(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10は昇圧チョッパ回路10の出力電圧Voとこれを分圧した出力検出電圧Vsについて、所定の定格出力電圧範囲(DC−DCコンバータ12の定格入力電圧範囲)を決める定格動作領域Aと、動作を停止して保護する保護動作領域Bを示したグラフ図である。
【0007】
定格動作領域Aと保護動作領域Bは、制御IC30に設けた正常電圧検出部36と起動電圧検出部38における閾値の設定で決めている。
【0008】
保護動作領域Bは出力検出電圧Vsが起動閾値電圧Vth1以下の範囲であり、例えばスイッチング電源装置を起動した直後は、出力検出電圧Vsが起動閾値電圧Vth1以下にあることから、これを検出して起動電圧検出部38は起動信号をオフしており、制御部32によりFET20のスイッチング動作を停止している。
【0009】
起動後の時間の経過に伴い出力検出電圧Vsが上昇し、起動閾値電圧Vth1を超えると起動電圧検出部38が起動信号をオンし、制御部32が動作してFET20のスイッチング制御を開始し、FET20のオンにより流れる電流でチョークコイル18にエネルギーを蓄積し、続いてFET20のオフによりチョークコイル18に蓄積したエネルギーを放出して
整流用ダイオード22を介してコンデンサ24を充電する動作を繰り返し、これに伴い出力電圧検出電圧Vsが上昇し、下限閾値電圧Vth2と上限閾値電圧Vth3で決まる定格出力範囲となる定格動作領域Aに入ると、出力電圧を入力電圧に対し昇圧した所定電圧に維持するように安定化させるFET20のスイッチング制御を行う。
【0010】
このように昇圧チョッパ回路10にあっては、起動電圧検出部38の保護動作領域Bの動作点を決める起動閾値電圧Vth1と、定格動作領域Aを決める下限閾値電圧Vth2及び上限閾値電圧Vth3を個別に設定しているが、制御IC30には出力電圧検出端子IN2が1つしか設けられていないため、起動電圧検出部38と
正常電圧検出部36に対し、個別に抵抗分圧回路を設けることができず、そのため、抵抗26,28を直列接続した単一の抵抗分圧回路で検出した出力検出電圧Vsを、起動電圧検出部38と
正常電圧検出部36に共通に入力するようにしている。
【0011】
このため出力電圧Voから抵抗分圧回路により検出する出力検出電圧Vsは、抵抗26の抵抗値をR26、抵抗28の抵抗値をR28とすると、
Vs=Vo×R28/(R26+R28)
として決まる。
【0012】
この場合の分圧比率K=R28/(R26+R28)を、例えば定格動作領域Aの下限閾値電圧Vth2及び上限閾値電圧Vth3が、定格出力範囲を与える出力電圧の下限電圧(Vo)2と上限電圧(Vo)3から得られるように決定した場合、特性直線100に示すように、保護動作領域Bの起動閾値電圧Vth1を与える起動出力電圧(Vo)1は一義的に決まる。
【0013】
しかし、定格動作領域Aの動作点に依存して決まった保護動作領域Bの動作点を決める起動出力電圧(Vo)1は、保護動作領域Bの本来の動作点を与える起動出力電圧がそれより低い起動出力電圧(Vo)1‘であったとすると、これに対し高めに設定されることになる。
【0014】
このためスイッチング電源装置を起動した場合に、昇圧チョッパ回路10が動作を開始するまでの遅れ時間が長くなる。また、起動出力電圧(Vo)1を高めに設定しているため、昇圧チョッパ回路10の出力電圧Voが、定格動作領域Aの下限閾値電圧Vth2に対応した出力電圧(Vo)2を下回った場合、本来の停止保護を必要とする起動出力電圧(Vo)1‘に下がる前に、起動出力電圧(Vo)1以下となって動作を停止し、これにより後段のDC−DCコンバータ12の入力電圧が低下し、安定した動作が損なわれる。
【0015】
この昇圧チョッパ回路10の動作開始の遅れ時間を解消するためには、保護動作領域Bの起動閾値電圧Vth1に、本来の起動出力電圧(Vo)1‘に合せるように抵抗分圧回路の分圧比率Kを設定し、点線で示す直線特性102とすればよいが、この場合には、定格動作領域Aの動作点を決める定格出力電圧の範囲が低い側に大きくシフトし、昇圧チョッパ回路10の本来の動作が損なわれてしまう。
【0016】
本発明は、抵抗分圧回路で分圧して検出した昇圧チョッパ回路の出力検出電圧を、定格動作領域とそれより低い保護動作領域で異なる検出特性とし、各領域の動作点に対応する出力検出電圧を相互に依存することなく適切に検出可能とするスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(スイッチング電源装置)
本発明は、
スイッチング動作により力率を改善すると共に入力電圧を昇圧して所定の出力電圧に安定化する昇圧チョッパ回路と、
昇圧チョッパ回路の出力電圧を、直列接続した少なくとも2つの抵抗で分圧して出力検出電圧を出力する抵抗分圧回路と、
抵抗分圧回路の出力検出電圧が所定の定格動作領域にあることを検出して正常電圧検出信号を出力する正常電圧検出部と、
抵抗分圧回路の出力検出電圧が定格動作領域の下限より低い所定の起動閾値電圧未満の場合に起動信号の出力を停止し、起動閾値電圧に達した場合に起動信号を出力する起動電圧検出部と、
起動電圧検出部から起動信号が得られた場合に昇圧チョッパ回路のスイッチング動作を開始して起動し、当該起動後に、正常電圧検出部から正常電圧検出信号が得られている場合に昇圧チョッパ回路を定格動作領域で動作させる制御部と、
を備えたスイッチング電源装置に於いて、
抵抗分圧回路の出力検出電圧が定格動作領域の下限より低く且つ起動閾値電圧より高い所定の補正上限電圧以下の場合に、抵抗分圧回路にバイアス電流を流して所定のバイアス電圧を発生し、抵抗分圧回路の出力検出電圧をバイアス電圧により引き上げる補正回路を設けたことを特徴とする。
【0018】
(補正回路の詳細)
補正回路は、
所定の補正上限電圧を出力する電圧源と、
電圧源と抵抗分圧回路の分圧点との間に接続したダイオードと、
を備え、
電圧源は、補正上限電圧をダイオードに印加し、抵抗分圧回路の出力検出電圧が補正上限電圧以下の場合にダイオードを導通して抵抗分圧回路にバイアス電流を流し、抵抗分圧回路の出力検出電圧が補正上限電圧を超えた場合にダイオードを非導通として抵抗分圧回路に流すバイアス電流を停止する。
【0019】
(補正回路詳細)
補正回路のダイオードに代えて、トランジスタ又はFETを用いる。
【0020】
(全波整流とDC−DCコンバータ)
昇圧チョッパ回路の入力側に、交流電圧を入力して全波整流電圧を出力する全波整流回路を設け、昇圧チョッパ回路の出力側に、DC-DCコンバータを設ける。
【0021】
(制御IC)
正常電圧検出部と起動電圧検出部は、昇圧チョッパ回路の制御部として機能する制御ICに内蔵され、
制御ICは単一の出力電圧検出端子を備え、当該出力電圧検出端子に抵抗分圧回路の分圧点を接続して出力検出電圧を入力し、
制御ICに内蔵した
正常電圧検出部と起動電圧検出部は、
出力電圧検出端子を共通に入力接続する。
【発明の効果】
【0022】
本発明のスイッチング電源装置によれば、昇圧チョッパ回路に設けた抵抗分圧回路の出力検出電圧が定格動作電圧領域の下限より低く且つ起動閾値電圧より高い所定の補正上限電圧以下の場合に、補正回路の電圧源からダイオードを介して抵抗分圧回路にバイアス電流を流して所定のバイアス電圧を発生し、抵抗分圧回路の出力検出電圧をバイアス電圧により引き上げるようにしたため、起動閾値電圧に対応した出力検出電圧を、抵抗分圧回路の抵抗分圧比で決まる電圧より低い電圧に設定することができ、スイッチング電源装置を起動した場合に、昇圧チョッパ回路のスイッチング動作を開始するまでの時間を短くすることができる。
【0023】
また、昇圧チョッパ回路が起動してスイッチング動作により出力電圧が上昇し、抵抗分圧回路による出力検出電圧が補正回路に設けて電圧源からの補正上限電圧を超えると、ダイオードが自動的にオフして抵抗分圧回路に流すバイアス電流を停止し、これにより抵抗分圧回路の分圧比率に基づく出力電圧の検出特性に戻り、定格動作領域における昇圧チョッパ回路の定格動作を適正に行うことができる。
【0024】
また、昇圧チョッパ回路の出力電圧の定格動作領域を外れる低下変動に対し、抵抗分圧回路のバイアスにより起動閾値電圧に対応した出力電圧を低めに設定しているため、出力電圧の低下変動に対し本来の保護動作領域に入らない限り昇圧チョッパ回路の動作を停止することはなく、定格動作範囲を超えて出力電圧に低下変動しても、後段のDC−DCコンバータを安定して動作させることができる。
【0025】
また、抵抗分圧回路をバイアスする補正回路は、電圧源とダイオードで構成する簡単な回路で済み、少ない部品点数で安価に構成することを可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[スイッチング電源装置の構成]
図1は、本発明によるスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態のスイッチング電源装置は、昇圧チョッパ回路10とDC−DCコンバータ12で構成する。DC−DCコンバータ12は、フライバック方式又はフォワード方式の絶縁型コンバータなどであり、適宜の負荷を接続する。
【0029】
(昇圧チョッパ回路の概略)
昇圧チョッパ回路10は、交流電源14からの交流電圧を全波整流する全波整流回路16からの全波整流出力を入力し、チョークコイル18、スイッチング素子として機能するFET20、整流用ダイオード22、コンデンサ24、抵抗26,28を備えた抵抗分圧回路、及び制御IC30で構成する。
【0030】
制御IC30は、制御部32、入力電圧検出部34、正常電圧検出部36及び起動電圧検出部38を備え、入力電圧検出端子IN1に全波整流回路16からの全波整流電圧Viを入力し、出力電圧検出端子IN2に、抵抗26,28の抵抗分圧回路で検出した昇圧チョッパ回路10の出力電圧Voを分圧した出力検出電圧Vsを入力している。
【0031】
制御IC30は、入力する全波整流した電圧波形のエンベロープに合せてスイッチング電流のピークを制御するようにFET20をスイッチング制御することで、スイッチング電流の平均電流を入力電圧の正弦波形に近い波形として力率を改善し、また入力電圧を昇圧して安定化した直流電圧をDC−DCコンバータ12に出力する。
【0032】
即ち、昇圧チョッパ回路10は、交流電源14の投入により動作を開始すると、この段階では制御IC30の制御部32によるFET20のスイッチング動作は停止しており、全波整流回路16の全波整流による電流がチョークコイル18及び整流用ダイオード22を介してコンデンサ24の充電を開始する。このため起動後の時間の経過に伴って出力電圧Voが上昇し、抵抗分圧回路で検出した出力検出電圧Vsが所定の起動閾値電圧を超えると起動電圧検出部38が起動信号をオンし、制御部32が動作してFET20のスイッチング制御を開始し、FET20のオンにより流れる電流でチョークコイル18にエネルギーを蓄積し、続いてFET20のオフによりチョークコイル18に蓄積したエネルギーを放出して
整流用ダイオード22を介してコンデンサ24を充電する動作を繰り返す。これに伴い出力電圧Voが上昇し、その出力検出電圧Vsが所定の定格出力電圧範囲となる定格動作領域に入ると、出力電圧を入力電圧に対し昇圧した所定電圧に維持するように安定化させるFET20のスイッチング制御を行う。
【0033】
これに加え本実施形態にあっては、抵抗26,28による抵抗分圧回路に対し、その検出特性を補正する補正回路40を設けている。
【0034】
補正回路40は、電圧源42とダイオード44を備え、電圧源42の出力を、ダイオード44を介して抵抗分圧回路の抵抗26と抵抗28の間の分圧点に接続している。
【0035】
電圧源42は所定の補正上限電圧Vaをダイオード44に印加し、抵抗26,28で出力電圧Voを分圧した出力検出電圧Vsが電圧源42から印加する補正上限電圧Va以下の場合、ダイオード44を順方向バイアスして導通して、抵抗分圧回路の抵抗R28にバイアス電流Ibを流して所定のバイアス電圧Vbを発生し、抵抗分圧回路の出力検出電圧Vsをバイアス電圧Vbにより引き上げ、
Vs=Vs+Vb
として制御IC30の出力電圧検出端子IN2に加えるようにしている。
【0036】
また、抵抗26,28で出力電圧Voを分圧した出力検出電圧Vsが電圧源42から印加する補正上限電圧Vaを上回った場合には、ダイオード44を逆方向にバイアスして非導通とし、抵抗分圧回路の抵抗R28に流しているバイアス電流Ibを停止してバイアス電圧Vbの発生を解除し、抵抗26,28の値により分圧した出力検出電圧Vsを制御IC30の出力電圧検出端子IN2に加えるようにしている。
【0037】
(出力検出電圧のバイアス電圧による補正)
図2は、
図1の実施形態による抵抗分圧回路の出力電圧検出特性と補正回路によりバイアスした出力電圧検出特性を示したグラフ図である。
【0038】
図2に示すように、直線特性100は、
図19の従来回路の場合と同様、抵抗分圧回路の抵抗26,28の分圧で決まる出力電圧検出特性であり、抵抗26の抵抗値をR26、抵抗28の抵抗値をR28とすると、出力検出電圧Vsは
Vs=Vo×R28/(R26+R28) 式(1)
として求まる。
【0039】
ここで、昇圧チョッパ回路10の定格動作領域Aの下限電圧を(Vo)2、上限電圧を(Vo)3とすると、これに対応する抵抗分圧回路で検出した出力検出電圧Vsは、直線特性100に従って下限閾値電圧Vth2、上限閾値電圧Vth3となり、これを制御IC30の正常電圧検出部36に設定して定格動作領域Aを検出し、出力電圧Voが(Vo)2〜(Vo)3の範囲となるように制御部
32によりFET20をスイッチング制御する定格動作を行わせる。
【0040】
これに対し補正回路40の電圧源42は、ダイオード44に対し、定格動作領域Aの下限閾値電圧Vth2より低く、昇圧チョッパ回路10のスイッチング動作を停止する保護動作範囲Bを決める所定の起動閾値電圧Vth1より高い範囲に設定した所定の補正上限電圧Vaを印加する。
【0041】
ここで、保護動作範囲Bの動作点(起動開始点)Pを決める出力起動電圧を(Vo)1とすると、このときの抵抗分圧回路の直線特性100(点線部分)により検出されるQ点の出力検出電圧(Vs)1は、
(Vs)1=(Vo)1×R28/(R26+R28) 式(2)
で与えられ、このQ点を起動閾値電圧Vth1となるP点に引き上げるに必要なバイアス電圧Vbは
Vb=Vth1−(Vs)1 式(3)
となる。
【0042】
そこで、昇圧チョッパ回路10の出力電圧Voを零ボルトとした場合に、ダイオード44を介して抵抗分圧回路の抵抗28にバイアス電流Ibを流し、抵抗28の両端に発生する電圧が式(3)で与えられるバイアス電圧Vbとなるように、バイアス電流Ibを決めることで、
Vb=Ib×R28
を発生し、これよりQ点を通る抵抗分圧回路による直線特性100を、バイアス電圧Vbだけ高い方にシフトしたP点を通る直線特性104に補正することができる。
【0043】
バイアス電圧Vbにより補正した直線特性104は、出力電圧Voの増加に伴い抵抗分圧回路による点線部分の直線特性100で示すように出力検出電圧Vsが増加すると、これにバイアス電圧Vbを加算した電圧として増加する特性となる。
【0044】
出力電圧Voの増加に伴い、抵抗分圧回路による直線特性100の点線部分に従って増加する出力検出電圧Vsが、電圧源42から印加している補正上限電圧Vaからダイオード44の順方向降下電圧を差し引いたR点の電圧に達すると、ダイオード44の順方向降下電圧が減少を始めてバイアス電流が略直線的に減少し、このためR点の電圧にバイアス電圧Vbを加算して得ている直線特性104に従った出力検出電圧VsはS点から略一定となる。
【0045】
そして、抵抗分圧回路による直線特性100の点線部分に従って増加する出力検出電圧Vsが電圧源42から印加している補正上限電圧Vaを上回るT点に達すると、ダイオード44が逆バイアスを受けて非導通となり、抵抗28に流れるバイアス電流が停止し、抵抗26,28により決まる直線特性100に移行する。
【0046】
一方、昇圧チョッパ回路10が定格動作領域Aで動作中に、抵抗分圧回路の障害などにより出力電圧Voが大きく低下した場合には、出力電圧検出特性は、直線特性100からT点、S点を通って直線特性104に移行し、P点で起動閾値電圧Vth1を下回った場合に、制御IC30の起動電圧検出部38からの起動信号がオフとなり、制御部32がFET20のスイッチングを停止して保護動作を行う。
【0047】
このように補正回路40により補正した保護動作領域Bに対応した直線特性104は、出力電圧Voが保護動作領域Bを超えて定格動作領域Aに入るまでの間に、自動的に、定格動作領域Aに対応した直線特性100に切り替わる出力電圧検出特性が得られる。
【0048】
[補正回路の他の実施形態]
図3は補正回路のダイオードに抵抗を接続した他の実施形態を示した回路ブロック図であり、入力側の全波整流回路は省略している。
【0049】
図3に示すように、昇圧チョッパ回路10は、チョークコイル18、FET20、整流用ダイオード22、コンデンサ24、抵抗26,28を備えた抵抗分圧回路、及び制御IC30を備え、更に、抵抗分圧回路の抵抗28をバイアスする補正回路40を設けており、
図1の実施形態と基本的に同じになることから、同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施形態の補正回路40は、ダイオード44の前後に抵抗45,46を直列接続しており、電圧源42を抵抗45、ダイオード44及び抵抗46を介して抵抗分圧回路の抵抗26,28の分圧点に接続している。
【0051】
このようにダイオード44の前後に必要に応じて抵抗45,46を接続することで、
図2のバイアス電圧Vbを設定するために抵抗28に流すバイアス電流Ibの設定調整や、定格動作領域Aと保護動作領域Bとの間の直線特性100と直線特性104の間の移行を行うS点及びT点を与える電圧源42からの補正上限電圧Vaの分圧によるダイオード44への印加などの設定調整を可能とする。
【0052】
[抵抗分圧回路の他の実施形態]
図4は抵抗分圧回路に分圧抵抗を追加した他の実施形態を示した回路ブロック図であり、入力側の全波整流回路は省略している。
【0053】
図4に示すように、昇圧チョッパ回路10は、チョークコイル18、FET20、整流用ダイオード22、コンデンサ24、抵抗26,28を備えた抵抗分圧回路、及び制御IC30を備え、更に、抵抗分圧回路の抵抗28をバイアスする補正回路40を設けており、
図1の実施形態と基本的に同じになることから、同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態の抵抗分圧回路は、抵抗26,28に加え、その間に抵抗48を設けて直列接続しており、出力電圧検出電圧Voは抵抗48と抵抗28の間から取り出しており、この場合の
図2の直線特性100は、抵抗48の抵抗値をR48とすると、
Vs=Vo×R28/(R26+R28+R48)
となる。
【0055】
また、補正回路40は抵抗26と抵抗48の間に接続し、抵抗48,28の直列回路にバイアス電流Ibを流してバイアス電圧Vbを発生可能としている。この場合、
図2の保護動作領域Bの動作点Pを決める出力起動電圧を(Vo)1とすると、抵抗分圧回路の直線特性100(点線部分)により検出されるQ点の出力検出電圧(Vs)1は、
(Vs)1=(Vo)1×R28/(R26+R28+R48)
で与えられ、このQ点を起動閾値電圧Vth1となるP点に引き上げるに必要なバイアス電圧Vbは
Vb=Vth1−(Vs)1
となる。
【0056】
このように必要に応じて抵抗分圧回路に3つ以上の抵抗を設けて直列接続するようにしても良い。
【0057】
[補正回路のダイオードを置き換えた実施形態]
図5は補正回路にNPNトランジスタを用いた他の実施形態を示した回路ブロック図である。
図5に示すように、補正回路40は電圧源42を、NPNトランジスタ50を介して抵抗分圧回路の抵抗26と抵抗28の間に接続している。NPNトランジスタ50はコレクタとベース間を接続しており、電圧源42からコレクタに印加する電圧がエミッタより高い場合、NPNトランジスタ50は導通し、ダイオードと等価に動作して抵抗28にバイアス電流を流してバイアス電圧を発生し、
図2に示した直線特性104に従った出力検出電圧を生成する。
【0058】
図6は補正回路にPNPトランジスタを用いた他の実施形態を示した回路ブロック図である。
図6に示すように、補正回路40は電圧源42を、PNPトランジスタ52を介して抵抗分圧回路の抵抗26と抵抗28の間に接続している。PNPトランジスタ52はベースとコレクタ間を接続しており、電圧源42からエミッタに印加する電圧がコレクタより高い場合、PNPトランジスタ52は導通し、ダイオードと等価に動作して抵抗28にバイアス電流を流すことによるバイアス電圧の発生で、
図2に示した直線特性104に従った出力検出電圧を生成する。
【0059】
図7は補正回路にNチャンネルFETを用いた他の実施形態を示した回路ブロック図である。
図7に示すように、補正回路40は電圧源42を、NチャンネルFET54を介して抵抗分圧回路の抵抗26と抵抗28の間に接続している。NチャンネルFET54はドレインDとゲートG間を接続しており、電圧源42からドレインDに印加する電圧がソースSより高い場合、NチャンネルFET54は導通し、ダイオードと等価に動作して抵抗28にバイアス電流を流すことによるバイアス電圧の発生で、
図2に示した直線特性104に従った出力検出電圧を生成する。
【0060】
図8は補正回路にPチャンネルFETを用いた他の実施形態を示した回路ブロック図である。
図8に示すように、補正回路40は電圧源42を、PチャンネルFET56を介して抵抗分圧回路の抵抗26と抵抗28の間に接続している。PチャンネルFET56はゲートGとソースS間を接続しており、電圧源42からドレインDに印加する電圧がソースSより高い場合、PチャンネルFET56は導通し、ダイオードと等価に動作して抵抗28にバイアス電流を流すことによるバイアス電圧の発生で、
図2に示した直線特性104に従った出力検出電圧を生成する。
【0061】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、抵抗分圧回路により昇圧チョッパ回路の出力電圧を検出する場合を例にとるものであったが、異なる出力検出特性による2つの動作点を必要とする場合に、一方の出力電圧検出特性を抵抗分圧回路により設定し、他方の出力検出特性をバイアス電圧の発生により補正して設定するものであれば、適宜の出力電圧を検出して制御する装置に広く適用することができる。
【0062】
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。