(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接する2つのサンプリングされた信号の間で二乗和(SS:Square−Sum)演算を実行し、前記変調信号からキャリア成分を除去する制御部と、
前記キャリア成分が除去された変調信号の包絡線を検出する包絡線検出部とを有し、
前記隣接する2つのサンプリングされた信号間のサンプリング時間間隔が(1/2+n)×(π/ω)を満たすように、前記変調信号のサンプリングを実行するサンプリング部をさらに有し、ここで、nは整数であり、ωは角周波数であり、
前記サンプリング部は、前記変調信号の帯域幅と変調信号のキャリア周波数とを比較し、その比較結果が、前記変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さいかどうかを決定するために予め設定された値を基準として、この基準より小さければ前記nの値を大きくすることを特徴とする包絡線検出装置。
前記包絡線検出部は、前記二乗和演算の結果値を平方根(Square Root)処理して前記変調信号の包絡線を検出することを特徴とする請求項1に記載の包絡線検出装置。
前記制御部は、前記変調信号からサンプリングされた信号をサンプリングされた順に第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、第4サンプリング信号とする時、
前記第1サンプリング信号及び前記第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、前記第3サンプリング信号及び前記第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成することを特徴とする請求項1に記載の包絡線検出装置。
前記制御部は、前記変調信号からサンプリングされた信号をサンプリングされた順に第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、第4サンプリング信号とする時、
前記第1サンプリング信号及び前記第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、前記第2サンプリング信号及び前記第3サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、前記第3サンプリング信号及び前記第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成することを特徴とする請求項1に記載の包絡線検出装置。
前記サンプリングされた信号は、ソース共振器との相互共振によってターゲット共振器に格納されたエネルギーの波形からアナログ−デジタル変換器によりサンプリングされた信号であることを特徴とする請求項1に記載の包絡線検出装置。
前記サンプリングされた信号は、音声アナログ信号からアナログ−デジタル変換器によりサンプリングされた信号であることを特徴とする請求項1に記載の包絡線検出装置。
前記サンプリングされた信号は、映像アナログ信号からアナログ−デジタル変換器によりサンプリングされた信号であることを特徴とする請求項1に記載の包絡線検出装置。
変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接する2つのサンプリングされた信号間に二乗和(SS:Square−Sum)演算を実行し、前記変調信号のキャリア成分を除去するステップと、
前記キャリア成分が除去された変調信号から包絡線を検出するステップとを有し、
前記変調信号のキャリア成分を除去するステップの前に、前記隣接する2つのサンプリングされた信号間のサンプリング時間間隔が(1/2+n)×(π/ω)を満たすように、前記変調信号のサンプリングを実行するステップをさらに有し、ここで、nは整数であり、ωは角周波数であり、
前記変調信号のサンプリングを実行するステップにおいて、前記変調信号の帯域幅と変調信号のキャリア周波数とを比較し、その比較結果が、前記変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さいかどうかを決定するために予め設定された値を基準として、この基準より小さければ前記nの値を大きくするステップを含むことを特徴とする包絡線検出方法。
前記変調信号からサンプリングを実行し、サンプリングされた信号をサンプリング順に、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、第4サンプリング信号とするステップと、
前記第1サンプリング信号及び前記第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成するステップと、
前記第3サンプリング信号及び前記第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成するステップとをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の包絡線検出方法。
前記変調信号からサンプリングを実行し、サンプリングされた信号をサンプリング順に、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、第4サンプリング信号とするステップと、
前記第1サンプリング信号及び前記第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成するステップと、
前記第2サンプリング信号及び前記第3サンプリング信号それぞれを二乗して合成するステップと、
前記第3サンプリング信号及び前記第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成するステップとをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の包絡線検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る包絡線検出装置及びその方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0019】
包絡線検出(Envelope detection)は、音声処理、画像処理、及びデータ通信などのように多様な分野に利用されている。
最近では、エネルギーとデータを同時に送信する分野でも包絡線検出が利用されている。
【0020】
包絡線は、アナログ回路のようなハードウェアを利用した方式によって検出されてもよい。ここで、アナログ回路は、整流器(rectifier)及びローパスフィルタ(low pass filter)などで構成されてもよい。
また、包絡線は、通信の受信機のように局部発振器(local oscillator)を利用して変調信号を復調し、復調された基底帯域の信号をフィルタリングすることによって検出されてもよい。
【0021】
また、離散(discrete)信号の場合、包絡線は、信号処理方式によって検出されてもよい。
ここで、離散信号は、アナログ信号でアナログ−デジタル変換によってサンプリングされた信号であってもよい。
【0022】
しかし、ハードウェアを利用した方式の場合、リップル(ripple)及びネガティブ・クリッピング効果(negative clipping effect)によって精巧な包絡線の検出が困難となり、ダイオードの閾値電圧に起因し小信号の包絡線の検出には適していない。
また、従来の局部発振器とフィルタを利用する方式は、提案しようとする方式に比べて計算が複雑であり、実現するにも多様なモジュールが搭載されることによって電力消費が多い。
【0023】
本発明の一実施形態に係る包絡線検出装置は、所定のサンプリング時間間隔でサンプリングされた信号に二乗和平方根演算処理を行うことにより、容易に包絡線を検出することができる。
本発明の一実施形態に係る包絡線検出装置は、無線電力を利用した通信システムにも適用することができる。
【0024】
包絡線検出装置は、携帯電話またはワイヤレスTVなどの無線電力送信を使用するシステムであって、送受信端間の制御情報及びその他の情報交換に利用される。
また、バイオヘルスケア(bio health care)分野への応用が可能であり、人体に挿入されたデバイスに遠隔で電力を送信したり、心拍数測定のための包帯タイプのデバイスに無線で電力を送信するのに応用されたりもする。
【0025】
無線電力を利用した通信システムは、電源ソースがない情報格納装置の遠隔制御に応用される。
無線電力を利用した通信システムは、情報格納装置に遠隔で装置を駆動することができる電力を供給すると同時に、無線で格納装置に格納された情報を呼び出すシステムに応用されたりもする。
【0026】
無線電力を利用した通信システムは、信号の発生のために電源供給装置からエネルギーをソース共振器に格納し、電源供給装置とソース共振器を電気的に接続するスイッチをオフさせることにより、ソース共振器の自己共振を誘導してもよい。自己共振するソース共振器と相互共振をするだけ十分に近い距離にソース共振器の共振周波数と同じ共振周波数を有するターゲット共振器が存在する場合、ソース共振器とターゲット共振器間に相互共振現象が発生する。
ソース共振器は、電源供給装置からエネルギーが供給される共振器を意味し、ターゲット共振器は、相互共振現象によってエネルギーが伝達される共振器を意味する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力入力部と電力送信部、受信部と電力出力部がキャパシタ及びスイッチによって物理的に分離した無線電力を利用した通信システムの等価回路図である。
【0028】
図1を参照すると、無線電力を利用した通信システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造である。
無線電力を利用した通信システムは、ソースに該当する無線電力送信装置とターゲットに該当する無線電力受信装置を含む。
無線電力送信装置は、電力入力部110、電力送信部120、及びスイッチ部130を含む。
【0029】
電力入力部110は、入力電圧(V
DC)、内部抵抗(R
in)、及びキャパシタ(C
1)を含み、電力送信部120は、電力送信部120に対応する物理的性質を反映する、基礎回路素子(R
1、L
1、C
1)を含み、スイッチ部130は複数のスイッチでモデリングされてもよい。スイッチとしては、オン/オフ機能を実行することができる能動素子が使用されてもよい。Rは抵抗成分、Lはインダクタ成分、Cはキャパシタ成分を意味する。入力電圧(V
DC)のうちでキャパシタ(C
1)にかかる電圧は、V
inで表示される。
【0030】
電力入力部110は、電源供給装置を利用してキャパシタにエネルギーを格納する。
スイッチ部130は、キャパシタにエネルギーが格納される間は電力入力部110とキャパシタを連結し、キャパシタに格納されたエネルギーを放電する間は電力入力部110と連結していたキャパシタを電力送信部120に連結する。スイッチ部130は、キャパシタが同時に電力入力部110と電力送信部120に連結しないようにする。
【0031】
電力送信部120は、電磁気エネルギーを受信部140に伝達する。
より具体的には、電力送信部120の送信コイル(L
1)は、受信部140の受信コイル(L
2)との相互共振によって電力を伝達する。
送信コイル(L
1)と受信コイル(L
2)の間に発生する相互共振の程度は、相互インダクタンスMの影響を受ける。
【0032】
無線電力受信装置は、受信部140、電力出力部150、及びスイッチ部160を含む。
受信部140は、電力送信部120から電磁気エネルギーを受信する。
受信部140は、受信した電磁気エネルギーを連結したキャパシタに格納する。
スイッチ部160は、キャパシタにエネルギーが格納される間は受信部140にキャパシタを連結し、キャパシタに格納されたエネルギーを負荷に伝達する間は、受信部140と連結していたキャパシタを電力出力部150に連結する。スイッチ部160は、キャパシタが同時に受信部140と電力出力部150に連結しないようにする。
【0033】
より具体的には、受信部140の受信コイル(L
2)は、電力送信部120の送信コイル(L
1)との相互共振によって電力を受信する。
受信された電力により、受信コイル(L
2)と連結したキャパシタが充電される。
電力出力部150は、キャパシタに充電された電力をバッテリに伝達する。電力出力部150は、バッテリの代わりに、負荷又はターゲットデバイスに電力を伝達してもよい。
【0034】
受信部140は、受信部140に対応する物理的性質を反映する基礎回路素子(R
2、L
2、C
2)を含み、電力出力部150は連結されたキャパシタ(C
2)及びバッテリを含み、スイッチ部160は複数のスイッチでモデリングされてもよい。受信コイル(L
2)で受信されるエネルギーのうちでキャパシタ(C
2)にかかる電圧は、V
outで表示される。
【0035】
上述したように、電力入力部110と電力送信部120、受信部140と電力出力部150を物理的に分離して電力を送信する、
いわゆるRI(Resonator Isolation)システムは、インピーダンスマッチングを使用した既存の方式に比べて多様な長所を有する。
第1に、DC電源からソース共振器に直接に電力供給が可能であるため、電力増幅器を使用しなくてもよい。
第2に、受信端のキャパシタに充電された電力でエネルギーをキャプチャ(capture)するため、整流器による整流作業が必要ない。
第3に、インピーダンスマッチングをする必要がないため、送信効率が送信端と受信端の間の距離変化に敏感でない。さらに、複数の送信端及び複数の受信端を含む無線電力送信システムへの拡張が容易である。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態に係る電力充電部と送信部、充電部と電力出力部がスイッチによって物理的に分離した無線電力を利用した通信システムの等価回路図である。
【0037】
図2を参照すると、無線電力を利用した通信システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造である。
すなわち、無線電力を利用した通信システムは、ソースに該当する無線電力送信装置とターゲットに該当する無線電力受信装置を含む。
【0038】
無線電力送信装置は、電力充電部210、制御部220、及び送信部230を含む。
電力充電部210は、電源供給装置(V
in)と抵抗(R
in)で構成される。
ソース共振器は、キャパシタ(C
1)とインダクタ(L
1)で構成される。
送信部230は、ソース共振器とターゲット共振器の間の相互共振によってソース共振器に格納されたエネルギーを送信する。
【0039】
制御部220は、電力充電部210からソース共振器に電力を供給するためにスイッチをオン(on)する。電源供給装置(V
in)からキャパシタ(C
1)に電圧が印加され、インダクタ(L
1)に電流が印加される。正常状態に到達するようになれば、キャパシタ(C
1)に印加される電圧は0になり、インダクタ(L
1)に流れる電流はV
in/R
inの値を有するようになる。正常状態で、インダクタ(L
1)には、印加される電流によって電力が充電される。
【0040】
制御部220は、正常状態でソース共振器に充電された電力が所定値に到達すれば、スイッチをオフ(off)する。
例えば、所定値は、ソース共振器に格納されることができる電力容量に基づいて決定されてもよい。例えば、所定値は、ソース共振器に格納されることができる電力容量の90%の値で決定されてもよい。所定値に関する情報は制御部220に設定されてもよい。
【0041】
電力充電部210と送信部230は分離する。
ここで、ソース共振器は、キャパシタ(C
1)とインダクタ(L
1)の間に自己共振を開始する。
相互インダクタンス(M)270に基づき、ソース共振器とターゲット共振器の間の相互共振により、ソース共振器に格納されたエネルギーはターゲット共振器に伝達される。
【0042】
ここで、ソース共振器の共振周波数(f
1)とターゲット共振器の共振周波数(f
2)は同じである。
【0043】
無線電力受信装置は、充電部240、制御部250、及び電力出力部260を含む。
ターゲット共振器は、キャパシタ(C
2)とインダクタ(L
2)で構成される。ソース共振器とターゲット共振器の間で相互共振をするときは、ソース共振器は電源供給装置(V
in)と分離しており、ターゲット共振器は負荷(LOAD)及びキャパシタ(C
L)と分離している。
ターゲット共振器のキャパシタ(C
2)とインダクタ(L
2)は、相互共振によって電力を充電する。制御部250は、ターゲット共振器に電力を充電するためにスイッチをオフ(off)する。スイッチがオフである間、ターゲット共振器の共振周波数とソース共振器の共振周波数は一致し、相互共振が発生する。
制御部250は、ターゲット共振器に充電された電力が所定値に到達すれば、スイッチをオン(on)する。所定値に関する情報は制御部250に設定されてもよい。
【0044】
スイッチがオンされればキャパシタ(C
L)が連結し、ターゲット共振器の共振周波数がf
2からf
2’に変更される。ここで、f
2’は、下記のように示される。
【0045】
したがって、ソース共振器とターゲット共振器間の相互共振が終了する。
より具体的には、ターゲット共振器のQを考慮し、f
2’がf
2よりも十分に小さければ相互共振チャネルが消滅する。
また、電力出力部260は、キャパシタ(C
2)とインダクタ(L
2)に充電された電力を負荷(LOAD)に伝達する。電力出力部260は、負荷(LOAD)の必要に適した方式によって電力を伝達してもよい。
【0046】
制御部250は、ターゲット共振器に充電された電力が所定値未満の値を有するようになれば、スイッチをオフ(off)する。
充電部240は、ソース共振器とターゲット共振器間の相互共振によって再びターゲット共振器に電力を充電する。
ソース共振器とターゲット共振器間に相互共振が発生するときは、スイッチが連結されない。したがって、スイッチの連結による送信効率の減少を予防することができる。
【0047】
図1の場合と比較し、キャパシタに充電されたエネルギーを伝達する方式に比べて、ターゲット共振器に格納されたエネルギーのキャプチャ(capture)時点を制御することがより容易となる。
キャパシタに充電されたエネルギーを伝達する方式は、キャパシタに充電されたエネルギーだけをキャプチャしてもよいが、共振周波数を変更してエネルギーをキャプチャする方式は、ターゲット共振器のインダクタ及びキャパシタに格納されたエネルギーをキャプチャするため、エネルギーのキャプチャ時点に対する自由度が向上する。
【0048】
RI(Resonator Isolation)システムの送信端は、電力あるいはデータの送信のために、スイッチの接続によってソース共振器にエネルギーの充電と放電過程を繰り返し行う。
このような一度のエネルギーの充電と放電工程を1つのシンボルで定義してもよい。受信端は、送信端から送信されたエネルギー又はデータを受信するために、送信端の充電及び放電を繰り返すスイッチの動作周期に合わせ、適切な時間同期を有して受信端のスイッチの動作が行われなければならない。受信端は、送信端の動作に合わせて時間同期を一定に維持する時間同期作業が継続して行われなければならない。
【0049】
受信端は、送信端のスイッチがいつオフ(off)になっていつオン(on)になるのか、またいつ相互共振を開始し、いつターゲット共振器に格納されたエネルギーがピーク値を有するのかを知る必要がある。
スイッチのオン/オフタイムに関する情報を知り、送信端のオン/オフタイムに関する情報に合うようにスイッチを動作させる工程を時間同期化工程と定義してもよい。スイッチのオン/オフタイムに関する情報を知るためには、送信端から送信されたデータを解釈しなければならない。包絡線検出動作は、データを解釈する過程において必要である。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態によって正弦波から検出された包絡線を示すグラフである。
正弦波の包絡線(envelope)は、正弦波のピーク値を連結されうる。任意の連続的な正弦波x(t)は、以下の数式(1)のように表現される。
【0051】
[数1]
x(t)=Asin(ωt+θ)・・・(1)
【0052】
ここで、Aは正弦波の振幅で任意の定数値であり、θは0から2πの値を有する位相である。
x(t)をサンプリングした信号[x(ωt1)、x(ωt2)、…、x(ωtm)]は、[x(1)、x(2)、…、x(m)]のサンプルシーケンス(sample sequence)で表現される。
ここで、2つのサンプル信号間の間隔を△tと定義する。サンプルシーケンス[x(1)、x(2)、…、x(m)]は、サンプル信号間の間隔△tを利用して以下の数式(2)のように表現される。
【0053】
[数2]
[Asin(ωt1)、Asin(ωt1+ω△t)、Asin(ωt1+2ω△t)、…、Asin(ωt1+(m−1)ω△t)]・・・(2)
【0054】
ここで、△tが△t=(1/2+n)×π/ωの条件を満たせば、数式(2)は次のように表現される。ここで、nは任意の整数であり、ωは
角周波数を意味する。
【0055】
[Asin(ωt1)、Acos(ωt1)、−Asin(ωt1)、−Acos(ωt1)、…] ifn=even
[Asin(ωt1)、−Acos(ωt1)、−Asin(ωt1)、Acos(ωt1)、…] ifn=odd
【0056】
△t=(1/2+n)×(π/ω)の条件を満たせば、サンプルシーケンスは、±Asin(ωt1)と±Acos(ωt1)信号の反復した形態で表現される。
【0057】
ここで、2つの隣接サンプル信号を二乗演算処理して加えれば、以下の数式(3)のように包絡線成分の二乗であるA
2だけが残り、キャリア成分である正弦波信号は除去される。
【0058】
[数3]
(±Asin(ωt1))
2+(±Acos(ωt1))
2=A
2・・・(3)
【0059】
数式(3)において、包絡線成分の二乗を平方根演算処理すれば、最終的に包絡線成分であるA値が抽出される。
【0060】
図4は、本発明の一実施形態に係る包絡線検出装置のブロック図である。
図4を参照すれば、包絡線検出装置は、サンプリング部410、制御部420、及び包絡線検出部430を含む。
【0061】
サンプリング部410は、変調信号のサンプリングを行う。
このとき、変調信号は、包絡線成分とキャリア成分を含んでもよい。変調信号は、ソース共振器とターゲット共振器間の相互共振によってターゲット共振器に格納されたエネルギーの波形である。変調信号は音声アナログ信号であってもよく、映像アナログ信号であってもよい。
【0062】
サンプリング部410は、所定の時間間隔を有して変調信号をサンプリングする。
このとき、所定の時間間隔は(1/2+n)×(π/ω)に対応する。
ここで、nは任意の整数であり、0、1、2、3などを含んでもよく、ωは
角周波数を意味する。
所定の時間間隔が(1/2+n)×(π/ω)条件を満たせば、サンプリング信号は、同じキャリア周波数成分を有するサイン信号とコサイン信号で表現される。
【0063】
サンプリング部410は、変調信号の帯域幅(Bandwidth)の値に基づいて(1/2+n)×(π/ω)条件のnの値を決定する。n値が大きくなれば、隣接した2つのサンプリング信号間の時間間隔が大きくなる。
【0064】
変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さければ、サンプリング部410はnの値を大きくし、サンプリング時間間隔を大きくする。変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さければ、サンプリング部410はnの値を大きくし、低いサンプリングレートで変調信号をサンプリングする。
【0065】
変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さければ、低いサンプリングレートでサンプリングされたサンプリング信号によっても精巧に包絡線の検出が可能となる。
変調信号の帯域幅と変調信号のキャリア周波数の間には予め設定された値を基準として、変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さいかが決定される。
【0066】
制御部420は、変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接した2つのサンプリングされた信号間に二乗和(SS:Square−Sum)演算を実行する。
ここで、隣接した2つのサンプリングされた信号間の時間間隔は(1/2+n)×(π/ω)を満たす。
二乗和演算とは、隣接した2つのサンプリングされた信号それぞれを二乗し、二乗したそれぞれの隣接した2つのサンプリングされた信号を加えることを意味する。
【0067】
制御部420は、二乗和演算によって変調信号からキャリア成分を除去する。
隣接した2つのサンプリングされた信号間の時間間隔が(1/2+n)×(π/ω)を満たせば、制御部420は同じキャリア周波数成分を有するサイン信号とコサイン信号を二乗して加えることにより、サイン信号成分とコサイン信号成分を除去できるためである。
【0068】
制御部420は、二乗処理部421と合成部423を含む。
二乗処理部421は、隣接した2つのサンプリングされた信号それぞれを二乗する。
二乗処理部421は、二乗和演算で二乗演算を実行してもよい。
合成部423は、二乗した信号を合成する。合成部423は、二乗和演算で合演算を実行してもよい。
【0069】
包絡線検出部430は、キャリア成分が除去された変調信号から変調信号の包絡線を検出する。
包絡線検出部430は、二乗和(SS)演算の結果値を平方根(Square Root)処理して変調信号の包絡線を検出する。二乗和演算の結果値は、変調信号の包絡線成分の二乗値を示す。
包絡線検出部430は、平方根演算によって変調信号の包絡線成分を検出する。
【0070】
制御部420は、二乗和平方根(SSR:Square−Sum−Root)演算を実行する。
制御部420は、包絡線検出部430の機能を実行することによって変調信号からキャリア成分を除去し、包絡線成分を検出する。
二乗和平方根演算は、隣接した2つのサンプリング信号それぞれを二乗し、二乗した結果を合わせた後、平方根処理を行うものである。
【0071】
変調信号から4つのサンプリング信号をサンプリングする場合に、サンプリングされた信号は、サンプリングされた順に、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、及び第4サンプリング信号とする。
【0072】
制御部420は、第1サンプリング信号と第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、第3サンプリング信号と第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成する。
ここで、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、及び第4サンプリング信号に含まれているキャリア成分が除去される。
制御部420は、4つのサンプリング信号のうちで隣接する第1、第2サンプリング信号を利用して1つの包絡線成分の二乗値を検出し、隣接する第3、第4サンプリング信号を利用してさらに他の1つの包絡線成分の二乗値を検出する。
【0073】
あるいは、制御部420は、第1サンプリング信号と第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、第2サンプリング信号と第3サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、第3サンプリング信号と第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成してもよい。
ここで、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、及び第4サンプリング信号に含まれているキャリア成分が除去される。制御部420は、順に隣接する2つのサンプリング信号ごとに二乗和演算を実行することにより、サンプリングレートと同じ比率の包絡線成分の二乗値を検出してもよい。
【0074】
サンプリングされた信号は、ソース共振器とターゲット共振器間の相互共振によってターゲット共振器に格納されたエネルギーの波形でアナログ−デジタル変換(Analog Digital Conversion)サンプリングされた信号であり得る。変調信号は、エネルギーのレベルに従って変調された信号であり得る。
【0075】
包絡線検出装置は、傾き計算部440及び推定部450をさらに含んでもよい。
傾き計算部440は、検出された包絡線の傾きを計算する。傾き計算部440は、検出された包絡線で一定の間隔を有する2つの地点間の傾きを計算する。また、傾き計算部440は、検出された包絡線の各地点で接線の傾きを計算してもよい。
【0076】
推定部450は、計算された包絡線の傾きが最大Nになる時点を、ソース共振器とターゲット共振器間の相互共振開始点として推定する。
推定部450は、相互共振開始点を推定することにより、ソースとターゲットの間の信号を同期化させる。
【0077】
無線電力を送信する送信端と無線電力を受信する受信端の間に相互共振が開始する時点で、包絡線の傾きが最大になる。
推定部450は、以下の式を利用して相互共振開始点を推定してもよい。
【0078】
ここで、「signal_start_point」は相互共振開始点を意味し、iは包絡線の地点を意味し、gapは包絡線の2つの地点間の一定の間隔を意味する。
すなわち、「signal_start_point」は、包絡線で一定の間隔を有する2つの地点間の傾きが最大になる場合のiとして推定する。
【0079】
サンプリングされた信号は、音声アナログ信号からアナログ−デジタル変換サンプリングされた信号であってもよく、変調信号は、音声データが変調した信号であってもよい。
また、サンプリングされた信号は、映像アナログ信号からアナログ−デジタル変換サンプリングされた信号であってもよく、変調信号は、映像データが変調した信号であってもよい。
【0080】
制御部420は、包絡線検出装置の全般的な制御を担当し、サンプリング部410、包絡線検出部430、傾き計算部440、及び推定部450の機能の実行を制御する。
図4の実施形態でこれら各部を別途に構成して示したのは、各機能を区別して説明するためである。したがって、実際に製品を実現する場合に、これらすべてを制御部420で処理するように構成してもよく、これらのうちの一部のみを制御部420で処理するように構成してもよい。
【0081】
図5は、本発明の他の一実施形態に係る包絡線検出装置のブロック図である。
図5を参照すると、包絡線検出装置は、サンプリング部510、制御部520、及び計算部530を含む。
【0082】
サンプリング部510は、変調信号のサンプリングを実行する。
ここで、変調信号は、包絡線成分とキャリア成分を含む。変調信号は、ソース共振器とターゲット共振器間の相互共振によってターゲット共振器に格納されたエネルギーの波形であり得る。変調信号は音声アナログ信号であってもよく、映像アナログ信号であってもよい。
【0083】
サンプリング部510は、所定の時間間隔で変調信号をサンプリングする。
このとき、所定の時間間隔は(1/2+n)×(π/ω)に対応する。ここで、nは任意の整数であり、ωは
角周波数を意味する。
【0084】
サンプリング部510は、変調信号の帯域幅の値に基づいてサンプリング時間間隔を決定する。
サンプリング部510は、変調信号の帯域幅の値が大きくなれば、サンプリング時間間隔を小さくしてもよい。サンプリング部510は、変調信号の帯域幅の値が小さくなれば、サンプリング時間間隔を大きくしてもよい。すなわち、サンプリング部510は、変調信号の帯域幅の値の変化と反比例するようにサンプリング時間間隔を調節する。
【0085】
計算部530は、変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接する2つのサンプリングされた信号間に二乗和演算を実行し、変調信号の包絡線成分の二乗値を計算する。
二乗和演算とは、隣接した2つのサンプリング信号それぞれを二乗し、二乗した結果を加えることを意味する。
【0086】
計算部530は、変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接する2つのサンプリングされた信号間に二乗和平方根演算を実行し、変調信号の包絡線成分を計算する。
二乗和平方根演算は、隣接した2つのサンプリング信号それぞれを二乗し、二乗した結果を合わせた後に平方根処理を行うものである。
計算部530は、隣接する2つのサンプリングされた信号ごとに順に二乗和演算を実行し、変調信号をサンプリングするサンプリングレートと同じ比率で包絡線成分の二乗値を計算する。
【0087】
制御部520は、包絡線検出装置の全般的な制御を担当し、サンプリング部510及び計算部530の機能の実行を制御する。
図5の実施形態でこれらを別途に構成して示すのは、各機能を区別して説明するためである。したがって、実際に製品を実現する場合に、これらすべてを制御部520で処理するように構成してもよく、これらのうちの一部のみを制御部520で処理するように構成してもよい。
【0088】
図4のサンプリング部410、制御部420、二乗処理部421、合成部423、包絡線検出部430、傾き計算部440、及び推定部450と、
図5のサンプリング部510、制御部520、及び計算部530それぞれは、
(1)1つ以上のマイクロプロセッサ、(2)デジタル信号プロセッサが搭載された1つ以上のプロセッサ、(3)デジタル信号プロセッサが搭載されていない1つ以上のプロセッサ、(4)1つ以上のコンピュータチップ、(5)1つ以上のFPGA(Field Programmable Gate Array)、(6)1つ以上のコントローラ、(7)1つ以上のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、(8)1つ以上のコンピュータ、(9)定義された方式によって命令語を実行するよう対応できるデバイスのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0089】
図4のサンプリング部410、制御部420、二乗処理部421、合成部423、包絡線検出部430、傾き計算部440、及び推定部450と、
図5のサンプリング部510、制御部520、及び計算部530それぞれは、1つ以上のメモリを含んでもよい。例えば、メモリとしては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んでもよい。
【0090】
図6は、本発明の一実施形態に係るサンプリング信号のハーフレート(half rate)で変調信号の包絡線を検出する工程を示す図である。
ここで、例えば、サンプリング信号は、
図4又は
図5の包絡線検出装置でサンプリングされる信号を意味する。
【0091】
包絡線を検出しようとする変調信号x(t)は、以下のとおり、包絡線成分R(t)とキャリア成分cos(ωt+θ)で表現される。
x(t)=R(t)cos(ωt+θ)
【0092】
ここで、θは0から2πの値を有する位相(phase)である。
x(t)をサンプリングした信号[x(ωt1)、x(ωt2)、…、x(ωtm)]は、[x(1)、x(2)、…、x(m)]のサンプルシーケンス(sample sequence)で表現され得る。
ここで、2つのサンプル信号間の間隔を△tと定義する。
【0093】
図6を参照すると、サンプルシーケンス610は、[x(1)、x(2)、x(3)、x(4)、…、x(2m)、x(2m+1)]で表現される。
包絡線検出装置は、変調信号から(2m+1)つのサンプリング信号をサンプリングする。このとき、サンプリング信号間のサンプリング時間間隔△tは、△t=(1/2+n)×(π/ω)の条件が満たされるように設定される。ここで、nは任意の整数であり、ωは
角周波数を意味する。
包絡線検出装置は、隣接する2つのサンプリング信号を二乗和平方根演算処理することにより、変調信号の包絡線を検出する。
【0094】
包絡線検出装置は、それぞれのサンプリング信号を二乗する。
例えば、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(1)を二乗(621)、サンプリング信号x(2)を二乗(623)、サンプリング信号x(3)を二乗(625)、サンプリング信号x(4)を二乗(627)、…、サンプリング信号x(2m)を二乗、サンプリング信号x(2m+1)を二乗する。
【0095】
包絡線検出装置は、サンプリング時間間隔△tが△t=(1/2+n)×(π/ω)の条件を満たせば、隣接する2つのサンプリング信号の二乗値を合算してキャリア成分を除去する。
例えば、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(1)の二乗値とサンプリング信号x(2)の二乗値を合算(631)する。また、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(3)の二乗値とサンプリング信号x(4)の二乗値を合算(633)する。続いて、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(2m)の二乗値とサンプリング信号x(2m+1)の二乗値を合算する。
【0096】
包絡線検出装置は、2つのサンプリング信号の二乗値を合算した結果を平方根処理することにより、包絡線成分を検出する。
例えば、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(1)の二乗値とサンプリング信号x(2)の二乗値の合算(631)結果を平方根(641)処理することにより、包絡線成分R(1)を検出する。
包絡線検出装置は、サンプリング信号x(3)の二乗値とサンプリング信号x(4)の二乗値の合算(633)結果を平方根(643)処理することにより、包絡線成分R(2)を検出する。次に、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(2m)の二乗値とサンプリング信号x(2m+1)の二乗値の合算結果を平方根処理することにより、包絡線成分R(m)を検出する。
【0097】
結果的に、包絡線検出装置は、包絡線成分のシーケンス650で構成された包絡線を検出する。
ここで、包絡線検出装置は、(2m+1)つのサンプリング信号からm個の包絡線成分を検出して変調信号の包絡線を推定する。
すなわち、変調信号のサンプリングレートに比べて半分の比率で包絡線成分を検出して包絡線を推定することができる。
【0098】
図7は、本発明の一実施形態に係るサンプリング信号のハーフレートで検出された包絡線を示すグラフである。
ここで、例えば、サンプリング信号は、
図4又は
図5の包絡線検出装置でサンプリングされる信号を意味する。
【0099】
図6では、x(1)とx(2)、x(3)とx(4)、…x(2m)とx(2m+1)間に二乗和平方根演算が行われる。
その結果、m個の包絡線成分が検出される。
図7は、
図6で説明した方式によって計算された変調信号のサンプリング信号と包絡線成分を示す。
【0100】
図7を参照すると、変調信号は、包絡線710とキャリア成分720で表現され得る。
ここで、隣接する2つのサンプリング信号731、733の間に二乗和平方根演算が行われれば、包絡線成分735が検出される。
隣接する2つのサンプリング信号741、743の間に二乗和平方根演算が行われれば、包絡線成分745が検出される。続いて、包絡線検出装置は、変調信号からサンプリングされた隣接する2つのサンプリング信号を二乗和平方根演算処理して包絡線成分を検出する。包絡線検出装置は、包絡線成分を連結して変調信号の包絡線710を推定する。
【0101】
図8は、本発明の一実施形態に係るサンプリング信号と同じレート(uniform rate)で変調信号の包絡線を検出する工程を説明するための図である。
ここで、例えば、サンプリング信号は、
図4又は
図5の包絡線検出装置でサンプリングされる信号を意味する。
【0102】
図8を参照すると、サンプルシーケンス810は、[x(1)、x(2)、x(3)、x(4)、…、x(2m)、x(2m+1)]で表現される。
包絡線検出装置は、変調信号から(2m+1)つのサンプリング信号をサンプリングする。
このとき、サンプリング信号間のサンプリング時間間隔△tは、△t=(1/2+n)×(π/ω)の条件が満たされるように設定される。ここで、nは任意の整数であり、ωは
角周波数を意味する。
【0103】
包絡線検出装置は、隣接する2つのサンプリング信号を二乗和平方根演算処理することにより、変調信号の包絡線を検出する。
包絡線検出装置は、それぞれのサンプリング信号を二乗する。
例えば、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(1)を二乗(821)、サンプリング信号x(2)を二乗(823)、サンプリング信号x(3)を二乗(825)、サンプリング信号x(4)を二乗(827)、…、サンプリング信号x(2m)を二乗、サンプリング信号x(2m+1)を二乗する。
【0104】
包絡線検出装置は、サンプリング時間間隔△tが△t=(1/2+n)×(π/ω)の条件を満たせば、隣接する2つのサンプリング信号の二乗値を合算してキャリア成分を除去する。
【0105】
図6とは異なり、
図8における包絡線検出装置は、サンプリング信号x(1)の二乗値とサンプリング信号x(2)の二乗値を合算831する。
また、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(2)の二乗値とサンプリング信号x(3)の二乗値を合算833する。すなわち、サンプリング信号x(2)が重複して合算に利用される。包絡線検出装置は、サンプリング信号x(3)の二乗値とサンプリング信号x(4)の二乗値を合算(835)する。続いて、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(2m)の二乗値とサンプリング信号x(2m+1)の二乗値を合算する。
【0106】
包絡線検出装置は、2つのサンプリング信号の二乗値を合算した結果を平方根処理することにより、包絡線成分を検出する。
例えば、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(1)の二乗値とサンプリング信号x(2)の二乗値の合算(831)結果を平方根(841)処理することにより、包絡線成分R(1)を検出する。
包絡線検出装置は、サンプリング信号x(2)の二乗値とサンプリング信号x(3)の二乗値の合算(833)結果を平方根(843)処理することにより、包絡線成分R(2)を検出する。
【0107】
包絡線検出装置は、サンプリング信号x(3)の二乗値とサンプリング信号x(4)の二乗値の合算(835)結果を平方根(845)処理することにより、包絡線成分R(3)を検出する。次に、包絡線検出装置は、サンプリング信号x(2m)の二乗値とサンプリング信号x(2m+1)の二乗値の合算結果を平方根処理することにより、包絡線成分R(2m)を検出する。
図6の場合と異なり、包絡線検出装置は、サンプリング信号を重複して二乗和平方根(SSR)演算処理することにより、さらに多くの数の包絡線成分を検出することができる。
【0108】
結果的に、包絡線検出装置は、包絡線成分のシーケンス850で構成された包絡線を検出する。
ここで、包絡線検出装置は、(2m+1)つのサンプリング信号から2m個の包絡線成分を検出して変調信号の包絡線を推定する。すなわち、変調信号のサンプリングレートにほぼ同じ比率で包絡線成分を検出して包絡線を推定する。
従って、包絡線成分がさらに多く検出されるため、より精巧に包絡線が推定することができる。
【0109】
図9は、本発明の一実施形態に係るサンプリング信号と同じ比率で検出された包絡線を示すグラフである。
【0110】
図8では、x(1)とx(2)、x(2)とx(3)、x(3)とx(4)、…x(2m)とx(2m+1)の間に二乗和平方根演算が行われる。
その結果、2m個の包絡線成分が検出される。
図9は、
図8で説明した方式で計算された変調信号のサンプリング信号と包絡線成分を示す。
【0111】
図9を参照すると、変調信号は、包絡線910とキャリア成分920で表現され得る。
ここで、隣接する2つのサンプリング信号(930)間に二乗和平方根演算が行われれば、包絡線成分が検出される。また、隣接する2つのサンプリング信号(940)間に二乗和平方根演算が行われれば、包絡線成分が検出される。続いて、包絡線検出装置は、変調信号からサンプリングされた隣接する2つのサンプリング信号(950)を二乗和平方根演算処理して包絡線成分を検出する。包絡線検出装置は、包絡線成分を連結して変調信号の包絡線910を推定する。
【0112】
図10は、本発明の一実施形態に係る包絡線検出方法を説明するためのフローチャートである。
ステップS1010で、包絡線検出装置は、所定の時間間隔で変調信号をサンプリングする。
このとき、所定の時間間隔は(1/2+n)×(π/ω)に対応する。ここで、nは任意の整数であり、0、1、2、3などを含んでもよく、ωは
角周波数を意味する。包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅の値に基づいて(1/2+n)×(π/ω)条件のnの値を決定する。n値が大きくなれば、隣接した2つのサンプリング信号間の時間間隔が大きくなる。
【0113】
包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さければnの値を大きくし、サンプリング時間間隔を大きくしてもよい。
また、包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅が変調信号のキャリア周波数に比べて十分に小さければnの値を大きくし、低いサンプリングレートで変調信号をサンプリングしてもよい。
【0114】
ステップS1020で、包絡線検出装置は、変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接した2つのサンプリングされた信号間に二乗和演算を実行する。
このとき、隣接した2つのサンプリング信号間の時間間隔は(1/2+n)×(π/ω)を満たす。二乗和演算とは、隣接した2つのサンプリングされた信号それぞれを二乗し、二乗したそれぞれの隣接した2つのサンプリングされた信号を加えることを意味する。
【0115】
包絡線検出装置は、二乗和演算によって変調信号からキャリア成分を除去する。
隣接した2つのサンプリングされた信号間の時間間隔が(1/2+n)×(π/ω)を満たせば、包絡線検出装置は同じキャリア周波数成分を有するサイン信号とコサイン信号を二乗して加えることにより、サイン信号成分とコサイン信号成分が除去される。
【0116】
包絡線検出装置は、隣接した2つのサンプリングされた信号それぞれを二乗する。
例えば、包絡線検出装置は、二乗和演算で二乗演算を実行してもよい。包絡線検出装置は、二乗和演算で合演算を実行して二乗した信号を合成してもよい。
【0117】
ステップS1030で、包絡線検出装置は、キャリア成分が除去された変調信号から変調信号の包絡線を検出する。
包絡線検出装置は、二乗和演算の結果値を平方根処理して変調信号の包絡線を検出する。二乗和演算の結果値は、変調信号の包絡線成分の二乗値を示す。
【0118】
一例として、変調信号から4つの信号をサンプリングする場合に、サンプリングされた信号は、サンプリングされた順に、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、および第4サンプリング信号とする。
【0119】
包絡線検出装置は、第1サンプリング信号と第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、第3サンプリング信号と第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成する。
ここで、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、及び第4サンプリング信号に含まれているキャリア成分が除去される。
【0120】
包絡線検出装置は、4つのサンプリング信号のうちで隣接する第1サンプリング信号と第2サンプリング信号を利用して1つの包絡線成分の二乗値を検出し、隣接する第3サンプリング信号と第4サンプリング信号を利用してさらに他の1つの包絡線成分の二乗値を検出する。
【0121】
あるいは、包絡線検出装置は、第1サンプリング信号と第2サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、第2サンプリング信号と第3サンプリング信号それぞれを二乗して合成し、第3サンプリング信号と第4サンプリング信号それぞれを二乗して合成してもよい。
ここで、第1サンプリング信号、第2サンプリング信号、第3サンプリング信号、及び第4サンプリング信号に含まれているキャリア成分が除去される。
【0122】
包絡線検出装置は、順に隣接する2つのサンプリング信号を重複しながら二乗和演算を実行することにより、サンプリングレートと同じ比率で包絡線成分の二乗値を検出する。
【0123】
ステップS1040で、包絡線検出装置は、検出された包絡線で一定の間隔を有する2つの地点間の傾きを計算する。
包絡線検出装置は、検出された包絡線の各地点で接線の傾きを計算してもよい。
【0124】
ステップS1050で、包絡線検出装置は、計算された包絡線の傾きが最大になる時点をソース共振器とターゲット共振器間の相互共振開始点として推定する。
包絡線検出装置は、相互共振開始点を推定することにより、ソースとターゲットの間の信号を同期化させ得る。
無線電力を送信する送信端と無線電力を受信する受信端の間に相互共振が開始する時点で、包絡線の傾きが最大に達する。
【0125】
図11は、本発明の他の一実施形態に係る包絡線検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0126】
ステップS1110で、包絡線検出装置は、所定の時間間隔で変調信号をサンプリングする。
このとき、所定の時間間隔は(1/2+n)×(π/ω)に対応する。ここで、nは任意の整数であり、0、1、2、3などを含んでもよく、ωは
角周波数を意味する。
【0127】
ステップS1120で、包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅の値に基づいてサンプリング時間間隔を決定する。
包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅の値が大きくなれば、サンプリング時間間隔を小さくする。包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅の値が小さくなれば、サンプリング時間間隔を大きくする。すなわち、包絡線検出装置は、変調信号の帯域幅の値の変化と反比例するようにサンプリング時間間隔を調節する。
【0128】
ステップS1130で、包絡線検出装置は、変調信号からサンプリングされた信号のうちで隣接する2つのサンプリングされた信号間に二乗和演算を実行し、変調信号の包絡線成分の二乗値を計算する。
【0129】
上述した方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録することができる。
コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むことができる。コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア当業者に公示された使用可能なものでもよい。
【0130】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。