(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画素領域に曲がった形態で構成された複数の画素を有する第1基板、並びに、前記第1基板に対向合着され、複数の開口部及びブラックマトリックスを有する第2基板を含む表示パネルと、
前記表示パネルの上部に配置され前記開口部と並ぶように傾いた複数のレンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズシートとを含み、
前記複数の開口部各々は、前記画素の一側辺と並んだ傾きで傾きながら前記画素と異なる形態を有し、
前記複数の開口部各々が占める領域は前記複数の画素各々が占める領域よりも小さく、
前記ブラックマトリックスは、前記第1基板と前記第2基板との間に構成され、前記複数の画素各々に重畳される前記複数の開口部各々を画定し、
前記複数の画素の各々は、
鈍角で曲がった第1辺と第2辺とで構成された前記一側辺と、
前記一側辺と並ぶように離隔されながら鈍角で曲がった第3辺と第4辺とで構成された他側辺と、
前記第1辺と前記第3辺とを連結する第1連結辺と、
前記第2辺と前記第4辺とを連結する第2連結辺と、
を含み、
前記複数の開口部各々は、前記画素上に重畳されながら前記第2辺の方に拡張された拡張部をさらに含む、
立体映像表示装置。
前記複数の開口部各々は、前記第1辺、第4辺、第1及び第2連結辺上に重畳されるN個(但し、Nは5)の頂点を含むM(但し、MはNと同じかNより大きい自然数)角形の形状を有する、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【背景技術】
【0002】
最近、現場感があり実感できる映像に対するユーザーの要求が増大するに伴って、2次元(2D)映像だけでなく3次元(3D)映像を表示できる立体映像表示装置が開発されている。
【0003】
2次元映像表示装置は、その解像度と視野角など表示映像品質面で大きな発展をしたが、2次元の映像を表示するために映像の奥行き(Depth)情報を表示することができない制約がある。
【0004】
一方、立体映像表示装置は、映像を2次元平面でない3次元の立体的に表示することによって、2次元表示装置よりずっと現場感があり実感できる立体映像をユーザーに提供することができる。
【0005】
立体映像表示装置は、立体眼鏡を利用する眼鏡方式と立体眼鏡を利用しない裸眼方式とに区分されることができる。裸眼方式の立体映像表示装置は、両眼視差を利用してユーザーに映像の立体感を与えるという側面では眼鏡方式と同一であるが、立体眼鏡を着用する必要がないという点でメリットがある。
【0006】
図1及び
図2は、従来の技術による裸眼方式の立体映像表示装置においてマルチビュー(Multi−view)を実現する方法を説明するための図である。
【0007】
図1及び
図2を参照すると、従来の技術による裸眼方式の立体映像表示装置は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の画素Pが配列された表示パネル10を通じて左眼映像と右眼映像を分離して表示し、表示パネル10上に配置されたレンチキュラーレンズ22からなるレンチキュラーレンズシート20を通じて立体用映像をマルチビューに分離する。
【0008】
表示パネル10に形成された各画素Pには、マルチビューによって割り当てられたビューマップ(View map)に対応する映像を表示する。
【0009】
レンチキュラーレンズシート20は、レンチキュラーレンズ22に含まれたi個の画素Pに表示される映像をビューマップに対応する複数の視域に分離することで、観察者が複数の視域で立体映像を観察できるようにする。この時、観察者は、定められた視域で自分の左眼に認識される左眼映像LIと右眼に認識される右眼映像RIとの両眼視差によって立体感を感じることができる。
【0010】
前記レンチキュラーレンズシート20は、レンチキュラーレンズ22の長さの方向が一定な角度で傾くように表示パネル10上に配置されるものであり、これは、表示パネル10に形成されたデータライン(未図示)を遮るブラックマトリックス(未図示)がレンチキュラーレンズ22によって拡大されて発生するバンディングアーチファクト(Banding artifact)現象を低減させるためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で記述される用語の意味は、次のように理解されなければならない。
【0021】
単数の表現は、文脈上明らかに他の意味として定義しない限り、複数の表現を含むものとして理解しなければならない。「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであって、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。「含む」又は「有する」などの用語は、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。「少なくとも一つ」という用語は、一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組み合わせを含むものと理解しなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、及び第3項目のうち、少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目、又は第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目、及び第3項目のうち二つ以上から提示できる全ての項目の組み合わせを意味する。「上に」という用語は、とある構成が他の構成のすぐ上面に形成される場合だけでなく、これらの構成の間に他の構成が介在される場合まで含むことを意味する。
【0022】
以下では、本発明による立体映像表示装置の好ましい例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置を概略的に示す図である。
【0024】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による立体映像表示装置は、表示パネル100、バックライト部200、及びレンチキュラーレンズシート300を含む。
【0025】
前記表示パネル100は、液晶層(未図示)を介して対向合着された第1及び第2基板110、120を含んで構成される。
【0026】
前記第1基板110は、薄膜トランジスターを含む薄膜トランジスターアレイ基板であり、格子の形態で配列された画素領域に曲がった形態で形成された複数の画素を含む。ここで、複数の画素各々には、マルチビュー(又は、視域)の数に基づいて設定されたビューマップが割り当てられている。
【0027】
前記第2基板120は、カラーフィルターを含むカラーフィルターアレイ基板であり、3Dクロストークと視域別の輝度偏差とを最小化するための形状を有しながら複数の画素各々の上に重畳される複数の開口部122を含んで構成される。
【0028】
複数の開口部122各々は、画素の開口領域を画定するものであり、画素の一側辺と並んだ傾きθで傾いて複数の画素に重畳されることで、画素より小さい面積を有しながら画素と異なる形態に形成される。このような複数の開口部122各々は、第2基板120に形成されたブラックマトリックス124によって画定される。ブラックマトリックス124は、複数の開口部122各々を除いた第2基板120の残りの領域全体に形成される。
【0029】
また、複数の開口部122にはカラーフィルター層(未図示)が形成されており、各開口部122のカラーフィルター層は赤色、緑色、及び青色のカラーフィルター層のうち、画素に対応されるカラーフィルター層であることができる。
【0030】
このような表示パネル100は、パネル駆動部(未図示)から供給されるデータ信号を該当画素に供給して液晶層に電界を形成することでバックライト部200から入射される光の透過率を調節し、各画素に割り当てられたビューマップによる映像を表示する。
【0031】
前記バックライト部200は、表示パネル100の後面に配置されて表示パネル100に光を照射する。このようなバックライト部200は、蛍光ランプ又は発光ダイオードなどの光源から放出される光を表示パネル100の後面に照射する。
【0032】
前記レンチキュラーレンズシート300は、表示パネル100の上部に配置され、表示パネル100の画素に表示される映像をビューマップに対応される複数の視域に分離することで観察者が複数の視域で立体映像を観察できるようにする。この時、観察者は、定められた視域で自分の左眼に認識される映像と右眼に認識される映像との両眼視差によって立体感を感じることができる。このために、レンチキュラーレンズシート300は、ベースフィルム310の上面からレンズ形状で形成された複数のレンチキュラーレンズ320を含んで構成されることができる。
【0033】
複数のレンチキュラーレンズ320は、ベースフィルム310の上面から凸状に形成されて一定の方向に長く延長される柱の形態に形成されることができる。例えば、複数のレンチキュラーレンズ320は、半円形態又は一定の曲率を有する凸レンズの断面を有することができる。このような各レンチキュラーレンズ320の長さの方向は、開口部122の傾きθと同一な角度で傾く。即ち、複数のレンチキュラーレンズ320は、表示パネル100の上に一定な傾きθで傾く斜線形態を有するように並んで配列される。
【0034】
複数のレンチキュラーレンズ320のピッチの幅は、立体映像表示装置が実現するマルチビュー(又は、視域)の数及び画素の大きさに対応されるように設定される。加えて、複数のレンチキュラーレンズ320のピッチの幅は、表示パネル100の中心部から両端に行くほど微細な長さだけ短くなるように設定されることが好ましい。これにより、本発明は、立体映像を中心部の方に集まるようにする効果を与えることで観察者の映像没入感を増加させることができる。
【0035】
図4は、
図3に図示された表示パネルの第1基板の構成を概略的に示す図である。
図4には、発明の核心と関連する主な構成だけを図示し、それ以外の他の構成の具体的な様子は省略した。
【0036】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による第1基板110は、複数のゲートライン111、複数のデータライン113、薄膜トランジスターTFT、及び複数の画素Pを含んで構成される。
【0037】
前記複数のゲートライン111と複数のデータライン113とは、第1基板110上に互いに交差するように配列されて複数の画素領域を画定する。
【0038】
前記複数のゲートライン111は、それぞれ横方向Xに沿って直線状に延在し、第1基板110上に縦方向Yに一定間隔で隣接するように横方向Xに並行に配列されている。また、前記複数のデータライン113は、それぞれ縦方向Yに沿って屈曲しつつ延在し、第1基板110上に横方向Xに一定間隔で隣接するように縦方向Yに並行に配列される。
【0039】
各ゲートライン111は、真っ直ぐな直線形態で形成され、各データライン113は、一つの画素領域で鈍角を有するように一度曲がった形態で形成される。従って、前記ゲートライン111とデータライン113が交差配列されて定義される画素領域も、一度曲がった形態を有する。
【0040】
前記薄膜トランジスターTFTは、画素領域のトランジスター領域に形成されるものであり、ゲートラインに供給されるゲート信号によってスイッチングされ、データラインに供給されるデータ信号を画素電極115に供給する役割を有する。このような薄膜トランジスターTFTは、ゲート電極、半導体層、及びソース/ドレイン電極を含んで構成されるが、ゲート電極が半導体層の下に位置するボトムゲート構造で構成されることができ、ゲート電極が半導体層の上に位置するトップゲート構造で構成されることもできる。
【0041】
前記複数の画素P各々は、薄膜トランジスターTFTに連結される画素電極115、及び共通電極(未図示)を含んで構成される。
【0042】
前記画素電極115は、各画素領域の開口領域に形成されて薄膜トランジスターTFTのドレイン電極に連結されるものであり、薄膜トランジスターTFTから供給されるデータ信号によって液晶層に電界を形成する。このような画素電極115は、画素領域と同じく一度曲がった形態で形成され、画素領域内に二つのドメインを形成することで画素Pの視野角の特性を向上させる。
【0043】
前記共通電極は、画素電極115と共に電界を形成させ、液晶層の液晶分子を駆動させる役割を有する。この時、共通電極は、液晶層の液晶分子を駆動する電界形成方式に対応される形態で形成されることができる。一例として、共通電極は、複数の画素領域を全体的にカバーするように形成されることができる。
【0044】
一方、図示はしていないが、前記画素電極115は、その内部にスリットを具備することができ、この場合、画素電極115は指(Finger)形状に構成されることができる。このように画素電極115が指形状に構成された場合、画素電極115と平板(Plate)形状の共通電極との間でフリンジフィールド(Fringe field)が形成され、このようなフリンジフィールドによって液晶層の液晶分子が駆動される。即ち、前記画素電極115と共通電極は、フリンジフィールドスイッチングモード(Fringe field switching mode)によって液晶層の液晶分子を駆動するようになる。
【0045】
一方、図示はしていないが、前記画素電極115と前記共通電極は、画素領域内で互いに交代されるように指形状に構成されることができ、この場合、前記画素電極115と前記共通電極との間に水平電界が形成され、このような水平電界によって液晶層の液晶分子が駆動される。即ち、前記画素電極115と前記共通電極は、インプレーンスイッチングモード(In plane switching mode)によって液晶層の液晶分子を駆動するようになる。
【0046】
このような複数の画素P各々は、前記画素電極115の形成構造、又は前記画素電極115と共通電極の形成構造に対応されるよう一度曲がった形態で形成されるものであり、データライン113の長さの方向に基づいた中心部を基準に上下対称構造に形成されることができる。
【0047】
一例による各画素Pは、鈍角で一度曲がった形態を有する一側辺117a、一側辺117aと同一な形態を有しながら一定な間隔で並んで離隔された他側辺117b、一側辺117aの一端と他側辺117bの一端を互いに連結する第1連結辺117c、及び一側辺117aの他端と他側辺117bの他端を互いに連結する第2連結辺117dで構成される。これによって、各画素Pは、一定の面積を有する「<」字の形態で形成されるようになる。
【0048】
前記一側辺117aは、「<」字の形態を有するように鈍角で曲がった第1辺S1と第2辺S2とで構成される。この時、第1辺S1と第2辺S2各々は、互いに連結される折れ曲がり部を基準に上下対称になるよう一定な角度に傾斜したことで、前記一側辺117aは「<」字の形態を有するようになる。
【0049】
前記他側辺117bは、「<」字の形態を有するように鈍角で曲がった第3辺S3と第4辺S4とで構成される。この時、第3辺S3は、前記第1辺S1から一定な間隔で並んで離隔され、第4辺S4は、前記第2辺S2から一定な間隔で並んで離隔される。
【0050】
前記第1連結辺117cは、第1辺S1と第3辺S3各々の一端を互いに連結し、前記第2連結辺117dは、第2辺S2と第4辺S4各々の他端を互いに連結する。
【0051】
図5aは、
図3に図示された表示パネルの第2基板の構成を概略的に示す図であり、
図5bは、
図4に図示された画素と
図5aに図示された開口部の重畳構造を説明するための図である。
図5a及び
図5bには、発明の核心と関連する主な構成だけを図示し、それ以外の他の構成の具体的な様子は省略した。
【0052】
図5a及び
図5bを参照すると、本発明の一実施形態による第2基板120は、複数の開口部122を定義するブラックマトリックス124、及び複数の開口部122に形成されたカラーフィルター層(未図示)を含む。
【0053】
前記ブラックマトリックス124は、前述した複数の画素P各々に重畳される複数の開口部122を含むように第2基板120上に形成されて、各画素Pの開口領域を画定する。
【0054】
前記複数の開口部122各々は、画素Pの一側辺117aと並んだ傾きで傾き、画素Pより小さい面積を有しながら画素Pと異なる形態に形成されることができる。即ち、前記複数の開口部122各々は、上述した画素Pの第1辺S1、第4辺S4、第1及び第2連結辺117c、117d上に重畳される五つの頂点を有する5角形の形状に形成されることができ、データライン113の長さの方向に基づいた画素Pの中心部を基準に上下非対称構造に形成される。例えば、複数の開口部122各々は、第1乃至第5開口辺122a、122b、122c、122d、122eを有する5角形の形状に形成されることができる。
【0055】
前記第1開口辺122aは、一端が前記画素Pの第1辺S1と第1連結辺117cとが接する第1頂点AP1上に重畳され、他端が前記画素Pの第2連結辺117d上に重畳される。この時、第1開口辺122aの他端は、第1辺S1の一端から長さの方向に延長される仮想の延長線IELと第2連結辺117dとが互いに交差する交差点CPに重畳されることができる。このような第1開口辺122aは、前記第1頂点AP1と前記交差点CPとの間に前記第1辺S1と並んだ傾きを有する斜線状、より好ましくは、第1辺S1と一致(又は重畳)される斜線状に形成されることができる。
【0056】
前記第2開口辺122bは、一端が前記第1連結辺117c上に重畳され、他端が前記画素Pの第4辺S4上に重畳される。この時、前記第2開口辺122bは、前記第1開口辺122a(又は第3辺S3)と並ぶように第3辺S3に隣接した画素P内に重畳される。このような第2開口辺122bは、第3辺S3に隣接した第1連結辺117c上から第4辺S4の間に前記第1開口辺122a(又は第3辺S3)と並んだ傾きを有する斜線状で形成され、これにより前記第2開口辺122bの延長線は、上下に隣接した開口部122の第1開口辺122aと一致されるようになる。
【0057】
前記第3開口辺122cは、前記第1開口辺122aの一端と前記第2開口辺122bの一端との間を連結する。このような第3開口辺122cは、第1連結辺117cと並んだ直線状、より好ましくは、第1連結辺117cと一致(又は重畳)される直線状に形成されることができる。
【0058】
前記第4開口辺122dは、一端が前記第4辺S4と第2連結辺117dとが接する第2頂点AP2上に重畳され、他端が前記第1開口辺122aの他端に連結される。このような前記第4開口辺122dは、前記第2頂点AP2と前記交差点CPとの間に第2連結辺117dと並んだ直線状、より好ましくは、第2連結辺117dと一致(又は重畳)される直線状に形成されることができる。
【0059】
前記第5開口辺122eは、前記第2開口辺122bの他端と前記第4開口辺122dの一端との間を連結する。このような第5開口辺122eは、第2開口辺122bの他端と前記第2頂点AP2との間に前記第4辺S4と並んだ斜線状、より好ましくは、第4辺S4と一致(又は重畳)される斜線状に形成されることができる。
【0060】
このような複数の開口部122各々は、画素Pの一側辺117aの傾きと並んだり、画素Pの一側辺117aと一致する形態を有するように形成されることで、上下に隣接した開口部122は開口部122の傾き方向SDを基準に互いに重畳されない。例えば、開口部122の傾き方向SDを基準に、奇数番目の水平ラインに配置された開口部122各々は、偶数番目の水平ラインに配置された開口部122の間に配置され、これにより上下に隣接した開口部122は、互いに掛け違って互いに重畳されないようになる。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置においてマルチビューを実現する方法を説明するための図である。
【0062】
図6を参照すると、先ず、前記レンチキュラーレンズシート300は、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDが開口部122の傾きと並んだり一致するように表示パネル100上に配置される。そして、レンチキュラーレンズ320に重畳される画素Pは、マルチビューによるビューマップが割り当てられ、割り当てられたビューマップによる立体用映像を表示するようになる。これによってレンチキュラーレンズ320により分離される複数の視域VA1乃至VA9は、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDに沿って形成されるので、各画素Pの開口部122は、隣接した視域VA1乃至VA9に重畳されないようになる。具体的には、各画素Pに重畳される開口部122の境界部、即ち第1及び第2開口辺122a、122b各々は、レンチキュラーレンズ320によって形成される複数の視域VA1乃至VA9間の境界部に一致するので、各画素Pの開口部122は、隣接した視域VA1乃至VA9に干渉したり重畳されないようになる。
【0063】
例えば、
図6に示したように、画素Pのビューマップを9ビューに設定する場合、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDはArctan(1/6)の傾きで設定されることができる。この場合、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDが開口部122の傾きと並んだり一致することでレンチキュラーレンズ320の長さの方向LDと並んだ各開口部122の境界部は、レンチキュラーレンズ320によって形成される第1乃至第9視域VA1乃至VA9間の境界部に一致するようになる。これによって第1乃至第9視域VA1乃至VA9各々には、ビューマップ1乃至9により割り当てられた該当ビューマップ1乃至9の画素Pだけが配置され、これにより各画素Pの開口部122は、隣接した視域VA1乃至VA9に干渉したり重畳されないようになる。したがって、視域VA1乃至VA9に位置した観察者の左眼及び右眼各々には、ビューマップによって割り当てられた画素Pの左眼映像と右眼映像だけが認識され、これによって観察者は、自分の左眼に認識される左眼映像と右眼に認識される右眼映像との両眼視差によって立体感を感じるようになる。
【0064】
前記のような本発明の一実施形態による立体映像表示装置は、画素Pの開口部122が画素Pの一側辺と並ぶような傾きで傾きながら画素Pと異なる形状に形成され、レンチキュラーレンズ320が開口部122と並んで配置されることで、画素Pの開口部122が隣接した視域VA1乃至VA9に重畳されないので3Dクロストークを最小化又は防止して立体映像の表示品質を向上させることができ、視域VA1乃至VA9別の輝度の合計が均一になるので視域VA1乃至VA9間の輝度偏差を最小化することができる。また、本発明は、視域VA1乃至VA9間の映像が互いに分離されて重ならないため、立体映像の奥行きを増加させることができる。
【0065】
図7aは、本発明の他の実施形態による立体映像表示装置において、表示パネルの第2基板の構成を概略的に示す図であり、
図7bは、
図4に図示された画素と
図7aに図示された開口部の重畳構造を説明するための図である。
図7a及び
図7bには、発明の核心と関連する主な構成だけを図示し、それ以外の他の構成の具体的な様子は省略した。
【0066】
図7a及び
図7bを参照すると、本発明の他の実施形態による第2基板120は、複数の開口部122各々に拡張部122−1を追加で形成したことで除いては上述したものと同一なので、同一な構成に対する重複説明は省略することにする。
【0067】
前記複数の開口部122各々は、
図4に示した画素P上に重畳されながら前記第2辺S2側に拡張された拡張部122−1を更に含む。これによって前記複数の開口部122各々は、上述した画素Pの第1辺S1、第4辺S4、第1及び第2連結辺117c、117d上に重畳される五つの頂点と画素P上に重畳される一つの頂点を有する6角形の形状に形成されることができ、データライン113の長さの方向に基づいた画素Pの中心部を基準に上下非対称構造に形成される。例えば、複数の開口部122各々は、第1乃至第6開口辺122a、122b、122c、122d、122e、122fを有する6角形の形状に形成されることができる。
【0068】
前記第1開口辺122aは、一端が前記画素Pの第1辺S1と第1連結辺117cとが接する第1頂点AP1上に重畳され、他端が前記画素Pの第2辺S2に隣接した画素P上に重畳される。この時、第1開口辺122aの他端は、第1辺S1の一端から長さの方向に延長されて第2辺S2に隣接した画素P上に重畳される仮想の延長線IELの終端であることができる。このような第1開口辺122aは、前記第1辺S1より長い長さを有しながら、前記第1辺S1と並んだ傾きを有する斜線状、より好ましくは、第1辺S1と一致(又は重畳)される斜線状に形成されることができる。
【0069】
前記第2開口辺122bは、一端が前記第1連結辺117c上に重畳され、他端が前記画素Pの第4辺S4上に重畳される。この時、前記第2開口辺122bは、前記第1開口辺122a(又は第3辺S3)と並ぶように第3辺S3に隣接した画素P内に重畳される。このような第2開口辺122bは、第3辺S3に隣接した第1連結辺117c上から第4辺S4の間に前記第1開口辺122a(又は第3辺S3)と並んだ傾きを有する斜線状に形成され、これにより前記第2開口辺122bの延長線は、上下に隣接した開口部122の第1開口辺122aと一致されるようになる。さらに前記第2開口辺122bの他端は、第1開口辺122aの他端と同一な水平線上に位置することができ、この場合、第1及び第2開口辺122a、122bは、互いに同一な長さを有するように並んで形成されるようになる。
【0070】
前記第3開口辺122cは、前記第1開口辺122aの一端と前記第2開口辺122bの一端との間を連結する。このような第3開口辺122cは、第1連結辺117cと並んだ直線状、より好ましくは、第1連結辺117cと一致(又は重畳)される直線状に形成されることができる。
【0071】
前記第4開口辺122dは、一端が前記第4辺S4と前記画素Pの第2連結辺117dとが接する第2頂点AP2上に重畳され、他端が第2連結辺117d上に重畳される。このような前記第4開口辺122dは、前記第2連結辺117dと並んだ直線状、より好ましくは、第2連結辺117dと一致(又は重畳)される直線状に形成されることができる。加えて、前記第4開口辺122dと前記第3開口辺122cとは、互いに同一な長さを有しながら互いに並んで形成されることができる。
【0072】
前記第5開口辺122eは、前記第2開口辺122bの他端と前記第4開口辺122dの一端との間を連結する。このような第5開口辺122eは、第2開口辺122bの他端と前記第2頂点AP2との間に前記第4辺S4と並んだ斜線状、より好ましくは、第4辺S4と一致(又は重畳)される斜線状に形成されることができる。
【0073】
前記第6開口辺122fは、前記第1開口辺122aの他端と前記第4開口辺122dの他端との間を連結する。このような第6開口辺122fは、前記第1開口辺122aの他端と前記第4開口辺122dの他端との間に前記第5開口辺122eと並ぶように第2辺S2に隣接した画素P上に斜線状に形成されることができる。加えて、前記第6開口辺122fと前記第5開口辺122eとは、互いに同一な長さを有しながら互いに並んで形成されることができる。
【0074】
一方、複数の開口部122各々の拡張部122−1は、前記第4開口辺122dと前記第6開口辺(122f)とが接する頂点を一頂点とし、前記第1開口辺122aの他端から前記第4開口辺122dに連結されるように延長される仮想の底辺線を底辺にする三角形の形状に形成することができる。このような前記拡張部122−1は、前記第2開口辺122bの他端から延長される延長線と前記第4開口辺122dの一端から延長される延長線とが接する仮想の頂点を一頂点とし、前記第5開口辺122eを底辺にする仮想の三角形ITと同一な面積を有することができる。
【0075】
このような複数の開口部122各々は、前記拡張部122−1を更に含むことを除いては上述したものと同一であるが、前記拡張部122−1の面積だけ面積が増加されることで画素Pの輝度を増加させることができる。
【0076】
図8は、本発明の他の実施形態による立体映像表示装置においてマルチビューを実現する方法を説明するための図である。
【0077】
図8を参照すると、先ず、前記レンチキュラーレンズシート300は、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDが開口部122の傾きと並んだり一致するように表示パネル100上に配置される。レンチキュラーレンズ320に重畳される画素Pは、マルチビューによるビューマップが割り当てられ、割り当てられたビューマップによる立体用映像を表示するようになる。これによってレンチキュラーレンズ320により分離される複数の視域VA1乃至VA9は、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDに沿って形成されるので、各開口部122の拡張部122−1を除外した開口部122の残りの領域は、隣接した視域VA1乃至VA9に重畳されないようになる。具体的には、各画素Pに重畳される開口部122の境界部、即ち第1及び第2開口辺122a、122b各々は、レンチキュラーレンズ320によって形成される複数の視域VA1乃至VA9間の境界部に一致するので、各開口部122の拡張部122−1を除外した開口部122の残りの領域は、隣接した視域VA1乃至VA9に干渉したり重畳されないようになる。
【0078】
例えば、
図6に示したように、画素Pのビューマップを9ビューに設定する場合、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDはArctan(1/6)の傾きで設定されることができる。この場合、レンチキュラーレンズ320の長さの方向LDが開口部122の傾きと並んだり一致することでレンチキュラーレンズ320の長さの方向LDと並んだ各開口部122の境界部は、レンチキュラーレンズ320によって形成される第1乃至第9視域VA1乃至VA9間の境界部に一致するようになる。これによって第1乃至第9視域VA1乃至VA9各々には、ビューマップ1乃至9により割り当てられた画素Pの開口部122と隣接した開口部122の拡張部122−1だけが配置され、これにより各開口部122の拡張部122−1を除外した開口部122の残りの領域は、隣接した視域VA1乃至VA9に干渉したり重畳されないようになる。したがって、視域VA1乃至VA9に位置した観察者の左眼及び右眼各々には、ビューマップによって割り当てられた画素Pの左眼映像と右眼映像が認識され、これによって観察者は、自分の左眼に認識される左眼映像と右眼に認識される右眼映像との両眼視差によって立体感を感じるようになる。
【0079】
このような本発明の他の実施形態による立体映像表示装置では、前記複数の開口部122各々の拡張部122−1が隣接した視域VA1乃至VA9に重畳されるので拡張部122−1の面積だけ隣接した視域VA1乃至VA9間の重なり領域が発生され、これによって前記拡張部122−1の面積ほどの3Dクロストークが発生することがある。しかし、各視域VA1乃至VA9で仮想の三角形ITの面積に対応する輝度減少量が前記拡張部122−1の面積によって補償されるため視域VA1乃至VA9別輝度の合計がさらに均一になり、視域VA1乃至VA9間の輝度偏差をさらに最小化又はゼロ化することができる。
【0080】
結果的に、本発明の他の実施形態による立体映像表示装置は、開口部122に拡張部122−1を追加で形成して立体映像の輝度を増加させることができ、視域VA1乃至VA9間の輝度偏差をさらに最小化又はゼロ化することができる。
【0081】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。したがって、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に属するものと解釈しなければならない。