(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転伝達部は、前記入力回転によって回転される入力軸と、第1方向への回転のみを伝達するワンウェイクラッチを介して前記入力軸に取着される第1入力歯車と、第1方向とは反対方向である第2方向への回転のみを伝達するワンウェイクラッチを介して前記入力軸に取着される第2入力歯車と、
第1及び第2入力歯車の回転を前記駆動軸の回転方向の回転に変換する伝達歯車を備える、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。以下の説明中においては、プリーツスクリーンは、適宜、「遮蔽装置」と読み替えることができる。
【0013】
1.第1実施形態
図1〜
図2に示す本発明の第1実施形態のプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1からスクリーン4が吊下支持され、スクリーン4の下端にボトムレール5が取着されている。スクリーン4は、生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものである。
【0014】
ヘッドボックス1とボトムレール5の間には、スクリーン4の折り目のピッチを保持するためのピッチ保持コード39が設けられている。ピッチ保持コード39には、環状の保持部57が等間隔に多数設けられており、この保持部57をスクリーン4に挿通させた後、ボトムレール5を昇降させるための昇降コード7を保持部57に挿通させることによって、保持部57がスクリーン4から抜けることを防ぎ、これによってスクリーン4のピッチ保持を可能としている。ピッチ保持コード39と昇降コード7は、スクリーン4を挟んで互いに反対側に配置されている。
【0015】
ボトムレール5には、ピッチ保持コード39を保持するピッチ保持コード保持部材56と、昇降コード7を保持する昇降コード保持部材55が取着される。ピッチ保持コード39及び昇降コード7は、これらの保持部材によって、ボトムレール5に取着される。
【0016】
昇降コード7の上端は、巻取軸10に取着される。巻取軸10は、駆動軸12と共に回転する。ヘッドボックス1の一端には、操作コード13、操作プーリー11及び伝達クラッチ21を備える操作部ユニット23が設けられている。操作コード13は、操作プーリー11に掛装されており、操作コード13の両端には、操作コード13が操作プーリー11から抜けることを防ぐ係止部材14a,14bが設けられている。係止部材14a,14bは、操作コード13を操作する際に握ることによって、操作コード13を操作しやすくするという効果も有する。なお、操作コード13は、無端状(ループ状)のものであってもよいが、安全性を高めるために、本実施形態のように有端状のものが好ましい。
【0017】
伝達クラッチ21は、
図10に示すように、操作プーリー11側に入力部21aを備え、駆動軸12側に出力部21bを備えており、入力部21aに加わった回転は出力部21bに伝達するが、出力部21bに加わった回転は入力部21aに伝達しないように構成されている。伝達クラッチ21の出力部21bは、断面非円形の軸であり、連結部22に設けられた断面非円形の嵌合孔22aに挿入されて出力部21bが連結部22と一体回転する。駆動軸12は、連結部22と一体になっているので、連結部22と一体回転する。伝達クラッチ21の入力部21aは、断面非円形の嵌合孔であり、後述する変換歯車33の断面非円形の出力軸33fが挿入されることによって、出力軸33fの回転が伝達クラッチ21に入力される。
【0018】
図10に示すように、変換歯車33は、入力軸33aに入力された矢印Q方向及び矢印P方向の回転の両方を出力軸33fの矢印A方向の回転に変換する。つまり、入力軸33aをどちらの方向に回転させても出力軸33fは矢印A方向に回転する。
【0019】
以下、変換歯車33の詳細について説明する。
図10に示すように、入力軸33aには図示しないワンウェイクラッチを介して斜歯歯車33b,33cが取着されている。ワンウェイクラッチの作用により、斜歯歯車33bには、矢印P方向の回転のみが伝達され、斜歯歯車33cには、矢印Q方向の回転のみが伝達される。従って、入力軸33aを矢印P方向に回転させると、斜歯歯車33bのみが矢印P方向に回転して、斜歯歯車33cは空転する。一方、入力軸33aを矢印Q方向に回転させると、斜歯歯車33cのみが矢印Q方向回転して、斜歯歯車33bは空転する。
【0020】
斜歯歯車33bには斜歯歯車33dが咬み合っており、斜歯歯車33bが矢印P方向に回転すると、それに伴って斜歯歯車33dが矢印B方向に回転し、斜歯歯車33dと一体に形成されている平歯車33gも矢印B方向に回転する。
【0021】
斜歯歯車33cには斜歯歯車33eが咬み合っており、斜歯歯車33cが矢印Q方向に回転すると、それに伴って斜歯歯車33eが矢印B方向に回転し、斜歯歯車33eと一体に形成されている平歯車33hも矢印B方向に回転する。
【0022】
このように、斜歯歯車33bとこれに噛み合う斜歯歯車33dの歯車の螺旋形状の方向は、斜歯歯車33cとこれに噛み合う斜歯歯車33eとは反対になっているため、斜歯歯車33bの回転方向と、斜歯歯車33cの回転方向が反対であるにも関わらず、斜歯歯車33dと斜歯歯車33eは、どちらも矢印B方向に回転し、この回転に伴って、平歯車33g及び平歯車33hも、どちらも矢印B方向に回転する。
【0023】
平歯車33gが矢印B方向に回転すると、これと噛み合う平歯車33kは、矢印A方向に回転する。出力軸33fは、平歯車33kと一体に形成されているので、出力軸33fも矢印A方向に回転する。この出力軸33fの回転が伝達クラッチ21の入力部21aに入力される。
【0024】
ところで、平歯車33kは、平歯車33hにも噛み合っているので、平歯車33kが矢印A方向に回転すると、平歯車33hは矢印B方向に回転し、この回転に伴って、斜歯歯車33eも矢印B方向に回転する。
【0025】
斜歯歯車33eが矢印B方向に回転すると斜歯歯車33cが矢印Q方向に回転する。斜歯歯車33cは、入力軸33aの矢印Q方向の回転のみを伝達するワンウェイクラッチを介して入力軸33aに取着されているので、斜歯歯車33cの矢印Q方向の回転は、入力軸33aには伝達されない。なぜなら、斜歯歯車33cの矢印Q方向の回転は、入力軸33aの矢印P方向の回転と相対回転方向が同じであるからである。従って、平歯車33kの回転が平歯車33hによって阻害されることがない。
【0026】
平歯車33hが矢印B方向に回転した場合も、これと噛み合う平歯車33kは、矢印A方向に回転する。この回転によって平歯車33gが矢印B方向に回転され、この回転は、斜歯歯車33dを介して斜歯歯車33bに伝達され、斜歯歯車33bを矢印P方向に回転させる。斜歯歯車33bは、入力軸33aの矢印P方向の回転のみを伝達するワンウェイクラッチを介して入力軸33aに取着されているので、斜歯歯車33bの矢印P方向の回転は、入力軸33aには伝達されない。従って、平歯車33kの回転が平歯車33gによって阻害されることがない。
以上のように、入力軸33aを矢印Q方向及び矢印P方向のどちらに回転させた場合でも、出力軸33fは、矢印A方向に回転する。なお、ワンウェイクラッチが伝達する回転の方向を逆にした場合、出力軸33fの回転方向も逆になる。
【0027】
図11に示すように、歯車ケース32には、支軸32a,32bが設けられており、平歯車33g,33hに設けられた支持孔33i,33jに支軸32a,32bが挿入され、平歯車33g,33hは、支軸32a,32bを中心に回転する。歯車ケース32には挿通孔32cも設けられており、出力軸33fは、挿通孔32cを通じて伝達クラッチ21の入力部21a内に挿入される。また、伝達クラッチ21も歯車ケース32に固定される。
【0028】
図8〜
図9に示すように、入力軸33aは、操作プーリー11の係合孔11eに挿入される。入力軸33a及び係合孔11eは、何れも断面非円形であり、操作プーリー11と入力軸33aは、一体回転する。操作プーリー11には、操作コード13が掛装されている。操作コード13は、コード13c上に多数のボール13dが等間隔に配置されたものである。ボール14dが操作プーリー11の外周上に設けられた凹凸部11dに係合しており、操作コード13の第1部分13a又は第2部分13bを引き下げたときに操作コード13に加わる張力が操作プーリー11の回転力に変換される。なお、操作コード13は、ボール14dを有さないものであってもよく、この場合、操作コード13と操作プーリーの間の摩擦力によって操作コード13に加わる張力が操作プーリー11の回転力に変換される。操作コード13の第1部分13aを引き下げると入力軸33aが矢印Q方向に回転し、操作コード13の第2部分13bを引き下げると入力軸33aが矢印P方向に回転し、どちらの場合でも、出力軸33fは、矢印A方向に回転する。
【0029】
図11の状態から、変換歯車33及び伝達クラッチ21を歯車ケース32に取り付け、伝達クラッチ21を覆うようにクラッチケース31を取り付けた状態を
図7に示す。クラッチケース31は、歯車ケース32側のベース31aと、ベース31aよりも幅が狭く且つヘッドボックス1の長手方向に延びる突出部31bを備える。突出部31bは、上面に開口を有する断面が「コ」の字状のヘッドボックス1の幅方向の端面からヘッドボックス1に係合可能な形状に形成されている。
【0030】
図7の状態から、変換歯車33の露出部分を覆うサイドケース37と、サイドケース37の側面を覆うサイドキャップ35を取り付けた状態を
図4〜
図6に示す。歯車ケース32及びサイドケース37は、操作プーリー11を支持するプーリーサポート34を取り付けるためのプーリーサポート取付部32a,37aを備える。プーリーサポート34は、ベース34aと、ベース34aから垂下される支持壁34bと、支持壁34bからヘッドボックス1側に向かって突出する支持筒34cを備える。操作プーリー11は、支持筒34cが挿入される円形状の支持孔11bを備える。支持筒34cを支持孔11bに挿入した状態で、ベース34aをプーリーサポート取付部32a,37aに取り付けることによって、操作プーリー11は、支持筒34cによって支持された状態で回転可能になっている。
【0031】
次に、操作コード13の使用方法について説明する。
図1の状態から、操作プーリー11から垂下される操作コード13の第1部分13aを引き下げると、
図3(a)に示すように、操作プーリー11が矢印P方向に回転する。この回転は、変換歯車33によって矢印A方向の回転に変換されて、伝達クラッチ21を介して駆動軸12を矢印A方向に回転させる。操作コード13の第1部分13aを引き下げると、その分だけ、操作コード13の第2部分13bが上昇して、
図3(a)の状態になる。次に、
図3(a)の状態から、操作コード13の第2部分13bを引き下げると、操作プーリー11が矢印Q方向に回転する。操作部ユニット23内の変換歯車は、矢印Q方向の回転も矢印A方向の回転に変換するように構成されているので、第2部分13bを引き下げた場合にも、駆動軸12は矢印A方向に回転する。操作コード13の第2部分13bを引き下げると、その分だけ、操作コード13の第1部分13aが上昇して、
図3(b)の状態になる。次に、
図3(b)の状態から操作コード13の第1部分13aを引き下げると、同様の作用によって、駆動軸12は矢印A方向に回転し、操作コード13は
図3(a)の状態になる。このように、操作コード13の第1部分13aと第2部分13bのどちらを引き下げた場合でも(つまり、操作プーリー11を矢印Pと矢印Qのどちらの方向に回転させた場合でも)、駆動軸12は矢印A方向に回転する。従って、操作コード13の第1部分13aと第2部分13bを交互に引き下げる動作を繰り返すことによって、駆動軸12を同一方向(矢印A方向)に回転させることができる。本実施形態では、矢印A方向は、昇降コード7を巻取軸10に巻き取ることによってボトムレール5を上昇させる方向であるので、操作コード13の第1部分13aと第2部分13bを交互に引き下げる動作を繰り返すことによって、ボトムレール5を上昇させることができる。
【0032】
駆動軸12は、ヘッドボックス1の中間部においてストッパ装置24に挿通されている。このストッパ装置24は、ボトムレール5の引き上げ操作の後に操作コード13を手放したとき、駆動軸12の回転を停止させてボトムレール5の自重降下を防止する。
【0033】
ここで、
図13〜
図14を用いて、本実施形態では、ストッパ装置24は、回転式ハートカムストッパであり、以下、その動作について説明する。
【0034】
図13に示すように、ストッパ装置24は、ストッパドラム94と、ストッパドラム94の周囲に配設されるストッパケース95と、その間に配置されるストッパボール96とを備える。ストッパドラム94の外周面には、
図14に示す外周面形状で且つ断面半円状のストッパ案内溝98が設けられている。ストッパケース95の内周面には、駆動軸12に沿う方向に延び且つ断面半円状のスライド溝97が設けられている。ストッパボール96は、ストッパ案内溝98とスライド溝97の間に配置される。従って、ストッパボール96は、駆動軸12に沿った方向にのみ移動可能であり、ストッパドラム94が回転されると、ストッパボール96は、ストッパ案内溝98に沿ってストッパドラム94の外周面上を相対的に周回しながら、スライド溝97に沿って移動する。
【0035】
ストッパ案内溝98の構成を
図14に示す展開図に従って説明する。
図14において、ストッパドラム94がボトムレール5の引き上げ方向(
図1の矢印A方向)に回転されると、ストッパボール96はストッパ案内溝98上を相対的に
図14の矢印C方向に移動する。
【0036】
また、ストッパドラム94がスクリーン4の引き下げ方向に回転されると、ストッパボール96はストッパ案内溝98上を相対的に矢印D方向に移動する。
【0037】
ストッパドラム94の外周面一側には引き下げ溝99が形成される。引き下げ溝99には、矢印C方向に分岐する第一の戻り溝50が連通し、第一の戻り溝50は引き上げ溝51に対し矢印C方向に合流している。
【0038】
引き上げ溝51には、矢印D方向に分岐するストップ溝52が連通し、ストップ溝52は矢印D方向には係止部53で行き止まりとなり、矢印C方向に延びる第二の戻り溝54を経て、引き下げ溝99に合流している。
【0039】
このように構成されたストッパ装置24では、操作コード13の操作に基づいて、伝達クラッチ21を介して駆動軸12がスクリーン4の引き上げ方向に回転されると、ストッパボール96は引き上げ溝51内を矢印C方向に移動する。
【0040】
スクリーン4を所望位置まで引き上げた後、操作コード13を手放すと、スクリーン4の重量により、昇降コード7が巻き戻されて、駆動軸12を介してストッパドラム94が回転され、ストッパボール96が引き上げ溝51内を矢印D方向に移動する。
【0041】
すると、ストッパボール96は係止部53に係合して、ストッパドラム94のそれ以上の回転が阻止される。従って、この状態ではスクリーン4の自重降下が阻止される。
【0042】
次いで、スクリーン4を下降操作する場合には、操作コード13を操作してスクリーン4を僅かに引き上げれば、ストッパボール96は係止部53から第二の戻り溝54を経て引き下げ溝99内に案内される。
【0043】
すると、ストッパボール96は引き下げ溝99内を矢印D方向に周回可能となるので、操作コード13を手放せば、スクリーン4の自重による下降操作が可能となる。
【0044】
また、ストッパボール96が係止部53に係合している状態から、さらにスクリーン4を引き上げる場合には、操作コード13をスクリーン4の引き上げ方向に操作する。
【0045】
すると、ストッパボール96は係止部53から第二の戻り溝54を経て引き下げ溝99内に案内され、さらに第一の戻り溝50を経て引き上げ溝51内に案内される。従って、操作コード13によるスクリーン4の引き上げ操作が可能となる。
【0046】
図1に示すように、ストッパ装置24の側方において、駆動軸12は、ガバナ装置36に挿通されている。ガバナ装置36は、駆動軸12の回転を停止させることなく駆動軸12の回転速度を所定値以下に抑制して、ボトムレール5の自重降下時の下降速度を所定速度以下に抑制する。
【0047】
ここで、このプリーツスクリーンの動作を説明する。
操作コード13の第1部分13aと第2部分13bを交互に引き下げる動作を繰り返すと、操作プーリー11が
図3の矢印P方向と矢印Q方向に交互に回転する。操作プーリー11の矢印P方向と矢印Q方向の回転は、どちらも、操作部ユニット23内の変換歯車33によって
図3の矢印A方向の回転に変換されて、伝達クラッチ21の入力部21aを矢印A方向に回転させる。
【0048】
伝達クラッチ21の入力部21aに加わった回転は、伝達クラッチ21の出力部21bに伝達されるので、出力部21bが矢印A方向に回転され、その回転が連結部22を介して駆動軸12に伝達されて、駆動軸12が回転される。駆動軸12の回転によって、ヘッドボックス1内でサポート部材8に回転可能に支持された巻取軸10が
図1の矢印Aの方向に回転し、昇降コード7が螺旋状に巻き取られて、昇降コード7の先端に取着されたボトムレール5が上昇する。
【0049】
この状態で操作コード13から手を離すと、ストッパ装置24が作動してボトムレール5の自重降下が防止される。この状態で、操作コード13の第1部分13a又は第2部分13bを少し引き下げた後に手を離すと、ストッパ装置24の自重降下防止動作が解除されて、巻取軸10から昇降コード7が巻き戻されて、ボトムレール5が降下する。
【0050】
2.第2実施形態
本実施形態のプリーツスクリーンは、第1実施形態に類似しており、操作コード13の第1部分13a及び第2部分13bを交互に引き下げることによってボトムレール5を上昇させることができるという点では共通している。一方、本実施形態は、操作部ユニット23の構成が第1実施形態とは異なっている。以下、差異点を中心に説明する。
【0051】
図19〜
図22に示すように、操作プーリー11には、操作コード13が掛装されており、操作コード13の第1部分13aを引き下げた際に操作プーリー11に加えられる矢印P方向の回転と、操作コード13の第2部分13bを引き下げた際に操作プーリー11に加えられる矢印Q方向の回転は、どちらも、変換歯車2によって
図20に示す矢印A方向の回転に変換される。
【0052】
変換歯車2は、入力軸2aを備える。入力軸2aは、操作プーリー11と一体に回転するように操作プーリー11に取着されている。
【0053】
入力軸2aには、図示しないワンウェイクラッチを介して平歯車2f,2gが取着されている。ワンウェイクラッチの作用により、平歯車2fには、矢印Q方向の回転のみが伝達され、平歯車2gには、矢印P方向の回転のみが伝達される。
【0054】
図19に示す状態で、操作プーリー11を矢印P方向に回転させると、その回転は、入力軸2aを通じて平歯車2gに伝達され、平歯車2gが矢印P方向に回転される。一方、操作プーリー11を矢印Q方向に回転させると、その回転は、入力軸2aを通じて平歯車2fに伝達され、平歯車2fが矢印Q方向に回転される。
【0055】
平歯車2gは、平歯車2iと噛み合っており、平歯車2gが矢印P方向に回転すると、それに伴って平歯車2iが矢印Q方向に回転し、平歯車2iと一体に形成されているかさ歯車2mも矢印Q方向に回転する。かさ歯車2mが矢印Q方向に回転すると、これと噛み合うかさ歯車2nは、矢印A方向に回転する。出力軸2qは、かさ歯車2nと一体に形成されているので、出力軸2qも矢印A方向に回転する。この出力軸2qの回転が、第1実施形態の
図10と同様に、伝達クラッチ21の入力部21aに入力される。なお、かさ歯車2mは、かさ歯車2oとも噛み合っており、かさ歯車2mの矢印Q方向の回転に伴って、かさ歯車2oは、
図22の矢印B方向に回転する。
【0056】
一方、
図19〜
図21に示すように、平歯車2fは、平歯車2hと噛み合っており、平歯車2fが矢印Q方向に回転すると、それに伴って平歯車2hが矢印P方向に回転し、平歯車2hと一体に形成されているかさ歯車2lも矢印P方向に回転する。かさ歯車2lが矢印P方向に回転すると、これと噛み合うかさ歯車2n及び出力軸2qは、矢印A方向に回転する。なお、かさ歯車2lは、かさ歯車2oとも噛み合っており、かさ歯車2lの矢印P方向の回転に伴って、かさ歯車2oは、
図22の矢印B方向に回転する。
【0057】
かさ歯車2mの矢印Q方向の回転に伴って、かさ歯車2n,2oは、それぞれ、
図22の矢印A、矢印B方向に回転し、その結果、かさ歯車2lが矢印P方向に回転し、それに伴って、平歯車2hが矢印P方向に回転する。
【0058】
平歯車2hが矢印P方向に回転すると平歯車2fが矢印Q方向に回転する。平歯車2fは、入力軸2aの矢印Q方向の回転のみを伝達するワンウェイクラッチを介して入力軸2aに取着されているので、平歯車2fの矢印Q方向の回転は、入力軸2aには伝達されない。なぜなら、平歯車2fの矢印Q方向の回転は、入力軸2aの矢印P方向の回転と相対回転方向が同じであるからである。従って、かさ歯車2nの回転がかさ歯車2lによって阻害されることがない。
【0059】
また、かさ歯車2lの矢印P方向の回転に伴って、かさ歯車2n,2oは、それぞれ、
図22の矢印A、矢印B方向に回転し、その結果、かさ歯車2mが矢印Q方向に回転する。この回転は、上記と同様の理由により、入力軸2aには伝達されないので、かさ歯車2nの回転がかさ歯車2mによって阻害されることがない。
【0060】
以上のように、操作プーリー11を矢印Q方向及び矢印P方向のどちらに回転させた場合でも、出力軸2qは、矢印A方向に回転する。
【0061】
図15〜
図18に示すように、変換歯車2は、第1及び第2歯車ケース63,64を組み合わせて構成される歯車ケース内に収容されている。第1及び第2歯車ケース63,64は、部屋外側に設けられた連結板62によって連結されている。第1及び第2歯車ケース63,64は、操作プーリー11を支持するプーリーサポート34を取り付けるためのプーリーサポート取付部63a,64aを備える。プーリーサポート34は、ベース34aと、ベース34aから垂下される支持壁34bと、支持壁34bからヘッドボックス1側に向かって突出する支持筒34cを備える。操作プーリー11は、支持筒34cが挿入される円形状の支持孔11bを備える。支持筒34cを支持孔11bに挿入した状態で、ベース34aをプーリーサポート取付部63a,64aに取り付けることによって、操作プーリー11は、支持筒34cによって支持された状態で回転可能になっている。
【0062】
図17に示すように、第1歯車ケース63は、半円状の切欠部63b,63c,63d,63eと、円形の支持孔63fを備える。
図18に示すように、第1歯車ケース64は、半円状の切欠部64b,64c,64d,64eと、円形の挿通孔64fを備える。第1入力軸2aは、切欠部63b,64bが合わさった円形の挿通孔に挿入される。第2入力軸2cの支軸2eは、切欠部63c,64cが合わさった円形の支持孔で回転可能に支持される。平歯車2iの支軸2kは、切欠部63d,64dが合わさった円形の支持孔で回転可能に支持される。平歯車2hの支軸2jは、切欠部63e,64eが合わさった円形の支持孔で回転可能に支持される。かさ歯車2oの支軸2pは、支持孔63fで回転可能に支持される。出力軸2qは、挿通孔64fに挿通される。
【0063】
3.その他実施形態
本発明は、駆動軸の回転によって遮蔽材を開閉させる遮蔽材駆動装置において、双方向の入力回転が可能な操作側回転体と、前記操作側回転体の双方向の入力回転を一方向のみの回転として前記駆動軸に出力する回転伝達部とを備える構成を特徴としており、このような構成が採用可能な種々の遮蔽装置に適用可能である。
遮蔽装置としては、プリーツスクリーン、横型ブラインド、たくし上げカーテン、ロールスクリーンのように垂直方向に開閉されるものや、縦型ブラインド、カーテンレールに取り付けられるカーテン、間仕切りのように水平方向に開閉されるものが挙げられる。
遮蔽材を開閉させる機構としては、プリーツスクリーン、横型ブラインド、たくし上げカーテンのように、巻取軸に対して昇降コードの巻取り及び巻戻しを行う機構であってもよく、ロールスクリーンのように巻取軸に対して遮蔽材の巻取り及び巻戻しを行う機構であってもよく、縦型ブラインドのように、駆動軸を回転させることによってハンガーレールに沿ってランナーを移動させる機構であってもよい。
【0064】
本発明による遮蔽装置では、通常は、ユーザーに操作によって遮蔽材を開方向と閉方向の一方に移動させ、重力を利用するか又はバネなどによる付勢力を利用して遮蔽材を開方向と閉方向の他方に自動で移動させる。この場合、非操作時に遮蔽材が自動で移動しないように遮蔽材の移動を停止させるストッパ装置を設け、ユーザーの操作によってストッパ装置の作動を解除できるように構成することが好ましい。
【0065】
上記実施形態では、駆動軸の一方向回転によって遮蔽材を上昇させ、ストッパ装置の作動を解除することによって遮蔽材を自重により自動降下させているが、駆動軸の一方向回転によって遮蔽材を下降させ、ストッパ装置の作動を解除することによって遮蔽材を自動上昇させてもよい。遮蔽材を自動上昇させる方法としては、ロールスクリーンのように、巻取スプリングで常時巻き取り方向に付勢しておく方法が挙げられる。
【0066】
また、たて型ブラインド、カーテンレール、間仕切り等については、先頭ランナーや框等を自動移動させる方法としては、ハンガーレールを傾斜させたり、別途錘やバネを設けてその付勢力を利用したりする方法が挙げられる。このようなオートクローズ又はオートオープン方式のたて型ブラインド、カーテンレール、間仕切り等では、ユーザーに操作によって遮蔽材を開方向と閉方向の一方に移動させ、ユーザーがストッパ装置の作動を解除することによって、遮蔽材を開方向と閉方向の他方に移動させることができる。
【0067】
操作側回転体を回転させる方式としては、上記実施形態のように操作コードを操作することによって操作プーリーを回転させ、その回転を変換歯車の入力軸に入力する方式に限定されず、クランクハンドル、操作ポール、操作ダイヤル、マグネットローラ(複層内蔵ブラインドの場合のガラスを介する操作装置)により操作側回転体を双方向に回転させる方式であってもよい。また、米国特許5476132号では、螺旋棒にワンウェイベアリングを介して操作具を取り付け、操作具を一方向移動させることによって螺旋棒を一方向回転させ、その回転を利用して遮蔽材の昇降を行っているが、この公報と同様の構成の螺旋棒と操作具とをワンウェイベアリングを介さずに係合させ、操作具の上昇時に螺旋棒を一方向回転させ、操作具の下降時に操作棒を他方向回転させることによって、操作側回転体を双方向に回転させる方式であってもよい。
【0068】
ストッパ装置の形式として、上記実施形態のような停止位置固定タイプだけでなく、自由位置停止タイプ(特開平5−179878号のようにクラッチスプリングを介したもの)であってもよい。
【0069】
上記実施形態では、操作プーリーに隣接した位置に、双方向回転を一方向回転に変化する回転伝達部を設けているが、回転伝達部を設ける位置はこのような位置に限定されず、操作プーリーを駆動軸に直結して、この駆動軸を双方向回転させ、この双方向回転を一方向回転に変換する回転伝達部を巻取軸に隣接した位置に配置してもよい。この場合、巻取軸を回転させる軸が、請求の範囲の「駆動軸」となる。また、回転伝達部は、巻取軸ごとに設けてもよい。