(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150861
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】取外し不能な不正開封防止蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 41/34 20060101AFI20170612BHJP
B65D 55/02 20060101ALN20170612BHJP
B65D 49/00 20060101ALN20170612BHJP
【FI】
B65D41/34
!B65D55/02
!B65D49/00
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-200200(P2015-200200)
(22)【出願日】2015年10月8日
(62)【分割の表示】特願2014-513056(P2014-513056)の分割
【原出願日】2011年5月31日
(65)【公開番号】特開2016-40180(P2016-40180A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】503261731
【氏名又は名称】カルメル ファルマ アクチボラゲット
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ローゼンキスト
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭47−007907(JP,Y1)
【文献】
特開2002−225906(JP,A)
【文献】
特開2003−104408(JP,A)
【文献】
実開平03−126150(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不正開封防止蓋であって、
中心軸、
外方部材、
内方部材
を備え、
前記外方部材および前記内方部材はそれぞれ、外方表面および内方表面を備え、前記内方部材の前記外方表面の少なくとも一部が、前記外方部材の前記内方表面の少なくとも一部に実質的に隣接し、前記内方部材は、前記外方部材を第1の方向に回転させる手段により容器に対する連結を可能にする連結手段を備え、
さらに、
前記内方部材が前記外方部材に対して回転するのを防止する少なくとも1つの停止部材であって、前記外方部材が、前記内方部材と協働することにより前記内方部材が前記外方部材に対して前記中心軸に沿って変位するのを実質的に防止するロックフランジを備え、該少なくとも1つの停止部材が前記外方部材の該円周方向ロックフランジを装着し、該少なくとも1つの停止部材は、前記内方部材が前記容器に対して連結された後に、指定された力で可制御的に無効化されるように構成され、そのために、前記外方部材は前記内方部材に対して自由に回転することができ、それによって、本不正開封防止蓋の前記容器から
の取外しを防止する、少なくとも1つの停止部材を備え、
前記少なくとも1つの停止部材は、指定された方向に前記外方部材または前記少なくとも1つの停止部材を移動させることにより前記少なくとも1つの停止部材に対して印加される指定された破断力によって無効化されるように構成される、不正開封防止蓋。
【請求項2】
請求項1に記載の不正開封防止蓋において、
前記指定された方向は前記第1の方向と同一の方向である、不正開封防止蓋。
【請求項3】
請求項1に記載の不正開封防止蓋において、
前記指定された方向は前記中心軸の方向である、不正開封防止蓋。
【請求項4】
請求項1に記載の不正開封防止蓋において、
前記少なくとも1つの停止部材は実質的に前記内方部材と前記外方部材の間に配置される、不正開封防止蓋。
【請求項5】
不正開封防止蓋であって、
中心軸、
外方部材、
内方部材
を備え、
前記外方部材および前記内方部材はそれぞれ、外方表面および内方表面を備え、前記内方部材の前記外方表面の少なくとも一部が、前記外方部材の前記内方表面の少なくとも一部に実質的に隣接し、前記内方部材は、前記外方部材を第1の方向に回転させる手段により容器に対する連結を可能にする連結手段を備え、
さらに、
前記内方部材が前記外方部材に対して回転するのを防止する少なくとも1つの停止部材であって、前記外方部材が、前記内方部材と協働することにより前記内方部材が前記外方部材に対して前記中心軸に沿って変位するのを実質的に防止するロックフランジを備え、該少なくとも1つの停止部材が前記外方部材の該円周方向ロックフランジを装着し、該少なくとも1つの停止部材は、前記内方部材が前記容器に対して連結された後に、指定された力で可制御的に無効化されるように構成され、そのために、前記外方部材は前記内方部材に対して自由に回転することができ、それによって、本不正開封防止蓋の前記容器から
の取外しを防止する、少なくとも1つの停止部材を備え、
前記少なくとも1つの停止部材は、前記外方部材の上に配置され、および、前記外方部材から取り外すことにより可制御的に無効化されるように構成され、
前記少なくとも1つの停止部材は、指定された破断力を前記少なくとも1つの停止部材に対して印加することにより取り外される、不正開封防止蓋。
【請求項6】
不正開封防止蓋であって、
中心軸、
外方部材、
内方部材
を備え、
前記外方部材および前記内方部材はそれぞれ、外方表面および内方表面を備え、前記内方部材の前記外方表面の少なくとも一部が、前記外方部材の前記内方表面の少なくとも一部に実質的に隣接し、前記内方部材は、前記外方部材を第1の方向に回転させる手段により容器に対する連結を可能にする連結手段を備え、
さらに、
前記内方部材が前記外方部材に対して回転するのを防止する少なくとも1つの停止部材であって、前記外方部材が、前記内方部材と協働することにより前記内方部材が前記外方部材に対して前記中心軸に沿って変位するのを実質的に防止するロックフランジを備え、該少なくとも1つの停止部材が前記外方部材の該円周方向ロックフランジを装着し、該少なくとも1つの停止部材は、前記内方部材が前記容器に対して連結された後に、指定された力で可制御的に無効化されるように構成され、そのために、前記外方部材は前記内方部材に対して自由に回転することができ、それによって、本不正開封防止蓋の前記容器から
の取外しを防止する、少なくとも1つの停止部材を備え、
前記少なくとも1つの停止部材は、指定された破断力を前記少なくとも1つの停止部材に対して印加することにより取り外される、不正開封防止蓋。
【請求項7】
請求項1に記載の不正開封防止蓋において、
前記外方部材および前記内方部材は別個の材料片から形成される、不正開封防止蓋。
【請求項8】
請求項7に記載の不正開封防止蓋において、
前記少なくとも1つの停止部材は、前記内方部材または前記外方部材と共に単体材料片として一体的に形成される、不正開封防止蓋。
【請求項9】
医療廃棄物容器および請求項1、5、または6に記載の不正開封防止蓋のアセンブリ。
【請求項10】
請求項1、5、または6に記載の不正開封防止蓋を使用して容器を封止するための方法において、
前記蓋を用意するステップ、
前記蓋を前記容器の上に螺合するステップ、および、
前記少なくとも1つの停止部材を無効化するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の開口を封止し、またそれと同時に、それがそれに連結された後にこの容器から蓋が取り外されるのを防止することにより容器へのアクセスを実質的に防止する不正開封防止蓋を実現するための、不正開封防止蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、病院およびケアセンター等々は、日常業務の中で増々多くの使い捨て医用デバイスを使用する傾向にある。使い捨て医用デバイスは、使用後の分別設備、殺菌設備、または洗浄設備を一般的に必要としないため、使用される。代わりに、それらの名称が示すように、それらは、単純に処分することが可能である。したがって、使用済み針または例えば輸液セットなどの汚染された医用デバイス等々の医療廃棄物の量は、増加しつつある。使い捨てアイテムにはいくつかの利点が存在するものの、医療廃棄物は、一般的に、処分の際および処分後に考慮を必要とする傾向にある。
【0003】
針を使用して血液検体を採取する看護師は、その針を安全な環境に、すなわちアクセスが制限された環境に配置する。使用後のアクセスが制限されることにより、スタッフがそれに不要にさらされることが、およびそれによるリスクが回避される。封止可能容器が、これを目的としてしばしば使用される。一般的には、かかる封止可能容器は、ステンレス鋼、アルミニウム、または同様の金属から作製され、医療廃棄物を入れられた後に、この容器は、通常のねじ蓋を使用して単純に封止される。その後、この封止された容器は、処分のために、または任意にはリサイクル工場もしくは埋立てに進む前の殺菌のために、焼却炉へ送ることが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば封止された容器がそれらの最終ステーションへと移動される際などの使用時に、この封止された容器を取り扱う人は、偶発的にこの封止された容器を開封するリスクにさらされ、または、任意の他の理由により、封止された容器が、開封されるもしくは破損する恐れがある。そのため、容器を封止するために、特に医療廃棄物容器を封止するために使用される、方法およびデバイスを改良する必要性が、常に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの目的は、上述の欠点の影響を少なくとも部分的に解消または軽減することである。より具体的には、それらは、本発明による容器用の不正開封防止蓋により少なくとも部分的に解消または軽減される。この蓋は、中心軸を有し、外方部材および内方部材を備える。外方部材および内方部材はそれぞれ、外方表面および内方表面を備え、内方部材の外方表面の少なくとも一部が、外方部材の内方表面の少なくとも一部に実質的に隣接する。外方部材および内方部材は、さらに、相互に対する中心軸に沿った変位を実質的に防止される。内方部材は、第1の方向に外方部材を回転させることにより容器に対する連結を可能にする連結手段を備える。蓋は、内方部材が外方部材に対して回転するのを防止する少なくとも1つの停止部材を備える。この少なくとも1つの停止部材は、内方部材が容器に対して連結された後に、指定された力で可制御的に無効化され得るように構成され、それにより、外方部材は、内方部材に対して自由に回転することによって、容器からの蓋の取外しを防止することが可能となる。
【0006】
本発明は、安全性および作業環境に関連して取扱いを向上させ得る不正開封防止蓋を提供する。この不正開封防止蓋は、容器の確実な封止を可能にすると共に、封止された容器が偶発的に開封されるリスクを効果的に軽減する。
【0007】
本発明による一実施形態においては、少なくとも1つの停止部材が、指定された破断力により無効化され得るように構成され得る。指定された破断力は、内方部材に対して外方部材を移動させることにより、または指定された方向もしくは第1の方向に少なくとも1つの停止部材自体を移動させることにより、少なくとも1つの停止部材に対して印加され得る。一般的には、少なくとも1つの停止部材は、外方部材に対して移動される。このようにすることで、少なくとも1つの停止部材は、少なくとも1つの停止部材を破断することによって、および/または、任意には取り外されることによって、無効化され得る。
【0008】
少なくとも1つの停止部材が、蓋の外方部材および内方部材を固定的に連結するように構成される場合には、この少なくとも1つの停止部材は、指定の破断力にこの少なくとも1つの停止部材をさらすことにより破断され得ることによって、外方部材は、内方部材に対して自由に旋回すなわち回転することが可能となる。あるいは、または追加的には、停止部材の少なくとも1つが、内方部材と協働するように構成され得る。停止部材の少なくとも1つが、例えば内方部材上の溝と協働する取外し可能な突出部材の形態をとることが可能である。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの停止部材は、指定された方向への指定された力により可制御的に無効化される。この指定された方向は、第1の方向と同一の方向であることが可能である。これは、ユーザが、例えば容器に蓋を螺合する際に、回転運動を単に継続することにより少なくとも1つの停止部材が無効化されるため、有利である。任意には、指定された方向は、中心軸(X)の方向であることが可能である。これは、容器は閉じられるべきではあるが、少なくとも1つの停止部材は無効化されないように確保することをユーザが求める場合には、有利となり得る。これは、蓋が、例えば容器に螺合され、その一方で、少なくとも1つの停止部材が、蓋が容器に螺合される方向である第1の方向に対して実質的に垂直である方向において内方部材に対して例えば外方部材を移動することにより無効化されることによって、達成される。これにより、ユーザは、少なくとも1つの停止部材を偶発的に無効化する危険を冒すことがなくなる。
【0010】
少なくとも1つの停止部材は、少なくとも1つの停止部材を無効化するための所望の指定された方向に応じて、多数の異なる位置に配置され得る。適切な位置は、実質的に内方部材と外方部材との間か、または内方部材と外方部材との間である。なぜならば、これは、内方部材に対して外方部材が移動するのを防止することにより容器に蓋を螺合させ得る、さらにその後少なくとも1つの停止部材を無効化し得る、単純ではあるが効果的な方法であるからである。任意には、少なくとも1つの停止部材は、外方部材の内方表面と内方部材の外方表面との間に配置され得る。
【0011】
本発明による一実施形態においては、少なくとも1つの停止部材は、例えば中心軸を中心とした連続的なまたは断続的なリングまたは多角形としてなど、中心軸を中心として延在することが可能である。複数の停止部材が存在する場合には、それらは、停止部材を無効化するために必要とされる所要の指定された破断力を分配するために、中心軸を中心として対称的に位置決めされ得る。任意には、1つのみの停止部材が存在する場合には、この停止部材は、好ましくは内方部材と外方部材との間に、中心軸を中心としてそれ自体において対称的に配置され得る。これにより、停止部材の無効化後に外方部材と内方部材との間において良好な破断表面が得られる。内方部材および外方部材は、相互に対して再係合するようには傾斜状になされず、したがって、外方部材は内方部材を移動させることはできない。また、この利点は、少なくとも1つの停止部材が中心軸と交差するように配置される、すなわち内方部材と外方部材との間におよび内方部材および外方部材の円形ベースの中心に位置決めされる場合には、顕著になる。
【0012】
少なくとも1つの停止部材は、外方部材から取り外すことにより可制御的に無効化されるように構成され得る。したがって、それは、内方部材と相互作用するのを防止されることにより、外方部材に対して内方部材が旋回されるのを停止させることになる。本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの停止部材は、少なくとも1つの停止部材に対して指定された破断力を印加することにより取り外され得る。この実施形態においては、少なくとも1つの停止部材は、内方部材および/または外方部材に対して固定的に装着され、その後、印加される破断力によって取り外される。
【0013】
本発明による一実施形態においては、内方部材、外方部材、および少なくとも1つの停止部材は、例えば成形物または同様のものを形成することなどにより、単体材料片として一体的に形成され得る。任意には、外方部材および内方部材は、別個の材料片から形成される。少なくとも1つの停止部材は、内方部材および/または外方部材により単体材料片によって一体的に形成され得る。
【0014】
さらに、本発明は、医療廃棄物容器および本明細書において記載されるような不正開封防止蓋のアセンブリに関する。このアセンブリは、具体的には、上記および下記の、ならびに請求項において概要を示されるような、種々の実施形態の全てに関する。また、本発明は、医療廃棄物容器を封止するための、本明細書において説明されるようなまたは請求項のいずれかに記載の、不正開封防止蓋の使用に関する。
【0015】
また、本発明は、本明細書において説明されるような不正開封防止蓋を使用して容器を封止するための方法に関する。この方法は、
− 蓋を用意するステップと、
− 容器に蓋を螺合するステップと、
− 少なくとも1つの停止部材を無効化するステップと
を含む。この方法により、容器の再開封を効果的に防止する容器の封止が可能になる。
【0016】
少なくとも1つの停止部材は、1つの停止部材、2つの停止部材、3つの停止部材、4つの停止部材、またはそれ以上の停止部材であることが可能である。いくつかの実施形態においては、2〜50個の停止部材、5〜40個の停止部材、または任意には10〜30個の停止部材を有することが有利となり得る。本発明の一実施形態によれば、停止部材または複数の停止部材は、内方部材と外方部材との間に配置される例えば圧入されたピンによって形成され得る。
【0017】
一態様によれば、一実施形態が、容器用の不正開封防止蓋に関する。この蓋は、中心軸X、外方部材、および内方部材を有する。さらに、外方部材および内方部材は、相互に対して中心軸Xに沿って変位することが実質的に防止される。内方部材の少なくとも一部は、第1の方向に外方部材を回転させることにより容器に対する螺合連結を可能にするねじ山を備える。さらに、この蓋は、内方部材が外方部材に対して回転するのを防止する少なくとも1つの停止部材をさらに備える。この少なくとも1つの停止部材は、内方部材が容器に対して連結された後に指定された力で可制御的に無効化され、それにより、外方部材が内方部材に対して自由に回転することによって、容器からの蓋の取外しを防止するように構成される。本発明により、容器を封止すると共に、容器の再開封を実質的に防止することが可能となる。
【0018】
内方部材および外方部材にとって適切な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、バイオポリマー(例えばPPC、ポリプロピレンカーボネート、および/または澱粉)等々のポリマー材料、あるいは金属または合金(アルミニウム、アルミナ、真鍮、鋼、または鉄等々)である。また、当然ながら、例えばポリプロピレンなどのプラスチックなどのポリマー材料から作製された内方部材を有する金属外方部材など、上述の材料の組合せが可能である。外方部材は、有利には、力を受けた場合に外方部材が変形するリスクを防止または軽減するために、鋼またはより厚いプラスチック材料などの耐変形材料から製造され得る。かかる力は、例えば内方部材が外方部材により回転される場合に、印加され得る。
【0019】
内方部材または外方部材は、内方部材と外方部材との間の摩擦を低減させる材料で被覆され得る。任意には、摩擦低減材料が、内方部材と外方部材の間において位置決めされ得る、例えば接着剤などで化学的に接着され得る、または定位置に物理的に保持され得る。
【0020】
(定義)
不正開封防止蓋の取外しは、停止部材を無効にした後には防止されると述べられるが、「防止される」という表現は、取外しが不可能であることとして解釈されるべきではない点に留意されたい。蓋(または容器)は、蓋が取外し可能になった後には、破損し得る。したがって、「防止される」という表現は、適度な労作または他の通常の手順の利用による取外しが防止されることとして解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付の図面を参照として、本発明をさらに詳細に説明する。
【
図1】本発明の一実施形態による容器および不正開封防止蓋を示す図である。
【
図3a】本発明の第2の実施形態による不正開封防止蓋の断面図である。
【
図3b】本発明の第2の実施形態による不正開封防止蓋の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、使用済み針または汚染された医用器具等々の有害廃棄物を保管するための医療廃棄物容器1(以降では容器と呼ぶ)を示す。しかし、不正開封防止蓋10は、有害な材料または物等々を保管するための任意の容器に対して使用可能である。容器1は、本発明の一実施形態によれば、不正開封防止蓋10(「蓋」とも呼ぶ)で封止することが可能である。蓋10は、容器1のネック要素3に構成されたねじ山2を使用して螺合により容器1に対して適切に連結される。容器1および蓋10は、容器1および蓋10の中心を貫通して延在する中心軸Xを有して図示される。例えば使用済み針の形態の医療廃棄物などが、容器1内に配置されると、蓋10をネック要素3に螺合することにより、周囲環境から容器1の内部を密封することができ、したがって容器1および医療廃棄物へのアクセスを防止することが可能となる。蓋10は、少なくとも1つの停止部材を備え、これは、ネック要素3に蓋10を螺合可能にし、それへの連結後には、ネック要素3から蓋を螺脱不能にすることにより容器1の内部へのアクセスを防止するように構成される。
【0023】
図2は、
図1に示すような不正開封防止蓋10の断面を示す。蓋10は、内方部材40を実質的に囲む外方部材20を備える。外方部材20は、円形外周部22を有する円形ベース21を備える。円形壁部23が、円形外周部22の周囲に延在し、円形ベース21上に位置する近位端部24と、円形ベース21から遠くに位置する遠位端部25とを有する。外方部材20は、外方表面26および内方表面27をさらに有する。少なくとも内方表面27は、平滑表面を有することが可能である。円形壁部23の遠位端部25においては、円周方向ロックフランジ28が、中心軸Xの方向に突出する。円周方向ロックフランジ28は、内方部材40が、外方部材20の内方表面27から離れる方向に中心軸Xに沿って移動するのを実質的に防止する。円周方向ロックフランジ28は、内方部材40が、外方部材20に対して中心軸Xに沿って移動するのを防止すると述べられるが、それでも外方部材20と内方部材40との間に遊びが存在し得るため、これにより、外方部材20および内方部材40の少々の相対変位が可能となる点に留意されたい。
【0024】
内方部材40は、円形外周部42を有する円形ベース41を備える。円形壁部43が、円形外周部42の周囲に延在する。円形壁部43は、円形ベース41の上に位置する近位端部44と、円形ベース41から遠くに位置する遠位端部45とを有する。内方部材40は、外方表面46および内方表面47をさらに有する。内方表面47は、容器1のネック要素3のねじ山2との間における螺合を可能にするための、ねじ山48などの連結手段を有する。円形壁部43の遠位端部45は、外方部材20の円周方向ロックフランジ28と協働して、内方部材40が中心軸Xに沿っておよび外方部材20に対して移動するのを防止する。既述のように、外方部材20の内方表面27は、内方部材40の外方表面46に実質的に隣接するが、小さな遊びが可能である。
【0025】
複数の停止部材51、52、53が、外方部材20と内方部材40との間に配置されることにより、外方部材20に対する内方部材40の変位、この場合には回転すなわち旋回が防止される。
図2の図示する実施形態は、3つのみの停止部材51、52、53を示すが、蓋10は、4つの停止部材を備える。これらの複数の停止部材51、52、53は、円周壁部43の遠位端部45の周囲に対称的に配置され、それに外方部材20の円周方向ロックフランジ28を装着する。蓋10が、容器1のネック要素3に螺合されると、複数の停止部材51、52、53は、外方部材20を介してユーザにより印加される指定された破断力にさらされた場合に破断するように構成される。複数の停止部材51、52、53が、破断すると、外方部材と内方部材との間の固定連結が、無効化され、外方部材20は、内方部材40に対して自由に回転することが可能となる。外方部材20が、内方部材40に対して自由に回転することが可能であり、しかし中心軸Xに沿っての変位は実質的に防止されることにより、外方部材20は、内方部材40を実質的に囲み、容器1のネック要素3のねじ山2から内方部材40を螺脱させるための内方部材40へのアクセスを防止する。そのため、不正開封防止蓋10は、適切な容器への螺合が可能であり、その後、容器からの螺脱により周囲環境に容器の内部がさらされるのを実質的に防止する、蓋を実現する。
【0026】
外方部材20および内方部材40の相対変位を可能にする上述の外方部材20と内方部材40との間の遊びは、外方部材20が例えば回転方向または中心軸Xに沿った方向などに指定された破断力を印加され得るようにすることによって、少なくとも1つの停止部材を無効化するのを支援する。本発明の一態様によれば、少なくとも1つの停止部材は、具体的には、回転運動に耐えるように構成される一方で、この回転運動に対して垂直方向に印加される指定された力に応じて破断するように構成されることが可能であり、またその逆が可能である。したがって、一実施形態によれば、ユーザは、回転運動により容器に対して蓋を容易に装着することが可能となり、その後、中心軸Xに沿った運動により自身の手で蓋を単に叩くことにより、複数の停止部材に対して指定の破断力を印加することが可能となる。
【0027】
図3a〜
図3bは、本発明の第2の実施形態による不正開封防止蓋10の断面を示す。単純化のために、蓋10の一部のみが図示される。上記で用いた同一の参照符号が、同一の特徴に対して使用される。蓋10は、外方部材20および内方部材40を備え、これらはそれぞれ、
図2を参照として上述したように、外方表面26、46および内方表面27、47と、外周部の周囲に延在する円形壁部23、43を有する円形ベース21、41とを備える。内方部材40の内方表面47は、ねじ山48などの連結手段を備える。
【0028】
外方部材20は、外方部材20と共に一体的に形成された少なくとも1つの停止部材60を備える。停止部材60は、内方部材40の円形壁部43の外方表面46中に形成された溝63と協働する。停止部材60は、
図3aに図示するように内方部材40の溝63の内部に部分的に配置された状態においては、外方部材20が内方部材40に対して旋回されるのを効果的に防止し、したがって、
図1に図示するように、蓋10は、容器1のネック要素3のねじ山2に螺合することが可能になる。任意には、少なくとも1つの停止部材が、内方部材40と一体的に形成され、外方部材20の円形壁部23の内方表面26中に形成された溝またはアパーチャと協働する。
【0029】
停止部材60は、枢支点61において外方部材20に対して枢動的に連結され、外方部材20の円形壁部23中の開口64内に、すなわちアパーチャを貫通して配置される。この枢支点61は、
図3aにおいて矢印により示すように、停止部材60を内方部材40の溝63から離れるように枢動させ得るものであり、任意には、枢支点61における停止部材60と外方部材20との間の連結を完全に破断することにより停止部材60を外方部材20から完全に取り外させ得る。停止部材60が、溝63から取り外され、外方部材20から取り外されると、外方部材20は、内方部材40に対して中心軸Xを中心として時計回り方向または反時計回り方向に回転すなわち旋回することが可能となる。外方部材20が、内方部材40を実質的に囲むため、内方部材40は、容器1との組付け後には、容器1からの取外しが効果的に防止される。グリップ部材65が、中心軸Xから離れる方向に延在し、停止部材60の上に配置されることにより、ユーザは、停止部材60を容易に把持するおよび取り外すまたは変位させることが可能となる。図示する実施形態は、説明と全く同様の1または複数の停止部材を備えることが可能である。さらに、1または複数の停止部材は、ユーザによるひと引きで全て取り外され得るように、相互連結することが可能である。
【0030】
図3aおよび
図3bから分かるように、外方部材20の円形壁部23中の開口64は、例えば容器1のネック要素3などに蓋10を螺合させる際に、停止部材60をさらに支持する。より具体的には、開口64の側壁部は、停止部材60が旋回方向に沿った任意の方向、すなわち時計回り方向または反時計回り方向への動きを実質的に防止される際に、支持を与える。したがって、停止部材60は、開口64内にぴったりと嵌るが、所定のすなわち指定の方向において、この場合では外方部材20から離れる方向において、停止部材60を無効化することにより、そこからの取外しが依然として可能となる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、内方部材40の遠位端部45は、外方部材20の円周方向ロックフランジ28の上に配置された傾斜表面29と共に外方部材20に対する内方部材40のフック状ロック構成を可能にするための、傾斜表面49を備える。同様に、内方部材40の外周部42は、外方部材20および内方部材40の組付けの際に外方部材20内に内方部材40を円滑に挿入できるようにするための傾斜表面を備えることが可能である。また、既述のように、停止部材は、不正開封防止蓋10を製造する際に外方部材20に対する内方部材40の組付けを容易化するための傾斜表面が配置される。内方部材40が、内方部材20内に挿入される際に、停止部材60は、破断することなく、内方部材40が外方部材20内に挿入され得るように変位されるのに丁度十分なだけ枢動される。蓋10および外方部材20が、
図1に示すように、例えば容器1のネック要素3などに螺合されると、停止部材60は、内方部材40の溝63内に自動的に移動または枢動する。したがって、停止部材は、中心軸Xの方向に有利に付勢される。
【0032】
図2、
図3a〜
図3bを参照として示し説明したように、少なくとも1つの停止部材51、52、53、60は、固定的なものであってもまたは可動であってもよい。しかし、これらの停止部材51、52、53、60に共通することは、それらがいずれも無効化され得るものであるという点である。図示する実施形態においては、これらは、少なくとも1つの停止部材51、52、53、60に対して破断力を印加することにより無効化される。しかし、少なくとも1つの停止部材を無効化する他の方法も存在し、例えば、少なくとも1つの停止部材は、蓋10に対して着脱自在に装着される場合には、取外し可能となる。任意には、少なくとも1つの停止部材は、例えば感熱接着剤などが使用される場合には加熱により、または感溶剤性(solvent sensitive)接着剤が使用される場合には溶解により、または他の手段により、無効化され得る。
【0033】
請求項は、容器用の蓋に関するものであるが、この蓋は、膜などの任意の構成要素を備え得る点に留意されたい。