【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年3月6日〜平成25年3月9日の間、インテックス大阪で開催された「2013モバックショウ(第23回国際製パン製菓関連産業展)」にて、古河博がした「菓子類の整列装置」を公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フレームは、左側枠部と、前記左側枠部に対向し前記第2方向において相対移動可能に設けられた右側枠部とを備え、前記左右側枠部の、前記第2方向における間隔が前記被搬送トレイの幅に応じて調整可能に構成され、
前記トレイ供給手段は、前記各側枠部に移動可能に設けられ前記被搬送トレイの各側縁を支持する支持具を備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の菓子類の整列装置。
【背景技術】
【0002】
従来、上流側搬送コンベヤから送り込まれた食品を、下流側搬送コンベヤ上に整列態様を変えて移載するに際し、前記下流側搬送コンベヤを間欠駆動させることなく、定速で連続駆動されている状態で移載できるようにした食品移載装置はすでに知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1記載の技術では、上流側搬送コンベヤから送り込まれた食品を一旦中間コンベヤ上に配列し、それからその中間コンベヤから下流側搬送コンベヤ上に移載するようになっているので、中間コンベヤを必要とする。
【0004】
そこで、そのような中間コンベヤを設けることなく、上流側のコンベヤから下流側のコンベヤ上に、前記下流側のコンベヤを停止したり間欠駆動させることなく直接に整列移載できる整列移載装置を、出願人は先に提案している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この装置は、被搬送物を搬送する搬送コンベヤに対し、そのコンベヤ幅方向に延びる整列移載ベルトコンベヤから、前記被搬送物を搬送する搬送コンベヤに対し前記被搬送物を整列して移載する整列移載装置であって、前記整列移載ベルトコンベヤを支持する支持部材と、前記搬送コンベヤの搬送方向に沿って第1の状態と第2の状態との間で、前記支持部材を移動させる第1の移動手段と、前記搬送コンベヤの搬送速度を検出する速度検出手段と、この速度検出手段よりの信号を受け、前記搬送コンベヤの搬送速度に対応して前記第1の移動手段を制御して、前記第1の状態から前記第2の状態まで前記搬送コンベヤの搬送動作に同期させて前記支持部材を移動させる制御手段とを備えるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、搬送コンベヤ上ではなく、搬送コンベヤに対し食品トレイ(被搬送トレイ)を供給し、前記搬送コンベヤよって搬送される前記食品トレイ上に前記被搬送物を整列して移載したいという要求がある。
【0008】
本発明は、被搬送トレイ(例えば、食品トレイ)に対し、効率よく、被搬送物を整列して移載することができる菓子類の整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、基台上に載置され第1方向に被搬送トレイを搬送する搬送手段と、前記基台上の第1フレームに設けられ前記搬送手段に対し前記被搬送トレイを順次供給するトレイ供給手段と、前記搬送手段によって搬送される前記被搬送トレイに対し、前記第1方向に直交する第2方向に延びる整列移載ベルトコンベヤから、被搬送物を整列して移載する菓子類の整列装置であって、前記搬送手段は、前記被搬送トレイの端部に当接可能である第1状態と前記被搬送トレイの端部に当接不能である第2状態とを選択的に取り得る押圧部材と、前記押圧部材を支持する支持部材と、前記支持部材を第1方向に移動させる第1アクチュエータと、前記押圧部材の第1状態と第2状態との切替えを行わせる第2アクチュエータとを備える、ことを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、第1状態の押圧部材を移動させることで、トレイ供給手段から供給される被搬送トレイを搬送することができるので、被搬送トレイ(例えば、食品トレイ)を第1方向に移動させながら被搬送物を整列して移載することができる。また、押圧部材を第2状態とすることで、次の被搬送トレイを搬送するための初期位置に、次の被搬送トレイと干渉することなく復帰させることができるので、効率のよい、被搬送物の搬送・整列移載を実現できる。
【0011】
この場合には、請求項2に記載のように、前記押圧部材は、前記支持部材上に起伏可能に支持され、前記第1状態は起立状態で、前記第2状態は倒伏状態であり、前記第2アクチュエータは、前記被搬送トレイの搬送時には前記押圧部材を前記起立状態とする一方、前記被搬送トレイの非搬送時には前記押圧部材を倒伏状態とするようにしたり、請求項3に記載のように、前記押圧部材は、前記支持部材上に昇降可能に支持され、前記第1状態は上昇状態で、前記第2状態は下降状態であり、前記第2アクチュエータは、前記被搬送トレイの搬送時には前記押圧部材を前記
上昇状態とする一方、前記被搬送トレイの非搬送時には前記押圧部材を下降状態としたりすればよい。
【0012】
このようにすれば、押圧部材の状態を、被搬送トレイの搬送時と非搬送時とで変化させることで、効率のよい被搬送トレイの搬送を簡単に実現することができる。
【0013】
請求項4に記載のように、前記搬送手段は、並列に2つ配置されている、ことが望ましい。
【0014】
このようにすれば、2つの押圧部材を交互に移動させることで、被搬送トレイの搬送に遅れを生ずることなく、被搬送トレイを続けて、効率よく搬送することができる。特に、2つの押圧部材を交互に移動させて搬送することで、被搬送トレイの待機時間を短くすることもできる。
【0015】
請求項5に記載のように、前記第1フレームは、左側枠部と、前記左側枠部に対向し前記第2方向において相対移動可能に設けられた右側枠部とを備え、前記左右側枠部の、前記第2方向における間隔が前記被搬送トレイの幅に応じて調整可能に構成され、前記トレイ供給手段は、前記各側枠部に移動可能に設けられ前記被搬送トレイの各側縁を支持する支持具を備える、構成とすることができる。
【0016】
このようにすれば、第1フレームにおいて、左側枠部と右側枠部との間隔を調整することで、被搬送トレイの幅に応じた間隔とすることができる。よって、被搬送トレイの大きさ(つまり、幅)に応じて間隔を調整できるので、被搬送トレイの幅が異なっていても、1つの装置で対応することができる。
【0017】
請求項6に記載のように、前記整列移載ベルトコンベヤは、第2フレームに支持され、前記基台と前記第2フレームとは、前記搬送手段の下流側端部が前記第2フレームの左右側枠部間を通過するように配置され、前記第2フレームは、前記整列移載ベルトコンベヤを支持した状態で、前記基台とは分離可能に接続されている、構成とすることができる。
【0018】
このようにすれば、第2フレームを反転させることで、前記整列移載ベルトコンベヤによる、被搬送トレイへの搬入方向を反対方向に変えることができる。よって、設置場所に応じて、被搬送トレイへの搬入方向を変更することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、第1状態の押圧部材を移動させることで、トレイ供給手段から供給される被搬送トレイを搬送することができ、また、押圧部材を第2状態とすることで、次の被搬送トレイを搬送するための初期位置に、次の被搬送トレイと干渉することなく復帰させることができるので、効率のよい、被搬送物の搬送・整列移載を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0022】
図1は本発明に係る菓子類の整列装置の一実施の形態を示し、
図1(a)は外観の平面図、
図1(b)は同正面図、
図2は前記菓子類の整列装置の側面図である。
【0023】
図1(a)(b)および
図2に示すように、菓子類の整列装置1は、基台5上に設けられる搬送手段2と、門型フレーム21内に設けられるトレイ供給手段3と、支持フレーム31にて支持される整列移載ベルトコンベヤ4とを備え、搬送手段2によって第1方向S1に沿って搬送される被搬送トレイTに対し、第1方向S1に直交する第2方向S2に延びる整列移載ベルトコンベヤ4から、被搬送物W(例えば食品)を整列して移載するものである。なお、この整列移載終了後、被搬送トレイTは、次の処理が行われる場所に、作業者あるいは搬送コンベヤ(図示せず)により搬送される。
【0024】
搬送手段2は、被搬送トレイTの端部に当接可能である起立状態(第1状態、
図3参照)と被搬送トレイTの端部に当接不能である倒伏状態(第2状態,
図4参照)とを選択的に取り得る押圧部材15,16と、押圧部材15,16を支持する平面視略L字形状の支持部材19,20と、支持部材19,20を第1方向S1に案内しつつ移動させる搬送アクチュエータ11,12(第1アクチュエータ)と、押圧部材15,16の第1状態と第2状態との切替えを行わせるエアシリンダ17,18(第2アクチュエータ)とを備える。
【0025】
搬送アクチュエータ11,12は、基台5上に平行に並んで配置され、それぞれ第1方向S1に案内されつつ移動するスライダ13,14を下側に有する。両搬送アクチュエータ11,12は、各端部が取付具71,72を介して、基台5の上面5aから所定高さとなるように浮いた状態で取り付けられている。被搬送トレイTの搬送経路に対応して、搬送アクチュエータ11,12の両側に、被搬送トレイTを下側から支持するトレイ受部材73,74(
図2参照)がそれぞれ設けられている。
【0026】
スライダ13,14の下側に支持部材19,20が取付固定され、これによりスライダ13,14の移動により支持部材19,20も一緒に移動するようになっている。この搬送アクチュエータ11,12は、具体的に図示していないが、ボールねじ機構とサーボモータとを備え、前記サーボモータの回転によって前記ボールねじ機構を介してスライダ13,14を精度よく往復移動させる構成とされている。そして、前記サーボモータの制御によって、支持部材19,20(スライダ13,14)を、一定のピッチで間欠的に移動させたり、連続的に移動させたりすることができる。
【0027】
この支持部材19,20上であって搬送アクチュエータ11,12の上側に位置するように押圧部材15,16が回転可能に支持されている。押圧部材15,16は、略U字形状をしており、下端部に回転軸51,52が連結され、その回転軸51,52回りに回転することで起伏するようになっている(
図3および
図4参照)。押圧部材15,16を起伏(回転)させる機構は同じであるので、押圧部材15を起伏させる機構を中心に説明する。
【0028】
図3および
図4に示すように、回転軸51は、左右の支柱部材53A,53B間に回転可能に支持されている。そして、支柱部材53A,53B間であって一方の支柱部材53A寄りに搬送アクチュエータ11が配置されている。また、回転軸51には、連結リンク54の一端部が固定され、この連結リンク54の他端部と、支持部材19上の支持ブラケット55との間にエアシリンダ17が設けられている。エアシリンダ17が移動する空間として、搬送アクチュエータ11と他方の支柱部材53Bとの間に形成されるデッドスペースを利用している。
【0029】
このエアシリンダ17によって押圧部材15が回転されることで、押圧部材15が起立状態と倒伏状態とを選択的に取り得るように構成されている。押圧部材15が起立状態で被搬送トレイTの端部に当接した状態(第1状態)で、搬送アクチュエータ11の作動により被搬送トレイTを押しながら第1方向S1に移動させることができる。押圧部材16についても同様である。なお、左右の搬送アクチュエータ11,12は、相互に独立動作可能で、交互に動作させることでタイムラグを生ずることなく、被搬送トレイTの搬送を行える。
【0030】
このように、押圧部材15,16は、被搬送トレイTの搬送時には、起立状態となっているが、被搬送トレイTの非搬送時、すなわち初期状態に後退する際には倒伏状態となり、次の搬送されることになる、後続の被搬送トレイTと干渉しないように、後続の被搬送トレイTの下側を通って初期位置に戻るようになっている。
【0031】
また、基台5上において、
図5に示すように、搬送手段2の長手方向中間部位付近には、トレイ供給手段3を内蔵する門型フレーム21が配置され、この門型フレーム21が設置されている部位で、搬送手段2上に被搬送トレイTが順次供給されるようになっている。
【0032】
門型フレーム21の、中空の上枠部21Aと、中空の左右側枠部21Ba,21Bbとを有し、各左右側枠部内21Ba,21Baにおいて、前後両側において、上下に配置されたスプロケット22A,22B間をチェーン23が回転可能に巻き掛けられ、この前後のチェーン23間に、被搬送トレイTの側縁を下側から支持可能である支持金具24が一定間隔で設けられている。左右枠部21Ba,21Bb内の支持金具24は、左右で対応する位置関係にあり、左右のチェーン23が同期回転することで、被搬送トレイTを上側から下側に搬送することができる。また、左右の支持金具24間に、被搬送トレイTを支持しさせることで、使用されるまでの間、貯留(待機)させておくことも可能である。
【0033】
被搬送トレイTの左側縁あるいは右側縁を下側から支持する左右のチェーン23が同期して回転され、左右の、対応する支持金具24によって被搬送トレイTを上側から下側に搬送し、支持金具24が戻り側に移動するために離される際に、被搬送トレイTを搬送手段2上に供給するようになっている。
【0034】
この供給された被搬送トレイTは、それの端部に当接する押圧部材15,16によって第1方向S1に所定のピッチで送られ、そのピッチに対応して、整列移載ベルトコンベヤ4から被搬送物Wを第2方向S2において一列に所定数だけ後退しつつ移載される。この所定数の移載終了後、整列移載ベルトコンベヤ4の先端が前進して初期位置に戻り、同様に次の一列について所定数だけ後退しつつ移載される。このような動作が繰り返されて、被搬送トレイT上に、各列が所定数の被搬送物Wとなる、複数列に整列して配置される。
【0035】
また、上枠部21Aは、左右側枠部21Ba,21Bbの上端部に連設され互いに移動可能に嵌合する左右上枠部21Aa,21Abからなり、門型フレーム21は、左右上枠部21Aa,21Abの先端部どうしが嵌合した状態で左右側枠部21Ba,21Bbが基台5上において第2方向S2に移動可能である構成とされている。つまり、各側枠部21Ba,21Bbの前後下端付近の外側に取付金具25A,25Bを設けられ、この取付金具25A,25Bにスライダ26A,26Bが設けられる一方、基台5上にガイドレール27A,27Bが第2方向S2に延びるように配置されている。このガイドレール27A,27Bにスライダ26A,26Bが移動可能に係合している。
【0036】
そして、左右側枠部21Ba,21Bbは、基台5の天井板5aを貫通する左右延長部21Baa,21Bbaが設けられている。これら左右延長部21Baa,21Bbaの間に、
図6に示すように、平面視で、アクチュエータ28にて回転される矩形状の回転板29が設けられ、この回転板29の一端部と左延長部21Baaとが第1リンク部材30Aで連結される一方、回転板29の他端部と右延長部21Bbaとが第2リンク部材30Bで連結され、アクチュエータ28により回転板29を回転させることで、ガイドレール27A,27Bに沿ってスライダ26A,26Bを移動させ、両側枠部21Ba,21Bb間の間隔を、被搬送トレイTの幅に応じて調整できる間隔調整手段が構成されている。なお、両側枠部21Ba,21Bb間の間隔を調整するのは、エアシリンダなどの他のアクチュエータを併用することも可能である。また、アクチュエータを用いることなく手動方式としてもよい。
【0037】
整列移載ベルトコンベヤ4は、矩形状の開口部31aを有する支持フレーム31に支持され、基台5と支持フレーム31とは、搬送手段2の下流側端部が支持フレーム31の開口部31aを貫通するように配置され、それらが一定の位置関係で固定される。このように、支持フレーム31の開口部31aに、搬送手段2の下流側端部が挿入される配置であるので、支持クレーム31を180度回転させて固定することで、整列移載ベルトコンベヤ4による移載方向を180度変更することができる。よって、設置場所に応じて、いずれかのレイアウトを選択して採用すること可能である。なお、支持フレーム31の上側には、装置1の電気的制御を司る制御装置32が設けられている。
【0038】
そして、開口部31aの上側において、ベルトコンベヤ4の先端部が第2方向S1に後退可能となっており、その後退動作をすることで1つずつ被搬送物Wを被搬送トレイT上に移載するようになっている。なお、支持フレーム31は、整列移載ベルトコンベヤ4を支持した状態で、基台5とは分離可能に接続されている。
【0039】
また、
図7に示すように、開口部31aの4隅に対応して4つのスプロケット41A〜41Dが支持フレーム31に回転可能に支持され、それらにチェーン42が巻き掛けられている。チェーン42の上側部分には、整列積載ベルトコンベヤ4の先端部材4aを支持する支持部材43が連結され、チェーン42の動作によって支持部材43を介して、ベルトコンベヤ4の先端が第2方向S1において進退移動(往復移動)するようになっている。この支持部材43の移動を案内する上側ガイドレール44が設けられている。
【0040】
上側ガイドレール44に平行に下側ガイドレール45が設けられ、先端部材4aが設けられる側とは反対側の末端を構成するプーリ46を回転可能に支持する移動部材47が下側ガイドレール45に移動可能に係合している。この移動部材47が、先端部材4aの移動に伴い、それに同期して、移動部材47が先端部材4aの移動方向と反対方向へ移動せしめられることで、コンベヤベルト4bの撓みが吸収されるようになっている。この撓みを吸収する部分は、第2方向S2において、先端部材4aの移動と平行にかつ逆方向に延びるようになっているので、撓みの吸収を容易に行うことができる。
【0041】
このようにすることで、整列移載ベルトコンベヤ4は、それのコンベヤベルトの余長収納部分を前記門型フレーム21を貫通する搬送手段2の下方に形成されている。つまり、デッドスペースとなる空間部に、コンベヤベルトの余長収納部分を配設するようにして、装置全体として、装置幅があまり大きくならないようにしている。
【0042】
先端部材4aには、食品等の被搬送物Wを搬送する、ベルト幅の細いコンベヤベルト4bが巻き付けられ、先端部材4aは、トレイ幅方向(被搬送トレイTの搬送方向に直交する方向)に沿って被搬送トレイT上を、往復移動するようになっている。
【0043】
先端部材4aが、被搬送トレイTの幅方向両端部の間で、下降しかつ移動(後退)する動作を繰り返すことで、コンベヤベルト4b上の被搬送物Wが順次被搬送トレイ上に、第2方向S2に列状に整列して移載されるようになっている。
【0044】
菓子類の整列装置を用いる場合には、まず、搬送する被搬送トレイの大きさ(幅)に応じて制御装置において各種設定を行う。これにより、制御装置32内に収納される制御回路(図示せず)によって、アクチュエータ28が駆動されて左右側枠部間の間隔が調整される。その調整後、被搬送トレイの両側部を案内する案内部材を取り付ける。
【0045】
被搬送トレイ上に整列する被搬送物Wの列数やその列に属する数に応じて、整列移載ベルトコンベヤ4の先端部の初期位置や移動範囲などが、制御装置32において決定される。そして、その制御装置32の制御によって、トレイ供給手段から供給された被搬送トレイが、最初の列に被搬送物Wを移載できる位置まで、押圧部材15,16の一方によって移動せしめられる。
【0046】
それから、支持部材43の移動により、整列移載ベルトコンベヤ4の先端部(先端部材4a)の位置が第2の方向S2において移動し、被搬送品を一定のピッチで1個ずつ列状に並ぶように移載する。一列分の移載が終了すると、前記先頭部は初期位置に戻され、その間に、被搬送トレイが、第1方向S1に、次の列に移載できる位置まで押圧部材15,16によって送られる。そして、次の列について移載が、同様に行われる。
【0047】
このように、1列ずつの移載を繰り返しながら、被搬送トレイ上に、予め設定された所定数の列に所定の個数の被搬送品の移載が行われる。なお、先端部材4aに巻き付けられているコンベヤベルト4b上には、複数の被搬送品Sが所定間隔を存して配置され、順次移載できるようになっている。
【0048】
所定数の列に所定の個数の被搬送品の移載が終了すると、エアシリンダの動作によって押圧部材が倒され、その状態で、搬送アクチュエータ11,12によって次の被搬送トレイと干渉することなく、それの下側を通って初期位置まで戻される。一方、他方の押圧部材は、初期位置に残っているので、一方の押圧部材が戻っている途中でも、次の搬送トレイの搬送が開始され、次の被搬送トレイに対し、同様に整列移載が実行される。このように,2つの押圧部材を交互に用いることで、被搬送トレイの送りに遅れが生ずることがない。
【0049】
また、整列移載が終了した被搬送トレイは、作業者が所定の場所に持って行くようにしてもよいし、別の搬送手段にて所定の場所まで搬送されるようにしてもよい。さらに、搬送アクチュエータ11,12にて別の搬送手段上に移動させてから、押圧部材15,16が戻るようにしてもよい。
【0050】
本発明は、前述した実施の形態に制限されることなく、次のように変更して実施することも可能である。
(i)前記実施の形態では押圧部材を起立位置と倒伏位置とを選択的に取らせるようにしているが、押圧部材をエアシリンダなどのアクチュエータで昇降させるようにして、上側の動作状態(第1状態)と、下側の待機状態(第2状態)とを選択的に取るようにすることも可能である。例えば
図8〜
図10に示すように、スライダ13の下側に取付固定される取付板61に対し、支柱部材62を介して支持部材64を設け、その支持部材64に、屈曲リンク65の基端部を回転可能に支持し、屈曲リンク65の先端部に押圧部材66を設け、屈曲リンク65の中間部分と支持部材64との間にエアシリンダ67(第2アクチュエータ)を設けるようにすればよい。このエアシリンダ67は、被搬送トレイの搬送時には押圧部材66を上昇させて動作状態とする一方、被搬送トレイの非搬送時には押圧部材66を下降させて待機状態とする。さらに、外側には、被搬送トレイTの両側面に接触して搬送を案内する案内部材75,76が設けられている。この案内部材75,76の取付位置は、搬送する被搬送トレイTの幅に応じて調整されている。なお、被搬送トレイTの移動距離が短い場合には、案内部材を省略することも可能である。
(ii)前記実施の形態ではアクチュエータを並列に2つ設け、交互に移動させるようにしているが、被搬送トレイの幅が広い場合などにおいて一緒に移動させるようにすることも可能である。
【0051】
また、必ずしも2つ設ける必要はなく、1つだけ設けるようにすることもできる。その場合、被搬送トレイの最終列の整列移載が開始されると、押圧部材を倒して初期位置に戻るように制御することで、2つを交互に用いる場合のように搬送に遅れが生ずるのを回避することができる。
(iii)整列移載ベルトコンベヤのコンベヤベルトの幅を広くして、そのコンベヤベルト上に被搬送物Wが2列あるいは複数列に配置された状態で搬送され、2個ずつあるいは複数個ずつ被搬送トレイ上に同時に移載されるようにすることも可能である。
(iv)左右側枠部は、両方が動くするようにする必要は必ずしもなく、いずれか一方のみが動くようにすることも可能である。左右側枠部の間隔を調整するアクチュエータとしては、エアシリンダを用いることも可能であり、ねじ機構を用いた手動式とすることも可能である。