特許第6150640号(P6150640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社佐藤型鋼製作所の特許一覧

<>
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000002
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000003
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000004
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000005
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000006
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000007
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000008
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000009
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000010
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000011
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000012
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000013
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000014
  • 特許6150640-太陽光発電パネル用架台 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150640
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】太陽光発電パネル用架台
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20140101AFI20170612BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20170612BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20170612BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   H02S20/23 Z
   H02S20/10 M
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-146445(P2013-146445)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-31710(P2014-31710A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2016年4月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-157404(P2012-157404)
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594062260
【氏名又は名称】株式会社佐藤型鋼製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092875
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 孝治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公章
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−052346(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3175077(JP,U)
【文献】 特公昭50−038634(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0073219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04D 13/18
H02S 20/00−20/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に段違い状態で配置された平行に並ぶ第1の金属製角形筒と、該第1の金属製角形筒に対して直交し且つその上面に太陽光発電パネルが取り付けられる第2の金属製角形筒とからな、前記第1の金属製角形筒と前記第2の金属製角形筒との間に、前記第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を介設してなる太陽光発電パネル用架台であって、前記傾斜姿勢保持手段を、前記第1の金属製角形筒に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒における両側面を抱持する一対の抱持片を有する断面コ字状の結合具と、該結合具の内底面に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒の下面に当接されて前記第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持具とによって構成したことを特徴とする太陽光発電パネル用架台
【請求項2】
前記第1の金属製角形筒を、高さの異なる金属製角形筒からなる支持柱を介して支持したことを特徴とする請求項1記載の太陽光発電パネル用架台。
【請求項3】
前記第1および第2の金属製角形筒および支持柱を、所定の幅に切断された金属板をその両端がコーナの一点において接するように四角筒状に折曲して構成された中空な金属板四角筒によって構成するとともに、前記金属板の一方の端部に、前記金属板角形筒の内側に折曲され、さらにその先端部が外側に向かって折曲されてなる逆J字状折曲部を設け且つ前記金属板の他方の端部に、内側に逆U字状折曲部が設けて、両者を連続して嵌合圧着せしめて水平方向に連続するコーナ型接続部として成形したことを特徴とする請求項1または2記載の太陽光発電パネル用架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、太陽光発電パネル用架台に関し、さらに詳しくは太陽光発電パネルを強固に取り付けるための架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、火力発電に代わり、省資源化が可能なクリーンなエネルギーとして太陽光発電の開発・改良が進められ、積極的に広く導入されるようになっている。太陽光発電の設備(即ち、太陽光発電パネル)は、一般的に平らな面または建物の屋上、住宅の屋根上に設置されている。通常、太陽光発電パネルは、太陽の光を効率的に受光することができるように、太陽光発電パネル取付架台を使用して、所定の傾斜角度で支持するようになっている。
【0003】
太陽光発電パネルは、その特性上屋外に設置されるので、いろいろな方向からの風を受けることとなり、パネルに対して上向きの風圧力が働いたり、下向きの風圧力が働いたりする。従って、太陽光発電パネルに傾斜を持たせた姿勢で、強風による風荷重に耐えるように強固に取り付ける架台が必要とされている。
【0004】
これらの要求を満たすために、通常、強い強度の鋼材(例えば、C型鋼)を用いて、太陽光発電パネル設置用の傾斜面を備えた架台を組み立て、柱部分、梁部分を、アンカー、ボルト・ナットを使用して組み上げたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−101123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に開示されている太陽光発電パネル用架台の場合、建築材料のような鋼材(例えば、C型鋼)を使用するので、重量が過度に大きくなり、移動に多大な労力を要するとともに、敷設時に床面に加わる負荷が大きくなるという問題点がある。
【0007】
ところで、近年、C形鋼に代えて角形鋼(例えば、コーナ部で両端をかしめた角形鋼)が多用されるようになってきている。この角形鋼は、C形鋼に比べて軽量であって捩れに対して強く、閉鎖断面なので強度が飛躍的に高まるし、軽量化や精度(例えば、平坦度)、コスト面でも有利となる。
【0008】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、軽量であって、台風等の高い風圧が掛かっても十分な耐久性を保持することのできる太陽光発電パネル用架台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、上下方向に段違い状態で配置された平行に並ぶ第1の金属製角形筒と、該第1の金属製角形筒に対して直交し且つその上面に太陽光発電パネルが取り付けられる第2の金属製角形筒とからな、前記第1の金属製角形筒と前記第2の金属製角形筒との間に、前記第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を介設してなる太陽光発電パネル用架台であって、前記傾斜姿勢保持手段を、前記第1の金属製角形筒に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒における両側面を抱持する一対の抱持片を有する断面コ字状の結合具と、該結合具の内底面に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒の下面に当接されて前記第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持具とによって構成している。
【0010】
本願発明の第1の手段では、上記のように構成したことにより、まず段違い状態で平行に並ぶ第1の金属製角形筒に対して第2の金属製角形筒を直交して取り付け且つ第1の金属製角形筒と第2の金属製角形筒との間に、該第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を介設するだけで、太陽光発電パネルが取り付けられる第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を所望の傾斜角度に保持することができることとなり、簡単な構成で太陽光発電パネル用架台を組み立てることができる。
【0011】
しかも、軽量で剛性の高い第1および第2の金属製角形筒を組み合わせることにより、太陽光発電パネル用架台を組み立てることができることとなり、台風等の高い風圧が掛かっても十分な耐久性を保持することができる。
【0012】
また本願発明の第1の手段では、さらに、前記傾斜姿勢保持手段を、前記第1の金属製角形筒に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒における両側面を抱持する一対の抱持片を有する断面コ字状の結合具と、該結合具の内底面に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒の下面に当接されて前記第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持具とによって構成しており、その結果、結合具と傾斜姿勢保持具とからなる簡単な構成で第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を構成することができる。
【0013】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第の手段として、上記第1の手段を備えた太陽光発電パネル用架台において、前記第1の金属製角形筒を、高さの異なる金属製角形筒からなる支持柱を介して支持するようにしており、その結果、太陽光発電パネルの設置高さを自由に選択することが可能となる。
【0014】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第の手段として、上記第1または2の手段を備えた太陽光発電パネル用架台において、前記第1および第2の金属製角形筒および支持柱を、所定の幅に切断された金属板をその両端がコーナの一点において接するように四角筒状に折曲して構成された中空な金属板四角筒によって構成するとともに、前記金属板の一方の端部に、前記金属板角形筒の内側に折曲され、さらにその先端部が外側に向かって折曲されてなる逆J字状折曲部を設け且つ前記金属板の他方の端部に、内側に逆U字状折曲部を設けて、両者を連続して嵌合圧着せしめて水平方向に連続するコーナ型接続部として成形しており、その結果、太陽光発電パネル用架台を構成する第1および第2の金属製角形筒および支持柱の剛性を大幅に強化することができる。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の第1の手段によれば、まず上下方向に段違い状態で配置された平行に並ぶ第1の金属製角形筒と、該第1の金属製角形筒に対して直交し且つその上面に太陽光発電パネルが取り付けられる第2の金属製角形筒とからなる太陽光発電パネル用架台において、前記第1の金属製角形筒と前記第2の金属製角形筒との間に、該第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を介設して、段違い状態で平行に並ぶ第1の金属製角形筒に対して第2の金属製角形筒を直交して取り付け且つ第1の金属製角形筒と第2の金属製角形筒との間に、該第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を介設するだけで、太陽光発電パネルが取り付けられる第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を所望の傾斜角度に保持することができるようにしたので、簡単な構成で太陽光発電パネル用架台を組み立てることができるという効果がある。
【0016】
しかも、軽量で剛性の高い第1および第2の金属製角形筒を組み合わせることにより、太陽光発電パネル用架台を組み立てることができるので、台風等の高い風圧が掛かっても十分な耐久性を保持することができるという効果ある。
【0017】
また、本願発明の第1の手段では、そのように構成した場合において、前記傾斜姿勢保持手段を、前記第1の金属製角形筒に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒における両側面を抱持する一対の抱持片を有する断面コ字状の結合具と、該結合具の内底面に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒の下面に当接されて前記第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持具とによって構成しており、結合具と傾斜姿勢保持具とからなる簡単な構成で第2の金属製角形筒の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段を構成することができる。
【0018】
本願発明の第2の手段では、上記第1の手段を備えた太陽光発電パネル用架台において、前記第1の金属製角形筒を、高さの異なる金属製角形筒からなる支持柱を介して支持しており、太陽光発電パネルの設置高さを自由に選択することが可能となる。
【0019】
本願発明の第の手段におけるように、上記第1または2の手段を備えた太陽光発電パネル用架台において、前記第1および第2の金属製角形筒を、所定の幅に切断された金属板をその両端がコーナの一点において接するように四角筒状に折曲して構成された中空な金属板四角筒によって構成するとともに、前記金属板の一方の端部に、前記金属板角形筒の内側に折曲され、さらにその先端部が外側に向かって折曲されてなる逆J字状折曲部を設け且つ前記金属板の他方の端部に、内側に逆U字状折曲部を設けて、両者を連続して嵌合圧着せしめて水平方向に連続するコーナ型接続部として成形しており、太陽光発電パネル用架台を構成する第1および第2の金属製角形筒および支持柱の剛性を大幅に強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台の組付状態(太陽光発電パネルを除く)を示す斜視図である。
図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台の要部を示す拡大断面図である。
図3】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台を構成する第1および第2の金属製角形筒を示す斜視図である。
図4】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台において用いられる傾斜姿勢保持手段を構成する結合具の拡大斜視図である。
図5】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台において用いられる傾斜姿勢保持手段を構成する傾斜姿勢保持具の拡大斜視図である。
図6】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台において第1の金属製角形筒を固定するための固定具の拡大斜視図である。
図7】本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台において用いられる傾斜姿勢保持手段と第1の金属製角形筒とを結合するための連結具を示す拡大斜視図である。
図8】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台の組付状態(太陽光発電パネルを除く)を示す斜視図である。
図9】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台における支持柱の変形例を示す斜視図である。
図10】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台における支持板の斜視図である。
図11】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台における支持柱の上端に被嵌される蓋部材の斜視図である。
図12】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台における支持柱の上端部の構造を示す部分斜視図である。
図13】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台における支持柱の上端部と第1および第2の金属製角形筒との結合構造の例を示す斜視図である。
図14】本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの実施の形態について説明する。
【0022】
第1の実施の形態
図1ないし図7には、本願発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台が示されている。
【0023】
この太陽光発電パネル用架台Xは、太陽光発電パネルP(図2参照)を取り付けるために建物の屋上等に設置されるものであり、建物の屋上等において高さの異なる支持台1,1および2,2に対して後述するL字形状の固定具3,3および4,4を介して固定された上下方向に段違い状態で配置された平行に並ぶ第1の金属製角形筒5,5と、該第1の金属製角形筒5,5に対して直交し且つその上面に太陽光発電パネルP(図2参照)が取り付けられる第2の金属製角形筒6,6とからなっている。前記固定具3,4における垂直辺3a,4aおよび水平片3b,4bには、図6に示すように、固定具3,4を第1の金属製角形筒5の側面に対して固定するためのボルト7を挿通させるためのルーズ穴8および固定金具3,4を前記支持台1,2に取り付けるためのボルト9を挿通させるためのルーズ穴10がそれぞれ形成されている。この場合、前記支持台1,1および2,2は、建物の屋上等に設置されるコンクリート製の台とされている。
【0024】
前記第1および第2の金属製角形筒5,6は、図3に示すように、所定の幅に切断された金属板をその両端がコーナの一点において接するように四角筒状に折曲して構成された中空な金属板四角筒によって構成されている。前記金属板の一方の端部には、前記金属板角形筒の内側に折曲され、さらにその先端部が外側に向かって折曲されてなる逆J字状折曲部a が設けられ、前記金属板の他方の端部には、内側に逆U字状折曲部bが設けられており、両者を連続して嵌合圧着せしめて水平方向に連続するコーナ型接続部cとして成形されている。そして、該コーナ型接続部cにおける逆U宇状折曲部bの基端から内側に向かってコの字状に突出するリブdが水平方向に連続して形成されている。このように構成したことにより、コーナ型接続部cの外れをリブdにより防止できるとともに金属製角形筒の剛性強化も図れる。図3において、符号11は第1および第2の金属製角形筒5,6の側面に形成されたボルト7あるいはホルト17を挿通するための横長形状のルーズ穴である。
【0025】
ところで、太陽光発電パネルPは、太陽の光を効率的に受光することができるように、太陽光発電パネル用架台Xを用いて所定の傾斜角度で支持される必要がある。そこで、本実施の形態においては、図2に示すように、前記第1の金属製角形筒5,5と前記第2の金属製角形筒6,6との間には、該第2の金属製角形筒6,6の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持手段12が介設されることとなっている。
【0026】
前記傾斜姿勢保持手段12は、図2に示すように、前記第1の金属製角形筒5に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒6における両側面6a,6aを抱持する一対の抱持片13a,13aを有する断面コ字状の結合具13と、該結合具13の内底面に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒6の下面に当接されて該第2の金属製角形筒6の傾斜姿勢を保持する傾斜姿勢保持具14とによって構成されている。
【0027】
前記結合具13は、図4に示すように、前記第2の金属製角形筒6における両側面6a,6aを抱持する一対の抱持片13a,13aを有しており、これらの抱持片13a,13aには、その中央部において該結合具13を第2の金属製角形筒6の両側面6a,6aに対して固定するボルト17を挿通するための縦長のルーズ穴15.15が形成されている。そして、該ルーズ穴15,15を囲む位置には、ボルト14の頭およびボルト14の端部に螺着されるナットを位置させるための膨らみ部16が形成されている。該膨らみ部16は、前記抱持片13a,13aを補強する役目も果たしている。図4において、符号18は、抱持片13a,13aを前記第2の金属製角形筒6の両側面6a,6bに対して固定するためのビス18a(図2参照)を挿通するビス穴である。
【0028】
前記傾斜姿勢保持具14は、図5に示すように、前記結合具13の内底面に取り付けられ、前記第2の金属製角形筒6の下面に当接されて該第2の金属製角形筒6の傾斜姿勢を保持するものであり、前記第2の金属製角形筒6の下面に当接される矩形形状の当接面14aと、該当接面14aの両端から一体に垂設された高さの異なるL字形状の脚部14b,14cとからなっている。つまり、脚部14b,14cを前記結合具13の内底面にビス19を用いて固定することにより、当接面14aが所定の傾斜角となるようになっているのである。なお、傾斜姿勢保持具14における当接面14aの幅寸法および脚部14b,14cの端部間の寸法は、前記結合具13の底面の幅寸法および長さ寸法と等しくされている。図5において、符号20は前記ビス19を挿通するためのビス穴である。また、前記ビス19に代えてボルトを用いることもある。
【0029】
前記傾斜姿勢保持手段12と前記第1の金属製角形筒5とは、後述する連結具21を介して結合されている。
【0030】
該連結具21は、図7に示すように、第1の金属製角形筒5の両側面にボルト7およびビス22を介して取り付けられる鉛直部21aと、該鉛直部21aの上端から水平方向に一体に延設され且つ前記結合具13の下面に対して取り付けられる水平部21bとからなる逆L字状の部材からなっており、前記水平部21bの端部には、前記傾斜姿勢保持具14における脚部14b,14cと前記結合具13の底面端部とを共に挟み込む折り返し部21cが一体に延設されている。該折り返し部21cは、前記ビス19により前記傾斜姿勢保持具14の脚部14b,14cと前記結合具13の底面とを共締め固定することとなっている。図7において、符号23はボルト7を挿通するためのルーズ穴、24,25はビス19,22を挿通するためのビス穴である。このようにすると、傾斜姿勢保持具14を結合具13の底面にズレることなく強固に取り付けることが可能となる。
【0031】
上記実施の形態においては、一方の第2の金属製角形筒6と第1の金属製角形筒5との結合部と、第1の金属製角形筒5と支持台1,2との結合部とは上下方向に同位置となっているが、他方の第2の金属製角形筒6と第1の金属製角形筒5との結合部と第1の金属製角形筒5と支持台1,2との結合部とは上下方向に異なった位置となっている。従って、上記固定具3,4の一方側における垂直片3a,4aと上記連結具21の垂直部21a,21aとは、ボルト7により共締め状態とされている。
【0032】
ついで、本実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台Xの組立手順について説明する。
【0033】
まず、建物の屋上等に設置された支持台1,2上に第1の金属製角形筒5,5を段違い状態で平行に取り付け、ついで、第1の金属製角形筒5,5に対して直交する第2の金属製角形筒6,6を取り付けるのであるが、このとき、第1の金属製角形筒5,5と第2の金属製角形筒6,6との間に第2の金属製角形筒6,6を所定の傾斜角度に保持するための傾斜姿勢保持手段12,12・・が介設される。
【0034】
即ち、結合具13内に傾斜姿勢保持具14を配置した状態で、傾斜姿勢保持具14における脚部14b,14cと結合具13の底面端部とを連結具21の折り返し部21c,21cによって挟持し且つビス19,19によって共締めする。この状態の傾斜姿勢保持手段12を、連結具21の鉛直部21aを第1の金属製角形筒5の側面に対してビス22およびボルト7で固定し且つ結合具13の抱持片13aを第2の金属製角形筒6の側面に対して固定する。すると、太陽光発電パネルPが取り付けられる第2の金属製角形筒6,6が太陽光の受光に最適な傾斜姿勢で強固に取り付けられる。
【0035】
第2の実施の形態
図8ないし図14には、本願発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電パネル用架台が示されている。
【0036】
この場合、前記支持台1,2は、図8に示すように、同じ高さのコンクリート台1a,2aと、該コンクリート台1a,2a上に直立姿勢で立設された高さの異なる金属製角形筒からなる支持柱1b,2bとからなっている。符号1c,2cは、コンクリート台1a,2a上に設置された金属製の支持板であり、該支持板1c,2c上には、前記支持柱1b,2bが立設されている。そして、前記支持柱1b,2bは、図9に示す断面正方形形状のものでもよいが、本実施の形態の場合、断面長方形形状の2本の支持柱1b1,2b1とされており、前記支持板1c,2c上には、前記2本の支持柱1b1,2b1の下端間に挿入される板部材1c1,2c1が溶接により立設されている(図10参照)。符号1c2,2c2は、板部材1c1,2c1の中央部にそれぞれ形成されたボルト挿通用のルーズ穴である。
【0037】
また、前記支持柱1b,2bの上端には、図11に示すように、断面コ字状の蓋部材1d,2dが被嵌されており、該蓋部材1d,2dの上面中央には、前記金属製角形筒1b1,2b1の上端間に挿入される蓋部材1d1,2d1がそれぞれ溶接により垂設されている。符号1d2,2d2は前記蓋部材1d,2dの側面にそれぞれ形成されたボルト挿通用のルーズ穴である。そして、前記板部材1d1,2d1の上面には、前記第1および第2の金属製角形筒5,6を挟持するための一対の固定具3,3および4,4が立設されている(図12参照)。本実施の形態においては、前記固定具3,4には、前記第1および第2の金属製角形筒5,6を固定するための3個のボルト挿通用のルーズ穴15a,15b,15cが形成されており、該ルーズ穴15a,15b,15cのうち左右のルーズ穴15a,15cは、図13に示すように、長さの長い第1の金属製角形筒5を形成する際において所定長さの金属製角形筒5.5を繋ぐ箇所において金属製角形筒5,5を固定するために使用される。
【0038】
ところで、本実施の形態においては、前記支持板1c,2cと前記第1および第2の金属製角形筒5.6との間には、金属製角形筒からなる斜め補強部材26,26が介設されている。このようにすると、太陽光パネル用架台Xがより強固になり、風圧、地震、積雪等の荷重の負荷が掛かっても、十分に耐えることができる。
【0039】
また、本実施の形態において使用される支持柱1b,2bおよび斜め補強部材26は、第1の実施の形態における金属製角形筒5,6と同様な構成とされている。このようにすると、成形時に4面にルーズ穴や丸穴を正確にあけることができるので、成形後の穴あけ作業や設置場所での穴あけ作業が不要となり、穴あけコストが別途必要にならない。
【0040】
さらに、本実施の形態においては、コンクリート台1a,2aの両方に支持柱1b,2bを立設するようにしているが、図14に示すように、支持柱1bの高さを低くできるような場合には、支持柱2bを省略して、コンクリート台2a上に第1の金属製角形筒5を直接取り付けるようにする場合もある。なお、この場合には、コンクリート台2a上に第1の金属製角形筒5が直接取り付けられた側においては、斜め補強部材は省略されることとなる。
【0041】
その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので、説明を省略する。
【0042】
本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1,2は支持台
1a,2aはコンクリート台
1b,2bは支持柱
5は第1の金属製角形筒
6は第2の金属製角形筒
12は傾斜姿勢保持手段
13は結合具
14は傾斜姿勢保持具
Pは太陽光発電パネル
Xは太陽光発電パネル用架台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14