特許第6151010号(P6151010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝映像ソリューション株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000002
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000003
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000004
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000005
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000006
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000007
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000008
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000009
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000010
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000011
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000012
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000013
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000014
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000015
  • 特許6151010-情報処理装置および表示制御方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6151010
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置および表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/265 20060101AFI20170612BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20170612BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20170612BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   H04N5/265
   H04N7/173 630
   G06T3/00
   G09G5/36 520M
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-261402(P2012-261402)
(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2014-107820(P2014-107820A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】東芝映像ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】中西 晃
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−006237(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/094537(WO,A1)
【文献】 特開2010−258848(JP,A)
【文献】 特開2011−130468(JP,A)
【文献】 特開2007−258874(JP,A)
【文献】 特開2002−374540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/265
G06T 3/00
G09G 5/377
H04N 7/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の色画像情報および前記画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する情報処理装置であって、
数系統の前記インターフェースを介して、前記元画像データに含まれる前記色画像情報を含む第1画像データおよび前記元画像データに含まれる前記α情報を前記色画像情報として含む第2画像データを同期して前記外部機器に出力する出力部、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
画像の色画像情報および前記画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する情報処理装置であって、
記元画像データに含まれる前記色画像情報を含む第1画像データおよび前記元画像データに含まれる前記α情報を前記色画像情報として含む第2画像データを圧縮して一の画像データとして前記インターフェースを介して前記外部機器に出力する出力部、
を備えた情報処理装置。
【請求項3】
画像の色画像情報および前記画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する情報処理装置であって、
記元画像データに含まれる前記色画像情報を含む第1画像データまたは前記元画像データに含まれる前記α情報を前記色画像情報として含む第2画像データを交互に前記インターフェースを介して前記外部機器に出力する出力部、
を備えた情報処理装置。
【請求項4】
画像を構成する各画素の色画像情報および前記各画素の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する情報処理装置であって、
前記元画像データに含まれる前記各画素の前記色画像情報のうち前記α情報が透明を表す前記画素の前記色画像情報をクロマキーに置き換えて、前記インターフェースを介して前記外部機器に出力する出力部、
を備えた情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記元画像データが含む前記各画素の前記色画像情報のうち前記クロマキーと同じ値を示し前記α情報が不透明を表す前記色画像情報を、当該色画像情報に近い色画像情報に置き換えて、前記インターフェースを介して前記外部機器に出力する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像の色画像情報および前記画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する表示制御方法であって、
複数系統の前記インターフェースを介して、前記元画像データに含まれる前記色画像情報を含む第1画像データおよび前記元画像データに含まれる前記α情報を前記色画像情報として含む第2画像データを同期して前記外部機器に出力する、
ことを含む表示制御方法。
【請求項7】
画像の色画像情報および前記画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する表示制御方法であって、
前記元画像データに含まれる前記色画像情報を含む第1画像データおよび前記元画像データに含まれる前記α情報を前記色画像情報として含む第2画像データを圧縮して一の画像データとして前記インターフェースを介して前記外部機器に出力する、
ことを含む表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グラフィック画像の色画像情報と当該グラフィック画像の透明度を表すα情報とを含むフォーマットのグラフィックデータを用いて、グラフィック画像を、ビデオ画像などに合成する技術が用いられている。グラフィックスデータを用いたグラフィック画像とビデオ画像との合成処理は、一般的に、一つのSoC(System on a chip)で行われるため、α情報を含むグラフィックスデータがSoCの外部に出力されることはない。
【0003】
仮に、HDMI(High Definition Multimedia Interface)やDisplay Portなどのα情報を伝送できない汎用インターフェースを介してSoCと外部装置とが接続されている場合に、SoCから汎用インターフェースを介して外部装置にα情報を含むグラフィックデータを出力したとしても、α情報を外部装置に伝送することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−191240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ビデオ画像の高解像度化(例えば、4K2K、8K4Kなど)に伴い、ビデオ画像のビデオデータの容量が大きくなり、一つのSoCにおいて、グラフィックデータおよびビデオデータの取得に加えて、グラフィック画像とビデオ画像とを合成する処理を行うことが困難になってきている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、α情報を含むグラフィックデータを出力する情報処理装置と、グラフィックデータが含むα情報に基づいてグラフィック画像のビデオ画像への重ね合わせを行う外部機器とが、汎用インターフェースを介して接続されている場合に、α情報に従ってグラフィック画像とビデオ画像との重ね合わせを可能とする情報処理装置および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、画像の色画像情報および前記画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをインターフェースを介して外部機器に出力する情報処理装置であって、出力部を備える。出力部は、複数系統のインターフェースを介して、元画像データに含まれる色画像情報を含む第1画像データおよび元画像データに含まれるα情報を色画像情報として含む第2画像データを同期して外部機器に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置の主要な信号処理系を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置の特徴的な信号処理系を示すブロック図である。
図3図3は、従来の情報処理装置からのRGBAデータの出力処理を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態にかかる制御部においてRGBAデータを出力する処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態にかかる制御部においてRGBAデータの出力処理を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する例を示す図である。
図8図8は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する例を示す図である。
図10図10は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の例を示す図である。
図12図12は、本実施形態にかかる画像データ伝送システムの構成を示すブロック図である。
図13図13は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置の特徴的な信号処理系を示すブロック図である。
図14図14は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、画像の色画像情報および当該画像の透明度を表すα情報を含む元画像データをHDMIやDisplay Port等のインターフェースを介して外部機器に出力する情報処理装置を備えたテレビジョン放送表示装置に適用した例について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置100のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置の主要な信号処理系を示すブロック図である。
【0011】
BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ121で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子201を介して、放送入力部202が備える衛星デジタル放送用のチューナ202aに供給される。
【0012】
チューナ202aは、制御部205からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器202bに出力する。
【0013】
放送入力部202が備えるPSK復調器202bは、制御部205からの制御信号により、チューナ202aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリーム(TS)を得て、TS復号器202cに出力する。
【0014】
放送入力部202が備えるTS復号器202cは、制御部205からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号および音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を映像音声信号処理部206内のSTDバッファ(図示しない)へ出力する。また、TS復号器202cは、デジタル放送により送られているセクション情報を映像音声信号処理部206内のセクション処理部(図示しない)へ出力する。
【0015】
地上波放送受信用のアンテナ122で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子203を介して、放送入力部202が備える地上デジタル放送用のチューナ204aに供給される。
【0016】
チューナ204aは、制御部205からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局可能とする。チューナ204aは、放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器204bに出力する。
【0017】
放送入力部202が備えるOFDM復調器204bは、制御部205からの制御信号により、チューナ204aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS復号器204cに出力する。
【0018】
放送入力部202が備えるTS復号器204cは、制御部205からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号および音声信号をデパケットすることにより得たPESを映像音声信号処理部206内のSTDバッファへ出力する。また、TS復号器204cは、デジタル放送により送られているセクション情報を映像音声信号処理部206内のセクション処理部(図示しない)へ出力する。
【0019】
映像音声信号処理部206は、テレビ視聴時には、TS復号器202cおよびTS復号器204cからそれぞれ供給されたデジタルの映像信号および音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、バックエンド処理部207および音声処理部208に出力する。また、映像音声信号処理部206は、番組録画時には、TS復号器202cおよびTS復号器204cからそれぞれ供給されたデジタルの映像信号および音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施した信号を、制御部205を介して丸録り録画用記憶装置(例えば、HDD:Hard Disk Drive)271および外部記憶装置226に記録している。
【0020】
なお、本実施形態にかかる丸録りとは、ユーザにより選択された番組コンテンツ単位で録画する予約録画と異なり、ユーザの見逃しを防止するために、各放送チャンネルについて、所定時間帯(一日中を含む)に放送された番組コンテンツ全てを録画する手法とする。なお、録画する時間帯は、放送チャンネル毎に異ならせても良い。
【0021】
また、映像音声信号処理部206は、録画番組再生時には、制御部205を介して丸録り録画用記憶装置271または外部記憶装置226から読み出された録画番組のデータ(映像信号および音声信号)に対して、所定のデジタル信号処理を施し、バックエンド処理部207および音声処理部208に出力する。
【0022】
映像音声信号処理部206が備えるセクション処理部(図示しない)は、TS復号器202c(204c)から入力されたセクション情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報、番組属性情報(番組ジャンル等)、字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を制御部205へ出力する。
【0023】
図1に示す、チューナ202a、PSK復調器202b、TS復号器202c、チューナ204a、OFDM復調器204b、TS復号器204cは、丸録り機能に必要な数以上の系統を備えている。例えば、テレビジョン放送表示装置100が、在京地上波キー局を全て記録できる装置の場合、チューナ204a、OFDM復調器204b、TS復号器204cを7系統以上備えている。
【0024】
制御部205には、映像音声信号処理部206から、番組を取得するための各種データ(B−CASデスクランブル用の鍵情報等)や電子番組ガイド(EPG)情報、番組属性情報(番組ジャンル等)、字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が入力されている。制御部205は、これら入力された情報からEPG情報や字幕情報等を表示するため画像情報を生成し、生成した画像情報をバックエンド処理部207へ出力する。
【0025】
また、制御部205は、番組録画および番組予約録画を制御する機能を有し、番組予約受付時には、表示部214にEPG情報を表示するための画像情報を生成し、生成した画像情報をバックエンド処理部207へ出力するとともに、操作部220またはリモートコントローラ221を介したユーザ入力により予約内容を所定の記憶手段に設定する。そして、制御部205は、設定された時刻に予約番組を録画するようチューナ202a,204a、PSK復調器202b、OFDM復調器204b、TS復号器202c,204cおよび信号処理部206を制御する。
【0026】
また、テレビジョン放送表示装置100は、丸録り録画機能で録画可能な全チャンネルの番組を自動録画する場合、予約とは別に設定された時間帯に各デバイスを制御し録画を行う。
【0027】
OSD(On Screen Display)信号生成部209は、各種情報を設定するための設定画面を表示するための画像情報(OSD信号)を生成して、生成した画像情報をバックエンド処理部207に出力する。
【0028】
バックエンド処理部207は、映像音声信号処理部206から出力されたデジタルの映像信号、OSD信号生成部209で生成されるOSD信号および制御部205により生成された画像情報を映像処理部210に出力する。また、バックエンド処理部207は、映像音声信号処理部206から出力されたデジタルの映像信号と、OSD信号生成部209で生成されるOSD信号と、制御部205により生成された画像情報と、を合成して映像処理部210へ出力する機能を有する。
【0029】
バックエンド処理部207から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部210に供給される。映像処理部210は、入力されたデジタルの映像信号を、表示部214または出力端子211を介して接続された外部機器で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、出力端子211または表示部214に出力して映像表示させる。
【0030】
音声処理部208は、入力されたデジタルの音声信号を、スピーカ213で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、出力端子212を介して接続された外部機器またはスピーカ213に出力して音声再生させる。
【0031】
本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置100は、上記した各種の動作が制御部205によって統括的に制御されている。制御部205は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、操作部220からの操作情報を受け、またはリモートコントローラ221から送出された操作情報を、受光部222を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0032】
制御部205は、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)205aと、当該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)205bと、各種の設定情報および制御情報等が格納される不揮発性メモリ205cとを利用している。
【0033】
また、制御部205は、カードI/F(Interface)223を介して、メモリカード224が装着可能なカードホルダ225に接続されている。これによって、制御部205は、カードホルダ225に装着されたメモリカード224と、カードI/F223を介して情報伝送することができる。
【0034】
また、制御部205は、通信I/F229を介して第1のLAN端子230に接続されている。これにより、制御部205は、第1のLAN端子230に接続されたLAN対応の機器と、通信I/F229を介して情報伝送することができる。
【0035】
また、制御部205は、通信I/F231を介して第2のLAN端子232に接続されている。これにより、制御部205は、第2のLAN端子232に接続されたLAN対応の各種機器と、通信I/F231を介して情報伝送することができる。
【0036】
また、制御部205は、USB I/F233を介してUSB端子234に接続されている。これにより、制御部205は、USB端子234に接続された各種機器(例えば、外部記憶装置226)と、USB I/F233を介して情報伝送することができる。
【0037】
次に、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置100の特徴的なハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置の特徴的な信号処理系を示すブロック図である。
【0038】
本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置100においては、制御部205、映像音声信号処理部206、OSD信号生成部209およびバックエンド処理部207それぞれが独立した半導体チップ(SoC)により構成されている。そして、制御部205、映像音声信号処理部206およびOSD信号生成部209と、バックエンド信号処理部207とは、HDMIやDisplay Port等の汎用のインターフェース204を介して接続されている。
【0039】
このように、制御部205、映像音声信号処理部206、OSD信号生成部209およびバックエンド処理部207をそれぞれ独立した半導体チップによって構成することにより、制御部205、映像音声信号処理部206、OSD信号生成部209およびバックエンド処理部207それぞれの機能を一つの半導体チップに実装したSoCを用いることによる回路規模の大型化やコストの増大を防止することができる。
【0040】
映像音声信号処理部206は、テレビ視聴時には、放送入力部202が備えるTS復号機202cおよびTS復号機204cからそれぞれ供給されたデジタルの映像信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施して、表示対象の映像信号に基づく第1画像301を構成する各画素のYUV(またはRGB)値を表す色画像情報および当該第1画像301を構成する各画素の透明度を表すα情報を含む形式(フォーマット)のYUVA(またはRGBA)データ(元画像データ)に変換し、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する。すなわち、映像音声信号処理部206は、第1画像301を表す色画像情報および当該第1画像301の透明度を表すα情報を含む元画像データをバックエンド信号処理部207(外部機器の一例)に出力する情報処理装置の一例である。
【0041】
また、映像音声信号処理部206は、録画番組再生時も同様に、制御部205を介して丸録り録画用記憶装置271または外部記憶装置226から読み出された録画番組のデータ(映像信号)に対して、所定のデジタル信号処理を施して、録画番組のデータに基づく第1画像301を構成する各画素のYUV(またはRGB)値を表す色画像情報および当該第1画像301を構成する各画素の透明度を表すα情報を含む形式(フォーマット)のYUVA(またはRGBA)データ(元画像データ)に変換し、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する。
【0042】
制御部205は、EPG情報や字幕情報等を表示するために生成した画像情報に基づく第2画像302を構成する各画素のRGB値を表す色画像情報および第2画像302を構成する各画素の透明度を表すα情報を含む形式(フォーマット)のRGBAデータ(元画像データ)に変換し、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する。すなわち、制御部205は、第2画像302を表す色画像情報および当該第2画像302の透明度を表すα情報を含む元画像データをバックエンド信号処理部207に出力する情報処理装置の一例である。
【0043】
OSD信号生成部209は、各種情報を設定するための設定画面を表示するためのOSD信号に対して、所定のデジタル信号処理を施して、OSD信号に基づく第3画像303を構成する各画素のRGB値を表す色画像情報および第3画像303を構成する各画素の透明度を表すα情報を含む形式(フォーマット)のRGBAデータ(元画像データ)に変換し、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する。すなわち、OSD信号生成部209は、第3画像303を表す色画像情報および当該第3画像303の透明度を表すα情報を含む元画像データをバックエンド信号処理部207に出力する情報処理装置の一例である。
【0044】
本実施形態では、映像音声信号処理部206、制御部205およびOSD信号生成部209は、OpenGLに従って、YUVA(またはRGBA)データの出力処理を行うものとするが、これに限定するものではなく、例えば、DirectXなどの他の一般的なAPI(Application Programming Interface)によって、YUVA(またはRGBA)データの出力処理を行っても良い。
【0045】
バックエンド処理部207は、映像音声信号処理部206、制御部205およびOSD信号生成部209それぞれから出力されたYUVA(またはRGBA)データに含まれる色画像情報およびα情報に従って、第1画像301と第2画像302と第3画像303とを重ね合わせた合成画像304を生成する外部機器の一例である。そして、バックエンド処理部207は、生成した合成画像304を、映像処理部210(図1参照)およびLVDS(Low Voltage Differential Signaling)等のインターフェース215を介して表示部214または出力端子211(図1参照)に出力して映像表示させる。
【0046】
次に、図3図5を用いて、映像音声信号処理部206、制御部205およびOSD信号生成部209においてYUVA(RGBA)データを出力する処理について詳細に説明する。図3は、従来の情報処理装置からのRGBAデータの出力処理を説明するための図である。図4は、本実施形態にかかる制御部においてRGBAデータを出力する処理の流れを示すフローチャートである。図5は、本実施形態にかかる制御部においてRGBAデータの出力処理を説明するための図である。なお、以下の説明では、制御部205からのRGBAデータの出力処理について説明するが、映像音声信号処理部206およびOSD信号生成部209からも同様にしてYUVA(またはRGBA)データが出力される。
【0047】
HDMIやDisplay Port等の汎用のインターフェースを介して外部機器と接続された従来の情報処理装置においては、表示対象のグラフィクスオブジェクトのRGBAデータを出力する場合、図3に示すように、まず、当該情報処理装置が備えるVRAM(Video RAM)等の記憶装置に、RGBAデータを描画するための記憶領域(以下、オンスクリーンサーフェースという)を確保するとともに、確保したオンスクリーンサーフェースの予め設定された領域に対してRGBAデータを描画する。
【0048】
情報処理装置におけるRGBAデータの出力処理がOpenGLに従って実行される場合には、情報処理装置は、表示対象のグラックスオブジェクトのRGBAデータを、α情報を含めた形式のままオンスクリーンサーフェースに描画することができる。次いで、情報処理装置は、図3に示すように、オンスクリーンサーフェースに描画したグラフィクスオブジェクトのRGBAデータを、汎用のインターフェースを介して外部機器に出力する。その際、汎用のインターフェースにおいては、α情報を伝送することができないため、情報処理装置から出力されたRGBAデータは、HDMIやDisplay PortやDVI(Digital Visual Interface)等で伝送可能な形式、すなわちα情報を含まない形式のRGBデータとなって外部機器に出力される。
【0049】
一方、本実施形態にかかる制御部205は、表示対象のグラフィクスオブジェクトであるRGBAデータを出力する場合、図5に示すように、まず、制御部205が備えるVRAM等の記憶装置に、オンスクリーンサーフェース以外の記憶領域(以下、オフスクリーンサーフェースという)を確保し、確保したオフスクリーンサーフェースに対して元画像データの一例であるRGBAデータ(以下、元RGBAデータという)を描画する(ステップS401)。本実施形態では、制御部205は、RGBAデータの出力処理がOpenGLに従って実行されるため、フレームバッファオブジェクトを用いることにより、オフスクリーンサーフェースに対して、α情報を含む形式の元RGBAデータを描画する。
【0050】
次いで、制御部205は、図5に示すように、オフスクリーンサーフェースに描画した元RGBAデータをオンスクリーンサーフェースに描画する際に、元RGBAデータからα情報を分離する(ステップS402)。次に、制御部205は、記憶装置にオンスクリーンサーフェースを確保するとともに、分離したα情報を色画像情報として含めたRGBAデータを、オンスクリーンサーフェースに対して描画する(ステップS403)。
【0051】
そして、制御部205は、図5に示すように、オンスクリーンサーフェースに描画されたRGBAデータを、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する(ステップS404)。つまり、制御部205は、表示対象のグラフィックオブジェクトの元RGBAデータ(元画像データの一例)に含まれるα情報を色画像情報として、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する出力部の一例として機能する。
【0052】
これにより、HDMIやDisplay Port等やDVI等の汎用のインターフェース204を介して、バックエンド処理部207に対してα情報を出力することできるので、バックエンド処理部207においてα情報に従った合成画像304の生成することができる。
【0053】
バックエンド処理部207では、制御部205から出力されたRGBAデータに含まれる色画像情報と当該色画像情報として含まれるα情報とから、α情報を含む形式の元RGBAデータを復元する。そして、バックエンド処理部207は、復元した元RGBAデータに含まれるα情報に従って、復元した元RGBAデータに含まれる色画像情報に基づく第2画像と、他の画像(第1画像301、第3画像303)と、を重ね合わせた合成画像304を生成し、生成した合成画像304を表示部214または出力端子211に出力する。本実施形態では、バックエンド処理部207は、3つの画像301〜303を重ね合わせた合成画像304を生成しているが、複数の画像を重ね合わせた合成画像304を生成するものであれば良い。
【0054】
次に、図6〜11を用いて、元画像データに含まれるα情報をインターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する方法の具体例について説明する。
【0055】
図6は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。図7は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する例を示す図である。制御部205は、図7に示すように、まず、オフスクリーンサーフェースを確保し、確保したオフスクリーンサーフェースに対して元RGBAデータ(元画像データの一例)を描画する(ステップS601)。
【0056】
次いで、制御部205は、図7に示すように、オフスクリーンサーフェースに描画された元RGBAデータに含まれるα情報(A=α)を不透明であることを表す値(A=1.0)とした第1RGBAデータ(元画像データに含まれる色画像情報を含む第1画像データの一例)を生成する(ステップS602)。さらに、制御部205は、図7に示すように、オフスクリーンサーフェースに描画された元RGBAデータに含まれるα情報(A=α)を色画像情報(B=α)とした第2RGBAデータ(元画像データに含まれるα情報を色画像情報として含めた第2画像データの一例)を生成する(ステップS603)。
【0057】
例えば、制御部205は、元RGBAデータに含まれるα情報(A=α)を色画像情報(B=α)とし、かつ他の色画像情報を色画像情報(R=0,G=0)とした第2RGBAデータを生成する。本実施形態では、制御部205は、元RGBAデータに含まれるα情報(A=α)をBの色画像情報とした第2RGBAデータを生成しているが、元RGBAデータに含まれるα情報を、RGBの色画像情報のいずれかとした第2RGBAデータを生成するものであれば良い。
【0058】
次に、制御部205は、図7に示すように、当該制御部205が有する記憶装置に、2つのオンスクリーンサーフェースを確保し、確保した2つのオンスクリーンサーフェースそれぞれに、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを描画する(ステップS604)。本実施形態では、制御部205は、当該制御部205が備えるGPU(Graphic Processing Unit)がシェーダプログラムなどを用いて、オフスクリーンサーフェースからオンスクリーンサーフェースに第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを描画する処理を実行する。
【0059】
そして、制御部205は、図7に示すように、複数系統(本実施形態では、2系統)のインターフェース204を介して、2つのオンスクリーンサーフェースに描画された第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを同期してバックエンド処理部207に出力する(ステップS605)。第1RGBAデータおよび第2RGBAデータが同期して出力されるため、バックエンド処理部207は、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータが入力された際に、当該第1RGBAデータおよび第2RGBAデータから容易に元RGBAデータを復元することができる。
【0060】
制御部205は、バックエンド処理部207に出力する元RGBAデータが動画像(第2画像302)を構成する各フレームのRGBAデータである場合、動画像を構成するフレーム毎に、元RGBAデータから、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを生成して、バックエンド処理部207に出力する。
【0061】
図8は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。図9は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する例を示す図である。制御部205は、図8および図9に示すように、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを生成する処理(ステップS601〜ステップS603)は、図6および図7に示す処理と同様である。
【0062】
制御部205は、図9に示すように、オンスクリーンサーフェースを縦方向若しくは横方向に2分割し、分割したオンスクリーンサーフェースのいずれか一方に、第1RGBAデータを圧縮して描画し、分割したオンスクリーンサーフェースの他方に、第2RGBAデータを圧縮して描画する(ステップS801)。
【0063】
具体的には、制御部205は、オンスクリーンサーフェースを縦方向に分割した場合、第1RGBAデータに含まれる色画像情報および第2RGBAデータに含まれる色画像情報それぞれの横方向の解像度を落とすことにより、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを圧縮する。一方、制御部205は、オンスクリーンサーフェースを横方向に分割した場合、第1RGBAデータに含まれる色画像情報および第2RGBAデータに含まれる色画像情報それぞれの縦方向の解像度を落とすことにより、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを圧縮する。
【0064】
オンスクリーンサーフェースに描画可能な画像の縦方向または横方向への解像度が、オフスクリーンサーフェースに描画可能な画像の解像度の2倍である場合には、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを圧縮することなく、オンスクリーンサーフェースに描画することができる。すなわち、制御部205は、オンスクリーンサーフェースに描画可能な画像の縦方向または横方向への解像度に応じて、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを圧縮すれば良い。
【0065】
次いで、制御部205は、図9に示すように、オンスクリーンサーフェースに描画された第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを一つの画像データとしてインターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する(ステップS802)。バックエンド処理部207は、制御部205から出力された一つの画像データに基づく画像を上下または左右に分割した2つの画像から、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを復元するとともに、復元した第1RGBAデータおよび第2RGBAデータからα情報を含む元RGBAデータを復元する。
【0066】
図10は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。図11は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の例を示す図である。制御部205は、図10に示すように、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを生成する処理(ステップS601〜ステップS603)は、図6に示す処理と同様である。
【0067】
制御部205は、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを交互にオンスクリーンサーフェースに対して描画する。本実施形態では、制御部205は、表示部214のフレームレートで、オンスクリーンサーフェースに描画するデータを、第1RGBAデータまたは第2RGBAデータにシーケンシャルに切り替える(ステップS1001)。例えば、制御部205は、表示部214に表示される合成画像304(動画像)のフレームが偶数フレームである場合には、第1RGBAデータをオンスクリーンサーフェースに描画する。一方、制御部205は、表示部214に表示される合成画像304(動画像)のフレームが奇数フレームである場合には、第2RGBAデータをオンスクリーンサーフェースに描画する。
【0068】
次いで、制御部205は、オンスクリーンサーフェースに描画されたデータをインターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力することにより、第1RGBAデータまたは第2RGBAデータを交互に出力する(ステップS1002)。本実施形態では、制御部205は、オンスクリーンサーフェースへの一のデータの描画が完了するまで、新たなデータの描画を禁止することにより、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを交互に出力する。
【0069】
本実施形態では、制御部205は、表示部214のフレームレートで、インターフェースを介してバックエンド処理部207に出力するデータを、第1RGBAデータまたは第2RGBAデータに切り替えているが、第1RGBAデータおよび第2RGBAデータを順次切り替えて出力するものであれば良く、例えば、表示部214の垂直同期信号(Vsync)に同期して、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力するデータを、第1RGBAデータまたは第2RGBAデータに切り替えても良い。
【0070】
本実施形態では、制御部205が、元画像データに含まれるα情報を色画像情報として、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力する例について説明したが、例えば、元画像データに基づく画像のステンシル情報を、色画像情報として、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力することも可能である。
【0071】
また、制御部205は、元画像データに基づく画像の奥行き情報(デプスバッファ情報)を、色画像情報として、インターフェース204を介してバックエンド処理部207に出力することも可能である。その際、制御部205は、奥行き情報のデータ量が、色画像情報として出力可能なデータ量を超えた場合、奥行き情報の下位のビットを削除等して奥行き情報を圧縮して色画像情報として出力する。
【0072】
このように、第1の実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置100によれば、α情報を含む元画像データを出力する情報処理装置(制御部205、映像音声信号処理部206、OSD信号生成部209)と、元画像データに基づく画像を他の画像に重ね合わせる外部機器(バックエンド処理部207)とが、汎用のインターフェース204を介して接続されている場合でも、α情報を外部機器に伝送することができるので、α情報に従って元画像データに基づく画像と他の画像との重ね合わせが可能となる。
【0073】
(第2の実施形態)
本実施形態は、元画像データを出力する情報処理装置がテレビジョン放送表示装置の外部に存在する例である。以下の説明では、第1の実施形態と異なる箇所について説明する。
【0074】
図12は、本実施形態にかかる画像データ伝送システムの構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置1200は、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ1210、ノートPC(Personal Computer)1220などの外部機器をHDMIやDisplay Port等の汎用のインターフェース204を接続可能な複数の入力端子1202を備えている。
【0075】
そして、本実施形態では、バックエンド処理部1201には、映像音声信号処理部206、制御部205およびOSD信号生成部209それぞれから出力されたYUVA(またはRGBA)データに加えて、入力端子1202を介してDVDプレーヤ1210およびノートPC1220等から出力されたYUVA(RGBA)データが入力される。そして、バックエンド処理部1201は、DVDプレーヤ1210およびノートPC1220等から出力されたYUVA(RGBA)データについても、第1の実施形態と同様にして、当該YUVA(またはRGBA)データに含まれる色画像情報およびα情報に従って、第1画像301と第2画像302と第3画像303とを重ね合わせた合成画像304を生成する。
【0076】
また、入力端子1202にインターフェース204を介して接続されたDVDプレーヤ1210およびノートPC1220は、第1の実施形態にかかる映像音声信号処理部206、制御部205およびOSD信号生成部209と同様にして、YUVA(RGBA)データを出力する。
【0077】
このように、第2の実施形態の画像データ伝送システムによれば、α情報を含む元画像データを出力する情報処理装置(DVDプレーヤ1210およびノートPC1220等)がテレビジョン放送表示装置1200の外部にある場合でも、α情報を外部機器に伝送することができるので、α情報に従って元画像データに基づく画像と他の画像との重ね合わせが可能となる。
【0078】
(第3の実施形態)
本実施形態は、元画像データに含まれる各画素の色画像情報のうちα情報が透明を表す画素の色画像情報をクロマキーに置き換えて、インターフェースを介して外部機器に出力する例である。以下の説明では、第1の実施形態と異なる箇所について説明する。
【0079】
図13は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置の特徴的な信号処理系を示すブロック図である。図14は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の流れを示すフローチャートである。図15は、本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置においてα情報を外部機器に出力する処理の例を示す図である。なお、以下の説明では、制御部1303からのRGBAデータの出力処理について説明するが、映像音声信号処理部1302およびOSD信号生成部1304からも同様にしてYUVA(RGBA)データが出力される。
【0080】
本実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置1300の制御部1303は、表示対象のグラフィックオブジェクトの元RGBAデータを出力する場合、図15に示すように、まず、制御部1303が備えるVRAM等の記憶装置に、オフスクリーンサーフェースを確保し、確保したオフスクリーンサーフェースに対して元RGBAデータを描画する(ステップS1401)。本実施形態においても、制御部1303は、元RGBAデータの出力処理がOpenGLに従って実行されるため、フレームバッファオブジェクトを用いることにより、オフスクリーンサーフェースに対して、α情報を含む形式の元RGBAデータを描画する。
【0081】
次いで、制御部1303は、図15に示すように、オフスクリーンサーフェースに描画した元RGBAデータに含まれる各画素の色画像情報のうちα情報が透明を表す画素の色画像情報をクロマキーに置き換える(ステップS1402)。本実施形態では、制御部1303は、オフスクリーンサーフェースに描画した元RGBAデータに含まれる画素のうち、α情報が透明を表す画素の色画像情報をクロマキー(例えば、R=0x00,G=0x00,B=0x03)に置き換える。
【0082】
その際、制御部1303は、オフスクリーンサーフェースに描画した元RGBAデータ(元画像データ)が含む各画素の色画像情報のうちクロマキーと同じ値を示しかつα情報が不透明を表す色画像情報を、当該色画像情報に近い色画像情報(言い換えると、当該色画像情報により表される色と同じ色と認識可能な色を表す色画像情報)に置き換える。本実施形態では、制御部1303は、RGBAデータが含む各画素の色画像情報のうちクロマキーと同じ値(例えば、R=0x00,G=0x00,B=0x03)を示しかつα情報が不透明を表す画素の色画像情報(すなわち、R=0x00,G=0x00,B=0x03)を、当該色画像情報に近い色画像情報(例えば、R=0x00,G=0x00,B=0x02)に置き換える。これにより、元画像データの一例である元RGBAデータに含まれる各画素のうちクロマキーと同じ色画像情報を持つ画素が、クロマキーと判別されて透明な画素として表示されることを防止でき、かつ元画像データにおける色と略同じ色の画素として表示することができる。
【0083】
次に、制御部1303は、図15に示すように、記憶装置にオンスクリーンサーフェースを確保するとともに、透明の画素の色画像情報をクロマキーに置き換えたRGBAデータを、オンスクリーンサーフェースに対して描画する(ステップS1403)。そして、制御部1303は、図15に示すように、オンスクリーンサーフェースに描画されたRGBAデータを、インターフェース204を介してバックエンド処理部1301に出力する(ステップS1404)。
【0084】
バックエンド処理部1301は、制御部1303から出力されたRGBAデータに含まれるクロマキーに従って、制御部1303から出力されたRGBAデータに基づく第2画像302と、制御部1303と同様にして映像音声信号処理部206およびOSD信号生成部209から出力されたRGBA(YUVA)データに基づく第1画像301および第2画像303とを重ね合わせた合成画像304を生成する。
【0085】
このように、第3の実施形態にかかるテレビジョン放送表示装置1300によれば、α情報を含む元画像データを出力する情報処理装置(制御部1303、映像音声信号処理部1302、OSD信号生成部1304)と、元画像データに基づく画像を他の画像に重ね合わせる外部機器(バックエンド処理部1301)とが、汎用のインターフェース204を介して接続されている場合でも、元画像データを構成する画素のα情報をクロマキーを利用して外部機器に伝送することができるので、α情報に従って元画像データに基づく画像と他の画像との重ね合わせが可能となる。
【0086】
以上説明したとおり、第1から第3の実施形態によれば、汎用のインターフェースを介して元画像データに含まれるα情報を伝送することができるので、α情報に従って元画像データに基づく画像と他の画像との重ね合わせを可能とする。
【0087】
なお、本実施形態の情報処理装置(制御部205,1303、映像音声信号処理部206,1302、OSD信号生成部209,1304)で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0088】
本実施形態の情報処理装置(制御部205,1303、映像音声信号処理部206,1302、OSD信号生成部209,1304)で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0089】
さらに、本実施形態の情報処理装置(制御部205,1303、映像音声信号処理部206,1302、OSD信号生成部209,1304)で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置(制御部205,1303、映像音声信号処理部206,1302、OSD信号生成部209,1304)で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0090】
本実施形態の情報処理装置(制御部205,1303、映像音声信号処理部206,1302、OSD信号生成部209,1304)で実行されるプログラムは、上述した出力部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記出力部が主記憶装置上にロードされ、出力部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
100,1200…テレビジョン放送表示装置、204…インターフェース、205,1303…制御部、206,1302…映像音声信号処理部、207,1301…バックエンド処理部、209,1304…OSD信号生成部、1210…DVDプレーヤ、1220…ノートPC。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15