される複合サービスの場合であっても、課金条件を複数のサービスの成功(“1”)又は失敗(“0”)に応じて設定することにより複合サービスに対応してきめ細かい課金ができる。
さらに、損金条件を設けることで、成功(“1”)したサービスの提供者に対して、失敗(“0”)したサービスの提供者が利用者に対する課金を損金として支払うように設定することもできる。
そしてまた、プラグインの更新、削除にともなって、追加課金情報を更新、削除できる。
【0074】
また、予め定められた期初又は期末に、課金カウンタ、損金カウンタを含む場合は損金カウンタにおけるカウントアップ数が計数され、利用者などに課金されることになる。このとき、課金カウンタ、損金カウンタを含む場合は損金カウンタのカウントをリセットしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…画像処理装置、2…通信回線、3…端末装置、4…ファクシミリ装置、5…サーバ装置、10…制御部、11…CPU、12…RAM、13…不揮発性メモリ(NVM)、14…HDD、15…信号バス、20…画像形成部、30…画像読取部、40…送受信部、50…UI部、101…プラグイン追加ユニット、102…追加課金情報追加ユニット、103…プラグイン更新ユニット、104…追加課金情報更新ユニット、105…プラグイン削除ユニット、106…追加課金情報削除ユニット、107…ジョブ管理ユニット、108…課金情報検索ユニット、110…ジョブ検索ユニット、110…課金ユニット
図1
図2
図3
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図7
図8
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図10