(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の分割桁は、それぞれ、上端部に配置されたトッププレートと、下端部に配置されたベースプレートとを有し、前記トッププレートと前記ベースプレートとを直接当接した状態で前記複数の分割桁が連結される請求項1に記載の組立式段構成体。
前記桁は、床部から側壁部に向かって延びるように配置され、下端部に配置された前記分割桁が前記床部に固定されると共に上端部に配置された前記分割桁が前記側壁部に固定される請求項1または2に記載の組立式段構成体。
前記複数の段箱は斜め上方に向かって直線状に配列される複数の直線用段箱を有すると共に、前記複数の分割桁は斜め上方に向かって直線状に延びる複数の直線用分割桁を有し、前記複数の直線用段箱が同一形状となるように形成されると共に前記複数の直線用分割桁が同一形状となるように形成される請求項3に記載の組立式段構成体。
前記複数の段箱は側方に順次向きを変更して配列される複数の方向変更用段箱を有すると共に、前記複数の分割桁は側方に順次向きを変更して延びる複数の方向変更用分割桁を有し、前記複数の方向変更用段箱が同一形状となるように形成されると共に前記複数の方向変更用分割桁が同一形状となるように形成される請求項3または4に記載の組立式段構成体。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る組立式階段の構成を示す。この組立式階段は、上部が順次上方に突出するように下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に直線状に配列される複数の直線用段箱1と、複数の直線用段箱1の上部にそれぞれ対応して取り付けられる複数の板部材2と、下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に直線状に延びるように形成された一対の直線用桁3とを有する。
【0017】
複数の直線用段箱1は、それぞれ箱形状を有し、最も下側に配置される1つの接地段箱4と、接地段箱4より上側に配列される複数の連接段箱5とを有する。
接地段箱4は、下階Faの床部に当接する底板部6aと、直線用段箱1の配列方向に対向して配置された前板部6bおよび後板部6cと、直線用段箱1の横幅方向に対向して配置された一対の側板部6dおよび6eとを有する。前板部6b、後板部6c、側板部6dおよび側板部6eは、下縁部が底板部6aにそれぞれ接合されると共に上縁部がほぼ同一の水平面内に位置するように形成されている。
【0018】
連接段箱5は、下階Faの床部に対向する底板部7aと、直線用段箱1の配列方向に対向して配置された前板部7bおよび後板部7cと、直線用段箱1の横幅方向に対向して配置された一対の側板部7dおよび7eとを有する。前板部7b、後板部7c、側板部7dおよび側板部7eは、上縁部がほぼ同一の水平面内に位置するように形成されている。また、前板部7bの下縁部は後板部7cの下縁部より下方まで延びるように形成され、この前板部7bと後板部7cの下縁部を接続するように側板部7dと側板部7eの下縁部が傾斜して延びている。そして、底板部7aが、前板部7b、後板部7c、側板部7dおよび側板部7eの下縁部に接合されている。このようにして、複数の連接段箱5は、互いに同一形状を有するように形成されている。
【0019】
また、連接段箱5は、前板部7bの下半部と後板部7cとが当接するように配列されている。同様に、接地段箱4は、後板部6cが連接段箱5の前板部7bの下半部に当接するように配置されている。
直線用段箱1は、例えば、鉄およびアルミなどの金属、木材、石材、コンクリート、ガラスおよびプラスチックなどで構成することができる。
【0020】
複数の板部材2は、平板形状を有し、下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に直線状に配列するように接地段箱4および連接段箱5の上縁部にそれぞれ対応して固定されている。複数の板部材2は、縁部が接地段箱4および連接段箱5の側方および前方に突出するように、接地段箱4および連接段箱5の外周より大きく形成されている。
板部材2としては、例えば、木材、金属、石材、タイル、コンクリート、ガラスおよびプラスチックなどで構成することができる。
【0021】
一対の直線用桁3は、直線用段箱1を支持するもので、直線用段箱1の内部において横幅方向に間隔を空けた2箇所にそれぞれ配置されており、板部材2の配列方向に沿って互いに平行に延びるように形成されている。ここで、直線用桁3は、複数の直線用段箱1に対応して複数の直線用分割桁8に互いに連結可能に分割されている。
直線用分割桁8は、対応する直線用段箱1の内部を貫通して延びるように形成されている。例えば、連接段箱5に対応する直線用分割桁8は、前板部7bの下半部から後板部7cを貫通して延びるように形成されている。ここで、連接段箱5に対応する直線用分割桁8は、所定の角度で延びて連接段箱5毎に同一形状となるように形成されている。一方、接地段箱4に対応する直線用分割桁8は、底板部6aから後板部6cを貫通して延びるように形成されている。
【0022】
また、複数の直線用分割桁8は、それぞれ、直線用桁3が延びる方向を遮るように上端部に配置されたトッププレート9と、直線用桁3が延びる方向を遮るように下端部に配置されたベースプレート10とを有する。連接段箱5に対応する直線用分割桁8のトッププレート9とベースプレート10は、互いに平行で且つ連接段箱5の後板部7cと前板部7bにそれぞれ沿うように配置されている。また、接地段箱4に対応する直線用分割桁8のトッププレート9とベースプレート10は、接地段箱4の後板部6cと底板部6aに沿うように配置されている。直線用分割桁8は、トッププレート9とベースプレート10を直接当接させた状態でボルトなどを用いて固定することで互いに連結されている。
なお、直線用桁3は、下端部に配置された直線用分割桁8のベースプレート10、すなわち接地段箱4に対応して配置された直線用分割桁8のベースプレート10で下階Faの床部に固定され、上端部に配置された直線用分割桁8のトッププレート9で下階Faと上階Fbを接続する側壁部に固定されている。
【0023】
さらに、直線用分割桁8は、対応する複数の直線用段箱1に固定部11a,11bおよび11cにより固定されている。
固定部11aは、連接段箱5内に配置されて前板部7bに沿って延びる形状を有し、連接段箱5の横幅方向に間隔を空けて配置された一対の直線用分割桁8を前板部7bに固定する。固定部11bは、連接段箱5内および接地段箱4内に配置されている。固定部11bは、連接段箱5の後板部7cと接地段箱4の後板部6cに沿って延びる形状を有し、連接段箱5および接地段箱4において横幅方向に間隔を空けて配置された一対の直線用分割桁8を後板部7cおよび後板部6cに固定する。固定部11cは、連接段箱5内および接地段箱4内に配置されて底板部7aと底板部6aにそれぞれ沿って延びる形状を有し、直線用分割桁8を底板部7aおよび底板部6aに固定する。
【0024】
次に、組立式階段を製造する方法について説明する。
まず、
図2に示すように、連接段箱5の前板部7bの下半部に直線用分割桁8のベースプレート10に対応する開口部12aを形成すると共に後板部7cに直線用分割桁8のトッププレート9に対応する開口部12bを形成する。また、
図3に示すように、接地段箱4の後板部6cから底板部6aにわたって直線用分割桁8のトッププレート9およびベースプレート10に対応する切欠き部13を形成する。
【0025】
続いて、
図4に示すように、連接段箱5内に直線用分割桁8を配置すると共に開口部12aと開口部12bにそれぞれベースプレート10とトッププレート9がはめ込まれる。これにより、直線用分割桁8が連接段箱5内を貫通するように延びると共に前板部7bと後板部7cからベースプレート10とトッププレート9をそれぞれ外側に露出させることができる。なお、ベースプレート10とトッププレート9にはボルトなどの固定具を挿入するための貫通孔14が形成され、連接段箱5の外側に露出するベースプレート10とトッププレート9の露出面には位置合わせのために互いに嵌合する一対の嵌合部15が形成されている。
連接段箱5内に配置された直線用分割桁8は、固定部11a,11bおよび11cにより連接段箱5に固定される。
【0026】
また、
図5に示すように、接地段箱4内に直線用分割桁8を配置すると共に切欠き部13にベースプレート10とトッププレート9がはめ込まれる。これにより、直線用分割桁8が接地段箱4内を貫通するように延びると共に底板部6aと後板部6cからベースプレート10とトッププレート9をそれぞれ外側に露出させることができる。なお、連接段箱5内に配置された直線用分割桁8と同様に、ベースプレート10とトッププレート9にはボルトなどの固定具を挿入するための貫通孔14が形成されると共に、トッププレート9の露出面には位置合わせのための嵌合部が形成されている。
接地段箱4内に配置された直線用分割桁8は、固定部11bおよび11cにより接地段箱4に固定される。
【0027】
このように、直線用段箱1に直線用分割桁8を対応して固定することにより、組立式階段を直線用段箱1毎にまとめてブロック状に構成することができる。このため、例えば工場において組立式階段を直線用段箱1毎に製造し、その組立式階段を直線用段箱1毎に建築現場に搬入することができる。
【0028】
建築現場では、直線用段箱1毎に搬入された組立式階段の組み立て作業が行われる。すなわち、
図1に示すように、下階Faの床部に接地段箱4の直線用分割桁8をボルトなどの固定具を用いて固定し、この接地段箱4から上階Fbに向かって複数の連接段箱5が直線用分割桁8を介して固定具により順次連結される。そして、連接段箱5が下階Faと上階Fbを接続する側壁部に接するまで連結されたところで、その連接段箱5の直線用分割桁8が側壁部に固定される。
このように、組立式階段を直線用段箱1毎にまとめて構成することにより、建築現場では直線用分割桁8を互いに連結するだけで組立式階段を組み立てることができ、組み立て作業を簡単化することができる。
【0029】
また、連接段箱5毎にまとめられた構成体は、連接段箱5と直線用分割桁8が同一形状で形成されているため、互いに同一形状を有している。このため、組立式階段の製造を簡単化すると共に組立式階段の組み立て作業をスムーズに行うことができる。
また、直線用分割桁8のベースプレート10およびトッププレート9には一対の嵌合部15が形成されているため、この嵌合部15を互いに嵌合させることにより直線用分割桁8を位置合わせすることができ、直線用分割桁8を容易に連結することができる。
【0030】
このようにして、直線用分割桁8が互いに連結されることにより、下階Faから上階Fbに向かって直線状に延びる直線用桁3が形成される。直線用桁3は、所定の角度で直線状に延びるように形成されるため、直線用段箱1を強力に支持することができる。また、直線用桁3は、ベースプレート10とトッププレート9を互いに当接して連結することで節状に補強された補強部が形成されており、例えば捩じれなどの負荷に対する耐性を向上させることができる。
【0031】
また、直線用桁3は、直線用段箱1の内部を貫通して延びるように配置されている。一般的に、階段の桁は段箱の外側に配置されるが、直線用桁3を直線用段箱1の内部に配置することにより、組立式階段の段高幅Hを薄く形成することができる。また、直線用桁3を直線用段箱1の内部に配置することにより、直線用桁3が外部から隠されて組立式階段の外観を向上させることができる。
このように、組立式階段の段高幅Hを薄くすることで組立式階段の下側に広い空間が確保されると共に組立式階段の裏面の外観が向上されることで組立式階段の裏側を隠す必要がないため、組立式階段の下側を有効に活用することができる。
【0032】
続いて、直線用段箱1の上部に板部材2が取り付けられる。この時、板部材2は、直線用段箱1の外周より大きく形成されているため、直線用桁3および直線用段箱1のサイズを変えることなく、建築現場において板部材2の横幅などを容易に調整することができ、所望の横幅に調整された板部材2を直線用段箱1に取り付けることができる。また、直線用桁3は直線用段箱1を貫通するように延びるため、製造時において直線用段箱1の横幅などを変更する場合には、直線用桁3のサイズを変えることなく、直線用段箱1の横幅を容易に調整することもできる。
なお、配列された複数の直線用段箱1間の切れ目を隠したい場合には、外側から外装シートなどで覆うことが好ましい。
【0033】
本実施の形態によれば、直線用桁3が複数の直線用段箱1に対応して複数の直線用分割桁8に分割されると共に複数の直線用分割桁8がそれぞれ対応する複数の直線用段箱1に固定されているので、複数の直線用分割桁8を連結すると同時に複数の直線用段箱1を階段状に配列することができ、組立式階段を容易に組み立てることができる。
【0034】
実施の形態2
図6に、実施の形態2に係る組立式階段の構成を示す。この組立式階段は、上部が順次上方に突出するように下階Faから上階Fbに向かって順次側方に向きを変更してらせん状に配列される複数の方向変更用段箱21と、複数の方向変更用段箱21の上部にそれぞれ対応して取り付けられて下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に順次側方に向きを変更してらせん状に配列される複数の板部材22と、下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に順次側方に向きを変更して延びるように形成された一対の方向変更用桁23とを有する。
【0035】
複数の方向変更用段箱21は、それぞれ箱形状を有し、最も下側に配置される1つの接地段箱24と、接地段箱24より上側に配列される複数の連接段箱25とを有する。
接地段箱24は、実施の形態1と同様に、下階Faの床部に当接する底板部と、方向変更用段箱21の配列方向に対向して配置された前板部および後板部と、方向変更用段箱21の横幅方向に対向して配置された一対の側板部とを有する。
【0036】
連接段箱25は、
図7に示すように、底板部26aと、方向変更用段箱21の配列方向に対向して配置された前板部26bおよび後板部26cと、方向変更用段箱21の横幅方向に対向して配置された一対の側板部26dおよび26eとを有する。側板部26dと側板部26eは、連接段箱25が配列される曲率に応じて、内側の側板部26eに対して外側の側板部26dが広く形成されている。このため、前板部26bと後板部26cは、側板部26eから側板部26dに向かって間隔が広がるように配置されている。このように、複数の連接段箱25は、配列される曲率に応じて等間隔で分割するように形成されており互いに同一形状を有するものである。
【0037】
一対の方向変更用桁23は、方向変更用段箱21の内部において横幅方向に間隔を空けた2箇所にそれぞれ配置されており、板部材22の配列方向に沿って互いに平行に延びるように形成されている。この方向変更用桁23は、複数の方向変更用段箱21に対応して複数の方向変更用分割桁27に互いに連結可能に分割されている。
方向変更用分割桁27は、対応する方向変更用段箱21の内部を直線状に貫通して延びるように形成されている。例えば、連接段箱25に対応する方向変更用分割桁27は、前板部26bの下半部から後板部26cを貫通して延びるように形成されている。ここで、連接段箱25に対応する方向変更用分割桁27は、所定の角度で上方に直線状に延びて連接段箱25毎に同一形状となるように形成されている。一方、接地段箱24に対応する方向変更用分割桁27は、底板部から後板部を貫通して直線状に延びるように形成されている。これにより、方向変更用桁23は、方向変更用段箱21毎に側方に屈折してらせん状に延びるように形成されている。
【0038】
また、方向変更用分割桁27は、実施の形態1と同様に、上端部にトッププレート9が配置されると共に下端部にベースプレート10が配置されており、トッププレート9とベースプレート10を直接当接させた状態で互いに連結されている。
また、複数の方向変更用分割桁27は、それぞれ対応する複数の方向変更用段箱21に固定部11aおよび11bにより固定されている。
【0039】
この組立式階段は、実施の形態1と同様にして製造することができる。
まず、
図7に示すように、方向変更用分割桁27が連接段箱25内を前板部26bから後板部26cに傾斜して直線状に延びるように配置されて、ベースプレート10が前板部26bから露出されると共にトッププレート9が後板部26cから露出される。そして、方向変更用分割桁27が、固定部11aおよび11bにより連接段箱25に固定される。
同様にして、接地段箱24内にも方向変更用分割桁27が配置される。接地段箱24に配置された方向変更用分割桁27は、接地段箱24の底板部から後板部に延びるように配置される。
【0040】
このように、組立式階段を方向変更用段箱21毎にまとめて製造することにより、方向変更用段箱21毎に組立式階段を建築現場に搬入して組み立てることができる。また、組み立て式階段を方向変更用段箱21毎にまとめて構成することにより、建築現場では方向変更用分割桁27を互いに連結するだけで容易に組み立てることができる。さらに、連接段箱25毎にまとめられた構成体は互いに同一形状を有するため、組立式階段の製造を簡単化すると共に組立式階段の組み立て作業をスムーズに行うことができる。
【0041】
このようにして、方向変更用分割桁27が互いに連結されることにより、下階Faから上階Fbに向かってらせん状に延びる方向変更用桁23が形成される。
ここで、方向変更用分割桁27は直線状に形成されており、この方向変更用分割桁27をらせん状に連結して方向変更用桁23が形成されている。一般的に、らせん状の階段には、らせん状に徐々に湾曲するように形成された桁が使用されており、その形状に形成するために多くの労力を要していた。そこで、方向変更用分割桁27を方向変更用段箱21内に配置することにより直線状に形成することができ、方向変更用桁23を容易に形成することができる。
また、方向変更用桁23は、所定の角度でらせん状に延びるように形成されるため、方向変更用段箱21を強力に支持することができる。また、方向変更用桁23は、ベースプレート10とトッププレート9を互いに当接して連結することで節状に補強された補強部が形成されており、例えば捩じれなどの負荷に対する耐性を向上させることができる。
【0042】
続いて、方向変更用段箱21の上部に板部材22を取り付けることにより、
図6に示すように組立式階段が組み立てられる。なお、らせん状に形成される組立式階段の回り方向は、右回りおよび左回りのどちらに設定してもよい。
本実施の形態によれば、方向変更用桁23が複数の方向変更用段箱21に対応して複数の方向変更用分割桁27に分割されると共に複数の方向変更用分割桁27がそれぞれ対応する複数の方向変更用段箱21に固定されているので、複数の方向変更用分割桁27を連結すると同時に複数の方向変更用段箱21をらせん階段状に配列することができ、組立式階段を容易に組み立てることができる。
【0043】
実施の形態3
実施の形態1では一様に直線状に延びる組立式階段が形成され、実施の形態2では一様な曲率で方向変更してらせん状に延びる組立式階段が形成されたが、上部が順次上方に突出するように配列された複数の段箱と、複数の段箱の上部に取り付けられて斜め上方に向かって配列する複数の板部材と、複数の板部材の配列方向に延びるように形成された一対の桁とを有すればよく、直線部と方向変更部を互いに組み合わせて組立式階段を形成することもできる。
例えば、組立式階段は、
図8に示すように、上部が順次上方に突出するように配列された複数の段箱31と、複数の段箱31の上部に取り付けられた複数の板部材32と、複数の板部材32の配列方向に延びる一対の桁33とから形成することができる。
【0044】
複数の段箱31は、中間部に配列された複数の方向変更用段箱34を有し、この方向変更用段箱34の上側と下側にそれぞれ複数の直線用段箱35が配列されている。方向変更用段箱34の上側に配列された直線用段箱35と、方向変更用段箱34の下側に配列された直線用段箱35は、180度向きが異なるように配置されている。
桁33は、複数の段箱31に対応して複数の方向変更用分割桁36と複数の直線用分割桁37とにそれぞれ分割されており、方向変更用分割桁36が方向変更用段箱34内に対応して配置されると共に直線用分割桁37が直線用段箱35内に対応して配置されている。
このように、組立式階段が段箱31毎にまとめて構成されることにより、複数の方向変更用分割桁36および複数の直線用分割桁37を連結すると同時に複数の段箱31を折り返し階段状に配列することができ、組立式階段を容易に組み立てることができる。
【0045】
本実施の形態によれば、直線部と方向変更部を互いに組み合わせることにより、様々な種類の組立式階段を容易に形成することができる。なお、方向変更部は、回り方向を右回りおよび左回りのどちらに変更してもよい。
また、本実施の形態の組立式階段は、直線部と方向変更部を互いに組み合わせて形成することができればよく、中間部に方向変更部を配置したものに限られるものではない。例えば、
図9に示すように、上部側に複数の方向変更用段箱34を配列し、その下側に複数の直線用段箱35を配列することもできる。複数の方向変更用段箱34には複数の方向変更用分割桁36が対応して配置されると共に複数の直線用段箱35には複数の直線用分割桁37が対応して配置されている。
【0046】
実施の形態4
上記の実施の形態1〜3では、下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に複数の段箱と複数の板部材を配列すると共に下階Faから上階Fbに向かって斜め上方に延びるように桁を配置して組立式階段が形成されたが、複数の段箱を上部が順次上方に突出するように配列すると共に複数の板部材を斜め上方に向かって配列し且つ桁が複数の板部材の配列方向に延びるように配置された組立式段構成体を形成することができればよく、組立式階段に限られるものではない。
例えば、
図10に示すように、上下方向に延びる支持台Pの下側から支持台の上部に向かって斜め上方に複数の直線用段箱41と複数の板部材42を配列すると共に支持台Pの下側から支持台Pの上部に向かって斜め上方に延びるように一対の直線用桁43を配置して組立式段ベンチを形成することができる。
【0047】
この組立式段ベンチは、直線用段箱41毎にまとめて構成されており容易に組み立てることができる。また、組立式段ベンチを横に並べて配置することにより所望の範囲に段ベンチを形成することができると共に、組立式段ベンチを高さ方向に並べて配置することにより所望の高さに段ベンチを形成することができる。なお、直線用段箱41は、持ち運び可能な大きさおよび重さで形成されることが好ましく、例えば約1mの横幅および約20kgの重さで形成することができる。
本実施の形態によれば、組立式段ベンチを容易に組み立てることができ、例えば、劇場用の段ベンチ、大相撲の桟敷席および競技場の段ベンチなどを所望の範囲に容易に形成することができる。また、組立式段ベンチの下側に広い空間を確保することができるため、例えば楽屋を設置するなど、組立式段ベンチの下側を有効に活用することができる。
【0048】
なお、上記の実施の形態1〜4において、方向変更用段箱および直線用段箱は、上部が順次上方に突出するように配列することができればよく、その形状は特に限定されるものではない。
例えば、
図11に示すように、実施の形態3において複数の方向変更用段箱34に換えて複数の方向変更用段箱51を配置すると共に複数の方向変更用分割桁36に換えて複数の方向変更用分割桁52を配置することができる。方向変更用段箱51は、直角三角柱形状を有し、4つの方向変更用段箱51で180度向きが変わるように配列されている。方向変更用段箱51の上側と下側にはそれぞれ複数の直線用段箱35が配列されている。そして、方向変更用分割桁52が、方向変更用段箱51内に対応して配置されている。
【0049】
また、
図12(A)に示すように、実施の形態3において複数の方向変更用段箱34に換えて複数の方向変更用段箱53を配置すると共に複数の方向変更用分割桁36に換えて複数の方向変更用分割桁54を配置することもできる。方向変更用段箱53は、四角柱形状を有し、2つの方向変更用段箱53で180度向きが変わるように配列されている。方向変更用段箱53の上側と下側にはそれぞれ複数の直線用段箱35が配列されている。そして、方向変更用分割桁54が、方向変更用段箱53内に対応して配置されている。
【0050】
ここで、方向変更用分割桁54は、複数の直線部、例えば3つの直線部55a、55bおよび55cを互いに溶接などで連結して構成することが好ましい。これにより、方向変更用分割桁54は、隣接する方向変更用分割桁54と直線用分割桁37との間を直線状に接続せずに、方向変更用段箱53の外側部側に大きく回り込んで接続されるため、方向変更用段箱53を強力に支持することができる。
なお、方向変更用分割桁54は、隣接する方向変更用段箱53の間で高さ位置が異なるように配置することができる。例えば、
図12(B)に示すように、下側の方向変更用段箱53内の方向変更用分割桁54に対して、上側の方向変更用段箱53内の方向変更用分割桁54を上方に配置し、両者の間を上下方向に長く延びるプレート56で連結することができる。この時、プレート56の背面に三角リブ56aを配置して剛性を高めることが好ましい。
【0051】
また、
図13に示すように、直線用段箱35に対応する直線用分割桁37を延長して水平方向に延びる分割桁57を方向変更用段箱53内に配置することもできる。この分割桁57の端部を方向変更用段箱53に当接する側壁部Wに固定することにより方向変更用段箱53を支持することができる。
【0052】
また、
図14(A)に示すように、2つの方向変更用段箱53にそれぞれ方向変更用分割桁58aと方向変更用分割桁58bを配置することもできる。方向変更用分割桁58aは、上側の方向変更用段箱53内に配置され、直線用分割桁37を延長して水平方向に延びる直線部59aと、この直線部59aに直交して水平方向に延びる直線部59bとを有する。方向変更用分割桁58bは、下側の方向変更用段箱53内に配置され、直線用分割桁37を延長して水平方向に延びる直線部60aと、この直線部60aに直交して水平方向に延びる直線部60bとを有する。
図14(B)に示すように、直線部59aは直線部59bの上側に配置されて互いに接合されている。一方、直線部60aは直線部60bと同一平面上で交差するように配置されて互いに接合されている。このように構成された方向変更用分割桁58aと方向変更用分割桁58bが、プレート61を介して互いに連結されている。この直線部60aと直線部60bの交差部に下階から上方に延びる支柱Sを固定することにより方向変更用段箱53を支持することができる。なお、支柱Sは、直線部59a、59b、60aおよび60bのいずれかに固定することができるが、上記のように直線部の交差部に固定することにより方向変更用段箱53を確実に支持することができる。
【0053】
このように、様々な形状の方向変更用段箱および直線用段箱を配列することにより、様々な種類の組立式段構成体を容易に形成することができる。
【0054】
また、上記の実施の形態1〜4において、板部材は、段箱の上部に開閉可能に取り付けることができる。例えば、
図15に示すように、実施の形態1において接地段箱4に板部材62を開閉可能に取り付けることができる。これにより、接地段箱4を収納として使用することができ、例えば靴などの収納物を接地段箱4内に収納することができる。
【0055】
また、上記の実施の形態1〜4において、複数の段箱は箱形状に形成されたが、対応する分割桁を固定して一体に構成することができればよく、箱形状に限定されるものではない。例えば、複数の段箱内に空間を形成しなくてもよく、段箱内に発泡材およびコンクリートなどを充填することで段箱の振動を抑制することができる。また、複数の段箱を枠形状に形成することもできる。
【0056】
また、上記の実施の形態1〜4において、板部材は、それぞれの段箱に1つずつ取り付けられたが、斜め上方に向かって配列することができればよく、例えば複数の板部材を1つの段箱に取り付けることもできる。
また、上記の実施の形態1〜4において、桁は、段箱の内部において横幅方向に間隔を空けた2箇所に配置されたが、複数の段箱を支持することができればよく、例えば1つの桁を配置してもよい。