特許第6150341号(P6150341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150341
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】蓄電システムに備えられた電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20170612BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   H02J9/06 110
   H02M3/28 H
   H02M3/28 U
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-55225(P2014-55225)
(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-177731(P2015-177731A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直久
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−159936(JP,A)
【文献】 特開平10−228337(JP,A)
【文献】 特開2002−325448(JP,A)
【文献】 特開2006−280179(JP,A)
【文献】 特開2008−283788(JP,A)
【文献】 特開2012−175801(JP,A)
【文献】 実開平5−4737(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/06
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電圧および蓄電池の放電電圧のいずれかを負荷に供給する蓄電システムにおいて、前記蓄電システムを制御する制御部に所定の電源電圧を供給する電源装置であって、
前記系統電圧を整流および平滑して得た第1直流電圧を出力する第1電源部と、
前記第1直流電圧よりも小さく設定された第2直流電圧を出力する第2電源部と、
前記第1電源部および前記第2電源部の双方に接続され、ダイオードの整流作用を利用して選択した前記第1直流電圧および前記第2直流電圧のうちの大きい方をスイッチングする、スイッチング素子およびトランスの一次巻線からなるスイッチング部と、
前記スイッチングにより前記トランスの他の巻線に誘起された電圧を直流化して前記電源電圧を生成する少なくとも1つの電源電圧生成部と、
を備え、
前記第2電源部は、前記トランスの別の他の巻線に誘起された電圧に基づいて前記放電電圧よりも大きい代替電圧を生成する代替電圧生成部を含み、前記代替電圧および前記放電電圧のうちの大きい方に基づいて前記第2直流電圧を生成するように構成され、
前記系統電圧の低下により前記第1直流電圧が前記第2直流電圧を下回り、前記スイッチング部が前記代替電圧に基づいて生成された前記第2直流電圧をスイッチングし始めると、前記代替電圧が低下して前記放電電圧を下回り、前記第2電源部が前記放電電圧に基づいて前記第2直流電圧を生成し始める
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記代替電圧生成部は、
前記別の他の巻線に誘起された電圧を整流平滑するダイオードおよびコンデンサと、
前記整流平滑後の電圧を定電圧化して得た前記代替電圧を出力するシリーズレギュレータと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記シリーズレギュレータが過電流保護機能を有し、
前記スイッチング部が前記代替電圧に基づいて生成された前記第2直流電圧をスイッチングし始めると、前記過電流保護機能が働き、その結果、前記代替電圧が低下する
ことを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統電圧および蓄電池の放電電圧のいずれかを負荷に供給する蓄電システムにおいて、蓄電システムを制御する制御部に所定の電源電圧を供給する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安価な深夜電力で充電しておいた蓄電池を電力需要が大きい昼間に放電させることで、電力需要の平準化と電気料金の低減とを図った蓄電システムの利用が進められている。図5に、従来の蓄電システムの一例として、特許文献1に開示された蓄電システム20を示す。蓄電システム20は、主に、系統Gからの系統電力を直流化して蓄電池Bを充電する機能と、蓄電池Bの放電電力を交流化して逆潮流しないように負荷Rに供給する機能とを有する双方向電力変換部11と、双方向電力変換部11を制御する制御部12と、制御部12に電源電圧を供給する電源装置13とを備えている。
【0003】
電源装置13は、AC/DCコンバータ14と、DC/DCコンバータ15と、スイッチ手段16とを有する。系統Gに停電が発生していない通常時において、スイッチ手段16は、AC/DCコンバータ14とDC/DCコンバータ15とを接続する。このとき、DC/DCコンバータ15は、AC/DCコンバータ14から供給される系統電力由来の電力に基づいて制御部12に電源電圧を供給する。一方、系統Gに停電が発生した停電時において、スイッチ手段16は、蓄電池BとDC/DCコンバータ15とを接続する。このとき、DC/DCコンバータ15は、蓄電池Bの放電電力に基づいて制御部12に電源電圧を供給する。
【0004】
この蓄電システム20によれば、停電時においても制御部12に電源電圧を供給し続けて双方向電力変換部11を作動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−175801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、停電が発生したことを検知してスイッチ手段16を切り替えるにはある程度の時間を要する。このため、この蓄電システム20では、AC/DCコンバータ14内に設けた大容量コンデンサによってAC/DCコンバータ14の出力保持時間を長くしておかないと、スイッチ手段16が蓄電池BとDC/DCコンバータ15とを接続して放電電力がDC/DCコンバータ15に供給され始める前にAC/DCコンバータ14からの電力供給が途絶え、制御部12に供給する電源電圧に空白期間が生じるおそれがある。
【0007】
また、この蓄電システム20は、通常時にAC/DCコンバータ14とDC/DCコンバータ15とが直列に接続されるので、AC/DCコンバータ14およびDC/DCコンバータ15の両方で損失が発生し、電力変換効率が低下するという問題も有している。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、停電発生時においても制御部に電源電圧を途切れることなく供給し続けることができ、しかも、従来のものに比べて通常時の電力変換効率が高い電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る電源装置は、系統電圧および蓄電池の放電電圧のいずれかを負荷に供給する蓄電システムにおいて、蓄電システムを制御する制御部に所定の電源電圧を供給する電源装置であって、
系統電圧を整流および平滑して得た第1直流電圧を出力する第1電源部と、第1直流電圧よりも小さく設定された第2直流電圧を出力する第2電源部と、第1電源部および第2電源部の双方に接続され、ダイオードの整流作用を利用して選択した第1直流電圧および第2直流電圧のうちの大きい方をスイッチングする、スイッチング素子およびトランスの一次巻線からなるスイッチング部と、スイッチングによりトランスの他の巻線に誘起された電圧を直流化して電源電圧を生成する少なくとも1つの電源電圧生成部とを備え、
第2電源部は、トランスの別の他の巻線に誘起された電圧に基づいて放電電圧よりも大きい代替電圧を生成する代替電圧生成部を含み、代替電圧および放電電圧のうちの大きい方に基づいて第2直流電圧を生成するように構成され、
系統電圧の低下により第1直流電圧が第2直流電圧を下回り、スイッチング部が代替電圧に基づいて生成された第2直流電圧をスイッチングし始めると、代替電圧が低下して放電電圧を下回り、第2電源部が放電電圧に基づいて第2直流電圧を生成し始めることを特徴とする。
【0010】
この構成では、スイッチング部が、ダイオードの整流作用を利用して第1直流電圧および第2直流電圧のうちの大きい方を選択する。このため、この構成によれば、大容量コンデンサを設けなくても、スイッチングする対象を第1直流電圧から第2直流電圧に、または第2直流電圧から第1直流電圧に切り替える際に、空白期間が生じることはない。また、この構成では、スイッチング部における1回の電力変換で系統電圧を制御部に出力すべき所定の電源電圧に変換する。このため、この構成によれば、電力変換を2回行う場合に比べて、通常時の電力変換効率を向上させることができる。
【0011】
上記電源装置における代替電圧生成部の構成としては、例えば、別の他の巻線に誘起された電圧を整流平滑するダイオードおよびコンデンサと、整流平滑後の電圧を定電圧化して得た代替電圧を出力するシリーズレギュレータとを含んだ構成が考えられる。
【0012】
また、このシリーズレギュレータが過電流保護機能を有している場合は、スイッチング部が代替電圧に基づいて生成した第2直流電圧をスイッチングし始めたときの代替電圧の低下を、該過電流保護機能を利用して実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、停電発生時においても制御部に電源電圧を途切れることなく供給し続けることができ、しかも、従来のものに比べて通常時の電力変換効率が高い電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る電源装置を備えた蓄電システムのブロック図である。
図2】本発明の実施例に係る電源装置の回路図である。
図3】本発明の実施例に係る電源装置の停電発生時の動作を示す波形図である。
図4】比較例に係る電源装置の回路図である。
図5】従来の電源装置を備えた蓄電システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電源装置の実施例について説明する。
【0016】
図1に、本発明の実施例に係る電源装置1を備えた蓄電システム10を示す。蓄電システム10は、系統Gからの系統電力を直流化して蓄電池Bを充電する機能と、蓄電池Bの放電電力を交流化して逆潮流しないように負荷Rに供給する機能とを有する双方向電力変換部11と、双方向電力変換部11を制御する制御部12と、制御部12に電源電圧を供給する電源装置1とを備えている。電源装置1には、系統Gの系統電圧および蓄電池Bの放電電圧が入力される。また、制御部12は、後述する第1制御部12aおよび第2制御部12bからなる。
【0017】
図2に示すように、実施例に係る電源装置1は、系統Gからの系統電圧を直流化して得た第1直流電圧を出力する第1電源部2と、第2直流電圧を出力する第2電源部3と、第1電源部2および第2電源部3の双方に接続され、第1直流電圧および第2直流電圧のうちの大きい方をスイッチングするスイッチング部4と、第1制御部12aに電源電圧を供給する第1電源電圧生成部5aと、第2制御部12bに電源電圧を供給する第2電源電圧生成部5bとを備えている。
【0018】
第1電源部2は、整流ダイオードD4および平滑コンデンサC1を含む。第1電源部2は、これらにより系統電圧を整流平滑して第1直流電圧を生成する。系統電圧がAC200[V]の場合、第1直流電圧は200[V]×√2≒283[V]となる。ただし、系統電圧は、±20%の範囲内で変動することがある。このため、第1直流電圧も160[V]×√2≒226[V]と240[V]×√2≒339[V]の範囲内で変動することがある。
【0019】
第2電源部3は、ダイオードD1、ダイオードD2、第1トランスT1、第1スイッチング素子Q1、整流ダイオードD3および平滑コンデンサC1を含む。なお、平滑コンデンサC1は、第1電源部2の構成要素でもある。
【0020】
蓄電池Bの放電電圧が後述する代替電圧よりも大きい場合、第1トランスT1の一次巻線T11および第1スイッチング素子Q1からなる直列回路には、ダイオードD1を通じて入力された放電電圧が印加される。一方、蓄電池Bの放電電圧が代替電圧よりも小さい場合、上記直列回路には、ダイオードD2を通じて入力された代替電圧が印加される。
【0021】
第1スイッチング素子Q1がON/OFFを繰り返すと、放電電圧または代替電圧がスイッチングされ、第1トランスT1の二次巻線T12に交流電圧が誘起される。そして、第2電源部3は、整流ダイオードD3および平滑コンデンサC1によりこの交流電圧を整流平滑して、第1直流電圧よりも小さい第2直流電圧を生成する。系統電圧がAC200[V]の場合、第2直流電圧は、例えば、第1直流電圧の下限値である226[V]よりも小さい180[V]に設定される。
【0022】
系統Gに停電が発生していない通常時においては、第1直流電圧と第2直流電圧のうちの大きい方、すなわち、第1直流電圧が平滑コンデンサC1の両端に現れる。このとき、第2電源部3は、無負荷で動作していると言える。一方、系統Gに停電が発生した停電時においては、第1直流電圧および第2直流電圧の大小関係が逆転し、第2直流電圧が平滑コンデンサC1の両端に現れる。
【0023】
スイッチング部4は、第2トランスT2の一次巻線T21および第2スイッチング素子Q2からなる直列回路を含む。第2スイッチング素子Q2がON/OFFを繰り返すと、平滑コンデンサC1の両端に現れた第1直流電圧または第2直流電圧がスイッチングされ、第2トランスT2の他の巻線、すなわち、一次巻線T21a、T21bおよび二次巻線T22に交流電圧が誘起される。
【0024】
第2電源部3は、一次巻線T21a、整流ダイオードD5、平滑コンデンサC2およびシリーズレギュレータ6(本発明の「代替電圧生成部」に相当する)をさらに含む。整流ダイオードD5および平滑コンデンサC2は、第2スイッチング素子Q2のスイッチングにより一次巻線T21aに誘起された交流電圧を整流平滑する。そして、シリーズレギュレータ6は、この整流平滑後の電圧に基づいて、蓄電池Bの放電電圧より大きい代替電圧を生成する。蓄電池Bの満充電時の放電電圧が190[V]の場合、代替電圧は、例えば、200[V]に設定される。
【0025】
シリーズレギュレータ6は、過電流保護機能を有する。過電流保護機能は、ダイオードD2を経由してトランスT1の一次巻線T11に流れていくシリーズレギュレータ6の出力電流が予め定められた閾値を超えると働く。過電流保護機能が働くと、シリーズレギュレータ6は代替電圧を低下させる。
【0026】
第1電源電圧生成部5aは、一次巻線T21b、整流ダイオードD6および平滑コンデンサC3を含む。整流ダイオードD6および平滑コンデンサC3は、第2スイッチング素子Q2のスイッチングにより一次巻線T21bに誘起された交流電圧を整流平滑する。そして、これにより得られた直流電圧は、第1制御部12aに電源電圧として供給される。
【0027】
同様に、第2電源電圧生成部5bは、二次巻線T22、整流ダイオードD7および平滑コンデンサC4を含む。整流ダイオードD7および平滑コンデンサC4は、第2スイッチング素子Q2のスイッチングにより二次巻線T22に誘起された交流電圧を整流平滑する。そして、これにより得られた直流電圧は、第2制御部12bに電源電圧として供給される。
【0028】
次に、図3を参照しながら、電源装置1の動作の一例について説明する。なお、この一例では、通常時において、系統電圧がAC200[V]、代替電圧(直流)が200[V]、放電電圧(直流)が190[V]、第2直流電圧が180[V]である。
【0029】
時間t0〜t1の通常時においては、図3(D)に示すように、シリーズレギュレータ6が200[V]の代替電圧を出力する一方、同図(E)に示すように、蓄電池Bが190[V]の放電電圧を出力する。このため、第2電源部3の入力電圧(一次巻線T11および第1スイッチング素子Q1からなる直列回路に印加される電圧)は、同図(F)に示すように、放電電圧(190[V])よりも電圧値が大きい代替電圧(200[V])となり、第2電源部3は、代替電圧に基づいて180[V]の第2直流電圧を出力する。
【0030】
また、時間t0〜t1の通常時において、第1電源部2は、283[V]の第1直流電圧を出力する。そして、平滑コンデンサC1の両端には、同図(B)に示すように、第1直流電圧と第2直流電圧のうちの大きい方、すなわち283[V]の第1直流電圧が現れる。なお、第1直流電圧が脈流しているのは、商用リップルを含んでいるからである。
【0031】
時間t1において停電が発生すると、同図(B)に示すように、第1直流電圧は緩やかに低下する。そして、時間t2において第1直流電圧が第2直流電圧を下回ると、整流ダイオードD4がOFFするのと同時に整流ダイオードD3がONし、平滑コンデンサC1の両端に第2電源部3から出力された180[V]の第2直流電圧が現れ、スイッチング部4は、第2直流電圧をスイッチングし始める。これにより、第2電源部3の入力電力(一次巻線T11および第1スイッチング素子Q1からなる直列回路に入力される電力)は、同図(C)に示すように、無負荷時の1.5[W]から増加する。
【0032】
第2電源部3の入力電力、すなわち、シリーズレギュレータ6の出力電流が増加すると、シリーズレギュレータ6の過電流保護機能が働き、同図(D)に示すように、代替電圧は低下し始める。そして、時間t3において代替電圧が190[V]の放電電圧を下回ると、ダイオードD2がOFFするのと同時にダイオードD1がONし、同図(F)に示すように、第2電源部3は放電電圧に基づいて第2直流電圧を生成し始める。
【0033】
次に、図4を参照して、比較例に係る電源装置1’に対する実施例に係る電源装置1の優位性について説明する。
【0034】
図4に示すように、電源装置1’は、第2電源部3’が常に蓄電池Bの放電電圧に基づいて第2直流電圧を生成するよう構成されている点において電源装置1と相違している。このため、この電源装置1’では、停電が発生していない通常時においても、蓄電池Bに蓄えられた電力が少しずつ消費され続け(上記実施例では、1.5[W])、蓄電池Bの充電が適切に行われなかった場合に蓄電池Bが過放電状態となってしまうおそれがある。これに対し、実施例に係る電源装置1では、通常時は代替電圧を使用し、停電時に限って蓄電池Bの放電電圧を使用するので、通常時に蓄電池Bの電力が消費され続けて過放電状態となることがない。
【0035】
このように、本発明の実施例に係る電源装置1によれば、スイッチング部4が、ダイオードD3、D4の整流作用を利用して第1直流電圧および第2直流電圧のうちの大きい方を選択するので、スイッチングする対象を第1直流電圧から第2直流電圧に、または第2直流電圧から第1直流電圧に切り替える際に、空白期間が生じることはない。また、電源装置1によれば、スイッチング部4における1回の電力変換で系統電圧を各制御部12a、12bに出力すべき所定の電源電圧に変換するので、電力変換を2回行う場合に比べて、通常時の電力変換効率を向上させることができる。さらに、電源装置1によれば、通常時に蓄電池Bの放電電圧の代わりに代替電圧を使用するので、蓄電池Bが過放電状態となるのを防ぐこともできる。
【0036】
以上、本発明に係る電源装置の実施例について説明してきたが、本発明の構成はこの実施例に限定されるものではない。
【0037】
例えば、実施例に係る電源装置1は、2つの電源電圧生成部(第1電源電圧生成部5aおよび第2電源電圧生成部5b)を備えているが、電源電圧生成部の数は制御すべき制御部の数に応じて適宜増減してもよい。
【0038】
また、実施例に係る電源装置1では、代替電圧生成部としてシリーズレギュレータ6を使用したが、通常時に蓄電池Bの放電電圧よりも大きい代替電圧を出力することができ、かつ出力電流が過大となったときに代替電圧を低下させることができるものを代替電圧生成部としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 電源装置
2 第1電源部
3 第2電源部
4 スイッチング部
5a 第1電源電圧生成部
5b 第2電源電圧生成部
6 シリーズレギュレータ(代替電圧生成部)
10 蓄電システム
11 双方向電力変換部
12 制御部
12a 第1制御部
12b 第2制御部
B 蓄電池
G 系統
C1、C2、C3、C4 平滑コンデンサ
D1、D2 ダイオード
D3、D4、D5、D6、D7 整流ダイオード
Q1 第1スイッチング素子
Q2 第2スイッチング素子
T1 第1トランス
T2 第2トランス
図1
図2
図3
図4
図5