(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態に係るIP電話システムの概略構成図である。
【0011】
図示するように、本実施の形態に係るIP電話システムは、LAN7に接続する事業所据置電話端末1−1および事業所据置電話端末1−2(以後、事業所据置電話端末1と称する場合もある)と、プレゼンスサーバ2と、ネットワーク5に接続し、ゲートウェイ4を介してLAN7に接続する携帯電話端末3−1および携帯電話端末3−2(以後、携帯電話端末3と称する場合もある)と、外部電話機器6とから構成される。
【0012】
事業所据置電話端末1は、大型の表示パネル10を具備し、電話着信があったときに大型の表示パネル10にプレゼンスサーバ2から受信したプレゼンス情報を表示する。
【0013】
プレゼンスサーバ2は、携帯電話端末3が送信するプレゼンス情報を蓄積し、所定のユーザのプレゼンス情報の要求があった事業所据置電話端末1に対して該当するユーザのプレゼンス情報を送信する。
【0014】
携帯電話端末3は、操作者手動により、現在地、帰社時間等のプレゼンス情報の入力が可能であり、プレゼンスサーバ2に対して、ネットワーク5を介して入力されたプレゼンス情報を送信する。また、定期的または不定期にプレゼンス情報の更新を送信するようにしてもよい。
【0015】
図2は、事業所据置型電話端末1の概略機能構成図である。
【0016】
図示するように、事業所据置型電話端末1は、LANインターフェイス部101と、通信制御部102と、大型の表示パネル10を含むマンマシンインターフェイス部103と、プレゼンス要求入力部104と、プレゼンス要求部105と、プレゼンス情報受信部106と、プレゼンス情報記憶部107と、プレゼンス情報加工部108と、プレゼンス情報表示部109と、呼制御部110と、着信グループ番号登録部111と、自端末番号登録部112と、代表着信番号登録部113と、着信種別判定部114と、を備えている。
【0017】
LANインターフェイス部101は、LAN7に接続するためのインターフェイスである。
【0018】
通信制御部102は、プレゼンス情報要求部105および呼制御部110からのデータがLANインターフェイス部101に渡されるように制御し、LANインターフェイス部101からのデータがプレゼンス情報受信部106および呼制御部110に渡されるように制御する。
【0019】
マンマシンインターフェイス部103は、電話着信時に操作者に受信したプレゼンス情報を表示したり、操作者から指示や音声を受け付けたりするためのインターフェイスであり、大型の表示パネル10の表示装置、各種キー、ボタン等の入力装置、およびマイク、スピーカーハンドセットからなる音声入出力装置を備えている。
【0020】
プレゼンス情報要求入力部104は、マンマシンインターフェイス部103を介して利用者が特定ユーザの行き先に係るプレゼンス情報要求の入力を受け付ける。プレゼンス情報要求の入力を受け付けたプレゼンス情報要求入力部104は、入力されたプレゼンス情報要求をプレゼンス情報要求部105に渡す。
【0021】
プレゼンス情報要求部105は、プレゼンス情報要求入力部104から受け取ったプレゼンス情報要求を通信制御部102、LANインターフェイス部101を介してLAN7に接続されたプレゼンスサーバ2にプレゼンス情報の要求を行う。
【0022】
プレゼンス情報受信部106は、LANインターフェイス部101、通信制御部102を介してLAN7に接続されたプレゼンスサーバ2よりプレゼンス情報を受信する。受信後、受信したプレゼンス情報をプレゼンス情報記憶部107に記憶する。
【0023】
図7は、プレゼンス情報記憶部107の登録内容例を模式的に表した図である。図示するようにプレゼンス情報記憶部107には、レコード1070毎にユーザ名を登録するフィールド1071と、所属グループ名を登録するフィールド1072と、ユーザの外出先を登録するフィールド1073と、ユーザの帰宅時間を登録するフィールド1074と、ユーザの連絡先を登録するフィールド1075を有する。
【0024】
プレゼンス情報加工部108は、着信種別判定部114から個別着信やグループ着信といった着信種別情報を受け取ると、着信種別情報が代表着信である場合には、全てのプレゼンス情報をプレゼンス情報記憶部107から取りだし、取り出した情報をプレゼンス情報表示部109に渡す。着信種別情報がグループ着信である場合には、プレゼンス情報記憶部107から該当するグループに属するユーザのプレゼンス情報を取り出して、プレゼンス情報表示部109に渡す。着信種別情報が無応答転送である場合には、プレゼンス情報記憶部107から該当するユーザのプレゼンス情報を取り出してプレゼンス情報表示部109に渡す。
【0025】
プレゼンス情報表示部109は、マンマシンインターフェイス部103を介してプレゼンス情報加工部108から受け取ったプレゼンス情報を大型の表示パネル10に表示する。
【0026】
呼制御部110は電話の発着信通話に係る制御を行う。
【0027】
呼制御部110はLANインターフェイス部101、通信制御部102を介して着信を受けると、着信情報を着信種別判定部114に渡し、マンマシンインターフェイス部103を介して着信鳴動を行う。
【0028】
着信グループ番号登録部111は、マンマシンインターフェイス部103を介して自端末の所属グループ及び着信グループ番号の入力を受け付け、自端末の所属グループ及び着信グループ番号を登録する。
【0029】
自端末番号登録部112は、マンマシンインターフェイス部103を介して自端末を利用するユーザ名と、自端末電話番号の入力を受け付け、自端末電話番号を登録する。
【0030】
代表着信番号登録部113は、マンマシンインターフェイス部103を介して自端末に着信させる代表電話番号の入力を受け付け、自端末に着信させる代表電話番号を登録する。
【0031】
着信種別判定部114は、呼制御部110から着信情報を受け取ると、着信グループ番号登録部111、自端末番号登録部112、代表着信番号登録部113により登録された内容を元に当該着信種別がグループ着信、または個別着信、または代表着信、または無応答転送着信のいずれかであることを判定する。着信種別が判定すると、判定した着信種別情報をプレゼンス情報加工部108に渡す。
【0032】
図3は、本実施の形態係るIP電話システムの第一の動作例を説明するためのシーケンス図である。ここでは説明の簡略化のため、事業所据置電話端末1と、プレゼンスサーバ2と、携帯電話端末3と、ゲートウェイ4と、外部電話機器6との構成で説明する。
【0033】
また、ここでは事業所据置電話端末1には予め着信グループ番号、自端末番号、代表着信番号がそれぞれ登録されているものとする。
【0034】
事業所据置電話端末1は、利用者によりユーザAの行き先に係るプレゼンス情報要求の入力を受け付けると、ユーザAのプレゼンス情報要求をプレゼンスサーバ2に送信する(S101)。
【0035】
プレゼンスサーバ2は受け取ったプレゼンス情報要求を記憶する(S102)。
【0036】
ここで、携帯電話端末3を使用しているユーザAがプレゼンス情報記憶部107の登録内容に準じた必要情報(ここでは外出先名、戻り時間、連絡先)を入力したとする(S103)。
【0037】
携帯電話端末3は、入力された情報を外出中プレゼンス情報としてプレゼンスサーバ2に送信する(S104)。
【0038】
プレゼンスサーバ2は、携帯電話端末3を使用するユーザAから外出中のプレゼンス情報を受信すると、当該プレゼンス情報を要求した端末を特定し(S105)、受信したプレゼンス情報を事業所据置電話端末1に対して送信する(S106)。
【0039】
事業所据置電話端末1は、受信したプレゼンス情報をプレゼンス情報記憶部107に記憶する(S107)。
【0040】
ここで、外部電話機器6からゲートウェイ4を介して着信があったとする(S108,S109)。
【0041】
事業所据置電話端末1は、着信鳴動し(S110)、着信種別判定を行う(S111)。ここでは着信種別は代表着信であると特定し、記憶しているユーザAのプレゼンス情報を表示する(S112)。このときユーザA以外のユーザのプレゼンス情報も記憶しているようであれば、全てのプレゼンス情報を表示する。
【0042】
図4は、本実施の形態係るIP電話システムの第二の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0043】
また、ここでは事業所据置電話端末1には着信グループ番号登録操作、自端末番号登録操作、代表着信番号登録は行われているものとする。ここでは説明の簡略化のため、事業所据置電話端末1−1〜事業所据置電話端末1−3と、プレゼンスサーバ2と、携帯電話端末3と、ゲートウェイ4との構成で説明する。
【0044】
事業所据置電話端末1−1は、利用者によりグループXを構成するメンバーの行き先に係るプレゼンス情報要求の入力を受け付けると、グループXのプレゼンス情報要求をプレゼンスサーバ2に送信する(S201)。
【0045】
事業所据置電話端末1−2もまた、利用者によりグループXを構成するメンバーの行き先に係るプレゼンス情報要求の入力を受け付けると、グループXのプレゼンス情報要求をプレゼンスサーバ2に送信する(S202)。
【0046】
プレゼンスサーバ2は受け取ったプレゼンス情報要求を自装置内にプレゼンス情報要求を記憶する(S203)。
【0047】
ここで、携帯電話端末3を使用しているユーザAがプレゼンス情報記憶部107の登録内容に準ずる必要情報(ここでは、使用しているユーザAが属するグループ名、外出先名、戻り時間、連絡先)を入力したとする(S204)。
【0048】
携帯電話端末3は、入力された情報を外出中プレゼンス情報としてプレゼンスサーバ2に送信する(S205)。
【0049】
プレゼンスサーバ2は、携帯電話端末3を使用するユーザAから外出中のプレゼンス情報を受信すると、当該プレゼンス情報を要求した端末を特定し(S206)、受信したプレゼンス情報を事業所据置電話端末1−1,事業所据置電話端末1−2に対して送信する(S207)。
【0050】
事業所据置電話端末1−1,事業所据置電話端末1−2は、受信したプレゼンス情報をプレゼンス情報記憶部107にて更新する(S208,S209)。
【0051】
ここで、事業所据置電話端末1−3を利用する利用者がグループXに対して電話発信したとする(S210)。ゲートウェイ4は受信したグループXへの発信パケットを同一グループである事業所据置電話端末1−1,事業所据置電話端末1−2に対して中継する(S211)。
【0052】
グループX宛の電話発信を受けた事業所据置電話端末1−1,事業所据置電話端末1−2は、着信鳴動を開始し(S212,S213)、着信種別判定を行う(S214,S215)。ここでは着信種別はグループ着信であると特定し、記憶しているユーザのプレゼンス情報のうち、グループXに属しているユーザのプレゼンス情報を表示する(S216,S217)。
【0053】
図5は、本実施の形態係るIP電話システムの第三の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0054】
また、ここでは事業所据置電話端末1には着信グループ番号登録操作、自端末番号登録操作、代表着信番号登録は行われているものとする。ここでは説明の簡略化のため、事業所据置電話端末1−1〜事業所据置電話端末1−3と、プレゼンスサーバ2と、ゲートウェイ4との構成で説明する。
【0055】
事業所据置電話端末1−2は、ゲートウェイ4を介して事業所据置電話端末1−3に対して電話発信(INVITE)を行ったとする(S301、S302)。
【0056】
事業所据置電話端末1−3は、着信鳴動し(S303)、着信識別判定を行う(S304)。ここでは自端末宛であるため、プレゼンス情報の表示は行わない(S305)。
【0057】
ここでゲートウェイ4において電話応答(200 OK受信)のタイムアウトとなったとする(S306)。このとき、事前に無応答転送が設定済みである場合(S307)、当該転送先に対して無応答転送を実施する(S308,S309)。ここでの転送先は事業所据置電話端末1−1とする。
【0058】
事業所据置電話端末1−3は着信鳴動を停止し(S310)、事業所据置電話端末1−1は着信鳴動を開始する(S311)。
【0059】
事業所据置電話端末1−1は、着信種別判定を行い(S312) 、無応答転送による着信であることを認識すると、プレゼンス情報を表示する(S313)。
【0060】
図6は、事業所据置型電話端末1動作を説明する為のフロー図である。
【0061】
本フロー図は、事業所据置電話端末1に対して電源が投入されたところから開始する。
【0062】
まず、事業所据置電話端末1の利用者によってプレゼンス要求入力操作が行われたか否かを判定する(S401)。プレゼンス情報要求入力操作が行われた場合(S401:YES)、プレゼンス情報要求をプレゼンスサーバに対して送信する(S402)。
【0063】
一方で、プレゼンス情報を受信したか否かを判定する(S403)。プレゼンス情報を受信した場合(S403:YES)、プレゼンス情報を記憶または更新する(S404)。
【0064】
電話着信があると(S405:YES)、着信種別を判定し、自端末への個別着信であるか否かを特定する(S406)。個別着信であると判定した場合(S406:YES)、プレゼンス情報を表示することなく、終話処理が行われる迄待つ(S407)。終話処理が実施される(S407:YES)と、ステップ401に戻り処理を続ける
着信種別がグループ着信である場合(S408:YES)、自グループに合致するユーザのプレゼンス情報が記憶されているか否かを判定する(S409)。
【0065】
自グループに合致するユーザのプレゼンス情報が記憶されている場合(S409:YES)、自グループに合致するユーザのプレゼンス情報を表示し(S410)、終話処理が行われる迄待つ(S411)。終話処理が実施される(S411:YES)と、ステップ401に戻り処理を続ける。
【0066】
自グループに合致するユーザのプレゼンス情報が記憶されていない場合(S410:NO)、プレゼンス情報を表示することなく、終話処理が行われる迄待つ(S411)。終話処理が実施される(S411:YES)と、ステップ401に戻り処理を続ける。
【0067】
着信種別が代表着信である場合(S412:YES)、記憶している全てのユーザのプレゼンス情報を表示し(S413)、終話処理が行われる迄待つ(S411)。終話処理が実施される(S411:YES)と、ステップ401に戻り処理を続ける。
【0068】
着信種別が無応答転送によるものである場合(S415:YES)、無応答転送元のユーザのプレゼンス情報が記憶されているか否かを判定する(S416)。無応答転送元のユーザのプレゼンス情報がある場合(S416:YES)、無応答転送元のユーザのプレゼンス情報を表示し(S417)、終話処理が行われる迄待つ(S418)。終話処理が実施される(S418:YES)と、ステップ401に戻り処理を続ける。無応答転送元のユーザのプレゼンス情報が記憶されていない場合(S416:NO)、プレゼンス情報を表示することなく、終話処理が行われる迄待つ(S411)。終話処理が実施される(S411:YES)と、ステップ401に戻り処理を続ける。
【0069】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0070】
本実施の形態において、事業所据置型電話端末1は、ゲートウェイ4を介して電話着信を受けた場合に、この電話着信種別に対応したユーザのプレゼンス情報を表示する。具体的には、着信種別判定部114は、呼制御部110から着信情報を受け取ると、着信グループ番号登録部111、自端末番号登録部112、代表着信番号登録部113により登録された内容を元に当該着信種別がグループ着信、または個別着信、または代表着信のいずれかであることを判定し、プレゼンス情報加工部108において、着信種別に応じたプレゼンス情報を作成し、プレゼンス情報表示部109に渡す。プレゼンス情報表示部109は、マンマシンインターフェイス部103を介してプレゼンス情報加工部108から受け取ったプレゼンス情報を大型の表示パネル10に表示する。
【0071】
従って、本実施の形態によれば、タブレットを有する据置型の電話装置において電話着信時に着信種別を判別し、その着信種別に対応した社員の行き先、戻り時間を記したプレゼンス情報を表示させ、代理応答時に発信者が取り次いで欲しい人の所在を速やかに確認できる。
【0072】
本実施の形態において、事業所据置型電話端末1は、ゲートウェイ4を介して電話着信を受けた場合に、当該着信種別が無応答転送の着信であると判定すると、本来着信を受けたユーザのプレゼンス情報を表示する。具体的には、着信種別判定部114は、呼制御部110から着信情報を受け取ると、自端末番号登録部112により登録された内容を元に他ユーザに対する着信情報であることを特定し、プレゼンス情報加工部108において、当該ユーザのプレゼンス情報を作成し、プレゼンス情報表示部109に渡す。プレゼンス情報表示部109は、マンマシンインターフェイス部103を介してプレゼンス情報加工部108から受け取ったプレゼンス情報を大型の表示パネル10に表示する。
【0073】
したがって、本実施の形態によればタブレットを有する据置型の電話装置において電話着信時に無応答転送の着信であることを判別し、その着信種別に対応した社員の行き先、戻り時間を記したプレゼンス情報を表示させ、代理応答時に発信者が取り次いで欲しい人の所在を速やかに確認できる。
【0074】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定される者ではなく。その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0075】
例えば、上記の実施の形態では、電話着信時に着信種別に応じてプレゼンス情報を表示する場合を例に取り説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。待機時に、プレゼンス情報表示部109において、記憶している全てのユーザのプレゼンス情報を、マンマシンインターフェイス部103を介して大型の表示パネル10に表示させ、電話着信時に着信種別に応じて該当するユーザのプレゼンス情報を強調表示させても良い。
【0076】
また、上記の実施の形態において、
図2に示す事業所据置型電話端末1の機能構成はASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびモデム、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェイスを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。