(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1可変キャパシターに直列又は並列に連結される固定リアクティブ素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生用インピーダンスマッチング装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
半導体工程などにおいて、RFプラズマ発生時、早い時間内にマッチングが行われる必要がある。これに従って、可変の受動素子を使用せず、周波数を変更してインピーダンスマッチングが行われている。しかし、周波数可変型インピーダンスマッチング装置は、RF電源と結合することで可能となる。周波数可変型インピーダンスマッチング装置は、迅速な応答速度を有する。しかし、周波数を変数として使用するので、周波数可変インピーダンスマッチング装置は、2つの自由度が要求されるインピーダンスマッチング装置において、反射波を最小化することが困難である。また、負荷が時間に応じて大きく変わる場合、周波数可変型インピーダンスマッチング装置はマッチングが難しい。
【0014】
通常、可変キャパシターの静電容量は、回転運動を直線に変えて動作する。高価な装備を長時間使用する場合、可変キャパシター自体の構造的不良よりは、回転運動を直線運動に変換する時に発生する摩擦による摩耗が問題となっている。これによって、前記摩耗を除去するために潤滑油を使用する場合、潤滑油汚染及び潤滑油蒸発などの問題が発生する。また、回転運動を用いた駆動部は、加速、減速区間を有する運転特性で、速い速度を具現するために高い制作コスト及び空間を必要とする。
【0015】
一方、本発明の一実施例によるインピーダンスマッチング装置は、可変キャパシターに線形運動を直接提供する。前記線形運動を提供する線形運動部は、摩擦運動の距離が相対的に短いため、線形運動部の寿命を延長することができ、線形運動部の結合構造を簡素化することができる。また、線形運動部は、高速度マッチングを行うことができる。
【0016】
一方、通常のキャパシタスイッチング方式を用いた電子式インピーダンスマッチング装置の場合、許容する電流、電圧が増加することによってマッチングネットワークのサイズが増加する。また、許容する電流、電圧レベルも制限的である。
【0017】
しかし、本発明の一実施例によるインピーダンスマッチング装置は、線形運動部を使用して、狭い空間で線形運動が可能な構造を有する。また、可変キャパシターを使用して、可変キャパシターの電流、電圧の制限が少ない。したがって、クリーンルームでの空間節約は、コスト的な部分でも利得を有する。
【0018】
本発明の一実施例によるインピーダンスマッチング装置は、可変リアクタンス受動素子を駆動する線形運動駆動部を含む。前記線形運動駆動部は、迅速な応答速度を有する。したがって、前記インピーダンスマッチング装置は、広い範囲の負荷にインピーダンスを整合させることができる。
【0019】
特に、数秒以下のプラズマ工程又は時間に応じて変わるパラメーターを有する工程で処理されたプラズマ工程が半導体製造に使用されている。したがって、数百ミリ秒(msec)又は数十ミリ秒(msec)以内に、前記プラズマ工程は安定化されなければならない。したがって、速いインピーダンスマッチングが可能なインピーダンスマッチング装置が要求される。
【0020】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。しかし、しかし、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的且つ完全になるように、そして当業者において本発明の思想を充分に伝達できるように提供されものである。図面において、構成要素は、明確性を期するために誇張された。明細書全体にかけて、同一の参照番号で表示された部分は、同一の構成要素を示す。
【0021】
図1は、本発明の一実施例によるインピーダンスマッチング装置を説明する図面である。
【0022】
図2は、
図1の第1線形運動部を説明する図面である。
【0023】
図3は、変位センサを説明する図面である。
【0024】
図1ないし
図3に示すように、インピーダンスマッチング装置100は、RF電源190に連結され、直線運動する第1軸112aを含む第1可変キャパシター112、前記第1可変キャパシター112の前記第1軸112aに軸結合して直線運動を提供する第1線形運動部121、前記第1軸112aと前記第1線形運動駆動部121の第1駆動軸を連結する第1絶縁ジョイント142、及び前記第1線形運動部121の前記第1駆動軸121aの移動距離を測定する第1変位センサ124を含む。
【0025】
インピーダンスマッチング装置100は、外装110を含む。前記外装110は、分離帯102によってRF領域110aとシステム領域110bに分離される。前記分離帯102は、導電体版で形成される。前記外装110は、導電性物質で形成される。
【0026】
RF領域110aに前記第1可変キャパシター112及び/又は第2可変キャパシター114が配置される。前記第1可変キャパシター112の第1電極311は、前記RF電源190の出力及び第1インダクタ119の一端に連結され、前記第1可変キャパシター112の第2電極312は接地される。
【0027】
前記第2可変キャパシター114の第1電極は、前記第1インダクタ119の他端に連結される。前記第2可変キャパシター114の第2電極は、負荷192に連結される。
【0028】
電力検出部132は、前記RF電源190の出力と前記第1可変キャパシター112の第1電極311を連結する入力ライン182の周りに配置される。前記電力検出部132の周りは、遮蔽膜104が配置される。前記遮蔽膜104は、外部電磁気波を遮蔽する。
【0029】
前記RF電源190の周波数は、400kHzないし数百Mhzである。前記RF電源190の周波数は可変する。
【0030】
負荷192は、プラズマを形成するエネルギ印加手段である。例えば、前記負荷192は、軸電結合プラズマを形成する電極又は誘導結合プラズマを形成するアンテナを含む。前記負荷192のインピーダンスは、時間に応じて変更される。前記負荷192のインピーダンスは、プラズマを形成する工程ガスの圧力又は工程が進むことによって、生成される工程の副産物に依存する。
【0031】
第1可変キャパシター112及び第2可変キャパシター114は、真空可変キャパシター(variable vaccuume capacitor)である。真空可変キャパシターは、高い電圧及び多くの電流を流す。前記可変キャパシターは、第1電極及び第2電極を含め、前記第1電極と第2電極の間隔又は第1電極と第2電極の交差、又は挿入される程度によって静電容量が変更される。
【0032】
第1線形運動部121は、第1駆動軸121a、コイルボビン(coil bobboin)217、及び永久磁石部216を含む。前記第1線形駆動部121は、ボイスコイルモーター(voice coil motor)である。前記第1線形運動部121は、高速の応答特性を有する。前記第1線形運動部121は、最大の移動距離が20mm内外である。前記最大の移動距離は0.5秒以下で移動する。
【0033】
前記第1駆動軸121aの一端は、前記第1絶縁ジョイント142に軸結合する。前記第1駆動軸121bの他端は、コイルボピン217に結合する。
【0034】
前記コイルボビン217は、一端が開放されたシリンダ形態を有する。前記コイルは、誘導コイル217aを含む。前記コイルボビン217は、ディスク形態の円板と前記の板に結合された円筒形シリンダを含む。前記コイルボビン217の外側面には、誘導コイル217aを巻く。前記誘導コイル217aは、運動制御部123に連結される。
【0035】
永久磁石部216は、前記第1駆動軸121aを包み、前記コイルボビン217に線形運動を提供する。前記永久磁石部216は、前記コイルボビン217が挿入されるようにの周りに円形溝216aを含む。前記円形溝216aは、前記コイルボビン217にガイド機能を行う。前記円形溝216の深さは、前記可変キャパシターの第1軸112aの最大の移動長さより大きい。
【0036】
前記永久磁石部216は、永久磁石216bと、前記永久磁石()を包む磁気誘導用ハウジングを含む。前記円形溝は、前記の永久磁石と前記磁気216b誘導用ハウジング216cとの間の空間である。
【0037】
前記コイルボビン217の円板の一面の中心は、前記第1駆動軸121aに連結され、前記の円板の他面の中心は、変位センサ取付台218と結合する。
【0038】
第1絶縁ジョイント142は、プラスチック、樹脂、又はテフロン(登録商標)材質である。前記第1絶縁ジョイント142は、絶縁物質で形成される。前記第1絶縁ジョイントは、円柱形状である。前記第1絶縁ジョイント142の一端は、前記第1軸112aと軸結合し、前記第1絶縁ジョイント142の他端は、前記第1駆動軸121aと軸結合する。第1絶縁ジョイント142は、表面に流れるRF電流の伝達距離を増やして絶縁効果を増加させるように表面に複数のリング状の溝142aを有する。
【0039】
第1可変キャパシターが真空キャパシターである場合、前記第1軸は、真空と大気との圧力差に応じて前記第1可変キャパシターの内部に吸い込まれる。特に、電源が前記線形運動部に提供されない場合、真空による前記第1絶縁ジョイントの離脱を防止するために、前記第1絶縁ジョイント142の周りに線形運動停止部(図示せず)が配置される。前記線形運動停止部は、真空による離脱時に発生する衝撃から部品の破損を防止する。前記線形運動停止部は、スプリング、緩衝器(damper)、ブレーカーである。
【0040】
前端フランジ213は、第1可変キャパシター112の第1電極311に結合する。前記前端フランジ213は、前記第1電極311と密着して結合し、導電性物質で形成される。前記前端フランジ213は、RF電源190に電気的に連結される。前記前端フランジ213は、前記第1電極213とねじを通して結合する。
【0041】
前記後端フランジ215は、前記第1線形運動駆動部121に結合する。前記後端フランジ215は、前記永久磁石部216と結合する。前記後端フランジ215は、前記分離膜102に固定される。
【0042】
絶縁固定部214は、前記第1絶縁ジョイント142を包み、一端は前記前端フランジ213に結合し、他端は前記後端フランジ215に結合する。前記絶縁固定部214は、絶縁物質で形成される。絶縁固定部214は、円筒形状である。前記絶縁固定部214は、伸縮性を有するよう表面に複数のリング状の溝214aを有する。
【0043】
前記コイルボビン217が中心軸又はz軸方向に移動するにしたがって、前記第1軸112は、z軸方向に移動する。これによって、前記第1可変キャパシター112の静電容量は変更される。前記コイルボビン217は、最大移動距離を0.5秒以内に移動させる。
【0044】
前記コイルボビン217の移動距離を検出するために、変位センサが取り付けられる。第1変位センサ124は、前記第1線形運動部121の第1駆動軸121aから延長された変位センサ取付台218、前記変位センサ取付台218に取り付けられるエンコーダスケーラ270、前記エンコーダスケーラ270と離隔して配置されるエンコーダ読みとり部272を含む。前記変位センサは、最大移動距離に対して1000カウント以上の分解能を有する。
【0045】
前記変位センサ取付台218は、前記コイルボビン217にねじ結合する。前記変位センサ取付台218は、四角柱状である。前記変位センサ取付台218の一面にエンコーダスケーラ270が配置される。
【0046】
前記エンコーダスケーラ270に対向し、前記エンコーダスケーラ270と離隔されて、エンコーダ読みとり部272が配置される。前記エンコーダ読みとり部272は、エンコーダスケーラ270に沿って動かしながら相互間の距離を測定する。前記エンコーダ読みとり部272の出力信号は、制御部126に提供される。
【0047】
運動制御部123は、前記第1線形運動部121及び/又は前記第2線形運動部122を駆動する。
【0048】
電力検出部132は、前記RF電源190でインピーダンスマッチング装置の入力端から反射される電力を検出する。前記電力検出部132は、方向性結合器又は電流/電圧センサである。前記電力検出部132は、反射波に関する信号を検出する。
【0049】
前記電力検出部132の位置は、前記インピーダンスマッチング装置の出力端又は前記インピーダンスマッチング装置の内部にも配置する。
【0050】
制御部126は、前記電力検出部132の出力信号を検出して前記インピーダンスマッチング装置が前記負荷192に最大の電力を伝えるように前記第1可変キャパシター112及び第2可変キャパシター114の静電容量を調節する。第1可変キャパシター112の静電容量は、前記第1線形運動部121によって調節される。第2可変キャパシター114の静電容量は、前記第2線形運動部122によって調節される。前記制御部126は、外部装置と通信する。例えば、前記制御部126は、前記RF電源190及び/又はコンピューターと通信する。
【0051】
前記制御部126が前記第1可変キャパシター112及び第2可変キャパシター114の静電容量を制御するアルゴリズムは、従来の方法が使用される。例えば、アルゴリズムは、韓国公開特許10-2008-0094155に記載されている。また、インピーダンスマッチング方式は、前記のマッチングシステムはL−型(L−type)、逆L−型(inverted L−type)、T−型(T−type)及びパイ型(π−type)のうち一つである。
【0052】
第2線形運動部122は、第1線形運動部121と同一の構造を有する。
【0053】
第2絶縁ジョイント144は、第1絶縁ジョイント142と同一の構造を有する。
【0054】
第2変位センサ125は、第1変位センサ124と同一の構造を有する。前記第1変位センサ124は、ポテンショメータ方式、光学方式、磁気方式、電磁誘導方式、線形エンコーダ方式、渦電流方式、超音波方式などが使用される。
【0055】
本発明の変形される実施例によると、前記インピーダンスマッチング装置は、複数の周波数を有する二重周波数マッチングにも使用される。
【0056】
本発明の変形される実施例によると、前記インピーダンスマッチング装置は、可変周波数を有するRF電源と別度の可変キャパシターを用いるハイブリッド形態のインピーダンスマッチングにも使用される。
【0057】
図4ないし
図9は、本発明の一実施例による線形運動モジュールを説明する図面である。
【0058】
図1ないし
図3で説明したものと重複する説明は省略する。
【0059】
図4ないし
図7に示すように、線形運動モジュール10は、RF電源に連結され、直線運動する第1軸を含む第1可変キャパシター112の前記第1軸に軸結合して直線運動を提供する第1線形運動部121、前記第1軸と前記第1線形運動駆動部121の第1駆動軸を連結する第1絶縁ジョイント142、及び前記第1線形運動部142の前記第1駆動軸の移動距離を測定する第1変位センサ124を含む。線形運動停止部340は、前記第1軸が前記真空と大気との圧力差によって吸い込まれないよう前記第1絶縁ジョイント142の周りに配置される。前記第1可変キャパシター112に直列又は並列に連結されたキャパシター又はインダクタ連結される。
【0060】
図8に示すように、線形運動停止部340はスプリングである。前記線形運動停止部340は、第1絶縁ジョイント142を包むよう配置されたスプリングである。線形運動駆動部と連結される前記第1絶縁ジョイント142の一端は、突起を有する。前記絶縁ジョイント142の前記の突起は、絶縁ジョイントが真空力により吸い込まれないようブレーカー機能を行う。
【0061】
前記スプリングは、突起と前端フランジ213との間に配置される。前記スプリングは、反発力で前記第1可変キャパシターの軸方向に印加される真空力を相殺し、前記線形運動部に必要な力を与える。
【0062】
図9に示すように、線形運動停止部340は、第1絶縁ジョイント142の外周面に形成された溝142aに挿入される突出部341、及び前記突出部341に結合して前記突出部を移動させる駆動部342を含む。前記溝は、鋸歯状である。また、前記突出部341は、鋸歯状を含める。線形運動駆動部と連結される前記第1絶縁ジョイント142の一端は、突起を有する。
【0063】
図10は、本発明の一実施例によるラジオ周波数電力供給装置を説明する回路図である。
【0064】
図1ないし
図9で説明したものと重複する説明は省略する。
【0065】
図10に示すように、ラジオ周波数電力供給装置は、一つのRF電源490、及び前記RF電源490と少なくとも一つの負荷490との間に配置されるインピーダンスマッチング部410を含む。
【0066】
前記インピーダンスマッチング部410は、直線運動する第1軸を含む第1可変キャパシター412、前記第1可変キャパシター412の前記第1軸に軸結合して直線運動を提供する第1線形運動部(図示せず)、前記第1軸と前記第1線形運動駆動部の第1駆動軸を連結する第1絶縁ジョイント(図示せず)、及び前記第1線形運動部の前記第1駆動軸の移動距離を測定する第1変位センサ(図示せず)を含む。
【0067】
前記インピーダンスマッチング部410は、前記第1負荷492と、前記RF電源490との間に配置される。前記インピーダンスマッチング部410は、第1可変キャパシター、第2可変キャパシター、及びインダクタを含む。前記第1可変キャパシターの一端は、前記RF電源の出力端に連結され、他端は、接地される。前記インダクタ419の一端は、前記RF電源490の出力端に連結され、他端は、前記第2可変キャパシター414の一端に連結される。前記第2可変キャパシター414の一端は、前記インダクタ419の他端に連結され、他端は、第1負荷492aに連結される。
【0068】
前記負荷490は、第1負荷492a及び第2負荷492bを含む。電力分配部420aは、前記第1負荷492aと前記第2負荷492bとの間に配置される。前記第1負荷は、誘導結合プラズマ発生用の外郭アンテナであり、前記第2負荷は、外郭アンテナの内部に配置された内部アンテナである。又は、前記の負荷は、軸電結合プラズマ発生用電極である。
【0069】
前記電力分配部420aは、前記第1負荷492aと前記第2負荷492aとの間に直列連結されたキャパシター427及びインダクタ429、一端は、前記のキャパシター427と前記インダクタ428との間に接続され、他端は、接地される可変キャパシター429を含む。前記電力分配部420aは、前記第1負荷と前記第2負荷との間に電力を一定の比率で分配する。前記可変キャパシター429は、インピーダンスマッチング部410の第1及び第2可変キャパシター112、114と同一の方式で、線形運動部によって駆動される。
【0070】
前記負荷490は、2つ以上の負荷490a、490b、490nを含むよう変更される。これによって、前記電力分配部420a、420b、420nは、前記負荷490a、490b、490nの間に追加的に配置される。
【0071】
上記のように、本発明を特定の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明は、このような実施例に限定されず、当該発明が属する技術分野において、通常の知識を有した者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で行うことができる多様な形態の実施例を全て含む。