特許第6150777号(P6150777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6150777固体薬学的組成物およびそれらの生産のためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150777
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】固体薬学的組成物およびそれらの生産のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/55 20060101AFI20170612BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20170612BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20170612BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   A61K31/55
   A61K9/16
   A61K9/20
   A61K9/28
   A61K47/26
   A61K47/38
   A61K47/10
   A61K47/36
   A61K47/02
   A61K47/20
   A61K47/14
   A61K47/34
   A61K47/32
   A61K47/12
   A61K47/04
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2014-191161(P2014-191161)
(22)【出願日】2014年9月19日
(62)【分割の表示】特願2012-511813(P2012-511813)の分割
【原出願日】2010年5月14日
(65)【公開番号】特開2014-237725(P2014-237725A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2014年9月19日
(31)【優先権主張番号】61/268,438
(32)【優先日】2009年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/216,493
(32)【優先日】2009年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500287639
【氏名又は名称】ミレニアム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ブハビシュヤ ミッタル
【審査官】 光本 美奈子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/063525(WO,A1)
【文献】 特表2007−537268(JP,A)
【文献】 医薬品添加物事典2007,2007年,第1刷,172,173,242,279,280頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/55
A61K 9/00〜9/72
A61K 47/00〜47/69
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の処置において使用するための薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は、活性成分としての化合物4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはその結晶形態;および緩衝剤を含み、前記活性成分は、顆粒形態であり、前記緩衝剤は、前記活性成分に対して顆粒外であり、前記緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである、薬学的組成物。
【請求項2】
前記癌が、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、前立腺癌、または膵臓癌である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記活性成分が、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウムまたはその結晶形態である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記活性成分が、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム一水和物である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
20%w/w〜40%w/wの重炭酸ナトリウム緩衝剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項6】
10%w/w〜16%w/wの活性成分、28%w/w〜40%w/wの緩衝剤、35%w/w〜45%w/wの充填剤、1%w/w〜2%w/wの滑沢剤、1%w/w〜2%w/wの界面活性剤、3%w/w〜7%w/wの結合剤、および5%w/w〜10%w/wの崩壊剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記充填剤は、乳糖、微結晶性セルロース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末セルロース、ケイ化微結晶性セルロースもしくはイソマルト、またはこれらの混合物である、請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記充填剤は、微結晶性セルロースである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、ポロキサマーもしくはモノオレイン酸グリセリル、またはこれらの混合物である、請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、マルトースアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸もしくはアルファ化デンプン、またはこれらの混合物である、請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記結合剤は、ポリビニルピロリドンである、請求項11に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記崩壊剤は、コロイド状二酸化ケイ素、粉末セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプンもしくはアルファ化デンプン、またはこれらの混合物である、請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコールもしくはラウリル硫酸マグネシウム、またはこれらの混合物である、請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
前記滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである、請求項15に記載の薬学的組成物。
【請求項17】
10%w/w〜16%w/wの活性成分としての4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウムまたはその結晶形態、28%w/w〜40%w/wの緩衝剤としての重炭酸ナトリウム、35%w/w〜45%w/wの微結晶性セルロース、1%w/w〜2%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、1%w/w〜2%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、3%w/w〜7%w/wのポリビニルピロリドン、および5%w/w〜10%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項18】
前記薬学的組成物が、錠剤の形態であり、前記錠剤がさらにフィルムコーティングおよび腸溶コーティングを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項19】
前記フィルムコーティングが、0.5%w/w〜5.5%w/wの量で存在し、前記腸溶コーティングが、5%w/w〜13%w/wの量で存在する、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
前記フィルムコーティングが、1.0%w/w〜5.0%w/wの量で存在し、前記腸溶コーティングが、7%w/w〜11%w/wの量で存在する、請求項18に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年5月18日出願の米国特許仮出願第61/216,493号、および2009年6月12日出願の米国特許仮出願第61/268,438号からの優先権を主張し、それらのそれぞれは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
[優先権主張]
本発明は、上記の組成物の大量生産のための新規の固体薬学的組成物およびプロセスに関する。本発明はまた、癌の治療において該薬学的組成物を使用する方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、固体薬学的組成物は、活性成分の元来の活性を維持するために適切な量の薬学的に許容される賦形剤と混合される、小分子等の薬学的活性成分を含む。これらの組成物は、典型的には、錠剤またはカプセルの形態で患者に送達される。
【0004】
特定の活性成分の例は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および米国出願第61/306,047号において見ることができ、それらは、オーロラキナーゼ酵素を阻害する化合物を開示する。これらの出願はさらに、これらの化合物の調製のための方法、これらの化合物を含有する薬学的組成物、ならびに癌等の細胞増殖性疾患を含むがこれに限定されない、オーロラキナーゼの過剰発現および/または増幅と関連付けられる疾病、疾患、または病状の予防および治療のための方法も開示する。
【0005】
固体薬学的組成物の製造中に考慮すべき重要なこととしては、活性成分の結晶形態を保存し、活性成分の化学的および物理的安定性を維持することが挙げられる。製造業者らは、概して、薬学的組成物に対して2〜3年の保存期間を目標とする。
【0006】
したがって、安定し、かつ好ましいバイオアベイラビリティを有する固体薬学的組成物を開発する必要性がある。具体的には、オーロラキナーゼ阻害剤を含む固体薬学的組成物の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,572,784号明細書
【特許文献2】米国公開第2008/0045501号明細書
【特許文献3】米国公開第2008/0167292号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、本明細書に記載する固体薬学的組成物を調製するための方法を提供する。これらの方法は、従来技術の方法と比較して、バイオアベイラビリティのための緩衝剤を必要とする、湿式造粒に基づく剤形を処理するための代替の方法を提供する。造粒プロセス中の賦形剤の添加順序が、安定性研究のために保管される時の製剤の溶解に影響を及ぼすことがわかっている。
【0009】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される活性成分、緩衝剤、および追加の賦形剤を含む、かかる方法によって調製することができる薬学的組成物を提供する。
【0010】
さらに別の態様では、本発明は、本明細書に記載される薬学的組成物を使用して、疾患を治療するための方法を提供する。
【0011】
本明細書で参照される特許および/または科学文献は、当業者に利用可能である知識を確立する。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が関連する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書に記載するものと同様または同等の方法および材料を使用することができるが、好ましい方法および材料が本明細書に記載される。本明細書で引用される、発行された特許、出願、および参考文献は、それぞれが参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示された場合と同じ程度で、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾が生じた場合には、定義を含む本開示が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、制限することを意図しない。
【0012】
定義:
【0013】
「活性成分」という用語は、薬学的または生理的に活性である薬学的組成物の構成成分を意味するように本明細書で使用される。
【0014】
「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、受容対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに適合し、薬剤の活性を終わらせることなく、活性薬剤を標的部位に送達するために好適である材料を指すように本明細書で使用される。もしある場合、賦形剤と関連付けられる毒性または副作用は、好ましくは、活性成分の使用目的に対する合理的なリスク便益比に比例する。薬学的に許容される賦形剤の分類としては、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、充填剤、および緩衝剤が挙げられるがこれに限定されない。
【0015】
「約」という用語は、およそ、ほぼ、大体、または前後を意味するように本明細書で使用される。「約」という用語が数値範囲と一緒に使用される時、それは、記載される数値の上下の限界を拡張することによって、その範囲を修正する。一般的に、「約」という用語は、数値を、記載された値の上下10%の差異で修正するために本明細書で使用される。
【0016】
ここで使用される「w/w%」は、個々の構成成分の重量百分率を計算するための基準として使用される総重量の百分率としての重量を意味するように使用される。一例として、バルク組成物に対して、個々の構成成分のw/w%は、バルク組成物の構成成分の全ての総重量の百分率として計算されてもよい。別の例として、単回経口投与形態に対して、個々の構成成分のw/w%は、単回経口投与形態の構成成分の全ての総重量の百分率として計算されてもよい。例えば、単回経口投与形態がコーティングされた錠剤である時、総重量は、コーティングを含む、コーティングされた錠剤の構成成分の全ての総重量であってもよい。あるいは、総重量は、コーティングを含まない、錠剤の構成成分の全ての総重量であってもよい。
【0017】
ここで使用される「含む(comprises)」という用語は、「含むがこれに限定されない」を意味する。
【0018】
ここで使用される「対象」は、好ましくは、鳥類、またはヒト等の哺乳動物であるが、獣医治療を必要とする動物、例えば、飼育動物(例えば、犬、猫等)、家畜(例えば、牛、羊、家禽、豚、馬等)、および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモット等)であってもよい。
【0019】
ここで使用される「治療すること」または「治療」は、疾病、疾患、または状態の予防、部分的緩和、または治癒を意味する。
【0020】
ここで使用される「治療有効量」は、所望の治療効果をもたらすために有効である、化合物、組成物、薬剤、または他の活性成分の量を表すよう意図される。
【0021】
ここで使用される「オーロラキナーゼ」という用語は、有糸分裂進行に関与する、関連セリン/トレオニンキナーゼのファミリーのうちの任意の1つを指す。細胞分裂に関与する様々な細胞タンパク質は、ヒストンH3、p53、CENP−A、ミオシンII調節軽鎖、タンパク質ホスファターゼ−1、TPX−2、INCENP、スルビビン、トポイソメラーゼIIα、ビメンチン、MBD−3、MgcRacGAP、デスミン、Ajuba、XIEg5(ツメガエルにおける)、Ndc10p(出芽酵母における)、およびD−TACC(ショウジョウバエにおける)を含むがこれに限定されない、オーロラキナーゼ酵素によるリン酸化のための基質である。オーロラキナーゼ酵素はまた、それ自体が、例えば、Thr288において、自己リン酸化のための基質である。文脈によって特に指示されない限り、「オーロラキナーゼ」という用語は、オーロラA、オーロラB、およびオーロラC、好ましくは、オーロラAまたはBを含むがこれに限定されない、任意の種からの任意のオーロラキナーゼタンパク質を意味する。好ましくは、オーロラキナーゼは、ヒトオーロラキナーゼである。
【0022】
「オーロラキナーゼ阻害剤」または「オーロラキナーゼの阻害剤」という用語は、オーロラキナーゼと相互作用し、その酵素活性を阻害することができる、本明細書で定義する構造を有する化合物を意味するように使用される。オーロラキナーゼ酵素活性の阻害とは、オーロラキナーゼが基質ペプチドまたはタンパク質をリン酸化する能力を低下させることを意味する。様々な実施態様では、オーロラキナーゼ活性のかかる低下は、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%である。様々な実施形態では、オーロラキナーゼ酵素活性を低下させるのに必要なオーロラキナーゼ阻害剤の濃度は、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、または約50nM未満である。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
薬学的組成物を調製する方法であって、
(a−1) 湿潤混合物を形成するために、好適な溶媒の存在下で、少なくとも1つの活性成分、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、および崩壊剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を湿式造粒するステップと、
(a−2) 乾燥顆粒を形成するために、ステップ(a−1)からの前記湿潤混合物を乾燥させるステップと、
(a−3) 粉砕顆粒を形成するために、ステップ(a−2)からの前記乾燥顆粒を粉砕するステップと、
(a−4) 緩衝剤、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および流動促進剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、ステップ(a−3)からの前記粉砕顆粒をブレンドするステップと、
を含み、
充填剤が、ステップ(a−1)中、ステップ(a−4)中、または両方のステップ(a−1)および(a−4)中に添加される、
方法。
(項目2)
前記方法は、ステップ(a−4)からの得られた混合物をカプセルに装填するステップ(b−1)をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
滑沢剤が、ステップ(a−4)中に添加され、前記方法は、錠剤を形成するために、ステップ(a−4)から得られた混合物を錠剤化するステップ(c−1)をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記方法は、ステップ(c−1)から得られた前記錠剤をコーティングするステップ(c−2)をさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記(c−2)のコーティングするステップは、ステップ(c−1)から得られた前記錠剤をフィルムコーティングおよび腸溶コーティングすることを含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記湿式造粒するステップは、少なくとも1つの活性成分、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、および充填剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を乾式ブレンドするステップ(a−0)によって先行される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記活性成分は、式(A)の化合物:
【化3】
、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
f1は、水素であるか、またはRf1およびRf2が、一緒に結合を形成し、
f2は、水素であるか、またはRf2は、Rf1もしくはRのいずれかと結合を形成し、
およびRのそれぞれは独立して、水素、フルオロ、もしくは随意に置換されたC1−6脂肪族であるか、またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、随意に置換された3〜6員脂環式環を形成するか、またはRおよびRf2が、一緒に結合を形成し、
Gは、Rf1が水素である時、水素、随意に置換された脂肪族、または環Bであり、Gは、Rf1およびRf2が一緒に結合を形成する時、水素、−OR、−N(R、SR、随意に置換された脂肪族、または環Bであり、
環Aは、置換された、または非置換の5または6員アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環であり、
環Bは、置換された、または非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または脂環式環であり、
環Cは、置換された、または非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または脂環式環であり、
は、RまたはRから独立して選択される0〜2個の置換基を有する、−C(O)R、−CO、−SO、C脂肪族、または、水素であり、
は、RまたはRで随意に置換された、−OR、−N(R、−SR、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−N(R)SO、−N(R)SON(R、C脂肪族、または、水素であり、
は、C1−6脂肪族、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、−ハロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−N(R、−C(O)(C1−3アルキル)、−COH、−CO(Cアルキル)、−C(O)NH、および−C(O)NH(Cアルキル)から成る群より選択され、各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、あるいは同じ窒素原子上の2つのRが、前記窒素原子と一緒に、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから選択される0〜2個の環のヘテロ原子を有する、随意に置換された5〜6員ヘテロアリールまたは4〜8員ヘテロシクリル環を形成し、
各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、随意に置換された脂肪族またはアリール基であり、
各Rは独立して、随意に置換されたアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基である、
項目1に記載の方法。
(項目8)
前記活性成分は、式(I)の化合物:
【化4】
、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、C脂肪族、Cフルオロ脂肪族、−R、−T−R、−R、および−T−Rから成る群より選択され、
Tは、フルオロで随意に置換されたC1−3アルキレン鎖であり、
は、随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
は、ハロ、−C≡C−R、−CH=CH−R、−N(R、および−ORから成る群より選択され、
は、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、あるいは同じ窒素原子上の2つのRが、前記窒素原子と一緒に、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから選択される0〜2個のヘテロ原子を有する、随意に置換された5〜6員ヘテロアリールまたは4〜8員ヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
は、フルオロ、クロロ、−CH、−CF、−OH、−OCH、−OCF、−OCHCH、および−OCHCFから成る群より選択される、
項目7に記載の方法。
(項目9)
前記活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態である、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記充填剤は、ステップ(a−1)中に添加される、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記充填剤は、ステップ(a−4)中に添加される、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記充填剤は、乳糖、微結晶性セルロース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、およびイソマルトから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目13)
ステップ(a−1)またはステップ(a−4)の前記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、ポロキサマー、およびモノオレイン酸グリセリルから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目14)
ステップ(a−1)またはステップ(a−4)の前記結合剤は、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、マルトースアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸、およびアルファ化デンプンから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目15)
ステップ(a−1)および/またはステップ(a−4)の前記崩壊剤は、コロイド状二酸化ケイ素、粉末セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、およびアルファ化デンプンから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコール、およびラウリル硫酸マグネシウムから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記流動促進剤は、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、タルク、およびデンプンから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目19)
ステップ(a−4)の後に産生される前記薬学的組成物は、約1%w/w〜約60%w/wの活性成分、約10%w/w〜約80%w/wの緩衝剤、および約10%w/w〜約80%w/wの充填剤を含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記薬学的組成物は、約2%w/w〜約22%w/wの前記活性成分を含み、前記活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記薬学的組成物は、約10%w/w〜約60%w/wの前記緩衝剤を含み、前記緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記薬学的組成物は、約27%w/w〜約53%w/wの前記充填剤を含み、前記充填剤は、微結晶性セルロースである、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記薬学的組成物は、約0%w/w〜約3%w/wの滑沢剤をさらに含み、前記滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである、項目19に記載の方法。
(項目24)
ステップ(a−4)の後に産生される前記薬学的組成物は、約0%w/w〜約5%w/wの界面活性剤、約0%w/w〜約20%w/wの結合剤、および約0%w/w〜約20%w/wの崩壊剤をさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目25)
前記崩壊剤の総量の約30%〜約70%がステップ(a−1)中に添加され、前記崩壊剤の総量の約30%〜約70%がステップ(a−4)中に添加される、項目24に記載の方法。
(項目26)
ステップ(a−1)の前記溶媒は、水、エタノール、およびアセトンから成る群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記湿式造粒するステップは、高剪断造粒機において生じる、項目1に記載の方法。
(項目28)
前記乾燥させるステップは、流動層造粒機において生じる、項目1に記載の方法。
(項目29)
薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は、項目1に記載の方法によって調製される、薬学的組成物。
(項目30)
前記活性成分は、式(A)の化合物:
【化5】
、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
f1は、水素であるか、またはRf1およびRf2が、一緒に結合を形成し、
f2は、水素であるか、またはRf2は、Rf1もしくはRのいずれかと結合を形成し、
およびRのそれぞれは独立して、水素、フルオロ、もしくは随意に置換されたC脂肪族であるか、またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、随意に置換された3〜6員脂環式環を形成するか、またはRおよびRf2が、一緒に結合を形成し、
Gは、Rf1が水素である時、水素、随意に置換された脂肪族、または環Bであり、Gは、Rf1およびRf2が一緒に結合を形成する時、水素、−OR、−N(R、SR、随意に置換された脂肪族、または環Bであり、
環Aは、置換された、または非置換の5または6員アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環であり、
環Bは、置換された、または非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または脂環式環であり、
環Cは、置換された、または非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または脂環式環であり、
は、RまたはRから独立して選択される0〜2個の置換基を有する、−C(O)R、−CO、−SO、C脂肪族、または、水素であり、
は、RまたはRで随意に置換された、−OR、−N(R、−SR、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−N(R)SO、−N(R)SON(R、C脂肪族、または、水素であり、
は、C1−6脂肪族、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、−ハロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−N(R、−C(O)(C1−3アルキル)、−COH、−CO(Cアルキル)、−C(O)NH、および−C(O)NH(Cアルキル)から成る群より選択され、各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、あるいは同じ窒素原子上の2つのRが、前記窒素原子と一緒に、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから選択される0〜2個の環のヘテロ原子を有する、随意に置換された5〜6員ヘテロアリールまたは4〜8員ヘテロシクリル環を形成し、
各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、随意に置換された脂肪族またはアリール基であり、
各Rは独立して、随意に置換されたアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基である、
項目29に記載の薬学的組成物。
(項目31)
前記活性成分は、式(I)の化合物:
【化6】
、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、C脂肪族、Cフルオロ脂肪族、−R、−T−R、−R、および−T−Rから成る群より選択され、
Tは、フルオロで随意に置換されたCアルキレン鎖であり、
は、随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
は、ハロ、−C≡C−R、−CH=CH−R、−N(R、および−ORから成る群より選択され、
は、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、あるいは同じ窒素原子上の2つのRが、前記窒素原子と一緒に、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから選択される0〜2個の環のヘテロ原子を有する、随意に置換された5〜6員ヘテロアリールまたは4〜8員ヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
は、フルオロ、クロロ、−CH、−CF、−OH、−OCH、−OCF、−OCHCH、および−OCHCFから成る群より選択される、
項目30に記載の薬学的組成物。
(項目32)
前記活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態である、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目33)
前記緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである、項目29に記載の薬学的組成物。
(項目34)
約1%w/w〜約60%w/wの4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態、約10%w/w〜約80%w/wの重炭酸ナトリウム、約10%w/w〜約80%w/wの微結晶性セルロース、約0%w/w〜約5%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約5%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約20%w/wのポリビニルピロリドン、および約0%w/w〜約20%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む、項目29に記載の薬学的組成物。
(項目35)
約13.6%w/wの4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態、約30.0%w/wの重炭酸ナトリウム、および約40.4%w/wの微結晶性セルロース、約1.0%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約2.0%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約5.0%w/wのポリビニルピロリドン、および約8.0%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む、項目29に記載の薬学的組成物。
(項目36)
前記薬学的組成物は、固体経口薬学的投与形態である、項目35に記載の薬学的組成物。
(項目37)
前記固体経口薬学的投与形態は、錠剤である、項目36に記載の薬学的組成物。
(項目38)
約1%w/w〜約60%w/wの4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態、約10%w/w〜約80%w/wの重炭酸ナトリウム、約10%w/w〜約80%w/wの微結晶性セルロース、約0%w/w〜約5%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約5%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約20%w/wのポリビニルピロリドン、約0%w/w〜約20%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0%w/w〜約10%w/wのフィルムコーティング、および約0%w/w〜約20%w/wの腸溶コーティングを含む、薬学的組成物。
(項目39)
約1%w/w〜約30%w/wの4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態、約30%w/w〜約60%w/wの重炭酸ナトリウム、および約20%w/w〜約60%w/wの微結晶性セルロース、約1%w/w〜約3%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約3%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約10%w/wのポリビニルピロリドン、約0%w/w〜約15%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/w〜約5.5%w/wのフィルムコーティング、および約5%w/w〜約13%w/wの腸溶コーティングを含む、薬学的組成物。
(項目40)
約11.9%w/wの4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態、約26.1%w/wの重炭酸ナトリウム、および約35.1%w/wの微結晶性セルロース、約0.9%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約1.7%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約4.4%w/wのポリビニルピロリドン、約7.0%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約3.6%w/wのOpadry(登録商標)クリアコーティング、および約9.4%w/wのAcryl−EZE(登録商標)白色腸溶コーティングを含む、薬学的組成物であって、総重量は、前記コーティングを含む、前記コーティングされた錠剤の全ての前記構成成分を含む、薬学的組成物。
【発明を実施するための形態】
【0023】
一態様では、本発明は、薬学的組成物を調製する方法であって、
(a−1) 湿潤混合物を形成するために、好適な溶媒の存在下で、少なくとも1つの活
性成分、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、および崩壊剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を湿式造粒するステップと、
(a−2) 乾燥顆粒を形成するために、ステップ(a−1)からの湿潤混合物を乾燥さ
せるステップと、
(a−3) 粉砕顆粒を形成するために、ステップ(a−2)からの乾燥顆粒を粉砕する
ステップと、
(a−4) 緩衝剤、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、および流
動促進剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、ステップ(a−3)からの粉砕顆粒をブレンドするステップと、
を含み、充填剤が、ステップ(a−1)中、ステップ(a−4)中、または両方のステップ(a−1)および(a−4)中に添加される、方法を提供する。
【0024】
さらなる実施形態では、本発明の方法はまた、ステップ(a−4)からの得られた混合物をカプセルに装填するステップ(b−1)を含む。
【0025】
別のさらなる実施形態では、本発明の方法は、錠剤を形成するために、ステップ(a−4)からの得られた混合物を錠剤化するステップ(c−1)を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、ステップ(a−4)中に滑沢剤を添加し、次いで、錠剤を形成するために、ステップ(a−4)からの得られた混合物を錠剤化するステップ(c−1)を含む。
【0026】
なおさらなる実施形態では、本発明の方法はまた、ステップ(c−1)から得られた錠剤をコーティングするステップ(c−2)を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、フィルムコーティングおよび腸溶コーティングされる。
【0027】
さらなる実施形態では、本発明の方法の湿式造粒するステップ(a−1)は、少なくとも1つの活性成分、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、および充填剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を乾式ブレンドするステップ(a−0)によって先行される。
【0028】
いくつかの実施形態では、ステップ(a−4)は、薬学的に許容される賦形剤の全てが一度に添加される、単一のブレンドステップとして実施することができる。他の実施形態では、ステップ(a−4)は、薬学的に許容される賦形剤が1つずつ添加される、連続的なブレンドステップとして実施することができる。さらに他の実施形態では、ステップ(a−4)中、他の全ての薬学的に許容される賦形剤が添加された後に、1つ以上の滑沢剤が添加されてもよい。
【0029】
本明細書で概説する湿式造粒するステップ(a−1)は、任意の従来の造粒システムまたは装置で行うことができる。かかる造粒設備の実施例としては、高剪断造粒機、流動層造粒機、ホットメルト造粒機、ワンポット造粒機、押出造粒機、球形化造粒機、および噴霧乾燥造粒機が挙げられるがこれに限定されない。高剪断造粒機の一実施例は、DIOSNA Dierks & Sohne GmbH,Germanyによって製造されるD
iosna P1−6 高剪断造粒機である。流動層造粒機の一実施例は、Glatt Air Techniques,Inc.,USAによるGPCG−1バッチ流動層造粒機である。
【0030】
いくつかの実施形態では、湿式造粒するステップ(a−1)は、約5分〜約60分かかる。いくつかの実施形態では、湿潤混合物を形成するために、好適な溶媒が造粒システムに導入されながら、少なくとも1つの活性成分、ならびに随意に、界面活性剤、結合剤、および崩壊剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が混合される。いくつかの他の実施形態では、湿式造粒するステップは随意に、所望の造粒終点を達成するために、好適な溶媒が造粒システムに導入された後に、追加の混合時間を含む。いくつかの実施形態では、追加の混合時間は、約15分未満、または約10分未満、または約5分未満にわたって生じる。いくつかの実施形態では、追加の混合時間は、約1分〜約5分の間、または約1分〜約4分の間、または約1分〜約3分の間、または約1分〜約2分の間生じる。いくつかの実施形態では、追加の混合時間は、約1分、または約2分、または約3分、または約4分、または約5分にわたって生じる。
【0031】
いくつかの実施形態では、湿式造粒するステップ中の含水量は、約15%w/w〜約45%w/wの間であり、総重量は、湿式造粒するステップ中の材料の総量に等しい。いくつかの実施形態では、湿式造粒するステップ中の含水量は、約20%w/w〜約40%w/wの間、または約25%w/w〜約35%w/wの間、または約30%w/wであり、総重量は、湿式造粒するステップ中の材料の総量に等しい。いくつかの他の実施形態では、湿式造粒するステップ中の含水量は、約15%w/w、または約20%w/w、または約25%w/w、または約30%w/w、または約35%w/w、または約40%w/wであり、総重量は、湿式造粒するステップ中の材料の総量に等しい。
【0032】
本明細書で概説する乾燥させるステップ(a−2)は、任意の従来の乾燥システムまたは装置で行うことができる。かかる乾燥設備の実施例としては、流動層造粒機、ならびにトレイ乾燥、マイクロ波乾燥、および真空乾燥のための装置が挙げられるがこれに限定されない。流動層造粒機の一実施例は、Glatt Air Techniques,Ramsey,NJによって製造されるGPCG−1である。いくつかの実施形態では、乾燥させるステップは、約5分〜約240分かかる。いくつかの他の実施形態では、乾燥させるステップは、約60分〜約240分、または約180分〜約240分かかる。いくつかの実施形態では、吸気温は、約40℃〜約85℃の間である。いくつかの実施形態では、吸気温は、約50℃〜約80℃の間、または約60℃〜約75℃の間、または約70℃である。
【0033】
本明細書で概説する粉砕するステップ(a−3)は、任意の従来の粉砕システムまたは装置で行うことができる。かかる粉砕設備の例としては、Comil(登録商標)U3(Quadro Engineering LP,Waterloo,ON,Canada)、FitzMill(登録商標)(Fitzpatrick Co.,Elmhurst,IL)、および篩を使用した篩がけのための設備が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、粉砕するステップは、約2分〜約60分かかる。
【0034】
本明細書で概説するブレンドするステップ(a−4)は、V−ブレンダ、中間バルクコンテナ(IBC)、ドラムブレンダ、トートブレンダ、クロスフローブレンダ、および他の従来のブレンダ等の任意の従来のブレンダで行うことができる。従来のブレンダの一実施例は、Patterson−Kelley Co.,East Stroudsburg,PAによって製造されるPKブレンダである。いくつかの実施形態では、ブレンドするステップは、約5分〜約120分かかる。いくつかの実施形態では、ブレンド速度は、約10rpm〜約60rpmの間である。
【0035】
本明細書で概説する乾式ブレンドするステップ(a−0)は、V−ブレンダ、中間バルクコンテナ(IBC)、ドラムブレンダ、トートブレンダ、クロスフローブレンダ、および他の従来のブレンダ等の任意の従来のブレンダで行うことができる。従来のブレンダの一実施例は、Patterson−Kelley Co.,East Stroudsburg,PAによって製造されるPKブレンダである。いくつかの実施形態では、ブレンドするステップは、約5分〜約120分かかる。いくつかの実施形態では、ブレンド速度は、約10rpm〜約60rpmの間である。
【0036】
本明細書で概説するカプセルに装填するステップ(b−1)は、任意の従来のカプセル充填システムまたは装置で行うことができる。いくつかの実施形態では、カプセル充填システムは、半自動化され、小バッチサイズを処理することができる。かかるカプセル充填システムの一実施例は、In−Cap(Isopak Limited,Lincolnshire,Stamford,United Kingdom)として販売されている。いくつかの実施形態では、カプセル充填システムは、手動である。かかるカプセル充填装置の一実施例は、ProFill 100(Torpac,Inc.,Fairfield,NJ,USA)として販売されている。商業用カプセル化装置の一実施例は、I.M.A.Industria Macchine Automatiche S.p.A.,Castenaso,Italyによって製造される間欠運動カプセル充填機、Zanasi 70Cである。
【0037】
本明細書で概説する錠剤化するステップ(c−1)は、任意の従来の錠剤プレスで行うことができる。錠剤化設備の一実施例は、SMI Inc,Lebanon,NJによって製造されるPiccola PLC 8ステーションPKブレンダSMI Inc,Lebanon,NJである。いくつかの実施形態では、錠剤化速度は、約10rpm〜約100rpmの間である。
【0038】
本明細書で概説するコーティングするステップ(c−2)は、任意の従来の錠剤コーティングシステムで行うことができる。従来の錠剤コーティング設備の一実施例は、Labcoat I(O’Hara Technologies,Inc,Richmond Hill,ON,Canada)として販売されている。いくつかの実施形態では、コーティング速度は、約10rpm〜約100rpmの間である。いくつかの実施形態では、コーティング噴霧速度は、約5g/分〜約100g/分の間である。
【0039】
好適な充填剤としては、乳糖、微結晶性セルロース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、充填剤は、ケイ化微結晶性セルロース、微結晶性セルロース、またはそれらの混合物である。いくつかの他の実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロースである。
【0040】
好適な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(Tween 20およびTween 80等)、ポロキサマー(Poloxamer 335およびPoloxamer 407等)、モノオレイン酸グリセリル、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0041】
好適な結合剤としては、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、マルトースアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ステアリン酸、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、結合剤は、HPMC、ポリビニルピロリドン、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、結合剤は、ポリビニルピロリドンである。
【0042】
好適な崩壊剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、粉末セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0043】
好適な滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸マグネシウム、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。
【0044】
好適な流動促進剤としては、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、タルク、デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、流動促進剤は、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
【0045】
湿式造粒するステップ(a−1)のための好適な溶媒としては、水、エタノール、アセトン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。
【0046】
本発明の方法は、緩衝剤を用いて固体形態で製剤化するために好適な任意の活性成分を含む、固体薬学的組成物の調製のために使用することができる。当業者は、塩基性部分を有する活性成分が酸性緩衝剤を用いて最適に製剤化され得ること、および酸性部分を有する活性成分が塩基性緩衝剤を用いて最適に製剤化され得ることを認識するであろう。したがって、本発明で使用するために好適な緩衝剤は、酸性および塩基性緩衝剤の両方を含む。例えば、いくつかの実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約7.0未満のpHを有する。他の実施形態では、緩衝剤の水溶液は、少なくとも約7.0のpHを有する。かかる緩衝剤の例は、当業者に既知であり、Handbook of Pharmaceutical Excipients(5th Edition),APhA publicationsにおいて見られる。
【0047】
いくつかの実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約7.0未満のpHを有する。いくつかの他の実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約1.0〜約6.0の間、または約2.0〜約6.0の間、または約3.0〜約6.0の間、または約4.0〜約6.0の間、または約5.0〜約6.0の間のpHを有する。水溶液中で約7.0未満のpHを有する好適な緩衝剤としては、クエン酸ニナトトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。
【0048】
いくつかの実施形態では、緩衝剤の水溶液は、少なくとも約7.0のpHを有する。いくつかの他の実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約8.0〜約13.0の間、または約8.0〜約12.0の間、または約8.0〜約11.0の間、または約8.0〜約10.0の間、または約8.0〜約9.0の間のpHを有する。
【0049】
水溶液中で少なくとも約7.0のpHを有する好適な緩衝剤としては、重炭酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである。
【0050】
いくつかの実施形態では、活性成分は、酸部分を含有する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、式(A)の化合物:
【化1】
、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
f1は、水素であるか、またはRf1およびRf2が、一緒に結合を形成し、
f2は、水素であるか、またはRf2は、Rf1もしくはRのいずれかと結合を形成し、
およびRのそれぞれは独立して、水素、フルオロ、もしくは随意に置換されたC1−6脂肪族であるか、またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、随意に置換された3〜6員脂環式環を形成するか、またはRおよびRf2が、一緒に結合を形成し、
Gは、Rf1が水素である時、水素、随意に置換された脂肪族、または環Bであり、Gは、Rf1およびRf2が一緒に結合を形成する時、水素、−OR、−N(R、SR、随意に置換された脂肪族、または環Bであり、
環Aは、置換された、または非置換の5または6員アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環であり、
環Bは、置換された、または非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または脂環式環であり、
環Cは、置換された、または非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または脂環式環であり、
は、RまたはRから独立して選択される0〜2個の置換基を有する、−C(O)R、−CO、−SO、C脂肪族、または、水素であり、
は、RまたはRで随意に置換された、−OR、−N(R、−SR、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−N(R)SO、−N(R)SON(R、C脂肪族、または、水素であり、
は、C1−6脂肪族、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、−ハロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−N(R、−C(O)(C1−3アルキル)、−COH、−CO(Cアルキル)、−C(O)NH、および−C(O)NH(Cアルキル)から成る群より選択され、各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、あるいは同じ窒素原子上の2つのRが、窒素原子と一緒に、窒素原子に加えて、N、O、およびSから選択される0〜2個の環のヘテロ原子を有する、随意に置換された5〜6員ヘテロアリールまたは4〜8員ヘテロシクリル環を形成し、
各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、随意に置換された脂肪族またはアリール基であり、
各Rは独立して、随意に置換されたアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基である。
【0051】
なおさらなる実施形態では、活性成分は、式(I)の化合物:
【化2】
、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、C脂肪族、Cフルオロ脂肪族、−R、−T−R、−R、および−T−Rから成る群より選択され、
Tは、フルオロで随意に置換されたC1−3アルキレン鎖であり、
は、随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
は、ハロ、−C≡C−R、−CH=CH−R、−N(R、および−ORから成る群より選択され、
は、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各Rは独立して、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、あるいは同じ窒素原子上の2つのRが、窒素原子と一緒に、窒素原子に加えて、N、O、およびSから選択される0〜2個の環のヘテロ原子を有する、随意に置換された5〜6員ヘテロアリールまたは4〜8員ヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、または随意に置換された脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
は、フルオロ、クロロ、−CH、−CF、−OH、−OCH、−OCF、−OCHCH、および−OCHCFから成る群より選択される。
【0052】
式(A)および式(I)の化合物の置換基の定義は、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,572,784号および米国公開第2008/0167292号において見ることができる。特に指定のない限り、本明細書で図示される構造はまた、図示された化合物の溶媒和および水和物形態を含むよう意図される。式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、ならびにかかる塩の溶媒和および水和物形態を含む、組成物もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0053】
式(A)の化合物の薬学的に許容される塩が本発明の組成物で利用される場合、塩は、好ましくは、無機または有機酸または塩基から得られた。好適な塩の再考察のために、例えば、Berge et al,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000を参照されたい。
【0054】
好適な酸付加塩の限定されない例としては、以下が挙げられる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン塩酸、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、およびウンデカン酸塩。
【0055】
好適な塩基付加塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩等)、有機塩基(ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、およびコリン等)を有する塩、ならびにアミノ酸(アルギニン、リジン等)を有する塩等が挙げられるがこれに限定されない。例えば、環Cが−COHで置換される、式(A)の化合物は、対応する塩基付加塩、例えば、対応するナトリウム塩として製剤化されてもよい。
【0056】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩が本発明の組成物で利用される場合、塩は、好ましくは、塩基付加塩である。好適な塩基付加塩は、式(A)の化合物に関して上記に記載される通りである。いくつかの実施形態では、活性成分は、式(I)の化合物、またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩である。
【0057】
いくつかの実施形態では、活性成分は、式(A)または式(I)の化合物の結晶形態である。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の結晶形態である。式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、およびその結晶形態のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国特許第7,572,784号、米国公開第2008/0167292号、および米国出願第61/306,047号で見ることができる。
【0058】
なおさらなる実施形態では、活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)、またはその結晶形態である。別の実施形態では、活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)一水和物である。別の実施形態では、活性成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国公開第2008/0167292号および米国出願第61/306,047号に記載されるような、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)多形体形態2である。
【0059】
ステップ(c−2)において錠剤をフィルムコーティングするために使用され得る好適な材料としては、Opadry(登録商標)(ヒドロキシプロピルメチルセルロースPEG)(Colorcon,West Point,PA)、Opadry(登録商標)II(ポリビニルアルコール、PEG、タルク、および二酸化チタン)、Opadry(登録商標)fx、Opadry(登録商標)amb、ならびにそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、フィルムコーティング材料は、Opadry(登録商標)、Opadry(登録商標)II、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、フィルムコーティング材料は、Opadry(登録商標)IIである。
【0060】
ステップ(c−2)において錠剤を腸溶コーティングするために使用され得る好適な材料としては、Acryl−EZE(登録商標)(メタクリル酸共重合体、タルク、SLS、二酸化チタン、重炭酸ナトリウム、シリカ、クエン酸トリエチル)(Colorcon,West Point,PA)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、アクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(酢酸コハク酸ヒプロメロース)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。
【0061】
いくつかの実施形態では、ステップ(a−4)の後に産生される薬学的組成物は、約1%w/w〜約60%w/wの活性成分、約10%w/w〜約80%w/wの緩衝剤、および約10%w/w〜約80%w/wの充填剤を含む。さらなる実施形態では、薬学的組成物は、約2%w/w〜約22%w/wの化合物1、またはその結晶形態を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、約3%w/w〜約15%w/wの化合物1、またはその結晶形態を含む。いくつかの他の実施形態では、薬学的組成物は、約13.6%w/wの化合物1、またはその結晶形態を含む。
【0062】
いくつかのさらなる実施形態では、薬学的組成物は、重炭酸ナトリウム緩衝剤を含み、重炭酸ナトリウム緩衝剤は、約10%w/w〜約60%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム緩衝剤は、約20%w/w〜約40%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、重炭酸ナトリウム緩衝剤は、約30%w/wの量で存在する。
【0063】
なおさらなる実施形態では、薬学的組成物は、微結晶性セルロース充填剤を含み、微結晶性セルロース充填剤は、約27%w/w〜約53%w/wの量で存在する。
【0064】
なおさらなる実施形態では、バルク組成物は、フマル酸ステアリルナトリウム滑沢剤を含み、フマル酸ステアリルナトリウム滑沢剤は、約0%w/w〜約3%w/wの量で存在する。
【0065】
なおさらなる実施形態では、ステップ(a−4)の後に産生される薬学的組成物は、約0%w/w〜約5%w/wの界面活性剤、約0%w/w〜約20%w/wの結合剤、および約0%w/w〜約20%w/wの崩壊剤を含む。
【0066】
なおさらなる実施形態では、崩壊剤の総量の約30%〜約70%がステップ(a−1)中に添加され、崩壊剤の総量の約30%〜約70%がステップ(a−4)中に添加される。
【0067】
別の態様では、本発明は、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物は、本明細書に記載する方法によって調製されてもよい。いくつかの他の実施形態では、本発明の薬学的組成物は、バルク組成物である。
【0068】
一実施形態では、バルク組成物は、活性成分、緩衝剤、および充填剤を含む。別の実施形態では、バルク組成物は、活性成分、緩衝剤、充填剤、ならびに随意に、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、および流動促進剤から成る群より独立して選択される、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。さらに別の実施形態では、バルク組成物は、活性成分、緩衝剤、充填剤、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、および崩壊剤を含む。
【0069】
一実施形態では、バルク組成物は、約1%w/w〜約60%w/wの活性成分、約10%w/w〜約80%w/wの緩衝剤、および約10%w/w〜約80%w/wの充填剤を含む。別の実施形態では、バルク組成物は、約1%w/w〜約60%w/wの活性成分、約10%w/w〜約80%w/wの緩衝剤、約10%w/w〜約80%w/wの充填剤、約0%w/w〜約5%w/wの滑沢剤、約0%w/w〜約5%w/wの界面活性剤、約0%w/w〜約20%w/wの結合剤、約0%w/w〜約20%w/wの崩壊剤、および約0%w/w〜約5%w/wの流動促進剤を含む。
【0070】
別の実施形態では、バルク組成物は、約1%w/w〜約30%w/wの活性成分、約30%w/w〜約60%w/wの緩衝剤、および約20%w/w〜約60%w/wの充填剤、約1%w/w〜約3%w/wの滑沢剤、約0%w/w〜約3%w/wの界面活性剤、約0%w/w〜約10%w/wの結合剤、約0%w/w〜約15%w/wの崩壊剤、および約0%w/w〜約2%w/wの流動促進剤を含む。
【0071】
別の実施形態では、バルク組成物は、約10%w/w〜約16%w/wの活性成分、約28%w/w〜約40%w/wの緩衝剤、約35%w/w〜約45%w/wの充填剤、約1%w/w〜約2%w/wの滑沢剤、約1%w/w〜約2%w/wの界面活性剤、約3%w/w〜約7%w/wの結合剤、約5%w/w〜約10%w/wの崩壊剤、および約0%w/w〜約2%w/wの流動促進剤を含む。
【0072】
別の実施形態では、バルク組成物は、約13.6%w/wの活性成分、約30.0%w/wの緩衝剤、および約40.4%w/wの充填剤、約1.0%w/wの滑沢剤、約2.0%w/wの界面活性剤、約5.0%w/wの結合剤、および約8.0%w/wの崩壊剤を含む。
【0073】
好適な充填剤としては、乳糖、微結晶性セルロース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、充填剤は、ケイ化微結晶性セルロース、微結晶性セルロース、またはそれらの混合物である。いくつかの他の実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロースである。
【0074】
いくつかの実施形態では、充填剤は、約10%w/w〜約80%w/wの量で存在する。他の実施形態では、充填剤は、約20%w/w〜約60%w/w、または約25%w/w〜約55%w/w、または約30%w/w〜約50%w/w、または約35%w/w〜約45%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、充填剤は、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、または約65%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、充填剤は、約40.4%w/wの量で存在する。
【0075】
いくつかの実施形態では、充填剤が、ステップ(a−1)中に添加される、第1の充填剤と、ステップ(a−4)中に添加される、第2の充填剤とを含み、それらは、同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、同じである。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤のみが存在する。さらにいくつかの他の実施形態では、第2の充填剤のみが存在する。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ、乳糖、微結晶性セルロース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、およびそれらの混合物から成る群より独立して選択される。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ、ケイ化微結晶性セルロース、微結晶性セルロース、またはそれらの混合物から成る群より独立して選択される。ある特定の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は両方とも、微結晶性セルロースである。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ同量で存在し、ただし、充填剤の総量は、約80%w/w以下である。他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ異なる量で存在し、ただし、充填剤の総量は、約80%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約80%w/wの量で存在し、ただし、充填剤の総量は、約80%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ独立して、約5%w/w〜約40%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ独立して、約10%w/w〜約30%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ独立して、約10%w/w、または約15%w/w、または約20%w/w、または約25%w/w、または約30%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の充填剤および第2の充填剤は、それぞれ独立して、約20%w/wの量で存在する。
【0078】
好適な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(Tween 20およびTween 80等)、ポロキサマー(Poloxamer 335およびPoloxamer 407等)、モノオレイン酸グリセリル、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0079】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約0%w/w〜約5%w/wの量で存在する。他の実施形態では、界面活性剤は、約0%w/w〜約3%w/wの量で存在する。他の実施形態では、界面活性剤は、約1%w/w〜約2%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、界面活性剤は、約0.5%w/w、または約1%w/w、または約1.5%w/w、または約2%w/w、または約2.5%w/w、または約3%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、界面活性剤は、約2%w/wの量で存在する。
【0080】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ステップ(a−1)中に添加される、第1の界面活性剤と、ステップ(a−4)中に添加される、第2の界面活性剤とを含み、それらは、同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、同じである。いくつかの他の実施形態では、第1の界面活性剤のみが存在する。さらにいくつかの他の実施形態では、第2の界面活性剤のみが存在する。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、それぞれ、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(Tween 20およびTween 80等)、ポロキサマー(Poloxamer 335およびPoloxamer 407等)、モノオレイン酸グリセリル、およびそれらの混合物から成る群より独立して選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物である。いくつかの他の実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は両方とも、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、それぞれ同量で存在し、ただし、界面活性剤の総量は、約5%w/w以下である。他の実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、それぞれ異なる量で存在し、ただし、界面活性剤の総量は、約5%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約5%w/wの量で存在し、ただし、界面活性剤の総量は、約5%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、それぞれ独立して、約0.5%w/w、または約1%w/w、または約1.5%w/w、または約2%w/w、または約2.5%w/w、または約3%w/wの量で存在し、ただし、界面活性剤の総量は、約5%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の界面活性剤および第2の界面活性剤は、それぞれ独立して、約1%w/wの量で存在する。
【0083】
好適な結合剤としては、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、マルトースアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ステアリン酸、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、結合剤は、HPMC、ポリビニルピロリドン、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、結合剤は、ポリビニルピロリドンである。
【0084】
いくつかの実施形態では、結合剤は、約0%w/w〜約20%w/wの量で存在する。他の実施形態では、結合剤は、約0%w/w〜約10%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、結合剤は、約1%w/w、または約2%w/w、または約3%w/w、または約4%w/w、または約5%w/w、または約6%w/w、または約7%w/w、または約8%w/w、または約9%w/w、または約10%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、結合剤は、約1%w/w〜約9%w/w、または約2%w/w〜約8%w/w、または約3%w/w〜約7%w/w、または約4%w/w〜約6%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、結合剤は、約5%の量で存在する。
【0085】
いくつかの実施形態では、結合剤は、ステップ(a−1)中に添加される、第1の結合剤と、ステップ(a−4)中に添加される、第2の結合剤とを含み、それらは、同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、同じである。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤のみが存在する。さらにいくつかの他の実施形態では、第2の結合剤のみが存在する。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、マルトースアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ステアリン酸、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物から成る群より独立して選択される。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ、HPMC、ポリビニルピロリドン、およびそれらの混合物から成る群より独立して選択される。ある特定の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は両方とも、ポリビニルピロリドンである。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ同量で存在し、ただし、結合剤の総量は、約20%w/w以下である。他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ異なる量で存在し、ただし、結合剤の総量は、約20%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約20%w/wの量で存在し、ただし、結合剤の総量は、約20%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約10%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約5%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ独立して、約0.5%w/w、または約1%w/w、または約1.5%w/w、または約2%w/w、または約2.5%w/w、または約3%w/w、または約3.5%w/w、または約4%w/w、または約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の結合剤および第2の結合剤は、それぞれ独立して、約2.5%w/wの量で存在する。
【0088】
好適な崩壊剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、粉末セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0089】
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、約0%w/w〜約20%w/wの量で存在する。他の実施形態では、崩壊剤は、約0%w/w〜約15%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、約1%w/w〜約14%w/w、または約2%w/w〜約13%w/w、または約3%w/w〜約12%w/w、または約4%w/w〜約11%w/w、または約5%w/w〜約10%w/w、または約6%w/w〜約9%w/w、または約7%w/w〜約8%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、崩壊剤は、約4%w/w、または約5%w/w、または約6%w/w、または約7%w/w、または約8%w/w、または約9%w/w、または約10%w/w、または約11%w/w、または約12%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、崩壊剤は、約8%w/wの量で存在する。
【0090】
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、ステップ(a−1)中に添加される、第1の崩壊剤と、ステップ(a−4)中に添加される、第2の崩壊剤とを含み、それらは、同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、同じである。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤のみが存在する。さらにいくつかの他の実施形態では、第2の崩壊剤のみが存在する。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ、コロイド状二酸化ケイ素、粉末セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物から成る群より独立して選択される。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびそれらの混合物から成る群より独立して選択される。ある特定の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は両方とも、クロスカルメロースナトリウムである。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ同量で存在し、ただし、崩壊剤の総量は、約20%w/w以下である。他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ異なる量で存在し、ただし、崩壊剤の総量は、約20%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約20%w/wの量で存在し、ただし、崩壊剤の総量は、約20%w/w以下である。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、約0%w/w〜約8%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、約1%w/w、または約2%w/w、または約3%w/w、または約4%w/w、または約5%w/w、または約6%w/w、または約7%w/w、または約8%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、約4%w/wの量で存在する。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、崩壊剤の総量の約30%〜約70%を含む。他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、崩壊剤の総量の約40%〜約60%を含む。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、崩壊剤の総量の約40%、または約50%、または約60%を含む。いくつかの他の実施形態では、第1の崩壊剤および第2の崩壊剤は、それぞれ独立して、崩壊剤の総量の約50%を含む。
【0094】
好適な滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸マグネシウム、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。
【0095】
いくつかの実施形態では、滑沢剤は、約0%w/w〜約5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、約1%w/w〜約3%w/wの滑沢剤の量で存在する。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、約1%w/w〜約2%w/wの滑沢剤の量で存在する。いくつかの他の実施形態では、滑沢剤は、約0.5%w/w〜約4.5%w/w、または約0.5%w/w〜約4%w/w、または約0.5%w/w〜約3.5%w/w、または約0.5%w/w〜約3%w/wの量で存在する。他の実施形態では、滑沢剤は、約0%w/w〜約3%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、滑沢剤は、約1%w/wの量で存在する。
【0096】
好適な流動促進剤としては、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、タルク、デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、流動促進剤は、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
【0097】
いくつかの実施形態では、流動促進剤は、約0%w/w〜約5%w/wの量で存在する。他の実施形態では、流動促進剤は、約0%w/w〜約2%w/wの量で存在する。他の実施形態では、流動促進剤は、約0.3%w/w〜約2%w/w、または約0.8%w/w〜1.5%w/wの量で存在する。他の実施形態では、流動促進剤は、約0.5%w/w、または約0.7%w/w、または約1%w/w、または約1.2%w/w、または約1.5%w/w、または約1.7%w/w、または約2%w/wの量で存在する。他の実施形態では、流動促進剤は、約1%w/wの量で存在する。
【0098】
湿式造粒するステップ(a−1)のための好適な溶媒としては、水、エタノール、アセトン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。
【0099】
いくつかの実施形態では、湿式造粒するステップ(a−1)において存在する溶媒の量は、約10%w/w〜約50%w/wである。他の実施形態では、溶媒は、約15%w/w〜約40%w/w、または約28%w/wの量で存在する。
【0100】
上記のように、本発明で使用するために好適な緩衝剤は、酸性および塩基性緩衝剤の両方を含む。例えば、いくつかの実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約7.0未満のpHを有する。他の実施形態では、緩衝剤の水溶液は、少なくとも約7.0のpHを有する。かかる緩衝剤の例は、当業者に既知であり、Handbook of Pharmaceutical Excipients(5th Edition),APhA publicationsにおいて見られる。
【0101】
いくつかの実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約7.0未満のpHを有する。いくつかの他の実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約1.0〜約6.0の間、または約2.0〜約6.0の間、または約3.0〜約6.0の間、または約4.0〜約6.0の間、または約5.0〜約6.0の間のpHを有する。水溶液中で約7.0未満のpHを有する好適な緩衝剤としては、クエン酸ニナトトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。
【0102】
いくつかの実施形態では、緩衝剤の水溶液は、少なくとも約7.0のpHを有する。いくつかの他の実施形態では、緩衝剤の水溶液は、約8.0〜約13.0の間、または約8.0〜約12.0の間、または約8.0〜約11.0の間、または約8.0〜約10.0の間、または約8.0〜約9.0の間のpHを有する。
【0103】
水溶液中で少なくとも約7.0のpHを有する好適な緩衝剤としては、重炭酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム炭酸カリウム、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである。
【0104】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、約10%w/w〜約80%w/wの量で存在する。他の実施形態では、緩衝剤は、約15%w/w〜約60%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、緩衝剤は、約20%w/w〜約55%w/w、または約22%w/w〜約50%w/w、または約25%w/w〜約45%w/w、または約28%w/w〜約40%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、緩衝剤は、約30%w/wの量で存在する。
【0105】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によって調製される薬学的組成物は、約30%w/wの重炭酸ナトリウム緩衝剤を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、活性成分は、上記のように、酸部分を含有する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、上記のように、式(A)の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。なおさらなる実施形態では、活性成分は、上記のように、式(I)化合物の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0107】
いくつかの実施形態では、活性成分は、式(A)または式(I)の化合物の結晶形態である。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の結晶形態である。式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、およびその結晶形態のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国公開第2008/0167292号および米国出願第61/306,047号で見ることができる。
【0108】
なおさらなる実施形態では、活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)、またはその結晶形態である。別の実施形態では、活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)一水和物である。別の実施形態では、活性成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国公開第2008/0167292号および米国出願第61/306,047号に記載されるような、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)多形体形態2である。
【0109】
いくつかの実施形態では、活性成分は、約1%w/w〜約60%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、約1%w/w〜約30%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、約5%w/w〜約25%w/w、または約10%w/w〜約20%w/w、または約11%w/w〜約18%w/w、または約12%w/w〜約16%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、約10%w/w、または約11%w/w、または約12%w/w、または約13%w/w、または約14%w/w、または約15%w/w、または約16%w/wの量で存在する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、約13.6%w/wの量で存在する。
【0110】
別の実施形態では、バルク組成物は、約1%w/w〜約60%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約10%w/w〜約80%w/wの重炭酸ナトリウム、約10%w/w〜約80%w/wの微結晶性セルロース、約0%w/w〜約5%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約5%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約20%w/wのポリビニルピロリドン、および約0%w/w〜約20%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0111】
別の実施形態では、バルク組成物は、約1%w/w〜約30%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約30%w/w〜約60%w/wの重炭酸ナトリウム、および約20%w/w〜約60%w/wの微結晶性セルロース、約1%w/w〜約3%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約3%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約10%w/wのポリビニルピロリドン、および約0%w/w〜約15%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0112】
別の実施形態では、バルク組成物は、約10%w/w〜約16%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約28%w/w〜約40%w/wの重炭酸ナトリウム、約35%w/w〜約45%w/wの微結晶性セルロース、約1%w/w〜約2%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約1%w/w〜約2%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約3%w/w〜約7%w/wのポリビニルピロリドン、および約5%w/w〜約10%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0113】
別の実施形態では、バルク組成物は、約13.6%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約30.0%w/wの重炭酸ナトリウム、および約40.4%w/wの微結晶性セルロース、約1.0%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約2.0%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約5.0%w/wのポリビニルピロリドン、および約8.0%w/wのクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0114】
さらなる実施形態では、本発明は、単位投与形態に製剤化されてもよい薬学的組成物を提供する。ここで使用される「単位投与形態」という表現は、治療される対象に適切な薬剤の物理的に不連続な単位を指す。いくつかの実施形態では、単位投与形態は、固体経口薬学的投与形態である。固体経口薬学的投与形態の例としては、錠剤、カプセル、ピル、粉末、および顆粒が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、固体経口薬学的投与形態は、錠剤である。いくつかの実施形態では、錠剤は、フィルムコーティングされるか、もしくは腸溶コーティングされるか、またはその両方である。いくつかの他の実施形態では、錠剤は、腸溶コーティングされる。
【0115】
本発明の固体経口薬学的投与形態で使用され得る、緩衝剤、充填剤、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、および崩壊剤を含む、好適な賦形剤は、上記に示される。
【0116】
いくつかの実施形態では、固体経口薬学的投与形態の活性成分は、上記のように、酸部分を含有する。いくつかの他の実施形態では、活性成分は、上記のように、式(A)の化合物、式(I)の化合物、または式(A)もしくは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0117】
いくつかの実施形態では、固体経口薬学的投与形態の活性成分は、式(A)または式(I)の化合物の結晶形態である。いくつかの他の実施形態では、固体経口薬学的投与形態の活性成分は、式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の結晶形態である。式(A)または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、およびその結晶形態のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国公開第2008/0167292号および米国出願第61/306,047号で見ることができる。
【0118】
なおさらなる実施形態では、固体経口薬学的投与形態の活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)、またはその結晶形態である。別の実施形態では、固体経口薬学的投与形態の活性成分は、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)一水和物である。別の実施形態では、固体経口薬学的投与形態の活性成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国公開第2008/0167292号および米国出願第61/306,047号に記載されるような、4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(化合物1)多形体形態2である。
【0119】
フィルムコーティングとして使用され得る好適な材料としては、Opadry(登録商標)(ヒドロキシプロピルメチルセルロースPEG)(Colorcon,West Point,PA)、Opadry(登録商標)II(ポリビニルアルコール、PEG、タルク、および二酸化チタン)、Opadry(登録商標)fx、Opadry(登録商標)amb、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、フィルムコーティング材料は、Opadry(登録商標)、Opadry(登録商標)II、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、フィルムコーティング材料は、Opadry(登録商標)IIである。
【0120】
いくつかの実施形態では、フィルムコーティング材料は、約0%w/w〜約10%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。他の実施形態では、フィルムコーティング材料は、約0%w/w〜約8%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。他の実施形態では、フィルムコーティング材料は、約0%w/w〜約6%w/w、または約0.5%w/w〜5.5%w/w、または約1.0%w/w〜5.0%w/w、または約1.5%w/w〜4.5%w/w、または約2.0%w/w〜4.0%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。他の実施形態では、フィルムコーティング材料は、約3.6%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。
【0121】
腸溶コーティングとして使用され得る好適な材料としては、Acryl−EZE(登録商標)(メタクリル酸共重合体、タルク、SLS、二酸化チタン、重炭酸ナトリウム、シリカ、クエン酸トリエチル)(Colorcon,West Point,PA)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、アクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(酢酸コハク酸ヒプロメロース)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。
【0122】
いくつかの実施形態では、腸溶コーティング材料は、約0%w/w〜約20%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。他の実施形態では、腸溶コーティング材料は、約0%w/w〜約18%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。他の実施形態では、腸溶コーティング材料は、約0%w/w〜約15%w/w、または約5%w/w〜13%w/w、または約7%w/w〜約11%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。他の実施形態では、腸溶コーティング材料は、約9.4%w/wの量で、固体経口薬学的投与形態中に存在し、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。
【0123】
別の実施形態では、固体経口薬学的投与形態は、約1%w/w〜約60%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約10%w/w〜約80%w/wの重炭酸ナトリウム、約10%w/w〜約80%w/wの微結晶性セルロース、約0%w/w〜約5%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約5%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約20%w/wのポリビニルピロリドン、約0%w/w〜約20%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0%w/w〜約10%w/wのフィルムコーティング、および約0%w/w〜約20%w/wの腸溶コーティングを含む。
【0124】
別の実施形態では、固体経口薬学的投与形態は、約1%w/w〜約30%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約30%w/w〜約60%w/wの重炭酸ナトリウム、および約20%w/w〜約60%w/wの微結晶性セルロース、約1%w/w〜約3%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約0%w/w〜約3%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約0%w/w〜約10%w/wのポリビニルピロリドン、約0%w/w〜約15%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/w〜約5.5%w/wのフィルムコーティング、および約5%w/w〜約13%w/wの腸溶コーティングを含む。
【0125】
別の実施形態では、固体経口薬学的投与形態は、約10%w/w〜約16%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約28%w/w〜約40%w/wの重炭酸ナトリウム、約35%w/w〜約45%w/wの微結晶性セルロース、約1%w/w〜約2%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約1%w/w〜約2%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約3%w/w〜約7%w/wのポリビニルピロリドン、約5%w/w〜約10%w/wのクロスカルメロースナトリウム 約2%w/w〜約4%w/wのフィルムコーティング、および約7%w/w〜約11%w/wの腸溶コーティングを含む。
【0126】
別の実施形態では、固体経口薬学的投与形態は、約11.9%w/wの化合物1、またはその結晶形態、約26.1%w/wの重炭酸ナトリウム、および約35.1%w/wの微結晶性セルロース、約0.9%w/wのフマル酸ステアリルナトリウム、約1.7%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約4.4%w/wのポリビニルピロリドン、約7.0%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約3.6%w/wのOpadry(登録商標)クリアコーティング、および約9.4%w/wのAcryl−EZE(登録商標)白色腸溶コーティングを含み、総重量は、コーティングを含むコーティングされた錠剤の全ての構成成分を含む。
【0127】
式(A)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および化合物1、またはその結晶形態を含む、本発明の薬学的組成物は、有糸分裂キナーゼ媒介性疾病、疾患、または病状、特に、オーロラキナーゼ媒介性疾病、疾患、または病状に関連する治療用途において、特に有用である。有糸分裂キナーゼ活性の阻害は、癌を含む、細胞生存、増殖、および遊走を伴う多数の疾病、ならびに他の細胞増殖性疾患を治療するのに役立ち得る。
【0128】
したがって、本発明の一態様は、本発明の治療有効量の薬学的組成物を投与することによって、
オーロラキナーゼ媒介性疾患を治療するための方法を提供する。ここで使用される「オーロラキナーゼ媒介性疾患」という用語は、オーロラキナーゼ発現もしくは活性の増加によって引き起こされるか、もしくは特徴付けられる、またはオーロラキナーゼ活性を必要とする、任意の疾患、疾病、または病状を含む。「オーロラキナーゼ媒介性疾患」という用語はまた、オーロラキナーゼ活性の阻害が有益である、任意の疾患、疾病、または病状も含む。オーロラキナーゼ媒介性疾患は、増殖性疾患を含む。増殖性疾患の限定されない例としては、慢性炎症性増殖性疾患、例えば、乾癬および関節リウマチ;増殖性眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症;良性増殖性疾患、例えば、血管腫;ならびに癌が挙げられる。癌の限定されない例としては、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、前立腺癌、および膵臓癌が挙げられる。
【0129】
経口薬学的投与形態の物理的および化学的安定性は、従来の方法、例えば、溶解もしくは崩壊時間または含水量の測定、あるいは異なる時間にわたって異なる温度で保管した後の活性成分または分解産物に対する検定で試験され得る。
【0130】
本発明の方法に従って調製される薬学的組成物は、疾病を治療するために有効な任意の量を使用して投与されてもよい。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、および全身状態、感染の重症度、特定の活性成分、その投与方法等に応じて、対象によって異なる。薬学的組成物は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、経口薬学的単位投与形態で製剤化される。ここで使用される「単位投与形態」という表現は、治療される対象に適切な薬剤の物理的に不連続な単位を指す。しかしながら、本発明の薬学的組成物の1日の総使用量は、正しい医学的判断の範囲内で担当医によって決定されることを理解されたい。任意の特定の対象に対する特定の有効量レベルは、治療されている疾病および疾病の重症度;採用される特定の化合物の活性;採用される特定の組成物;対象の年齢、体重、全身の健康、性別、および食習慣;投与時間、および採用される特定の化合物の排泄率;治療期間;採用される特定の化合物と併用される、または同時に使用される薬物、ならびに医療技術分野においてよく知られている同様の要因を含む、様々な要因によって左右される。
【0131】
いくつかの実施形態では、単位投与形態は、約1mg〜約250mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、単位投与形態は、約5mg〜約200mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、単位投与形態は、約10mg〜約150mgの活性成分を含む。さらにいくつかの他の実施形態では、単位投与形態は、約10mg〜約100mgの活性成分を含む。
【0132】
本発明をより十分に理解するために、以下の調製実施例を記載する。これらの実施例は、特定の組成物をどのように作製または試験するのかを例示し、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限するものと解釈されるものではない。
【実施例】
【0133】
4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンゾアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウムナトリウム(化合物1)、およびその結晶形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年2月19日出願の、米国公開第2008/0167292号および米国出願第61/306,047号に記載されるような合成方法に従って調製されてもよい。化合物1が以下の実施例で使用される場合、該用語は、化合物1、またはその結晶形態を指すと理解される。
【0134】
本発明の方法を使用して調製され得る薬学的組成物の実施例を、以下の実施例に示す。
【実施例1】
【0135】
薬学的組成物を以下の表1に示す。
【表1】
【実施例2】
【0136】
薬学的組成物を以下の表2に示す。
【表2】
【実施例3】
【0137】
実施例3:薬学的組成物を以下の表3に示す。
【表3】
【実施例4】
【0138】
以下のプロセスによって、1.0kgのバッチ顆粒を製造した。化合物1(0.06kg)を篩にかけ、Diosna P1−6高剪断湿式造粒機で、微結晶性セルロース(0.79kg)とブレンドした。ポリビニルピロリドン(0.08kg)およびクロスカルメロースナトリウム(0.08kg)を篩にかけ、造粒機に添加した。蠕動ポンプを使用して、造粒液体(水)を50g/分の所与の噴霧速度で噴霧した。いったん湿式造粒材料の近似含水量が38.5%で終点に達すると、得られた湿潤顆粒を篩にかけ、続いて、GPCG−1流動層乾燥機を使用して乾燥させた。得られた乾燥顆粒を篩にかけ、計量した。得られた重量に基づき、顆粒外構成成分の適当量を決定するために計算を行った。次いで、重炭酸ナトリウム(30%w/w)、クロスカルメロースナトリウム(3%w/w)、およびフマル酸ステアリルナトリウム(1%w/w)を、篩にかけた乾燥顆粒とブレンドし、表4に示す組成物を有するバッチを得た。
【表4】
【実施例5】
【0139】
実施例5:以下のプロセスによって、0.65kgのバッチ顆粒を製造した。化合物1(0.13kg)を篩にかけ、Diosna P1−6高剪断湿式造粒機で、微結晶性セルロース(0.40kg)とブレンドした。ラウリル硫酸ナトリウム(0.02kg)、ポリビニルピロリドン(0.05kg)、およびクロスカルメロースナトリウム(0.05kg)を篩にかけ、造粒機に添加した。蠕動ポンプを使用して、造粒液体(水)を35g/分の所与の噴霧速度で噴霧した。いったん湿式造粒材料の近似含水量が37.5%で終点に達すると、得られた湿潤顆粒を篩にかけ、続いて、GPCG−1流動層乾燥機を使用して乾燥させた。得られた乾燥顆粒を篩にかけ、計量した。得られた重量に基づき、顆粒外構成成分の適当量を決定するために計算を行った。次いで、重炭酸ナトリウム(30%w/w)、クロスカルメロースナトリウム(3%w/w)、およびフマル酸ステアリルナトリウム(1%w/w)を、篩にかけた乾燥顆粒とブレンドし、表5に示す組成物を有するバッチを得た。
【表5】
【実施例6】
【0140】
以下のプロセスによって、4.8kgのバッチ顆粒を製造した。化合物1(0.64kg)を、14メッシュスクリーンを通して篩にかけ、PMA25/65高剪断湿式造粒機で、微結晶性セルロース(1.95kg)、ラウリル硫酸ナトリウム(0.1kg)、ポリビニルピロリドン(0.24kg)、およびクロスカルメロースナトリウム(0.24kg)とブレンドした。蠕動ポンプを使用して、精製水を180〜235g/分の所与の噴霧速度で噴霧した。このプロセスで、合計で1kgの精製水を噴霧した。いったん湿式造粒材料の近似含水量が25%で終点に達すると、得られた湿潤顆粒を篩にかけ、続いて、GPCG−1流動層乾燥機を使用して乾燥させた。得られた乾燥顆粒を篩にかけ、計量した。得られた重量に基づき、顆粒外構成成分の適当量を決定するために計算を行った。次いで、重炭酸ナトリウム(30%w/w)、クロスカルメロースナトリウム(3%w/w)、およびフマル酸ステアリルナトリウム(1%w/w)を、篩にかけた乾燥顆粒とブレンドし、表5に示す組成物を有するバッチを得た。
【実施例7】
【0141】
以下のプロセスによって、4.8kgのバッチ顆粒を製造した。化合物1(0.64kg)を、14メッシュスクリーンを通して篩にかけ、PMA25/65高剪断湿式造粒機で、微結晶性セルロース(1.95kg)、ラウリル硫酸ナトリウム(0.1kg)、ポリビニルピロリドン(0.24kg)、およびクロスカルメロースナトリウム(0.24kg)とブレンドした。蠕動ポンプを使用して、精製水を242g/分の所与の噴霧速度で噴霧した。このプロセスで、合計で0.8kgの精製水を噴霧した。本実施例において、水を噴霧した後、湿式塊状化を2分間実施した。いったん湿式造粒材料の近似含水量が20%で終点に達すると、得られた湿潤顆粒を篩にかけ、続いて、GPCG−1流動層乾燥機を使用して乾燥させた。得られた乾燥顆粒を篩にかけ、計量した。得られた重量に基づき、顆粒外構成成分の適当量を決定するために計算を行った。次いで、重炭酸ナトリウム(30%w/w)、クロスカルメロースナトリウム(3%w/w)、およびフマル酸ステアリルナトリウム(1%w/w)を、篩にかけた乾燥顆粒とブレンドし、表5に示す組成物を有するバッチを得た。
【実施例8】
【0142】
以下のプロセスによって、4.8kgのバッチ顆粒を製造した。化合物1(0.64kg)を、14メッシュスクリーンを通して篩にかけ、PMA25/65高剪断湿式造粒機で、微結晶性セルロース(1.95kg)、ラウリル硫酸ナトリウム(0.1kg)、ポリビニルピロリドン(0.24kg)、およびクロスカルメロースナトリウム(0.24kg)とブレンドした。蠕動ポンプを使用して、精製水を200g/分〜254g/分の所与の噴霧速度で噴霧した。このプロセスで、合計で0.8kgの精製水を噴霧した。いったん湿式造粒材料の近似含水量が20%で終点に達すると、得られた湿潤顆粒を篩にかけ、続いて、GPCG−1流動層乾燥機を使用して乾燥させた。得られた乾燥顆粒を篩にかけ、計量した。得られた重量に基づき、顆粒外構成成分の適当量を決定するために計算を行った。次いで、重炭酸ナトリウム(30%w/w)、クロスカルメロースナトリウム(3%w/w)、およびフマル酸ステアリルナトリウム(1%w/w)を、篩にかけた乾燥顆粒とブレンドし、表5に示す組成物を有するバッチを得た。
【実施例9】
【0143】
実施例5から得られた最終ブレンド顆粒を、7/32インチの標準丸凹型工具を有する、Piccola 10ステーション錠剤プレスに装填した。顆粒を圧縮し、1錠剤当たり80mgの総重量を有する錠剤を製造した(1回分10mgの化合物1)。得られた錠剤を、Vector LDCS有孔パンコータを使用して、Opadry(登録商標)クリアコーティングの第1のコーティング、続いて、Acryl−EZE(登録商標)白色腸溶コーティングの第2のコーティングでコーティングした。得られた腸溶コーティングされた錠剤の組成物を以下の表6に示す。実施例5から得られた最終ブレンド顆粒はまた、以下の表7および8に示す錠剤組成物を形成するために使用されてもよい。
【表6】
【実施例10】
【0144】
錠剤の組成物を表7に示す
【表7】
【実施例11】
【0145】
錠剤の組成物を表8に示す
【表8】
【実施例12】
【0146】
以下のプロセスによって、1.0kgのバッチ顆粒を製造した。化合物1(0.04kg)を篩にかけ、4クオートPKブレンダで、微結晶性セルロース(0.55kg)、重炭酸ナトリウム(0.32kg)、およびクロスカルメロースナトリウム(0.05kg)とブレンドした。次いで、ブレンド混合物をGPCG−1流動層造粒機に移した。ポリビニルピロリドン(0.05kg)を水(0.3kg)と混合し、結合剤溶液を作った。蠕動ポンプを使用して、結合剤溶液を21g/分の所与の噴霧速度で噴霧した。このプロセスで、合計で0.8kgの精製水を噴霧した。いったん結合剤溶液がGPCG−1流動層造粒機の中へ全て噴霧されると、所与の生成物および排気温度が得られるまで、GPCG−1流動層造粒機において乾燥プロセスが継続された。得られた乾燥顆粒を篩にかけ、計量した。得られた重量に基づき、顆粒外構成成分の適当量を決定するために計算を行った。次いで、クロスカルメロースナトリウム(3%w/w)およびフマル酸ステアリルナトリウム(1%w/w)を、篩にかけた乾燥顆粒とブレンドし、表9に示す組成物を有するバッチを得た。
【表9】
【0147】
本発明の多数の実施形態を記載したがで、これらの基本的な実施例が、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために変更されてもよいことは明らかである。したがって、本発明の範囲が、一例として示された特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるものであることが理解されるであろう。