(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円弧状の外周面が形成された第1のベルト反転部と、該第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、同第1のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第2のベルト反転部とを有する第1の張設部と、
摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトと、
前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部との間かつ同第1のベルト反転部に隣接して設けられ、該第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、
前記第2のベルト反転部と前記第1の押圧部との間の距離を変更可能な第1の緊張度調整部と、
前記第1のベルト反転部と対向して位置し、円弧状の外周面が形成された第3のベルト反転部と、該第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設け、かつ、前記第2のベルト反転部に対向して配置され、同第3のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第4のベルト反転部とを有する第2の張設部と、
摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトと、
前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部との間かつ同第3のベルト反転部に隣接して設けられ、該第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部と、
前記第4のベルト反転部と前記第2の押圧部との間の距離を変更可能な第2の緊張度調整部とを備え、
前記第1のベルト反転部、前記第2のベルト反転部、前記第3のベルト反転部、前記第4のベルト反転部は、内筒と該内筒を略囲繞した外筒とを有し、同内筒及び同外筒の間に冷却水を循環可能に構成された
スリット帯板の巻取り張力付与装置。
円弧状の外周面が形成された第1のベルト反転部と、該第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、同第1のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第2のベルト反転部とを有する第1の張設部と、
摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトと、
前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置され、該第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、
前記第1のベルト反転部と前記第1の押圧部との間の距離、及び、前記第2のベルト反転部と同第1の押圧部との間の距離を変更可能な第1の緊張度調整部と、
前記第1のベルト反転部と対向して位置し、円弧状の外周面が形成された第3のベルト反転部と、該第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設け、かつ、前記第2のベルト反転部に対向して配置され、同第3のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第4のベルト反転部とを有する第2の張設部と、
摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトと、
前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置され、該第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部と、
前記第3のベルト反転部と前記第2の押圧部との間の距離、及び、前記第4のベルト反転部と同第2の押圧部との間の距離を変更可能な第2の緊張度調整部とを備え、
前記第1のベルト反転部、前記第2のベルト反転部、前記第3のベルト反転部、及び前記第4のベルト反転部は、円弧状の外周面が半円の円周未満に形成された
スリット帯板の巻取り張力付与装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ここで、特許文献1乃至3の装置では、ベルトの張設に多数のプーリを用いているが、プーリ同士の間に、ベルトがガイドされない領域が広範囲に渡って存在する。この領域では、ベルトが左右に揺れながら循環動するため、細くスリットされた帯板の巻取り時に蛇行現象が生じ、巻き取ったコイルのエッジが不揃いとなる不具合が発生してしまう。
【0015】
また、特許文献1乃至4の装置をはじめ、ベルト内側表面を押圧して巻取り張力を発生させるテンション装置では、摩擦熱の発生が問題となる。即ち、押板や押圧部がベルトの内側表面を押圧して移動するので摩擦熱が生じ、摩擦熱の大半はベルトに吸収されベルトが高温となる。
【0016】
特許文献1乃至特許文献3のプーリを用いたテンション装置では、高温になったベルトの熱が金属製のプーリに移動し、100℃近くまで温度が上昇する。その結果、異種材を積層接着して形成したベルトの積層部及び接合部において、接着剤が熱により変質して、ベルトの損傷につながり、長時間のスリッターラインの運転に支障を来たすものとなる。
【0017】
プーリを用いたテンション装置で、200個を超える数のプーリに対して、冷却水等を通して冷却することは構造的に困難であり、プーリに対する冷却構造が存在しないものとなっている。
【0018】
また、プーリの部材点数が多く、これを軸装するためのボールベアリングも存在するため、プーリや周辺構造の保守作業は煩雑なものとなっている。
【0019】
また、特許文献4のテンション装置では、圧力付与体の内部に循環する冷却水を流して、ベルトの熱を冷却している。しかしながら、冷却水はベルト反転部や押圧部の断面中心部分を流れやすく、ベルトが接する外周面近傍の流水量が少ないため、冷却効率が不充分である。
【0020】
また、ベルト反転部は、前述したプーリのように循環動するベルトに対して回転する構造とはなっていないため、この点でも冷却効率が悪いものとなる。この結果、特許文献4のテンション装置でもベルトの摩擦熱が充分に除去できず、ベルトの使用寿命が短くなっていた。
【0021】
なお、特許文献4では、ベルト反転部を構成する複数のベルト反転ガイド子の間隙と通る空気の空冷効果や、筒状のベルト反転ガイド子の内部に通気させることによる空冷効果について言及しているが、空気の利用に留まるため、その冷却効果は不充分である。また、複数のベルト反転ガイド子に冷却水を通すことは、やはり構造的に困難なものとなっている。
【0022】
更に、特許文献4のテンション装置では、ベルト反転部と押圧部が一体化した構造であり、ベルトの緊張度を調節することが困難であった。スリッターラインでの使用に伴い、ベルトは摩擦熱による温度上昇と冷却を繰り返す。
【0023】
この際、ベルトの温度上昇とともに熱膨張でベルトの長さが長くなり、圧力付与体との間に隙間を生じる事になる。或いは、温度上昇と冷却の繰り返しでベルトが収縮して、圧力付与体を締め付け、ベルトの回転不良を生じることがある。この結果、スリット後の帯板表面にスリップ痕を付着させる致命的なトラブルも発生している。
【0024】
近年、金属帯板をより高速で巻取ることによる生産性向上の要求がある。金属帯板を巻取り機にて高速で巻取る際には、テンション装置のベルトも高速度で回転するものとなる。ここで、ベルトの緊張度調整機構がないことから、ベルトに、金属帯板の流れる方向の慣性力が働き、出側のベルト反転部では、ベルトとベルト反転部の密着性が低下する場合があった。この密着性の低下は、ベルト冷却能力の低下によるベルトの劣化につながるものとなる。また、ベルト循環動の直進性の低下にもつながり(左右への揺れの発生)、隣接する金属帯板同士の接触が発生し、金属帯板エッジが損傷し、巻取り後の金属コイルの品質の低下を招く場合があった。
【0025】
また、保守作業において、ベルトを交換する際には、複数のベルト全部を圧力付与体から抜き取る必要があるため、ベルトの交換作業に非常に手間がかかるものとなっていた。
【0026】
また、特許文献3には、プーリを取り付けた軸受けの昇降動作によりベルトの張り具合を調節する機構が開示されているが、鉛直方向への動きであり、回転軸を支持するスタンド等と干渉するおそれがあった。そのため、軸受けの移動距離が制限され、ベルトの張り具合の調節が不充分となる。
【0027】
更に、特許文献3に開示された調節機構は、軸受けが鉛直方向に動くため、ベルトの緊張度を変更した際に、同じく鉛直方向での位置関係で作用する押圧部とベルト内側表面との間の滑りに及ぼす影響が大きく、金属帯板への巻取り張力の調整に手間がかかることが考慮される。また、プーリを有する構造であることから、上述したような不具合も発生する。
【0028】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、金属帯板のスリッターラインで、耐久性に優れ、使い勝手が向上したスリット帯板の巻取り張力付与装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記の目的を達成するために、本発明のスリット帯板の巻取り張力付与装置は、円弧状の外周面が形成された第1のベルト反転部と、該第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、同第1のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第2のベルト反転部とを有する第1の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトと、前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部との間かつ同第1のベルト反転部に隣接して設けられ、該第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、前記第2のベルト反転部と前記第1の押圧部との間の距離を変更可能な第1の緊張度調整部と、前記第1のベルト反転部と対向して位置し、円弧状の外周面が形成された第3のベルト反転部と、該第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設け、かつ、前記第2のベルト反転部に対向して配置され、同第3のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第4のベルト反転部とを有する第2の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトと、前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部との間かつ同第3のベルト反転部に隣接して設けられ、該第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部と、前記第4のベルト反転部と前記第2の押圧部との間の距離を変更可能な第2の緊張度調整部とを備える。
【0030】
ここで、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部を有する第1の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトによって、第1のベルトを張設して保持する構造とすることができる。また、第1のベルトは第1の張設部の外周面を循環動自在に張設されている。
【0031】
また、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部を有する第2の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトによって、第2のベルトを張設して保持する構造とすることができる。また、第2のベルトは第2の張設部の外周面を循環動自在に張設されている。
【0032】
また、円弧状の外周面が形成された第1のベルト反転部と、第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、第1のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第2のベルト反転部によって、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部の円弧状の外周面に沿って第1のベルトは滑らかな循環動が可能となる。
【0033】
また、円弧状の外周面が形成された第3のベルト反転部と、第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、第3のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第4のベルト反転部によって、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部の円弧状の外周面に沿って第2のベルトは滑らかな循環動が可能となる。
【0034】
第1のベルト反転部と、第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置された第2のベルト反転部とを有する第1の張設部と、第1のベルト反転部と対向して位置した第3のベルト反転部と、第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設け、かつ、前記第2のベルト反転部に対向して配置された第4のベルト反転部とを有する第2の張設部によって、第1の張設部と第2の調節部が対向して位置するものとなる。
【0035】
また、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部との間に設けられ、第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部との間に設けられ、第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部によって、張設した各ベルトを摩擦係数の小さな側から押圧し、搬送されるスリット後の帯板を挟圧することができる。即ち、第1のベルト及び第1の押圧部と、第2のベルト及び第2の押圧部の組み合わせで、その間に帯板の搬送経路を設けて、第2の押圧部を第1の押圧部に近接させる(または第1の押圧部を第2の押圧部に近接させる)ことで、各ベルト間で帯板を挟圧するものとなる。なお、ここでいう所定の長さとは、後述する帯板への巻取り張力が充分付与できる程度の接触圧力が生じる長さを意味する。
【0036】
また、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトと、第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトと、第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部によって、搬送されるスリット後の帯板に対して巻取り張力を付与することができる。即ち、第1のベルト及び第2のベルトの摩擦係数の小さな側が、第1の押圧部及び第2の押圧部により押圧され、各ベルトの摩擦係数の大きな側の面で帯板を挟圧する。そして、ベルトの摩擦係数の大きな側と帯板が接して、ベルトが帯板の動きに伴い循環動し、ベルトの摩擦係数の小さな側と押圧部との間で滑りと摩擦力が生じ、帯板に対する巻取り張力となる。なお、ここでいうスリット後の帯板とは、既知のスリッターラインでスリット加工され、幅広な金属板の状態から多条の帯板へと加工されてラインを搬送される金属素材を示すものである。
【0037】
また、第1のベルト反転部に隣接して設けられ、第1のベルトに所定の長さ接する第1の押圧部によって、張設された第1のベルトの内側を第1の押圧部の部分でも支持可能となり、第1のベルトが循環動する際に蛇行現象が生じにくいものとなる。また、第1の押圧部と第1のベルト反転部が隣接しているため、第1のベルトをより安定して支持可能となる。
【0038】
また、第3のベルト反転部に隣接して設けられ、該第2のベルトに所定の長さ接する第2の押圧部によって、張設された第2のベルトの内側を第2の押圧部の部分でも支持可能となり、第2のベルトが循環動する際に蛇行現象が生じにくいものとなる。また、第2の押圧部と第3のベルト反転部が隣接しているため、第2のベルトをより安定して支持可能となる。
【0039】
また、第2のベルト反転部と前記第1の押圧部との間の距離を変更可能な第1の緊張度調整部によって、第1のベルトの緊張度を調整可能となる。即ち、収縮した第1のベルトの緊張度を調整し、第1のベルトの循環動における回転不良を生じにくくできる。この結果、第1のベルトが、スリット後の帯板表面にスリップ痕を付着させる不具合を低減することができる。また、第1のベルトを弛緩させる方向に緊張度を変更することで、損耗したベルトの交換や、並設された複数の第1のベルト同士の間での取付け位置の入れ替え作業を容易に行うことができる。更には、第1の押圧部と第2のベルト反転部との間の距離の変更は水平方向での距離の変更であり、第1の押圧部が第1のベルトを押圧する方向(鉛直方向)とは向きが異なるため、第1のベルトの緊張度を調整した影響が、第1の押圧部と第1のベルトの摩擦係数の小さな側との間の滑りによる摩擦力の発生に及びにくくなる。また、ベルトが高速度で回転して、ベルトに金属帯板の流れる方向の慣性力が働いた場合でも、帯板の通板される側(出側)の反転部におけるベルトの密着性を保持することが可能となる。この結果、ベルトの循環動の直進性が担保され、ベルトの揺動が生じにくくなり、隣接する帯板同士の接触を抑止することが可能となる。また、例えば、帯板の通板される側(出側)の反転部の内部にベルトの冷却構造を設けた際に、反転部へのベルトの密着性が保持されるため、ベルトの冷却効率を高め、ベルトの耐久性を向上させることができる。
【0040】
また、第4のベルト反転部と第2の押圧部との間の距離を変更可能な第2の緊張度調整部によって、第2のベルトの緊張度を調整可能となる。即ち、収縮した第2のベルトの緊張度を調整し、第2のベルトの循環動における回転不良を生じにくくできる。この結果、第2のベルトが、スリット後の帯板表面にスリップ痕を付着させる不具合を低減することができる。また、第2のベルトを弛緩させる方向に緊張度を変更することで、損耗したベルトの交換や、並設された複数の第2のベルト同士の間での取付け位置の入れ替え作業を容易に行うことができる。更には、第2の押圧部と第4のベルト反転部との間の距離の変更は水平方向での距離の変更であり、第2の押圧部が第2のベルトを押圧する方向(鉛直方向)とは向きが異なるため、第2のベルトの緊張度を調整した影響が、第2の押圧部と第2のベルトの摩擦係数の小さな側との間の滑りによる摩擦力の発生に及びにくくなる。また、ベルトが高速度で回転して、ベルトに金属帯板の流れる方向の慣性力が働いた場合でも、帯板の通板される側(出側)の反転部におけるベルトの密着性を保持することが可能となる。この結果、ベルトの循環動の直進性が担保され、ベルトの揺動が生じにくくなり、隣接する帯板同士の接触を抑止することが可能となる。また、例えば、帯板の通板される側(出側)の反転部の内部にベルトの冷却構造を設けた際に、反転部へのベルトの密着性が保持されるため、ベルトの冷却効率を高め、ベルトの耐久性を向上させることができる。
【0041】
また、第1のベルト反転部及び第3のベルト反転部が、金属スリッターラインを流れる帯板の入側に配置された場合には、第1のベルト反転部と第1の押圧部で構成された領域、及び第3のベルト反転部と第2の押圧部で構成された領域という、第1のベルト及び第2のベルトが安定して支持された領域に帯板が流れて、第1の押圧部及び第2の押圧部の間に入ってくるものとなる。この結果、帯板は入側で第1のベルト及び第2のベルトに安定して挟まれるものとなり、通板される帯板の流れの直進性を高めることができる。帯板の流れの直進性を高めることで、巻取り張力が適切に付与することが可能となる。
【0042】
また、第1のベルト反転部、第2のベルト反転部、第3のベルト反転部、第4のベルト反転部の内側が冷却可能に構成された場合には、高温になる第1のベルト及び第2のベルトを冷却することができる。即ち、各押圧部が各ベルトの摩擦係数の小さな側を押圧することで生じる摩擦熱でベルト温度が上昇するが、循環動するベルトの内側と、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部、または、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部が接することで、その熱を効率よく除去することができる。
【0043】
また、第1のベルト反転部、第2のベルト反転部、第3のベルト反転部、第4のベルト反転部は、内筒と内筒を略囲繞した外筒とを有し、内筒及び外筒の間に冷却水を循環可能に構成された場合には、冷却水によって、第1のベルト及び第2のベルトの熱を除去することが可能となる。また、例えば、内筒と外筒に挟まれた冷却水が流れる領域を各ベルト反転部の外周面側の近傍で設けることで、より一層冷却の効率を高めることができる。
【0044】
また、上記の目的を達成するために、本発明のスリット帯板の巻取り張力付与装置は、円弧状の外周面が形成された第1のベルト反転部と、該第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、同第1のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第2のベルト反転部とを有する第1の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトと、前記第1のベルト反転部及び前記第2のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置され、該第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、前記第1のベルト反転部と前記第1の押圧部との間の距離、及び、前記第2のベルト反転部と同第1の押圧部との間の距離を変更可能な第1の緊張度調整部と、前記第1のベルト反転部と対向して位置し、円弧状の外周面が形成された第3のベルト反転部と、該第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設け、かつ、前記第2のベルト反転部に対向して配置され、同第3のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第4のベルト反転部とを有する第2の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して前記第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトと、前記第3のベルト反転部及び前記第4のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置され、該第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部と、前記第3のベルト反転部と前記第2の押圧部との間の距離、及び、前記第4のベルト反転部と同第2の押圧部との間の距離を変更可能な第2の緊張度調整部とを備える。
【0045】
ここで、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部を有する第1の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトによって、第1のベルトを張設して保持する構造とすることができる。また、第1のベルトは第1の張設部の外周面を循環動自在に張設されている。
【0046】
また、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部を有する第2の張設部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトによって、第2のベルトを張設して保持する構造とすることができる。また、第2のベルトは第2の張設部の外周面を循環動自在に張設されている。
【0047】
また、円弧状の外周面が形成された第1のベルト反転部と、第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、第1のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第2のベルト反転部によって、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部の円弧状の外周面に沿って第1のベルトは滑らかな循環動が可能となる。
【0048】
また、円弧状の外周面が形成された第3のベルト反転部と、第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置され、第3のベルト反転部側と反対側に円弧上の外周面が形成された第4のベルト反転部によって、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部の円弧状の外周面に沿って第2のベルトは滑らかな循環動が可能となる。
【0049】
第1のベルト反転部と、第1のベルト反転部との間に所定の間隙を設けて配置された第2のベルト反転部とを有する第1の張設部と、第1のベルト反転部と対向して位置した第3のベルト反転部と、第3のベルト反転部との間に所定の間隙を設け、かつ、前記第2のベルト反転部に対向して配置された第4のベルト反転部とを有する第2の張設部によって、第1の張設部と第2の調節部が対向して位置するものとなる。
【0050】
また、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部との間に設けられ、第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部との間に設けられ、第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部によって、張設した各ベルトを摩擦係数の小さな側から押圧し、搬送されるスリット後の帯板を挟圧することができる。即ち、第1のベルト及び第1の押圧部と、第2のベルト及び第2の押圧部の組み合わせで、その間に帯板の搬送経路を設けて、第2の押圧部を第1の押圧部に近接させる(または第1の押圧部を第2の押圧部に近接させる)ことで、各ベルト間で帯板を挟圧するものとなる。なお、ここでいう所定の長さとは、後述する帯板への巻取り張力が充分付与できる程度の接触圧力が生じる長さを意味する。
【0051】
また、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第1の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第1のベルトと、第1のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第1の押圧部と、摩擦係数の異なる素材で形成され、摩擦係数の小さな側が第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部の円弧状の外周面に接して第2の張設部の周りを循環動自在にリング状に張設された第2のベルトと、第2のベルトの摩擦係数の小さな側に所定の長さ接する第2の押圧部によって、搬送されるスリット後の帯板に対して巻取り張力を付与することができる。即ち、第1のベルト及び第2のベルトの摩擦係数の小さな側が、第1の押圧部及び第2の押圧部により押圧され、各ベルトの摩擦係数の大きな側の面で帯板を挟圧する。そして、ベルトの摩擦係数の大きな側と帯板が接して、ベルトが帯板の動きに伴い循環動し、ベルトの摩擦係数の小さな側と押圧部との間で滑りと摩擦力が生じ、帯板に対する巻取り張力となる。なお、ここでいうスリット後の帯板とは、既知のスリッターラインでスリット加工され、幅広な金属板の状態から多条の帯板へと加工されてラインを搬送される金属素材を示すものである。
【0052】
また、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置された第1の押圧部と、第1のベルト反転部と第1の押圧部との間の距離、及び、第2のベルト反転部と第1の押圧部との間の距離を変更可能な第1の緊張度調整部によって、第1のベルトの緊張度を調整可能となる。即ち、収縮した第1のベルトの緊張度を調整し、第1のベルトの循環動における回転不良を生じにくくできる。この結果、第1のベルトが、スリット後の帯板表面にスリップ痕を付着させる不具合を低減することができる。また、第1のベルトを弛緩させる方向に緊張度を変更することで、損耗したベルトの交換や、並設された複数の第1のベルト同士の間での取付け位置の入れ替え作業を容易に行うことができる。更には、第1の押圧部と各ベルト反転部との間の距離の変更は水平方向での距離の変更であり、第1の押圧部が第1のベルトを押圧する方向(鉛直方向)とは向きが異なるため、第1のベルトの緊張度を調整した影響が、第1の押圧部と第1のベルトの摩擦係数の小さな側との間の滑りによる摩擦力の発生に及びにくくなる。また、第1のベルト反転部側及び第2のベルト反転部側の両方で距離が変更可能なため、第1のベルトの緊張度の調整範囲をより広く、特に、緊張度を大きくする方向の変更範囲を広範囲にすることができる。更に、第1の張設部の両端側で第1のベルトを緊張するため、第1のベルトに対して均等に力をかけやすくなり、第1のベルトをより安定して循環動させることが可能となる。
【0053】
また、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置された第2の押圧部と、第3のベルト反転部と第2の押圧部との間の距離、及び、第4のベルト反転部と第2の押圧部との間の距離を変更可能な第2の緊張度調整部によって、第2のベルトの緊張度を調整可能となる。即ち、収縮した第2のベルトの緊張度を調整し、第2のベルトの循環動における回転不良を生じにくくできる。この結果、第2のベルトが、スリット後の帯板表面にスリップ痕を付着させる不具合を低減することができる。また、第2のベルトを弛緩させる方向に緊張度を変更することで、損耗したベルトの交換や、並設された複数の第2のベルト同士の間での取付け位置の入れ替え作業を容易に行うことができる。更には、第2の押圧部と各ベルト反転部との間の距離の変更は水平方向での距離の変更であり、第2の押圧部が第2のベルトを押圧する方向(鉛直方向)とは向きが異なるため、第2のベルトの緊張度を調整した影響が、第2の押圧部と第2のベルトの摩擦係数の小さな側との間の滑りによる摩擦力の発生に及びにくくなる。また、第3のベルト反転部側及び第4のベルト反転部側の両方で距離が変更可能なため、第2のベルトの緊張度の調整範囲をより広く、特に、緊張度を大きくする方向の変更範囲を広範囲にすることができる。更に、第2の張設部の両端側で第2のベルトを緊張するため、第1のベルトに対して均等に力をかけやすくなり、第2のベルトをより安定して循環動させることが可能となる。
【0054】
また、第1の押圧部が、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置され、第2の押圧部が、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置されたことによって、第1の押圧部及び第2の押圧部の交換作業を容易に行うことができる。即ち、各ベルトと接する部分の長さが異なる各押圧部に変更することで、各押圧部の面積を変えることができる。これにより、以下のような利点が生じる。
【0055】
本発明のスリット帯板の巻取り張力付与装置では、第1の押圧部または第2の押圧部を、両部材が近接または離間する方向に駆動させる、例えば、液圧シリンダに押圧部を接続して、帯板を各押圧部で挟圧して巻取り張力を発生させる。この際の面圧(Pa:単位面積当たりの圧力)は、適切な巻取り張力が付与でき、かつ、帯板表面に傷や圧着痕が生じにくい範囲に調整されており、面圧Paは、式(Pa=P/A)(P:シリンダ圧力(kg)、A:押圧部面積(cm
2))で決まるものとなる。ここで、面圧は適正な範囲内であれば、その値が小さいほど、各ベルトの損傷が小さくなり耐久性が向上し、帯板に圧着痕が生じにくくなる。
【0056】
面圧を小さくする際には、シリンダ圧力(P)を大きくするか、もしくは、押圧部面積(A)を小さくする必要がある。シリンダ圧力(P)については、使用する液圧シリンダの圧力調整によって対応することも考えられるが、押圧部面積を変更することができれば、より一層、面圧の調整が容易なものとなる。また、この結果、巻取り張力付与装置で対応可能な帯板の板厚幅の対象を広げることが可能となる。即ち、第1の押圧部が、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置され、第2の押圧部が、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部との間に、所定の間隙を設けて配置されたことで、第1の押圧部及び第2の押圧部が交換可能となり、面圧を小さくする設定を、より簡易に行うことが可能となる。なお、第1の押圧部(第2の押圧部)における「第1のベルト(第2のベルト)と接する部分の長さ」とは、帯板が流れる進行方向と略平行な向きの部分の長さを意味する。
【0057】
また、第1のベルト反転部、第2のベルト反転部、第3のベルト反転部、第4のベルト反転部の内側が冷却可能に構成された場合には、高温になる第1のベルト及び第2のベルトを冷却することができる。即ち、各押圧部が各ベルトの摩擦係数の小さな側を押圧することで生じる摩擦熱でベルト温度が上昇するが、循環動するベルトの内側と、第1のベルト反転部及び第2のベルト反転部、または、第3のベルト反転部及び第4のベルト反転部が接することで、その熱を効率よく除去することができる。
【0058】
また、第1のベルト反転部、第2のベルト反転部、第3のベルト反転部、第4のベルト反転部は、内筒と内筒を略囲繞した外筒とを有し、内筒及び外筒の間に冷却水を循環可能に構成された場合には、冷却水によって、第1のベルト及び第2のベルトの熱を除去することが可能となる。また、例えば、内筒と外筒に挟まれた冷却水が流れる領域を各ベルト反転部の外周面側の近傍で設けることで、より一層冷却の効率を高めることができる。
【0059】
また、第1の張設部に第1のベルト同士が間隔を有して並設され、第2の張設部に第2のベルト同士が間隔を有して並設された場合には、複数のベルトの組み合わせで多条の帯板に巻取り張力を付与することが可能となる。
【0060】
また、第1のベルト反転部及び第3のベルト反転部が、長手方向の断面が半円筒形に形成され、第2のベルト反転部の円弧状の外周面が第1のベルト反転部の円弧状の外周面より小さく形成され、第4のベルト反転部の円弧状の外周面が第3のベルト反転部の円弧状の外周面より小さく形成された場合には、第1の張設部及び第2の張設部が小さくなり、装置全体のサイズをコンパクトなものとすることができる。また、第2のベルト反転部及び第4のベルト反転部が小さくなったため、第2のベルト反転部及び第4のベルト反転部が第1のベルト反転部及び第4のベルト反転部と同等の大きさで形成された場合に比して、ベルトの緊張度を調整する際の、第2のベルト反転部及び第4のベルト反転部の移動距離を長くとることが可能となる。この結果、ベルト緊張度の調整可能な範囲をより広範囲なものとすることができる。
【0061】
また、第1のベルト反転部、第2のベルト反転部、第3のベルト反転部、及び第4のベルト反転部の、円弧状の外周面が半円の円周未満に形成された場合には、第1の張設部及び第2の張設部がより一層小さくなり、更に装置全体のサイズをコンパクトなものとすることができる。また、各反転部が小さくなったため、各反転部の断面が半円になるように形成された場合に比して、ベルトの緊張度を調整する際の、各反転部の移動距離を長くとることが可能となる。この結果、ベルト緊張度の調整可能な範囲を、より一層、広範囲なものとすることができる。
【0062】
また、第1の反転部、第3の反転部、第1の押圧部及び第2の押圧部の内側が冷却可能に構成された場合には、高温になる第1のベルト及び第2のベルトを冷却することができる。
【0063】
また、第1の押圧部及び第2の押圧部の内側が冷却可能に構成された場合には、高温になる第1のベルト及び第2のベルトを冷却することができる。
【発明の効果】
【0064】
本発明に係るスリット帯板の巻取り張力付与装置は、金属帯板のスリッターラインで、耐久性に優れ、使い勝手が向上したものとなっている。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の第1の実施形態の正面概略図(a)及び
図1(a)の矢印A方向の概略断面図(b)である。
図2は、本発明の第1の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び概略側面図(b)である。なお、本発明の実施の形態は、以下に示す内容に限定されるものではなく、あくまで一例である。また、
図1乃至
図10に示す図は、説明のための概略の構造を示したものであり、本発明における構造の大きさや縮尺を限定するものではない。
【0067】
<第1の実施の形態>
図1(a)に示すように、本発明の第1の実施の形態である巻取り張力付与装置1は、スリッターラインを通板されるスリット後の帯板の上側に配置される上部構造体2と、帯板の下側に配置される下部構造体3を備えている。上部構造体2及び下部構造体3は上下に相対向して配置されている。
【0068】
スリット後の帯板とは、幅広な金属板が既知のスリッターラインにおいて、多条の帯板にスリット加工されたものである。また、巻取り張力付与装置1は、図示しないが、既知のスリッターラインにおいて帯板の巻取り機の手前に配置され、帯板に巻取り張力を付与するものである。
【0069】
上部構造体2は軸体4及び軸受け5によって支持されている。また、下部構造体3は、軸体6及び軸受け7によって支持されている。軸受け5及び軸受け7は支柱部8にて接続され、軸受け7は床面に設置されたスタンド部9に取り付けられている。
【0070】
また、上部構造体2の外周面には、上部ベルト10が循環動自在に張設されている。下部構造体3の外周面には下部ベルト11が循環動自在に張設されている。上部ベルト10及び下部ベルト11は、通板される帯板を
図1(a)で見る上下方向から挟圧して、帯板に巻取り張力を及ぼす部分となる。
【0071】
上部ベルト10は、上部構造体2の長手方向にかけて、一定間隔で複数並設されている。隣接する上部ベルト10同士の間には、図示しない突起部が設けられており、各上部ベルト10同士の位置が規定されている。下部ベルト11も同様の構造で、下部構造体3の長手方向にかけて複数並設されている。
【0072】
図1(b)に示すように、スタンド部9は、昇降ロッド12及び液圧シリンダ13から構成された昇降機構を有している。昇降機構は、上部構造体2を鉛直方向に進退動作可能にする駆動部であり、上部構造体2を昇降させて、下部構造体3との間で、近接または離間せしめる部分である。この昇降機構により上部構造体2と下部構造体3が近接した状態で、後述する各押圧部が上部ベルト10または下部ベルト11を押圧し、帯板に各ベルトが接触するものとなる。また、本昇降機構は、上部押圧部を昇降させる部分でもある。
【0073】
また、
図1(b)に示すように、上部ベルト10を張設した上部構造体2の断面は長円形状となっている。下部ベルト11を張設した下部構造体3も、同様に、断面が長円形状に形成されている。
【0074】
ここで、必ずしも、昇降機構により下部構造体3が昇降する必要はない。例えば、下部構造体3は固定して、上部構造体2を昇降機構により駆動させる構成も採用しうる。
【0075】
図2(a)及び
図2(b)を用いて、上部構造体2及び下部構造体3の詳細な構造について説明する。
【0076】
上部構造体2は、第1の反転部14、上部押圧部15及び第2の反転部16を有している。第1の反転部14及び上部押圧部15は一体化した構造となっている。また、上部押圧部15と第2の反転部16の間には隙間17が形成されている。
【0077】
第1の反転部14及び第2の反転部16により上部ベルト10は断面が長円形状に張設されている。上部ベルト10は、第1の反転部14、上部押圧部15及び第2の反転部16の外周面で循環動可能となっている。
【0078】
第1の反転部14は、円弧状の外周面18を有しており、同部分で上部ベルト10の内側に接触する。また、第2の反転部16も円弧状の外周面19を有しており、同部分で上部ベルト10の内側に接触する。上部ベルト10は各円弧状の外周面に接触して循環動するため、滑らかな動きが可能となる。また、第1の反転部14及び第2の反転部16は、上部ベルト10の循環動の駆動には寄与しておらず、上部ベルト10は後述する帯板との接触により循環動するものである。
【0079】
下部構造体3は、第3の反転部20、下部押圧部21及び第4の反転部22を有している。第3の反転部20及び下部押圧部21は一体化した構造となっている。また、下部押圧部21と第4の反転部22の間には隙間23が形成されている。
【0080】
上部ベルト10と同様に、下部ベルト11は、第3の反転部20及び第4の反転部22によって、断面が長円形状に張設されている。下部ベルト11も、第3の反転部20、下部押圧部21及び第4の反転部22の外周面で循環動可能となっている。
【0081】
第3の反転部20は、円弧状の外周面24を有しており、同部分で下部ベルト11の内側に接触する。また、第4の反転部22も円弧状の外周面25を有しており、同部分で下部ベルト11の内側に接触する。下部ベルト11は各円弧状の外周面に接触して循環動するため、滑らかな動きが可能となる。また、第3の反転部21及び第4の反転部22は、下部ベルト11の循環動の駆動には寄与しておらず、下部ベルト11も後述する帯板との接触により循環動するものである。
【0082】
上部ベルト10及び下部ベルト11は、上部押圧部15及び下部押圧部21と連動して、帯板26に巻取り張力を付与する。上部ベルト10及び下部ベルト11は、外側表面27で帯板26と接すると共に、内側表面28で各押圧部及び各反転部と接触するものとなっている。なお、
図2(a)の矢印Zで示す向きが、帯板26が通板される方向である。また、帯板26への巻取り張力は矢印Zと反対方向に向けて発生する。
【0083】
上部押圧部15及び下部押圧部21は、断面が長方形状または略正方形状に形成され、帯板26の通板される方向に沿って、一定の長さで各ベルトの内側表面28に接触する。また、上部押圧部15(第1の反転部14含む)及び下部押圧部21(第3の反転部含む)は、液圧シリンダ13の昇降により、上下押圧部間の距離が小さくなる方向、即ち、帯板26を挟圧する方向に各ベルトの内側表面26を押圧する。また、液圧シリンダの加圧力を調整することにより帯板の巻取り張力を調整することができる。
【0084】
上部ベルト10及び下部ベルト11は、外側と内側が異種素材で形成され、外側の素材の摩擦係数が、内側の素材の摩擦係数よりも大きなものとなっている。
【0085】
より具体的には、各ベルトの内側表面28はポリエステルやビニロン、ナイロンなどの合成繊維の織布で形成されている。この織布の繊維間及び編み目の凹部には摩擦係数を小さくするための潤滑剤が含浸可能となっている。
【0086】
また、各ベルトの外側表面27は、帯板表面に押圧痕を付着させないため適度な圧縮弾性があり、比較的薄い可撓性の材料、例えば、ゴムや合成樹脂等で構成されている。
【0087】
ここで、各ベルトの内側表面28の素材は外側表面よりも摩擦係数が小さくなっていれば充分であり、その素材が限定されるものではない。但し、入手が容易で、柔軟性があり摩擦係数を一定の値に揃えやすい点から、各ベルトの内側表面28はポリエステルやビニロン、ナイロンなどの合成繊維の織布で形成されることが好ましい。
【0088】
また、各ベルトの外側表面27は、内側表面28よりも摩擦係数が大きくなっていれば充分であり、その素材が限定されるものではない。但し、摩擦係数が大きく、柔軟性があり耐久性にも優れる点から、各ベルトの外側表面27はゴムや合成樹脂等で構成されることが好ましい。
【0089】
各ベルトの外側表面27は、通板される帯板26の表面と接触すると、表面の摩擦係数が大きいため、帯板26に接触したまま各ベルトが移動するものとなる。これにより、上部ベルト10及び下部ベルト11は、各反転部に張設された状態で循環動するものとなる。なお、
図2(a)では各ベルトの循環動の方向を矢印Rで示している。
【0090】
各ベルトの内側表面28は、循環動しながら各反転部及び各押圧部の外周面と接触するものとなる。この際、前述したように、上部押圧部15及び下部押圧部21は、ベルトの内側表面28に接触して、液圧シリンダにより、上下押圧部間の距離が小さくなる方向、即ち、帯板26を挟圧する方向に各ベルトの内側表面28を押圧する。
【0091】
上部ベルト10及び下部ベルト11の内側表面26と、上部押圧部15及び下部押圧部21が接触すると、内側表面28の摩擦係数が小さいために滑りが生じ、摩擦力が発生する。この摩擦力が帯板26に対して、通板される方向と逆向き(矢印Zと反対方向)に働き、液圧シリンダの加圧力を調整することにより帯板の板厚や材質に応じた巻取り張力となる。また、巻取り張力はベルトと押圧部に発生する摩擦力であり、摩擦熱が生じる。この摩擦熱がベルトに吸収され、ベルトの内側表面28の温度が上昇する。
【0092】
また、各反転部の外周面、即ち、円弧状の外周面18、円弧状の外周面19、円弧状の外周面24及び円弧状の外周面25の部分では、各ベルトの内側表面28と接触するが、各反転部は各ベルトの循環動の方向に回転することなく、固定されたままとなる。
【0093】
図2(a)に示すように、第1の反転部14、第2の反転部16、第3の反転部20及び第4の反転部22では、外層部の内側が空洞となっており、その空洞部分に冷却水29が流される構造となっている。高温となった上部ベルト10及び下部ベルト11の内側表面28は、各反転部の外層部と接触して、その熱が外層部から各反転部の内部の冷却水29に移動し、上部ベルト10及び下部ベルト11が冷却されるものとなる。
【0094】
冷却水29は、図示しない配管構造が上部構造体2及び下部構造体3の側面に接続され、帯板26が通板される方向と略直交する方向に流されている。
【0095】
また、帯板26は、第1の反転部14と上部押圧体15が一体化した構造の側から通板される。このため、
図2(a)における左側から隙間17にかけて、一定の長さに渡って、上部ベルト10が第1の反転部14と上部押圧体15で支持された領域を帯板26が通販されることとなり、循環動の際の直進性が良好なものとなっている。また、上部ベルト10は、隙間17の部分を除いて、第1の反転部14、上部押圧体15及び第2の反転部16に支持されるため、上部ベルト10への内側表面28への循環動に伴う損傷を低減することが可能となる。
【0096】
図2(b)には、上部構造体2及び下部構造体3の側面と、その周辺構造を示している。上部構造体2及び下部構造体3は、各ベルトの緊張度の調節機構を有している。
【0097】
図2(b)に示すように、第1の反転部及び上部押圧部の側面部30と、第2の反転部の側面部31には、上部ベルト10の緊張度を調節可能な緊張度調整機構32が設けられている。緊張度調整機構32は、第2の反転部16の位置を変更可能であり、隙間17の大きさ(上部押圧部15と第2の反転部16の間の距離)を変えて、上部ベルト10の緊張度を調整する。
【0098】
緊張度調整機構32は、押圧部支持部33、反転部支持部34、反転部受部35、位置調整ロッド36及び位置調整ネジ37から構成されている。
【0099】
押圧部支持部33は側面部30に、反転部支持部34は側面部31に、それぞれ取り付けられている。反転部支持部34には位置調整ロッド36の一端が固定されている。位置調整ロッド36は帯板26が通板される方向と略平行な向きに他端が延出している。
【0100】
また、2つの部材から構成された反転部受部35は、位置調整ロッド36と略平行な向きに配置され、その一端が押圧部支持部33に固定されている。また、反転部受部35で挟まれた領域に反転部支持部34が配置されている。反転部受部35は、
図2(b)で見る左右方向への反転部支持部34の移動のガイドの役目を果たすものとなる。
【0101】
位置調整ロッド36の外周面には螺旋溝が形成されている。反転部受部35の他端側38には、位置調整ロッド36が挿通可能な貫通孔が形成されている。また、反転部受部35の他端側38は、位置調整ロッド36の螺旋溝に嵌合可能な位置調整ネジ37が取り付けられている。
【0102】
この位置調整ネジ37を回転させることで、位置調整ロッド36に沿って反転部支持部34の位置が変わり、第2の反転部16の位置を左右方向に変更可能となっている。第2の反転部16が移動することで、これに張設された上部ベルト10の緊張度が調整され、緊張または弛緩するものとなる。
【0103】
なお、下部構造体3にも、緊張度調整機構32と同様の構造が設けられている。これにより下部ベルト11の緊張度も調整可能となっている。
【0104】
上記で説明したように、本発明の第1の実施の形態では、上部構造体2及び下部構造体3に設けられた各反転部に高温となったベルトが接触して、効率よく熱が除去されるものとなっている。
【0105】
また、各反転部及び各押圧部によって、ベルトが安定して支持されるため、循環動した際のベルトの直進性を高めることができる。また、反転部と押圧部との間の隙間が少ないため、ベルトの内側表面への損傷を低減し、ベルトの耐久性を向上させることができる。
【0106】
また、第2の反転部及び第4の反転部の位置を変更して、各ベルトの緊張度を調節可能に構成されているため、ベルトの回転不良を生じにくくすることができる。また、保守作業におけるベルト同士の位置交換や、ベルトの取り外しを容易に行うことができる。更に、ベルトの緊張度の調整によって、ベルト内側表面と押圧部との滑りに及ぼす影響が少なく、適切な巻取り張力が付与しやすい構造となっている。
【0107】
また、第2の反転部及び第4の反転部の位置を変更して、各ベルトの緊張度を調節可能に構成されているため、ベルトが高速度で回転して、ベルトに金属帯板の流れる方向の慣性力が働いた場合でも、帯板の通板される側(出側)の反転部である、第2の反転部及び第4の反転部におけるベルトの密着性を保持可能となる。この結果、ベルトの循環動の直進性が担保され、ベルトの揺動が生じにくくなり、隣接する帯板同士の接触を抑止することが可能となる。また、各反転部及び各押圧部の内側に冷却水を流す冷却構造によるベルトの冷却効率が高まり、ベルトの耐久性を向上させることができる。
【0108】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び概略側面図(b)である
【0109】
図3(a)には、本発明の第2の実施の形態である巻取り張力付与装置39を記載している。巻取り張力付与装置39は、帯板26の上側に配置される上部構造体40と、帯板26の下側に配置される下部構造体41を備えている。なお、
図3では、前述した本発明の第1の実施の形態と共通する部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下では第2の実施の形態で構造が異なる部分について説明を行う。
【0110】
上部構造体39は、第1の反転部42、上部押圧部43及び第2の反転部16を有している。第1の実施形態との違いは、第1の反転部42と上部押圧部43が分離しており、両部材の間に隙間44が形成されている点である。なお、上部押圧部43と第2の反転部16の間には隙間17が形成されている。
【0111】
第1の反転部42及び第2の反転部16により上部ベルト10は断面が長円形状に張設されている。上部ベルト10は、第1の反転部42、上部押圧部43及び第2の反転部16の外周面で循環動可能となっている。
【0112】
第1の反転部42は、円弧状の外周面45を有しており、同部分で上部ベルト10の内側に接触する。第1の反転部42及び第2の反転部16は、上部ベルト10の循環動の駆動には寄与しておらず、上部ベルト10は帯板との接触により循環動する。
【0113】
下部構造体41は、第3の反転部46、下部押圧部47及び第4の反転部22を有している。第1の反転部42と同様に、第3の反転部46と上部押圧部47が分離しており、両部材の間に隙間48が形成されている点である。なお、下部押圧部47と第2の反転部16の間には隙間23が形成されている。
【0114】
上部ベルト10と同様に、下部ベルト11は、第3の反転部46及び第4の反転部22によって、断面が長円形状に張設されている。下部ベルト11も、第3の反転部46、下部押圧部47及び第4の反転部22の外周面で循環動可能となっている。
【0115】
第3の反転部46は、円弧状の外周面49を有しており、同部分で下部ベルト11の内側に接触する。第3の反転部46及び第4の反転部22は、下部ベルト11の循環動の駆動には寄与しておらず、下部ベルト11も帯板との接触により循環動する。
【0116】
上部ベルト10及び下部ベルト11は、上部押圧部43及び下部押圧部47と連動して、帯板26に巻取り張力を付与する。各ベルトへの巻取り張力を発生させる仕組みは、上述した第1の実施の形態と同様である。
【0117】
図3(a)に示すように、第1の反転部42、第2の反転部16、第3の反転部46及び第4の反転部22では、外層部の内側が空洞となっており、その空洞部分に冷却水29が流される構造となっている。高温となった上部ベルト10及び下部ベルト11の内側表面28は、各反転部の外層部と接触して、その熱が外層部から各反転部の内部の冷却水29に移動し、上部ベルト10及び下部ベルト11が冷却されるものとなる。
【0118】
冷却水29は、図示しない配管構造が上部構造体40及び下部構造体41の側面に接続され、帯板26が通板される方向と略直交する方向に流されている。
【0119】
図3(b)には、上部構造体40及び下部構造体41の側面と、その周辺構造を示している。上部構造体40及び下部構造体41は、各ベルトの緊張度の調節機構を有している。
【0120】
図3(b)に示すように、第1の反転部の側面部50、上部押圧部の側面部51及び第2の反転部の側面部31に、上部ベルト10の緊張度を調節可能な緊張度調整機構53が設けられている。緊張度調整機構53は、第1の反転部42と、第2の反転部16の位置を変更可能であり、隙間44(第1の反転部42と上部押圧部43の間の距離)、及び、隙間17の大きさ(上部押圧部43と第2の反転部16の間の距離)を変えて、上部ベルト10の緊張度を調整する。なお、緊張度調整機構53の構造のうち、上部押圧部43と第2の押圧部16との間の仕組みは、第1の実施の形態の緊張度調整機構32と同じ構造である。
【0121】
緊張度調整機構53における第1の実施の形態との違いは、分離した第1の反転部42と、上部押圧部43の間にも調節機構が存在する点にある。
【0122】
緊張度調整機構53は、押圧部支持部54(押圧部支持部33に相当する部材)と、反転部支持部55、反転部受部56、位置調整ロッド57及び位置調整ネジ58を有している。これらの部材は、反転部支持部34、反転部受部35、位置調整ロッド36及び位置調整ネジ37と同様の機能を有し、
図3(b)の図面で見るところ、左右対称に取り付けられたものとなっている。
【0123】
即ち、位置調整ネジ58を回転させることで、位置調整ロッド57に沿って、第1の反転部42の側面部50に取り付けられた反転部支持部55の位置が変わり、第1の反転部42の位置を左右方向に変更可能となっている。緊張度調整機構53では、第2の反転部16だけでなく、第1の反転部42を移動させて、これに張設された上部ベルト10の緊張度が調整可能になっている。
【0124】
なお、下部構造体41にも、緊張度調整機構53と同様の構造が設けられている。これにより下部ベルト11の緊張度も調整可能となっている。
【0125】
第2の実施の形態では、上部構造体40及び下部構造体41において、2つの反転部の位置を変更可能に構成されたことで、より広範囲に各ベルトの緊張度を調節することができるものとなっている。つまり、第1の実施の形態よりも、より一層、各ベルトを緊張させる方向に調整可能となっている。
【0126】
また、第2の実施の形態では、各押圧部が、各反転部に対して分離した構造となっている。そのため、装置全体の設計を変えることなく、各押圧部の部分だけサイズの異なるものに変更することが可能となる。
【0127】
例えば、
図3(b)に符号Wで示す、押圧部の幅について、幅が異なる各押圧部に変更可能となる。押圧部を長手方向の長さを変えずに、幅Wの小さな種類に変えることで、押圧部面積(A)が小さくなり、シリンダ圧力(P)を変えることなく、面圧(Pa)を小さくすることが可能となる。
【0128】
面圧(Pa)は、帯板への適切な巻取り張力の付与と、帯板表面への圧着痕の発生を考慮して、一定の範囲内で設定されるが、この場合にも、面圧の値が小さいほど、ベルトの損傷が小さくなり耐久性が向上し、帯板に圧着痕が生じにくくなる。第2の実施の形態では、各押圧部の幅Wの異なる種類への変更が可能であり、シリンダ圧力を一定にしたままで、面圧を小さくすることができるため、面圧の調整が容易となる。また、この結果、スリット帯板の巻取り張力付与装置で対応可能な帯板の板厚幅の対象を広げることが可能となる。
【0129】
また、各反転部の位置を変更して、各ベルトの緊張度を調節可能に構成されているため、ベルトが高速度で回転して、ベルトに金属帯板の流れる方向の慣性力が働いた場合でも、帯板の通板される側(出側)の反転部である、第2の反転部及び第4の反転部におけるベルトの密着性を保持可能となる。この結果、ベルトの循環動の直進性が担保され、ベルトの揺動が生じにくくなり、隣接する帯板同士の接触を抑止することが可能となる。また、各反転部及び各押圧部の内側に冷却水を流す冷却構造によるベルトの冷却効率が高まり、ベルトの耐久性を向上させることができる。
【0130】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第3の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び概略側面図(b)である。
【0131】
図4(a)には、本発明の第3の実施の形態である巻取り張力付与装置59を記載している。巻取り張力付与装置59は、帯板26の上側に配置される上部構造体60と、帯板26の下側に配置される下部構造体61を備えている。
【0132】
第3の実施の形態の構造は、上述した第1の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、内部の冷却構造にある。なお、第1の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0133】
上部構造体60を構成する第1の反転部62及び上部押圧部63の一体化した構造体や、第2の反転部64では、その内部が、中実の内筒部65と、内筒部65の外側に形成された外筒部66で構成された二重筒構造となっている。また、内筒部65及び外筒部66との間には空間が形成され、この空間に冷却水67が流されるものとなる。外筒部66は、ベルトの熱を冷却水に効率よく伝熱移動させるために板厚が1〜3mmの鉄鋼で形成されている。また、下部構造体61も同様に、その内部構造が二重筒構造となり、内筒部65及び外筒部66との間の空間に冷却水67が流されるものとなる。
【0134】
ここで、必ずしも、外筒部66が、板厚が1〜3mmの鉄鋼で形成される必要はない。但し、外層部の板厚をより一層小さくして、各反転部及び各押圧部の表面から内部の冷却水への熱の移動が速くなる点と、一定の耐久性を付与しうる点から、外筒部66が、板厚が1〜3mmの鉄鋼で形成されることが好ましい。また、その素材は鉄鋼に限定されるものでなく、耐久性があって、熱の移動効率に優れたものであれば充分であり、条件を満たす金属等であれば採用しうる。
【0135】
また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、各ベルトの緊張度の調節機構として、緊張度調整機構32が設けられている。これにより、第2の反転部64と、第4の反転部68の位置が変更可能となっている(
図4(b)参照)。
【0136】
上述した第3の実施の形態では、各反転部及び各押圧部の内部構造として二重筒構造を採用することで、各ベルトが接触する外筒部66の外周面近くに冷却水67が流れ、より一層冷却の効率が高いものとなっている。また、冷却水67が流れる空間が小さくなっているため、冷却水の量を減らしつつ、効率のよい熱の除去が実現できるものとなっている。
【0137】
また、外筒部66の板厚が1〜3mmと薄くなっていることから、各ベルトの内側表面からの熱が移動しやすく、更にその内側の冷却水67への熱伝導性が高い構造となっている。
【0138】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図5は、本発明の第4の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び概略側面図(b)である。
【0139】
図5には、本発明の第4の実施の形態である巻取り張力付与装置69を記載している。巻取り張力付与装置69は、帯板26の上側に配置される上部構造体70と、帯板26の下側に配置される下部構造体71を備えている。
【0140】
第4の実施の形態の構造は、上述した第2の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、内部の冷却構造にある。なお、第2の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0141】
上部構造体70を構成する第1の反転部72、上部押圧部73及び第2の反転部74では、その内部が、中実の内筒部75と、内筒部75の外側に形成された外筒部76で構成された二重筒構造となっている。また、内筒部75及び外筒部76との間には空間が形成され、この空間に冷却水77が流されるものとなる。外筒部76は、ベルトの熱を冷却水に効率よく伝熱移動させるために板厚が1〜3mmの鉄鋼で形成されている。また、下部構造体71も同様に、その内部構造が二重筒構造となり、内筒部75及び外筒部76との間の空間に冷却水77が流されるものとなる。
【0142】
ここで、必ずしも、外筒部76が、板厚が1〜3mmの鉄鋼で形成される必要はない。但し、外層部の板厚をより一層小さくして、各反転部及び各押圧部の表面から内部の冷却水への熱の移動が速くなる点と、一定の耐久性を付与しうる点から、外筒部76が、板厚が1〜3mmの鉄鋼で形成されることが好ましい。また、その素材は鉄鋼に限定されるものでなく、耐久性があって、熱の移動効率に優れたものであれば充分であり、条件を満たす金属等であれば採用しうる。
【0143】
また、第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、各ベルトの緊張度の調節機構として、緊張度調整機構53が設けられている。これにより、各反転部の位置が変更可能となっている(
図5(b)参照)。
【0144】
上述した第4の実施の形態では、各反転部及び各押圧部の内部構造として二重筒構造を採用することで、各ベルトが接触する外筒部76の外周面近くに冷却水77が流れ、より一層冷却の効率が高いものとなっている。また、冷却水77が流れる空間が小さくなっているため、冷却水の量を減らしつつ、効率のよい熱の除去が実現できるものとなっている。
【0145】
また、外筒部76の板厚が1〜3mmと薄くなっていることから、各ベルトの内側表面からの熱が移動しやすく、更にその内側の冷却水77への熱伝導性が高い構造となっている。
【0146】
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図6は、本発明の第5の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び概略側面図(b)である。
【0147】
図6(a)には、本発明の第5の実施の形態である巻取り張力付与装置78を記載している。巻取り張力付与装置78は、帯板26の上側に配置される上部構造体79と、帯板26の下側に配置される下部構造体80を備えている。
【0148】
第5の実施の形態の構造は、上述した第1の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、第2の反転部及び第4の反転部のサイズが小さくなっている点にある。なお、第1の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0149】
上部構造体79は、第1の反転部14及び上部押圧部15の一体化した構造体と、第1の反転部14より小さく形成された第2の反転部81で構成されている。より詳細には、第1の反転部14は断面が略半円状の形状を有するが、第2の反転部81の断面は、第1の反転部14の断面よりも小さな略くし型状の形状となっている。このため、上部構造体79の全体での外周径は、上述した第1の実施の形態の上部構造体2の外周径よりも小さなものとなる。
【0150】
また、上部構造体79において、第1の反転部14及び第2の反転部81により、上部ベルト10が張設され、その断面が長円形状になる点は、上部構造体2と同様である。また、上部押圧部15と第2の反転部81の間には隙間82が形成されている。
【0151】
下部構造体80も、上部構造体79と同様に、第4の反転部83の断面は、第3の反転部20の断面よりも小さな略くし型状の形状となっている。
【0152】
また、第5の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、各ベルトの緊張度の調節機構として、緊張度調整機構32が設けられている。これにより、第2の反転部81と、第4の反転部83の位置が変更可能となっている(
図6(b)参照)。
【0153】
第5の実施形態では、第2の反転部81及び第4の反転部83の形状が、第1の反転部14及び第3の反転部20の形状よりも小さく形成されているため、上部構造体79及び下部構造体80の全体の形状をコンパクトにすることができる。即ち、巻取り張力付与装置の小型化に寄与するものとなる。また、第2の反転部81及び第4の反転部83が小さくなったため、例えば、第1の実施の形態の構造と比べて、ベルトの緊張度を調整する際の、第2の反転部81及び第4の反転部83の移動距離を長くとることが可能となる。この結果、ベルト緊張度の調整可能な範囲をより広範囲なものとすることができる。
【0154】
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態について説明する。
図7は、本発明の第6の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び概略側面図(b)である。
【0155】
図6(a)には、本発明の第6の実施の形態である巻取り張力付与装置84を記載している。巻取り張力付与装置84は、帯板26の上側に配置される上部構造体85と、帯板26の下側に配置される下部構造体86を備えている。
【0156】
第6の実施の形態の構造は、上述した第2の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、各反転部のサイズが小さくなっている点にある。なお、第2の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0157】
上部構造体85は、第1の反転部87、上部押圧部43及び第2の反転部88で構成され、それぞれが分離した構造となっている。また、第1の反転部87及び第2の反転部88の断面は、その円周が半円未満の略くし型状の形状となっている。また、第1の反転部87及び第2の反転部88の断面は、上部押圧部43の断面と比較して、
図6(a)で見るところの上下方向の長さにおいて、上部押圧部43の長さよりも短いものとなっている。
【0158】
また、上部構造体85において、第1の反転部87及び第2の反転部88により、上部ベルト10が張設され、その断面が長円形状になる点は、上部構造体40と同様である。また、第1の反転部87と上部押圧部43の間、及び、上部押圧部43と第2の反転部88の間には隙間89が形成されている。
【0159】
下部構造体86も、上部構造体85と同様に、第3の反転部90及び第4の反転部91の断面は、その円周が半円未満の略くし型状の形状となっている。
【0160】
また、第6の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、各ベルトの緊張度の調節機構として、緊張度調整機構53が設けられている。これにより、各反転部の位置が変更可能となっている(
図7(b)参照)。
【0161】
第6の実施形態では、各反転部の断面形状において、その円周が半円未満の略くし型状の形状であるため、第2の実施の形態に比較して、上部構造体85及び下部構造体86の全体の形状をコンパクトにすることができる。また、上述した第5の実施の形態と比較しても、より一層、全体の形状をコンパクトにすることができるものとなっている。即ち、巻取り張力付与装置の小型化に、より一層、寄与するものとなる。また、各反転部が小さくなったため、例えば、第2の実施の形態の構造や第5の実施の形態の構造と比べて、ベルトの緊張度を調整する際の、各反転部の移動距離を長くとることが可能となる。この結果、ベルト緊張度の調整可能な範囲を、より一層、広範囲なものとすることができる。
【0162】
<第7の実施の形態及び第8の実施の形態>
以下、本発明の第7の実施の形態及び第8の実施の形態について説明する。
図8は、本発明の第7の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(a)及び本発明の第8の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図(b)である。
【0163】
図8(a)には、本発明の第7の実施の形態である巻取り張力付与装置92を記載している。巻取り張力付与装置92は、帯板26の上側に配置される上部構造体93と、帯板26の下側に配置される下部構造体94を備えている。
【0164】
第7の実施の形態の構造は、上述した第5の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、内部の冷却構造にある。なお、第5の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0165】
上部構造体93を構成する第1の反転部95及び上部押圧部96の一体化した構造体や、第2の反転部97では、その内部が、中実の内筒部98と、内筒部98の外側に形成された外筒部99で構成された二重筒構造となっている。また、内筒部98及び外筒部99との間には空間が形成され、この空間に冷却水100が流されるものとなる。また、下部構造体94も同様に、その内部構造が二重筒構造となり、内筒部98及び外筒部99との間の空間に冷却水100が流されるものとなる。
【0166】
また、第7の実施の形態では、図示しないが、第5の実施の形態と同様に、各ベルトの緊張度の調節機構として、緊張度調整機構32が設けられている。これにより、第2の反転部97と、第4の反転部101の位置が変更可能となっている。
【0167】
図8(b)には、本発明の第8の実施の形態である巻取り張力付与装置102を記載している。巻取り張力付与装置102は、帯板26の上側に配置される上部構造体103と、帯板26の下側に配置される下部構造体104を備えている。
【0168】
第8の実施の形態の構造は、上述した第6の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、内部の冷却構造にある。なお、第6の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0169】
上部構造体103を構成する第1の反転部105、上部押圧部106及び第2の反転部107では、その内部が、中実の内筒部108と、内筒部108の外側に形成された外筒部109で構成された二重筒構造となっている。また、内筒部108及び外筒部109との間には空間が形成され、この空間に冷却水110が流されるものとなる。また、下部構造体104も同様に、その内部構造が二重筒構造となり、内筒部108及び外筒部109との間の空間に冷却水110が流されるものとなる。
【0170】
また、第8の実施の形態では、図示しないが、第6の実施の形態と同様に、各ベルトの緊張度の調節機構として、緊張度調整機構53が設けられている。これにより、各反転部の位置が変更可能となっている。
【0171】
上述した第7の実施の形態及び第8の実施の形態では、各反転部及び各押圧部の内部構造として二重筒構造を採用することで、各ベルトが接触する外筒部の外周面近くに冷却水が流れ、より一層冷却の効率が高いものとなっている。また、冷却水が流れる空間が小さくなっているため、冷却水の量を減らしつつ、効率のよい熱の除去が実現できるものとなっている。
【0172】
<第9の実施の形態>
以下、本発明の第9の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の第9の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図である。
【0173】
図9には、本発明の第9の実施の形態である巻取り張力付与装置111を記載している。巻取り張力付与装置111は、帯板26の上側に配置される上部構造体112と、帯板26の下側に配置される下部構造体113を備えている。
【0174】
第9の実施の形態の構造は、上述した第1の実施の形態及び第5の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、第2の反転部及び第4の反転部が円弧状の外形を有し、その内部に冷却構造を有していない点にある。なお、第1の実施の形態及び第5の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0175】
上部構造体112は、第1の反転部14及び上部押圧部15の一体化した構造体と、円弧状の外形を有する第2の反転部114で構成されている。また、第1の反転部14及び第2の反転部114により、上部ベルト10が張設され、その断面が長円形状になる点は、上部構造体2(上部構造体78)と同様である。また、上部押圧部15と第2の反転部114の間には隙間115が形成されている。
【0176】
また、図示しないが、第1の反転部14及び上部押圧部15の一体化した構造体の内部は筒状に形成され、第1の実施の形態及び第5の実施の形態と同様に、冷却水29を流す冷却構造となっている。また、第2の反転部114は、円弧状の外形を有する中実の部材であり、その内部には冷却構造を有していない。
【0177】
下部構造体113も、上部構造体112と同様に、第4の反転部116は円弧状の外形を有する中実の部材であり、その内部には冷却構造を有さないものとなっている。
【0178】
また、第9の実施の形態では、第2の反転部114及び第4の反転部116の位置を変更し、各ベルトの緊張度を調節可能な緊張度調整機構117が設けられている。
【0179】
緊張度調整機構117は、押圧部支持部118、位置調整ロッド119、反転部受部120及び位置調整ネジ121で構成されている。一端が押圧部支持部118に固定された位置調整ロッド120が、第2の反転部114または第4の反転部116の側に延出し、各反転部に固定された反転部受部120を挿通している。反転部受部120に取り付けられた位置調整ネジ121が位置調整ロッド120に螺合され、位置調整ネジ121を回転させることで、各反転部の位置を変更可能に構成されている。
【0180】
第9の実施形態の巻取り張力付与装置111は、第1の反転部14及び上部押圧部15の一体化した構造体の内部の冷却構造のみで、各ベルトに対して充分な冷却効果が得られる際に使用される。第2の反転部114及び第4の反転部116の内部に冷却構造を有さないため、装置構成を簡略化することができる。
【0181】
ここで、第1の反転部14及び上部押圧部15の内部の冷却構造が第1の実施の形態及び第5の実施の形態と同じ構造とされる必要はない。例えば、同部分の内部を二重管構造として、内筒と外筒の間に冷却水を流す構造が採用されてもよい。
【0182】
<第10の実施の形態>
以下、本発明の第10の実施の形態について説明する。
図10は、本発明の第10の実施形態の上部構造体及び下部構造体の概略断面図である。
【0183】
図10には、本発明の第10の実施の形態である巻取り張力付与装置122を記載している。巻取り張力付与装置122は、帯板26の上側に配置される上部構造体123と、帯板26の下側に配置される下部構造体124を備えている。
【0184】
第10の実施の形態の構造は、上述した第2の実施の形態及び第6の実施の形態と同様の構造を有し、構造上異なる部分は、各反転部が円弧状の外形を有し、その内部に冷却構造を有していない点にある。なお、第2の実施の形態及び第6の実施の形態と同一の部材については、部材の説明及び符号の記載を省略する。
【0185】
上部構造体123は、第1の反転部125、上部押圧部43及び第2の反転部126で構成され、それぞれが分離した構造となっている。第1の反転部125及び第2の反転部126は円弧状の外形を有し、上部ベルト10が張設されている。また、第1の反転部125と上部押圧部43の間、及び、上部押圧部43と第2の反転部126の間には隙間127が形成されている。
【0186】
また、図示しないが、上部押圧部43の内部は筒状に形成され、第2の実施の形態及び第6の実施の形態と同様に、冷却水29を流す冷却構造となっている。また、第1の反転部125及び第2の反転部126は、円弧状の外形を有する中実の部材であり、その内部には冷却構造を有していない。
【0187】
下部構造体124も、上部構造体123と同様に、第3の反転部128及び第4の反転部129は円弧状の外形を有する中実の部材であり、その内部には冷却構造を有さないものとなっている。
【0188】
また、第10の実施の形態では、各反転部の位置を変更し、各ベルトの緊張度を調節可能な緊張度調整機構130が設けられている。
【0189】
緊張度調整機構130は、押圧部支持部131、位置調整ロッド132、反転部受部133及び位置調整ネジ134で構成されている。一端が押圧部支持部131に固定された位置調整ロッド132が、第1の反転部125(第3の反転部128)または第2の反転部126(第4の反転部129)の側に延出し、各反転部に固定された反転部受部133を挿通している。反転部受部133に取り付けられた位置調整ネジ134が位置調整ロッド132に螺合され、位置調整ネジ134を回転させることで、各反転部の位置を変更可能に構成されている。
【0190】
第10の実施形態の巻取り張力付与装置122は、上部押圧部15及び下部押圧部47の内部の冷却構造のみで、各ベルトに対して充分な冷却効果が得られる際に使用される。各反転部の内部に冷却構造を有さないため、装置構成をより一層、簡略化することができる。
【0191】
ここで、上部押圧部15及び下部押圧部47の内部の冷却構造が第2の実施の形態及び第6の実施の形態と同じ構造とされる必要はない。例えば、同部分の内部を二重管構造として、内筒と外筒の間に冷却水を流す構造が採用されてもよい。
【0192】
以上のように、本発明のスリット帯板の巻取り張力付与装置は、金属帯板のスリッターラインで、耐久性に優れ、使い勝手が向上したものとなっている。
巻取り張力付与装置(1)は、スリッターラインを通板されるスリット後の帯板の上側に配置される上部構造体(2)と、帯板の下側に配置される下部構造体(3)を備えている。上部構造体(2)及び下部構造体(3)は上下に相対向して配置されている。また、上部構造体(2)の外周面には、上部ベルト(10)が循環動自在に張設されている。下部構造体(3)の外周面には下部ベルト(11)が循環動自在に張設されている。上部構造体(2)は、第1の反転部(14)、上部押圧部(15)及び第2の反転部(16)を有している。第1の反転部(14)及び上部押圧部(15)は一体化した構造となっている。第1の反転部及び上部押圧部の側面部(30)と、第2の反転部の側面部(31)には、上部ベルト(10)の緊張度を調節可能な緊張度調整機構(32)が設けられている。