【文献】
Alcatel-Lucent,Discussing the choice of the most appropriate path to send an IP flow,3GPP TSG-SA WG2#78 S2-10157,2010年 2月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動管理装置は、前記選択情報をトラフィックフロー単位で送信し、前記移動端末は、前記第1のネットワークにおけるオフロードが維持されるか、前記第2のネットワークにおける新たなオフロードが行われるかをトラフィックフロー単位で決定する請求項1に記載のオフロード方法。
前記送信手段は、前記選択情報をトラフィックフロー単位で送信し、前記移動端末は、前記第1のネットワークにおけるオフロードが維持されるか、前記第2のネットワークにおける新たなオフロードが行われるかをトラフィックフロー単位で決定する請求項5に記載の移動管理装置。
前記受信手段は、前記選択情報をトラフィックフロー単位で受信し、前記制御手段は、前記第1のネットワークにおけるオフロードが維持されるか、前記第2のネットワークにおける前記新たなオフロードが行われるかをトラフィックフロー単位で決定する請求項9又は10に記載の移動端末。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本開示技術者は以下のように検討した。もう1つの可能な手法は、UEが、ネットワークによって決定されたオフロード・オプションを受諾(受け入れ)し、それを使用するか否かをローカルに決定することである。しかし、これは依然として追加の信号送出処理の要因となり、UEが元のコネクションを持続していれば回避できるはずのものである。更に、このオフロードを受諾することにより、更に不必要な再配置が要求される。例えば、列車上のUEは、NSWOも使用可能な駅に列車が停車した際にSIPTOオフロードを行うことを受諾してもよい。ゲートウェイが離れすぎていると、元のSIPTOコネクションをネットワークが許可しないので、UEは、SIPTOコネクションを使用しない場合でも、列車が他の駅に移動する際にもう一度再配置を行う必要が生じる。列車が新たな位置に移動し続ける場合、不必要な再配置は続く。これは明らかにネットワーク及びUEの動作にとって重大な問題を引き起こすことになる。
【0018】
その他の例は、NSWOが列車内で使用可能であることであり、例えば、列車内無線接続サービス(in−train wireless connection service)である。SIPTOオフロードは、列車が駅に到着して停車する際に、ネットワークからUEに指示してもよい。UEは、より良いサービス品質(QoS)を提供できる場合にSIPTOの指示を受諾するか、又はSIPTOのQoSがそれほど十分ではないのでNSWOを継続してもよい。特に後者の場合、すでにネットワークによって行われた再配置はこの場合も不必要であり、UEが実際にNSWOを使い続けるので予約したリソースは使われない。上記に基づいて、この問題に対するより良い解決策が必要であることは明らかである。
【0019】
更なる研究の結果として、本開示技術の発明者は、以下に記載する本開示技術の実現例により移動端末のコネクションの管理という考え方を思い付いた。
【0020】
以下の説明では、説明の目的で、本開示技術を完全に理解するために具体的な数、時間、構造、プロトコル、及びその他のパラメータが明記されている。しかし、これらの具体的な詳細なしで本開示技術を実践できることは当業者には明白になるであろう。
【0021】
以下の説明では、説明の目的で、アクセス技術及びネットワーク・アーキテクチャの例として、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)及び進化型パケット・システム(EPS)が使用されている。しかし、例えば、GSM(登録商標)、GPRS、UMTS、LTEアドバンストなど、同じ原理に基づくその他のアクセス技術及びネットワーク・アーキテクチャによって本開示技術を実践できることは当業者には明白になるであろう。また、非3GPPアクセス技術の例としてWLANが使用されているが、例えば、WiMAX、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ダイヤルアップ回線など、同じ原理に基づくその他のアクセス技術及びネットワーク・アーキテクチャによって本開示技術を実践できることは当業者には明白になるであろう。
【0022】
この説明では、LIPA、SIPTO、又はNSWOが例として使用されている。しかし、例えば、中間ノードを介さない装置間の直接通信など、一般原理に重大な変更を行わずに本開示技術を他のタイプのオフロード・メカニズムにも適用できることは、当業者にとって明らかである。
【0023】
(第1の実施の形態:本開示技術の基本動作)
図1を参照して、本開示技術を適用できるネットワーク構成の一例について説明する。同図に示されているように、eNodeB(121)のサービスエリア内のユーザ装置(UE)(101)は、データリンク151、153、157、及び121により、サービング・ゲートウェイ(SGW)(115)及びPDNゲートウェイ(PGW)(117)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)によって提供される何らかのサービスにアクセスしている。このコネクションは、オペレータ・コアネットワーク(110)の制御エンティティである移動管理エンティティ(MME)(113)によって管理される。MME(113)はインターフェース155を介してeNodeB(121)を制御し、このインターフェースはUE(101)への信号送出も可能にする。MME(113)はインターフェース159を使用してSGW(115)を管理し、このSGWは更にインターフェース157を介してPGW(117)を制御する。MME(113)は、オペレータ・コアネットワーク(110)内の中央データベース、例えば、HSS(131)からUE(101)の加入者情報を入手する。機能エンティティ及びインターフェースの動作の例については[NPD 3]に記載されている。
【0024】
UE(101)がeNodeB(121)のサービスエリア内に入ると、MME(113)は、UE(101)に対応し、データトラフィックがオペレータ・コアネットワークを通過するのを回避できる、より良いゲートウェイ・エンティティ、例えば、SGW及びPGWを結合した(S/PGW)(119)が存在すると判断してもよい。これは、サービス・プロバイダ・ネットワーク(120)に向かう出口点でeNodeB(121)に近いS/PGW(119)を配置することによって達成される。MME(113)は、HSS(131)から入手したUE(101)の加入者情報、ある運用管理システムによって構成され管理されるオペレータのポリシー、UE(101)の位置、UE(101)によってアクセスされたサービスなどに基づいて、使用すべきS/PGW(119)を決定する。ゲートウェイを再配置するために、MME(113)は、例えば、「再接続(reattach)要求済み」というインジケータが付いた切り離し(detacch)要求、又は「再活性化(deactiviation)要求済み」というインジケータが付いたPDN切断要求(EPSベアラ・コンテキスト非活性化要求)を使用して、UE(101)の現在のコネクション(複数も可)を解放し、同じサービス(複数も可)との再接続をトリガするためのコマンドを送信する。SIPTO動作の例の詳細については[NPD 1]に示されている。再接続後、UE(101)は、リンク151、163、123により、eNodeB(121)及びS/PGW(119)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)内のサービスにアクセスする。
【0025】
しかし、同時に、UE(101)は、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)への直接接続も提供する無線LAN(WLAN)アクセスポイント(141)のサービスエリア内にも入っている。また、UE(101)は、シームレス移動が必要である場合に、WLANアクセスを使用して、ePDG(143)及びS/PGW(119)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)へのサービスを入手してもよい。WLANアクセスを介してサービスにアクセスするUEの動作の例のいくつかについては[NPD 2]に示されている。
【0026】
WLANにアクセスするために,UEは、AAAサーバ(145)の関与を必要とするある認証・認可・アカウンティング(AAA)手順を通過する必要があるとしてもよい。特定の配備例では、アクセスポイント(141)は、例えば、インターワーキングWLAN(I−WLAN)アーキテクチャにおいて、特定のAAAプロキシを介してAAAサーバ(145)に向かう直接AAA接続を有してもよく、これは単純であるために
図1に示されていない。いくつかのその他の配備例では、特にUE(101)がローカル・アクセス・ネットワーク(140)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)のサービスに直接アクセスする場合、AAAサーバ(145)を必要とするAAA手順が存在しなくてもよく、例えば、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)がオープンでフリーなアクセスであるか、或いはあるその他のローカル認可メカニズム、例えば、ユーザ名及びパスワード、又はキャプティブポータルなどが使用される。これは特に[NPD 2]に述べられているように非シームレスWLANオフロード(NSWO)オプションの場合に可能なものである。
【0027】
明らかに、この場合、UE(101)は、サービス・プロバイダ・ネットワーク(120)内の同じサービスにアクセスするための複数のオプションを有する。最も適正かつ適切なオプションを選択すると、UE(101)は不必要な信号送出を回避し、サービス品質及びユーザの経験を改善することができる。これに対して、オペレータ・コアネットワーク(110)内の制御エンティティ、例えば、MME(113)又はAAAサーバ(145)が、通常、すべてのアクセス・オプションに関する完全な情報を持っているわけではないことは明白である。例えば、MME(113)は、UE(101)の3GPPアクセスのみを担当し、従って、AAAサーバ(145)が管轄するWLANを介してUE(101)が使用可能な接続オプションについては認識していない。AAAサーバ(145)の場合、非3GPPアクセス、例えば、WLANのみを処理し、eNodeB(121)による3GPPアクセスに関する情報は全く持っていない。更に、NSWOの場合、ANDSFによって提供される1つ又は複数のポリシーに基づいてUEによって直接実行できるので、AAAサーバ(145)はローカル・アクセス・ネットワーク(140)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)への直接アクセスを認識していない。
【0028】
この場合、ネットワーク制御エンティティがネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOを開始すると決定した場合、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)の情報は考慮されないであろう。例えば、UE(101)がそのルーティングポリシー、例えば、システム間ルーティングポリシー(ISRP)又はIPインターフェース選択に関するオペレータポリシー(OPIIS)ルールにより、すべてのトラフィックをすでにWLANアクセスに移動させた場合でも、MME(113)は依然としてSIPTOの切断及び再接続手順を開始しようと試みる。
【0029】
その他の3GPPアクセス技術、例えば、UMTSでも同じ状況が発生することは、当業者にとって明らかである。UMTSでは、対応するネットワーク側制御エンティティがSGSNになり、アクセス・ノードはNodeB及びRNC又はBSSになる。
【0030】
図2には、
図1のアーキテクチャの例を使用して問題を解決する本開示技術の動作シーケンスが示されている。
【0031】
図2に示されているように、UE(101)は、ステップ201のように、SGW(115)及びPGW(117)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)内のサービスに関する通信セッションを有している。通信セッションは、サービス識別子としてAPN1の使用を想定して、[NPD 3]に定義されている手順により確立されたPDNコネクションによって実現される。また、UE(101)は同時に他の通信セッション及びPDNコネクションを有していてもよい。これが本開示技術の一般原理に影響を及ぼさないことは、当業者にとって明らかである。
【0032】
ステップ203のように、現在の位置で、UE(101)は、アクセスポイント(141)を介して、ある非3GPPアクセス、例えば、無線LANアクセスが使用可能であることも発見する。UE(101)は、ユーザによってトリガされた何らかの走査(スキャニング)を実行することによるか、又はアクセス・ネットワーク発見選択機能(ANDSF)提供のアクセス・ネットワーク発見情報に基づいて、非3GPPアクセスを発見してもよい。非3GPPアクセスは、それによってUE(101)がローカル・アクセス・ネットワーク(140)にアクセスできる限り、無線アクセス技術に限定されない任意の形式(例えば、イーサネット(登録商標)又はUSBベースのアクセス技術のような有線アクセス)にすることができることは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。以下の説明では、単純にするため、非3GPPアクセスの例としてIEEE802.11無線LAN(WLAN)アクセス技術が使用されている。
【0033】
UE(101)は、WLANアクセスポイント(141)を介してネットワーク・アクセスする。これは、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)の配備選択に依存し、アクセス制御手順を必要としてもよく、必要としなくてもよい。UE(101)は、例えば、インターワーキングWLANの場合にその3GPP IDを使用するか、又は、例えば、ローカルに運用されるWLANの場合にあるその他のローカル証明書(credential)を使用して、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)にアクセスすることができる。
【0034】
あるルーティングポリシー、例えば、システム間ルーティングポリシー(ISRP)又はIPインターフェース選択に関するオペレータポリシー(OPIIS)ルール、或いはユーザプリファレンス設定、装置構成などに基づいて、UE(101)は、サービス・プロバイダ・ネットワーク(120)との通信セッションのデータトラフィックをWLANアクセスに移動させると決定する。これにより、データトラフィックは、オペレータ・コアネットワーク(110)に入らずに、サービス・プロバイダ・ネットワーク(120)に直接到達するローカル・アクセス・ネットワークの経路を通過することができる。また、ePDG(143)がサービス・プロバイダ・ネットワークとの直接接続を有する場合にePDG(143)を介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)に直接到達するように、或いはePDG(143)及びその付近に位置するS/PGW(119)を介して到達するように、コネクションを確立することができる。実際に使用する経路のタイプは適用されるルーティングポリシーによって決まる。これが本開示技術の一般原理に影響を及ぼさないことは、当業者にとって明らかである。
【0035】
WLANアクセスを介してデータトラフィックをルーティングしなければならないとポリシーが決定した後にのみ、UE(101)が非3GPPアクセスにアクセスしてもよいということは、当業者にとって明らかである。UE(101)がコネクションを確立せずに、例えば、IEEE802.11u又はHotspot2.0定義の技術を介して、WLANアクセスについて必要な情報を入手できれば、これは実現選択肢の1つになり得る。
【0036】
UE(101)は、トラフィックがWLANアクセスにオフロードされたことを察知すると、ステップ205のように、選択的ネットワークベース・オフロード要求(上述の第1のメッセージ)をネットワーク制御エンティティ、例えば、MME(113)に送信する。
【0037】
LTEシステムの場合、選択的ネットワークベース・オフロード要求メッセージは、例えば、「選択的SIPTO」という特殊インジケータが付いたトラッキング・エリア更新(TAU)メッセージとして実現できる。また、選択的ネットワークベース・オフロード要求メッセージは、「選択的SIPTO」という特殊インジケータが付いた要求ベアラリソース変更(RBRM)メッセージとして実現できる。要求ベアラリソース変更メッセージを使用する場合、インジケータは、新たな情報要素になるか、又は新たな動作としてトラフィック集約記述(TAD)について定義された「選択的オフロード」にすることができる。UE(101)が両方の代替例を実現でき、接続状況に応じてそれらの使用を選択でき、例えば、3GPPアクセスにより1つのPDNコネクションのみが存在する場合にTAUを使用し、(異なるAPNによって識別された)異なるサービス・プロバイダ・ネットワークに対する3GPPアクセスにより複数のPDNコネクションが存在する場合にRBRMを使用してもよいことは、当業者にとって明らかである。そうではない場合、指示を1回行えるように、即ち、複数のPDNコネクションについて集約した指示により、UEが確立したすべてのPDNコネクションについて選択的SIPTOを指示するためにTAUを使用することができ、それによりシステム内のリソース消費を低減することになる。
【0038】
UMTSシステムの場合、[NPD 4]のように、TAUはルーティングエリア更新(RAU)メッセージで置き換えることができ、RBRMはPDPコンテキスト変更要求(MPCR)メッセージで置き換えることができる。
【0039】
選択的ネットワークベース・オフロード要求は独立した信号送出メッセージとしても実現できることは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0040】
選択的ネットワークベース・オフロード要求は、
図2に示されていないMME(113)とUE(101)との間の更なる信号送出、例えば、MME(113)からUE(101)に向かう応答を伴ってもよいことは、当業者にとって明らかである。例えば、その実現例でTAUを使用する場合、MME(113)はTAU受諾メッセージで応答する。しかし、これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0041】
MME(113)は、選択的ネットワークベース・オフロード要求を受信すると、対応する情報をUE(101)のコンテキストに格納する。例えば、状況に応じて変化できるように、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOが適応性のあるものでなければならないことを指示するために、UE(101)のコンテキストによって特殊な「選択的」フラグを作成してもよい。これは、実装や導入展開時の選択によっては、UE(101)に関する一般的なフラグとして、又は特定のPDNコネクションに関する特定のフラグとして格納することができる。
【0042】
その他の実現例では、UEのコンテキスト内の「選択的」フラグがUEの接続手順の間に作成されることになり、その場合、UEの加入者情報は、接続手順が行われている間にHSSからMMEに提供される選択的ネットワークベース・オフロードが可能であるかに関する情報を含んでいる。UEが提供された加入者情報に基づいて選択的ネットワークベース・オフロードを適用できる場合、MMEはUEのコンテキスト内に「選択的」フラグ(又は対応する情報)を作成する。従って、UEは選択的ネットワークベース・オフロード要求を送信する必要がなく、それによりネットワーク内のトラフィック及びリソース消費が低減される。
【0043】
特定の時点で、MME(113)は、ステップ209のように、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOを行うようにトリガされる。このトリガは、UE(101)の位置情報の更新、ネットワークオペレータのポリシー、又はSGW(115)又はPGW(117)上の構成に基づくことができる。UE(101)がCONNECTED状態にある場合、位置情報更新は、ハンドオーバ手順における経路切り替え要求(Path Switch Request)又はハンドオーバ通知(Handover Notify)或いはハンドオーバ手順後のTAUであってもよい。UE(101)がIDLE状態である場合、位置情報更新はTAUであってもよい。
【0044】
ステップ205の選択的ネットワークベース・オフロード要求がUE(101)の位置情報の更新としても作用できることは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0045】
MME(113)は、ネットワークベース・オフロードを実行しなければならないと決定し、UE(101)のコンテキスト内の「選択的」フラグを通知する際に、ステップ211のように、潜在的なオフロードに関する追加の「オフロード条件」情報(上述の選択情報)とともに選択的オフロード要求メッセージ(上述の第2のメッセージ)をUEに送信する。
【0046】
LTEシステムの場合、選択的オフロード要求は、「選択的再接続(reattach)要求済み」というインジケータが付いた切り離し要求又は「選択的再活性化(reactivate)要求済み」というインジケータが付いたPDN切断要求(EPSベアラ・コンテキスト非活性化要求)にすることができる。切り離し要求又はEPSベアラ・コンテキスト非活性化要求は「オフロード条件」情報要素を更に含む。代替動作では、追加の「オフロード条件」の存在は「選択的」意味を示し、即ち、UEの実際の状況に応じてオフロード決定を変更することができる。その場合、切り離し要求及びEPSベアラ・コンテキスト非活性化要求内のインジケータは、単に、すでに定義された「再接続要求済み」及び「再活性化要求済み」という原因値(cause value)にできる。
【0047】
UMTSシステムの場合、選択的オフロード要求はPDPコンテキスト非活性化要求メッセージにできる。
【0048】
「オフロード条件」情報要素は、ネットワークベース・オフロード・メカニズム、例えば、SIPTOを使用して、そのコネクションがオフロードされた際にUE(101)に対して潜在的動作パラメータを示すためにMME(113)によって使用される。これは、どのオフロード・オプションを使用するかについてUE(101)が対応する決定を下すのを支援するためのものである。「オフロード条件」の内容の一例を以下に示す。
{オフロード条件}::={QoSコンポーネント::=
{許容される最大ビットレート}
{提供される最小ビットレート}
{遅延許容値}
{QCI}
{優先順位}
{ARP}}
{制限時間コンポーネント}
{制限範囲コンポーネント}
{制限サイズコンポーネント}
【0049】
ここで、{QoSコンポーネント}は、SIPTOコネクションによって提供されると予想されるコネクション品質パラメータである。これは、例えば、SIPTOコネクションにより許容される最大スループットを示す{許容される最大ビットレート}、SIPTOコネクションにより保証できるスループットを示す{提供される最小ビットレート}、SIPTOコネクションにより予想される遅延を示す{遅延許容値}、SIPTOコネクションに割り振られると予想されるQoSクラスIDを示す{QCI}、SIPTOコネクションに割り振られる優先順位を示す{優先順位}、及びSIPTOコネクションによるUEに関するアクセス・プリエンプション・レベルを示す{ARP}を含んでもよい。
【0050】
{QoSコンポーネント}は、意思決定基準として作用することができるその他のパラメータ、例えば、同じAPNが使用されるか、パケットドロップのようなサービス中断が予想されるか、或いはオフロード後にIPアドレス保存がサポートされるかなどを含んでもよいことは、当業者には明らかである。
【0051】
{制限時間コンポーネント}は、SIPTOコネクションに関する時間関連パラメータである。例えば、これは、UE(101)の現在の移動速度の場合にこのコネクションについて許可される予想長を示してもよい。また、これは、SIPTOコネクションが許可される時刻に関する情報も含めてもよい。
【0052】
{制限範囲コンポーネント}は、SIPTOコネクションが有効になるエリアを示すサービスエリア関連パラメータである。例えば、これは、SIPTOコネクションがセル内又は1kmの範囲内でのみアクセス可能であることを示してもよい。これは、UE(101)がSIPTOコネクションを失う可能性を判断するのを支援してもよい。
【0053】
{制限サイズコンポーネント}は、SIPTOコネクションによるデータトラフィックの許容量を示すパラメータである。例えば、これは、SIPTOコネクションが5GBのデータトラフィックを許容することを示してもよい。
【0054】
「オフロード条件」は上記でリストされたすべての情報を含む必要がなく、オフロードに関する追加情報を含んでもよいことは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0055】
また、UEは、ローカルに使用可能なUEに関するその他の条件を考慮して決定を下してもよい。例えば、UEがインターネットへのNSWOのために列車内で列車内WLANアクセス・サービスに接続し、列車が一時的に駅に停車する場合である。SIPTOコネクションは列車が駅を離れる際に適合できない可能性があるので、選択的オフロード要求がMMEから受信された場合でも、短時間の停車のために列車内アクセス・ネットワークを介してNSWOを保持する方が良い。例えば、列車は非常に高速で走行し、従って、3G接続条件は時にはあまり良好ではなくなり、それによるサービスのパフォーマンスを低下させる。ところが、列車内WLANアクセスはオフロード・アクセスのために良い条件を保持することができる。この場合、UEは、列車内WLANからのあるローカル・ポリシー又はユーザ入力に従ってNSWOを選択してもよい。
【0056】
選択基準に関するその他の例は、UEについてアドレス変更が受諾されるか否かになる。既存のオフロード・メカニズムであるので、それぞれのオフロード・コネクションはユーザ・トラフィックのために異なるコンタクトIPアドレスを有し、従って、UEがオフロード・コネクションを、即ち、SIPTOとNSWOとの間で変更する際に、UE上のユーザ・アプリケーションは、通常、その通信用のIPアドレスを変更しなければならない。アプリケーションによっては、特に他のノード(複数も可)に対して通信するアプリケーションは、その存続期間の間にIPアドレスを変更するとその後続行することができないので、UEは、その通信のために又は少なくともこれらのアプリケーション・トラフィックのために、NSWOを保持することを希望する。この場合、UEは、オフロード条件内の内容を考慮せずに意思決定を行ってもよい。これは、SIPTOがトリガされた際でもセッションを継続的に保持するという利点をユーザに提供する。
【0057】
MMEは、確立されているSIPTOコネクションのターゲットPGWからオフロード条件の内容を入手してもよい。これは、前もってUEの位置に基づいてMMEがターゲットPGWを把握できるためであり、また、MMEは実際のSIPTOコネクション確立手順の前でもゲートウェイと接触することができる。そうではない場合、MMEは、そのMMEに(又は、MME再配置の場合にはその他のMMEに)格納されたその他のUEのコンテキストに基づいて、SIPTOコネクションについて可能なパフォーマンスを識別してもよい。例えば、MMEは、UEの位置、ターゲットAPN、ターゲットPGW、UE加入者に関するグループID、QCI値などに関して、同様の特徴又は同じ特徴を有するその他のUEのSIPTOコネクションをそのコンテキスト・データベースから見つけることになり、その結果からオフロード条件について可能なパラメータ、例えば、上記のQoS及び/又はその他のコンポーネントを識別する。
【0058】
図2に示されているように、ステップ213から229までの以下の動作は、UE(101)が「オプションA」として示されているネットワークベース・オフロードに従うことを選択する場合に関するものである。
【0059】
MME(113)は、UE(101)に向かって選択的オフロード要求(211)メッセージを送信する際に、UE(101)がネットワークベース・オフロードに従うことを選択できないことを把握している。従って、ステップ213のように、MME(113)はオフロードに関して必要なネットワーク側動作を遅らせることになる。例えば、MME(113)はPDNコネクションを除去するよう、SGW(115)及びPGW(117)に指示することはなく、S1コネクション及び無線ベアラを除去するよう、eNodeB(121)に指示することもない。
【0060】
UE(101)側では、選択的オフロード要求(211)が到着した際に、ステップ215に示されているように、UE(101)はオフロード・オプションの評価を開始する。UE(101)は、まずメッセージから「オフロード条件」パラメータを入手し、次にアクセスポイント(141)を通じてWLANアクセスから対応するパラメータを入手することにより、評価を行う。UE(101)が情報を入手するためのメカニズムはアクセス技術に依存する。例えば、WLANがIEEE802.11u[NPD 5]をサポートする場合、UE(101)は、WLANとの関連付けを行わずに、汎用広告サービス(GAS)を使用して、WLAN及びローカル・アクセス・ネットワーク(140)に関する情報を入手することができる。
【0061】
GASにより、UE(101)は、WLANアクセスポイント(141)を介するオフロードの動作パラメータ、例えば、サービス・プロバイダ・ネットワーク(120)に向かうバックホール・リンク状況、WLAN自体の負荷、UE(101)が同じオフロードをローミングし保持できるようにするローカル・アクセス・ネットワーク(140)のサービスエリア、どのオペレータ・コアネットワークがローカル・アクセス・ネットワーク(140)に接続されるか、オペレータ・コアネットワーク(110)との特殊ローミング協定、上記の情報の有効な期間などを把握することができる。また、UE(101)は、IEEE802.11u[NPD 5]の諸機能を使用して、WLANのその他の関連動作情報、例えば、WLANのセキュリティ・レベルが十分であるか、非常事態サービスがサポートされるか、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)とサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)又はオペレータ・コアネットワーク(110)との間のQoSマッピングなども入手してもよい。WLANネットワークオペレータがWiFi連合によって定義されたHotspot2.0に応じてそれを提供することを選択した場合、UE(101)がWLANから追加情報も入手してもよいことは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0062】
UE(101)は、選択的オフロード要求メッセージで「オフロード条件」情報要素を受信した場合、「オフロード条件」に示された関連情報のみを問い合わせることができる。UE(101)は、選択的オフロード要求メッセージを受信する前にすでにWLANに接続されている場合、すでに関連情報を入手していてもよい。UE(101)は、有効な期間が満了していない場合にオフロード評価のために格納情報を直接使用するか又は新たな情報要素のセットを入手するためにWLANアクセスポイント(141)に照会するかを選択することができる。
【0063】
UE(101)は、オフロード・オプションを評価するために異なるロジックを使用してもよい。例えば、UE(101)は、ANDSFによって提供された何らかのオペレータルール及びあるユーザ指定プリファレンス・ルールを有してもよい。このようなルールは、(例えば、アクセス・ネットワーク輻輳条件情報として)WLANアクセスポイントの負荷が80パーセント未満であるか又は(例えば、アクセスポイント輻輳条件情報として)関連クライアントが20未満である場合に、WLANオフロード、例えば、NSWOをトラフィックに使用しなければならないと明記していてもよい。また、このルールは、例えば、事前に定義されたレベルの認証及び暗号化メカニズムを使用して、バックホール・リンクが混雑していないか又は特定のセキュリティ基準を満たしている場合にのみ、WLANオフロードを選択しなければならないと明記していてもよい。例えば、コンテンツのサービス帯域幅又はサイズが特定の限界を超えた場合に必ずWLANオフロードを使用すること、サービス優先順位が特定のレベルより低い場合に必ずWLANオフロードを使用すること、その時点でUE(101)のモビリティが低い場合に必ずWLANオフロードを使用することなど、その他のタイプのルール及び構成が存在してもよいことは、当業者にとって明らかである。また、このようなオペレータルールは、その他の手段を介して、例えば、OMA−DMによるインターワーキングWLAN管理目標の一部として、又はWLANを介して配信されたHotspot2.0管理目標の一部として、UE(101)に提供できることも、当業者にとって明らかである。
【0064】
これに対して、オフロード・オプションを評価するために上記のルールとともに「オフロード条件」パラメータも使用される。例えば、{制限サイズコンポーネント}は、WLANオフロードを使用しなければならないかを決定するための閾値として使用することができる。また、「オフロード条件」情報要素内の対応するパラメータの存在は、このようなパラメータを評価の際に使用しなければならないという指示である。例えば、「オフロード条件」がQoS関連パラメータ{許容される最大ビットレート}を含む場合、指示された{許容される最大ビットレート}値より高いリンクレートをWLANが提供できる場合にのみWLANオフロードを選択するよう、オペレータがUE(101)に推奨することを意味する。その場合、UE(101)は、WLANの実効リンクレートと潜在的にバックホール・リンクレートとを、GASを使用して入手する。UE(101)は、これらのレートと{許容される最大ビットレート}を比較し、SIPTOによりWLANオフロードを選択しなければならないかを決定する。その他のパラメータ、例えば、{優先順位}、{制限時間コンポーネント}、{制限範囲コンポーネント}などについて同様の動作を行えることは、当業者にとって明らかである。
【0065】
UE(101)は、ステップ215のように、ネットワークベース・オフロードが好ましいと決定した場合、ステップ217のように、選択的オフロード受諾(217)メッセージをMME(113)に返送する。LTEシステムの場合、これは、切り離し受諾メッセージ又はEPSベアラ・コンテキスト非活性化受諾メッセージにすることができる。
【0066】
選択的オフロード受諾(217)を受信すると、MME(113)は、ネットワーク側オフロード準備手順、例えば、ステップ219のように、SGW(115)及びPGW(117)からネットワーク側コネクションを除去することを開始する。また、MME(113)は、S1−MMEコネクションを解放しないか又は再接続が予想されることを示す原因コードとともに特殊なS1解放コマンドを送信することにより、eNodeB(121)によるUEのための信号送出コネクションを保持し再使用することを選択してもよい。
【0067】
UE(101)は、ステップ217の後の任意の時期に、ステップ221のように、オフロード接続要求メッセージを送信する。このオフロード接続要求メッセージでは、UE(101)は、これがネットワークベース・オフロード再接続に関するものであることを示す。LTEの場合、これは、切り離した(デタッチした)ばかりのコネクションと同じパラメータ、即ち、APNなどを含む新たな接続要求になり得る。ある信号送出及び処理を節約するために、UE(101)及びeNodeB(121)は、前のコネクションのリソース、例えば、RRCコネクション、S1−MMEコネクションなどを保存していてもよい。この場合、新たなオフロード接続要求は、追加のRRC又はS1コネクション確立手順を行わずに、それらにより配信される。
【0068】
オフロード接続要求(221)を受信すると、MME(113)は、ステップ223のように、オフロード・コネクション、例えば、S/PGW(119)を介するSIPTOコネクションを確立し始める。これは、オフロード接続要求(221)によって伝達される情報、例えば、UE(101)の位置情報を利用する、ゲートウェイ選択手順を伴ってもよい。この手順(223)は、同図に示されていないが、MME(113)がUE(101)コンテキストの作成又は必要なベアラの確立についてeNodeB(113)に指示することも含んでもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0069】
次に、MME(113)は、SIPTOコネクション・セットアップが成功した際に、ステップ225のように、オフロード接続受諾(225)でUE(101)に応答する。LTEの場合、これは接続受諾又はPDN接続性受諾メッセージにすることができる。
【0070】
ステップ221と227との間のプロセスにはその他の信号送出メッセージ交換が含まれてもよいことは、当業者にとって明らかである。例えば、認証手順が含まれる可能性があり、UEはステップ225の後にPDN接続性完了メッセージで応答してもよい。しかし、これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0071】
オフロード接続受諾(225)を受信した後、ステップ227のように、UE(101)は、ルーティングポリシーに応じて、新たなオフロード・コネクションに向かってトラフィックをルーティングし始める。次に、UE(101)は、ステップ229のように、ルーティングポリシーに応じて、WLANコネクションへのオフロードを停止する。ステップ229で、UE(101)は、WLANアクセスを使用するその他のサービスが存在するか否かにより、WLANコネクションを保持してもよく、保持しなくてもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0072】
図3を参照して、ステップ315でWLANオフロードが好ましいとUE(101)が評価する際の本開示技術の代替動作について説明する。
図3に示されているように、「オプションB」の部分は、
図2の「オプションA」の動作に取って代わるものである。オプションの残りの部分はこの代替動作及び
図2に示されている動作について同一であり、従って、
図3には完全に示されているわけではない。
【0073】
同図に示されているように、ステップ311及びステップ313はステップ211及び213と同一である。ステップ315では、UE(101)はステップ215と同様にオフロード・オプションを評価する。しかし、この場合の評価の結果は、WLANオフロードが好ましいということである。従って、この場合、UE(101)は選択的オフロード受諾(217)メッセージを送信しない。その代わり、UE(101)は、ステップ317のように、再接続要求メッセージをMME(113)に直接返送する。この再接続要求メッセージは、単に、ステップ311で切り離し(detacch)/切断(disconnect)について示されているコネクションと同じAPN及びその他のパラメータを含む、接続要求又はPDN接続性要求にすることができる。この場合、このメッセージはステップ221のものと同一になってもよい。また、動作モード次第で、再接続要求メッセージはTAU又はRAUメッセージにすることもできる。また、UE(101)は、これがオフロードを行わずに既存の3GPPコネクションを使用し続けることを要求していることをMME(113)に明示的に示すために、追加のフラグ又はパラメータを含めてもよい。
【0074】
再接続要求(317)を受信すると、MME(113)は、UE(101)がSIPTOの代わりにWLANオフロードを使用することを選択したと認識する。従って、MME(113)は、ステップ319のように、ネットワークベース・オフロード・トリガを除去し始める。また、MME(113)は、SIPTOがトリガされていなかったかのように、ステップ313で処理を遅らせた任意の保留中のアクションも除去する。次に、MME(113)は、ステップ321のように、UE(101)に向かって再接続受諾メッセージを返送する。LTEシステムでは、これは接続受諾又はPDN接続性(Connectivity)受諾にすることができる。このステップは他のネットワーク側ノード、例えば、eNodeB(121)に向かうある追加の信号送出も含めてもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0075】
同時に、MME(113)は、UEがIDLEモードに移行するか、即ち、すべてのトラフィックがWLANコネクションに移動できるかを評価する。これは、UE(101)によって確立された現在のサービス/コネクション並びに再接続要求(317)メッセージ内の追加の指示に基づくことができる。例えば、再接続要求(317)は、そのトラフィックのすべてをWLANコネクションにより送信できるとUE(101)が評価し、従って、3GPPコネクションは使用されないという何らかの明示的なインジケータを含めてもよい。MME(113)は、UE(101)がもはや3GPPコネクションを必要としないと決定した場合、ステップ325、327、及び329のように、UE(101)をIDLEモードに移行させることになる、MME開始のS1解放手順を実行し始める。これにより、UEは電力を節約し、eNBはUEに関するリソースを節約することができる。この時点で、UE(101)は次に、ステップ331のように、ルーティングポリシーに応じて、WLANアクセスに向かってデータトラフィックを移動させることになる。
【0076】
図2及び
図3がともに本開示技術を表していることは、当業者にとって明らかである。システムは、
図2の動作又は「オプションA」の部分が
図3の「オプションB」の部分で置き換えられた
図2の動作のいずれかを実行してもよい。
【0077】
UE(101)は、MMEがMMEにおいて選択的オフロード要求を開始するために、例えば、あるQoSパラメータ(複数も可)に関するものなど、何らかの条件又は閾値(上述の閾値情報)をMMEに通知するための「オフロード情報」要素とともに、選択的ネットワークベース・オフロード・メッセージをMME(113)に送信してもよい。UEは、現在のWLANアクセス・パフォーマンスに基づいてオフロード情報を作成することができる。例えば、UEは、WLANアクセス・パフォーマンスを参照し、そのパフォーマンスがWLANアクセスより良好である場合にのみ、MMEが選択的オフロード要求を開始するように、オフロード情報内のパラメータを設定する。MMEは、UEから提供されたオフロード情報の内容をチェックし、それをUEのコンテキストに格納する。UEに関するSIPTO開始を検出した場合、MMEは、格納したオフロード情報及び入手したSIPTOオフロード条件情報に基づいて、条件が満足されているかをチェックする。条件が満足されている場合、MMEは選択的ネットワークベース・オフロード要求をUEに提供する。そうではない場合、MMEは、SIPTO開始を無視し、選択的ネットワークベース・オフロード要求の送信をスキップする。従って、MMEは、不必要なリソース消費が削減されるように、非効率的な選択的オフロード(SIPTO)開始を回避することができる(即ち、MMEは有用な選択的オフロードのみを開始する)。
【0078】
また、UEは、後で提供される選択的オフロード要求メッセージ内で要求されたパフォーマンス・パラメータについて、選択的ネットワークベース・オフロード・メッセージを介してMMEに通知することもできる。従って、UEは、WLANアクセス・システムに関して対応するものと比較することができるパラメータのみを受信することができる。これは、どのオフロード・メカニズムが適切であるかを決定するためのUEの処理負荷及び時間とともに、回避しなければならない不必要なパラメータを準備するためのMMEの処理負荷及び時間も削減することになる。
【0079】
(第2の実施の形態:UE実現例)
図4を参照して、本開示技術をサポートするUE(101)のアーキテクチャの一例について説明する。同図に示されているように、UE(400)は、5つの主要機能コンポーネント、即ち、3GPPアクセス管理(401)、非3GPPアクセス管理(403)、オフロード・ポリシー制御(405)、フロー管理(407)、及びアプリケーション(409)を含む。
【0080】
これらの中で、3GPPアクセス管理(401)と非3GPPアクセス管理(403)は、それぞれ、3GPPアクセス及び非3GPPアクセスを処理する機能モジュールである。これらは、これらに対応するアクセスによるデータ又は信号送出トラフィックの送受信、並びに信号送出に応じたアクセスの管理を担当する。
【0081】
オフロード・ポリシー制御(405)は、どのアクセスをトラフィックのオフロードに使用すべきかを決定し制御するエンティティである。これは、3GPPアクセス管理(401)と非3Gアクセス管理(402)の両方から情報を入手し、評価を実行し、どのタイプのオフロードを使用しなければならないかについて決定する。また、オフロード・ポリシー制御(405)は、適正なオフロード・アクションを行えるように、3GPPアクセス管理(401)と非3Gアクセス管理(402)にコマンドも送信する。例えば、オフロード・ポリシー制御(405)は、WLANオフロードを使用しなければならないと決定された場合にWLANコネクションを確立するよう、非3Gアクセス管理(402)に要求してもよい。或いは、3GPPアクセスベース・オフロードを使用しなければならない場合にオフロードにリンクされたAPNによりあるコネクション確立を行うよう、3GPPアクセス管理(401)に指示してもよい。
【0082】
フロー管理(407)は、アプリケーション(409)によって生成されたデータトラフィックのために使用する経路の決定を担当する。フロー管理(407)は、例えば、どのようにトラフィックをルーティングしなければならないか又は特定のAPNにバインドされない場合にそれをオフロードできるかについて決定するために、ANDSFによって提供されたISRP又はOPIISルール或いはユーザ構成を利用してもよい。また、オフロード・ポリシー制御(405)は、フロー管理(407)がそのルールを調整し、現在のルーティング決定を検討するために、指示又はトリガを提供してもよい。例えば、NSWOが使用可能になった場合、オフロード・ポリシー制御(405)は、データトラフィックをWLANアクセスにそらすことができるように、対応するルーティングルールを活性化するよう、フロー管理(407)に通知する。
【0083】
フロー管理(407)は、NSWOを開始すると決定する際、SIPTO開始がMMEに対して選択的なもの(適応できるもの)になるようにUEがNSWOを開始した旨の情報を提供するよう、オフロード・ポリシー制御(405)に指示する。次に、オフロード・ポリシー制御(405)は選択的ネットワークベース・オフロード要求をMMEに送信する。
【0084】
図5には、オフロード・ポリシー制御(405)によって使用されるロジックの一例が提示されている。同図に示されているように、ステップ501のように、UE(400)が3GPPアクセス管理(401)によるオフロード・ポリシー制御(405)へのネットワークベース・オフロード指示、例えば、ステップ211の選択的オフロード要求を受信した場合、オフロード・ポリシー制御(405)は、これが「選択的」要求であるか、即ち、オフロード決定がUEの状況に基づいて適応できるものになり得るかをチェックする。これは、例えば、選択的オフロード要求(211又は311)内の明示的フラグ或いは「オフロード条件」情報要素の存在をチェックすることによって達成される。
【0085】
この要求が「選択的」である場合、即ち、明示的フラグ或いは「オフロード条件」によって示されている場合、オフロード・ポリシー制御(405)は、WLANオフロードが構成又はポリシーによって禁止されているかをチェックし始める。これは、非3Gアクセス管理(403)及びフロー管理(407)をチェックすることによって達成される。例えば、非3Gアクセス管理(403)は、WLANが使用可能であるか又はIEEE802.11u GAS機構を使用して得られる所望のサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)へのコネクションを提供するかについて情報を提供してもよい。これに対して、フロー管理(407)は、特定のサービスがWLANアクセスにより許可されないこと、又はePDG或いはNSWOを介するPDNコネクションを使用してWLANにオフロードしなければならないことを示すルールを含めてもよい。
【0086】
オフロード・ポリシー制御(405)は、ステップ505でWLANオフロードが許可されると決定した場合、オフロードに関するWLAN動作パラメータを入手するよう、非3Gアクセス管理(403)に指示する。例えば、これは、リンクレート、バックホール・リンクレート、WLANの負荷、同じアクセスポイントに接続された端末の数、アクセスポイントによって割り振られた帯域幅、送信に必要な電力レベルなどを含めてもよい。同時に、オフロード・ポリシー制御(405)は、受信した「オフロード条件」内のパラメータも入手する。次にこれは、対応するWLANアクセス・パラメータを入手するよう、非3Gアクセス管理(403)に指示する。
【0087】
必要な情報を入手した後、オフロード・ポリシー制御(405)は、ステップ509のように、パラメータを比較することによってオフロード・オプションを評価し始める。これは、ステップ215又は315について記載したアクションと同様のものである。更に、オフロード・ポリシー制御(405)は、電力消費予測、アプリケーション層要件、UE(400)の移動速度、現在のWLANアクセスの範囲、ユーザ入力、経験したハンドオーバの回数などを考慮することにより、オプションを更に評価してもよい。
【0088】
次にオフロード・ポリシー制御(405)は、ステップ511のように、「オフロード条件」パラメータとともに提供されたSIPTOと比較して、その評価によってWLANオフロードの方が選ばれるか否かをチェックする。WLANオフロードが好ましい場合、オフロード・ポリシー制御(405)は、例えば、ステップ317のようにSIPTOオプションを拒否することにより、ネットワークベース・オフロード・アクセスをIDLEに移行し始める。3GPPアクセスを使用する他のサービスが存在する場合、これによって必ずしもUE(101)がその3GPPアクセスをIDLEモードに変更する必要がないことは、当業者にとって明らかである。これは、単に、MME(113)におけるオフロードに関するトリガを除去し、PDNコネクションからデータトラフィックを移動させるだけである。
【0089】
オフロード・ポリシー制御(405)は、ステップ517のように、それに応じてデータトラフィックをWLANアクセスにルーティングできるように、WLANオフロードの可用性についてフロー管理(407)を更に更新し、フィルタリング・ルールを検討するよう、それをトリガする。
【0090】
また、オフロード・ポリシー制御(405)は、場合によっては、ステップ517のように、WLANオフロードが依然として使用可能であるか、並びに、ステップ519のように、アプリケーション(409)によって生成された新たなトラフィックであって、WLANオフロードに適切ではないものとしてフロー管理(407)によって分類されたものが存在するかをチェックしてもよい。
【0091】
WLANオフロードは、種々の理由、例えば、WLANサービスエリアからのUE(101)の移動、バックホールで発生した何らかの輻輳、無線チャネルの過負荷、無線チャネルによる持続的なノイズ又は干渉などにより、使用できなくなる可能性がある。この条件は、非3Gアクセス管理(403)によってオフロード・ポリシー制御(405)に通知され得る。
【0092】
新たなアプリケーション(409)が開始されるので、異なるデータトラフィックも生成される。新たなトラフィックの一部は、フロー管理(407)内でルーティングルール及びポリシーに応じてフィルタリングし、ネットワークベース・オフロード・コネクションにのみ適切なものであること、例えば、特定のAPNがそのサービスにバインドされること又は特定の優先順位によりそのサービスが3GPPコネクションを介して提供される必要があることなどを決定してもよい。
【0093】
このような場合、オフロード・ポリシー制御(405)機能は、ステップ521のように、例えば、[NPD 3]により適切である場合に接続、TAU、又はサービス要求手順を実行することにより、ネットワークベース・オフロード・コネクションへの接続を再開しようと試みる。
【0094】
ステップ503、505、及び511では、WLANオフロードが適切ではないという評価である場合、オフロード・ポリシー制御(405)は、ステップ523のように、ネットワークベース・オフロードを活性化するための手順を実行し、ステップ525のように、トラフィックを適切にルーティングできるようにフィルタルール及びポリシーを調整するよう、フロー管理(407)に通知する。これは、
図2のステップ217から229までの動作と同様のものである。
【0095】
図5に示されているロジックはその他の態様を更に含むことができ、例えば、ステップ517はステップ509のようにオフロード動作を再評価する動作も含むことができることは、当業者にとって明らかである。これは、WLANコネクションが依然として使用可能であるが、動作パラメータが変化した場合に有用である。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0096】
(第3の実施の形態:MME実現例)
図6を参照して、本開示技術をサポートするMME(600)のアーキテクチャの一例について説明する。同図に示されているように、MME(600)は、3つの主要機能コンポーネント、即ち、トランスポート制御601、コネクション/移動管理602、及びオフロード制御603を含む。
【0097】
トランスポート制御601は、UEのコネクション及び移動(モビリティ)を維持するための信号送出を他の3GPPネットワーク・エンティティ、例えば、サービング・ゲートウェイ、eNB(基地局)、HSS(ホーム加入者サービス)と交換できるように、これらのエンティティと通信するためのトランスポートサービスを提供する機能モジュールである。トランスポート制御601は、信号送信(即ち、信号送出メッセージの送受信)のためにS1、S6、S11などのいくつかの通信インターフェースを実装することができる。コネクション/移動管理602は、UEとのNAS交換など、管理のための関連信号送出メッセージを処理し、UEコンテキストも維持するように、UEのコネクションを維持し、移動管理を実施する。オフロード制御603は、ネットワークベース・オフロードの開始を決定し、プロセスを処理し、即ち、既存のUEのターゲット・コネクションを切断し、オフロード・トラフィックのために強制的に再接続させる。
【0098】
図7A、
図7Bには、オフロード制御603によって使用されるロジックの一例が提示されている。まず
図7Aに示されているように、MMEは、UEから選択的ネットワークベース・オフロード要求を受信する際に、コネクション/移動管理エンティティ602内のUE(101)のコンテキストに対応する情報を格納する。例えば、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOが選択的でなければならないことを指示するために、UE(101)のコンテキストによって特殊な「選択的」フラグを作成してもよい。これは、実装や導入展開時の選択に依存し、UE(101)に関する一般的なフラグとして、又は特定のPDNコネクションに関する特定のフラグとして格納することができる。
【0099】
その後、
図7Bに示されているように、特定の時点で、MME(113)は、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOを行うようにトリガされる。このトリガは、UE(101)の位置情報の更新、ネットワークオペレータのポリシー、又はSGW(115)又はPGW(117)上の構成に基づくことができる。MME(113)は、ネットワークベース・オフロードを実行しなければならないと決定し、UE(101)のコンテキストで「選択的」フラグを通知する場合、前の実施の形態で説明したように、潜在的なオフロードに関する追加の「オフロード条件」情報とともに選択的オフロード要求メッセージをUEに送信することになる。そうではない場合、MMEはネットワークベース・オフロードに関する通常のプロセスを行うだけである。
【0100】
MMEは、確立されているSIPTOコネクションのターゲットPGWからオフロード条件の内容を入手し、オフロードのためのベアラ情報を準備する。そうではない場合、MMEは、コネクション/移動管理602に(又は、MME再配置の場合にはその他のMMEに)格納されたその他のUEのコンテキストに基づいて、SIPTOコネクションとなりうるベアラ情報を特定してもよい。例えば、MMEは、UEの位置、ターゲットAPN、ターゲットPGW、UE加入者に関するグループID、QCI値などに関して、類似の特徴、又は同じ特徴を有するその他のUEのSIPTOコネクションをそのコンテキスト・データベースから探索し、その結果からオフロード条件について可能性のあるパラメータ、例えば、上記のQoS及び/又はその他のコンポーネントを識別する。
【0101】
MME(113)は、UE(101)に向けて選択的オフロード要求(211)メッセージを送信する。MMEはUE(101)がネットワークベース・オフロードに従うことを選択できないことをすでに把握しているので、MME(113)はオフロードに関して必要なネットワーク側動作を遅らせることになることは注目に値する。例えば、MME(113)はPDNコネクションを除去するよう、SGW(115)及びPGW(117)に指示することはなく、S1コネクション及び無線ベアラを除去するよう、eNodeB(121)に指示することもない。
【0102】
手順の見地から見ると、MMEは、次の手順としてUEから選択的オフロード受諾又は再接続要求メッセージのいずれかを受信する。選択的オフロード受諾(217)を受信すると、MME(113)は、ネットワーク側オフロード準備手順、例えば、SGW(115)及びPGW(117)からネットワーク側コネクションを除去することを開始する。また、MME(113)は、S1−MMEコネクションを解放しないか又は再接続が予想されることを示す原因コードとともに特殊なS1解放コマンドを送信することにより、eNodeB(121)によるUEのための信号送出コネクションを保持し再使用することを選択してもよい。次に、オフロード接続要求(221)を受信すると、MME(113)は、オフロード・コネクション、例えば、S/PGW(119)を介するSIPTOコネクションを確立し始める。次に、MME(113)は、SIPTOコネクション・セットアップ(確立)が正常に完了した際に、ステップ225のように、オフロード接続受諾(225)でUE(101)に応答する。
【0103】
MMEが選択的オフロード受諾ではなく、選択的オフロード要求を送信した後にUEから再接続要求(317)を受信すると、MME(113)は、UE(101)がSIPTOの代わりにWLANオフロードを使用することを選択したと認識する。従って、MME(113)は、SIPTOがトリガされていない場合のように、ネットワークベース・オフロード・トリガ並びに任意の保留中のアクションも除去する。次に、MME(113)は、UE(101)に再接続受諾メッセージを返送する。同時に、MME(113)は、UEがIDLEモードに移行するか、即ち、すべてのトラフィックがWLANコネクションに移動できるかを評価する。これは、UE(101)によって確立された現在のサービス/コネクション並びに再接続要求(317)メッセージ内の追加の指示に基づくことができる。MME(113)は、UE(101)がもはや3GPPコネクションを必要としないと決定した場合、UE(101)をIDLEモードに移行させることになる、MME開始のS1解放手順を実行し始める。これにより、UEは電力を節約し、eNBはUEに関するリソースを節約することができる。この時点で、UE(101)は、ルーティングポリシーに応じて、WLANアクセスに向けてデータトラフィックを移動させることになる。
【0104】
(第4の実施の形態:信号送出を低減した代替動作)
図8を参照して、
図3の「オプションB」の部分の代替動作シーケンスについて説明する。この代替例では、UE(101)とMME(113)との間のある信号送出を回避することができ、従って、ネットワーク及びUEリソースが節約される。
【0105】
同図に示されているように、ステップ811及び815は311及び315と同等のものである。しかし、ステップ813では、MME(113)は、ネットワーク側でのオフロード動作を遅らせると決定する際に、タイマXも始動する。Xの値は構成及びオペレータのポリシーによって決まる。一般に、UE(101)が信号を受信し、MME(113)に返送するために十分な時間を見込んでおかなければならず、例えば、非3Gアクセスにより情報を入手することを含む、オフロード評価を行うための十分な時間も用意しなければならない。
【0106】
UE(101)側では、UE(101)は、WLANオフロードが好ましいと評価すると、選択的オフロード要求(811)を受信していない場合のように、信号送出メッセージをMME(113)に返送しない。更に、UE(101)は、ステップ817のように、そのアクセスを使用する他のアプリケーションが全くない場合、ローカルに3GアクセスをIDLEモードに移行させてもよい。次に、UE(101)は、ステップ819のように、そのルーティングポリシーを更に調整し、そのサービスにWLANオフロードを使用し始める。
【0107】
MME(113)側では、タイマXが切れると、MME(113)は、UE(101)がWLANオフロードを選択したと理解し、従って、ステップ821のように、ネットワークベース・オフロード・トリガを除去する。例えば、SIPTOの場合、MME(113)は、S/PGW(119)にオフロードする代わりに、PGW(117)を介して既存のPDNコネクションを保持すると決定する。また、MME(113)は、ステップ823のように、3GPPアクセスによりUEをIDLEモードに移行すべきかを評価し決定する。3GPPアクセスを使用するUE(101)からの他のコネクションが全くない場合、MME(113)は、ステップ825のように、PDNコネクションに関するネットワーク側リソースを除去し始める。また、MME(113)は、ステップ827及び829のように、S1コネクション及び関連の無線リソースを解放するためのコマンドもeNodeB(121)に送信する。ステップ829はUE(101)がステップ817でそれをローカルに行っていない場合にUE(101)をIDLEモードに移行させることになることは、当業者にとって明らかである。
【0108】
ある時点で、UE(101)は、ステップ831のように、WLANオフロードが使用不能又は不適切なものになる可能性があると検出してもよい。これは、
図5のステップ517又は519の結果になり得る。この場合、UE(101)は、3GPPアクセスを再開し、SIPTOオフロードを開始する必要があるであろう。UE(101)は、ステップ833のように、コネクション再開要求を送信することにより、これを行う。LTEシステムの場合、コネクション再開要求は、サービス要求又はTAU要求メッセージになり得る。特定の実現例では、TAU要求又はサービス要求は、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOを再トリガしなければならないことをMME(113)に示すために追加のフラグ又はインジケータを含んでもよい。しかし、他の実現例では、このようなインジケータは、そのように構成される場合にMME(113)によって暗黙のうちに推測することができ、従って、通常のTAU要求又はサービス要求を使用することができる。
【0109】
コネクション再開要求(833)を受信すると、MME(113)は、オフロードのネットワーク側動作、例えば、ステップ835のように、SGW(115)及びPGW(117)を介する古いコネクションを除去することと、ステップ837のように、S/PGW(119)に向かう新たなSIPTOコネクションをセットアップすることを実行し始める。コネクションの正常なセットアップ後に、MME(113)は、ステップ839のように、コネクション再開受諾メッセージを介してUE(101)にこの変更を通知する。このステップは、新たにオフロードされたSIPTOコネクションをサポートするためにUE(101)に関する必要な設定及びコンテキストを調整するよう、eNodeB(121)に指示する動作を含んでもよい。
【0110】
上記の動作ステップは複数の信号交換を更に含む可能性があることは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0111】
(第5の実施の形態:UEモビリティによる代替動作)
図9には、UEモビリティを考慮する本開示技術の代替動作が提示されている。通常、ネットワーク側オフロード・トリガはUE(101)の位置に基づくものである。従って、UE(101)が位置を変更した場合、MME(113)は、ネットワークベース・オフロードをトリガしなければならないかを評価する。UE(101)がCONNECTEDモードに保持されている場合、MME(113)は、その位置をセル・レベルで把握してもよい。従って、ネットワークベース・オフロードは適切な時期にトリガすることができる。しかし、UEがIDLEモードにある場合、MME(113)は、トラッキング・エリア(TA)又は複数TAレベルでその位置を把握するだけである。前述のシナリオでは、NSWOを行っている間、UEは3GPPアクセス・ネットワーク上でIDLEモードとして扱われ、従って、MME(113)は、NSWOより良好なパフォーマンスをSIPTOによってUEに提供できるオフロードをトリガする機会を逸する可能性がある。
【0112】
潜在的な救済策の1つは、それぞれ
図3及び
図8の「オプションB」又は「オプションC」に示されているように選択的オフロード要求を拒否した場合、或いは単にNSWOを開始した場合に、UE(101)がキャンピングセルを変更してeNodeB単位のUEの位置を通知するたびに、UEがMME(101)にTAUメッセージを送信することである。しかし、これは、ネットワーク側で大量の信号送出負荷を発生する可能性があり、UE(101)側でバッテリ電力の浪費を引き起こす可能性もある。
【0113】
図9に示されているように、このような問題に対処するための代替動作が導入される。単純にするために、
図9はステップ911以降の動作のみを示している。
図2に示されている動作ステップ201から209もステップ911の前に発生する可能性があることは、当業者にとって明らかである。
【0114】
ステップ911では、MME(113)は、選択的オフロード要求メッセージを送信する際に、位置リストもそれに含める。この位置リストは、同じネットワークベース・オフロードをトリガしなければならないセルのリストを提供する。この位置リストは、種々の形式で、例えば、新たな情報要素として又は「オフロード条件」の新たな位置コンポーネントとして伝達することができる。「オフロード条件」の新たなコンポーネントとして信号送出される場合、以下のフォーマットを使用することができる。
{位置リスト}::={位置グループ1::=
*{セルID}}
{位置グループ2::=
*{CSG ID}}
{位置グループ3::=
*{TAI}}
【0115】
ここで、位置リストは1つ又は複数の{位置グループ}を含む。それぞれの{位置グループ}には、位置IDのリストが存在する。これらの位置IDは、セルID又はECGI、或いはCSG ID、或いはTAIのリストの形式にすることができる。{位置リスト}はすべての位置グループを含む必要がないことは、当業者にとって明らかである。更に、その他のタイプの位置IDが{位置リスト}で使用される可能性もある。
【0116】
UE(101)は、選択的オフロード要求(911)を受信した後、
図3及び
図8に示されている「オプションB」又は「オプションC」のように通常動作を行う。
【0117】
ある時点で、UE(101)は、ステップ913のように、IDLEモードでその接続ポイントを変更してもよい。例えば、LTEシステムでは、これは、UE(101)が新たなセルでキャンプすることを選択したことを意味する。この時点で、UE(101)は、{位置リスト}を使用して、MME(113)にその変更を通知しなければならないかを決定することになる。例えば、新たなセルが{位置グループ1}にある場合、UE(101)はMME(113)への新たな選択的ネットワークベース・オフロード(915)メッセージをトリガする。
【0118】
この新たな選択的ネットワークベース・オフロード(915)は、UE(101)の現在の位置をMME(113)に伝達する。従って、MME(113)は、ネットワークベース・オフロードをもう一度トリガしなければならないかをもう一度評価する。MME(113)は、新たな位置もネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOに適していると決定した場合、もう1つの選択的オフロード要求(917)をUE(101)に送信する。これは更に、
図2、
図3、及び
図8に示されている「オプションA」、「オプションB」、又は「オプションC」のようにオフロード・オプション選択を検討するようにUE(101)をトリガする。従って、選択的オフロード要求(即ち、SIPTO指示)はUEの適切な位置で送信され、ユーザは、SIPTOがNSWOより良好なパフォーマンスを提供できる場合に良好な機会を得ることができる。
【0119】
もう1つの代替動作では、{位置リスト}を他の方法で使用することができる。例えば、UE(101)は、新しいセルが前のセルと同じ{位置グループ}にはないが、他の{位置グループ}にある場合にのみ、選択的ネットワークベース・オフロード(916)を送信する必要があるとしてもよい。この意味で、{位置グループ}は、同じオフロード決定要因を共用するすべてのセル又は位置を意味し、即ち、UE(101)は、セルの1つでSIPTOを行わないと決定した場合、そのグループの他のセルでもSIPTOを行わない。従って、オフロード・オプションは、UE(101)が他の{位置グループ}にリストされたセルに移動する場合にのみ再評価する必要がある。このように、UE(101)は不必要な信号送出を更に削減することができる。
【0120】
(第6の実施の形態:ネットワーク側支援による代替動作)
図10を参照して、本開示技術のもう1つの代替動作について説明する。これまでの諸実施の形態では、オフロード評価動作は主にUE(101)側で行われる。以下の動作シーケンスでは、オフロード評価プロセスは主にネットワーク側、即ち、MME(113)で行われる。これにより、ネットワークはある不必要なオフロード・トリガ及び関連の信号送出を節約することができる。
【0121】
同図に示されているように、ステップ1001及び1003は201及び203と同一である。しかし、ステップ1005では、UE(101)は、「オフロード情報」要素とともに選択的ネットワークベース・オフロード・メッセージをMME(113)に送信する。
図2の205と同様に、この選択的ネットワークベース・オフロード・メッセージは、特殊な「選択的」インジケータが付いたTAU要求メッセージ又はその他のリソース管理メッセージにすることができる。「オフロード情報」はそのメッセージに含まれる新たな情報要素である。「オフロード情報」が含まれる場合、それは他の形式の「選択的」インジケータとして作用することもでき、従って、「選択的」インジケータを回避することができる。
【0122】
{オフロード情報}::={QoSコンポーネント::=
{許容される最大ビットレート}
{遅延}
{優先順位}
{負荷}}
{制限時間コンポーネント}
{制限範囲コンポーネント}
{制限サイズコンポーネント}
【0123】
ここで、{許容される最大ビットレート}は、ローカル・アクセス・ネットワーク(140)からサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)へのWLANアクセス及びバックホール・リンクによってサポートできる帯域幅を示す。{遅延}は、サービス・プロバイダ・ネットワーク(120)に向けてサービスにアクセスする際にWLANアクセスによる予想遅延を示す。{優先順位}は、WLANアクセスによるサービス・データフローに与えられる優先順位になり、例えば、DiffServeコード・ポイント(DSCP)からマッピングすることができる。{負荷}は、WLANの負荷状況を示す。{QoSコンポーネント}は、例えば、APNが異なるものになる場合、IPアドレス保存がサポートされる場合、IPバージョンが異なる場合などの追加情報を含むか、或いはUEがHotspot2.0によってサポートされるWLANを介して入手する可能性のあるその他の情報を含んでもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0124】
MME(113)は、この選択的ネットワークベース・オフロード(1005)メッセージを受信すると、それをUE(101)の対応するコンテキストに格納する。ステップ1009のように、次にネットワークベース・オフロードがトリガされた際に、MME(113)は、ステップ1011のように、関連のオフロード動作パラメータを検索する。例えば、これは、潜在的な無線アクセス・ネットワーク(RAN)パラメータ、例えば、輻輳レベル又は許容ベアラ帯域幅などを入手することを含む。また、MME(113)は、S/PGW(119)に関する情報、例えば、UEについて許可される帯域幅、又は予想される遅延なども入手してもよい。
【0125】
次に、MME(113)は、オフロード・オプション、即ち、現在のUE(101)のWLANコネクションの場合にネットワークベース・オフロードをトリガしなければならないかを評価するために、「オフロード情報」要素及びステップ1011で入手したオフロード情報を利用する。例えば、MME(113)は、SIPTOコネクションによって提供可能な帯域幅と、WLANを介してUE(101)によって報告されたものを比較することができ、その帯域幅の方がかなり高い場合にのみSIPTOをトリガする。MME(113)は評価の際にオフロードのその他の面、例えば、サービスエリアの比較、コンテンツサイズの制限なども考慮してもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0126】
MME(113)は、UE(101)のサービス・データトラフィックのためにWLANの代わりにネットワークベース・オフロードを使用しなければならないと決定した場合、ネットワークベース・オフロード要求(1015)をUE(101)に送信する。LTEシステムでは、このネットワークベース・オフロード要求(1015)は切り離し又はEPSベアラ・コンテキスト非活性化要求になり得る。実現例によっては、このネットワークベース・オフロード要求(1015)は、UE(101)がこのオフロード要求に従わなければならないことを示す「非選択的」フラグ又はインジケータを更に含むことができる。
【0127】
ネットワークベース・オフロード要求(1015)を受信すると、UE(101)は、ステップ1017のように、ネットワークベース・オフロード受諾で応答する。従って、MME(113)は、ネットワーク側オフロード動作を行うように、例えば、SGW(115)及びPGW(117)との接続リソースを除去するように、トリガされる。これは、SIPTO動作について[NPD 1]に記載されているものと同様である。
【0128】
UE(101)は、ステップ1021のように、オフロード接続要求を行うようにトリガされる。これは、[NPD 1]においてSIPTO動作について記載されている再接続要求と同様である。LTEシステムでは、これは、同じAPNが付いた接続要求又は同じAPNが付いたPDN接続性要求になり得る。このようなオフロード接続要求(1021)は、ステップ1023のように、ネットワーク側でS/PGW(119)を介してSIPTOコネクションの確立をトリガする。ステップ1025のように、UE(101)とMME(113)との間の対応する更なる信号送出、例えば、オフロード接続受諾が行われる。同図に示されているもの以上の信号交換が行われる可能性があることは、当業者にとって明らかである。オフロード接続受諾(1025)を受信した後、UE(101)は、ルーティングルールに応じて、新たに確立されたオフロード・コネクション、例えば、SIPTOコネクションにより、データトラフィックをルーティングし始める。
【0129】
(第7の実施の形態:SIPTO@LN/LIPAによる代替アーキテクチャ)
図11を参照して、本開示技術をサポートする代替ネットワーク・アーキテクチャについて説明する。
図1では、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOは、オペレータ・コアネットワーク(110)エンティティを介してサービス・プロバイダ・ネットワーク(120)に至る出口点、例えば、S/PGW(119)を有する。しかし、特定の場合、例えば、フェムト・セルを使用する場合には、ローカル・アクセス・ネットワーク(1140)エンティティ、例えば、ローカル・ゲートウェイ(LGW)(1183)を介してオフロードを行うことができる。このような場合、オフロード・オプションを評価する際に多少異なる考慮を行わなければならない。しかし、一般に、これまでの諸実施の形態に導入された動作は、わずかな調整を行えば、依然として適用可能である。以下の説明では、相違点のみが強調されている。
【0130】
同図に示されているように、3GPPアクセスはフェムト基地局、即ち、ホームeNodeB(HeNB)(1181)によって提供される。この場合、HeNB(1181)は、セキュリティ・ゲートウェイ(SeGW)(1185)を介してオペレータ・コアネットワーク(1110)に接続される。HeNB(1181)とSeGW(1185)との間のコネクションは、ローカル・アクセス・ネットワーク(1140)又は他のサービス・プロバイダ・ネットワークを通過することができ、セキュリティが保護される。例えば、HeNB(1181)は、IKEv2プロトコルを使用して、SeGW(1185)とのIPSecトンネルを確立してもよい。これに対して、LGW(1183)は、ローカル・アクセス・ネットワーク(1140)内に常駐して、SGW(1115)とのコネクション(同図には示されていない)を介してオペレータ・コアネットワーク(1110)によって制御され、UE(101)のためにサービス・プロバイダ・ネットワーク(1120)へのコネクションを提供する。これは、[NPD 1]に記載されているLIPAアーキテクチャと同様である。LGW(1183)はHeNB(1181)と連結することができるか又はローカル・インターフェース1153を介してHeNB(1181)に接続されたスタンドアロン・エンティティにすることができることは、当業者にとって明らかである。これは、本開示技術の一般原理に影響を及ぼさない。
【0131】
同図に示されているように、このアーキテクチャ変形例では、UE(1101)は、3通りのオフロード選択肢、即ち、ローカル・アクセス・ネットワーク(1140)を介するSIPTO、ローカル・アクセス・ネットワークを介するLIPA、及びローカル・アクセス・ネットワークを介するWLANオフロードを有する。
【0132】
従って、UE(101)は、
図2、
図3、又は
図8に導入されている手順に続いてオフロード・オプションを評価する際に、この3つのオプションもすべて考慮する必要がある。3つのオプションの中で、LIPA及びWLANオフロードはUE(101)によって開始することができ、SIPTOはネットワーク、即ち、MME(113)によって開始することができる。これに対して、LIPA及びSIPTOは、例えば、HeNB(1181)を介して、3GPPアクセスを使用するが、WLANは、異なるリンクレートを提供可能な非3GPPアクセスを使用する。この場合、3つのオフロード・オプションすべてが同じバックホール・コネクションを共用してもよく、これは、WLANアクセスポイントから入手したバックホール状況情報が3つすべてに適用可能であることを意味する。
【0133】
例えば、UE(1101)は、ステップ211、311、811、911、又は917で、SIPTOコネクションに関するMME(113)からの「オフロード条件」情報を受信する際に、UE(1101)がそれを開始する場合に同じQoSパラメータがLIPAコネクションに適用されることを把握してもよい。しかし、LIPAコネクションは、異なるローミング及び移動制限を有する可能性がある。従って、「オフロード条件」内のこれらのパラメータを使用することはできない。その代わりに、ローカルHeNBネットワークID又は特定のLIPAモビリティ制限パラメータを使用しなければならない。このような情報は、構成、加入者情報から、又はHeNB(1181)から直接、入手してもよい。
【0134】
同様に、
図10に示されている手順を使用する場合、MME(113)も3つのオプションをすべて考慮する必要がある。この特定の例では、MME(113)は、UE(1101)の加入者プロファイル及び位置情報に基づいて、UE(1101)が現在の位置でLIPAコネクションを許可されるか否かを把握する。また、これは、3GPP無線アクセス情報並びにWLANオフロード情報についてUE(1101)によって報告されるバックホール・リンク情報を使用して、LIPAコネクションによりサポート可能な潜在的QoSを判断してもよい。このようにして、MME(113)は、3つのタイプのオフロード・オプションすべてについて適切に評価することもできる。
【0135】
(第8の実施の形態:UEが両方のオフロード経路を選択する代替動作)
これまでの諸実施の形態では、UE(101又は1101)について1つのタイプのオフロード・オプションのみが選択されると想定されている。従って、1つのタイプのオフロードが選択される際に、他のオフロード・オプションは使用不可になるか又は取り消される。しかし、本開示技術の特定の適用例では、すべてのオフロード・オプションが同時に使用される事例がある。
【0136】
例えば、UE(101又は1101)は、あるポリシー、例えば、OPIIS又はISRPルールを有する場合、データフィルタに基づいてデータフローをフィルタリングし、どのアクセス又はAPN或いはコネクション・タイプを使用するかを決定してもよい。特定の事例では、ある特定のアプリケーションを種々のカテゴリにフィルタリングしてもよく、例えば、IPマルチメディア・サービス(IMS)セッションでは、セッション開始プロトコルに基づいて、その信号フローが優先順位及び品質を考慮した結果3GPPアクセスによりルーティングされ、そのデータフロー、例えば、何らかのUDPベースのトラフィックがデータ量及び帯域幅の要件のために非3GPPアクセスによりルーティングされていてもよい。このような場合、UE(101、1101)又はネットワークにより、両方のオフロード・オプション、例えば、SIPTO及びWLANオフロードを行えるようにしなければならない。
【0137】
このような事例が発生する場合、それに対処するために本開示技術の動作手順をわずかに調整することになる。例えば、
図2に記載されている手順が行われた場合、ステップ229はスキップされない。その代わりに、UE(101)は、適切なトラフィックのみをSIPTOコネクションにルーティングし、他の適切なトラフィックをWLANオフロード・コネクションにルーティングする。
【0138】
同様に、UE(101)はステップ315で両方のオフロード・オプションを許可しなければならないと決定するので、
図3に記載されている手順が行われないことは明らかである。従って、ステップ317から331の代わりに、ステップ217から227を使用しなければならない。
【0139】
UEがこのような類の決定(即ち、獲得すべき個々のトラフィック・パフォーマンスごとにSIPTOとNSWOの両方のコネクションを使用すること)を行うために、MMEは、トラフィックフローごとに、例えば、TFTエントリーごとに、オフロード条件を提供してもよい。従って、UEは、フローごとにSIPTOコネクション(確立中)とNSWOコネクション(すでに確立済み)のパフォーマンスを比較し、それぞれのトラフィックフローについてより適切なコネクションを選択することができ、これにより、アプリケーション・トラフィックが適切なベアラ及び/又は非3GPPコネクションに適切にマッピングされるので、ユーザの便益が増加する。
【0140】
図10に記載されている手順を使用する場合、UE(101)は、ステップ1027のように、OPIIS又はISRPルールに応じて、WLANオフロード・コネクション及びSIPTOコネクションの両方により、トラフィックをルーティングし始めることは明らかである。
【0141】
上記の動作調整は本開示技術の一般原理に影響を及ぼさないことは、当業者にとって明らかである。
【0142】
図5に提示されているUE(400)のロジックについては、すでにこの事例に適用することができる。例えば、ステップ519では、UE(400)は、OPIIS又はISRPルールがその旨を示している場合に、ネットワークベース・オフロード、例えば、SIPTOも接続することができてもよい。また、UE(400)は、ステップ511で両方のオフロードを使用しなければならないと決定し、従って、ステップ525では、OPIIS又はISRPルールに応じて、SIPTOコネクション及びWLANオフロード・コネクションの両方によりトラフィックをルーティングすることを決定してもよい。
【0143】
本開示技術の一態様では、移動管理装置は、第2のメッセージを送信する際、第2のネットワークのゲートウェイから選択情報を取得する。
【0144】
本開示技術の一態様では、移動管理装置は、第2のメッセージを送信した際、移動端末の第2のネットワークにおける既存のコネクションを移動端末によるオフロードの決定があるまで維持するとともに、移動端末が第2のネットワークにおける新たなオフロードを行う場合には、既存のコネクションを切断し、新たなオフロードのための新たなコネクションを構築し、移動端末を新たなコネクションに接続し、移動端末が第1のネットワークにおけるオフロードを維持する場合には、既存のコネクションを維持する。
【0145】
本開示技術の一態様では、移動管理装置は、選択情報をトラフィックフロー単位で送信し、移動端末は、第1のネットワークにおけるオフロードが維持されるか、第2のネットワークにおける新たなオフロードが行われるかをトラフィックフロー単位で決定する。
【0146】
本開示技術の一態様では、移動端末は、第2のネットワークにおけるオフロードを行うために必要とされる閾値情報を第1のメッセージに含めて送信し、移動管理装置は、第1のメッセージに含まれる閾値情報に基づいて、第2のメッセージを送信するか否かを決定する。
【0147】
本開示技術の一般的な一態様では、本開示技術は移動管理装置を提供する。この移動管理装置は、第1のネットワークにおけるオフロードを移動端末が開始した際に、移動端末から送信される、オフロードの開始をした旨の情報を含む第1のメッセージを受信する受信手段と、第1のメッセージに基づいて、いずれのネットワークにおけるオフロードを行うか選択させるための選択情報であって、移動管理装置が属する第2のネットワークにおける選択情報を含む第2のメッセージを生成する生成手段と、生成された第2のメッセージを移動端末へ送信する送信手段とを、備えるものである。
【0148】
本開示技術の一態様では、第2のメッセージを生成する際、第2のネットワークのゲートウェイから選択情報を取得する取得手段を更に備える。
【0149】
本開示技術の一態様では、制御手段は、移動管理装置が第2のメッセージを送信した際、移動端末の第2のネットワークにおける既存のコネクションを移動端末によるオフロードの決定があるまで維持するとともに、移動端末が第2のネットワークにおける新たなオフロードを行う場合には、既存のコネクションを切断し、新たなオフロードのための新たなコネクションを構築し、移動端末を新たなコネクションに接続し、移動端末が第1のネットワークにおけるオフロードを維持する場合には、既存のコネクションを維持する。
【0150】
本開示技術の一態様では、送信手段は、選択情報をトラフィックフロー単位で送信し、移動端末は、第1のネットワークにおけるオフロードが維持されるか、第2のネットワークにおける新たなオフロードが行われるかをトラフィックフロー単位で決定する。
【0151】
本開示技術の一態様では、受信手段は、第2のネットワークにおけるオフロードを行うために必要とされる閾値情報を含む第1のメッセージを移動端末から受信し、生成手段は、第1のメッセージに含まれる閾値情報に基づいて、第2のメッセージを生成するか否かを決定する。
【0152】
本開示技術の一般的な一態様では、本開示技術は移動端末を提供する。この移動端末は、第1のネットワークにおけるオフロードを移動端末が開始した際に、オフロードの開始をした旨の情報を含む第1のメッセージを生成する生成手段と、生成された第1のメッセージを、第2のネットワークにおいて移動端末の移動管理を行う移動管理装置に対して送信する送信手段と、第1のメッセージに基づいて、移動管理装置から送信される、いずれのネットワークにおけるオフロードを行うか選択させるための選択情報であって、第2のネットワークにおける選択情報を含む第2のメッセージを受信する受信手段と、受信された第2のメッセージに含まれる選択情報と、移動端末が有する第1のネットワークにおける判断情報とに基づいて、第1のネットワークにおけるオフロードを維持するか、第2のネットワークにおける新たなオフロードを行うかを決定する制御手段とを、備えるものである。
【0153】
本開示技術の一態様では、送信手段は、第2のネットワークにおけるオフロードを行うために必要とされる閾値情報を第1のメッセージに含めて送信する。
【0154】
本開示技術の一態様では、受信手段は、選択情報をトラフィックフロー単位で受信し、制御手段は、第1のネットワークにおけるオフロードが維持されるか、第2のネットワークにおける新たなオフロードが行われるかをトラフィックフロー単位で決定する。
【0155】
上記の諸態様は組み合わせによって実現することができる。これらの諸態様は、オフロード方法、移動管理装置、及び移動端末に加えて、コンピュータにその方法を実現させるためのプログラムと、そのプログラムを記録した記録媒体によって実現することができる。
【0156】
更に、上記の実施の形態の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせによって実現することができる。例えば、
図4及び
図6の各機能ブロックは、任意のコンピュータのCPU又はメモリなどのハードウェアによって実現することができる。更に、任意のコンピュータは、それぞれの機能のプロセスが記述されているプログラムを実現し、各機能ブロックを実現することができる。更に、上記の実施の形態のフローチャート又はシーケンスチャートは、CPU又はメモリなどのハードウェアによって実現することができる。
【0157】
上記の諸実施の形態の説明に使用される各機能ブロックは、典型的に集積回路によって表される、LSIとして実現することができる。これらは、1つのチップとして個別に生産するか或いは一部又は全部を含むように1つのチップとして設計することができる。ここで、これはLSIと呼ばれるが、集積度に応じてIC、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと呼ぶこともできる。また、集積回路の技法はLSIのみに限定されず、専用回路又は汎用プロセッサとして実現することもできる。LSIの製造後にプログラミングすることができるFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)又はLSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成することができる再構成可能プロセッサも使用することができる。更に、半導体技法又はそこから派生したその他の技法の進歩により、LSIに取って代わる回路集積の技法が出現した時に、このような技法を使用することによって機能ブロックを集積することができる。例えば、バイオテクノロジーの適応はこのような可能性の1つである。