(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150996
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】陸上養殖システム
(51)【国際特許分類】
A01K 63/00 20170101AFI20170612BHJP
A01K 63/04 20060101ALI20170612BHJP
A01K 61/40 20170101ALI20170612BHJP
【FI】
A01K63/00 C
A01K63/04 F
A01K63/04 A
A01K61/00 K
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-199717(P2012-199717)
(22)【出願日】2012年9月11日
(65)【公開番号】特開2014-54195(P2014-54195A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】396003283
【氏名又は名称】株式会社アルモウルド
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】加美野 東生
【審査官】
本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭53−098297(JP,A)
【文献】
特開2000−245297(JP,A)
【文献】
特開平05−095744(JP,A)
【文献】
特開昭48−033458(JP,A)
【文献】
特開2004−016168(JP,A)
【文献】
特開昭63−059824(JP,A)
【文献】
特開平01−168220(JP,A)
【文献】
特開平08−280297(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3032476(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0031893(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00−63/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システムにおいて、
前記閉鎖循環系に、遊泳魚類を育成するための飼育槽と、甲殻類および貝類の少なくともいずれか一つと環形動物とを飼育するとともに前記飼育槽からの海水を浄化する浄化槽と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽と、海水に鉄イオン化合物を供給する鉄イオン化合物供給手段と、を備え、
前記浄化槽は、前記飼育槽からの海水に含まれる残餌や排泄物を少なくとも前記甲殻類および貝類のいずれか一つと前記環形動物とが摂食するとともに前記環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと繁殖した好気性バクテリアとが残餌や排泄物を分解して、海水を浄化するものであり、
前記ミネラル供給槽は、所望のミネラル溶出鉱物を収容し、該ミネラル溶出鉱物から海水へミネラルが溶出するようにしたものであり、
前記鉄イオン化合物供給手段は、少なくともフミン酸鉄およびフルボ酸鉄としてフミン酸およびフルボ酸を含有する栄養塩類を含む溶液を供給するものであることを特徴とする陸上養殖システム。
【請求項2】
前記浄化槽は、底部に配置した環形動物を飼育するための人工穴材と、該人工穴材の上に載置した軽量の高透水性部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の陸上養殖システム。
【請求項3】
前記浄化槽の底部の底面の上方に張設したネット部材を備え、
前記人工穴材は、傾斜した多数の人工穴を形成するように、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層したものであり、前記人工穴が上下方向に傾斜するように前記ネット部材の上に載置したことを特徴とする請求項2に記載の陸上養殖システム。
【請求項4】
陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システムにおいて、
前記閉鎖循環系に、遊泳魚類を飼育するための飼育槽と、環形動物を飼育するとともに前記飼育槽からの海水を浄化する浄化槽と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽と、を備え、
前記飼育槽は、底部に排水口を有し、底面は前記排水口に向かって下向に傾斜しており、前記排水口の上方かつ水面上に配設された、噴水による反力によって回転しながら散水する散水手段と、該散水手段に連動して水中で回転し、海水を前記排水口側から上方に向ける対流を発生させるための対流発生手段とを有し、
前記浄化槽は、前記飼育槽からの海水に含まれる残餌や排泄物を前記環形動物が摂食するとともに前記環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと繁殖した好気性バクテリアとが残餌や排泄物を分解して、海水を浄化するものであり、
前記ミネラル供給槽は、所望のミネラルを含むミネラル溶出鉱物を収容し、該ミネラル溶出鉱物から海水へミネラルが溶出するようにしたものであることを特徴とする陸上養殖システム。
【請求項5】
陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システムにおいて、
前記閉鎖循環系に、遊泳魚類を飼育するための飼育槽と、環形動物を飼育するとともに前記飼育槽からの海水を浄化する浄化槽と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽と、を備え、
前記浄化槽は、底部に配置した環形動物を飼育するための人工穴材と、該人工穴材の上に載置した軽量の高透水性部材と、前記浄化槽の底部の底面の上方に張設したネット部材とを有し、前記飼育槽からの海水に含まれる残餌や排泄物を前記環形動物が摂食するとともに前記環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと繁殖した好気性バクテリアとが残餌や排泄物を分解して、海水を浄化するものであり、
前記人工穴材は、傾斜した多数の人工穴を形成するように、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層したものであり、前記人工穴が上下方向に傾斜するように前記ネット部材の上に載置し、
前記ミネラル供給槽は、所望のミネラルを含むミネラル溶出鉱物を収容し、該ミネラル溶出鉱物から海水へミネラルが溶出するようにしたものであることを特徴とする陸上養殖システム。
【請求項6】
前記環形動物は、少なくとも岩イソメを含むものであることを特徴とする請求項1,2または3に記載の陸上養殖システム。
【請求項7】
前記飼育槽は、底部に排水口を有し、底面は前記排水口に向かって下向に傾斜しており、
前記排水口の上方かつ水面上に配設され、噴水による反力によって回転しながら散水する散水手段と、該散水手段に連動して水中で回転し、海水を前記排水口側から上方に向ける対流を発生させるための対流発生手段とを設けたことを特徴とする請求項1,2,3または5に記載の陸上養殖システム。
【請求項8】
前記閉鎖循環系に、放射性物質を濾過するための放射性物質濾過槽を設けたことを特徴とする、請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の陸上養殖システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システムに関し、特に海水の供給および排出をせずに海水の浄化を海洋生物等によって行う自己循環型の閉鎖系陸上養殖システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から魚介類の養殖装置の主流となっているのは、湾岸海域に生簀網を設置して魚介類を飼育する海面養殖法である。この養殖法は、自然の海岸を利用しているので、台風などの自然災害の影響を受けたり、赤潮等による被害が発生したりすることは珍しくない。
【0003】
また、海面養殖法では、病害虫やウイルス感染の対策のために抗生物質や消毒剤のホルマリン等の化学物質が投与されるので、そのような環境で養殖された魚介類は、安全性に全く懸念のない食材であるとは断言し切れない部分がある。
【0004】
これらのことから、海面養殖法には安全で高品質の魚介類を安定して生産することが難しいという問題点がある。また、餌の投与によって周辺海域が汚染されることがあるので、環境面でも解決すべき問題を含んでいる。
【0005】
このような海面養殖とは異なる養殖法として、ヒラメやふぐ、アワビ等の養殖を陸上で行う陸上養殖法がある。この陸上養殖法によれば、自然災害による影響は海面養殖法に比べて小さくすることができ、また、赤潮等による被害を避けることができる。
【0006】
しかし、この陸上養殖法では、陸上の養殖施設に天然の海水を供給したり、残餌とともに老廃物を海洋に排出したりしなければならないので、これに掛かるエネルギーコストが大きいという問題点がある。また、海洋に排出する残餌や老廃物による環境問題は、解決することができていない。特に海水の温度管理を必要とする魚介類にとっては、経済性の悪さが著しいという問題点がある。
【0007】
近年、陸上養殖技術の中には、養殖システムが循環系を成すように構成されたものも一部に見られるようになってきた。すなわち、養殖システムに海水を供給したり、養殖システムから海水を排出したりせずに、システム内で海水を循環させる方法である。しかしながら、このような陸上養殖システムにおいては、魚介類の排泄物中のアンモニアは、海水中に蓄積してアンモニア濃度が上昇すると、硫化水素を発生させるなどして、魚介類の養殖を妨げることがあるという問題点があった。
【0008】
この循環系を成す陸上養殖システムの問題点を解決するための技術として特許文献1で提案されている陸上養殖システムがある。すなわち、魚介類を飼育する飼育槽と、魚介類の固形排泄物、残餌などを除去するための回転式フィルタを備えた除去装置と、水を活性化させる活性器を備えた活性水槽と、好気バクテリアによって海水を浄化させるための浄化水槽とで閉鎖系循環システムを構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−016168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載した陸上養殖システムでは、魚介類の固形排泄物、残餌などを除去するために除去装置という物理的な濾過装置を設けられており、それだけコストが高くなるとうい問題点があった。
【0011】
また、今日の日本国が抱える食糧資源自給率の問題や、中国や欧米諸国の水産食品の市場拡大の点からも、獲る漁業に対して安心安全な水産資源を効率よく経済的に優れた育てる漁業のウエイトの充実化が急がれる。
【0012】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、病害虫、ウイルス等の被害を防ぐために海水の水質を良質な状態に維持するとともに、経済的で普及性の高い閉鎖循環系の陸上養殖システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[
1] 陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システム(1)において、
前記閉鎖循環系に、遊泳魚類を育成するための飼育槽(10)と、甲殻類および貝類の少なくともいずれか一つと環形動物とを飼育するとともに前記飼育槽(10)からの海水を浄化する浄化槽(20)と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽(30)と、海水に鉄イオン化合物を供給する鉄イオン化合物供給手段(40)と、を備え、
前記浄化槽(20)は、前記飼育槽(10)からの海水に含まれる残餌や排泄物を少なくとも前記甲殻類および貝類のいずれか一つと前記環形動物とが摂食するとともに前記環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと繁殖した好気性バクテリアとが残餌や排泄物を分解して、海水を浄化するものであり、
前記ミネラル供給槽(30)は、所望のミネラル溶出鉱物(31)を収容し、該ミネラル溶出鉱物(31)から海水へミネラルが溶出するようにしたものであり、
前記鉄イオン化合物供給手段(40)は、少なくともフミン酸鉄およびフルボ酸鉄としてフミン酸およびフルボ酸を含有する栄養塩類を含む溶液を供給するものであることを特徴とする陸上養殖システム(1)。
【0015】
[
2] 前記浄化槽(20)は、底部に配置した環形動物を飼育するための人工穴材(22A)と、該人工穴材(22A)の上に載置した軽量の高透水性部材(21A)とを備えることを特徴とする項[1
]に記載の陸上養殖システム。
【0016】
[
3] 前記浄化槽(20)の底部の底面(12)の上方に張設したネット部材(23)を備え、
前記人工穴材(22A)は、傾斜した多数の人工穴(22b)を形成するように、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層したものであり、前記人工穴(22b)が上下方向に傾斜するように前記ネット部材(23)の上に載置したことを特徴とする項[
2]に記載の陸上養殖システム(1)。
[4] 陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システム(1)において、
前記閉鎖循環系に、遊泳魚類を飼育するための飼育槽(10)と、環形動物を飼育するとともに前記飼育槽(10)からの海水を浄化する浄化槽(20)と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽(30)と、を備え、
前記飼育槽(10)は、底部に排水口(11)を有し、底面は前記排水口(11)に向かって下向に傾斜しており、前記排水口(11)の上方かつ水面上に配設された、噴水による反力によって回転しながら散水する散水手段(13)と、該散水手段(13)に連動して水中で回転し、海水を前記排水口(11)側から上方に向ける対流を発生させるための対流発生手段(15)とを有し、
前記浄化槽(20)は、前記飼育槽(10)からの海水に含まれる残餌や排泄物を前記環形動物が摂食するとともに前記環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと繁殖した好気性バクテリアとが残餌や排泄物を分解して、海水を浄化するものであり、
前記ミネラル供給槽(30)は、所望のミネラルを含むミネラル溶出鉱物(31)を収容し、該ミネラル溶出鉱物(31)から海水へミネラルが溶出するようにしたものであることを特徴とする陸上養殖システム(1)。
[5] 陸上に設けた閉鎖循環系に海水を循環させて魚介類の養殖を行う陸上養殖システム(1)において、
前記閉鎖循環系に、遊泳魚類を飼育するための飼育槽(10)と、環形動物を飼育するとともに前記飼育槽(10)からの海水を浄化する浄化槽(20)と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽(30)と、を備え、
前記浄化槽(20)は、底部に配置した環形動物を飼育するための人工穴材(22A)と、該人工穴材(22A)の上に載置した軽量の高透水性部材(21A)と、前記浄化槽(20)の底部の底面(12)の上方に張設したネット部材(23)とを有し、前記飼育槽(10)からの海水に含まれる残餌や排泄物を前記環形動物が摂食するとともに前記環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと繁殖した好気性バクテリアとが残餌や排泄物を分解して、海水を浄化するものであり、
前記人工穴材(22A)は、傾斜した多数の人工穴(22b)を形成するように、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層したものであり、前記人工穴(22b)が上下方向に傾斜するように前記ネット部材(23)の上に載置し、
前記ミネラル供給槽(30)は、所望のミネラルを含むミネラル溶出鉱物(31)を収容し、該ミネラル溶出鉱物(31)から海水へミネラルが溶出するようにしたものであることを特徴とする陸上養殖システム(1)。
【0017】
[
6] 前記環形動物は、少なくとも岩イソメを含むものであることを特徴とする項[1],[2]
または[3
]に記載の陸上養殖システム(1)。
【0018】
[
7] 前記飼育槽(10)は、底部に排水口(11)を有し、底面は前記排水口(11)に向かって下向に傾斜しており、
前記排水口(11)の上方かつ水面上に配設され、噴水による反力によって回転しながら散水する散水手段(13)と、該散水手段(13)に連動して水中で回転し、海水を前記排水口(11)側から上方に向ける対流を発生させるための対流発生手段(15)とを設けたことを特徴とする請求項[1],[2],[3
]または[5]に記載の陸上養殖システム(1)。
【0019】
[
8] 前記閉鎖循環系に、放射性物質を濾過するための放射性物質濾過槽(70)を設けたことを特徴とする、項[1],[2],[3],[4],[5]
,[6]
または[7]に記載の陸上養殖システム。
【0020】
前記本発明は次のように作用する。
陸上養殖システム(1)は、海水を定期的に供給および排出することなく、海水を浄化しながら閉鎖系で循環させて魚介類の養殖をすることができる。海水の循環は、遊泳魚類を飼育するための飼育槽(10)から環形動物を飼育するとともに海水を浄化する浄化槽(20)へと流れ、該浄化槽(20)から海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽(30)を経て飼育槽(10)へと戻る。
【0021】
飼育槽(10)で生じた残餌や排泄物は、海水とともに浄化槽(20)へ流れる。浄化槽(20)へ運ばれた残餌や排泄物は、環形動物が摂食するとともに環形動物の飼育に伴って増殖するプランクトンと、繁殖した好気性バクテリアとによって分解される。これにより、海水は浄化される。
【0022】
浄化槽(20)で浄化された海水は、ミネラル供給槽(30)に至る。ミネラル供給槽(30)では、収容されているミネラル溶出鉱物(31)からミネラルが海水中へと溶出する。
【0023】
また、海水に鉄イオン化合物を供給する鉄イオン化合物供給手段(40)を備えておき、該鉄イオン化合物供給手段(40)によって少なくともフミン酸鉄およびフルボ酸鉄としてフミン酸およびフルボ酸を含有する栄養塩類を含む溶液を海水中に供給することにより、藻類を増殖させ、これがプランクトンや貝類の餌となり、魚介類や環形動物の育成を促進することができる。
【0024】
浄化槽(20)には、環形動物とともに甲殻類および貝類の少なくともいずれか一方を飼育してもよく、この場合には、飼育槽(10)から運ばれてきた残餌などを甲殻類や貝類も摂食するので、より良く海水を浄化することができる。
【0025】
また、浄化槽(20)は、底部に配置した環形動物を飼育するための人工穴材(22A)と、該人工穴材(22A)の上に載置した軽量の高透水性部材(21A)とを備えることにより、環形動物の飼育を容易にでき、さらに、傾斜した多数の人工穴(22b)が形成された人工穴材(22A)として、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層したものとすることにより、固形分の沈降濾過効果が大きく、しかも人工穴(22b)の全長を長くすることができ、もって、環形動物をより長く育成することができる。人工穴材(22A)は、浄化槽(20)の底部の底面の上方に張設したネット部材(23)の上に載置することにより、浄化槽(20)内の海水の流れをスムーズにすることができる。
【0026】
環形動物は、少なくとも岩イソメを含むものとするのがよい。岩イソメを飼育することにより、岩イソメから出る酵素によって多量のプランクトンを増殖させることができる。
なお、閉鎖循環系に放射性物質濾過槽(70)を備えるものにあっては、放射性物質に汚染された魚介類がエラ等の代謝器官から閉鎖循環系の海水中へ排出された放射性物質を吸着除去することができる。
【0027】
なお、飼育槽(10)は、底部に排水口(11)を設け、底部の底面を排水口(11)に向かって下向に傾斜したものとし、排水口(11)の上方かつ水面上に配設され、噴水による反力によって回転する散水手段(13)と、該散水手段(13)に連動して水中で回転し、排水口(11)から上方に向かう対流を発生させるための対流発生手段(15)とを設けるとよい。これにより、飼育槽(10)で生じた残餌や排泄物が滞留することなく下流の浄化槽(20)に運ばれる。また、噴水によって回転する散水手段(13)が動力源となって対流発生手段(15)が駆動するので、対流発生手段(15)を駆動するための動力手段を別個に設ける必要がなく、もって、コストの低減化を図ることができ、経済的である。
【発明の効果】
【0028】
本発明にかかる陸上養殖システム(1)によれば、陸上で海水の入替えをすることなく海水の水質を良質な状態に維持することによって病害虫、ウイルス等の被害を防ぎながら、魚類の他に環形動物、さらには甲殻類や貝類まで同時に養殖することができるので、経済的に養殖することができる。
【0029】
また、ミネラル供給槽からミネラルを海水中に供給し、鉄イオン化合物供給手段によって鉄イオン化合物を海水中に供給することにより、魚介類や環形動物の育成を促進することができるので、この面でも経済的となる。
【0030】
また、海水を噴水することにより回転しながら散水する散水手段を備えるものでは、その回転に連動して対流発生手段が飼育槽内の海水を対流させるので、対流発生手段を駆動するための動力手段を別個に設ける必要がなく、その分のコスト低減を図ることができる。
【0031】
また、陸上に施設を敷設するので、養殖施設が海面にある海面養殖よりも普及性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る陸上養殖システムを示す説明図である。
【
図2】
図1における生物濾過層を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る陸上養殖システムを示す説明図である。
図2は、
図1における生物濾過層を説明する説明図である。
図1に示した本実施の形態に係る陸上養殖システム1は、陸上に敷設して海水を閉鎖循環系に循環させて遊泳魚、甲殻類、貝類、環形動物などの養殖を行う自己循環型に構成されるものである。
【0034】
陸上養殖システム1は、海水が循環する方向に沿って、遊泳魚類を育成するための飼育槽10と、甲殻類および貝類の少なくともいずれか一つと環形動物とを飼育するとともに飼育槽10からの海水を浄化する浄化槽20と、海水にミネラルを供給するためのミネラル供給槽30と、海水に鉄イオン化合物を供給する鉄イオン化合物供給手段40とが配設されている。
【0035】
飼育槽10は、底部に排水口11が穿設されている。飼育槽10の底面12は、この排水口11に向かって下向に傾斜している。したがって、残餌や飼育している魚類の排泄物は、排水口11から流れ出ていく海水によって次の浄化槽20へと運ばれていくので、飼育槽10に滞留してしまうことがない。なお、
図1に示した例では、排水口11を底部の中央に設けてあるが、排水口11の位置は底部の中央である必要はない。
【0036】
底部の近傍で排水口11の上方には、飼育槽10の外部に設置された酸素発生器50に接続されたブロワーBから酸素あるいは大気を飼育槽10の海水中へ散記するための散気管51の末端部が配置されており、この散気管51の末端部から海水中へ散気されている。ブロワーBからは、必要に応じて酸素発生器50が発生する酸素または大気が散気される。
【0037】
排水口11の上方かつ水面上には、循環してきた海水を噴水することによる反力によって回転しながら散水する散水手段13が配設されている。散水手段13は、回転可能に支持された回転軸13aと、この13aから略水平方向に延びる複数本の散水管13bとを有している。散水管13bは、回転軸13aから放射状に延びている。
【0038】
回転軸13aは、排水口11の上方で略鉛直方向に延設されている。また、複数本の散水管13bそれぞれには、回転軸13a寄りの基部から先端部にかけて、複数の散水口(図示せず)が穿設されている。各散水管13bに穿設された散水口は、該散水口から海水が噴出したときに、その反力で散水管13bが一方向に回転するように各散水管13bともに同様の位置で同様の向きに穿設されている。
【0039】
散水手段13には、送水されて来る海水には、後述する給水ポンプ106によって水圧が掛かっている。したがって、海水は散水管13bから勢い良く噴水される。
【0040】
回転軸13aには、散水管13bよりも下方にフロート14が取り付けられている。このフロート14によって散水手段13は、海水面上に浮いた状態にしておくことができる。
【0041】
回転軸13aには、さらにフロート14の下方で海水中に位置するブレード15が取り付けられている。このブレード15は、飼育槽10の海水に対流を発生させるためのものであり、散水管13bの回転方向と同方向に回転する。ブレード15は、回転したときに、海水が排水口11側から上方へ向かう対流を発生させるような形状に形成されている。これによって飼育槽10内の海水は、排水口11側から上方へ向かい、水面付近で飼育槽10の側壁へ向かい、側壁付近で下方に向かい、下方に傾斜した底面12の付近で排水口11に向かうような対流となる。
【0042】
飼育槽10は、内側の側壁の一部に温度調節用ヒーター16と温度調節用クーラー17とが取り付けられている。温度調節用ヒーター16と温度調節用クーラー17は、不図示の制御装置によって制御されるものである。これにより、飼育槽10内の海水は、そこで飼育する魚種や飼育量に応じた適切な温度に維持管理される。温度調節用ヒーター16と温度調節用クーラー17は、ヒートポンプ方式等を含めて、エネルギーコストを低減できるような機器を選定することが好ましい。
【0043】
飼育槽10の排水口11には、下流の浄化槽20に海水を送るための水管101の一端が接続されている。水管101の途中には、飼育槽10側から浄化槽20側へと海水を送るための循環ポンプ102が設けられている。
【0044】
水管101のもう一方の端部には、散水管103が接続されている。散水管103は、浄化槽20の上方に延設されており、浄化槽20に向けて海水を散水するための多数の散水口(図示せず)が穿設されている。また、浄化槽20には、後述する水管107から分岐した水管108。この水管108には、分岐弁109が設けられており、この分岐弁109の操作によって、水管108から浄化槽20に海水を供給することができる。
【0045】
浄化槽20は、海水を生物によって濾過する生物濾過層を備えている。この生物濾過層は、甲殻類や貝類やなまこ類などの海底生息動物を飼育するための海底生息動物飼育層21と、岩イソメ等の環形動物を飼育するための環形動物飼育層22とを備えている。海底生息動物飼育層21は環形動物飼育層22の上に設けられている。
【0046】
生物濾過層は、浄化槽20内の略全体に亘るように設けられているが、底部との間、または底部および側壁の一部との間に間隙を確保するように設けられている。
【0047】
浄化槽20には、底部と環形動物飼育層22との間に海水が良好に流れる間隙200を確保するために、底部に面して支持ネット23が張設されている。この支持ネット23の上に生物濾過層が載置される。したがって、支持ネット23は、生物濾過層の重量を支えることができるような素材、例えば金属や工業用プラスチック等によって作られたものである。
【0048】
支持ネット23に載置される環形動物飼育層22は、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層した人工穴材22Aから成っている。
図2に示すように、人工穴材22Aは、支持ネット23に載置したときに上下方向に傾斜する人工穴22bを多数有している。
【0049】
図1においては、人工穴22bが略鉛直方向に延びるように示してあるが、それでもよい。しかし、人工穴22bは、略鉛直方向に延びたものとするよりも傾斜して延びたものとするほうが多数の利点を得ることができる。すなわち、傾斜した人工穴22bは、鉛直方向に延びたものよりも全長が長くなるので、海水中の固形が人工穴22bの内壁に沈着する面積が大きくなり、海水を物理的に濾過する機能が向上する。
【0050】
人工穴22bは、巣穴としてそこに環形動物が住む。環形動物は粘性物質を出すので、それによって人工穴22bの内壁面には粘膜が形成される。この粘膜によって海水中の固形物はより多く人工穴22bの内壁面に付着する。したがって、人工穴22bの内壁面積が大きくなることは、それだけ物理的な濾過効果が向上することになる。また、人工穴22bの全長が長いことは、環形動物をより大きく飼育することができるので、環形動物自体の養殖という点からも利益が大きい。
【0051】
このような人工穴材22Aは、凹凸板と平板とを交互に複数層を成すように積層したものであるので、製造が容易であるとともに、環形動物を出荷する際には凹凸板と平板とを単に剥離すれば良く、これによって環形動物を傷つけることなく取り出すことができる。なお、人工穴22bの傾斜は、水平方向に対して50°前後の傾斜角度θにすることが好ましい。
【0052】
人工穴材22Aの上には、ネット24が敷かれており、その上に海底生息動物飼育層21が載せられている。海底生息動物飼育層21は、軽量で高透水性のある素材が用いられる。例えば、ロックウール21A等である。甲殻類、貝類、なまこ類等は、このロックウール21Aの上に放されて飼育される。
【0053】
海底生息動物飼育層21には、主として好気性バクテリア類が生息する。また、海底生息動物飼育層21の上表部には、光合成を行う緑草類や藻類、海草等を生育させることにより、窒素、リン等の成分やCO2を海水から取り込ませて酸素を海水中に発生させることができる。また、これ等の緑草類や小動物、プランクトン類は、養殖する貝類の餌になる。
【0054】
このような浄化槽20では、飼育槽10からの海水に含まれる残餌や排泄物を甲殻類や貝類環形動物などが摂食する。したがって、それだけ海水が浄化される。さらに、環形動物飼育層22で飼育する岩イソメなどからは酵素が出され、その酵素の働きでプランクトンが増殖するので、プランクトンによる残餌や排泄物の分解によって一層に海水が浄化される。さらに、好気性バクテリア類も繁殖するので、好気性バクテリア類による残餌や排泄物の分解も行われて、より一層の海水浄化が成される。
【0055】
この浄化槽20の底部には排水口104が穿設されている。この排水口104には、下流のミネラル供給槽30に海水を送るための水管105が接続されている。
【0056】
ミネラル供給槽30は、海水にミネラル分を加えるためのものである。ミネラル供給槽30には、所望のミネラル含有するミネラル溶出鉱物31が収容されており、該ミネラル溶出鉱物31から海水へミネラルが徐々に溶出する。
【0057】
このミネラル供給槽30には、鉄イオン化合物供給手段40から少なくともフミン酸鉄およびフルボ酸鉄としてフミン酸およびフルボ酸を含有する栄養塩類を含む溶液が供給される。これらミネラルや鉄イオン化合物を含有するとともに浄化された海水によって、陸上養殖システム1で養殖される各種の海洋生物は、健康でかつ成育良好に飼育することができる。
【0058】
ミネラル供給槽30の底部には、海水を飼育槽10に戻すための水管107の一端が接続されている。この水管107には、ミネラル供給槽30からの海水を送出すための給水ポンプ106が取り付けられている。
【0059】
閉鎖循環系の水管、例えば水管107には、放射性物質濾過部70が設けられている。この放射性物質濾過部70には、濾材として例えばゼオライトのような放射性物質等を吸着する素材が使用されている。閉鎖循環系の海水が汚染される場合の一例としては、放射性物質に汚染された魚介類を陸上養殖システム1に投入される場合がある。放射性物質に汚染された魚介類のエラ等の代謝器官からは、放射性物質が海水中へ排出される。このようにして海水中に排出された放射性物質は、放射性物質濾過部70によって吸着除去される。これにより、閉鎖循環系の海水の放射能汚染を防止することができる。また、この飼育槽10内や浄化槽20内の魚介類は、放射性物質が軽減除去されることになる。
【0060】
水管107の他端は、飼育槽10に設けた前記の散水手段13に接続されており、散水手段13の散水管13bから飼育槽10に浄化されかつ栄養に富んだ海水が散水される。また、水管107の途中には、前記したように水管108が分岐しており、分岐弁109の操作により、浄化されかつ栄養に富んだ海を浄化槽20に水給水することもできる。
【0061】
浄化槽20には、海水のpHを好ましい値(約8.0〜8.4)に調整するためにpH調整手段60からpH調整液を添加することができる。pH調整液は、例えば重炭酸ソーダの溶液である。また、pH調整手段60は、重炭酸ソーダを添加するものとする代わりに電気分解装置とし、海水を電気分解することによって生成した次亜塩素酸ソーダを添加しても良い。
【0062】
海水を浄化する能力が低下すると海水中のpHが下がり、その結果、海水中の溶存酸素が少なくなってしまう。このような事態は、pH調整手段60によってpH調整液を添加することによって防止することができる。
【0063】
次に作用を説明する。
陸上養殖システム1は、海水を定期的に供給および排出する必要がなく、海水を浄化しながら閉鎖系で循環させて魚介類や環状動物等の養殖をすることができる。陸上養殖システム1では、海水は、水管10,105,107等を流れて飼育槽10→浄化槽20→ミネラル供給槽30→飼育槽10のように循環する。さらに、ミネラル供給槽30からの海水は、給水ポンプ106から分岐した水管107を通して浄化槽20へ供給することもできる。
【0064】
陸上養殖システム1の循環経路中には、水管101に設けられた循環ポンプ102と水管107に設けられた給水ポンプ106との2つのポンプによって送水されている。
【0065】
飼育槽10では、散水管13bから海水を噴出し、その反力によって散水管13bが回転する。同時にブレード15が散水管13bの回転方向と同方向に回転する。ブレード15が回転するとその下方の海水がブレード15に向かって海水が動く。図示した例では、ブレード15の下方に排水口11があるので、海水は排水口11から上方に向かう対流となる。ブレード15に至った海水は、飼育槽10の側壁へ向かい、側壁付近で下方に向かう。さらに、底部付近に至った海水は、底面12の下向の傾斜に沿って流れる。底部の最も低い位置に排水口11が設けられており、その上方にブレード15が位置しているので、海水は排水口11に向かって流れる。
【0066】
このように、噴水によって回転する散水手段13が動力源となって対流発生手段15が駆動するので、対流発生手段15を駆動するための動力手段を特に別個に設ける必要がない。したがって、その分、コストを低減させることができる。
【0067】
排水口11とブレード15との間に位置する散気管51の端部からは、ブロワーBから送られてきた酸素あるいは大気が供給されているので、溶存酸素の濃度が上がるようになっている。
【0068】
飼育槽10では、遊泳魚類が飼育されているので、それらの排泄物や残餌の固形分は、上記の対流に乗って移動する。排泄物や残餌の固形分は、海水よりも重いので、底面12の傾斜に沿って排水口11に集められる。排水口11に集められた残餌や排泄物は、そこで滞留することなく、水管101を通る海水とともに飼育槽10から水管101へ排出される。
【0069】
飼育槽10内の海水は、循環ポンプ102によって積極的に送水され、水管101の浄化槽20側端部に接続されている散水管103から浄化槽20の水面上に散水される。このとき、飼育槽10からの残餌や排泄物も浄化槽20へ広く撒かれることになる。
【0070】
浄化槽20へ運ばれた残餌や排泄物は、海底生息動物飼育層21およびその上で飼育されている甲殻類や貝類等が摂食する。また、環形動物飼育層22で飼育されている環形動物も甲殻類や貝類に投与した残餌やそれらの排泄物を含めて浄化槽20中にある排泄物や残餌を摂食する。さらに、環形動物の飼育に伴って増殖したプランクトンおよび主としてロックウール21Aで繁殖している好気性バクテリア類が残餌や排泄物を分解する。さらにまた、プランクトンや好気性バクテリア類は、甲殻類が成長過程で脱皮した殻を消化する。このように環形動物飼育層22内では各種生物類が共存し、自然界の海岸・干潟のような環境が形成される。
【0071】
このようにして浄化槽20で浄化された海水は、排水口104から浄化槽20を出て水管105を通ってミネラル供給槽30に至る。ミネラル供給槽30では、収容されているミネラル溶出鉱物31からミネラル類が海水中へと溶け出す。ミネラル溶出鉱物31は、リン酸塩を溶出するものが好ましく、例えば、かき殻やサンゴ砂を含むもの、石英花崗斑岩を原料とした人工セラミックなどである。
【0072】
このミネラル供給槽30では、海水に鉄イオン化合物を供給する鉄イオン化合物供給手段40から少なくともフミン酸鉄およびフルボ酸鉄としてフミン酸およびフルボ酸を含有する栄養塩類を含む溶液が海水中に供給される。このように、ミネラル供給槽30においてミネラル類や鉄イオン化合物が加えられた海水は、藻類の増殖を促し、魚介類や環形動物の育成を促進することができる。
【0073】
ミネラル供給槽30の海水は、給水ポンプ106によって水管107を通して飼育槽10側の散水手段13または浄化槽20に送水される。浄化槽20に送水するときは、水管107に設けられた分岐弁109を操作して、水管107から分岐した水管108に海水を送るようにすれば良い。
【0074】
以上のように、陸上養殖システム1は、海水を閉鎖循環系で循環させるものであり、循環する海水を飼育槽10に噴水する際の反力を利用して飼育槽10内の海水の対流を起こさせているので、対流を起こさせるための専用の動力源や機構を必要とせず、設備の省略や少エネルギー効果によって経済的な養殖システムとなっている。
【0075】
また、各種の魚介類を養殖しながら、同時に養殖する環形動物や主として浄化槽20で繁殖する好気性バクテリア等によって残餌や排泄物の処理をして海水を浄化するので、海水を浄化するための物理的濾過設備を必要とせず、この点においても経済的な養殖システムとなっている。
【0076】
また、陸上養殖システム1は、海面養殖にともなうような環境汚染を発生しないので環境に優しく、陸上に施設するので海面養殖に比べて施設場所の限定が少なく、もって、普及性が高い。
【0077】
また。放射性物質濾過部は、図示した位置に限らず、閉鎖循環系のどこに設けたてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本願発明に係る陸上養殖システムは、海水の代わりにナノウォーターを用いることにより、淡水魚と海水魚など、淡水生物と海水生物とを同時に養殖することができ、水生生物の養殖に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
B…ブロワー
1…陸上養殖システム
10…飼育槽
11…排水口
12…底面
13…散水手段
13a…回転軸
13b…散水管
14…フロート
15…ブレード
16…温度調節用ヒーター
17…温度調節用クーラー
20…浄化槽
21…海底生息動物飼育層
21A…ロックウール
22…環形動物飼育層
22A…人工穴材
22b…人工穴
23…支持ネット
24…ネット
30…ミネラル供給槽
31…ミネラル溶出鉱物
40…鉄イオン化合物供給手段
50…酸素発生器
51…散気管
60…pH調整手段
70…放射性物質濾過部
101…水管
102…循環ポンプ
103…散水管
104…排水口
105…水管
106…給水ポンプ
107…水管
108…水管
109…分岐弁
200…間隙