特許第6151057号(P6151057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6151057
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】農作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 35/04 20060101AFI20170612BHJP
   A01B 33/12 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   A01B35/04 D
   A01B33/12 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-62512(P2013-62512)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-183793(P2014-183793A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】黒田 将仁
(72)【発明者】
【氏名】池田 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】大久保 博和
(72)【発明者】
【氏名】江原 徹
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−249403(JP,A)
【文献】 実開昭55−017491(JP,U)
【文献】 特開平08−228501(JP,A)
【文献】 実開昭63−169805(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 27/00−49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車に連結される機体と、
この機体に回転可能に設けられた耕耘体と、
前記機体に上下方向に回動可能に設けられた整地体と、
前記機体と前記整地体との間に設けられた複数本の連結ロッドとを備え、
前記複数本の連結ロッドのうちの少なくとも1本が、長さ調整可能なロッド手段にて構成され、
前記整地体を持上状態にしたまま前記耕耘体で深く耕耘作業をする際には、前記ロッド手段の長さ調整によって前記整地体が前記機体に対してガタつかないように持上状態に固定される
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
前記整地体を持上状態にしたまま前記耕耘体で深く耕耘作業をする際には、前記ロッド手段の長さ調整によって前記整地体が若干変形するとともに前記機体に対してガタつかないように持上状態に固定される
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
前記ロッド手段であるターンバックルは、
互いに螺旋方向が異なる第1ねじ部および第2ねじ部を有する操作体と、
前記第1ねじ部に螺着され、前記機体に対して脱着可能な第1取付体と、
前記第2ねじ部に螺着され、前記整地体に対して脱着可能な第2取付体とを有し、
前記第2取付体は、整地体持上状態での深耕作業時には前記整地体に取り付けるが、整地体フリー状態での通常作業時には前記整地体から取り外す
ことを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整地体のガタつきを防止でき、騒音を低減できる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、トラクタ等の走行車に連結される機体と、この機体に回転可能に設けられた耕耘体と、機体に上下方向に回動可能に設けられた整地体と、機体と整地体との間に設けられた複数本の連結ロッドとを備え、これら複数本の各連結ロッドが、長さ調整不能なロッド部材にて構成されている。
【0004】
そして、整地体を持上状態(板状の整地体が水平面に略沿った水平姿勢となるハイリフト状態)にしたまま耕耘体で深く耕耘作業をする際においては、ストッパ装置を用いずに、ロッド部材を用いて整地体を機体に対して固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−218316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、連結ロッドであるロッド部材を用いて整地体を機体に対して固定した場合には、ロッド部材の前端側における孔と軸との間の隙間やロッド部材の後端側における孔と軸との間の隙間等に起因して、耕耘体の振動により整地体がガタつき、大きな騒音が発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、整地体のガタつきを防止でき、騒音を低減できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の農作業機は、走行車に連結される機体と、この機体に回転可能に設けられた耕耘体と、前記機体に上下方向に回動可能に設けられた整地体と、前記機体と前記整地体との間に設けられた複数本の連結ロッドとを備え、前記複数本の連結ロッドのうちの少なくとも1本が、長さ調整可能なロッド手段にて構成され、前記整地体を持上状態にしたまま前記耕耘体で深く耕耘作業をする際には、前記ロッド手段の長さ調整によって前記整地体が前記機体に対してガタつかないように持上状態に固定されるものである。
【0009】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、前記整地体を持上状態にしたまま前記耕耘体で深く耕耘作業をする際には、前記ロッド手段の長さ調整によって前記整地体が若干変形するとともに前記機体に対してガタつかないように持上状態に固定されるものである。
【0010】
請求項3記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、前記ロッド手段であるターンバックルは、互いに螺旋方向が異なる第1ねじ部および第2ねじ部を有する操作体と、前記第1ねじ部に螺着され、前記機体に対して脱着可能な第1取付体と、前記第2ねじ部に螺着され、前記整地体に対して脱着可能な第2取付体とを有し、前記第2取付体は、整地体持上状態での深耕作業時には前記整地体に取り付けるが、整地体フリー状態での通常作業時には前記整地体から取り外すものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、整地体を持上状態にしたまま耕耘体で深く耕耘作業をする際には、ロッド手段の長さ調整によって整地体が機体に対して持上状態に固定されるため、整地体のガタつきを防止でき、騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の平面図である。
図2】同上農作業機の側面図である。
図3】同上農作業機の整地体持上状態時の平面図である。
図4】同上農作業機の整地体持上状態時の側面図である。
図5】同上農作業機の整地体持上状態時の部分平面図である。
図6】同上農作業機のターンバックル(ロッド手段)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図中の1は農作業機で、この農作業機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、トラクタの走行により圃場を前方(進行方向)に移動しながら耕耘整地作業等を行うものである。
【0015】
農作業機1は、図1および図2等に示されるように、トラクタの後部の3点リンクヒッチ部(作業機昇降支持部)に脱着可能に連結される機体2と、この機体2に回転可能に設けられ耕耘作業をする耕耘体3と、機体2に上下方向に回動可能に設けられ耕耘体3の後方で整地作業をする整地体4と、機体2と整地体4との間に設けられこの整地体4を支持する複数本、すなわち例えば左右方向に並ぶ4本の棒状の連結ロッド5とを備えている。
【0016】
機体2は、左右方向長手状のフレーム部6を有し、このフレーム部6の長手方向中央部には前後方向の入力軸7が回転可能に設けられている。入力軸7は、トラクタのPTO軸にジョイント等を介して接続され、トラクタ側からの動力を農作業機1側へ入力する。
【0017】
フレーム部6の長手方向一端部である左端部には伝動ケース部であるチェーンケース部8が設けられ、フレーム部6の長手方向他端部である右端部にはブラケット部9が設けられている。
【0018】
そして、互いに離間対向する左右のチェーンケース部8およびブラケット部9間には、入力軸7側からの動力によって所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体3が回転可能に架設されている。耕耘体3は、左右方向の回転軸11と、この回転軸11に取り付けられた複数の耕耘爪12とを有している。
【0019】
また、機体2は、耕耘体3の上方部を覆う左右方向長手状で板状のカバー部10を有している。そして、カバー部10の後端部には、耕耘体3の後方で圃場面に接地して整地作業をする左右方向長手状で板状の整地体(均平板)4が複数の蝶番13を介して上下方向に回動可能に設けられている。つまり、整地体4の前端部が機体2のカバー部10の後端部に左右方向の軸14を介して回動可能に取り付けられ、この整地体4は、通常状態では前端側の軸14を中心として後端側が上下動するようにカバー部10に対して上下方向に回動可能となっている(図2参照)。
【0020】
整地体4は、耕耘体3の後方で整地作業をする左右方向長手状で板状の整地本体部16を有し、この整地本体部16の上面における左右方向に間隔をおいた複数箇所、例えば4箇所には、ロッド連結部17が突設されている。
【0021】
各ロッド連結部17には、機体2と整地体4とを連結する前後方向長手状の連結ロッド5が短円柱状のタンブラ等の回動部材18を介して連結されている。なお、各ロッド連結部17は、例えば互いに離間対向する長手状の左右1対の対向板19を有している。
【0022】
そして、図1および図2に示されるように、各連結ロッド5の長手方向中間部は、両対向板19の支持孔19aにて回動可能に支持された回動部材18の挿通孔18aに摺動可能に挿通されている。また、各連結ロッド5の前端部は、機体2のフレーム部6に突設されたロッド連結部20に左右方向の軸21を介してこの軸21を中心に回動可能に連結されている。
【0023】
つまり、互いに対向する機体2のロッド連結部20の孔22および連結ロッド5の前端部の孔23に、軸方向一端に鍔部21aを有する軸(止めピン)21が挿脱可能に挿入され、この軸21が抜止ピン(Rピン)24によって両孔22,23から抜けないようになっている。
【0024】
なお、連結ロッド5の前端部は機体2のロッド連結部20に対して脱着可能に取り付けられており、この連結ロッド5の前端部をロッド連結部20から取り外す場合には、抜止ピン24を軸21のピン用孔から外した後に、その軸21を両孔22,23から抜く。
【0025】
また、連結ロッド5の外周側には2つのコイル状のばね26,27が配設され、この各ばね26,27が当接するばね受け28,29が連結ロッド5に脱着可能に取り付けられている。そして、整地体フリー状態での通常作業時(通常の耕耘整地作業時)には、整地体4は、機体2に対して上下方向に回動可能で、ばね26の付勢力に基づく所望の接地圧をもって圃場面に接地して整地作業をする。
【0026】
さらに、整地体4を機体2に対して水平状の持上状態(板状の整地体4が水平面に略沿った水平姿勢となるハイリフト状態)に固定するためのストッパ装置であるストッパ体30が回動部材18の外周側に脱着可能に取り付けられている。
【0027】
ストッパ体30は、連結ロッド5のピン用孔(図示せず)および回動部材18のピン用孔18bに挿入されその連結ロッド5の回動部材18に対する移動(摺動)を規制するストッパピン31と、このストッパピン31による移動規制を解除する際に操作される操作レバー32とを有している。
【0028】
そして、耕耘体3および整地体4等のメンテナンスや洗浄をする際には、ストッパ体30を使用して整地体4を水平状の持上状態に固定すればよいが(特許文献1の図1を参照)、整地体4を水平状の持上状態にしたまま耕耘体3で通常作業時よりも深く耕耘作業をする際、つまり整地体持上状態での深耕作業時には、ストッパピン31の損傷を回避するために、図3ないし図5に示すように、ストッパ体30を用いずに、連結ロッド5を使用して整地体4を持上状態に固定する。
【0029】
この場合、ストッパ体30のほか、ばね26,27、ばね受け28,29および回動部材18を取り外す。そして、連結ロッド5の後端部は、その前端部と同じように、軸(止めピン)36および抜止ピン(Rピン)37を用いて、整地体4のロッド連結部17の後端部に脱着可能に取り付ける。
【0030】
具体的には、整地体4を持上状態になるまで機体2に対して軸14を中心として上方に回動させてから、連結ロッド5の後端部に位置する円筒状の筒状部40を、整地体4のロッド連結部17の両対向板19の後端部間に架設された板状の位置決め部材41の側面視略C字状の引掛受け部42に引っ掛けて、整地体4のロッド連結部17の孔44と連結ロッド5の筒状部40の孔45とを互いに対向させる。次いで、互いに対向する両孔44,45に鍔部36aを有する軸36を挿脱可能に挿入し、この挿入した軸36のピン用孔に抜止ピン37を挿脱可能に挿入する。
【0031】
なお、通常の耕耘整地作業をする際には、連結ロッド5の後端部を整地体4のロッド連結部17の後端部から取り外す等して、図1および図2に示すもとの通常状態に戻す。
【0032】
ここで、図1図3および図5等から明らかなように、この農作業機1では、複数本である4本の連結ロッド5のうちの少なくとも1本、すなわち例えば内側の2本が、長さ調整可能なロッド手段であるターンバックル51にて構成され、かつ、残りの外側の2本が長さ調整不能なロッド部材52にて構成されている。
【0033】
そして、整地体4を水平状の持上状態にしたまま耕耘体3で深く耕耘作業をする際には、長手方向に沿って伸縮可能な伸縮部材であるターンバックル51の長さ調整によって整地体4が機体2に対してガタつかないように所定の持上状態に固定される。なお、ターンバックル51は、通常作業時には、ロッド部材52と同じ働きをする。
【0034】
ターンバックル51は、図6に示されるように、互いに螺旋方向が異なる第1ねじ孔部53および第2ねじ孔部54を長手方向両端部に有する回転操作可能な長手状の操作体55と、第1ねじ孔部53に螺着され機体2のロッド連結部20に対して軸21を介して脱着可能な第1取付体56と、第2ねじ孔部54に螺着され整地体4のロッド連結部17に対して軸36を介して脱着可能な第2取付体57とを有している。
【0035】
操作体55は、作業者(操作者)が手で把持して回転操作可能なもので、軸方向両端面が開口した細長い円筒状の筒状部60を有し、この筒状部60の軸方向一端部には第1ナット部61が溶接等により固設され、この筒状部60の軸方向他端部には第2ナット部62が溶接等により固設されている。
【0036】
第1ナット部61の内周側に第1ねじ部である第1ねじ孔部53が形成され、第2ナット部62の内周側に第2ねじ部である第2ねじ孔部54が形成され、これら第1ねじ孔部53および第2ねじ孔部54は互いに螺旋方向が異なっている。つまり、第1ねじ孔部53のねじ溝の螺旋方向と、第2ねじ孔部54のねじ溝の螺旋方向とが互いに逆になっている。
【0037】
第1取付体56は、操作体55の前端部の第1ねじ孔部53に螺合されたねじ部であるねじ軸部66と、このねじ軸部66に固設された筒状部67とを有している。ねじ軸部66の外周部には、第1ねじ孔部53のねじ溝と螺合するねじ溝が形成されている。筒状部67には、止めピンである軸21が挿脱可能に挿入される孔23が形成されている。
【0038】
第2取付体57は、操作体55の後端部の第2ねじ孔部54に螺合されたねじ部であるねじ軸部68と、このねじ軸部68に固設された筒状部40とを有している。ねじ軸部68の外周部には、第2ねじ孔部54のねじ溝と螺合するねじ溝が形成されている。筒状部40には、止めピンである軸36が挿脱可能に挿入される孔45が形成されている。
【0039】
そして、操作体55を一方向に回転操作すると、第1取付体56および第2取付体57が互いに離反する方向に移動し、その結果、操作体55の操作に応じてターンバックル51が伸びる。また、操作体55を他方向に回転操作すると、第1取付体56および第2取付体57が互いに接近する方向に移動し、その結果、操作体55の操作に応じてターンバックル51が縮む。
【0040】
一方、ロッド部材52は、図5等に示されるように、前後方向に長手方向を有する細長い棒状部71と、この棒状部71の後端部に固設された筒状部40とを有している。棒状部71の前端部には、止めピンである軸21が挿脱可能に挿入される孔23が形成されている。筒状部40には、止めピンである軸36が挿脱可能に挿入される孔45が形成されている。
【0041】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0042】
整地体フリー状態での通常作業時には、図1および図2に示すように、連結ロッド(ターンバックル51およびロッド部材52)5は、回動部材18の挿通孔18aに摺動可能に挿通された状態で、この回動部材18を介して整地体4を支持している。このため、整地体4は、機体2に対して上下方向に回動可能となっている。
【0043】
そして、トラクタの走行により農作業機1が圃場を前方に移動すると、耕耘体3が耕耘作業を行い、この耕耘体3の後方で整地体4が整地作業を行う。
【0044】
また、整地体持上状態での深耕作業時には、図3ないし図5に示すように、連結ロッド(ターンバックル51およびロッド部材52)5は、整地体4を固定的に支持して所定の持上状態に保持している。
【0045】
つまり、ターンバックル51の前端部の第1取付体56が機体2のロッド連結部20に軸21を介して取り付けられ、かつ、ターンバックル51の後端部の第2取付体57が整地体4のロッド連結部17の後端部に軸36を介して取り付けられている。同様に、ロッド部材52の前端部が機体2のロッド連結部20に軸21を介して取り付けられ、かつ、ロッド部材52の後端部が整地体4のロッド連結部17の後端部に軸36を介して取り付けられている。
【0046】
また、操作体55の回転操作によるターンバックル51の縮み動作により、整地体4が若干たわみ変形するとともに、このターンバックル51の長さ調整によって整地体4が機体2に対してガタつかないように持上状態に固定されている。
【0047】
なお、操作体55を反対方向に回転操作してターンバックル51を伸び動作させた場合であっても、整地体4が機体2に対してガタつかないように持上状態に固定される。
【0048】
そして、トラクタの走行により整地体持上状態の農作業機1が圃場を前方に移動すると、整地体4が連結ロッド5によって持上状態に固定されたまま、耕耘体3が回転して深く耕耘作業を行う。
【0049】
この整地体持上状態での深耕作業の際、耕耘体3が振動するが、連結ロッド5の前端側における孔22,23と軸21との間の隙間や連結ロッド5の後端側における孔44,45と軸36との間の隙間等に起因して整地体4がガタつくようなことはない。
【0050】
そして、このような農作業機1によれば、整地体4を水平状の持上状態にしたまま耕耘体3で通常作業時よりも深く耕耘作業をする際には、ターンバックル51の長さ調整(伸びまたは縮み)によって整地体4が機体2に対して持上状態に固定されるため、各部の孔ガタ等を無くすことができ、よって、整地体持上状態での深耕作業時における整地体4のガタつきを防止でき、騒音を低減できる。
【0051】
また、ターンバックル51の操作体55を回転操作するだけで、整地体4を機体2に対してガタつかないように持上状態に適切に固定でき、整地体4のガタつきを適切に防止できる。
【0052】
なお、上記実施の形態では、4本の連結ロッド5のうちの2本がターンバックル51にて構成された場合について説明したが、例えば4本すべてがターンバックル51である構成や1本のみがターンバックル51である構成等でもよく、ターンバックル51の本数は任意である。
【0053】
また、ターンバックル51の本体である操作体55は、筒状部60の両端部にナット部61,62を溶接等で固設したものには限定されず、例えば棒状部の両端部にねじ孔部を形成したもの等でもよい。
【0054】
さらに、操作体55は、例えば前端部または後端部の回転ハンドル部の操作により回転するもの等でもよい。
【0055】
また、例えば操作体55が互いに螺旋方向が異なる第1ねじ軸部および第2ねじ軸部を有し、第1取付体56が第1ねじ軸部に螺合されたねじ孔部を有し、第2取付体57が第2ねじ軸部に螺合されたねじ孔部を有する構成等でもよい。
【0056】
さらに、例えば操作体55の長手方向中間部に形成した孔部に棒部材を取り付け、この取り付けた棒部材によって操作体55を容易に回転操作できるようにしてもよい。
【0057】
また、長さ調整可能なロッド手段は、ターンバックルには限定されず、他の伸縮部材等からなるものでもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 農作業機
2 機体
3 耕耘体
4 整地体
5 連結ロッド
51 ロッド手段であるターンバックル
53 第1ねじ部である第1ねじ孔部
54 第2ねじ部である第2ねじ孔部
55 操作体
56 第1取付体
57 第2取付体
図1
図2
図3
図4
図5
図6