(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付部には、ボルトの貫通孔が複数設けられており、前記補強部は、間隔を空けて隣接する貫通孔の間に位置していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のブラケット。
前記接続部の延出方向に沿う断面視において、前記接続部は、前記厚み方向における前記保持部の一方側に配置された第1接続部と、当該第1接続部と前記保持部とを接続する第2接続部と、から構成されており、
前記接続部の延出方向に沿う断面視において、前記第1接続部が接続された前記取付部は、前記保持部を、前記厚み方向における一方側から他方側に横切る向きで設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8に記載のブラケット。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、電子機器を収容する筐体2と、この筐体2を支持するブラケット3と、から構成されるユニット1に適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、ユニット1を説明する図であり、(a)は、筐体2とブラケット3とを組み付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は、筐体2とブラケット3とが組み付けられたユニット1を筐体2側から見た平面図である。
なお、
図1の(b)では、ブラケット3における筐体2の裏側に隠れた領域を仮想線で示している。
図2は、筐体2を説明する図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、(a)におけるB−B断面図であり、(d)は、(a)におけるC−C矢視図である。
【0009】
なお、以下においては、筐体2とブラケット3の各構成要素の位置関係を、必要に応じて、
図1の(a)に示した対向方向と、高さ方向と、幅方向を基準として説明する。
【0010】
[筐体2]
筐体2は、内部に基板などを収容可能な箱型の本体部20を有しており、この本体部20には、電子機器の基板などが収容されている。この筐体2は、たとえばポリカーボネート等の樹脂で構成されている。
実施の形態では、本体部20に収容される電子機器として、パワーウインド装置などの車載装備を制御対象とした制御装置(BCM:Body Control Module)を想定している。
【0011】
図2の(a)に示すように、本体部20は、互いに平行な第1側部201および第2側部202と、これら第1側部201と第2側部202の端部同士を接続する第3側部203および第4側部204と、を有しており、平面視において本体部20は、矩形形状を成している。
【0012】
平面視において、本体部20では、第1側部201の幅方向(
図2(a)における左右方向)における一方側に、矩形形状を成す連結部21が設けられている。
【0013】
図2の(b)、(c)に示すように、連結部21は、本体部20の厚み方向(
図2の(b)における左右方向)における略中央から、第1側部201から離れる方向に直線状に延出しており、連結部21の幅方向の両側部には、連結部21と第1側部201とに跨がって、補強用のリブ210、210が設けられている。
【0014】
連結部21における、これらリブ210、210の間の領域には、ボルトBの挿通孔21aが形成されており、この挿通孔21aは、連結部21を厚み方向に貫通している。
連結部21の幅方向の一方のリブ210は、本体部20の第3側部203の延長上に位置しており、一方のリブ210は、第3側部203に対して面一に設けられている。
【0015】
第1側部201では、連結部21と同方向に突出する突起部22、22が、幅方向に間隔W1をあけて設けられており、これら突起部22、22は、本体部20の他方側の面(以下、背面206と標記する)寄りの位置で、所定高さHaで設けられている。
突起部22、22には、筐体2をブラケット3に組み付けた際に、後記するブラケット3側の係合壁32が、背面206側から、乗り上げるようになっている。
【0016】
突起部22、22は、
図2の(a)、(d)に示すように、本体部20の厚み方向に沿った複数の板状突起221(本実施形態においては、3つの板状突起221)から構成されており、これら複数の板状突起221は、本体部20の幅方向に所定間隔Waで配置されている。
このように、突起部22、22を複数の板状突起221とすることで、突起部22、22に乗り上がる係合壁32との接触面積を狭くし、係合壁32との摺動抵抗を低減させている。
【0017】
[ブラケット3]
次に、ブラケット3を説明する。
図3は、ブラケット3を説明する図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図4は、ブラケット3における筐体2の支持を説明する図であり、(a)は、
図1の(b)におけるA−A断面図であり、(b)は、
図1の(b)におけるB−B断面図である。
なお、
図4では、ブラケット3に組み付けられた筐体2の断面を、説明の便宜上、全面に亘ってハッチングを付して示しており、筐体2の内部の図示を省略している。
図5は、ブラケット3における支持壁33と取付部37を説明する図であり、(a)は、
図1の(b)におけるD−D断面図であり、(b)は、
図1の(b)におけるE−E断面図であり、(c)は、
図5の(a)におけるA−A矢視図であり、(d)は、(c)におけるB−B断面図である。
【0018】
ブラケット3は、金属製の板から加工されており、例えばめっきが施された鋼板で構成されている。
図3の(a)に示すように、ブラケット3は、筐体2に対向配置される板状の基部30を有している。この基部30は、互いに平行な第1側縁301および第2側縁302と、これら第1側縁301および第2側縁302に直交する第3側縁303および第4側縁304を有しており、平面視において略矩形形状を成している。
第1側縁301には、第3側縁303側から順番に、支持片31と、係合壁32と、が設けられており、これら支持片31と、係合壁32は、それぞれ筐体2側(
図3の(a)における紙面手前側)に延出して設けられている。
【0019】
図4の(a)に示すように、支持片31は、基部30から延びる帯状片を、第1側縁301の近傍で屈曲させて形成されており、基部30に対して略直交する側壁部310と、基部30に対して略平行な連結部311と、を有している。
連結部311は、帯状片の側壁部310となる領域よりも先端側を、基部30(筐体2)から離れる方向に屈曲させて形成されている。
【0020】
連結部311では、前記した筐体2の連結部21の挿通孔21aに対向する位置に、ボルト孔311aが形成されている。
ボルト孔311aは、連結部311を厚み方向(
図4の(a)における左右方向)に貫通して設けられており、この連結部311の基部30側(
図4の(a)における右側)の面には、ボルト孔311aを所定間隔で囲むリング状のボス311bが、連結部311と一体に設けられている。
【0021】
図4の(b)に示すように、係合壁32は、基部30から延びた帯状片を、支持片31と同じ側に屈曲して形成されており、ブラケット3の幅方向に所定幅W5(
図3の(a)参照)で形成されている。
側面視において係合壁32は、前記した支持片31の側壁部310とほぼ重なる位置に設けられており、係合壁32は、当該係合壁32の先端32aが、支持片31の連結部311まで至る長さLxで形成されている(
図4の(b)参照)。
【0022】
係合壁32は、ブラケット3に筐体2を組み付ける際に、係合壁32と筐体2の角部との干渉を防止するために、ブラケット3に組み付けられた筐体2の第1側縁301との間に間隙Saをあけて設けられている。
ここで、基部30において係合壁32は、片持ち支持されており、筐体2がブラケット3に組み付けられた状態では、係合壁32の先端32a側(
図4の(b)、
図6の(d)参照)が、筐体2の突起部22、22に乗り上がるようになっている。
【0023】
実施の形態では、係合壁32は、ブラケット3に筐体2を組み付ける際に、筐体2の第1側部201との干渉を避けることができると共に、最終的に第1側部201の突起部22、22に乗り上げることができるように設けられている。
【0024】
図3に示すように、基部30における第2側縁302側(図中、下側)には、支持壁33が設けられている。
この支持壁33は、第2側縁302の第4側縁304側から延びる板状部を、第2側縁302から離れた位置で屈曲して形成されている。支持壁33は、
図3の(b)に示すように、基部30の延長上に位置する接続部331と、基部30に対して直交する側壁部332と、基部30に対して略平行に設けられた規制部333と、から、断面視において略コ字形状に形成されている。
【0025】
側壁部332は、基部30から延びる板状部の接続部331となる領域よりも先端側を、筐体2側に屈曲させて形成されている。
側壁部332は、筐体2の第2側部202に沿って、接続部331から筐体2側に延出しており、この側壁部332の筐体2との対向面は、筐体2とブラケット3とを組み付けた際に、筐体2の第2側部202に、面接触するようになっている。
【0026】
規制部333は、基部30から延びる板状部の側壁部332となる領域よりも先端側を、係合壁32側の上方に向けて屈曲させて形成されており、この規制部333は、ブラケット3の基部30に対して略平行に設けられている。
規制部333は、ブラケット3の高さ方向(
図3における上下方向)に所定高さhxで形成されており、ブラケット3に筐体2を組み付けた際に、筐体2の基部30とは反対側の面(以下、正面205と標記する)の下縁側に当接するようになっている。
【0027】
図3に示すように、基部30では、係合壁32の幅方向の中央を通ると共にブラケットの第3側縁303および第4側縁304に対して平行な線分L1上の領域に、基部30を筐体2側に窪ませて形成した突出部36が設けられている。なお、支持壁33の幅方向の両側33a、33b(
図3の(a)参照)と、前記したボルト孔311aとを結んだ三角形の領域内、或いは、その外周上に、突出部36が設けられていると理解してもよい。
この突出部36の先端は、平面視において円形を成す当接面361(
図3の(b)参照)となっており、この当接面361は、基部30の幅方向と高さ方向に所定面積を持って、基部30に対して平行に形成されている。
【0028】
突出部36の係合壁32側(
図3の(a)における上側)には、基部30を筐体2から離れる方向に窪ませて形成した幅広リブ305が形成されている。
幅広リブ305は、突出部36から係合壁32側にオフセットした位置から、基部30の第1側縁301の近傍に至る範囲に、所定幅W2で形成されており、平面視において幅広リブ305は、線分L1に沿って直線状に延びている。
【0029】
基部30は、この幅広リブ305により、高さ方向の剛性や曲げに対する強度が高められている。
【0030】
幅広リブ305の突出部36側の端部には、幅広リブ305に直交する方向に延びるリブ306の一端306aが接続されており、このリブ306の支持壁33側(
図3の(a)における下側)にも、幅広リブ305に直交する方向に延びるリブ307が設けられている。
これらリブ306、307は、基部30を筐体2から離れる方向に窪ませて形成されており、前記した線分L1に直交する線分L2、L3に沿って、それぞれ直線状に延びている。
【0031】
これらリブ306、307は、基部30の高さ方向に間隔を空けて設けられており、これらリブ306、307の間では、線分L2、L3の中央を通る線分L4上に、前記した突出部36が位置している。
リブ307の一端307aは、幅広リブ305の延長上まで至っており、突出部36は、このリブ307の一端307a側の領域と、幅広リブ305との間に位置している。
【0032】
これらリブ306、307は、長手方向(
図3の(a)における左右方向)の全長に亘って等幅W3で形成されており、リブ306、307の他端306b、307b側は、基部30の第3側縁303から外方に延びる取付部37まで至って形成されている。
そのため、基部30は、これらリブ306、307により、幅方向の剛性や曲げに対する強度が高められている。
【0033】
これらリブ306、307の他端306b、307b側が及んで設けられた取付部37は、ブラケット3を車体側の支持構造物(フレームF)に固定するために設けられており、
図5の(b)に示すように、この取付部37は、支持構造物(フレームF)に接触した状態で固定される固定部38と、この固定部38と基部30とを接続する接続部39と、を有している。
この取付部37もまた、基部30から延びる幅広の板部を屈曲させて形成されており、取付部37を当該取付部37の延出方向に沿う断面で切断した断面視において、固定部38は、基部30の厚み方向の中心を通る仮想線Lmを、筐体2が位置する一方側から他方側に横切って設けられている。
【0034】
接続部39は、基部30の厚み方向における一方側(基部30の表面30a側)で、基部30に対して平行に配置された第1接続部391と、この第1接続部391と基部30とを接続する第2接続部392と、から構成されており、断面視において第2接続部392は、基部30から離れるにつれて筐体2に近づく方向に傾斜している。
【0035】
図5の(b)、(d)に示すように、固定部38では、基部30の厚み方向における仮想線Lmよりも他方側(基部30の裏面30b側)の領域に、ボルトBの挿通孔37a、37aが設けられている。
これら挿通孔37a、37aは、高さ方向に間隔をあけて設けられており、基部30から取付部37まで延びるリブ306、307の延長上に位置している。
【0036】
固定部38では、これら挿通孔37a、37aの間に、補強用のリブ308が設けられており、このリブ308は、固定部38から第1接続部391まで至って設けられている。
リブ308は、取付部37を、前記したリブ306、307とは反対側(筐体2側)に窪ませて形成されており、このリブ308は、高さ方向(
図5の(c)における上下方向)におけるリブ306、307の中間に位置している。
【0037】
図5の(d)に示すように、取付部37では、リブ308と、リブ306、307とが、基部30の厚み方向における一方側(表面30a側)と他方側(裏面30b側)に位置しており、取付部37の剛性と強度が、これらリブ306、307、308により高められている。
【0038】
また、ボルトBの挿通孔37a、37aの間にリブ308が形成されているので、固定部38における挿通孔37a、37aの近傍領域の剛性と強度が高められている。なお、固定部38の側縁に設けた係止部375、376は、筐体2から引き出した配線の掛止部を構成している。
【0039】
以下、かかる構成のブラケット3に対する筐体2の組み付けを説明する。
図6は、ブラケット3に対する筐体2の組み付け過程を説明する図である。
始めに、筐体2をブラケット3の基部30に対して傾けた状態で、本体部20の第2側部202側を、ブラケット3の支持壁33における接続部331と規制部333との間に挿入する(
図6の(a)参照)。
【0040】
次いで、筐体2の正面205を規制部333に係止させた状態で、筐体2の第1側部201側を基部30に近づける方向に回動させる。これに伴って、
図6(b)から同図(c)に示すように、筐体2の第1側部201が係合壁32の下側に進入して、第1側部201の突起部22、22に、係合壁32が乗り上がる。
この状態で、係合壁32と支持壁33との間に筐体2が把持された状態となる。
【0041】
なお、前記したように、係合壁32は、ブラケット3に筐体2を組み付ける過程で、突起部22、22に乗り上げるまでの間に、筐体2の第1側部201に干渉しないようになっているので、筐体2の第1側部201が、基部30から延びる係合壁32と接触することなく、支持片31の側壁部310の下側に挿入される(
図6の(b)、黒矢印参照)。
【0042】
また、係合壁32と支持壁33との間に筐体2が把持された状態において、基部30から突出する突出部36が、筐体2の背面206に当接する。
本実施の形態では、この状態において、筐体2の連結部21と、ブラケット3の支持片31の連結部311とが、隙間Wをあけて対向するように、突出部36の基部30からの突出高さh1が設定されている(
図5の(a):h1、
図6の(c):W、参照)。
【0043】
そのため、この状態において、連結部21と支持片31を、ボルトBとナットNで締結すると、突出部36が、当接面361で筐体2の本体部20に圧接する(
図6の(d)参照)。
【0044】
さらに、突出部36から筐体2に作用する圧接力は、筐体2の正面205を、支持壁33の規制部333に圧接させる(
図5の(a)、矢印参照)。
そのため、筐体2とブラケット3の基部30との互いの対向方向における離れる方向の移動が、連結部21と支持片31を締結するボルトBおよびナットNと、規制部333により規制される。
【0045】
また、この状態において、ブラケット3の突出部36が、筐体2に面接触で圧接している。そのため、これらの圧接力による摩擦によって、筐体2とブラケット3との幅方向の相対移動が規制される。
【0046】
以上の通り、実施の形態では、
(1)電子機器を収容する箱型の筐体2を車両に取り付けるブラケット3であって、
筐体2の背面206と対向する板状の基部30と、
基部30から筐体2側に延びると共に、筐体2において互いに対向する2つの側面(第1側部201、第2側部202)と接触して、筐体2を挟む把持部と、
筐体2が把持部に挟まれた状態において、筐体2の背面206と直交する方向(筐体2と基部30との対向方向)における筐体2の位置を規制する規制部333(位置規制部)と、
基部30から突出し、筐体2の背面206と当接する突出部36と、を備え、
突出部36が、位置規制部で位置が規制された筐体2の背面206を押圧する構成とした。
【0047】
このように構成すると、筐体2の背面206と直交する方向の筐体2の位置が、規制部333により規制されているので、突出部36から筐体2に作用する押圧力によっても、ブラケット3の基部30と筐体2との相対移動が規制されるので、箱型の筐体2をブラケット3で適切に支持させることができる。
【0048】
(2)突出部36の先端には、筐体2の背面206に対して平行な当接面361(平坦面)が所定面積で形成されている構成とした。
【0049】
このように構成すると、突出部36と筐体2の背面206との接触面積を広く取ることができるので、ブラケット3と筐体2との幅方向での相対移動をより適切に阻止できる。
【0050】
(3)把持部は、筐体2の2つの側面(第1側部201、第2側部202)のうちの一方の側面である第2側部202を支持する支持壁33と、他方の側面である第1側部201を支持する係合壁32と、から構成されており、
係合壁32は、先端32a側を、筐体2の第1側部201に当接させている構成とした。
【0051】
このように構成すると、把持部(係合壁32と支持壁33)による把持力で、筐体2の第2側部202が、ブラケット3の支持壁33に圧接して、筐体2の第2側部202と支持壁33との相対移動が、圧接に起因する摩擦力で規制されるので、箱型の筐体2を、ブラケット3で適切に支持させることができる。
【0052】
(4)筐体2とブラケット3の基部30との対向方向から見て、突出部36は、係合壁32の幅方向の中心を通ると共にブラケットの第3側縁303および第4側縁304に対して平行な線分L1上の領域に位置している構成とした。
【0053】
このように構成すると、一方の係合壁32から筐体2に作用する付勢力と、他方の係合壁32から筐体2に作用する付勢力のバランスを崩すことなく、突出部36から筐体2に作用する押圧力で、基部30の幅方向における筐体2の移動を規制できる。
【0054】
(5)支持壁33には、筐体2とブラケット3とを組み付けた際に、筐体2の第2側部202側の正面205に面接触する規制部333が設けられており、筐体2は、当該筐体2に当接した突出部36から作用する押圧力で、規制部333に圧接している構成とした。
【0055】
このように構成すると、筐体2とブラケット3の基部30との対向方向において、基部30から離れる方向への筐体2の移動が、規制部333により規制される。
よって、対向方向における筐体2とブラケット3との相対移動を適切に規制して、ブラケット3において筐体2を位置決めできる。
【0056】
(6)突出部36は、基部30を筐体2側に窪ませて形成されており、
基部30では、突出部36の第1側縁301側(係合壁32側)に、基部30を筐体2から離れる方向に窪ませて形成した幅広リブ305(リブ)が形成されており、幅広リブ305は、突出部36から係合壁32側にオフセットした位置から、基部30の第1側縁301の近傍に至る範囲に形成されている構成とした。
【0057】
このように構成すると、基部30における幅広リブ305が設けられた領域の剛性と、曲げに対する強度を高めることができる。
これにより、筐体2の連結部21とブラケット3の支持片31とを、ボルトBとナットNで締結する際に、ブラケット3の基部30の支持片31側に、基部30を筐体2の本体部20に近づける方向の応力が作用しても、作用する応力で基部30を大きく湾曲することなく、基部30の全体を筐体2に近づく方向に変位させることができる。
これにより、基部30から筐体2側に突出する突出部36を、当接面361を全面に亘って筐体2の本体部20に圧接させることができるので、ブラケット3における筐体2の支持をより確実に行うことができる。
【0058】
(7)ブラケット3に筐体2を組み付けたユニット1であって、
筐体2の第1側部201には、筐体2をブラケット3に組み付けた際に、基部30から延びる係合壁32が乗り上げる突起部22、22が設けられている構成とした。
このように構成すると、係合壁32は、突起部22、22に乗り上げる際に、基部30の高さ方向に微小に変位するので、係合壁32の変位量に応じた押圧力が、係合壁32から筐体2の第1側部201に作用して、第2側部202が、より大きな力で支持壁33に圧接する。よって、支持壁33における筐体2の支持安定性が向上する。
【0059】
(8)突起部22、22は、筐体2とブラケット3との対向方向(筐体2の厚み方向)に沿う複数の板状突起221から構成されており、突起部22、22の各々では、板状突起221が、本体部20の幅方向に所定間隔Waで並んでいる構成とした。
【0060】
このように構成すると、突起部22、22に乗り上げる係合壁32との接触面積を狭くすることができるので、係合壁32が突起部22、22に乗り上げる際の摺動抵抗を低減できる。これにより、係合壁32が、突起部22、22に乗り上げる際の抵抗力で阻害され難くなるので、ブラケット3への筐体2の組付けをスムーズに行うことができる。
【0061】
(9)電子機器を収容する箱型の筐体2を車両に取り付ける板状のブラケット3であって、
筐体2を保持する板状の基部30(保持部)と、
車両に接触して取り付けられる取付部37と、を有し、
取付部37は、
車体側の支持構造物(フレームF)に固定される固定部38と、
基部30と固定部38とを接続する接続部39と、を有し、
接続部39は、
ブラケット3の基部30の厚み方向の一方に向かって窪む溝状のリブ308(補強部)と、
ブラケット3の基部30の厚み方向の他方に向かって窪む溝状のリブ306、307(補強リブ)と、を有する構成とした。
【0062】
このように構成すると、取付部37の剛性と強度を高めることができるので、取付部37の折れ曲がりを防止しつつ、ブラケット3を車体側の支持構造物(フレームF)に固定できる。よって、車両への取付部分に至る接続部を補強することができる。
【0063】
特に、ブラケット3の基部30では、取付部37が、第3側縁303から側方に延出して設けられているので、基部30の第3側縁303から側方に延出する取付部37が、第3側縁303に沿って折れ曲がることを好適に防止できる。
【0064】
(10)ブラケット3において筐体2は、基部30の厚み方向における一方側(表面30a側)で保持されており、
リブ308は、基部30の厚み方向の一方側(表面30a)に窪んで形成されており、
リブ306、307は、基部30の厚み方向の他方側(裏面30b側)に窪んで形成されている構成とした。
【0065】
このように構成すると、リブ306、307と筐体2との干渉を避けつつ、取付部37の曲げに対する剛性と強度を高めることができるので、基部30で支持された筐体2を所望の位置に確実に配置できる。
【0066】
(11)リブ306、307は、基部30から接続部39に至って形成されており、
リブ308は、固定部38から接続部39に至って設けられている構成とした。
【0067】
このように構成すると、接続部39の剛性と曲げに対する強度をより高めることができるので、取付部37全体の剛性と強度を確保できる。
【0068】
(12)取付部37は、固定部38の厚み方向における他方側の裏面を車体側の支持構造物(フレームF)に接触させた状態で、車両に締結されている構成とした。
【0069】
このように構成すると、基部30で支持させた筐体2を車室内側に向けて設置できるので、筐体2に対する車室内側からのアクセスを確保できる。
【0070】
(13)リブ306、307は、ブラケット3の高さ方向に間隔を空けて、互いに平行に形成されており、リブ308は、リブ306、307の間で、これらリブ306、307に対して平行に位置している構成とした。
【0071】
このように構成すると、補強用の複数のリブ306、307、308が、取付部37に設けられているので、取付部37の剛性と強度をいっそう確保することができる。
【0072】
(14)取付部37の固定部38には、ボルトBの挿通孔37aが、ブラケット3の高さ方向に間隔をあけて設けられており、リブ308は、高さ方向で隣接する挿通孔37a、37aの間に位置している構成とした。
【0073】
このように構成すると、固定部38の剛性と強度を確保して、ボルトBの締結圧で、固定部38が変形することを好適に防止できる。
【0074】
(15)ブラケット3の基部30には、リブ306、307、308と直交する方向に延びる幅広リブ305が設けられている構成とした。
【0075】
このように構成すると、ブラケット3では、基部30から取付部37までの範囲の剛性と強度が高められるので、車体側に固定したブラケット3での筐体2の支持安定性が向上する。
【0076】
(16)取付部37の延出方向に沿う断面視において、接続部39は、基部30の厚み方向における筐体2側(一方側)に配置された第1接続部391と、当該第1接続部391と基部30とを接続する第2接続部392と、から構成されており、
取付部37の延出方向に沿う断面視において、第1接続部391が接続された固定部38(取付部)は、基部30を、当該基部30の厚み方向における一方側の表面30a側(筐体2側)から他方側の裏面30b側に横切る向きで設けられている構成とした。
【0077】
このように構成すると、第1接続部391と第2接続部392を、筐体2が幅方向に大きく変位した際のストッパとして機能させることができると共に、取付部37全体の剛性と強度を確保することができる。
【0078】
(17)取付部37の延出方向に沿う断面視において固定部38では、基部30の厚み方向の中心を通る仮想線Lmよりも他方側(基部30の裏面30b側)の領域に、ボルトBの挿通孔37a、37aが、基部30の高さ方向に間隔をあけて設けられている構成とした。
【0079】
このように構成すると、取付部37の延出方向に沿う断面視において、固定部38と車体側のフレームFとの連結点が、ブラケット3の基部30の裏面30b側となって、取付部37がフレームFの外周を回り込むように配置されるので、フレームFにおけるブラケット3の支持安定性が向上する。
【0080】
(18)ブラケット3の基部30では、高さ方向に間隔を開けて形成されたリブ306、307の間に、基部30をリブ306、307とは反対側に窪ませて突出部36が形成されている構成とした。
このように構成すると、基部30の高さ方向における一方側(第1側縁301側)と他方側(第2側縁302側)を、基部30の厚み方向(筐体2と基部30との対向方向)に変位させる方向に応力が作用しても、かかる応力に対抗できる剛性と強度を、リブ306、307と突出部36とにより確保することができる。
【0081】
(19)ブラケット3の基部30では、基部30を突出部36とは反対側に窪ませて形成した幅広リブ305が形成されており、基部30を、筐体2と基部30との対向方向から見た平面視において、幅広リブ305と、リブ306、307とが、直交する向きで形成されており、幅広リブ305と、リブ306、307は、基部30を突出部36とは反対側に窪ませて形成されている構成とした。
【0082】
このように構成すると、基部30全体の剛性と強度を、幅広リブ305と、リブ306、307と、突出部36とにより、高めることができる。
【解決手段】電子機器を収容する箱型の筐体2を車両に取り付ける板状のブラケット3であって、筐体2を保持する板状の基部30と、車両に接触して取り付けられる取付部37と、を有し、取付部37は、車体側の支持構造物であるフレームFに固定される固定部38と、基部30と固定部38とを接続する接続部39と、を有し、接続部39は、ブラケット3の基部30の厚み方向の一方に向かって窪む溝状のリブ306、307と、ブラケット3の基部30の厚み方向の他方に向かって窪む溝状のリブ308と、を有する構成とした。