(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レコメンド生成手段は、当該コンテンツのリストのうちの各視聴コンテンツについて、当該視聴履歴内での標本数における平均視聴時間を算出して視聴割合を導出し、当該視聴割合の高い順に基づいて、当該コンテンツのリストでの当該視聴コンテンツの順位を入れ替えることを特徴とする請求項1に記載のレコメンド装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術では、抽出されるユーザの嗜好の精度を高めることが、尚、困難である。
【0009】
例えば、特許文献1に記載された技術では、ログ数の少ないVODコンテンツのレコメンド精度を向上させるために、全く別のシステムであるデジタル放送の利用履歴を併せて使用している。しかしながら、多くの動画視聴システムは通常、単独で稼働しているため、VODコンテンツの配信システムにおいて、他のシステムの視聴履歴を利用することは現実的に困難である。また、単純にユーザの視聴履歴から動画をレコメンドする場合、当該ユーザの好みの分野に偏った動画のレコメンドが主とならざるを得ない。その結果、他の分野でユーザにとって興味のある動画を抽出して、レコメンドすることができなくなる。
【0010】
さらに、特許文献2に記載の技術では、ユーザの録画履歴、視聴履歴、動画出演者等の情報からユーザの嗜好に近い視聴者を見出し、当該視聴者によって視聴されたがユーザにとっては未視聴の動画をレコメンドしている。しかしながら、動画を録画・視聴した履歴等の情報だけでは、動画の選択の際、視聴者によって好んで視聴されたものか、又は偶然若しくは他の事情により視聴されたものかの区別がつかないため、結局、レコメンドの精度を低下させてしまう可能性が生じる。
【0011】
これらに対し、特許文献3に記載の技術は、確かに、ユーザの嗜好について所定の精度を得るべく工夫されている。具体的には、動画を視聴しているユーザの視線の動きと、同じ動画を視聴した他の視聴者の視線の動きとを比較し、視線の動きが類似しているユーザを同じ嗜好の持ち主としている。しかしながら、この技術を実現するためには、ユーザの視線を追うための装置が動画を視聴する機器に必要となり、実現のための技術的・経済的負担が相当に大きくなってしまう。
【0012】
そこで、本発明は、特殊な手段を用いることなく、より高い精度でユーザの嗜好を推定し、ユーザに望まれる可能性の高いコンテンツをレコメンドすることができるレコメンド装置、システム、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、推薦対象ユーザにコンテンツをレコメンドするレコメンド装置であって、
視聴する、視る又は聴く対象である配信可能な各視聴コンテンツについて、統計対象ユーザが当該視聴コンテンツを視聴した時間である視聴時間を区分する時間区分毎に、当該視聴コンテンツを当該時間区分内の視聴時間だけ視聴した当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けたコンテンツ視聴情報を生成するコンテンツ視聴情報生成手段と、
当該コンテンツ視聴情報に基づいて、当該推薦対象ユーザによって視聴された視聴コンテンツにおける視聴時間を含む時間区分に対応付けられた既視聴コンテンツを取得し、取得した当該既視聴コンテンツに基づいて、推薦するコンテンツのリストを含むレコメンド情報を生成するレコメンド生成手段と
を有するレコメンド装置が提供される。
【0014】
この本発明によるレコメンド装置において、レコメンド生成手段は、当該コンテンツのリストのうちの各視聴コンテンツについて、当該視聴履歴内での標本数における平均視聴時間を算出して視聴割合を導出し、当該視聴割合の高い順に基づいて、当該コンテンツのリストでの当該視聴コンテンツの順位を入れ替えることも好ましい。
【0015】
また、本発明によるレコメンド装置の他の実施形態として、当該推薦対象ユーザがレコメンド装置を介した視聴コンテンツの視聴履歴を有するか否かを判定する初回利用判定手段と、
当該推薦対象ユーザのユーザ属性を記憶するユーザ属性管理手段と
を更に有し、
コンテンツ視聴情報生成手段は、各統計対象ユーザについて、当該統計対象ユーザのユーザ属性毎に、当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けた当該コンテンツ視聴情報を生成し、
レコメンド生成手段は、初回利用判定手段が真の判定を行った際、当該コンテンツ視聴情報に基づいて、当該推薦対象ユーザのユーザ属性のうちの所定の項目内容が一致する統計対象ユーザについての当該既視聴コンテンツを取得し、取得された当該既視聴コンテンツに基づいて、推薦するコンテンツのリストを含むレコメンド情報を生成する
ことも好ましい。
【0016】
本発明によれば、また、以上に述べたレコメンド装置を含むレコメンドシステムであって、
ユーザに対し当該ユーザのユーザ属性情報を取得可能にするアンケートを提示して回答を取得するアンケート実施手段を更に有し、
初回利用判定手段は、当該推薦対象ユーザについてレコメンド装置を介したコンテンツの利用が初回であるか否かを判定し、
アンケート実施手段は、コンテンツ利用が初回であると判定された当該推薦対象ユーザにアンケートを提示して回答を取得し、当該回答をユーザ属性情報としてユーザ属性管理手段に送信又は出力する
ことを特徴とするレコメンドシステムが提供される。
【0017】
本発明によれば、さらに、以上に述べたレコメンド装置を含むレコメンドシステムであって、
当該推薦対象ユーザが当該視聴コンテンツの視聴を開始する前の、視聴を行っている際の、又は視聴を終了した際の端末における通信速度である端末通信速度を取得する通信速度取得手段を更に有し、
レコメンド生成手段は、取得された端末通信速度と、予め又はコンテンツサイズに合わせて既視聴コンテンツ毎に設定された推奨通信速度とを比較することによって、端末での再生に通信速度の点で適さない不適コンテンツを決定し、当該不適コンテンツを除外して当該レコメンド情報を生成する
ことを特徴とするレコメンドシステムが提供される。
【0018】
本発明によれば、さらにまた、以上に述べたレコメンド装置を含むレコメンドシステムであって、
ユーザによって検索ボックスを介し入力されたタグ情報に基づいて、タグを付与され保存された複数の視聴コンテンツの中から当該ユーザに提示する視聴コンテンツを検索して出力するコンテンツ配信手段と、
当該ユーザに配信された視聴コンテンツの視聴の開始及び終了に係る情報を取得し当該視聴コンテンツの視聴時間を計測する視聴時間計測手段と
を更に有することを特徴とするレコメンドシステムが提供される。
【0019】
本発明によれば、さらに、推薦対象ユーザにコンテンツをレコメンドする装置に搭載されたコンピュータを機能させるレコメンドプログラムであって、
視聴する、視る又は聴く対象である配信可能な各視聴コンテンツについて、統計対象ユーザが当該視聴コンテンツを視聴した時間である視聴時間を区分する時間区分毎に、当該視聴コンテンツを当該時間区分内の視聴時間だけ視聴した当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けたコンテンツ視聴情報を生成するコンテンツ視聴情報生成手段と、
当該コンテンツ視聴情報に基づいて、当該推薦対象ユーザによって視聴された視聴コンテンツにおける視聴時間を含む時間区分に対応付けられた既視聴コンテンツを取得し、取得した当該既視聴コンテンツに基づいて、推薦するコンテンツのリストを含むレコメンド情報を生成するレコメンド生成手段と
してコンピュータを機能させるレコメンドプログラムが提供される。
【0020】
本発明によれば、さらにまた、推薦対象ユーザにコンテンツをレコメンドする方法であって、
視聴する、視る又は聴く対象である配信可能な各視聴コンテンツについて、統計対象ユーザが当該視聴コンテンツを視聴した時間である視聴時間を区分する時間区分毎に、当該視聴コンテンツを当該時間区分内の視聴時間だけ視聴した当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けたコンテンツ視聴情報を生成する第1のステップと、
当該コンテンツ視聴情報に基づいて、当該推薦対象ユーザによって視聴された視聴コンテンツにおける視聴時間を含む時間区分に対応付けられた既視聴コンテンツを取得し、取得した当該既視聴コンテンツに基づいて、推薦するコンテンツのリストを含むレコメンド情報を生成する第2のステップと
を有するレコメンド方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明のレコメンド装置、システム、プログラム及び方法によれば、特殊な手段を用いることなく、より高い精度で、ユーザの嗜好に適している可能性の高いコンテンツをレコメンドすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
[レコメンドシステム]
図1は、本発明によるレコメンドシステムの一実施形態を示す概略図である。
【0025】
図1によれば、本実施形態におけるレコメンドシステムは、推薦対象となるユーザ(推薦対象ユーザ)にコンテンツをレコメンドするレコメンド装置としてのレコメンドサーバ1と、情報端末2とを備えている。レコメンドサーバ1と情報端末2とは、事業者通信網であるアクセスネットワークとインターネットとを介して相互に通信接続可能となっている。
【0026】
アクセスネットワークとしては、例えば光ファイバ網若しくはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の固定系ネットワークとすることができる。また、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)又は3G(3rd Generation)等の無線系ネットワークとすることも可能である。
【0027】
レコメンドサーバ1は、
(a)統計対象のユーザ(統計対象ユーザ)によって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けた「コンテンツ視聴情報」を生成し、
(b)生成した「コンテンツ視聴情報」に基づいて、推薦対象ユーザによって視聴された視聴コンテンツにおける「視聴時間」に対応付けられた既視聴コンテンツを取得し、
(c)取得した既視聴コンテンツに基づいて、レコメンド情報を生成する
ことを特徴とする。この生成されたレコメンド情報は、情報端末2に送信されて、推薦対象ユーザが当該情報を取得してもよい。
【0028】
ここで、視聴コンテンツは、通常の動画等のように視聴するコンテンツ、無音のスライド・動画又は写真等のように視るコンテンツ、及び音楽データや音声ポッドキャストデータのように聴くコンテンツを含むものとする。
【0029】
また、「コンテンツ視聴情報」は、後に図を用いて詳細に説明するが、配信可能な各視聴コンテンツについて、統計対象ユーザが当該視聴コンテンツを視聴した時間である「視聴時間」を区分する時間区分毎に、当該視聴コンテンツを当該時間区分内の視聴時間だけ視聴した統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けた情報である。
【0030】
レコメンドサーバ1は、上記(a)〜(c)のように、推薦対象ユーザの「視聴時間」に基づいてレコメンド情報を生成する。この「視聴時間」は、1つのコンテンツの視聴において途中で視聴を中止するタイミングを示しており、中止するタイミング(コンテンツの視聴箇所)が同一又は類似の人は、同様の嗜好性を有する傾向にあるとの知見が得られている。例えば、映画コンテンツで特定の感情を引き出しやすい又は起こしにくい内容の場面に差しかかると、当該場面を回避するために視聴を停止する人は、互いに同様の嗜好性を有する傾向にある。本発明では、このような「視聴時間」に対応付けられた既視聴コンテンツを用いることによって、より高い精度で、ユーザの嗜好に適している可能性の高いコンテンツをレコメンドすることができるのである。
【0031】
また、レコメンドサーバ1は、視聴コンテンツの視聴履歴を有さない、初回利用の推薦対象ユーザの情報端末2に対し、「ユーザ属性」を取得可能にする「アンケート」を提示して回答を取得し、取得した「ユーザ属性」に基づいてレコメンド情報を生成することも好ましい。これにより、初回利用のユーザにもレコメンドを実施することができ、さらに、その後のレコメンドの生成のための「視聴時間」を含む視聴履歴を蓄積することができる。
【0032】
さらに、レコメンドサーバ1は、推薦対象ユーザの端末の「通信速度」を取得し、取得された「通信速度」と、既視聴コンテンツ毎に設定された推奨通信速度とを比較することによって、端末での再生に通信速度の点で適さない不適コンテンツを決定し、当該不適コンテンツを除外してレコメンド情報を生成することも好ましい。これにより、例えば特定の動画コンテンツの視聴にとって通信速度が十分でないユーザに対し、通信速度に適した動画を含むコンテンツを提供することができる。
【0033】
[レコメンド装置、情報端末]
図2は、レコメンドサーバ1及び情報端末2の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
【0034】
図2によれば、レコメンドサーバ1は、サーバ通信インタフェース101と、コンテンツ視聴情報蓄積部102と、コンテンツ蓄積部103と、プロセッサ・メモリとを有する。ここで、プロセッサ・メモリは、レコメンドサーバ1に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって、レコメンド情報生成機能を実現させる。
【0035】
ここで、プロセッサ・メモリは、コンテンツ視聴情報生成・管理部111と、レコメンド生成部112と、初回利用判定部113と、ユーザ属性管理部114と、コンテンツ配信部115と、サーバ通信制御部116とを有する。また、このうち、レコメンド生成部112は、初回利用レコメンド生成部112aを含むことも好ましい。尚、
図2によれは、各機能構成部を矢印で接続した処理の流れは、本発明によるレコメンド情報を生成する方法の一実施形態としても理解される。
【0036】
サーバ通信インタフェース101は、
(a)情報端末2からのコンテンツ配信要求、情報端末2での(ユーザ属性情報を含む)アンケート実施結果や、情報端末2の通信速度情報を受信し、さらに、
(b)情報端末2宛てに、配信対象のコンテンツ、アンケート実施指示情報や、レコメンド生成部112で生成されたレコメンド情報を送信する。
また、サーバ通信制御部116は、サーバ通信インタフェース101を介したレコメンドサーバ1での通信全体を制御する。
【0037】
コンテンツ視聴情報蓄積部102は、後述するコンテンツ視聴情報生成・管理部111で生成された「コンテンツ視聴情報」を蓄積し保存する。
【0038】
コンテンツ蓄積部103は、配信対象であるコンテンツを蓄積し保存する。このコンテンツはキーワード等のタグを付与されていることも好ましい。また、コンテンツ蓄積部103は、後述するコンテンツ配信部115の指示に応じて、指定されたコンテンツをコンテンツ配信部115に出力する。
【0039】
コンテンツ視聴情報生成・管理部111は、「コンテンツ視聴情報」を生成する。「コンテンツ視聴情報」は、配信可能な各視聴コンテンツについて、統計対象ユーザが当該視聴コンテンツを視聴した時間である「視聴時間」を区分する時間区分毎に、当該視聴コンテンツを当該時間区分内の「視聴時間」だけ視聴した当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けた情報である。
【0040】
この「コンテンツ視聴情報」は、後に
図3を用いて説明するように、さらに、各統計対象ユーザについて、当該統計対象ユーザの「ユーザ属性」毎に、当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けた情報であることも好ましい。この「ユーザ属性」に係る情報部分は、視聴コンテンツの視聴履歴を有さないユーザに対し、レコメンド情報を生成する際に利用される。
【0041】
図3は、「コンテンツ視聴情報」の一実施形態を示すテーブルである。
【0042】
図3によれば、「コンテンツ視聴情報」は、配信可能な各視聴コンテンツ(Movie_D、Movie_E、Movie_F、Movie_G、・・・)について、統計対象ユーザが当該視聴コンテンツを視聴した時間である「視聴時間」を区分する時間区分毎に、ユーザ属性情報と視聴履歴とを含むユーザ情報が対応付けられた情報である。
【0043】
図3では、1つの例として、動画コンテンツMovie_Dについての「視聴時間」が、10分(0以上10分以下)、20分、30分、40分(30分より多く40分以下)、50分、・・・、100分の10個の時間区分に分類されている。さらに、1つの例として、Movie_Dの「視聴時間」が時間区分40分内(30分<「視聴時間」≦40分)である統計対象ユーザの「ユーザ属性」及び「視聴履歴」が、時間区分40分に対応付けられている。
【0044】
Movie_Dの「視聴時間」が時間区分40分内の統計対象ユーザのユーザ情報における「ユーザ属性」は、本実施形態において、統計対象ユーザのユーザID(ユーザ識別子)毎に、当該ユーザの性別、年代層、及び興味のある分野を対応付けた情報である。
【0045】
また、同ユーザ情報における「視聴履歴」は、本実施形態において、統計対象ユーザのユーザID(ユーザ識別子)毎に、統計対象ユーザによる既視聴コンテンツと、当該コンテンツのデータサイズ及び統計対象ユーザによる「視聴時間」とを対応付けた情報である。
【0046】
尚、
図3のような「コンテンツ視聴情報」は、
図4に示すような「ユーザ情報」を使用して生成される。この「ユーザ情報」は、
(a)統計対象ユーザが過去に視聴したコンテンツの視聴履歴や、
(b)初回利用時等に、情報端末2のアンケート実施部211から送信されてユーザ属性管理部114に登録された「ユーザ属性」情報
を基にして生成される。
図4に示す「ユーザ情報」における視聴履歴は、各ユーザの動画・音楽コンテンツの視聴履歴、ウェブ(web)へのアクセスや電子書籍等のアプリケーションの利用の履歴等を格納している。
【0047】
以上説明したように、コンテンツ視聴情報生成・管理部111(
図2)は、視聴コンテンツ毎に「視聴時間」を所定の時間区分で分類し、各時間区分の枠に視聴履歴を含むユーザ情報を格納して「コンテンツ視聴情報」を生成する。ここで、時間区分の割合又は区分長は、必ずしも一定である必要はなく、動画の尺、動画の種別等で適宜設定することが可能である。次いで、コンテンツ視聴情報生成・管理部111は、送信されてきた推薦対象ユーザの視聴コンテンツのタイトルや「視聴時間」に基づいて、生成した「コンテンツ視聴情報」をレコメンド生成部112へ出力する。
【0048】
図2に戻って、レコメンド生成部112は、
(a)入力した「コンテンツ視聴情報」に基づいて、推薦対象ユーザによって直前に視聴された視聴コンテンツにおける「視聴時間」を含む時間区分に対応付けられた既視聴コンテンツを取得し、
(b)取得した既視聴コンテンツに基づいて、推薦するコンテンツのリストを含むレコメンド情報を生成する。
【0049】
ここで、上記(b)において、レコメンド生成部112は、コンテンツリストのうちの各視聴コンテンツについて、視聴履歴内での標本数における平均視聴時間を算出して「視聴割合」を導出し、視聴割合の高い順に基づいて、コンテンツリストでの視聴コンテンツの順位を入れ替えることも好ましい。
【0050】
さらに、上記(b)において、レコメンド生成部112は、後述する情報端末2の通信速度取得部214aから取得された端末通信速度と、予め又はコンテンツサイズに合わせて既視聴コンテンツ毎に設定された推奨通信速度とを比較することによって、端末での再生に通信速度の点で適さない不適コンテンツを決定し、当該不適コンテンツを除外してレコメンド情報を生成することも好ましい。
【0051】
図5は、視聴履歴を有する推薦対象ユーザに対する「コンテンツ視聴情報」を用いたレコメンド情報の生成の一実施形態を示すテーブルである。
【0052】
図5(A)に示すように、最初に、視聴履歴から取得した既視聴コンテンツに基づいて、コンテンツのアクセスランキングを作成する。同図のアクセスランキングは、1つの例として、Movie_Dの「視聴時間」が時間区分40分内(30分<「視聴時間」≦40分)である統計対象ユーザの視聴履歴に含まれる各コンテンツを、視聴履歴に挙がった回数(アクセス数)順にリスト化したものである。ここで、アクセス数の多い順に、推薦順位が付与されている。尚、アクセス数が予め設定された標本数に満たないコンテンツはアクセスランキングから除外されることも好ましい。また、リスト化されたコンテンツが(一般にデータサイズの大きい)動画又は音楽・音声コンテンツである場合、当該コンテンツ毎に、視聴時間から割り出した「視聴割合」が対応付けられている。さらに、リスト化されたコンテンツ毎に、推奨される通信速度である「推奨速度」が対応付けられている。
【0053】
ここで、動画又は音楽・音声コンテンツの「視聴割合」は、当該コンテンツの視聴履歴での標本数における平均視聴時間を算出し、例えば、次式
(1) (視聴割合)=(平均視聴時間(秒))/( 動画の尺(秒))
によって算出してもよい。
【0054】
また、「推奨速度」は、動画又は音楽・音声コンテンツについては、(データサイズ)/(動画の尺)の値に基づいて設定され、その他のコンテンツについては、
図6のテーブルに示すように、コンテンツのカテゴリ毎に予め所定値が設定されていてもよい。
【0055】
図5(B)は、取得された情報端末2の端末通信速度が100kbpsであって、ランキングに採用する際の基準標本数が500に設定された場合の、アクセスランキングから生成されたレコメンド情報を示す。
図5(B)のレコメンド情報は、
図5(A)のアクセスランキングにおいて、「推奨速度」が端末通信速度(100kbps)を超えているMovie_B、Movie_A及びMovie_Cを除外して作成されている。
【0056】
尚、ストリーミング再生が可能な動画又は音楽・音声等のコンテンツに関しては、当該コンテンツを再生するのに十分な通信速度であることを確認可能なフィルタ、例えば(データサイズ)/(動画の尺)≦(端末通信速度)を条件にしたフィルタを用い、当該フィルタを通過したコンテンツのみをレコメンド対象にしてもよい。
【0057】
図5(C)は、取得された情報端末2の端末通信速度が2100kbpsであって、ランキングに採用する際の基準標本数が500に設定された場合の、アクセスランキングから生成されたレコメンド情報を示す。
図5(C)のレコメンド情報は、
図5(A)のアクセスランキングにおいて、「推奨速度」が端末通信速度(2100kbps)を超えているMovie_Bを除外し、さらに、Movie_A(視聴割合:97%)及びMovie_C(視聴割合:98%)について、「視聴割合」の高い順に順位を入れ替えて作成されている。具体的には、Movie_Bはランキングから外れ、この時点で推薦順位4位のMovie_Cは推薦順位1位となり、推薦順位1位のMovie_Aは推薦順位4位となっている。尚、このような「視聴割合」による推薦順位の入れ替えは、動画コンテンツと音楽・音声コンテンツとについて、それぞれ独立に実施されることも好ましい。
【0058】
このように、アクセスランキング内の視聴コンテンツにおいて、視聴割合のより高いコンテンツがより上位になるように順位を入れ替える。即ち、視聴割合による昇順でランキングすることで、偶然視聴したユーザによって上位にランキングされたコンテンツではなく、多くのユーザが興味を持って視聴したコンテンツをレコメンドすることが可能になるのである。
【0059】
図5(D)は、取得された情報端末2の端末通信速度が3000kbpsであって、ランキングに採用する際の基準標本数が1000に設定された場合の、アクセスランキングから生成されたレコメンド情報を示す。
図5(D)のレコメンド情報は、
図5(A)のアクセスランキングにおいて、標本数(アクセス数)が基準標本数(1000)に満たないWeb_C及びMovie_Cを除外し、さらに、Movie_B(視聴割合:94%)及びMovie_A(視聴割合:97%)について、「視聴割合」の高い順に順位を入れ替えて作成されている。具体的には、Web_C及びMovie_Cはランキングから外れ、この時点で推薦順位1位のMovie_Bは推薦順位2位となり、推薦順位2位のMovie_Aは推薦順位1位となっている。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、1つのアクセスランキング(
図5(A))から、「視聴割合」、端末通信速度(「推奨速度」)及び標本数(基準標本数)に応じて、より好適なレコメンド情報(
図5(B)〜
図5(D))を生成し分けることが可能となるのである。
【0061】
図2に戻って、レコメンド生成部112は、生成されたレコメンド情報を、サーバ通信制御部116及びサーバ通信インタフェース101を介して情報端末2宛てに送信する。ここで、レコメンド情報において、最終的に推薦順位が1位となったコンテンツを第1レコメンドとして送信することも好ましい。
【0062】
初回利用判定部113は、最初に、推薦対象ユーザについてレコメンドサーバ1を介したコンテンツの利用が初回であるか否かを判定する。ここで、初回であると判定した際、サーバ通信制御部116及びサーバ通信インタフェース101を介して、情報端末2(アンケート実施部211)宛てに、「ユーザ属性」を取得するためのアンケート実施の指示を送信する。尚、この初回判定の手法としては、コンテンツ視聴の可能な情報端末2におけるクッキー又はWeb Storageを利用した判定や、レコメンドサーバ1へのログイン方式を利用した判定等、既存の判定手段を利用することができる。
【0063】
ここで、初回利用判定部113は、コンテンツの利用が初回であると判定した際、サーバ通信制御部116を介して情報端末2での端末通信速度を計測し、レコメンド生成部112に出力することも好ましい。尚、この端末通信速度は、情報端末2の通信速度取得部214aで計測されてもよい。
【0064】
一方、初回利用判定部113は、初回でないと判定した際、次に、推薦対象ユーザがレコメンドサーバ1を介した視聴コンテンツの視聴履歴を有するか否かを判定する。ここで、視聴履歴を有すると判定した際、
図3に示したような「コンテンツ視聴情報」を利用してレコメンド情報を生成する指示を、コンテンツ視聴情報生成・管理部111及びレコメンド生成部112に出力する。
【0065】
一方、初回利用判定部113は、視聴履歴を有しないと判定した際、「視聴時間」ではなく「ユーザ属性」に基づくレコメンドの生成を行う指示を、コンテンツ視聴情報生成・管理部111及びレコメンド生成部112に出力する。尚、この場合、推薦対象ユーザは、初回利用ではないので、後述するように、初回利用時のアンケート等によって既に自身の「ユーザ属性」情報をユーザ属性管理部114に登録している。レコメンド生成部112は、ユーザ属性管理部114から、この「ユーザ属性」と取得された端末通信速度とを入力し、以下に説明するように「コンテンツ視聴情報」を利用して、レコメンド情報を生成する。
【0066】
ここで、「ユーザ属性」に基づくレコメンドの生成で使用される「コンテンツ視聴情報」は、
図3に示した実施例がそうなっているように、各統計対象ユーザについて、当該統計対象ユーザの「ユーザ属性」毎に、当該統計対象ユーザによって既に視聴された既視聴コンテンツを含む視聴履歴を対応付けたものとなっている。
【0067】
レコメンド生成部112のうち初回利用レコメンド生成部112aは、「ユーザ属性」に基づくレコメンドの生成を行う指示を入力した際、
(a)上記の「コンテンツ視聴情報」に基づいて、推薦対象ユーザの「ユーザ属性」のうちの所定の項目内容が一致する統計対象ユーザについての既視聴コンテンツを取得し、
(b)取得された既視聴コンテンツに基づいて、推薦するコンテンツのリストを含むレコメンド情報を生成する。
【0068】
図7は、視聴履歴を有しない推薦対象ユーザに対する「コンテンツ視聴情報」を用いたレコメンド情報の生成の一実施形態を示すテーブルである。
【0069】
図7(A)に示すように、最初に、視聴履歴から取得した既視聴コンテンツに基づいて、コンテンツのアクセスランキングを作成する。同図のアクセスランキングは、1つの例として、推薦対象ユーザの「ユーザ属性」のうちの「年齢」(10代)、「性別」(男性)及び「嗜好」(SF)が一致する統計対象ユーザの「視聴履歴」に含まれる各コンテンツを、「視聴履歴」に挙がった回数(アクセス数)順にリスト化したものである。ここで、アクセス数の多い順に、推薦順位が付与されている。尚、本実施形態においても、アクセス数が予め設定された標本数に満たないコンテンツはアクセスランキングから除外されることも好ましい。また、リスト化されたコンテンツが(一般にデータサイズの大きい)動画又は音楽・音声コンテンツである場合、当該動画コンテンツ毎に、視聴時間を用いて例えば上式(1)で割り出した「視聴割合」も対応付けられている。さらに、リスト化されたコンテンツ毎に、「推奨速度」も対応付けられている。
【0070】
図7(B)は、取得された情報端末2の端末通信速度が100kbpsであって、ランキングに採用する際の基準標本数が500に設定された場合の、アクセスランキングから生成されたレコメンド情報を示す。
図7(B)のレコメンド情報は、
図7(A)のアクセスランキングにおいて、「推奨速度」が端末通信速度(100kbps)を超えているMovie_Z、Movie_R及びMovie_Qを除外して作成されている。
【0071】
尚、ストリーミング再生が可能な動画又は音楽・音声等のコンテンツに関しては、
図5の実施形態と同じく、当該コンテンツを再生するのに十分な通信速度であることを確認可能なフィルタを通過したコンテンツのみをレコメンド対象にしてもよい。
【0072】
図7(C)は、取得された情報端末2の端末通信速度が2100kbpsであって、ランキングに採用する際の基準標本数が500に設定された場合の、アクセスランキングから生成されたレコメンド情報を示す。
図7(C)のレコメンド情報は、
図7(A)のアクセスランキングにおいて、「推奨速度」が端末通信速度(2100kbps)を超えているMovie_Zを除外し、さらに、Movie_R(視聴割合:97%)及びMovie_Q(視聴割合:98%)について、「視聴割合」の高い順に順位を入れ替えて作成されている。具体的には、Movie_Zはランキングから外れ、この時点で推薦順位4位のMovie_Qは推薦順位1位となり、推薦順位1位のMovie_Rは推薦順位4位となっている。尚、このような「視聴割合」による推薦順位の入れ替えは、本実施形態においても、動画コンテンツと音楽・音声コンテンツとについて、それぞれ独立に実施されることも好ましい。
【0073】
図7(D)は、取得された情報端末2の端末通信速度が3000kbpsであって、ランキングに採用する際の基準標本数が1000に設定された場合の、アクセスランキングから生成されたレコメンド情報を示す。
図7(D)のレコメンド情報は、
図7(A)のアクセスランキングにおいて、標本数(アクセス数)が基準標本数(1000)に満たないWeb_G及びMovie_Qを除外し、さらに、Movie_Z(視聴割合:94%)及びMovie_R(視聴割合:97%)について、「視聴割合」の高い順に順位を入れ替えて作成されている。具体的には、Web_G及びMovie_Qはランキングから外れ、この時点で推薦順位1位のMovie_Zは推薦順位2位となり、推薦順位2位のMovie_Rは推薦順位1位となっている。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、視聴履歴の存在しないユーザに対しても、
1つのアクセスランキング(
図7(A))から、「ユーザ属性」、端末通信速度(「推奨速度」)及び標本数(基準標本数)に応じて、より好適なレコメンド情報(
図7(B)〜
図7(D))を生成し分けることが可能となるのである。
【0075】
図2に戻って、初回利用レコメンド生成部112aは、生成されたレコメンド情報を、サーバ通信制御部116及びサーバ通信インタフェース101を介して情報端末2宛てに送信する。ここで、本実施形態においても、レコメンド情報において、最終的に推薦順位が1位となったコンテンツを第1レコメンドとして送信することも好ましい。
【0076】
ユーザ属性管理部114は、例えば、情報端末2で実施されたアンケートの結果としてのユーザ属性情報を受信し、アンケートに回答してその後、1つ以上のコンテンツを視聴したユーザの「ユーザ属性」を記憶し、また、呼び出しに応じてレコメンド生成部112に当該「ユーザ情報」を出力する。さらに、情報端末2(通信速度取得部214a)から取得した端末通信速度情報をレコメンド生成部112に出力する。
【0077】
コンテンツ配信部115は、情報端末2(のユーザ)によって検索ボックスを介し入力された動画タイトルやタグ情報に基づいて、キーワード等のタグを付与され保存された複数の視聴コンテンツの中から当該ユーザに提示する視聴コンテンツを検索する。また、検索した視聴コンテンツ、又は当該視聴コンテンツの(推薦候補としての)サムネイルを、サーバ通信制御部116及びサーバ通信インタフェース101を介して、情報端末2に出力する。
【0078】
同じく
図2によれば、情報端末2は、端末通信インタフェース201と、タッチパネル・ディスプレイ202と、プロセッサ・メモリとを有する。ここで、プロセッサ・メモリは、情報端末2に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって、コンテンツやアンケートの表示等の機能を実現させる。
【0079】
ここで、プロセッサ・メモリは、アンケート実施部211と、視聴時間計測部212と、表示・入出力制御部213と、端末通信制御部214と、コンテンツ視聴制御部215とを有する。また、このうち、端末通信制御部214は、通信速度取得部214aを含むことも好ましい。尚、
図2によれは、各機能構成部を矢印で接続した処理の流れは、本発明によるレコメンド情報を生成する方法の一部の一実施形態としても理解される。
【0080】
端末通信インタフェース201は、
(a)情報端末2におけるコンテンツ配信要求、情報端末2での(ユーザ属性情報を含む)アンケート実施結果や、情報端末2の通信速度情報を、レコメンドサーバ1宛てに送信し、さらに、
(b)レコメンドサーバ1から、配信対象のコンテンツ、アンケート実施指示情報や、レコメンドサーバ1で生成されたレコメンド情報を受信する。また、端末通信制御部214は、端末通信インタフェース201を介した情報端末2での通信全体を制御する。
【0081】
アンケート実施部211は、情報端末2のユーザに対し当該ユーザの「ユーザ属性」情報を取得可能にするアンケートを提示して回答を取得する。さらに、当該回答を「ユーザ属性」情報としてレコメンドサーバ1のユーザ属性管理部114に送信する。ここで、レコメンドサーバ1の初回利用判定部113は、情報端末2の(推薦対象)ユーザについてレコメンドサーバ1を介したコンテンツの利用が初回であると判定した際、アンケート実施指示情報を情報端末2に送信し、アンケート実施部211は、この指示情報を受けてアンケートを実施する。
【0082】
アンケートは、「ユーザ属性」の取得を目的とした複数のものであってもよく、例えば、表示・入出力制御部213を介してタッチパネル・ディスプレイ202に表示される。また、このアンケートに対し、ユーザによってタッチパネル・ディスプレイ202に入力された回答(「ユーザ属性」情報)は、表示・入出力制御部213を介してアンケート実施部211へ出力される。
【0083】
尚、当該回答を「ユーザ属性」情報としてユーザ属性管理部114に送信する際、併せて、通信速度取得部214aで取得された端末通信速度をユーザ属性管理部114に送信することも好ましい。
【0084】
コンテンツ視聴制御部215は、レコメンドサーバ1のコンテンツ配信部115から配信されたコンテンツを表示・入出力制御部213を介してタッチパネル・ディスプレイ202に表示させる。また、(図示されていない)スピーカによって対応する音楽・音声を出力させてもよい。
【0085】
また、コンテンツ視聴制御部215は、情報端末2のユーザがタイトルやタグ等を入力可能な検索ボックスをタッチパネル・ディスプレイ202に表示させ、当該ユーザによって検索ボックスに入力されたキーワード等を、端末通信制御部214及び端末通信インタフェース201を介してレコメンドサーバ1(コンテンツ配信部115)宛てに送信する。さらに、レコメンドサーバ1(コンテンツ配信部115)から受信した(キーワードに対応した)サムネイル画像を表示させ、ユーザによってサムネイル画像がクリックされた際、対象となるコンテンツをレコメンドサーバ1(コンテンツ配信部115)に要求する。また、レコメンドサーバ1(コンテンツ配信部115)から受信したコンテンツを表示させたりストリーミング再生させたりする。
【0086】
さらに、コンテンツ視聴制御部215は、レコメンドサーバ1(レコメンド生成部112)で生成されたレコメンド情報を受信し、タッチパネル・ディスプレイ202に表示させる。レコメンド情報を表示させた後、動画・音楽(視聴)コンテンツを選択したユーザに対し、対応する動画・音楽(視聴)コンテンツをレコメンドサーバ1(コンテンツ配信部115)から取得後、タッチパネル・ディスプレイ202に表示させる。また、その他のカテゴリのコンテンツを選択したユーザに対しては、カテゴリにあわせたアプリケーションを起動させることも好ましい。尚、コンテンツ視聴制御部215の以上に説明した機能は、ブラウザ等で実現することができ、必ずしも専用のアプリケーションを利用する必要はない。
【0087】
視聴時間計測部212は、コンテンツ視聴制御部215によって情報端末2のユーザに配信された視聴コンテンツの視聴の開始及び終了に係る情報を取得し、この視聴コンテンツの視聴時間を計測する。計測された視聴時間情報は、当該視聴コンテンツの識別情報(例えば動画タイトル)とともに、レコメンドサーバ1のコンテンツ視聴情報生成・管理部111に送信され、「コンテンツ視聴情報」の生成に使用される。また、レコメンド生成部112に送信され、「コンテンツ視聴情報」に基づいたレコメンド情報の生成に利用される。
【0088】
通信速度取得部214aは、初回利用判定部113が初回であるとの判定を行った際、情報端末2の通信速度を計測し取得する。また、ユーザが視聴コンテンツの視聴を開始する前の、視聴を行っている際の、又は視聴を終了した際の端末通信速度を計測し取得する。また、取得した端末通信速度を、レコメンドサーバ1宛てに送信する。尚、端末通信速度は、レコメンドサーバ1(の初回利用判定部113)で計測することも可能である。
【0089】
[レコメンド情報生成・配信方法]
図8は、本発明によるレコメンド情報生成方法の一実施形態を示すシーケンス図である。
【0090】
(S801)(統計対象ユーザの)情報端末2は、レコメンドサーバ1宛てにコンテンツ配信要求を送信する。
(S802)レコメンドサーバ1は、コンテンツ蓄積部103に管理された要求されたコンテンツを、情報端末2宛てに配信する。
(S803)(統計対象ユーザの)情報端末2は、配信されたコンテンツを再生して「視聴時間」を計測し、取得した「視聴時間」情報と再生したコンテンツの識別情報と、再生終了時の端末通信速度情報とをレコメンドサーバ1宛てに送信する。
(S804)レコメンドサーバ1は、取得した「視聴時間」情報及び(統計対象ユーザについて)既に取得している「ユーザ」情報に基づいて「コンテンツ視聴情報」を生成する。また、生成した「コンテンツ視聴情報」をコンテンツ視聴情報蓄積部102に格納する。
【0091】
(S805)(推薦対象ユーザの)情報端末2は、コンテンツの利用(視聴)要求をレコメンドサーバ1宛てに送信する。
(S806)レコメンドサーバ1は、要求元の情報端末2がレコメンドサーバ1を介したコンテンツ配信について初回利用か否かを判定する。ここで、初回利用であると判定された場合、以下のステップS807〜S810に移行する。
(S807)レコメンドサーバ1は、要求元の情報端末2宛てにアンケートの実施指示を送信する。
(S808、S809)(推薦対象ユーザの)情報端末2は、アンケートの回答情報(「ユーザ属性」情報)をレコメンドサーバ1宛てに送信するとともに、計測した端末通信速度情報をレコメンドサーバ1宛てに送信する。
(S810)レコメンドサーバ1は、生成し格納した「コンテンツ視聴情報」に基づき、取得した「ユーザ属性」及び端末通信速度を利用してレコメンド情報を生成する。
【0092】
(S810)一方、ステップS806で、初回利用ではないと判定された場合、レコメンドサーバ1は、
(a)要求元の情報端末2(の推薦対象ユーザ)の視聴履歴が存在しないならば、「コンテンツ視聴情報」に基づき、この情報端末2(の推薦対象ユーザ)の登録された「ユーザ属性」を利用してレコメンド情報を生成し、一方、
(b)要求元の情報端末2(の推薦対象ユーザ)の視聴履歴が存在するならば、「コンテンツ視聴情報」に基づき、この情報端末2(の推薦対象ユーザ)によって直前に視聴されたコンテンツの「視聴時間」及び端末通信速度を利用してレコメンド情報を生成する。
(S811)レコメンドサーバ1は、生成したレコメンド情報を要求元の情報端末2宛てに送信する。
【0093】
(S812)(推薦対象ユーザの)情報端末2は、取得したレコメンド情報を参照し、レコメンド情報から1つのコンテンツを選択し、レコメンドサーバ1宛てにこのコンテンツの配信要求を送信する。
(S813)レコメンドサーバ1は、コンテンツ蓄積部103に管理された要求されたコンテンツを、情報端末2宛てに配信する。
(S814)(推薦対象ユーザの)情報端末2は、配信されたコンテンツを再生して「視聴時間」を計測し、取得した「視聴時間」情報と、再生したコンテンツの識別情報と、再生終了時の端末通信速度情報とをレコメンドサーバ1宛てに送信する。
【0094】
(S815)レコメンドサーバ1は、「コンテンツ視聴情報」に基づき、この情報端末2(の推薦対象ユーザ)によって直前に視聴されたコンテンツの「視聴時間」及び端末通信速度を利用してレコメンド情報を生成する。以後、生成したレコメンド情報を情報端末2に送信して、推薦対象ユーザにとって好適なコンテンツをレコメンドし、配信要求させることを繰り返す。
【0095】
以上詳細に説明したように、本発明では、視聴コンテンツの「視聴時間」に着目してユーザの嗜好を推定している。ここで、「視聴時間」に着目するのは、視聴を中止するタイミング(コンテンツの視聴箇所)が同一又は類似の人は、同様の嗜好性を有する傾向にあるとの知見に基づく。これにより、例えば視線追尾等の特殊な手段を用いることなく「視聴時間」を計測することによって、より高い精度で、ユーザの嗜好に適している可能性の高いコンテンツをレコメンドすることができる。
【0096】
以上に述べた本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。