特許第6151052号(P6151052)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6151052
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】傾斜角度調整装置、船舶推進機
(51)【国際特許分類】
   B63H 20/08 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
   B63H20/08 510
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-51575(P2013-51575)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-177173(P2014-177173A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146010
【氏名又は名称】株式会社ショーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
(72)【発明者】
【氏名】細谷 成政
(72)【発明者】
【氏名】筒井 隼人
(72)【発明者】
【氏名】堀江 伸哉
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−102892(JP,A)
【文献】 特開昭63−053198(JP,A)
【文献】 特開2012−081900(JP,A)
【文献】 特開平06−127475(JP,A)
【文献】 特開2009−126331(JP,A)
【文献】 特開2006−001354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 20/08
F15B 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体に対する船舶推進機本体の傾斜角度を調整するモータと、
前記モータの駆動を制御するモータ制御手段と、
を備え、
前記モータ制御手段は、前記傾斜角度が所定角度よりも大きい状態に移行すべきまたは当該状態から復帰すべき旨の信号を取得した場合には、前記船体の水面に対する角度である船体角度を調整する旨の信号を取得した場合よりも前記モータの駆動力を大きくし、
前記船体角度を調整する場合に操作される第1の操作手段と、
前記傾斜角度を所定角度よりも大きい状態に移行する場合または当該状態から復帰する場合に操作される第2の操作手段と、
をさらに備え、
前記モータ制御手段は、前記第1の操作手段が操作されたときはトリム調整を行い、前記第2の操作手段が操作されたときはチルトアップ又はチルトダウンを行うとともに、当該第1の操作手段又は当該第2の操作手段のいずれかが操作されたかに応じて前記モータに供給する電流量を変更し、当該第2の操作手段が操作された場合には、当該第1の操作手段が操作された場合よりも当該モータの駆動力を大きくし、当該第1の操作手段が操作された場合に、前記傾斜角度に応じて当該モータに供給する電流量を変更する
ことを特徴とする傾斜角度調整装置。
【請求項2】
シリンダと、
前記シリンダ内の空間を2つの空間に区分する区分部材と、
前記モータにより駆動力が与えられて駆動し、前記2つの空間のいずれか一方の空間に液体を供給する供給手段と、
をさらに備え、
前記供給手段は、前記モータに供給された電流が大きくなるに従って駆動力が大きくなった場合には、液体の供給量が増加する
ことを特徴とする請求項1に記載の傾斜角度調整装置。
【請求項3】
前記シリンダを有するとともに前記船体に接続される船体接続部を有するハウジングと、
棒状の一方の端部に前記区分部材を支持するとともに他方の端部に前記船舶推進機本体に接続される推進機本体接続部を有する棒状部材と、
をさらに備え、
前記モータ制御手段は、前記傾斜角度を大きくすべき場合には、前記2つの空間の内、前記船体接続部側の空間に前記供給手段が液体を供給するように前記モータを駆動させることを特徴とする請求項2に記載の傾斜角度調整装置。
【請求項4】
船体に対して推進力を与える船舶推進機であって、
プロペラを有する船舶推進機本体と、
前記船体に対する前記船舶推進機本体の傾斜角度を調整するモータと、当該モータの駆動を制御するモータ制御手段と、を備える傾斜角度調整装置と、
を備え、
前記傾斜角度調整装置の前記モータ制御手段は、前記傾斜角度が所定角度よりも大きい状態に移行すべきまたは当該状態から復帰すべき旨の信号を取得した場合には、前記船体の水面に対する角度である船体角度を調整する旨の信号を取得した場合よりも前記モータの駆動力を大きくし、
前記船体角度を調整する場合に操作される第1の操作手段と、
前記傾斜角度を所定角度よりも大きい状態に移行する場合または当該状態から復帰する場合に操作される第2の操作手段と、
をさらに備え、
前記モータ制御手段は、前記第1の操作手段が操作されたときはトリム調整を行い、前記第2の操作手段が操作されたときはチルトアップ又はチルトダウンを行うとともに、当該第1の操作手段又は当該第2の操作手段のいずれかが操作されたかに応じて前記モータに供給する電流量を変更し、当該第2の操作手段が操作された場合には、当該第1の操作手段が操作された場合よりも当該モータの駆動力を大きくし、当該第1の操作手段が操作された場合に、前記傾斜角度に応じて当該モータに供給する電流量を変更する
ことを特徴とする船舶推進機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜角度調整装置および船舶推進機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船体と船舶推進機本体との間に連結したシリンダ装置を伸縮させることで、船体に対する船舶推進機本体の角度を変更する装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の船外機のステアリング装置は、以下のように構成されている。すなわち、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させる船舶推進機用トリム・チルト装置において、シリンダ装置が、船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピストンとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−001989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速走行時の走行姿勢を良好に保つことができるようにするには、船体に対する船舶推進機本体の傾斜角度を微調整可能にゆっくりと変更できるようにすることが望まれる。他方、低速走行時や、船体を岸に横付けするまたは当該船体を岸から離す際に船舶推進機本体が水中の障害物等に衝突することを防止することができるようにするには、船体に対する船舶推進機本体の傾斜角度を素早く変更できるようにすることが望まれる。
本発明は、船舶の使用状態に応じて船体に対する船舶推進機本体の傾斜角度の変化速度を変更できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本発明は、船体に対する船舶推進機本体の傾斜角度を調整するモータと、前記モータの駆動を制御するモータ制御手段と、を備え、前記モータ制御手段は、前記傾斜角度が所定角度よりも大きい状態に移行すべきまたは当該状態から復帰すべき旨の信号を取得した場合には、前記船体の水面に対する角度である船体角度を調整する旨の信号を取得した場合よりも前記モータの駆動力を大きくし、前記船体角度を調整する場合に操作される第1の操作手段と、前記傾斜角度を所定角度よりも大きい状態に移行する場合または当該状態から復帰する場合に操作される第2の操作手段と、をさらに備え、前記モータ制御手段は、前記第1の操作手段が操作されたときはトリム調整を行い、前記第2の操作手段が操作されたときはチルトアップ又はチルトダウンを行うとともに、当該第1の操作手段又は当該第2の操作手段のいずれかが操作されたかに応じて前記モータに供給する電流量を変更し、当該第2の操作手段が操作された場合には、当該第1の操作手段が操作された場合よりも当該モータの駆動力を大きくし、当該第1の操作手段が操作された場合に、前記傾斜角度に応じて当該モータに供給する電流量を変更することを特徴とする傾斜角度調整装置である。
【0007】
また、シリンダと、前記シリンダ内の空間を2つの空間に区分する区分部材と、前記モータにより駆動力が与えられて駆動し、前記2つの空間のいずれか一方の空間に液体を供給する供給手段と、をさらに備え、前記供給手段は、前記モータに供給された電流が大きくなるに従って駆動力が大きくなった場合には、液体の供給量が増加するとよい。
【0008】
また、前記シリンダを有するとともに前記船体に接続される船体接続部を有するハウジングと、棒状の一方の端部に前記区分部材を支持するとともに他方の端部に前記船舶推進機本体に接続される推進機本体接続部を有する棒状部材と、をさらに備え、前記モータ制御手段は、前記傾斜角度を大きくすべき場合には、前記2つの空間の内、前記船体接続部側の空間に前記供給手段が液体を供給するように前記モータを駆動させるとよい。
【0009】
他の観点から捉えると、本発明は、船体に対して推進力を与える船舶推進機であって、プロペラを有する船舶推進機本体と、前記船体に対する前記船舶推進機本体の傾斜角度を調整するモータと、当該モータの駆動を制御するモータ制御手段と、を備える傾斜角度調整装置と、を備え、前記傾斜角度調整装置の前記モータ制御手段は、前記傾斜角度が所定角度よりも大きい状態に移行すべきまたは当該状態から復帰すべき旨の信号を取得した場合には、前記船体の水面に対する角度である船体角度を調整する旨の信号を取得した場合よりも前記モータの駆動力を大きくし、前記船体角度を調整する場合に操作される第1の操作手段と、前記傾斜角度を所定角度よりも大きい状態に移行する場合または当該状態から復帰する場合に操作される第2の操作手段と、をさらに備え、前記モータ制御手段は、前記第1の操作手段が操作されたときはトリム調整を行い、前記第2の操作手段が操作されたときはチルトアップ又はチルトダウンを行うとともに、当該第1の操作手段又は当該第2の操作手段のいずれかが操作されたかに応じて前記モータに供給する電流量を変更し、当該第2の操作手段が操作された場合には、当該第1の操作手段が操作された場合よりも当該モータの駆動力を大きくし、当該第1の操作手段が操作された場合に、前記傾斜角度に応じて当該モータに供給する電流量を変更することを特徴とする船舶推進機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、船舶の使用状態に応じて船体に対する船舶推進機本体の傾斜角度の変化速度を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態に係る船舶の概略構成図である。
図2】船舶推進機の概略構成図である。
図3】傾斜角度調整装置の外観図である。
図4】シリンダ装置とポンプ室の断面図である。
図5】モータ支持部の断面図である。
図6】給排油装置により給排される作動油の流路および流路上に設けられた弁の配置を示す概略図である。
図7】制御装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る船舶1の概略構成図である。図1(a)は、船舶1を上方から見た図である。図1(b)は、(a)のIb部の拡大図である。以下の説明において、船舶1の前進状態における進行方向を前方、進行方向の左側を左方向、進行方向の右側を右方向とする。
船舶1は、船体2と、この船体2に設けられた船室2aの前部に設けられたインパネに回転自在に取り付けられた輪状のハンドル3と、船室2aの前右部に設けられたリモコンボックス10と、推進力を発生する船舶推進機20と、を備えている。
リモコンボックス10には、船体2に対する船舶推進機20の船舶推進機本体20aの傾斜角度θ(図2参照)を調整するためのスイッチとして、後述するトリムスイッチ102と、チルトスイッチ103とが設けられている。
【0013】
次に、船舶推進機20について説明する。
図2は、船舶推進機20の概略構成図である。
船舶推進機20は、推進力を発生する船舶推進機本体20aと、傾斜角度θを調整する傾斜角度調整装置30と、を備えている。
船舶推進機本体20aは、クランク軸(不図示)の軸方向が水面に対して垂直方向(上下方向)に向くように置かれたエンジン(不図示)と、そのクランク軸の下端に回転一体に連結されて鉛直下方に延びるドライブ軸(不図示)と、このドライブ軸とべべルギヤ機構を介して連結されたプロペラ軸21と、このプロペラ軸21の後端に装着されたプロペラ22とを有する。
また、船舶推進機本体20aは、垂直方向(上下方向)に設けられたスイベルシャフト23(図1参照)と、水面に対して水平方向に設けられた水平軸24と、スイベルシャフト23が回動自在に収容されるスイベルケース25と、スイベルケース25を船体2に接続するスターンブラケット26と、を有している。
【0014】
次に、傾斜角度調整装置30について説明する。
傾斜角度調整装置30は、この傾斜角度調整装置30の作動を制御する制御装置100と、傾斜角度θを検出する傾斜角度センサ101と、傾斜角度θを調整するためのスイッチである第1の操作手段の一例としてのトリムスイッチ102および第2の操作手段の一例としてのチルトスイッチ103(図1参照)と、を有している。
傾斜角度センサ101は、例えば、船体2の後端部と船舶推進機本体20aとの間の距離を検出する光学式のセンサであることを例示することができる。また、傾斜角度センサ101は、スターンブラケット26に対するスイベルケース25の回転角度を検出する物であればいかなる構成でもよい。
トリムスイッチ102およびチルトスイッチ103は、それぞれ、左部と右部とを押すことが可能なシーソースイッチであり、左部(UP側)を押すと傾斜角度θが大きくなり、右部(DOWN側)を押すと傾斜角度θが小さくなる。
【0015】
図3は、傾斜角度調整装置30の外観図である。図4は、後述するシリンダ装置とポンプ室の断面図である。図5は、後述するモータ支持部の断面図である。
傾斜角度調整装置30は、スイベルケース25とスターンブラケット26との間に接続されて両者の間の距離を変更するために伸縮するシリンダ装置31と、シリンダ装置31を伸縮させるために作動油を循環させる給排油装置32とを備えている。
【0016】
先ずは、シリンダ装置31について説明する。
シリンダ装置31は、円筒部を有し、この円筒部の中心線方向(図4では上下方向)の一方の端部が塞がれた有底円筒状のシリンダ41を有するハウジング40を備えている。以下では、シリンダ41の円筒部の中心線方向を、単に「中心線方向」と称す。
また、シリンダ装置31は、中心線方向に移動可能にシリンダ41内に挿入されたピストン42と、中心線方向に延びるとともに中心線方向の一方の端部(図4では下端部)にピストン42が取り付けられるピストンロッド43と、を有している。また、シリンダ装置31は、ピストンロッド43の一方の端部に形成された雄ねじとともにピストン42を支持するナット46と、シリンダ41の他方の端部側の開口部を塞ぐように配置されるとともにピストンロッド43をガイドするロッドガイド44と、ピストンロッド43のストロークを調整するための円筒状のスリーブ45と、を有している。
【0017】
ハウジング40は、シリンダ41と、後述するモータ支持部60と、タンク室63とを一体的に備えている。そして、後述するように、これらシリンダ41、モータ支持部60、タンク室63の周りには作動油が流れる通路である流路が形成されている。そして、このハウジング40における中心線方向の一方の端部には、傾斜角度調整装置30をスターンブラケット26に接続するためのピンを支持するピン孔40aが形成されている。ピン孔40aは、船体2に接続される船体接続部の一例として機能する。
【0018】
ピストン42は、中央部にピストンロッド43を通す孔が形成された円筒状のピストン本体42aと、ピストン本体42aの外周部に取付けられたOリング等のシール部材42bと、を有している。ピストン本体42aの外周部には、外周面から凹んだ溝42cが全周に渡って形成され、溝42cにシール部材42bが嵌め込まれている。そして、ピストン42は、シリンダ41の内周面に接触し、シリンダ41内の作動油が封入された空間を、ピストン42よりも中心線方向の一方の端部側の第1油室Y1と、ピストン42よりも中心線方向の他方の端部側の第2油室Y2とに区分する。このように、ピストン42は、シリンダ41内の空間を区分する区分部材の一例として機能する。
【0019】
ピストンロッド43は、円柱状のロッド部43aを有するとともに、中心線方向の一方の端部にピストン42を取り付けるための雄ねじが形成され、中心線方向の他方の端部に、このピストンロッド43をスイベルケース25に接続するためのピンを支持するピン孔43bが形成されている。
【0020】
ロッドガイド44は、中央部にピストンロッド43を通す孔が形成された略円筒状のロッドガイド本体44aと、中心線方向の中央部においてピストンロッド43に摺接するシール部材44bと、中心線方向の他方の端部において水などの液体がシリンダ41内に入り込むのを抑制するウォータシール44cと、を備える。ロッドガイド本体44aの内周部には、内周面から凹んだ溝が形成されており、この溝にシール部材44bが嵌め込まれている。また、ロッドガイド本体44aにおける中心線方向の他方の端部には、端面から凹んだ凹部が形成されており、この凹部にウォータシール44cが嵌め込まれている。
【0021】
スリーブ45は、円筒状であり、その内周径はピストン42のピストン本体42aの外径よりも小さい。そして、スリーブ45は、シリンダ41における中心線方向の一方の端部側に配置されて、ピストン42およびピストンロッド43の一方の端部側への移動を規制する。
【0022】
次に、給排油装置32について説明する。
給排油装置32は、シリンダ装置31のシリンダ41内に作動油を供給する供給手段の一例としてのポンプ61と、ポンプ61を駆動するモータ62と、モータ62を支持するモータ支持部60と、を備えている。また、給排油装置32は、ポンプ61に給排される作動油を貯留するタンク室63と、タンク室63の開口部を塞ぐ給油プラグ64と、を備えている。
【0023】
モータ支持部60は、上述したハウジング40に、中心線方向と交差する方向にシリンダ41と隣り合うように設けられている。つまり、ハウジング40がシリンダ41とモータ支持部60とを一体的に備えている。そして、このモータ支持部60における中心線方向の他方の端部側(図4では上側)に、モータ62がボルトにて固定される。また、モータ支持部60は、モータ62が固定される部位より中心線方向の一方の端部側(図4では下側)が凹んでおり、この凹みにてポンプ61を収容するポンプ室60aを形成する。ポンプ室60aは、作動油を収容するとともに、ポンプ61をこの作動油中に浸漬する状態で保持する。
【0024】
ポンプ61は、カセットポンプ構造の例えばギヤポンプであり、ドライブギヤとドリブンギヤとから構成されるギヤユニットをケースの中に有し、ドライブギヤに結合される駆動軸61aがモータ62の出力軸62aに位置合わせられるように、ポンプ室60a内にボルト61bにてモータ支持部60に固定される。また、ポンプ61は、両方向に回転可能であり、正転用と逆転用の2個の吐出ポート(不図示)をモータ支持部60に形成された流路に連絡し、正転用と逆転用の2個の吸込ポート(不図示)をポンプ室60aに開口している。
【0025】
モータ62は、ポンプ室60aの上方に位置するように、鉄製のヨークがボルトにてモータ支持部60に取付けられている。モータ62の出力軸62aは、ドライブジョイント62bを介して、ポンプ61の駆動軸61aに接続され、両方向に回転する。
タンク室63は、中心線方向と交差する方向にシリンダ41と隣り合うように設けられている。そして、モータ支持部60は、タンク室63とポンプ室60aとを連通する。
【0026】
次に、傾斜角度調整装置30に形成された作動油の流路について説明する。
傾斜角度調整装置30には、第1油室Y1とポンプ室60aとを連通する第1流路71と、第2油室Y2とポンプ室60aとを連通する第2流路72とが形成されている。
第1流路71は、シリンダ41における中心線方向の一方の端部(図4においては下端部)よりも一方の端部側(図4においては下側)のハウジング40に形成された油路71a、ポンプ室60aよりも中心線方向の一方の端部側(図4においては下側)のモータ支持部60に形成された油路(不図示)などから構成される。
第2流路72は、図4に示すように、シリンダ41と隣り合うようにハウジング40に中心線方向に形成された油路72aと、ロッドガイド44に形成された油路72bと、油路72aと油路72bとを連通するようにシリンダ41に形成された油路72cと、ポンプ室60aよりも中心線方向の一方の端部側(図4においては下側)のモータ支持部60に形成された油路72dなどから構成される。
【0027】
図6は、給排油装置32により給排される作動油の流路および流路上に設けられた弁の配置を示す概略図である。
給排油装置32は、図6に示すように、シャトル式切替弁80、逆止弁91,92、縮側リリーフ弁93、伸側リリーフ弁94、手動兼サーマル弁95を備える。
シャトル式切替弁80は、シャトルピストン81と、シャトルピストン81の両側に配置された第1チェック弁82aおよび第2チェック弁82bとを有している。そして、シャトル式切替弁80には、シャトルピストン81の第1チェック弁82a側に第1シャトル室83aが形成され、シャトルピストン81の第2チェック弁82b側に第2シャトル室83bが形成されている。
【0028】
第1チェック弁82aは、ポンプ61の正転によって管路99を介して第1シャトル室83aに加えられる送油圧力によって開作動可能とされ、第2チェック弁82bは、ポンプ61の逆転によって管路99を介して第2シャトル室83bに加えられる送油圧力によって開作動可能とされている。また、シャトルピストン81は、ポンプ61の正転による送油圧力によって第2チェック弁82bを開作動可能とし、ポンプ61の逆転による送油圧力によって第1チェック弁82aを開作動可能としている。シャトル式切替弁80の第1チェック弁82aは第1流路71に接続され、第2チェック弁82bは第2流路72に接続されている。
【0029】
逆止弁91,92は、ポンプ61とタンク室63との接続流路の中間部に配置されている。縮側リリーフ弁93は、第2流路72に接続され、伸側リリーフ弁94は、シャトルピストン81に内蔵されている。手動兼サーマル弁95は、第1流路71の油路71a(図4参照)に接続され、第1油室Y1をタンク室63に接続する。この手動兼サーマル弁95は、サーマルリリーフ弁95aを備えており、シリンダ41の作動油の圧力が熱等により異常に上昇したとき、予め定められた圧力で回路圧をタンク室63に逃がす。
【0030】
次に、傾斜角度調整装置30の作用について説明する。
モータ62を正転させてポンプ61を正転させると、ポンプ61の吐出油はシャトル式切替弁80の第1チェック弁82aを開くとともに、シャトルピストン81を介して第2チェック弁82bも開く。これにより、ポンプ61の吐出油は、第1チェック弁82a、第1流路71を通ってシリンダ装置31の第1油室Y1に供給され、シリンダ装置31の第2油室Y2の作動油は第2流路72、第2チェック弁82bを通ってポンプ61に戻り、シリンダ装置31を伸張させる。その結果、傾斜角度θ(図2参照)が大きくなる。
【0031】
この傾斜角度θを大きくするための動作の際には、シリンダ41の容積は、ピストンロッド43の退出容積だけ増加するため作動油の循環油量が不足することから、逆止弁92が開き、タンク室63からポンプ61に循環油量の不足分が補償され得る。また、傾斜角度θを大きくするための動作の際に、ピストン42が最大伸張位置に達して傾斜角度θを大きくするための動作が完了した後にポンプ61が作動し続け、回路圧が予め定められた圧力よりも高くなった場合に伸側リリーフ弁94が開き回路圧をポンプ吸入側に逃がす。
【0032】
他方、モータ62を逆転させてポンプ61を逆転させると、ポンプ61の吐出油はシャトル式切替弁80の第2チェック弁82bを開くとともに、シャトルピストン81を介して第1チェック弁82aも開く。これにより、ポンプ61の吐出油は、第2チェック弁82b、第2流路72を通ってシリンダ装置31の第2油室Y2に供給され、シリンダ装置31の第1油室Y1の作動油は第1流路71、第1チェック弁82aを通ってポンプ61に戻り、シリンダ装置31を収縮させる。その結果、傾斜角度θが小さくなる。
【0033】
この傾斜角度θを小さくするための動作の際には、シリンダ41の容積は、ピストンロッド43の進入容積だけ減少するため作動油の循環油量が余ることから、縮側リリーフ弁93が開き、循環油量の余剰分をタンク室63へ戻す。また、ピストン42が最大収縮位置に達して傾斜角度θを小さくするための動作が完了し、第1油室Y1からポンプ61への戻り油がなくなった後にもポンプ61が作動する場合に、逆止弁91が開き、タンク室63から作動油を供給可能としている。また、傾斜角度θを小さくするための動作が完了した後にポンプ61が作動し続け、回路圧が予め定められた圧力よりも高くなった場合にも、縮側リリーフ弁93が開き回路圧をタンク室63に逃がす。
なお、シリンダ装置31が手動で収縮された場合には、手動兼サーマル弁95が開くため、傾斜角度θが小さくなり得る。
【0034】
次に、制御装置100について説明する。
図7は、制御装置100の概略構成図である。
制御装置100は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。制御装置100には、傾斜角度センサ101(図2参照)にて検出された傾斜角度θが出力信号に変換された角度信号、トリムスイッチ102の左部が押された旨の信号であるトリムアップ信号、トリムスイッチ102の右部が押された旨の信号であるトリムダウン信号、チルトスイッチ103の左部が押された旨の信号であるチルトアップ信号、チルトスイッチ103の右部が押された旨の信号であるチルトダウン信号などが入力される。
【0035】
そして、制御装置100は、トリムアップ信号、トリムダウン信号、チルトアップ信号、チルトダウン信号に基づいて傾斜角度調整装置30のモータ62に供給する目標電流Itを算出する目標電流算出部110と、目標電流算出部110が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部120とを有している。このように、制御装置100は、モータ62の駆動を制御するモータ制御手段の一例として機能する。目標電流算出部110については後で詳述する。
【0036】
先ずは、制御部120について説明する。
制御部120は、図7に示すように、傾斜角度調整装置30のモータ62の作動を制御するモータ駆動制御部130と、モータ62を駆動させるモータ駆動部140と、モータ62に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部150とを有している。
モータ駆動制御部130は、目標電流算出部110にて決定された目標電流Itと、モータ電流検出部150にて検出されたモータ62へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部131と、モータ62をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部132とを有している。
【0037】
モータ駆動部140は、4個の電力用電界効果トランジスタをH型ブリッジ回路の構成で接続したモータ駆動回路と、4個の中から選択した2個の電界効果トランジスタのゲートを駆動してこれらの電界効果トランジスタをスイッチング動作させるゲート駆動回路部とを有している。ゲート駆動回路部は、PWM信号生成部132から出力されたPWM信号(駆動制御信号)に基づいて、2個の電界効果トランジスタを選択し、選択した2個の電界効果トランジスタをスイッチング動作させることにより、モータ62の駆動を制御する。
モータ電流検出部150は、モータ駆動部140に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧からモータ62に流れる実電流Imの値を検出する。
【0038】
次に、目標電流算出部110について説明する。
目標電流算出部110は、トリムアップ信号、トリムダウン信号、チルトアップ信号、チルトダウン信号に基づいて目標電流Itの絶対量|It|を算出する電流量算出部111と、電流量算出部111が算出した絶対量|It|と、トリムアップ信号、トリムダウン信号、チルトアップ信号、チルトダウン信号に基づいて目標電流Itを決定する目標電流決定部112と、を備えている。
【0039】
ここで、船舶1の高速走行時の走行姿勢を良好に保つことができるようにするには傾斜角度θをゆっくりと変更できるようにし、傾斜角度θをきめ細かく調整できるようにすることが望ましい。そして、船舶1を高速走行する際には、傾斜角度θを小さくした状態で走行することが一般的である。他方、低速走行時および停止時に船舶推進機本体20aが水中の障害物等に衝突することを防止するためには、傾斜角度θを大きくすることが一般的である。そして、水中の障害物等に衝突することを回避するためには、傾斜角度θを素早く大きくできるようにすることが望ましい。
【0040】
以下では、傾斜角度θを小さくした状態で主に高速走行時の走行姿勢を良好に保つために行う傾斜角度θの調整を「トリム調整」という。言い換えれば、トリム調整は、主に高速走行時に行う、船体2の前後方向の水面に対する角度である船体角度の調整として捉えることができる。そして、操船者がトリム調整を行うときにはリモコンボックス10に設けられたトリムスイッチ102を押す。
また、船舶推進機本体20aが水中の障害物等に衝突することを回避するために傾斜角度θが所定角度以上となる回避状態に移行させることを「チルトアップ」、および回避状態から復帰させることを「チルトダウン」という。そして、操船者がチルトアップあるいはチルトダウンを行うときにはリモコンボックス10に設けられたチルトスイッチ103を押す。
【0041】
電流量算出部111は、トリム調整か、チルトアップかまたはチルトダウンかに応じた目標電流Itの絶対量|It|を算出する。電流量算出部111は、上述したように、船舶1の使用状態に応じて求められる傾斜角度θの変化速度が異なることに鑑み、トリム調整である場合には、目標電流Itの絶対量|It|を予め定められた第1所定量It1(It1は正の値)とし、チルトアップまたはチルトダウン場合には、目標電流Itの絶対量|It|を第1所定量It1よりも大きい第2所定量It2(It2は正の値)とする。
【0042】
言い換えれば、電流量算出部111は、トリムアップ信号またはトリムダウン信号を取得した場合には、目標電流Itの絶対量|It|が第1所定量It1、チルトアップ信号またはチルトダウン信号を取得した場合には、目標電流Itの絶対量|It|が第2所定量It2となるように算出する。また、電流量算出部111は、トリムアップ信号、トリムダウン信号、チルトアップ信号、チルトダウン信号のいずれも取得しない場合には、目標電流Itの絶対量|It|が零となるように算出する。
【0043】
目標電流決定部112は、電流量算出部111が算出した絶対量|It|に対して、トリムアップ信号またはチルトアップ信号を取得した場合には「1」を乗算することにより得た値を目標電流Itとして決定し、トリムダウン信号またはチルトダウン信号を取得した場合には「−1」を乗算することにより得た値を目標電流Itとして決定する。つまり、目標電流決定部112は、トリムアップ信号を取得した場合には目標電流It=It1と決定し、チルトアップ信号を取得した場合には目標電流It=It2と決定する。他方、目標電流決定部112は、トリムダウン信号を取得した場合には目標電流It=−It1と決定し、チルトダウン信号を取得した場合には目標電流It=−It2と決定する。なお、目標電流Itの符号は、モータ62が正転する方向がプラス、逆転する方向がマイナスである。
【0044】
以上のように構成された傾斜角度調整装置30においては、トリムスイッチ102の左部(UP側)が押されている場合には、モータ62に供給される目標電流Itが第2所定量It2よりも小さい第1所定量It1に設定され、トリムスイッチ102の右部(DOWN側)が押されている場合には、目標電流Itが−It1に設定される。そのため、ポンプ61の回転速度(駆動力)は、目標電流ItがIt2または−It2に設定される場合よりも小さく、シリンダ41内に供給される作動油は少ない。その結果、傾斜角度θがゆっくりと変更する。それゆえ、船舶1が高速で走行している場合であっても傾斜角度θをきめ細かく調整できるので、船舶1の走行姿勢を良好に保つことができる。
【0045】
一方、チルトスイッチ103の左部(UP側)が押されている場合には、モータ62に供給される目標電流Itが第1所定量It1よりも大きい第2所定量It2に設定される。そのため、ポンプ61の回転速度(駆動力)は、目標電流ItがIt1に設定される場合よりも大きく、シリンダ41内の第1油室Y1に供給される作動油は多い。その結果、傾斜角度θは素早く大きくなる。それゆえ、船舶1が低速で走行している場合や停止しているときに、水中の障害物への船舶推進機本体20aの衝突を回避するべく操船者がチルトスイッチ103の左部(UP側)を押した場合に、プロペラ22を素早く上昇させることができる。
【0046】
他方、船舶1が停止しているときにプロペラ22を上昇させている状態から、船舶1を走行させるべく操船者がチルトスイッチ103の右部(DOWN側)を押した場合には、モータ62に供給される目標電流Itが−It2に設定される。そのため、ポンプ61の回転速度(駆動力)は、目標電流Itが−It1に設定される場合よりも大きく、シリンダ41内の第2油室Y2に供給される作動油は多い。その結果、傾斜角度θは素早く小さくなる。それゆえ、例えば、プロペラ22が水面から出ている状態から水中へ素早く下降させることができ、より早く船舶1を走行させことができる。
【0047】
そして、本実施の形態に係る傾斜角度調整装置30においては、上述した利点を、トリムスイッチ102とチルトスイッチ103というスイッチを備えるとともに、どのスイッチが押されたかに応じてモータ62に供給する電流量を変更することで実現する。したがって、高速走行時の走行姿勢を良好に保つ際には傾斜角度θをゆっくりと変更可能にし、低速走行時および停止時に船舶推進機本体が水中の障害物等に衝突することを回避する際には傾斜角度θを速く変更可能にすることを、単一のシリンダ41にて実現している。それゆえ、例えば、大径のトリム室を形成するハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピストンとを備えることで実現する構成よりは簡易な構成とすることができる。その結果、傾斜角度調整装置30を構成する部品点数を削減することができるので、重量を低減して低燃費化を図ることができるとともに、低廉化を図ることができる。
【0048】
なお、上述した第1所定量It1および第2所定量It2を、船舶推進機20の仕様に応じて設定するとよい。これにより、船舶推進機20の特性に合わせた調整を簡便に行うことができる。
【0049】
なお、電流量算出部111は、傾斜角度センサ101にて検出された傾斜角度θ(角度信号)に応じて、目標電流Itの絶対量|It|を変更してもよい。例えば、電流量算出部111は、トリムアップ信号またはトリムダウン信号を取得した場合に、傾斜角度センサ101にて検出された傾斜角度θが予め定められた第1の所定角度以上である場合には、目標電流Itの絶対量|It|を、第1所定量It1よりも大きな量にしてもよい。かかる場合、傾斜角度θが第1の所定角度よりも大きくなるにしたがって絶対量|It|を多くすればよい。また、電流量算出部111は、チルトアップ信号を取得した場合に、傾斜角度センサ101にて検出された傾斜角度θが予め定められた第2の所定角度以上である場合には、目標電流Itの絶対量|It|を、第2所定量It2よりも小さい量にしてもよい。かかる場合、傾斜角度θが第2の所定角度よりも大きくなるにしたがって絶対量|It|を小さくしてもよいし、傾斜角度θが第2の所定角度以上の場合は零にしてもよい。また、電流量算出部111は、チルトダウン信号を取得した場合に、傾斜角度センサ101にて検出された傾斜角度θが予め定められた第3の所定角度以下である場合には、目標電流Itの絶対量|It|を、第2所定量It2よりも小さい量にしてもよい。かかる場合、傾斜角度θが第3の所定角度よりも小さくなるにしたがって絶対量|It|を小さくしてもよいし、傾斜角度θが第3の所定角度以下の場合は零にしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…船舶、2…船体、3…ハンドル、10…リモコンボックス、20…船舶推進機、20a…船舶推進機本体、30…傾斜角度調整装置、31…シリンダ装置、32…給排油装置、100…制御装置、102…トリムスイッチ、103…チルトスイッチ、110…目標電流算出部、111…電流量算出部、112…目標電流決定部、120…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7