(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6151043
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】液体燃料燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23K 5/16 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
F23K5/16
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-30886(P2013-30886)
(22)【出願日】2013年2月20日
(65)【公開番号】特開2014-159912(P2014-159912A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2016年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野水 幸一
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 康宏
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 寛道
【審査官】
杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−186012(JP,A)
【文献】
実開昭51−137724(JP,U)
【文献】
実開昭51−157156(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に着脱自在に設けられ液体燃料を貯留するカートリッジタンクと、上面に前記カートリッジタンクが載置されてカートリッジタンクから液体燃料が供給される油受皿と、液体燃料を燃焼させるバーナ部と、前記油受皿および前記バーナ部が載置される部品載置部の周縁に略凹形状の外周縁部を有し本体の底面を形成する置台とを備えた液体燃料燃焼装置であって、前記外周縁部の油受皿周辺部分を他の部分と隔離して貯留部が形成され、前記油受皿の上面には油受皿から溢れた液体燃料を前記貯留部方向へ誘導する流延経路が形成されており、前記貯留部は、貯留部以外の外周縁部の幅よりも幅広に形成された部分を有することを特徴とする液体燃料燃焼装置。
【請求項2】
前記貯留部は、前記外周縁部の底面から突出する隔離凸部によって隔離されており、前記貯留部の外側壁の一部または全部の高さを前記隔離凸部より低く形成したことを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
【請求項3】
前記油受皿の側面には、一端が前記流延経路と連通するとともに他端が前記貯留部と連通する側面経路が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の液体燃料燃焼装置。
【請求項4】
前記流延経路と前記貯留部の間に流路部材を備え、この流路部材は本体外に露出していることを特徴とする請求項1または2記載の液体燃料燃焼装置。
【請求項5】
前記カートリッジタンクの重量を検知する重量センサを備え、所定時間内における燃焼量から算出される液体燃料の消費量推定値と、前記重量センサが検出する液体燃料の減少量とを比較し、液体燃料の消費量推定値と減少量の差が所定範囲を超えた場合には燃焼を停止することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体燃料燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料として灯油を用いる液体燃料燃焼装置において、誤ってガソリンを使用した際に発生する事故を未然に防止するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石油ファンヒーターのように、燃料として灯油を使用する燃焼装置が広く使われているが、このような燃焼装置においては誤ってガソリンが使用されてしまった場合に重大な事故に発展するおそれがある。
【0003】
ガソリンは灯油に比べ揮発性が高いという性質を持つため、ガソリンを使用して燃焼装置の運転を行うと、燃焼装置内部の温度上昇によってカートリッジタンク内のガソリンが気化することにより、カートリッジタンク内の圧力が上昇する。この圧力上昇によって、油受皿にはカートリッジタンクからガソリンが多量に流れ込むこととなり、油受皿内の液面が異常上昇し、やがて外部へ溢れ出してしまう。
【0004】
そして溢れ出したガソリンが高温となっている燃焼部方向に流れ込むと、熱により揮発が促進されてガスが発生し、このガスに火炎が引火すると火災などの事故を引き起こす原因になるため、ガソリンが使用された場合には燃焼を停止させるなどの安全装置を備えたものが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、バーナの燃焼状態は燃料が灯油であるかガソリンであるかによって異なることを利用し、燃焼状態の変化をバーナとフレームセンサとの間を流れるイオン電流によって検知するようにしている。具体的には、燃料が灯油であることによって燃焼状態が安定していれば、燃焼火炎中を流れるイオン電流によって等価回路の等価抵抗値が小さくなり、また、燃料がガソリンであることによって燃焼状態が不安定となれば、等価抵抗値が大きくなるので、この等価抵抗値を予め定めた設定値と比較して液体燃料が灯油であるかガソリンであるかを判定するのである。
【0006】
また、特許文献2では、ガソリンが使用された場合には油受皿内の液面が異常上昇することを利用し、油受皿内に高油面検知手段を設け、油受皿の液面が正常な液面よりも上昇したことを高油面検知手段が検知すると運転を停止させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−250743号公報
【特許文献2】特開平8−145336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法では、理論的にはバーナとフレームセンサの間を流れるイオン電流は灯油とガソリンの場合で異なるが、実際には燃焼装置の使用状況等にも大きく影響を受けてしまうため、判定の基準値を明確に設定することは困難であり、また誤検知を起こすことも十分に考えられる。
【0009】
また、灯油を用いていたとしても高温となる場所にカートリッジタンクを放置していたりすればカートリッジタンク内の圧力が上がり、通常よりも多量の燃料が油受皿に供給されてしまう。そのため、特許文献2のように、高油面検知手段を設けるのであれば、ガソリンの誤使用とを明確に区別するためには通常の液面よりもかなり高い位置に設けなくてはならず、油受皿の形状が大きくなり製造コストが上がってしまう。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、簡単な構成で誤ってガソリンを使用した際に火災等の事故を引き起こすことを未然に防止することのできる液体燃料燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、本体に着脱自在に設けられ液体燃料を貯留するカートリッジタンクと、上面に前記カートリッジタンクが載置されてカートリッジタンクから液体燃料が供給される油受皿と、液体燃料を燃焼させるバーナ部と、前記油受皿および前記バーナ部が載置される部品載置部の周縁に略凹形状の外周縁部を有し本体の底面を形成する置台とを備えた液体燃料燃焼装置であって、前記外周縁部の油受皿周辺部分を他の部分と隔離して貯留部が形成され、前記油受皿の上面には油受皿から溢れた液体燃料を前記貯留部方向へ誘導する流延経路が形成されて
おり、前記貯留部は、貯留部以外の外周縁部の幅よりも幅広に形成された部分を有することを特徴とする液体燃料燃焼装置である。
【0012】
また、前記貯留部は、
前記外周縁部の底面から突出する隔離凸部によって隔離されており、前記貯留部の外側壁の一部または全部の高さを前記隔離凸部より低く形成したことを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置である。
【0013】
また、前記油受皿の側面には、一端が前記流延経路と連通するとともに他端が前記貯留部と連通する側面経路が形成されていることを特徴とする請求項
1または2記載の液体燃料燃焼装置である。
【0014】
また、前記流延経路と前記貯留部の間に流路部材を備え、この流路部材は本体外に露出していることを特徴とする請求項
1または2記載の液体燃料燃焼装置である。
【0017】
また、前記カートリッジタンクの重量を検知する重量センサを備え、所定時間内における燃焼量から算出される液体燃料の消費量推定値と、前記重量センサが検出する液体燃料の減少量とを比較し、液体燃料の消費量推定値と減少量の差が所定範囲を超えた場合には燃焼を停止することを特徴とする請求項1から
4のいずれかに記載の液体燃料燃焼装置である。
【発明の効果】
【0018】
上述のように構成することにより、誤ってカートリッジタンクにガソリンを入れて使用してしまい油受皿から溢れ出たとしても、溢れ出たガソリンは貯留部へ排出されるため、高温となるバーナ部付近へのガソリンの流入を防ぐことが出来るので火災の発生を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】液体燃料燃焼装置の一例であるファンヒーターの内部構成図である。
【
図6】実施例2の油受皿と置台の形状を説明する図である。
【
図7】実施例3の油受皿と置台の形状を説明する図であって、(A)は枠を外した状態、(B)は置台に枠を取付けた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用効果を示して簡単に説明する。
【0021】
本発明は、置台の周縁に設けられた凹形状の外周縁部のうち、油受皿周辺部分をバーナ部周辺部分と隔離して貯留部とし、油受皿の上面には油受皿から溢れた液体燃料を貯留部の方向へ誘導する流延経路を形成したものである。
【0022】
つまり、液体燃料として誤ってガソリンを使用してしまうと、カートリッジタンクから油受皿にガソリンが多量に流れ込むこととなり、油受皿内の液面が異常上昇して外部へ溢れ出してしまうが、この溢れ出したガソリンは流延経路に沿って貯留部へ排出される。
【0023】
燃焼装置の運転中はバーナ部が火炎にさらされるため、バーナ部が載置される部分の置台や、バーナ部に近い外周縁部の温度も上昇する。このように温度が上昇する部分へ油受皿から溢れ出たガソリンが流入すると、ガソリンが気化して、この気化したガソリンに火炎が引火して火災を招くことになる。一方で、油受皿周辺は火炎から離れているため比較的温度が上昇しにくいので、油受皿周辺に貯留部を形成してこの貯留部に油受皿から溢れ出たガソリンを排出させることで、たとえガソリンが溢れ出たとしても火炎が引火することを防止し、火災発生の危険を回避することができるのである。
【0024】
また、貯留部を本体の前面側に延出させることで、ガソリンが溢れ出したことが使用者に視認し易くなるため、ガソリンを誤使用したことを早い段階で発見することができるようになる。
【0025】
また、流延経路と貯留部とを結ぶ経路を油受皿の側面に設けることで、油受皿から溢れ出たガソリンを確実に貯留部へ導くことができる。
【0026】
また、流延経路と貯留部の間に、本体外に露出させて流路部材を設けることで、油受皿から溢れ出たガソリンが貯留部へ排出される途中の本体内で気化してしまうことを極力抑えることができる。
【0027】
また、貯留部の幅を広くすることで、貯留部の容量を大きくすることができるので、ガソリンがあふれ出してから使用者が気付くまでの時間に猶予を持たせることができる。
【0028】
また、溢れ出たガソリンが貯留部の容量を超えてしまった際には、貯留部の外側壁から強制的に本体外に排出されるので、ガソリンが本体内部やバーナ部周辺のように温度が上昇する部分に流れ込んでしまうことを阻止し、少なくとも火災の危険は回避することができる。
【0029】
また、もし使用者が貯留部にガソリンが流れ出していることに気付かなかったとしても、カートリッジタンクの重量変化からガソリンの誤使用を検知して燃焼を自動で停止させることができるので、より安全性に優れた燃焼装置となる。
【実施例1】
【0030】
以下本発明の一実施例を図面により説明する。
【0031】
図1は液体燃料燃焼装置の一例であるファンヒーターの内部構成図であり、側面および背面を構成する枠1と底面を構成する置台2からなる本体3内には、灯油等の液体燃料を加熱気化する気化器4と、気化器4で発生した気化ガスを燃焼するバーナ部5と、本体3に着脱自在なカートリッジタンク6と、カートリッジタンク6が載置されるとともにカートリッジタンク6から供給された燃料を貯留する油受皿7が設けられている。
【0032】
また、本体3背面には本体3内部に空気を供給する送風機8が取付けられていて、バーナ部5での燃焼により発生した燃焼排ガスは、送風機8から供給される空気と混合されて温風となり本体3の前面から排出されることで室内の暖房が行われる。
【0033】
図2は本体3の上面概略図、
図3は置台2の斜視図である。置台2は、油受皿7とバーナ部5が載置される中央の部品載置部9と、部品載置部9の外周に形成された略凹状の外周縁部10とから構成される。そしてこの外周縁部10には、底面10aを隆起させた隔離凸部12が2箇所形成されており、この隔離凸部12によって外周縁部10は2分割された状態となり、このうち油受皿7の周辺(本体3の背面と前面の一部および、右側面)の外周縁部10は油受皿7から溢れ出た液体燃料を貯めておく貯留部13として作用する。
【0034】
なお、外周縁部10のうち、貯留部13の外側壁10bには凹み部11が設けられていて、凹み部11が形成された部分の外側壁10bの高さは隔離凸部12の高さよりも低くなっている。
【0035】
そして油受皿7の上面には、内部に貯められた灯油を汲み上げて気化器4に供給する電磁ポンプ14と、油受皿7内の液体燃料の量を検知する液面センサ15が取り付けられるとともに、カートリッジタンク6が挿入されるタンク挿入口16が形成されている。このタンク挿入口16には、液体燃料内に混入したゴミなどの不純物をろ過する油フィルタ17が配置されていて、
図4に示すように油フィルタ17内にカートリッジタンク6の口金18を挿入することで油受皿7上にカートリッジタンク6を載置するようになっている。
【0036】
油フィルタ17の中央にはピン19が突出形成されており、カートリッジタンク6を装着するとこのピン19がカートリッジタンク6の口金18に設けられた燃料吐出口18aを開口させるので、カートリッジタンク6内の液体燃料が油フィルタ17を介して油受皿7内に供給される。そして、油受皿7内の液面が上昇して燃料吐出口18aまで達すると、カートリッジタンク6からの液体燃料の供給が停止するので、これを繰り返すことにより油受皿7には常に一定量の液体燃料が貯留されるようになっている。
【0037】
また、油受皿7の上面には、タンク挿入口16から本体3後方へ延びる流延経路20が形成されている。もし使用者が誤って液体燃料として灯油ではなく揮発性の高いガソリンを使用した場合、カートリッジタンク6内のガソリンが気化することでカートリッジタンク6内の圧力が上昇し、この圧力上昇により油受皿7内にガソリンが多量に流れ込んでしまう。すると、油受皿7内の液面が異常上昇して、やがてタンク挿入口16からガソリンが溢れ出してしまうが、溢れ出たガソリンはこの流延経路20を通って、置台2に形成された貯留部13に向かって排出されるようになっている。
【0038】
つまり、燃焼装置の運転中はバーナ部5が火炎にさらされるため、バーナ部5が載置される部分の置台2も高温となり、またバーナ部5に近い外周縁部10や温風が吹き出す部分の外周縁部10の温度も上昇する。このように温度が上昇する部分へ油受皿7から溢れ出たガソリンが流入すると、流れ込んだガソリンが気化してしまい、バーナ部5の火炎がこの気化したガソリンに引火して火災を招くことになる。一方で、油受皿7周辺は火炎から離れているため比較的温度が上昇しにくい。そこで、温度が上昇しにくい部分に貯留部13を形成してこの貯留部13に油受皿7から溢れ出たガソリンを排出させることで、たとえガソリンが溢れ出たとしても火炎が引火することを防止し、火災発生の危険を回避することができるのである。
【0039】
なお、この流延経路20は溢れ出たガソリンを貯留部13方向へ誘導するものであるから、タンク挿入口16から本体3側方へ延びるように形成してもよい。
【0040】
また貯留部13を本体3の前面にまで延出させることにより、ガソリンが溢れ出したことが使用者に視認し易くなるため、ガソリンを誤使用したことを早い段階で発見することができるようになる。
【0041】
さらに
図5のように、貯留部13の一部の幅W1を、貯留部13以外の外周縁部10の幅W2よりも広くすれば、燃焼装置の外観を損なうことなく貯留部13の容量を大きくすることができるので、ガソリンが溢れ出してから使用者が気付くまでの時間に猶予を持たせることもできる。
【0042】
しかし、ガソリンの誤使用に早い段階で気づくことができれば、漏れ出したガソリンは貯留部13に溜まる程度で済むが、すぐには気付かれないことも考えられる。ガソリンが溢れ続けて貯留部13に溜まった液面が高くなり、外側壁10bの一部に形成された凹み部11の高さを超えると、ガソリンはここから本体3外に排出されるようになっている。つまり、ガソリンが貯留部13の容量を超えてしまった際には、この凹み部11から強制的に本体3外に排出することで、ガソリンが部品載置部9との段差を越えて本体3内部に流れ込んだり、また隔離凸部12を乗り越えてバーナ部5周辺の外周縁部10に流れ込んでしまうことを阻止し、少なくとも火災の危険は回避されることになる。
【0043】
ただし、貯留部13の外側壁10bに凹み部11を設けなくとも、外側壁10bの高さが部品載置部9との段差および隔離凸部12の高さよりも低くなっていれば上述の効果を得ることはできるが、この場合は本体3外の広範囲に亘ってガソリンが排出されてしまう。したがって、外側壁10bの一部に凹み部11を設ける方が、ガソリンが排出される範囲を狭くすることができるのでより実用的である。
【0044】
なお、本実施例では燃焼装置としてファンヒーターを例に説明しているが、石油ストーブのように外部からの電源供給を必要としない燃焼装置にも適用できるものである。
【実施例2】
【0045】
次に本発明の実施例2について
図6を用いて説明する。
【0046】
図6は本実施例における油受皿7と置台2の形状を説明する図であって、油受皿7の側面には上面に設けられた流延経路20と繋がるように側面経路21が形成されており、さらに側面経路21の下端が置台2に形成された前段貯留部22と接触するよう油受皿7下部には張出部23が形成されている。前段貯留部22は、部品載置部9に形成された凹状の窪みであり、貯留部13の一部を形成している。
【0047】
このように構成することにより、タンク挿入口16から溢れ出たガソリンは流延経路20から側面経路21を伝って前段貯留部22へ到達し、この前段貯留部22から貯留部13へ流れ込むようになるので、油受皿7から溢れ出たガソリンを確実に貯留部13へ導くことができる。
【実施例3】
【0048】
次に本発明の実施例3について
図7を用いて説明する。
【0049】
図7は本実施例における油受皿7と置台2の形状を説明する図であって、(A)は枠1を外した状態、(B)は置台2に枠1を取付けた状態を示した図である。油受皿7には略L字状の流路部材24が取付けられており、この流路部材24により流延経路20から前段貯留部22に至る液体燃料の流路が形成されている。また、枠1の本体3背面には、流路部材24に対向する位置に切欠きが設けられていて流路部材24は本体3外に露出するようになっているため、油受皿7から溢れ出たガソリンは本体3の外を通って貯留部13に排出されることとなり、貯留部13へ排出される途中の本体3内でガソリンが気化してしまうことを極力抑えることができる。
【0050】
なお、
図7に示す流路部材24は、液体燃料が流れる流路が本体3の外部から見える状態になっているが、流路部材24を箱型や筒型のように内部に空洞を有する形状として流路が外部から見えないようにしてもよい。このようにすることで、より貯留部13へ排出される途中でガソリンが気化してしまうことが抑えられる。
【実施例4】
【0051】
次に本発明の実施例4について
図8を用いて説明する。
【0052】
図8は燃焼装置の動作を制御する制御部30のブロック図であって、制御部30は、使用者が設定する設定温度と室温センサ31が検知する室内温度から燃焼量を決定する燃焼量演算手段32を有し、燃焼量演算手段32で決定された燃焼量に基づき気化器4の温度、電磁ポンプ14の燃料吐出量、送風機8の回転数が制御される。さらに、燃焼量から所定時間内における液体燃料の消費量を推定する消費量推定手段33を備え、ここで推定される液体燃料の消費量は判定部34にて重量センサ35で検知されたカートリッジタンク6の重量の変化量と比較される。
【0053】
燃焼装置が正常に動作している場合には、重量センサ35の検知するカートリッジタンク6の重量の変化量と液体燃料の消費量の推定値は等しくなるはずである。しかし誤ってガソリンを使用してしまうと、カートリッジタンク6からは多量のガソリンが油受皿7に流れ出してしまうため、カートリッジタンク6の重量の変化量と液体燃料の消費量の推定値との間に差が生じることとなる。そこで判定部34でカートリッジタンク6の重量の変化量と液体燃料の消費量の推定値とを比較し、その差が所定範囲を超えたときにはエラー表示を行いガソリンが使用された可能性があることを報知するとともに、燃焼を停止させる。
【0054】
つまり、油受皿7から溢れたガソリンが貯留部13に溜まったことに気付けば使用者が燃焼を停止させるので火災の危険は回避することができるが、もし気付かなかったとしても、カートリッジタンク6の重量変化からガソリンの誤使用を検知して燃焼を自動で停止させることができるので、より安全な燃焼装置となる。
【符号の説明】
【0055】
2 置台
3 本体
5 バーナ部
6 カートリッジタンク
7 油受皿
9 部品載置部
10 外周縁部
12 隔離凸部
13 貯留部
20 流延経路
21 側面経路
24 流路部材
35 重量センサ