(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150622
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】過冷却装置、その過冷却装置を有する冷凍装置及び過冷却方法
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
F25D11/00 101Y
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-120983(P2013-120983)
(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公開番号】特開2014-238225(P2014-238225A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2016年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和大
(72)【発明者】
【氏名】石川 将人
(72)【発明者】
【氏名】市川 実香
(72)【発明者】
【氏名】安部 寛
【審査官】
鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0264283(US,A1)
【文献】
特開2010−060258(JP,A)
【文献】
特開平06−294569(JP,A)
【文献】
特開2006−064287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00−16/00
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内の温度を制御する温度制御手段とを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、開口部は天面に設けてあり、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度制御手段により、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置。
【請求項2】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を加温するヒーターと、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を循環するファンと、断熱容器内の温度を検知する温度センサと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、開口部は天面に設けてあり、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてヒーター及びファンの少なくとも一方を制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置。
【請求項3】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を循環するファンと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、開口部は天面に設けてあり、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてファンを制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置。
【請求項4】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を加温するヒーターと、断熱容器内の温度を検知する温度センサと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、開口部は天面に設けてあり、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてヒーターを制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置。
【請求項5】
断熱容器は内部に被過冷却体を載置する載置板を有し、載置板には複数の通気孔が形成されており、載置板と断熱容器の底部との間に、温度制御手段又は、ファン及びヒーターの少なくとも一方、が配置してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の過冷却装置。
【請求項6】
載置板と断熱容器の底部との間に配置した温度制御手段又は、ファン及びヒーターの少なくとも一方は、断熱容器の一側部に配置してあることを特徴とする請求項5に記載の過冷却装置。
【請求項7】
過冷却装置を設置する冷凍庫は、天面を開口して天面の開口から冷凍する製品を出し入れするオープンケースタイプであり、断熱容器の開口部は冷凍庫の開口よりも下方に配置することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の過冷却装置。
【請求項8】
請求項7に記載の過冷却装置と、オープンケースタイプの冷凍庫とを備えることを特徴とする冷凍装置。
【請求項9】
冷凍庫と、冷凍庫内に設置する断熱容器を有する過冷却装置とを備え、過冷却装置は、冷凍庫内の冷気を断熱容器内に取り込み、温度コントローラが断熱容器内に設けたヒーター及びファンの少なくとも一方を制御し、又は断熱容器の開口部の開閉を制御して断熱容器内を過冷却温度帯域に維持し、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、開口部は天面に設けてあることを特徴とする過冷却方法。
【請求項10】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内の温度を制御する温度制御手段とを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度制御手段により、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持し、
過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、
前記断熱容器は被冷却体を出し入れする取り出し口を有し、被冷却体を出し入れする取り出し口の周囲には、前記ドアの裏面に密着する気密材が設けてあることを特徴とする過冷却装置。
【請求項11】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を加温するヒーターと、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を循環するファンと、断熱容器内の温度を検知する温度センサと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてヒーター及びファンの少なくとも一方を制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持し、
過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、
前記断熱容器は被冷却体を出し入れする取り出し口を有し、被冷却体を出し入れする取り出し口の周囲には、前記ドアの裏面に密着する気密材が設けてあることを特徴とする過冷却装置。
【請求項12】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を循環するファンと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてファンを制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持し、
過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、
前記断熱容器は被冷却体を出し入れする取り出し口を有し、被冷却体を出し入れする取り出し口の周囲には、前記ドアの裏面に密着する気密材が設けてあることを特徴とする過冷却装置。
【請求項13】
被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を加温するヒーターと、断熱容器内の温度を検知する温度センサと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、
断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてヒーターを制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持し、
過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、
前記断熱容器は被冷却体を出し入れする取り出し口を有し、被冷却体を出し入れする取り出し口の周囲には、前記ドアの裏面に密着する気密材が設けてあることを特徴とする過冷却装置。
【請求項14】
断熱容器は内部に被過冷却体を載置する載置板を有し、載置板には複数の通気孔が形成されており、載置板と断熱容器の底部との間に、温度制御手段又は、ファン及びヒーターの少なくとも一方、が配置してあることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の過冷却装置。
【請求項15】
載置板と断熱容器の底部との間に配置した温度制御手段又は、ファン及びヒーターの少なくとも一方は、断熱容器の一側部に配置してあることを特徴とする請求項14に記載の過冷却装置。
【請求項16】
過冷却装置を設置する冷凍庫は、断熱容器内に冷気を取り込む1個以上の開口部が側壁部及び天壁部の少なくとも一方に設けてあり、被冷却体を出し入れする取り出し口が正面部に設けてあり、断熱容器の取り出し口を冷凍庫のドア側に向けて配置してあることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の過冷却装置。
【請求項17】
過冷却装置を設置する冷凍庫は、断熱容器内に冷気を取り込む開口部が一の側壁部と一の側壁部に対向する他の側壁部に設けてあり、被冷却体を出し入れする取り出し口が一の側壁部と他の側壁部との間の正面部に設けてあり、断熱容器の取り出し口を冷凍庫のドア側に向けて配置してあることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の過冷却装置。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の過冷却装置と、リーチインタイプの冷凍庫とを備えることを特徴とする冷凍装置。
【請求項19】
冷凍庫と、冷凍庫内に設置する断熱容器を有する過冷却装置とを備え、過冷却装置は、冷凍庫内の冷気を断熱容器内に取り込み、温度コントローラが断熱容器内に設けたヒーター及びファンの少なくとも一方を制御し、又は断熱容器の開口部の開閉を制御して断熱容器内を過冷却温度帯域に維持し、
過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、
前記断熱容器は被冷却体を出し入れする取り出し口を有し、被冷却体を出し入れする取り出し口の周囲には、前記ドアの裏面に密着する気密材が設けてあることを特徴とする過冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料入り容器等の被過冷却体を過冷却温度帯域に維持する過冷却装置、その過冷却装置を有する冷凍装置及び過冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、過冷却温度帯域に冷却した飲料入り容器(被過冷却体)を開封して、飲料を容器に注いだり、開封の際に圧力が抜けるなどして飲料に衝撃が付与されることにより、飲料がシャーベット状になることが知られている。
かかる被過冷却体を過冷却温度帯域に冷却する技術として、特許文献1には、冷蔵庫(過冷却装置)に過冷却室を設けて、冷却手段(蒸発器や圧縮機等)からの冷気をファンにより過冷却室に送風すると共に過冷却室内に設けたヒーターにより加温して過冷却室内を過冷却温度帯域にすることで、過冷却室に配置した過冷却用容器を過冷却温度帯域に維持することが開示されている。尚、この特許文献1の技術では、過冷却用容器は伝熱性の容器であり、容器内に被過冷却体を収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−164273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、冷却手段と、ファンと、ヒーターとを制御して、過冷却室を過冷却温度帯域に維持しており、過冷却装置には冷却手段が必須であった。
この為、過冷却装置の構成は大掛りで高価になると共に大きな設置スペースが必要になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、蒸発器や圧縮機等の専用の冷却手段を持つことなく、簡易な構成で安価であり且つ設置スペースも少なくて済みながら、被過冷却体を過冷却温度帯域に維持することができる過冷却装置、その過冷却装置を備える冷凍装置及び過冷却方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内の温度を制御する温度制御手段とを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度制御手段により、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置である。
温度制御手段は、例えば、ヒーターやファンであり、ヒーターにより断熱容器内の冷気を加温したり、ファンを駆動して断熱容器内の冷気の対流を促進して冷却を高めたりすることで断熱容器内の温度を制御する。また、温度制御手段は、断熱容器の開口部を開閉したり、断熱容器内に冷凍庫内の冷気よりも高い温度の外気を導入して断熱容器内を温度制御するものであっても良い。
【0007】
請求項2に記載された発明は、被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を加温するヒーターと、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を循環するファンと、断熱容器内の温度を検知する温度センサと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてヒーター及びファンの少なくとも一方を制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置である。
【0008】
請求項3に記載された発明は、被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を循環するファンと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてファンを制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置である。
【0009】
請求項4に記載された発明は、被過冷却体を収納する断熱容器と、断熱容器内に設けて断熱容器内の冷気を加温するヒーターと、断熱容器内の温度を検知する温度センサと、断熱容器内の温度を制御する温度コントローラとを備え、冷凍庫内に設置される過冷却装置であって、断熱容器は冷凍庫内の冷気を取り込む開口部を有し、断熱容器内に取込んだ冷凍庫の冷気で断熱容器内を冷却すると共に、温度コントローラは温度センサによる検知温度に基づいてヒーターを制御することにより、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却装置である。
【0010】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずか一項に記載の発明において、断熱容器は内部に被過冷却体を載置する載置板を有し、載置板には複数の通気孔が形成されており、載置板と断熱容器の底部との間に、温度制御手段又は、ファン及びヒーターの少なくとも一方、が配置してあることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載の発明において、載置板と断熱容器の底部との間に配置した温度制御手段又は、ファン及びヒーターの少なくとも一方は、断熱容器の一側部に配置してあることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、過冷却装置を設置する冷凍庫は、天面を開口して天面の開口から冷凍する製品を出し入れするオープンケースタイプであり、断熱容器の冷気を取り込む開口部は天面に設けてあり、断熱容器の開口部は冷凍庫の開口よりも下方に配置することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、断熱容器内に冷気を取り込む1個以上の開口部が側壁部及び天壁部の少なくとも一方に設けてあり、被冷却体を出し入れする取り出し口が正面部に設けてあり、断熱容器の取り出し口を冷凍庫のドア側に向けて配置してあることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、過冷却装置を設置する冷凍庫は、冷凍庫の正面を開閉するドアを備えるリーチインタイプであり、断熱容器内に冷気を取り込む開口部が一の側壁部と一の側壁部に対向する他の側壁部に設けてあり、被冷却体を出し入れする取り出し口が一の側壁部と他の側壁部との間の正面部に設けてあり、断熱容器の取り出し口を冷凍庫のドア側に向けて配置してあることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載された発明は、請求項8又は9に記載の発明において、過冷却装置の前記取り出し口の周囲には、冷凍庫の前記ドアの裏面に密着する気密材が設けてあることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載された発明は、請求項7に記載の過冷却装置と、オープンケースタイプの冷凍庫とを備えることを特徴とする冷凍装置である。
【0017】
請求項12に記載された発明は、請求項8〜10のいずれか一項に記載の過冷却装置と、リーチインタイプの冷凍庫とを備えることを特徴とする冷凍装置である。
【0018】
請求項13に記載された発明は、冷凍庫と、冷凍庫内に設置する断熱容器を有する過冷却装置とを備え、過冷却装置は、冷凍庫内の冷気を断熱容器内に取り込み、温度コントローラが断熱容器内に設けたヒーター及びファンの少なくとも一方を制御し、又は断熱容器の開口部の開閉を制御して断熱容器内を過冷却温度帯域に維持することを特徴とする過冷却方法である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜4、13のいずれか一項に記載の発明によれば、過冷却装置を既設の冷凍装置の冷凍庫に配置し、断熱容器内の開口部から断熱容器内に取り込んだ冷凍庫の冷気を利用して断熱容器内を冷却すると共に断熱容器内を冷凍庫内の冷気よりも高い温度の過冷却温度帯域に制御して維持する。
したがって、本発明にかかる過冷却装置は、既設の冷凍装置の冷却手段を利用しているので、専用の冷却手段を持たないから、簡易な構成で安価であり且つ設置スペースも少なくて済みながら、被過冷却体を過冷却温度帯域に維持することができる。
断熱容器内を既設の冷凍庫内よりも高い温度の過冷却温度帯域に維持しているが、断熱容器により、既設の冷凍庫内に収納している冷凍品等に温度差による影響を与えることがない。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれ一項に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、断熱容器内では、被過冷却体を載置する載置板の下に、温度制御手段、ヒーターやファンを配置しているので、被過冷却体の収納スペースを広くできると共に、温度制御手段、ファンやヒーターが被過冷却体の収納の邪魔にならない。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、断熱容器の一側部に温度制御手段、ヒーターやファンを設けることにより温度調整した冷気を、断熱容器内全体に亘って対流でき、断熱容器内全体に亘る温度管理が容易にできる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、オープンケースタイプの冷凍庫内に、冷凍庫の天面の開口から過冷却装置を設置するだけで、断熱容器内を過冷却温度帯域にすることができる。
また、断熱容器の天面に開口を形成するだけであるから構成が簡易であると共に、冷凍庫内にある冷凍品と同様にして、冷気を取り込む開口から被過冷却体を出し入れできる。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜6に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、リーチインタイプの冷凍庫において、冷凍庫のドアを開いたときに冷凍品と同様に取り出し口から被過冷却体の取り出しができ、利便性が良い。
冷気を取り込む開口部は、側壁部及び天壁部の少なくとも一方に1個以上設けているので、簡単な構成で、冷凍庫内の冷気を断熱容器内全体に取り込みできる。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1〜6に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、リーチインタイプの冷凍庫において、冷凍庫のドアを開いたときに冷凍品と同様に取り出し口から被過冷却体の取り出しができ、利便性が良い。
冷気を取り込む開口部は、一の側壁部とこれに対向する他の側壁部に設けているので、一の側壁部のみに開口部を設ける場合に比較して断熱容器内全体に冷気の取り込みを促すことができ、断熱容器内を早期に過冷却温度帯域に設定できる。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、請求項8又は9に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、冷凍庫のドアを閉じているときには、断熱容器の取り出し口を気密材とドアとで密閉するので、断熱容器内で過冷却温度帯域にある冷気を保持しやすい。
【0026】
請求項11に記載の発明によれば、請求項7に記載の作用効果を奏する冷凍装置を提供できる。
【0027】
請求項12に記載の発明によれば、請求項8〜10のいずれか一項に記載の作用効果を奏する冷凍装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1実施の形態にかかる過冷却装置の斜視図である。
【
図3】
図1に示す過冷却装置をオープンケースタイプの冷凍庫に収納した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施の形態にかかる過冷却装置の制御を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施の形態にかかる過冷却装置の斜視図である。
【
図7】
図5に示す過冷却装置をリーチインタイプの冷凍庫に収納した状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第3実施の形態にかかる過冷却装置の斜視図である。
【
図9】本発明の第4実施の形態にかかる過冷却装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、まず、
図1〜
図4を参照して、本発明の第1実施の形態を詳細に説明する。
本発明にかかる過冷却装置1は、既設の冷凍装置2に設置するものである。第1実施の形態では、
図3に示すように、既設の冷凍装置2は、オープンケースタイプの冷凍庫3を有する冷凍装置である。オープンケースタイプの冷凍庫3とは、商業店舗等においてアイスクリーム等の冷凍菓子や冷凍食品(冷凍製品)を収納して販売するものであり、天面が開口5した冷凍庫であり、天面の開口5から商品を出し入れするものである。このオープンケースタイプの冷凍庫3では、四周の内壁面上部に冷気噴出し孔7が設けてあり、冷凍庫3内に冷気を噴出して開口5に冷気によるエアーカーテンを形成している。
本実施の形態では、オープンケースタイプの冷凍庫3には、各種の冷凍製品を収納する収納籠9が種類毎に分けて配置してあり、収納籠9に変えて一箇所に過冷却装置1を配置すると共に過冷却装置1は、冷気噴出し口7よりも下方に設置してある。
【0030】
過冷却装置1は、
図1に示すように、被過冷却体11を収納する断熱容器13と、ヒーター15と、ファン17と、温度センサ19と、温度コントローラ21とを備えている。第1実施の形態では、ヒーター15と、ファン17と、温度センサ19と、温度コントローラ21とで温度制御手段を構成している。
被過冷却体11は、飲料入り樹脂製ボトルや瓶であり、飲料は炭酸飲料やお茶系飲料等の清涼飲料、ビール、チュウハイ等のアルコール含有飲料である。
断熱容器13は、略四角筒形状であり、側面を囲む側壁13a、13b、13c、13dと、底壁13eとを備え、天面に開口部23が形成されている。断熱容器13の側壁13a、13b、13c、13d及び底壁13eは、発泡樹脂材等の断熱樹脂製である。開口部23は、断熱容器13内に被過冷却体11を出し入れする開口としてあると共に冷凍庫3内の冷気を取り込む開口として作用する。断熱容器13の左側壁13aには、その内側に温度センサ19が設けてある。この温度センサ19は、断熱容器13内の温度を検知すると共に検知した温度を表示する。
断熱容器13内には、被過冷却体11を載置する載置板25が底壁13eとの間に間隔をあけて設けてある。載置板25には、通気孔が形成されており、本実施の形態では、メッシュプレートである。
断熱容器13の底壁13eと載置板25との間の空間には、上述したヒーター15とファン17と温度コントローラ21とが設けてある。ヒーター15はプレート状の電気ヒーターである。ファン17は平面視四角形を成す底壁13eの角部付近に配置してあり、温度センサ19はファン17が配置された底壁13eの角部と対角にある角部付近に設けてある。
【0031】
図4に示すように、温度コントローラ21は、ヒーター15、ファン17、及び温度センサ19に接続してあり、温度センサ19で検知した温度が、予めプログラムされた過冷却温度帯域を維持するようにヒーター15及びファン17を制御している。過冷却温度帯域は、被過冷却体11の種類によっても異なるが、例えば、0℃から−20℃未満であり、被過冷却体11に所定の衝撃を与えると液体が固体に変化する温度帯域である。一般的には、清涼飲料やビール、チュウハイ等の低アルコール濃度飲料の場合で−4℃〜−9℃、日本酒程度のアルコール度数のアルコール飲料の場合で−12℃〜−15℃である。ただし、飲料に含まれる糖分、アルコール、炭酸ガスの濃度等の組み合わせに基づく飲料の物性によって過冷却温度帯域は異なる。尚、冷凍庫3内の冷気の温度は、−20℃〜−30℃である。
また、被過冷却体11が目標とする過冷却温度帯域に到達するまでの時間は、例えば被過冷却体11の初期温度が室温(約20℃)の場合には約8時間、被過冷却体11の初期温度が4℃の場合には約4時間である。
【0032】
次に、第1実施の形態にかかる過冷却装置1の作用及び効果について説明する。
図2及び
図3に示すように、既設の冷凍庫3内に過冷却装置1を配置し、図示していない電源に過冷却装置1の電気配線を接続する。
過冷却装置1の断熱容器13には、冷凍庫3の冷気噴出し孔7から噴出される冷気又は冷凍庫3内に滞留する冷気が開口部23から断熱容器13内に取り込まれる。尚、断熱容器13内には被過冷却体11が収納されるが、被過冷却体11は予め4℃程度に冷却してあるものを収納することが望ましい。
【0033】
図2に示すように、断熱容器13内では、温度コントローラ21の制御によりファン17が駆動し、断熱容器13内に冷気を循環させると共に断熱容器13内が過冷却温度帯域に到達すると更にヒーター15を駆動して過冷却温度帯域を維持する。
断熱容器13内では、
図2中に矢印Sで示すように、温度の低い冷気ほど、密度が増して下方に位置するが、下方ではヒーター15により冷気が加温された後、ファン17の送風により、上方に向けて吹き上げる。吹き上げられた冷気は、冷凍庫3の開口5付近に形成された冷気のエアーカーテンにより押えられ、断熱容器13の開口部23から噴出すのを防止する。これにより、
図2に矢印で示すように、断熱容器13内を加温されつつ冷気が循環されて、断熱容器13内で過冷却温度帯域内の温度に維持される。
【0034】
第1実施の形態によれば、過冷却装置1を既設冷凍装置2の冷凍庫3内に配置するだけで、冷凍庫3にはほとんど手を加えることなく、被過冷却体11を過冷却温度帯域に維持することができる。
過冷却装置1は、既設冷凍装置2の冷凍庫3の冷気を開口部23から断熱容器13内に取り込んで、冷凍庫3の冷気を断熱容器13内の冷却に利用しているので、専用の冷却手段が不要であるから、構成が簡易で安価であり且つ設置スペースが少なくて済む。
断熱容器13内を冷凍庫3よりも高い温度の過冷却温度帯域に維持しているが、断熱容器13により、冷凍庫3内に収納している冷凍品等に温度差による影響を与えることがない。
オープンケースタイプの冷凍庫3内に、冷凍庫3の天面の開口5から過冷却装置1を冷凍庫3内に配置するだけであるから、設置が容易である。
また、断熱容器13は天面に開口部23を形成しているので、冷凍庫3内にある冷凍品と同様に被過冷却体11を出し入れできる。
【0035】
断熱容器13内では、冷気は温度が低い程重くなり、下方に停滞するから、温度の低い冷気からヒーター15により加温してファン17により上方に送風することにより効率的に加温できる。
断熱容器13内では、載置板25と底壁13eとの間にヒーター15及びファン17を配置しているので、被冷却体11の収納スペースを広くできると共にファン17やヒーター15が邪魔になり難い。
ファン17は断熱容器13の角部に設けて断熱容器13の一側部から加温した冷気を吹き上げることで、断熱容器13内全体に亘って加温した冷気を対流でき、断熱容器13内全体に亘る温度管理が容易にできる。
【0036】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述の第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符合を付することにより、その部分の説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図5〜
図7を参照して、本発明の第2実施の形態を説明する。
図7に示すように、第2の実施の形態では、既設の冷蔵装置2の冷凍庫3は、リーチインタイプの冷凍庫である。リーチインタイプの冷凍庫3は、正面に開口を閉じるドア27が設けてあり、ドア27を開いて、各棚29に収納されている冷凍品を取り出すものである。
【0037】
図5及び
図6に示すように、第2実施の形態にかかる過冷却装置1では、断熱容器13は、天壁13fを有すると共に左右の側壁13a、13b及び裏面の側壁13dが設けてあり、正面に、被過冷却体11の取り出し口30が形成されている。
取り出し口30の周囲には、周囲全体に亘って気密材31が取り付けてある。
左右の側壁13a、13bには、各々開口部23が形成されている。左側壁13aの開口部23は左側壁13aの正面側に形成してあり、右側壁13bの開口部23は左側壁13aの開口部23よりも裏面側に設けてある。
【0038】
この第2実施の形態では、
図7に示すように、過冷却装置1は、冷凍庫3の棚29に設置してドア27を閉じる。ドア27を締めた状態では、
図6に示すように、断熱容器13の取り出し口30は気密材31がドア27のガラスに密着して蓋がされる。
図5に示すように、冷凍庫3内の冷気は、左右の側壁13a、13bに各々設けた開口部23から断熱容器13内に取り込まれる。
図6に示すように、ドア27を閉じた状態では、断熱容器13内の温度を被過冷却温度帯域に制御する場合、ヒーター15及びファン17の駆動により、断熱容器13内の冷気は、矢印Sで示すように、断熱容器13内を循環する。即ち、ヒーター15により加温された冷気は、ファン17で上方に吹き上げられ、天壁13fで押さえられて断熱容器13内を循環し、断熱容器13内全体を被過冷却温度帯域の温度に維持する。
【0039】
第2実施の形態によれば、第1実施の形態と同様に、過冷却装置1を既設冷凍装置2の冷凍庫3内に配置するだけで、冷凍庫3にはほとんど手を加えることなく、被過冷却体11を過冷却温度帯域に維持することができる。
過冷却装置1は、既設冷凍装置2の冷凍庫3の冷気を開口部23から断熱容器13内に取り込んで、冷凍庫3の冷気を断熱容器13内の冷却に利用しているので、専用の冷却手段が不要であるから構成が簡易で且つ設置スペースが少なくて済む。
断熱容器13内を冷凍庫3内の温度よりも高い温度の過冷却温度帯域に維持しているが、断熱容器13により、冷凍庫3内に収納している冷凍品等に温度差による影響を与えることがない。
【0040】
更に、第2実施の形態によれば、リーチインタイプの冷凍庫3において、冷凍庫3のドア27を開いたときに断熱容器13の取り出し口30から被過冷却体11の取り出しができ、利便性が良い。
冷気を取り込む開口部23は、左側壁13aとこれに対向する右側壁13bに設けているので、一方の側壁13a又は13bにのみ設ける場合に比較して、断熱容器13内全体に冷気の取り込みを促すことができ、断熱容器内を早期に過冷却温度帯域に設定できる。
冷凍庫3のドア27を閉じているときには、断熱容器13の取り出し口30を気密材31とドア27とで密閉するので、断熱容器13内で過冷却温度帯域にある冷気を保持しやすい。
【0041】
図8を参照して、本発明の第3実施の形態を説明する。この第3の実施の形態では、第2実施の形態と同様に、既設の冷蔵装置2の冷凍庫3は、リーチインタイプの冷凍庫である。
図8に示すように、第3実施の形態にかかる過冷却装置1では、ファン17と、温度センサ19と、温度コントローラ21とで温度制御手段を構成しており、ヒーター15が無いことが第2実施の形態と異なっている。
この第3実施の形態では、温度コントローラ21は、温度センサ19の検知温度に基づいてファン17の駆動を制御しており、例えば、断熱容器13内の温度が過冷却温度帯域よりも高い場合には、ファン17の駆動を高めて断熱容器13内の対流を促進し、これによる断熱容器13内と冷凍庫3内との温度差に基づく冷気の入れ替えを図り、断熱容器13内の温度が過冷却温度帯域に到達したときに、ファン17の駆動を停止する。
特に、第3実施の形態では、
図8に示すように、ファン17は、右側壁13bに設けた開口部23の近傍の下側に配置して上方に向けて送風することにより、開口部23近傍が減圧になるので、右側壁13bから冷凍庫内の冷気の取り込みを促進することができる。この場合、断熱容器13内の冷気は、左側壁13aの開口部23から排出される。
そして、ファン17の駆動を小さくしたり、停止することにより、冷凍庫内の冷気の取り込みを低減することができ、断熱容器13内の温度を過冷却温度帯域に維持することができる。
【0042】
この第3実施の形態によれば、第2実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、温度制御手段は、ファン17の制御により、断熱容器13内を過冷却温度帯域に維持することができるので、第2実施の形態に比較して、温度制御手段を、簡易な構成で簡単な制御にすることができる。
【0043】
図9を参照して、本発明の第4実施の形態を説明する。この第4の実施の形態では、第2実施の形態と同様に、既設の冷蔵装置2の冷凍庫3は、リーチインタイプの冷凍庫である。
図9に示すように、第4実施の形態では、ヒーター15と、温度センサ19と、温度コントローラ21とで温度制御手段を構成しており、ファン17が無いことが第2実施の形態と異なっている。
この第4実施の形態では、断熱容器13内は冷凍庫内の冷気を開口部23から取り込んでおり、断熱容器13内の温度が過冷却温度帯域よりも低くなったとき又は、過冷却温度帯域の中でも低い温度域になったときに、温度コントローラ21は、ヒーター15を駆動して、断熱容器13内の冷気を加温する。加温した冷気は上昇し、自然対流により断熱容器13内の冷気を撹拌し、断熱容器13内を過冷却温度帯域に維持する。
【0044】
この第4実施の形態によれば、第2実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、温度制御手段は、ヒーター15の制御により、断熱容器13内を過冷却温度帯域に維持することができるので、第2実施の形態に比較して、温度制御手段を、簡易な構成で簡単な制御にすることができる。
【0045】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、第1実施の形態において、断熱容器13の天面の開口部23には、開閉可能な蓋を設けて、第2実施の形態と同様に、左右の側壁13a、13bに開口部23を形成するものであっても良い。また、第2実施の形態において、断熱容器13の取り出し口30に気密材30を設けないで、取り出し口30を開閉する蓋を設けても良い。
第1及び第2実施の形態において、ファン17は常時一定の駆動をし、温度コントローラー21は、温度センサ19の検知温度に基づいてヒーター15のみの駆動を制御するものであっても良い。
第2〜第4実施の形態において、開口部23は、左右側壁13a、13bと裏面の側壁13d、天壁13fのいずれの壁に設けるものであっても良いし、開口部23を複数設ける場合、異なる壁に設けても、同じ壁に設けても良い。
断熱容器13は、樹脂材製にすることに限らず、樹脂材を金属材で被覆したものでも良いし、断熱性を有するものであれば、特に制限されない。
冷凍庫は、商業用のオープンケースタイプ(第1実施の形態)のものやリーチインタイプ(第2実施の形態)のものに限らず、家庭用冷蔵庫に設けてある引き出しタイプの冷凍庫やドアを開閉する冷凍庫に配置しても良い。
載置板25はメッシュ材に限らず、多数の孔をあけた板材であっても良い。
請求項1に記載の温度制御手段は、ヒーター15及びファン17との組み合わせやこれらのいずれか一方のほかに、開口部23を開閉するシャッタを設けて温度コントローラ21でシャッタの開閉を制御することで開口部23からの冷気の取り込みを制御したり、冷凍庫外の室内空気等を導入する構成にすると共に温度コントローラ21で室内空気等の導入を制御することで、断熱容器内の温度を過冷却温度帯域に維持しても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 過冷却装置
3 冷凍庫
11 被過冷却体
13 断熱容器
13a 左側壁(一の側壁部)
13b 右側壁(他の側壁部)
13e 底壁
15 ヒーター
17 ファン
19 温度センサ
21 温度コントローラ
23 開口部
25 載置板
27 ドア
30 取り出し口
31 気密材