(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のエアバッグカバーの取付構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のエアバッグカバーの取付構造では、エアバッグ装置のエアバッグカバーを車両のパネルに取り付けて、パネルにエアバッグカバーを保持する。パネルは、エアバッグ装置が配置されるパネル状の部材(パネル部材)である。また、エアバッグカバーは、折り畳まれたエアバッグを覆うカバー部材である。
【0010】
以下説明する各実施形態では、エアバッグカバーの取付構造について、パネルがインストルメントパネルである場合を例に採り説明する。インストルメントパネルは、車両の内装部材であり、前席(ここでは、助手席)の前方に配置される。また、エアバッグ装置は、エアバッグカバーと、エアバッグカバー内に収容されるエアバッグと、ガスを発生するインフレータを備えている。エアバッグカバーは、パネルに取り付けられた状態で、展開前のエアバッグを覆う。車両の緊急時等には、インフレータが作動して、インフレータにより、ガスがエアバッグ内に供給される。エアバッグは、ガスにより膨張しつつ展開して、車室内の所定領域に膨張展開する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のエアバッグカバーの取付構造1を示す斜視図であり、パネル(インストルメントパネル)10の一部とエアバッグカバー30を裏側からみて示している。また、
図1Aは、パネル10に取り付ける前のエアバッグカバー30を示し、
図1Bは、パネル10に取り付けた後のエアバッグカバー30を示している。
図2は、第1実施形態のエアバッグカバー30を示す斜視図である。
図2Aは表側からみたエアバッグカバー30を示し、
図2Bは裏側からみたエアバッグカバー30を示している。
図3は、
図1Bの矢印X−X線でみたエアバッグカバーの取付構造1を示す断面図であり、
図4は、
図1Bの矢印Y−Y線でみたエアバッグカバーの取付構造1を示す断面図である。
図3と
図4は、パネル10の一部とエアバッグカバー30の一部を示している。
【0012】
なお、表側とは、エアバッグ(図示せず)が展開する空間側(乗員側)であり、裏側とは、折り畳まれたエアバッグが配置される側(エアバッグ側)である。従って、エアバッグは、パネル10とエアバッグカバー30の裏側に配置される。車両内で、乗員は、パネル10とエアバッグカバー30の表側に位置し、エアバッグは、パネル10とエアバッグカバー30の表側に向かって展開する。また、パネル10とエアバッグカバー30の裏面は乗員からみえない裏側の面であり、パネル10とエアバッグカバー30の表面は乗員からみえる表側の面である。
【0013】
図示のように、パネル10は、エアバッグ展開用の開口部11と、開口部11の周縁に形成された周縁部12と、エアバッグカバー30を保持する複数(ここでは、4つ)の保持部20と、ボルト(雄ネジ)13がねじ込まれる複数(ここでは、4つ)の雌ネジ部14を有する。開口部11は、エアバッグが展開可能な形状(ここでは、矩形状)に形成され、パネル10を貫通する。エアバッグカバー30内のエアバッグは、開口部11を通って、開口部11から車室に展開する。周縁部12は、パネル10の裏側に突出する環状の周縁突部であり、開口部11の周縁の全体に形成されている。保持部20は、パネル10の裏側に突出する矩形状の突片からなり、エアバッグカバー30を係止する係止孔21を有する。
【0014】
第1実施形態では、周縁部12は、開口部11の周縁に沿って矩形状に形成され、開口部11を囲む。また、パネル10の保持部20は、パネル10の周縁部12に形成され、周縁部12の先端からパネル10の裏側に突出する。4つの保持部20が、開口部11の4つの辺に配置されて、4つの辺の中央部に位置する。係止孔21は、矩形状をなし、保持部20の周縁部12から突出した部分に形成されている。雌ネジ部14は、雌ネジが形成された柱状部からなり、開口部11の4つの角に隣接する位置で、パネル10の裏側に突出する。
【0015】
エアバッグカバー30は、板状のエアバッグリッド31と、折り畳まれたエアバッグを囲む周壁32と、エアバッグリッド31の周縁に形成された鍔部33と、パネル10の保持部20に連結される複数の連結部40と、鍔部33に形成された複数の挿入孔34と、パネル10の裏面に接触する接触部35と、ボルト13によりパネル10に締結される複数の締結部36を有する。エアバッグカバー30は、保持部20によりパネル10に取り付けられて、雌ネジ部14とボルト13によりパネル10に締結される。
【0016】
エアバッグリッド31は、パネル10の開口部11を塞ぐ蓋であり、開口部11に対応する形状に形成されている。エアバッグカバー30のパネル10への取付時に、エアバッグリッド31は、パネル10の裏側から開口部11に嵌め込まれて、開口部11内に配置される(
図3、
図4参照)。その状態で、パネル10の表面とエアバッグリッド31の表面は、段差なく配置される。車両内で、折り畳まれたエアバッグは、周壁32内に配置されて、エアバッグリッド31により覆われる。また、エアバッグリッド31は、展開するエアバッグにより押し開けられる。
【0017】
周壁32は、エアバッグリッド31の裏側(裏面)に形成された筒状部からなり、エアバッグリッド31からエアバッグカバー30の裏側に突出する。鍔部33は、エアバッグリッド31の側方に突出する環状の板部であり、エアバッグリッド31の周縁の全体に形成されている。エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込んだ状態で、鍔部33は、パネル10の周縁部12に接触する(
図3参照)。その際、鍔部33は、周縁部12の先端に接触するとともに、周縁部12の全体に隙間なく接触する。また、周縁部12は、エアバッグリッド31に近接して配置されて、エアバッグリッド31を囲む。
【0018】
エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込んだ状態で、連結部40は、パネル10の保持部20に連結されて、保持部20により保持される。複数の連結部40を複数の保持部20に連結することで、エアバッグカバー30が、パネル10に取り付けられて、パネル10に保持される。このように、パネル10とエアバッグカバー30は、保持部20と連結部40からなる取付機構15を有し、エアバッグカバー30は、複数の取付機構15によりパネル10に取り付けられる。
【0019】
複数の取付機構15(複数組みの保持部20と連結部40)は、エアバッグリッド31の周縁に沿って分散して配置され、エアバッグカバー30を分散した位置で保持する。また、複数組みの保持部20と連結部40は、開口部11を挟んで相対する位置に配置された2組みの保持部20と連結部40を有する。ここでは、4組みの保持部20と連結部40が、開口部11の4つの辺に配置され、4つの辺の中央部に位置する。4組みの保持部20と連結部40は、エアバッグリッド31の周縁に沿って等間隔を隔てて、エアバッグリッド31の周縁に均等に配置されている。
【0020】
連結部40は、エアバッグカバー30の鍔部33に形成され、鍔部33からエアバッグカバー30の裏側に突出する。また、連結部40は、エアバッグカバー30の裏側に突出する突部41(
図4参照)と、突部41の先端に形成された係止爪42を有する。係止爪42は、パネル10の保持部20に引っ掛かるフックであり、引っ掛けられるようにして保持部20に係止される。保持部20は、係止爪42を係止するための係止孔21を有し、エアバッグカバー30の表側から鍔部33の挿入孔34に挿入される。挿入孔34は連結部40に隣接する位置に形成されたスリットからなり、連結部40は挿入孔34に沿って形成されている。
【0021】
エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込むときに、パネル10の複数の保持部20が、それぞれ挿入孔34に挿入される。保持部20の挿入孔34への挿入に伴い、保持部20は、鍔部33からエアバッグカバー30の裏側に突出して、連結部40の係止爪42に接近する。保持部20と係止爪42が接触すると、連結部40が弾性変形して、係止爪42が保持部20に沿って係止孔21まで移動する。続いて、係止爪42は、挿入孔34に挿入された保持部20の係止孔21に挿入される。これに伴い、連結部40が、元の形状に復元して、保持部20に沿って配置される。
【0022】
エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込んだ状態で、係止爪42が係止孔21内に配置されて、係止孔21から係止爪42が抜けるのが防止される。係止爪42は、係止孔21内で保持部20に引っ掛かり、保持部20に係止される。なお、連結部40の係止爪42を保持部20に係止する際には、保持部20が弾性変形してもよく、連結部40と保持部20が弾性変形してもよい。
【0023】
このように、エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込むときに、エアバッグカバー30の連結部40が、パネル10の保持部20に連結される。ここでは、エアバッグリッド31を開口部11に嵌め込んで鍔部33が周縁部12に接触するときに、連結部40が保持部20に連結される。また、連結部40は、エアバッグカバー30の挿入孔34よりも内側(周壁32側)の鍔部33に形成されて、挿入孔34に挿入された保持部20の内側に配置される。連結部40の係止爪42は、内側から保持部20の係止孔21に挿入されて、保持部20に係止される。係止爪42と係止孔21により、連結部40が保持部20に連結されて、連結部40とエアバッグカバー30が保持部20に保持される。
【0024】
エアバッグカバー30の接触部35は、鍔部33の全周に形成された環状の接触突部、又は、鍔部33の一部に形成された接触突部であり、鍔部33からパネル10に向かって突出する。ここでは、接触部35が鍔部33の先端の全体に形成され、挿入孔34が接触部35とエアバッグリッド31の間に形成される。パネル10の周縁部12と保持部20は、接触部35とエアバッグリッド31の間に配置され、周縁部12は、接触部35とエアバッグリッド31の間の鍔部33に接触する。エアバッグカバー30がパネル10に取り付けられたときに、又は、エアバッグが展開するときに、接触部35がパネル10に接触する。
【0025】
エアバッグカバー30の締結部36は、鍔部33の4つの角に形成された突片からなり、鍔部33からエアバッグカバー30の側方に突出する。エアバッグリッド31を開口部11に嵌め込んだ状態で、4つの締結部36が、それぞれパネル10の雌ネジ部14に接触する。ボルト13は、締結部36の孔37に挿入され、雌ネジ部14にねじ込まれる。ボルト13により、締結部36とエアバッグカバー30が、パネル10の雌ネジ部14に締結されてパネル10に固定される。
【0026】
エアバッグの展開時には、インフレータから供給されるガスにより、エアバッグが、周壁32内で膨張して、エアバッグリッド31を表側に向かって押す。このエアバッグから加えられる力により、エアバッグリッド31が表側に変形して湾曲する。続いて、エアバッグリッド31に形成されたティアライン(図示せず)が裂けて、エアバッグリッド31に扉部(図示せず)が形成される。エアバッグは、扉部を押し開いて車室に展開し、車室内の所定領域に膨張展開する。扉部の開放に伴い、エアバッグリッド31が表側に押されて、エアバッグリッド31に力が加えられる。
【0027】
エアバッグの展開時にエアバッグリッド31に加えられる力により、エアバッグカバー30の鍔部33は、パネル10の周縁部12に押し付けられる。その際、鍔部33から周縁部12に加えられる力は、鍔部33と周縁部12により広く分散されて、パネル10とエアバッグカバー30の広い部分で受けられる。これに伴い、力が取付機構15(保持部20、連結部40)に集中するのが防止されて、エアバッグカバー30がパネル10に確実かつ安定して保持される。また、エアバッグカバー30は、パネル10により安定して支持されて、パネル10に取り付けられ状態に確実に維持される。
【0028】
以上説明した第1実施形態のエアバッグカバーの取付構造1では、エアバッグリッド31を開口部11に嵌め込んだ状態で、連結部40を保持部20に連結する。これにより、エアバッグカバー30を、保持部20に保持してパネル10に取り付ける。このように、簡単な取付構造1により、エアバッグカバー30をパネル10に容易に取り付けることができる。また、エアバッグカバー30の取付作業に要する手間と時間を削減して、作業効率を向上することができる。
【0029】
エアバッグの展開時には、簡単な取付構造1により、エアバッグカバー30からパネル10に加えられる力を分散して、エアバッグカバー30をパネル10に安定して保持することができる。また、保持部20と連結部40により、エアバッグカバー30をパネル10に確実に保持できるため、取付構造1の部品数及び重量の増加を防止することができる。
【0030】
エアバッグカバー30の連結部40は、エアバッグリッド31を開口部11に嵌め込むときに、パネル10の保持部20に連結される。そのため、エアバッグリッド31の嵌め込みと同時に、連結部40を保持部20に簡単に連結することができる。エアバッグリッド31の周縁に沿って分散して配置された複数組みの保持部20と連結部40により、エアバッグカバー30を分散した位置で安定して保持することができる。これに伴い、保持部20と連結部40に大きな力が集中するのを確実に防止できるとともに、エアバッグカバー30のガタツキを抑制できる。また、ガタツキによる異音の発生を抑制することもできる。
【0031】
連結部40の係止爪42と保持部20の係止孔21により、工具等を使用することなく、係止爪42を保持部20に係止することができる。また、連結部40を保持部20に円滑に連結して、エアバッグカバー30をパネル10に容易に取り付けることができる。エアバッグカバー30の取付時における作業効率を、より向上することもできる。
【0032】
鍔部33の挿入孔34に挿入された保持部20により、エアバッグカバー30をパネル10の開口部11に向かって案内することができる。これにより、エアバッグリッド31を開口部11に円滑に嵌め込むことができ、かつ、連結部40を保持部20に円滑に連結することができる。その結果、エアバッグカバー30をパネル10に容易に取り付けることができる。また、係止爪42に加えて、挿入孔34内の保持部20により、エアバッグカバー30の動きが規制されるため、エアバッグカバー30のガタツキと異音の発生を確実に抑制することができる。
【0033】
エアバッグカバー30の接触部35がパネル10に接触することで、エアバッグカバー30からパネル10に加えられる力を、より分散することができる。エアバッグリッド31の湾曲や変形により接触部35がパネル10の周縁部12に接触した場合には、接触部35と周縁部12により、エアバッグリッド31に加えられる力を受けることができる。また、接触部35が周縁部12に引っ掛かることで、エアバッグカバー30の移動が止められて、エアバッグカバー30がパネル10に確実に保持される。
【0034】
エアバッグカバー30をパネル10に取り付けた状態で、締結部36をボルト13によりパネル10に締結することで、エアバッグカバー30をパネル10に強固に取り付けることができる。また、エアバッグカバー30のガタツキと異音の発生を確実に抑制することができる。
【0035】
なお、エアバッグカバーの取付構造1は、4組みの保持部20と連結部40を備えている。これに対し、3組み以下、又は、5組み以上の保持部20と連結部40により、エアバッグカバー30をパネル10に取り付けるようにしてもよい。また、保持部20と連結部40の位置は、上記した位置から変更してもよい。保持部20は、パネル10の周縁部12以外の箇所に形成してもよく、連結部40は、エアバッグカバー30の鍔部33以外の箇所に形成してもよい。締結部36をエアバッグカバー30に設けずに、エアバッグカバー30をパネル10に取り付けるようにしてもよい。
【0036】
次に、第1実施形態のエアバッグカバーの取付構造1と一部が異なる他の実施形態(第2〜第6実施形態)のエアバッグカバーの取付構造について説明する。第2〜第6実施形態のエアバッグカバーの取付構造は、基本的には、第1実施形態のエアバッグカバーの取付構造1と同様に構成され、第1実施形態のエアバッグカバーの取付構造1と同様の効果を発揮する。従って、以下では、既に説明した事項と相違する事項を説明し、既に説明した事項と同じ事項の説明は省略する。
【0037】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のエアバッグカバーの取付構造2を示す断面図であり、パネル10の一部とエアバッグカバー30の一部を
図4と同様に示している。即ち、
図5は、1つの取付機構15を示している。
図示のように、第2実施形態のエアバッグカバーの取付構造2では、エアバッグカバー30の連結部43のみが、第1実施形態の連結部40と相違する。連結部43は、エアバッグカバー30の裏側に突出する突部44と、突部44の先端に形成された係止爪45を有し、鍔部33の先端に形成されている。
【0038】
パネル10の保持部20は、係止爪45を係止するための係止孔21を有し、エアバッグカバー30の表側から鍔部33の挿入孔34に挿入される。連結部43は、エアバッグカバー30の挿入孔34よりも外側(周壁32の反対側)の鍔部33に形成されて、挿入孔34に挿入された保持部20の外側に配置される。その結果、連結部43の係止爪45は、外側から保持部20の係止孔21に挿入されて、保持部20に係止される。エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込むときに、係止爪45が保持部20に係止されて、連結部43がパネル10の保持部20に連結される。
【0039】
エアバッグの展開時には、エアバッグリッド31の表側への湾曲により、鍔部33が内側(エアバッグリッド31側)に変形して、連結部43の係止爪45が保持部20の係止孔21に向かって変位する。これに伴い、係止爪45が係止孔21から抜けるのが防止されて、係止爪45が保持部20に確実に係止される。また、連結部43が保持部20に連結された状態に確実に維持されるため、エアバッグカバー30をパネル10に安定して保持することができる。
【0040】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態のエアバッグカバーの取付構造3を示す断面図であり、パネル10の一部とエアバッグカバー30の一部を
図4と同様に示している。
図示のように、第3実施形態のエアバッグカバーの取付構造3では、パネル10の保持部22が第1実施形態の保持部20と相違し、エアバッグカバー30の連結部46が第1実施形態の連結部40と相違する。保持部22は、パネル10の裏側に突出する突部23と、突部23の先端に形成された係止爪24を有する。保持部22の突部23は、パネル10の周縁部12に形成され、周縁部12からパネル10の裏側に突出する。連結部46は、鍔部33の一部からなり、係止爪24を係止する係止孔47を有する。係止孔47は、エアバッグカバー30の鍔部33に形成されている。
【0041】
エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込むときに、保持部22の係止爪24と突部23が、エアバッグカバー30の表側から連結部46の係止孔47に挿入される。係止孔47は、係止爪24よりも狭く形成されており、係止爪24は、係止孔47を押し広げながら係止孔47に挿入される。続いて、係止爪24が係止孔47を通過して、突部23が係止孔47内に配置される。係止爪24の通過後、係止孔47は、元の形状に復元する。係止爪24は、鍔部33の裏側に配置されて、突部23から鍔部33に沿って突出する。
【0042】
エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込んだ状態で、保持部22の係止爪24は、エアバッグカバー30の連結部46(鍔部33)に引っ掛かる。これにより、係止爪24が係止孔47から抜けるのが防止されて、係止爪24が連結部46に係止される。連結部46は、係止孔47に挿入された係止爪24により係止されて、保持部22に連結される。保持部22は、連結部46及びエアバッグカバー30を保持する。
【0043】
第3実施形態のエアバッグカバーの取付構造3では、エアバッグリッド31を開口部11に嵌め込むときに、連結部46を保持部22に簡単に連結することができる。そのため、エアバッグカバー30をパネル10に容易に取り付けることができ、エアバッグカバー30の取付時における作業効率を向上することができる。また、係止爪24により、エアバッグカバー30の動きが規制されるため、エアバッグカバー30のガタツキと異音の発生を抑制することができる。
【0044】
なお、係止爪24を係止孔47に挿入するときには、エアバッグカバー30の鍔部33が弾性変形してもよく、係止爪24が弾性変形してもよい。また、鍔部33と係止爪24が弾性変形してもよい。
【0045】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態のエアバッグカバーの取付構造4を示す断面図であり、パネル10の一部とエアバッグカバー30の一部を
図4と同様に示している。
図示のように、第4実施形態のエアバッグカバーの取付構造4では、第3実施形態の保持部22と同様に、パネル10の保持部25が、突部26と、突部26の先端に形成された係止爪27を有する。ただし、保持部25は、第3実施形態の保持部22と相違して、パネル10の裏面の周縁部12から離れた位置に形成されている。保持部25の突部26は、パネル10の裏面に形成されて、パネル10の裏側に突出する。
【0046】
エアバッグリッド31を開口部11に嵌め込むときに、係止爪27が連結部48の係止孔49に挿入されて、エアバッグカバー30の連結部48に係止される。係止孔49は、エアバッグカバー30の鍔部33に形成され、連結部48は、鍔部33の一部からなる。なお、鍔部33の一部をエアバッグカバー30の側方に突出させて、鍔部33の突出した部分を連結部48にしてもよい。この場合には、係止孔49は、鍔部33の突出した部分に形成される。
【0047】
(第5実施形態)
図8は、第5実施形態のエアバッグカバーの取付構造5を示す図であり、エアバッグカバー30のみを示している。
図8Aは表側からみたエアバッグカバー30の斜視図であり、
図8Bは裏側からみたエアバッグカバー30の斜視図である。
図示のように、第5実施形態のエアバッグカバーの取付構造5では、エアバッグカバー30の連結部50のみが、第1実施形態の連結部40と相違する。連結部50は、エアバッグカバー30の周壁32に形成されている。
【0048】
周壁32に貫通部51を形成することで、係止爪52を有する連結部50が周壁32の一部に形成される。連結部50は、弾性変形可能な矩形部からなり、係止爪52は、周壁32の外側に突出する。エアバッグリッド31をパネル10の開口部11に嵌め込むときに、パネル10の保持部20がエアバッグカバー30の挿入孔34に挿入される。続いて、係止爪52が、保持部20の係止孔21に挿入されて、保持部20に係止される。これにより、連結部50が保持部20に連結されて、エアバッグカバー30がパネル10に取り付けられる。連結部50を周壁32に形成することで、エアバッグカバー30の構造が単純になる。エアバッグが周壁32内で膨張したときには、エアバッグから周壁32と連結部50に力が加えられて、変形し易い連結部50が外側に変形する。その結果、連結部50の係止爪52が保持部20の係止孔21に向かって変位し、係止爪52が係止孔21から抜けるのが防止される。
【0049】
(第6実施形態)
図9は、第6実施形態のエアバッグカバーの取付構造6を示す図であり、エアバッグカバー30のみを示している。
図9Aは表側からみたエアバッグカバー30の斜視図であり、
図9Bは裏側からみたエアバッグカバー30の斜視図である。
図10は、第6実施形態のエアバッグカバー30を示す底面図であり、
図9Aの矢印Z方向からみたエアバッグカバー30を示している。
【0050】
図示のように、第6実施形態のエアバッグカバーの取付構造6では、エアバッグカバー30が、周壁32と鍔部33を補強する複数の補強部60を有する。第6実施形態のエアバッグカバーの取付構造6は、補強部60を除いて、第1実施形態のエアバッグカバーの取付構造1と同様に構成されている。補強部60は、板状をなし、所定位置の周壁32の外面に直交するように、周壁32と鍔部33に一体に形成されている。
【0051】
エアバッグリッド31(
図10参照)は、エアバッグの展開時に裂けるティアライン61と、ティアライン61により形成される扉部62と、周壁32の一部に沿う変形部63を有する。ティアライン61は、エアバッグリッド31に形成された溝部(薄肉部)からなり、エアバッグリッド31の裏面に形成されている。展開するエアバッグによりエアバッグリッド31が押されたときに、ティアライン61が裂けて周壁32の内側に開放可能な扉部62を形成する。
【0052】
エアバッグは、扉部62を表側に向かって押し開いて、車室に展開する。その際、扉部62は、周壁32の内周に沿う変形部63を中心に回転して、開放される。変形部63は、扉部62を開放可能に保持するヒンジ部であり、扉部62の一部をエアバッグリッド31に接続する。扉部62の開放時に、変形部63は、扉部62を保持しつつ周壁32に沿って変形して、扉部62を開放させる。
【0053】
ここでは、ティアライン61は、周壁32の3つの辺と、1つの辺の両端部側に形成されている。変形部63は、ティアライン61の2つの端部の間に位置し、周壁32の1つの辺の一部に沿って形成されている。扉部62は、周壁32内のエアバッグリッド31からなり、ティアライン61と変形部63に囲まれる。変形部63は、周壁32の一部に沿って変形して、扉部62の回転方向に折れ曲がる。これにより、扉部62が回転して開放される。エアバッグカバー30の補強部60は、変形部63に沿う周壁32(変形部63に隣接する周壁32)に形成されて、変形部63に沿う周壁32を補強する。
【0054】
第6実施形態のエアバッグカバーの取付構造6では、補強部60により周壁32と鍔部33を補強するため、周壁32と鍔部33の強度が高くなる。また、周壁32と鍔部33の剛性が高くなり、周壁32と鍔部33の変形が抑制される。加えて、エアバッグリッド31の一部の剛性が高くなり、エアバッグリッド31の変形も抑制される。これに伴い、エアバッグカバー30を薄くできため、エアバッグカバー30の重量を削減することができる。エアバッグカバー30の成形時間を短縮することもできる。
【0055】
エアバッグの展開時には、扉部62が開くことで、変形部63に沿う周壁32が、変形部63を中心に回転するように、周壁32の内側に変形する。また、エアバッグカバー30の鍔部33は、周壁32とともに変形して、パネル10の周縁部12から離れる。これに対し、補強部60により変形部63に沿う周壁32を補強することで、周壁32の変形が抑制されて、鍔部33が周縁部12から離れるのが防止される。その結果、鍔部33と周縁部12による上記した効果を確実に確保できる。
【0056】
以上、パネル10がインストルメントパネルである実施形態について説明したが、パネル10は、インストルメントパネル以外の車両のパネルであってもよい。即ち、本発明は、パネル10にエアバッグカバー30を取り付ける種々のエアバッグカバーの取付構造に適用できる。また、エアバッグカバー30は、パネル10を車両へ取り付ける前にパネル10に取り付けてもよく、パネル10を車両へ取り付けた後にパネル10に取り付けてもよい。エアバッグカバー30のみをパネル10に取り付けてもよく、エアバッグ装置の他の部材と組み合わせたエアバッグカバー30をパネル10に取り付けてもよい。