(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板に対するプロービングの際に弾性変形して先端部が当該基板を押圧するプローブ、当該プローブを支持すると共に前記プロービングの際に前記基板に先端面が当接する支持部、前記プローブの基端部に接触する電極が配設されて前記プロービングの際に当該基端部が当接する当接板、および前記支持部と前記当接板との間に配設されて前記プロービングの際に前記先端面によって前記基板を押圧する向きに前記支持部を付勢する付勢部を有する一対のプローブユニットを介して入出力する電気信号に基づいて当該基板を検査可能に構成された基板検査装置であって、
前記一対のプローブユニットにおける前記当接板を前記基板に向けて押圧して当該各プローブユニットを当該基板の一面側および他面側から当該基板に向けてそれぞれ移動させる一対の移動機構と、
前記一対の移動機構を制御する制御処理を実行する制御部と、
前記先端面が前記基板に当接している状態で当該基板に向けて前記当接板が移動させられたときに前記基板に作用する前記プローブからの押圧力および前記付勢部の付勢力によって前記基板に作用する前記先端面からの押圧力の合力を当該当接板の移動量で除算して得られる係数を記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、前記制御処理において、前記各プローブユニットのいずれか一方の前記先端面が前記基板に当接したときからの当該いずれか一方のプローブユニットにおける前記当接板の移動量と前記各プローブユニットの他方の前記先端面が前記基板に当接したときからの当該他方のプローブユニットにおける前記当接板の移動量との比率が、前記いずれか一方のプローブユニットにおける前記係数の逆数と前記他方のプローブユニットにおける前記係数の逆数との比率と同じ比率となるように前記各当接板の移動量を調整しつつ前記当接板を押圧させる基板検査装置。
前記当接板の移動量および前記各押圧力の合力を特定して当該押圧力の合力を当該移動量で除算して前記係数を算出する算出処理を実行すると共に、当該算出した係数を前記記憶部に記憶させる処理部を備えている請求項1記載の基板検査装置。
前記プローブユニットシステムは、前記一対のプローブユニットのいずれか一方における前記プローブのばね定数に対する当該各プローブユニットの他方における前記プローブのばね定数の比率と、前記いずれか一方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数に対する前記他方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数の比率とが同じ比率となるように当該各プローブユニットが構成されている請求項3記載の基板検査装置。
基板に対するプロービングの際に弾性変形して先端部が当該基板を押圧するプローブ、当該プローブを支持すると共に前記プロービングの際に前記基板に先端面が当接する支持部、前記プローブの基端部に接触する電極が配設されて前記プロービングの際に当該基端部が当接する当接板、および前記支持部と前記当接板との間に配設されて前記プロービングの際に前記先端面によって前記基板を押圧する向きに前記支持部を付勢する付勢部を有して、前記基板の一面および他面に対してそれぞれプロービングさせて行う基板の検査に用いられる一対のプローブユニットを備え、
前記一対のプローブユニットのいずれか一方における前記プローブのばね定数に対する当該各プローブユニットの他方における前記プローブのばね定数の比率と、前記いずれか一方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数に対する前記他方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数の比率とが同じ比率となるように当該各プローブユニットが構成されているプローブユニットシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のようなプローブユニット(検査治具)を用いて基板の検査を行う従来の基板検査装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この基板検査装置では、各プローブユニットの対向面が基板の下面および上面にそれぞれ当接したときから予め決められた移動距離だけプローブユニットを基板に向けて移動させて基板を押圧している。しかしながら、基板の下面と上面とでは、一般的に、プローブを接触させる接触ポイントの数が異なるため、下面用のプローブユニットと上面用のプローブユニットとでは、プローブの数が異なっている。このため、プローブユニットの全体としてのばね定数(付勢手段のばね定数や各プローブのばね定数を合成した合成ばね定数)が、下面用と上面用とで互いに異なっている。この結果、この基板検査装置では、各プローブユニットの対向面が基板に当接したときから同じ移動距離だけ各プローブユニットを基板の各面に向けて移動させたとしても、各プローブユニットが基板を押圧する押圧力が互いに異なる結果、押圧力が等しくなる位置(釣り合いの位置)まで基板が初期位置から移動することとなる。このように基板が初期位置から移動したときには、その後の処理(例えば、検査後の基板を取り出す処理)において支障を来すおそれがある。このため、基板の移動を回避しつつ基板の両面に対するプロービングが可能な技術の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、基板の両面にプローブユニットをそれぞれプロービングさせて行う検査における基板の移動を防止し得る基板検査装置およびプローブユニットシステムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の基板検査装置は、基板に対するプロービングの際に弾性変形して先端部が当該基板を押圧するプローブ、当該プローブを支持すると共に前記プロービングの際に前記基板に先端面が当接する支持部、前記プローブの基端部に接触する電極が配設されて前記プロービングの際に当該基端部が当接する当接板、および前記支持部と前記当接板との間に配設されて前記プロービングの際に前記先端面によって前記基板を押圧する向きに前記支持部を付勢する付勢部を有する一対のプローブユニットを介して入出力する電気信号に基づいて当該基板を検査可能に構成された基板検査装置であって、前記一対のプローブユニットにおける前記当接板を前記基板に向けて押圧して当該各プローブユニットを当該基板の一面側および他面側から当該基板に向けてそれぞれ移動させる一対の移動機構と、前記一対の移動機構を制御する制御処理を実行する制御部と、前記先端面が前記基板に当接している状態で当該基板に向けて前記当接板が移動させられたときに前記基板に作用する前記プローブからの押圧力および前記付勢部の付勢力によって前記基板に作用する前記先端面からの押圧力の合力を当該当接板の移動量で除算して得られる係数を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、前記制御処理において、前記各プローブユニットのいずれか一方の前記先端面が前記基板に当接したときからの当該いずれか一方のプローブユニットにおける前記当接板の移動量と前記各プローブユニットの他方の前記先端面が前記基板に当接したときからの当該他方のプローブユニットにおける前記当接板の移動量との比率が、前記いずれか一方のプローブユニットにおける前記係数の逆数と前記他方のプローブユニットにおける前記係数の逆数との比率と同じ比率となるように前記各当接板の移動量を調整しつつ前記当接板を押圧させる。
【0008】
また、請求項2記載の基板検査装置は、請求項1記載の基板検査装置において、前記当接板の移動量および前記各押圧力の合力を特定して当該押圧力の合力を当該移動量で除算して前記係数を算出する算出処理を実行すると共に、当該算出した係数を前記記憶部に記憶させる処理部を備えている。
【0009】
また、請求項3記載の基板検査装置は、請求項1または2記載の基板検査装置において、前記一対のプローブユニットで構成されるプローブユニットシステムを備えている。
【0010】
また、請求項4記載の基板検査装置は、請求項3記載の基板検査装置において、前記プローブユニットシステムは、前記一対のプローブユニットのいずれか一方における前記プローブのばね定数に対する当該各プローブユニットの他方における前記プローブのばね定数の比率と、前記いずれか一方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数に対する前記他方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数の比率とが同じ比率となるように当該各プローブユニットが構成されている。
【0011】
また、請求項5記載のプローブユニットシステムは、基板に対するプロービングの際に弾性変形して先端部が当該基板を押圧するプローブ、当該プローブを支持すると共に前記プロービングの際に前記基板に先端面が当接する支持部、前記プローブの基端部に接触する電極が配設されて前記プロービングの際に当該基端部が当接する当接板、および前記支持部と前記当接板との間に配設されて前記プロービングの際に前記先端面によって前記基板を押圧する向きに前記支持部を付勢する付勢部を有して、前記基板の一面および他面に対してそれぞれプロービングさせて行う基板の検査に用いられる一対のプローブユニットを備え、前記一対のプローブユニットのいずれか一方における前記プローブのばね定数に対する当該各プローブユニットの他方における前記プローブのばね定数の比率と、前記いずれか一方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数に対する前記他方のプローブユニットにおける前記付勢部のばね定数の比率とが同じ比率となるように当該各プローブユニットが構成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の基板検査装置では、制御部が、制御処理において、いずれか一方のプローブユニットにおける当接板の移動量と他方のプローブユニットにおける当接板の移動量との比率が、いずれか一方のプローブユニットにおける係数の逆数と他方のプローブユニットにおける係数の逆数との比率と同じ比率となるように各当接板の移動量を調整しつつ当接板を押圧させる。このため、この基板検査装置によれば、プロービングの際に各プローブユニットが基板を押圧する各押圧力を同じ大きさに維持することができる。したがって、この基板検査装置によれば、基板の一面および他面にプローブユニットをそれぞれプロービングさせて行う両面検査における基板の移動を確実に防止することができる結果、基板が移動することによってその後の処理(例えば、検査後の基板を取り出す処理)に支障を来す事態を確実に回避することができる。
【0013】
また、請求項2記載の基板検査装置では、処理部が、当接板の移動量および各押圧力の合力を特定して押圧力の合力を移動量で除算して係数を算出する算出処理を実行すると共に、算出した係数を記憶部に記憶させる。このため、この基板検査装置によれば、係数が予め特定されていないプローブユニットを用いる場合においても、基板の検査に先立ってプローブユニットの係数を算出することができる結果、検査対象の基板の種類に応じてプローブユニットを交換する必要がある場合においても、正確な係数をその場で算出して正確な制御処理を実行させることができる。
【0014】
また、請求項3記載の基板検査装置によれば、一対のプローブユニットで構成されるプローブユニットシステムを備えたことにより、係数が予め特定されている各プローブユニットでプローブユニットシステムを構成することで各プローブユニットの係数を記憶部に予め記憶させておくことができる。このため、この基板検査装置によれば、基板の検査に先立って係数を算出する工程を省略できる結果、検査の効率を十分に向上させることができる。
【0015】
また、請求項4記載の基板検査装置、および請求項5記載のプローブユニットでは、いずれか一方のプローブユニットにおけるプローブのばね定数に対する他方のプローブユニットにおけるプローブのばね定数の比率と、いずれか一方のプローブユニットにおける付勢部のばね定数に対する他方のプローブユニットにおける付勢部のばね定数の比率とが同じ比率となるように各プローブユニットが構成されている。このため、この基板検査装置およびプローブユニットシステムによれば、プロービングを行う過程で、各プローブの弾性力による押圧力だけが基板に作用する状態が発生したり、プロービングの際に各付勢部の付勢力による押圧力だけが基板に作用する状態が発生したりした場合においても、いずれか一方のプローブユニットにおける当接板の移動量と他方のプローブユニットにおける当接板の移動量との比率が、一方のプローブユニットの係数の逆数と他方のプローブユニットの係数の逆数との比率と同じ比率となるように各当接板の移動量を調整しつつ当接板を押圧させることで、各プローブの弾性力による押圧力および各付勢部の付勢力による押圧力の双方が基板に作用しているときと同様にして、各プローブユニットが基板を押圧する各押圧力を互いに同じ大きさとすることができる。したがって、この基板検査装置およびプローブユニットシステムによれば、両面検査における基板の移動をより確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、基板検査装置およびプローブユニットシステムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、基板検査装置の一例としての基板検査装置1の構成について説明する。
図1に示す基板検査装置1は、同図に示すように、一対のプローブユニット2a,2b(以下、区別しないときには「プローブユニット2」ともいう)、一対の移動機構3a,3b(以下、区別しないときには「移動機構3」ともいう)、基板保持部4、検査部5、記憶部6および処理部7を備えて、基板100を検査可能に構成されている。なお、一対のプローブユニット2a,2bによってプローブユニットシステムが構成される。
【0019】
プローブユニット2は、
図2に示すように、複数のプローブ10、支持部11、当接板12および複数(この例では、2つ)の付勢部13を備えて構成されている。なお、同図および後述する
図3では、一部のプローブ10のみを図示している。
【0020】
プローブ10は、
図3に示すように、基板100を検査する際に基板100の下面101a(一面)または上面101b(他面:以下、下面101aおよび上面101bを区別しないときには「表面101」ともいう)に先端部10aをプロービング(接触)させて電気信号の入出力を行う際に用いられる。この場合、プローブ10は、同図に示すように、当接板12の移動によって湾曲させられたときに弾性力を生じさせて、その弾性力によって基板100の表面101を押圧する。
【0021】
また、プローブ10は、導電性を有する金属材料(例えば、ベリリウム銅合金、SKH(高速度工具鋼)およびタングステン鋼など)によって弾性変形可能な断面円形の棒状に形成されている(
図2参照)。また、プローブ10の中間部10b(同図参照)の周面には、絶縁性を有するコーティング材料(一例として、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリイミドなど)で形成された絶縁層が形成されている。このため、プローブ10は、中間部10bが先端部10a(同図参照)および基端部10c(同図参照)よりも大径に形成されている。
【0022】
支持部11は、
図2に示すように、支持孔21aが形成された板状の先端側支持部11aと、支持孔21bが形成されて先端側支持部11aに対して平行に配置された板状の基端側支持部11bと、先端側支持部11aおよび基端側支持部11bを連結する一対の連結部11cとを備えて、これらが一体に形成されている。支持孔21aは、直径がプローブ10の先端部10aの直径よりもやや大径で、かつプローブ10の中間部10bの直径よりもやや小径に形成されて、中間部10bを挿通させずに、先端部10aのみを挿通させることが可能となっている。また、支持孔21bは、支持孔21aと同じ直径に形成されて、プローブ10の中間部10bを挿通させずに、基端部10cのみを挿通させることが可能となっている。
【0023】
また、支持部11は、支持孔21aの開口面の中心と支持孔21bの開口面の中心とが先端側支持部11aおよび基端側支持部11bに直交する直線に対して傾斜する仮想直線上に位置するように構成されている。この支持部11では、
図2に示すように、支持孔21aに挿通されたプローブ10の先端部10a側を先端側支持部11aが支持すると共に、支持孔21bに挿通されたプローブ10の基端部10c側を基端側支持部11bが支持する。
【0024】
当接板12は、
図2に示すように、板状に形成されている。また、当接板12には、プロービングの際に各プローブ10の各基端部10cにそれぞれ接触して検査部5との間における電気信号の入出力を行うための複数の電極12aが嵌め込まれている。なお、これらの電極12aには、検査部5に接続される図外のケーブルが取付けられている。また、同図に示すように、当接板12には、付勢部13における後述するスリーブ31を嵌め込み可能な複数(この例では、2つ)の凹部12bが形成されている。
【0025】
付勢部13は、
図2に示すように、スリーブ31,プランジャ32およびスプリング33を備えて構成されている。スリーブ31は、有底円筒状に形成されて、当接板12に形成されている凹部12bに嵌め込まれている。プランジャ32は、スリーブ31に対して移動(スライド)可能な状態で基端部側がスリーブ31内に収容されている。スプリング33は、スリーブ31内の底部側に収容されて、プランジャ32の先端部がスリーブ31から突出する向きにプランジャ32を付勢する。また、付勢部13は、プロービングの際に、支持部11における基端側支持部11bの基端面23にプランジャ32の先端部が当接してスプリング33の付勢力によって支持部11を押圧することにより、支持部11における先端側支持部11aの先端面22で基板100を押圧する向きに支持部11を付勢する機能を有している。
【0026】
このプローブユニット2では、上記したように、支持部11における支持孔21aの開口面の中心と支持孔21bの開口面の中心とが先端側支持部11aおよび基端側支持部11bに直交する直線に対して傾斜する仮想直線上に位置している。このため、各支持孔21a,21bに挿通されたプローブ10は、
図2に示すように、先端側支持部11aの先端面22が基板100に接触していない状態(以下、「非接触状態」ともいう)においては、先端側支持部11aおよび基端側支持部11bに直交する直線に対して傾斜する姿勢に維持される。
【0027】
また、この基板検査装置1では、プローブユニット2a(プローブユニット2a,2bのいずれか一方)における各プローブ10のばね定数(合成ばね定数)をKpa、プローブユニット2aにおける各スプリング33のばね定数(合成ばね定数)をKsa、プローブユニット2b(プローブユニット2a,2bの他方)における各プローブ10のばね定数(合成ばね定数)をKpb、プローブユニット2bにおける各スプリング33のばね定数(合成ばね定数)をKsbとしたときに、次の式(1)を満たすようにプローブユニット2a,2bが構成されている。
Kpa:Kpb=Ksa:Ksb・・・式(1)
つまり、ばね定数Kpaに対するばね定数Kpbの比率と、ばね定数Ksaに対するばね定数Ksbの比率とが同じ比率となるようにプローブユニット2a,2bが構成されている。なお、プローブ10のばね定数は、プローブ10の長さ方向に力を加えたときのプローブ10の先端部10aから基端部10cまでの長さ(先端部10aから基端部10cまでの直線距離)の変化量で、加えた力を除算した値に相当する。また、スプリング33のばね定数は、スプリング33の長さ方向に力を加えたときのスプリング33の長さの変化量で、加えた力を除算した値に相当する。
【0028】
移動機構3aは、処理部7の制御に従い、
図1に示すように、基板保持部4によって保持されている基板100の下面101aに近接する向き(この例では、上向き)および離間する向き(この例では、下向き)にプローブユニット2aを移動させる。また、移動機構3bは、処理部7の制御に従い、同図に示すように、基板保持部4によって保持されている基板100の上面101bに対して近接する向き(この例では、下向き)および離間する向き(この例では、上向き)にプローブユニット2bを移動させる。
【0029】
基板保持部4は、基板100を保持可能に構成されている。この場合、この基板保持部4では、基板100における互いに対向する2つの縁部の端面に当接部材4a,4bをそれぞれ当接させて、基板100の中央部に向けて当接部材4a,4bで端面を押圧することによって基板100を保持するように構成されている。
【0030】
検査部5は、処理部7の制御に従い、プローブユニット2のプローブ10を介して入出力する電気信号に基づいて基板100の良否を検査する検査処理を実行する。記憶部6は、検査部5によって実行される検査処理の結果を記憶する。また、記憶部6は、処理部7によって実行される制御処理において用いられる係数Ka,Kbを記憶する。この係数Ka,Kbは、処理部7によって実行される算出処理において、基板100に作用するプローブユニット2a,2bによる各押圧力をプローブユニット2a,2bの各当接板12の移動量で除算して算出される。
【0031】
処理部7は、制御部として機能し、後述する制御処理を実行して移動機構3を制御する。また、処理部7は、検査部5を制御して検査処理を実行させる。また、処理部7は、制御処理において用いる上記の係数Ka,Kbを算出する算出処理を実行し、算出した係数Ka,Kbを記憶部6に記憶させる。
【0032】
次に、基板検査装置1を用いて基板100の検査を行う基板検査方法、およびその際の各部の動作について、図面を参照して説明する。
【0033】
基板100の検査に先立ち、処理部7による制御処理において用いる係数Ka,Kbを算出する算出処理を処理部7に実行させる。まず、
図1に示すように、算出処理用の基板100(以下、算出処理用の基板100を「基板100a」ともいう)における互いに対向する2つの縁部の端面に当接部材4a,4bをそれぞれ当接させ、次いで、基板100aの中央部に向けて当接部材4a,4bで端面を押圧させて、基板100aを基板保持部4に保持させる。この場合、基板100aは、
図2に示すように、検査対象の基板100と同形状に形成されて、下面101aおよび上面101bにシート状の圧力センサ200(圧力検出部)がそれぞれ配設されている。また、基板100aにおける各圧力センサ200間の厚みは、検査対象の基板100の厚みと同じ厚みに規定されている。したがって、基板100aにおける各圧力センサ200の表面が検査対象の基板100における各表面101にそれぞれ相当するものとする。
【0034】
続いて、図外の操作部を操作して、算出処理の実行を指示する。これに応じて、処理部7が算出処理を実行する。この算出処理では、処理部7は、移動機構3aを制御して、プローブユニット2aを基板100aに向けて(この例では、上向きに)移動させる。また、処理部7は、移動機構3bを制御してプローブユニット2bを基板100aに向けて(この例では、下向きに)移動させる。この場合、各移動機構3は、プローブユニット2における当接板12を基板100aに向けて押圧することによって各プローブユニット2を移動させる。
【0035】
次いで、各プローブユニット2における支持部11の先端面22が基板100aの各圧力センサ200に接触したときに、各圧力センサ200が圧力を検出して検出信号を出力し、処理部7がその検出信号に基づいて圧力センサ200に先端面22が接触したことを判別する。
【0036】
続いて、処理部7は、各移動機構3を制御して、各プローブユニット2の各当接板12を基板100aに向けてさらに押圧(移動)させる。この際に、
図3に示すように、当接板12の移動によって先端面22から当接板12までの距離が短縮する。また、距離の短縮に伴い、付勢部13のスプリング33が収縮してスプリング33がプランジャ32を介して支持部11を付勢し、その付勢力による押圧力が先端面22を介して基板100aの圧力センサ200に作用する。また、距離の短縮に伴い、各プローブ10が湾曲して弾性力を生じさせ、その弾性力による押圧力が圧力センサ200に作用する。
【0037】
次いで、処理部7は、プローブユニット2の先端面22が基板100aの圧力センサ200(検査対象の基板100の表面101に相当する)に当接した状態からの当接板12の移動量(上記した先端面22から当接板12までの距離の変化量)を特定する。なお、以下の説明において、プローブユニット2aについての上記の移動量を「移動量Za」ともいい、プローブユニット2bについての上記の移動量を「移動量Zb」ともいい、移動量Za,Zbを区別しないときには、「移動量Z」ともいう。
【0038】
また、処理部7は、移動量Zを特定したとき(当接板12を移動量Z分だけ移動させたとき)の押圧力(プローブ10の弾性力による押圧力、およびスプリング33の付勢力による押圧力の合力(合成力))を圧力センサ200から出力された検出信号に基づいて特定する。なお、以下の説明において、プローブユニット2aについての押圧力(上記した合力)を「押圧力Fa」ともいい、プローブユニット2bについての押圧力(上記した合力)を「押圧力Fb」ともいい、押圧力Fa,Fbを区別しないときには、「押圧力F」ともいう。
【0039】
続いて、処理部7は、特定した押圧力Faを移動量Zaで除算してプローブユニット2aについての係数Ka(Ka=Fa/Za)を算出すると共に、特定した押圧力Fbを移動量Zbで除算してプローブユニット2bについての係数Kb(Kb=Fb/Zb:以下、係数Ka,Kbを区別しないときには「係数K」ともいう)を算出する。次いで、処理部7は、算出した係数Ka,Kbを記憶部6に記憶させる。続いて、処理部7は、各移動機構3を制御して、各プローブユニット2の当接板12に対する押圧を解除して当接板12を基板100から離反させる向きに移動させて、各プローブユニット2を初期位置に位置(復帰)させる。以上により、処理部7による算出処理が終了する。
【0040】
次いで、基板100の検査を実行する。まず、基板保持部4から基板100aを取り外し、続いて、
図1に示すように、上記した手順で検査対象の基板100を基板保持部4に保持させる。
【0041】
次いで、操作部を操作して、検査処理の実行を指示する。これに応じて、処理部7は、制御処理を実行する。この制御処理では、処理部7は、算出処理によって算出した係数Ka,Kbを記憶部6から読み出す。続いて、処理部7は、移動機構3aを制御して、プローブユニット2aを基板100に向けて(上向きに)移動させる。また、処理部7は、移動機構3bを制御してプローブユニット2bを基板100に向けて(下向きに)移動させる。この際に、各移動機構3は、各プローブユニット2における各当接板12を基板100に向けてそれぞれ押圧することによって各プローブユニット2を移動させる。
【0042】
次いで、各移動機構3が予め規定された距離だけ各プローブユニット2をそれぞれ移動させたときに、各プローブユニット2の支持部11における先端側支持部11aの先端面22が基板100の表面101にそれぞれ接触する。
【0043】
続いて、処理部7は、各移動機構3を制御して、各プローブユニット2の各当接板12を基板100に向けてさらに押圧(移動)させる。この際に、当接板12の移動によって先端面22から当接板12までの距離が短縮する。また、距離の短縮に伴い、付勢部13のスプリング33が収縮してスプリング33がプランジャ32を介して支持部11を付勢し、その付勢力による押圧力が先端面22を介して基板100の表面101に作用する。また、距離の短縮に伴い、
図3に示すように、各プローブ10が湾曲して弾性力を生じさせ、その弾性力による押圧力が基板100の表面101に作用する。
【0044】
この場合、上記したようにプローブユニット2a(プローブユニット2a,2bのいずれか一方)についての係数Kaは、押圧力Faを移動量Zaで除算して算出される(Ka=Fa/Za)。このため、プローブユニット2aの先端面22が基板100の下面101aに当接したときから当接板12を移動量Zaだけ移動させたときにプローブユニット2aが基板100の下面101aを押圧する押圧力Faは、係数Kaと移動量Zaとを乗算して算出される(Fa=Ka×Za)。
【0045】
また、上記したようにプローブユニット2b(プローブユニット2a,2bの他方)についての係数Kbは、押圧力Fbを移動量Zbで除算して算出される(Kb=Fb/Zb)。このため、プローブユニット2bの先端面22が基板100の上面101bに当接したときから当接板12を移動量Zbだけ移動させたときにプローブユニット2bが基板100の上面101bを押圧する押圧力Fbは、係数Kbと移動量Zbとを乗算して算出される(Fb=Kb×Zb)。
【0046】
ここで、プローブユニット2a,2bの係数Ka,Kbが互いに異なっている場合において、プローブユニット2a,2bが互いに同じ移動量Zだけ当接板12をそれぞれ移動させたときには、押圧力Fa,Fbが互いに異なることとなる。このように押圧力Fa,Fbが互いに異なるときには、押圧力Fa,Fbの差分値に応じて基板100が初期位置から移動することとなり、その後の処理(例えば、検査後の基板100を取り出す処理)において支障を来すおそれがある。このような事態を回避するため、この基板検査装置1では、処理部7が移動機構3a,3bを制御して、押圧力Fa,Fbが同じ大きさとなる(押圧力Fa,Fbが釣り合う)ように、各当接板12の移動量Za,Zbを調整しつつ当接板12を押圧させる。
【0047】
この場合、押圧力Fa,Fb、係数Ka,Kbおよび移動量Za,Zbには、次の式(2),(3)の関係が成り立つ。
Fa=Ka×Za・・・式(2)
Fb=Kb×Zb・・・式(3)
ここで、押圧力Fa,Fbを同じ大きさ(Fa=Fb)とすると、上記の式(2),(3)から、次の式(4)の関係が成り立つ。
Ka×Za=Kb×Zb・・・式(4)
式(4)を変形すると、次の式(5)が導かれる。
Za/Kb=Zb/Ka・・・式(5)
また、式(5)を変形すると、次の式(6)が導かれる。
Za×(1/Kb)=Zb×(1/Ka)・・・式(6)
さらに、式(6)を変形すると、次の式(7)が導かれる。
Za:Zb=1/Ka:1/Kb・・・式(7)
【0048】
すなわち、処理部7は、押圧力Fa,Fbを同じ大きさとするために、移動機構3a,3bを制御して、移動量Zaと移動量Zbとの比率(Za:Zb)が、プローブユニット2aの係数Kaの逆数(1/Ka)とプローブユニット2bの係数Kbの逆数(1/Kb)との比率(1/Ka:1/Kb)と同じ比率となるように各当接板12の移動量Za,Zbを調整しつつ当接板12を押圧させる。この基板検査装置1では、処理部7が制御処理において移動機構3a,3bをこのように制御することで、押圧力Fa,Fbを同じ大きさとすることができるため、基板100を初期位置から移動させることなく、初期位置に位置させた状態でプロービングを行うことが可能となっている。この結果、この基板検査装置1では、基板100が移動することによってその後の処理(例えば、検査後の基板100を取り出す処理)に支障を来す事態を確実に回避することが可能となっている。
【0049】
また、この基板検査装置1では、上記したように、プローブユニット2aにおけるプローブ10のばね定数Kpaに対するプローブユニット2bにおけるプローブ10のばね定数Kpbの比率と、プローブユニット2aにおけるスプリング33のばね定数Ksaに対するプローブユニット2bにおけるスプリング33のばね定数Ksbの比率とが同じ比率となるように、つまり上記した式(1)を満たすようにプローブユニット2a,2bが構成されている。
【0050】
この場合、プローブユニット2におけるプローブ10およびスプリング33は、当接板12が移動量Zだけ移動したときに、その移動量Zだけ(同じ移動量Zだけ)それぞれ変位する。つまり、プローブ10およびスプリング33は並列接続された並列ばねを構成する。このため、プローブユニット2aにおける係数Ka、ばね定数Kpaおよびばね定数Ksaの間には、次の式(8)の関係が成り立ち、プローブユニット2bにおける係数Kb、ばね定数Kpbおよびばね定数Ksbの間には、次の式(9)の関係が成り立つ。
Ka=Kpa+Ksa・・・式(8)
Kb=Kpb+Ksb・・・式(9)
【0051】
この場合、Kpa:Kpb=Ksa:Ksbのときには、(Kpa+Ksa):(Kpb+Ksb)=Kpa:Kpb=Ksa:Ksbの関係が成り立つ。このため、この基板検査装置1では、次の式(10)の関係が成り立つ。
Ka:Kb=Kpa:Kpb=Ksa:Ksb・・・式(10)
また、式(10)の関係が成り立つと、次の式(11)の関係が成り立つ。
1/Ka:1/Kb=1/Kpa:1/Kpb=1/Ksa:1/Ksb・・・式(11)
【0052】
上記した式(11)から、この基板検査装置1では、次の効果を実現できることが理解される。すなわち、プロービングを行う過程で、プローブユニット2a,2bにおける各支持部11の先端面22が基板100の表面101に当接することなく、各プローブ10の先端部10aが基板100の表面101にそれぞれ当接して各プローブ10の弾性力による押圧力だけが基板100の表面101に作用する状態が発生している場合においても、上記した式(7)(Za:Zb=1/Ka:1/Kb)を満たすように移動量Za,Zbを調整しつつ当接板12を押圧させることで、各プローブ10のばね定数Kpa,Kpbと移動量Za,Zbとの関係を示す式(7)と同様の関係式(Za:Zb=1/Kpa:1/Kpb)が満たされ、この結果、各プローブ10の弾性力による押圧力およびスプリング33の付勢力による押圧力の双方が基板100の表面101に作用しているときと同様にして、押圧力Fa,Fbを互いに同じ大きさとすることができる。
【0053】
また、プロービングを行う過程で、プロービングの際にプローブユニット2a,2bにおける各プローブ10の先端部10aが基板100の表面101に当接することなく、各支持部11の先端面22が基板100の表面101に当接して、各スプリング33の付勢力による押圧力だけが基板100の表面101に作用する状態が発生している場合においても、上記した式(7)(Za:Zb=1/Ka:1/Kb)を満たすように移動量Za,Zbを調整しつつ当接板12を押圧させることで、各スプリング33のばね定数Ksa,Ksbと移動量Za,Zbとの関係を示す式(7)と同様の関係式(Za:Zb=1/Ksa:1/Ksb)が満たされ、この結果、各プローブ10の弾性力による押圧力およびスプリング33の付勢力による押圧力の双方が基板100の表面101に作用しているときと同様にして、押圧力Fa,Fbを互いに同じ大きさとすることができる。
【0054】
次いで、処理部7は、各プローブユニット2の各当接板12が予め決められた距離だけ移動したときには、各移動機構3を制御して、当接板12の移動を停止させる。続いて、処理部7は、検査部5を制御して検査処理を実行させる。この検査処理では、検査部5は、各プローブ10を介して入出力する電気信号に基づき、物理量としての例えば抵抗値を測定する。また、検査部5は、測定した抵抗値に基づいて基板100における導体部の断線および短絡の有無を検査する。次いで、処理部7は、検査部5による検査結果を図外の表示部に表示させる。
【0055】
続いて、処理部7は、各移動機構3を制御して、各プローブユニット2を基板100から離反させて初期位置に移動させる。以上により、基板100の検査が終了する。次いで、新たな基板100を検査するときには、新たな基板100を基板保持部4に保持させ、続いて、基板検査装置1を作動させる。この際に、処理部7が、上記した制御処理を実行すると共に、検査部5を制御して検査処理を実行させる。
【0056】
このように、この基板検査装置1では、処理部7が、制御処理において、プローブユニット2aの移動量Zaとプローブユニット2bの移動量Zbとの比率が、プローブユニット2aにおける係数Kaの逆数とプローブユニット2bにおける係数Kbの逆数との比率と同じ比率となるように各当接板12の移動量を調整しつつ当接板12を押圧させる。このため、この基板検査装置1によれば、プロービングの際に各プローブユニット2が基板100を押圧する各押圧力Fを同じ大きさに維持することができる。したがって、この基板検査装置1によれば、基板100の下面101aおよび上面101bにプローブユニット2をそれぞれプロービングさせて行う両面検査における基板100の移動を確実に防止することができる結果、基板100が移動することによってその後の処理(例えば、検査後の基板100を取り出す処理)に支障を来す事態を確実に回避することができる。
【0057】
また、この基板検査装置1では、処理部7が、移動機構3による当接板12の移動量Zを特定し、圧力センサ200によって検出された押圧力Fを移動量Zで除算して係数Kを算出する算出処理を実行すると共に、算出した係数Kを記憶部6に記憶させる。このため、この基板検査装置1によれば、係数Kが予め特定されていないプローブユニット2を用いる場合においても、基板100の検査に先立ってプローブユニット2の係数Kを算出することができる結果、検査対象の基板100の種類に応じてプローブユニット2を交換する必要がある場合においても、正確な係数Kをその場で算出して正確な制御処理を実行させることができる。
【0058】
また、この基板検査装置1によれば、一対のプローブユニット2で構成されるプローブユニットシステムを備えたことにより、係数Kが予め特定されている各プローブユニット2でプローブユニットシステムを構成することで各プローブユニット2の係数Kを記憶部6に予め記憶させておくことができる。このため、この基板検査装置1によれば、基板100の検査に先立って係数Kを算出する工程を省略できる結果、検査の効率を十分に向上させることができる。
【0059】
また、この基板検査装置1およびプローブユニットシステムでは、プローブユニット2aにおけるプローブ10のばね定数Kpaに対するプローブユニット2bにおけるプローブ10のばね定数Kpbの比率と、プローブユニット2aにおけるスプリング33のばね定数Ksaに対するプローブユニット2bにおけるスプリング33のばね定数Ksbの比率とが同じ比率となるように各プローブユニット2a,2bが構成されている。このため、この基板検査装置1およびプローブユニットシステムによれば、プロービングを行う過程で、各プローブ10の弾性力による押圧力だけが基板100に作用する状態が発生したり、プロービングの際に各スプリング33の付勢力による押圧力だけが基板100に作用する状態が発生したりした場合においても、移動量Zaと移動量Zbとの比率が、係数Kaの逆数と係数Kbの逆数との比率と同じ比率となるように各当接板12の移動量を調整しつつ当接板12を押圧させることで、各プローブ10の弾性力による押圧力および各スプリング33の付勢力による押圧力の双方が基板100の表面101に作用しているときと同様にして、押圧力Fa,Fbを互いに同じ大きさとすることができる。したがって、この基板検査装置1およびプローブユニットシステムによれば、両面検査における基板100の移動をより確実に防止することができる。
【0060】
なお、基板検査装置は、上記の構成に限定されない。例えば、処理部7が算出処理を実行して係数Kを算出し、算出した係数Kを記憶部6に記憶させる構成例について上記したが、初期状態において各プローブユニット2についての係数Kが記憶部6に予め記憶されている構成を採用することもできる。また、プローブユニット2a,2bで構成されたプローブユニットシステムを備えた例に挙げて説明したが、プローブユニットシステムを備えていない構成を採用することもできる。
【0061】
また、圧力センサ200を配設した基板100aを用いて算出処理を実行する例、つまり基板100aに配設されている圧力センサ200から出力される検出信号に基づいて押圧力Fを特定する例について上記したが、基板検査装置1に圧力センサ200を設けて、その圧力センサ200から出力される検出信号に基づいて押圧力Fを特定する構成を採用することもできる。この場合、例えばプローブユニット2の当接板12と移動機構3との間に圧力センサ200を配設することで、当接板12に加わる圧力(基板100に加わる押圧力Fの反力)を圧力センサ200に検出させ、その際に圧力センサ200から出力される検出信号に基づいて押圧力Fを特定することができる。