【実施例】
【0104】
以下、実施例及び参考例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
【0105】
(実施例1)
2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−6−N−ベンゾイルアデノシン
【0106】
【化13】
【0107】
(1) 3,5−ジ−O−ベンジル−4−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−エリスロペントフラノース
3,5−ジ−O−ベンジル−4−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−エリスロペントフラノース(18.3g,44.2mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(DMF,55mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液にイミダゾール(15.7g,218mmol)を加え、0℃に冷却し、t−ブチルジフェニルクロロシラン(23.0mL,88.4mmol)を加え、15分間攪拌した。反応終了後、反応液をエーテル(ca.3mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(ca.50mL)を加え、減圧濃縮し、エーテル及びDMFを留去した。残査に水(ca.10mL)を加えた後、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、標記化合物(28.8g)を得た。
【0108】
(2) 3,5−ジ−O−ベンジル−4−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−1,2−ジ−O−アセチル−α−D−エリスロペントフラノース
(1)で得られた化合物(28.8g,44.2mmolに相当量を含む)を酢酸(150mL)に溶かし、この溶液を0℃に冷却し、無水酢酸(82.2mL,871mmol)及び濃硫酸(cat.10μL)を加えた後、30分間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水(50mL)に入れ、1時間攪拌し、そこに、飽和食塩水(ca.50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、標記化合物(α体とβ体の混合物、26.0g,収率:84%(2工程))を得た。以下に、得られた化合物の一部を更に精製することにより得られたα体のNMRデータを示す。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm) : 1.02 (9H, s), 1.84 (3H, s), 1.93 (3H, s), 1.95-2.18 (2H, m), 3.40 (1H, d), 3.50 (1H, d), 3.80-3.93 (2H, m), 4.35-4.60 (5H, m), 5.29 (1H, d), 6.03 (1H, s), 7,20-7.40 (16H, m), 7.60-7.70 (4H, m)。
【0109】
(3) 2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−6−N−ベンゾイルアデノシン
N6−ベンゾイルアデニン(268mg,1.12mmol)にHMDS(20mL)及びトリメチルシリルクロリド(4mL)を加え、一晩還流し、減圧濃縮し、乾燥し、トリメチルシリル化したN6−ベンゾイルアデニンを得た。
【0110】
(2)で得られた化合物(521mg,0.748mmol)を乾燥トルエン(10mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液に前述のトリメチルシリル化したN6−ベンゾイルアデニン及びトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf,166μL,0.901mmol)を加え撹拌し、5分後TLC(薄層クロマトグラフィー)で原料がなくなったのを確認し、その後2時間加熱還流した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(ca.2mL)を加え、セライトでろ過した。ろ液をジクロロメタン(ca.10mL)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び飽和食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=100/1)で精製し、標記化合物(482mg,収率:74%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm) : 1.02 (9H, s), 1.88-1.97 (1H, m), 2.02 (3H, s), 2.15-2.25 (1H, s), 3.44 (1H, d), 3.75-3.90 (3H, m), 4.37-4.61 (5H, m), 5.86 (1H, t), 6.26 (1H, d), 7.20-7.65 (23H, m), 8.03 (2H, d), 8.31 (1H, s), 8.77 (1H, s), 9.04 (1H, s)。
【0111】
(実施例2)
3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−4’−C−エチレン−6−N−ベンゾイルアデノシン
(1) 2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−ヒドロキシエチル)−6−N−ベンゾイルアデノシン
実施例1(3)で得られた化合物(475mg,0.542mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(THF,5mL)に溶かし、この溶液にテトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(1mol/L,705μL,0.705mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=50/1)で精製し、標記化合物(269mg,収率:78%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm) : 1.88-1.95 (1H, m), 2.08(3H, s), 2.20-2.30 (2H, m), 3.47 (1H, d), 3.74 (1H, d), 3.76-3.85 (2H, m), 4.42-4.68 (5H, m), 5.97 (1H, t), 6.35 (1H, d), 7.24-7.65 (13H, m), 8.03 (2H, d), 8.26 (1H, s), 8.76 (1H, s), 9.06 (1H, s)。
【0112】
(2) 3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−4’−C−エチレン−6−N−ベンゾイルアデノシン
窒素気流下、(1)で得られた化合物(102mg,0.106mmol)を乾燥ジクロロメタン(2mL)に溶かし、この溶液にピリジン(100μL)及びメタンスルホニルクロライド(36μL,0.465mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。その後、水(ca.1mL)を加え、ジクロロメタン(5mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をピリジン(3mL)及びメタノール(2mL)の混合溶媒に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え、10分間撹拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタン(5mL×3)で抽出し、有機層をリン酸バッファー(pH6.86,0.025M)及び飽和食塩水で、この順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=50:1)で精製し、標記化合物(84.3mg,収率:91%)を得た。この化合物は、特開2000−297097号公報に実施例10として記載されている化合物と
1H−NMRによる分析において完全に一致した。
【0113】
(実施例3)
2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−2−N−イソブチリルグアノシン
【0114】
【化14】
【0115】
N2−イソブチリルグアニン(7.14g,32.3mmol)にHMDS(500mL)及びトリメチルシリルクロリド(125mL)を加え、一晩還流し、減圧濃縮し、乾燥し、トリメチルシリル化したN2−イソブチリルグアニンを得た。
【0116】
実施例1(2)で得られた化合物(15.0g,21.5mmol)を乾燥トルエン(200mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液に前述のトリメチルシリル化したN2−イソブチリルグアニン及びTMSOTf(4.80mL,26.1mmol)を加え撹拌し、5分後にTLCで原料がなくなったのを確認し、その後2時間加熱還流した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(ca.50mL)を加え、セライトでろ過した。ろ液をジクロロメタン(ca.300mL)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び飽和食塩水でこの順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=100/1.5)で精製し、標記化合物(16.0g,収率:86%,グアニン7位でグリコシレーションした異性体を含む混合物である)を得た。
【0117】
(実施例4)
2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−2−N−イソブチリルグアノシン
実施例1(2)で得られた化合物(6.18g,8.87mmol)を乾燥トルエン(120mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液にN2−イソブチリルグアニン(2.83g,13.3mmol)及びN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA,9.60mL,38.8mmol)を加え、1時間加熱還流した。続いて反応液にTMSOTf(3.40mL,18.5mmol)を加え、更に45分間加熱還流した。反応終了後、実施例3と同様にして、標記化合物(6.44g,収率:85%,グアニン7位でグリコシレーションした異性体を含む混合物である)を得た。
【0118】
(実施例5)
3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−4’−C−エチレン−2−N−イソブチリルグアノシン
(1) 2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−ヒドロキシエチル)−2−N−イソブチリルグアノシン
実施例3で得られた化合物(16.0g,18.6mmol)をTHF(160mL)に溶かし、この溶液にテトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(1mol/L,25mL,25.0mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=20/1)で精製し、標記化合物(9.97g,収率:75%,グアニン7位でグリコシレーションした異性体を含む混合物である)を得た。
【0119】
(2) 3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−4’−C−エチレン−2−N−イソブチリルグアノシン
(1)で得られた化合物(3.00g,4.84mmol)を乾燥ジクロロメタン(25mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液にピリジン(4mL)及びメタンスルホニルクロライド(750μL,9.69mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、水(ca.5mL)を加え、ジクロロメタン(ca.30mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をピリジン(25mL)及びメタノール(10mL)の混合溶媒に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(5mol/L,25mL)を加え、30分間攪拌した後、反応液をジクロロメタン(ca.50mL×3)溶液で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=100/1.5)によりグアニン7位でグリコシレーションした異性体と完全に分離精製し、標記化合物(1.81g,収率:43%(4工程))を得た。この化合物は、特開2000−297097号公報に実施例24として記載されている化合物と
1H−NMRによる分析において完全に一致した。
【0120】
(参考例1)
2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−t−ブチルジフェニルシリルオキシエチル)−5−メチルウリジン
【0121】
【化15】
【0122】
実施例1(2)で得られた化合物(206mg,0.336mmol)を乾燥アセトニトリル(4mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液にチミン(62.8mg,0.498mmol)及びN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA,0.37mL,1.5mmol)を加え、1時間加熱還流した。続いて反応液にTMSOTf(0.125mL,0.678mmol)を加え、更に40分間加熱還流した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、標記化合物(190mg,収率:74%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm) : 1.04 (9H, s), 1.47 (3H, s), 1.74-1.85 (1H, m), 2.02 (3H, s), 2.03-2.08 (1H, m), 3.39 (1H, d, J=10.3Hz), 3.69-3.83 (2H, m), 3.86 (1H, d, J=11Hz), 4.32-4.56 (5H, m), 5.33 (1H, t), 6.06 (1H, d, J=5.1Hz), 7.19-7.61 (20H, m), 7.93 (1H, s)。
【0123】
(参考例2)
3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−4’−C−エチレン−5−メチルウリジン
(1) 2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルウリジン
参考例1で得られた化合物(185mg,0.242mmol)をTHF(2mL)に溶かし、この溶液にテトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(1mol/L,0.34mL,0.34mmol)を加え、室温で一夜攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/4)で精製し、標記化合物(121mg,収率:95%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm) : 1.49 (3H, s), 1.73-1.80 (1H, m), 2.06 (3H, s), 2.11-2.17 (1H, m), 3.24-3.28 (1H, m), 3.41 (1H, d, J=10.3Hz), 3.72-3.75 (2H, m), 3.77 (1H, d, J=10.3Hz), 4.34-4.62 (5H, m), 5.39 (1H, t), 6.16 (1H, d, J=5.1Hz), 7.20-7.41 (11H, m)。
【0124】
(2) 3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−4’−C−エチレン−5−メチルウリジン
(1)で得られた化合物(55.4mg,0.106mmol)を乾燥ジクロロメタン(1mL)に溶かし、窒素気流下、この溶液にピリジン(0.1mL)及びメタンスルホニルクロライド(16.5μL,0.213mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をピリジン(0.5mL)及びメタノール(0.5mL)の混合溶媒に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(5mol/L,1mL)を加え、5分間攪拌した後、反応液をジクロロメタン溶液で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=100/1.5→100/2)により精製し、標記化合物(40.1mg,収率:82%)を得た。この化合物は、特開2000−297097号公報に実施例6として記載されている化合物と
1H−NMRによる分析において完全に一致した。