(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信品質計測処理において、計測すべき周波数チャネル数が第4の所定値以上の場合には計測を実行する周波数チャネルの数を前記第4の所定値未満に減らす手段を有することを特徴とする請求項3に記載の基地局無線通信装置。
計測すべき全周波数チャネルのうち、チャネル番号の小さいほうから順番に、全周波数チャネルを複数のグループに分け、各グループの中から少なくとも1つの周波数チャネルを含むように計測する周波数チャネルを選択する手段を有することを特徴とする請求項5に記載の基地局無線通信装置。
前記通信データ取得処理における通信エラー率を監視し、その通信エラー率が前記第2の閾値未満になると、通信データ取得手順、通信品質データ取得手順および通信制御手順の実行期間を、全て通信品質計測処理の実行期間に割り当て、
第3の所定値以上の統計量が蓄積したと判断できるまで、前記通信品質計測処理を繰り返し、
前記第3の所定値以上の統計量が蓄積されたと判断した場合には、前記通信品質データ取得処理および前記通信制御処理を実行して第1の周波数チャネルから第2の周波数チャネルへの切替、または第1の通信経路から第2の通信経路の切替を行い、通常の手順を繰り返すことを特徴とする請求項10に記載の無線通信方法。
前記通信品質計測処理において、計測すべき周波数チャネル数が第4の所定値以上の場合には計測を実行する周波数チャネルの数を前記第4の所定値未満に減らすことを特徴とする請求項10に記載の無線通信方法。
前記通信品質計測処理において、計測すべき通信経路数が第5の所定値以上の場合には計測を実行する通信経路の数を前記第5の所定値未満に減らすことを特徴とする請求項10に記載の無線通信方法。
前記通信品質計測処理において、無線通信システム内の1ホップで接続可能な他の複数の無線通信装置に対して通信品質計測用パケットを送受信することで通信疎通率、電波受信強度を含む通信品質情報を測定する手段を有し、
前記通信制御処理において前記受信した通信疎通率および電波受信強度に基づいて、前記複数の無線通信装置の第1の周波数チャネルから第2の周波数チャネルへの切替、第1の通信経路から第2の通信経路への切替、または切替不要の判断することを特徴とする請求項15に記載のマルチホップ無線通信システム。
基地局無線通信装置、複数の無線通信中継局および複数の無線通信端末を有し、前記基地局無線通信装置が、前記基地局無線通信装置、複数の無線通信中継局および複数の無線通信端末における通信処理を制御する無線通信システムであって、
前記複数の無線通信装置の通信、前記複数の無線通信装置同士の通信を実行するための通信経路、周波数チャネル、通信タイミングおよび通信品質の情報を格納するためのメモリと、
時分割多重アクセスを実行し、通信を制御するプロセッサとを有し、
前記プロセッサは、データ取得タイミングと次のデータ取得タイミングとの間の期間を1サイクルとして、前記1サイクル毎に、
(a)前記複数の無線通信装置から通信データを取得するための通信データ取得処理と、
(b)前記複数の無線通信装置における通信品質を計測するための通信品質計測処理と、
(c)前記複数の無線通信装置において計測されたそれぞれの通信品質データを取得するための通信品質データ取得処理と、
(d)前記通信品質データ取得処理によって取得した前記通信品質データに基づいて、通信周波数チャネルまたは通信経路を変更する通信制御処理とを、
前記各処理に各々設定された所定の制限時間内で実行する手段を有し、
前記通信データ取得処理において、
前記基地局無線通信装置は前記複数の無線通信端末に対してデータ取得要求を送信し、
前記複数の無線通信装置は前記データ取得要求信号を前記複数の無線通信中継局を中継して受信し、
前記複数の無線通信装置は前記データ取得要求信号の受信に応答して通信データを前記基地局無線通信装置に送信し、
前記通信品質計測処理において、各無線通信装置は1ホップで接続可能な他の複数の無線通信装置に対して通信品質計測用パケットを全周波数チャネルおよび全通信経路に対し受信することで通信疎通率や電波受信強度を含む通信品質情報を計測する手段を有し、
前記通信制御処理において、前記各無線通信装置は、計測した前記通信品質データに基づいて前記各無線通信装置は自身の設定について、第1の周波数チャネルから第2の周波数チャネルへの切替、第1の通信経路から第2の通信経路への切替、または切替不要の判断を行い、切替対象となるテーブルの情報を書換えることを特徴とする無線通信システム。
無線通信ネットワーク内の通信経路内の全無線端末間における通信疎通率または通信エラー率を無線通信ネットワーク内の無線機がそれぞれ計測し、無線基地局が前記全通信路の通信疎通率または通信エラー率情報を収集し、収集結果を用いて送信元から送信先までの複数ある通信周波数チャネルおよび通信経路ごとの通信エラー率と伝送遅延時間をそれぞれ計算し、計算結果に基づいて通信エラー率と伝送遅延時間を最小にする通信周波数チャネルまたは通信経路を選択することを特徴とする請求項18に記載の無線通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0018】
更に、本発明の実施例は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。
【0019】
なお、以後の説明では「テーブル」形式によって本発明の各情報について説明するが、これら情報は必ずしもテーブルによるデータ構造で表現されていなくても良く、リスト、DB、キュー等のデータ構造やそれ以外で表現されていても良い。そのため、データ構造に依存しないことを示すために「テーブル」、「リスト」、「DB」、「キュー」等について単に「情報」と呼ぶことがある。
【0020】
以下では、「制御部(プロセッサということもできる)」を主語(動作主体)として本発明の実施形態における各処理について説明を行うことがあるが、プロセッサはメモリ及び通信ポート(通信制御装置)を用いながら所定の処理(フローチャートに対応するプログラム)を実行するため、各処理(プログラム)を主語とした説明としてもよい。
【実施例1】
【0021】
<マルチホップ無線通信システムの概要>
図1は、実施例1に係るアドホックネットワークにおけるマルチホップ無線通信システムの概要を示す図である。
【0022】
当該マルチホップ無線通信システムは、データ要求コマンドを送信する基地局1と、データ要求コマンドに応じてデータ送信を行う端末100A乃至Cと、データ要求コマンド及びデータを端末100A乃至C及び基地局1に中継する中継局10A乃至Dと、を有している。
【0023】
ここでは説明の一般化のために、中継局及び端末の数をそれぞれ4台及び3台としているが、構成する各機器の台数に制限はない。また、マルチホップ数に関しても制限はない。本発明の実施形態では、説明の重複を避けるために基地局1の端末100宛のデータ要求に対し中継局10は中継器として機能し、受信した端末100はデータ中継局10を介して基地局1に伝送するを例を示しているが、端末100が自律的に中継局10を介して基地局1にデータを転送するマルチホップ無線通信システムであってもよい。
【0024】
<無線局(基地局、中継局)の概略構成>
図2は、基地局(或いはゲートウェイ装置とも言う)1、中継局(或いはルーター装置とも言う)10、および端末(或いは端末局、端局、端末装置とも言う)100の概略構成例を示す図である。アンテナ101と、送受信器102と、制御部(プロセッサ)103と、通信経路テーブル104と、周波数チャネルテーブル105と、通信タイミングテーブル106と、通信品質情報テーブル107と、外部装置インターフェース(I/F)108とを有する。
【0025】
制御部(プロセッサ)103は、通信品質管理及びパケット送受信管理を行い、パケット生成タイミングになると、端末100宛にデータ要求パケットを生成する。
【0026】
そして、制御部103は、通信タイミングテーブル106に記述されたタイミングに従って、周波数チャネルテーブル105に記載の周波数を用い、通信経路テーブル104に記述されている宛先に対するパケットとして送受信機102及びアンテナ101を介して無線送信する。
【0027】
なお、ここで、通信タイミングテーブル106は、
図10乃至
図12のような複数のタイムスロットから構成されるスーパーフレームという通信の周期単位を示す情報である。また、後述する通信経路テーブル104、周波数チャネルテーブル105、通信タイミングテーブル106、及び通信品質情報テーブル107は、制御部103により書き換えることができる。さらに制御部103は通信品質情報テーブル107に基づき、後述する通信経路テーブル104や周波数チャネルテーブル105、通信タイミングテーブル106の変更/書き換え内容を決定することができる。
【0028】
さらに、制御部103は、外部装置IF108を介して、PC等の外部装置に対して、データを送受信したり、外部装置から自身(制御部103)および各テーブル104乃至107のパラメータ/設定値を書き換えたりすることができる。
【0029】
<端末の概略構成>
図3は、端末100A乃至Cの概略構成例を示す図である。端末100A乃至Cはそれぞれ、アンテナ201と、送受信機202と、制御部(プロセッサ)203と、通信経路テーブル204と、周波数チャネルテーブル205と、通信タイミングテーブル206と、通信品質情報テーブル207と、センサインターフェース(IF)208と、センサ209と、を有する。センサ(画像センサ(CCD等)、温度センサ、湿度センサ、角速度センサ、加速度センサ等)209よって取得されたセンサデータは、センサIF208を介して制御部203に入力される。
【0030】
制御部203は、アンテナ201及び送受信機202より、基地局1からのデータ要求コマンドを受信すると、後述の通信経路テーブル204、周波数チャネルテーブル205、及び通信タイミングテーブル206を参照し、パケットを送受信機202及びアンテナ201を介して、基地局1宛てに送信する。
【0031】
なお、制御部203は、アンテナ201及び送受信機202が受信する基地局1からの各種切替コマンドに応答して、通信経路テーブル204、周波数チャネルテーブル205、及び通信タイミングテーブル206を書き換えることができるようになっている。
【0032】
<通信経路テーブルの構成>
図4乃至
図6は、それぞれ基地局1、中継器10、および端末100が保持する通信経路テーブル104および204の構成例を示す図である。通信経路テーブル104および204は、パケットの宛先と転送先の情報を保持している。パケットの宛先は、所望のパケットを伝送する最終目的地(無線局)のアドレス情報を示し、パケットの転送先は、当該所望のパケットを直接伝送する先(無線局)のアドレス情報を示している。転送先に伝送されたパケットは、そこを経由して最終目的地である宛先に伝送される。
【0033】
当該テーブルを保持する無線局は、宛先から次に送信すべき転送先を判断し、転送先宛にパケット送信することで正しい経路で宛先へパケットを伝送することができるようになっている。
【0034】
図4乃至
図6の例では、基地局1から端末100A宛てのパケットは1→10A→100A、100B宛てのパケットは1→10B→10C→100B、100C宛てのパケットは1→10D→100Cと伝送されるようになっており、各端末100から1宛てのパケットは上記経路の逆で伝送される例を示している。
【0035】
<周波数チャネルテーブルの構成>
図7乃至
図9は、周波数チャネルテーブル105及び205の構成例を示す図である。周波数チャネルテーブル105及び205は、通信先との通信に用いるチャネル番号の情報を保持しており、このチャネル番号の情報は、後述のように基地局1または自端末(中継器10、端末100)によって適宜書き換えられるようになっている。
【0036】
周波数チャネルテーブル105及び205には、下り通信(基地局1から端末100へ向かう方向)と上り通信(端末100から基地局1へ向かう方向)ごとに送受信先と使用する周波数ch(チャネル)が記載されており、各無線局は、送信先或いは受信先との間で設定された周波数チャネルで送受信を行う。
【0037】
図7乃至
図9の例では、1→10A→100Aの経路では周波数チャネル#1、1→10B→10C→100Bの経路では周波数チャネル#2、1→10D→100Cの経路では周波数チャネル#3を使用するように記載されている。
【0038】
<通信タイミングテーブルの構成>
図10乃至
図12は、通信タイミングテーブル106及び206の構成例を示す図である。通信タイミングテーブル106及び206は、タイムスロット番号と、送信先と、受信先と、を構成情報として含んでおり、送受信の繰り返し単位を表している。
【0039】
図10乃至
図12のような複数のタイムスロットから構成され、送受信の繰り返し単位となる通信フレームのことをスーパーフレームという。各無線局は
図10乃至
図12の通信タイミングテーブルに記載のタイムスロットにて、記載された送信先または受信先に対しパケットを送信または受信することで通信を行う。
【0040】
なお、図の例ではタイムスロット#1−#4にて基地局1から端末100Aに対しデータ要求パケットを送信し、それに応じて端末100Aが基地局1に対しデータを送信するまでの通信が行われ、同様にタイムスロット#5乃至#10では基地局1⇔端末100Bの通信、#11乃至#14では基地局1⇔端末100Dの通信が行われる。
【0041】
なお、タイムスロット長は通信周波数帯(例えば、400MHz帯、900MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯)によって物理的な原因で異なるが、数[ms]から数100[ms]を想定している。タイムスロット#15―20は優先経路での通信(
図4−6に記載の経路)では使用しないが、代替経路に切替える必要が生じた場合に使用するタイムスロットである。
【0042】
<メッセージ送受信処理>
図13は、基地局1、中継局10及び端末100の間で実行されるメッセージ送受信処理を説明するための通信シーケンスフローである。
【0043】
基地局1は、端末100宛データ要求を中継局10に送信する(1301、1303、1306)。100宛データ要求を受信した中継局10は、通信経路テーブル104に従い、端末100宛データ要求を送信する(1302、1304、1305、1307)。端末100宛データ要求を受信した端末100は、基地局1宛にセンサデータを送信する(1331、1333、1336)。端末100からデータを受信した中継局10は、基地局1宛に当該センサデータを中継する(1332、1334、1335、1337)。
【0044】
各データ要求(1301乃至1307)及びセンサデータ(1331乃至1337)を受信した無線局は、その都度応答(Ack)を当該要求やセンサデータの送信元に対して返信する(1311乃至1324)。各無線局は、Ackを受信することにより、制御部103及び203から当該パケットを消去する。
【0045】
このように、基地局1が、中継局10を介して宛先端末100と通信することにより、より遠くの無線局にアクセスしてデータを取得することができるようになる。さらに複数の中継局を中継して、宛先端末にアクセスするようにしても良い。
【0046】
<通信内容の時間別構成>
図14は、本発明によるマルチホップ通信内容の時間別構成を示す図である。当該マルチホップ通信では、アプリケーションに応じたデータ取得周期(サイクル)に合わせて周期的通信フレーム1405を4つに分け、それぞれ通信データ取得手順1401、通信品質計測手順1402、通信品質データ取得手順1403、通信制御手順1404としている。
【0047】
そして、基地局1と、中継局10及び端末100はそれぞれ時刻同期を取り、協動しながら1回のデータ取得タイミングにおいて、これらの手順を1セットの処理として連続的に実行するようにしている。しかも、各手順の実行時間(制限時間)はT[s]に制限されている。
【0048】
なお、この実行時間Tは、可変時間として設定しても良い。
【0049】
つまり、各手順に対して異なる実行時間を設定しても良いし、処理開始時は各手順で同一の実行時間を設定しておき、データの取得状況に応じて(取得や処理が進んでいる手順は短く設定し、取得や処理が遅れている手順には長い時間を割り当てる)可変制御するようにしても良い。
【0050】
ただし、この場合でも4つの手順の実行時間の合計は一定(4T)に保つことが望ましい。
【0051】
また、通信品質データ取得手順1403および通信制御手順1404を定められたサイクル数ごと(例えば、数10サイクル)に一度実行し通信品質データを十分に蓄積してもよい。この場合は通信品質データ取得手順1403および通信制御手順1404を実行しないサイクルでは、たとえば通信データ取得手順1401にT[s]を、残りの3T[s]をすべて通信品質計測手順1402に割り当てるなどして通信品質データの精度を上げることができる。
【0052】
また、通信品質データ取得手順1403の実行直後(通信制御手順1404の直前)に各無線局は、通信品質データをメモリから削除することで初期化する。これにより任意の期間における電波状況から通信チャネルを設定できる。
【0053】
なお、各手順における無線通信内容は
図13のデータ要求/データ送信のシーケンスと同様のシーケンスにて、基地局1からの通信種別(データ要求、通信品質パケット、品質データ要求、周波数チャネル/通信経路制御パケット)に依存して決定される。または、基地局1、中継局100、および端末100は時刻同期を取っているので、各無線局の制御部103および203内で時刻管理を行い、定められた時刻に各通信手順(1401乃至1404)の開始/終了を制御するようにしてもよい。
【0054】
通信データ取得手順1401では、主に
図13シーケンスに従ったセンサデータ等の送受信が行われる。通信品質計測手順1402では、通信品質測定用パケットを全通信経路で送受信させることにより、各周波数チャネルでの通信品質情報(通信疎通(PER:Packet Error Rate)、受信電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)など)を各通信路/無線局ごとに測定する。通信品質データ取得手順1403では、各無線局が測定した通信品質データを基地局1が通信品質データ要求を送信することにより収集する。
【0055】
各無線局が自律的に周波数チャネル/通信経路を決定する場合は、通信品質データ取得手順は省略してもよい。通信制御手順1404では、基地局1が通信品質データ取得手順1403で取得した通信品質情報を基に、通信品質が劣悪な通信経路または周波数チャネルを判断し、該当する通信経路または周波数チャネルを切り替えるべく、通信経路テーブル(104、204)または周波数チャネルテーブル(105、205)の変更指示を無線パケットで伝送する。
【0056】
各無線局が自律的に周波数チャネル/通信経路を決定する場合は、通信品質が劣悪と判断した通信経路の各無線局間(1:1)で通信経路テーブル(104、204)または周波数チャネルテーブル(105、205)の変更指示のやりとりを行う。
【0057】
上述のように、各手順には制限時間Tが設けられている。これにより、各手順が終了していなくとも次の手順に進むため、各手順の遅延が他の手順の遅延に影響を及ぼさなくなるため、周期的に安定したデータ取得実行が可能になる。
【0058】
ここで、Tの値は一例として数秒〜数10秒程度(14sなど)を想定しており、
図10乃至
図12のスーパーフレームのタイムスケールの例である1.4sに比べて大きな値であり、時間T内に10個程度のスーパーフレームが格納されることを想定している。
【0059】
<通信品質計測手順>
通信品質計測手順1402では、基地局1からのポーリングと端末100の基地局1への返信を行う中で、通信品質計測用パケットを全通信経路および全周波数チャネルに渡って送受信し、各無線局は
図15乃至
図18に示す通信品質情報テーブル(107、207)を得る。
【0060】
通信品質情報テーブル(107、207)はテーブルを保持している無線局ID、通信品質計測用パケットの通信先、周波数チャネル番号、通信品質計測用パケットによる通信疎通率[%]、および受信電波強度(RSSI)[dBm]からなる。
【0061】
ここで通信疎通率とは、通信品質計測用パケットでの通信回数に対する応答受信回数の割合ことである。疎通がなかった場合および通信品質データを回収できなかった分は、通信疎通率は0[%]となり、RSSIの値は空欄となる。後述するが、本手順はあらかじめ設定された手順で動作し、計測のための通信経路テーブル(104、204)の変更および周波数チャネルテーブル(105、205)の変更は基地局1、中継局10および端末100間の時刻同期を前提として、各無線局間で協調的に行われる。また、通信シーケンス自体は各種テーブル(104乃至107、204乃至107)および
図13に従って行う。
【0062】
なお、通常は通信品質計測手順(1402)では制限時間(T)が過ぎると、十分な統計データが蓄積されたか否かを基地局1の制御部103で判断し、統計データが十分でなくても強制的に次の手順(通信品質データ取得手順1403)に移行する。
【0063】
統計データの十分性は制御部103にて通信品質計測用パケットの発行回数が一定値以上に達したか否かで判断する。高品質計測が十分でない部分については、次の周期的通信フレーム移行で順次補足し、制御部103が十分な統計量が蓄積されたと判断するまでは、通信品質データ取得手順1403および通信制御手順1404には移行しない。その場合は、通信品質データ取得手順1403および通信制御手順1404を実行する予定であった期間については、通信データ取得手順1401を実行するように基地局1の制御部103をプログラムしてもよいし、休止期間としてプログラムしても良い。十分な統計量に達すると、通信品質データ取得手順1403、通信制御手順1404を実行する。
【0064】
<通信データ取得/通信品質データ取得/通信制御手順>
通信データ取得手順1401、通信品質データ取得手順1403、および通信制御手順1404は通信シーケンス自体には差がなく、各種テーブル(104乃至107、204乃至207)および
図13に従って行う。基地局1からの通信要求種別(データ要求、通信品質データ要求、および通信制御要求)の区別により、異なる手順として分類される。
【実施例2】
【0065】
実施例2では、通信品質データ取得手順1403にて基地局1が取得する全無線局の通信経路および周波数チャネル情報(
図15乃至
図18)から、通信制御手順1404にて、干渉波による通信障害と障害物による通信障害を区別可能な方法で、品質の劣悪な通信経路または周波数チャネルを良品質なものに切替える。
<周波数チャネル/通信経路切替の選択アルゴリズム>
通信品質データ取得手順1403にて基地局1が取得した通信品質データ(
図15乃至
図18)をもとに基地局1の制御部103で、
図19に示す切替対象選択フローに従うアルゴリズムで通信経路の切替、周波数チャネルの切替、または切替なしを選択する。
【0066】
切替対象選択フローにより、目的端末100までの経路を複数持つ無線局(基地局1または中継局10)に対しては通信経路切替または周波数チャネル切替のうち最適な切替方法が提供され、複数の経路を持たない場合は、周波数チャネル切替を実行する。また、通信品質が十分であると判断された場合には、切替なしが選択される。
【0067】
図19の切替対象選択フローについて説明する。
図19のフローは基地局1(または中継局10、端末100)の制御部103にて実行され、通信品質データ(
図15乃至
図18)を基に無線機IDごとに実行される。例えば、基地局1では
図15乃至
図18の通信品質データを全て保持しており、
図15に示す基地局1自身の通信品質情報テーブルについての切替対象選択フロー(
図19)が終了すると、次に
図16に示す中継局10Aの通信品質情報テーブルについての切替対象選択フロー(
図19)に移行する。これを順次全ての無線機IDについて実行する。
【0068】
各無線機IDの通信品質情報テーブルについての切替対象選択フロー(
図19)について説明する。通信品質データ取得手順1403が完了すると現行の通信経路および周波数チャネルの通信疎通率(n[%]:
図15乃至
図18の通信品質データ)がある閾値x[%]以上であるかどうかを判定する(S1901)。
【0069】
x[%]は通信疎通率の良/不良を判定する閾値であり、例えば95%等の値を設定する。
【0070】
S1901にて「n ≧ x」であった場合、十分に品質の良い無線通信が可能として切替なし(S1902)とする。一方「n < x」であった場合には、代替経路があるか否かでフローが異なる(S1903)。
【0071】
代替経路がある、すなわち
図15乃至
図18において当該無線機IDに対し複数の通信先が記載されている場合にはS1904のフローへ移行する。
【0072】
代替経路が存在しない場合には、現行経路の周波数チャネルで通信疎通率n[%]以上のチャネルがあるか否かをチェックし(S1905)、ない場合は切替なし(S1902)、ある場合は現行経路内でのチャネル切替(S1907)を実施する。S1903のフローで代替経路が存在する場合には、まず現行経路内の周波数チャネルのうち疎通無チャネル数の割合を算出し、ある閾値m[%]以下であれば通信障害の原因は干渉波と判断し、前述のS1905の判定を行った後、切替なし(S1902)またはチャネル切替(S1907)を実施する。
【0073】
ここで、疎通無とは疎通率がy[%]以下の状態のことと定義する。mおよびyの値は例えばそれぞれ70[%]、20[%]等の値である。一方、S1904にて疎通無チャネル数の割合がm以上であった場合は周波数チャネルがほとんど使えない状況になっていることを意味し、その原因は障害物もしくは無線機間の距離の増大によるものと判断し、代替経路についても同様に疎通無チャネル数の割合をチェックする(S1906)。
【0074】
ここで、疎通無チャネルの割合がmより大きければ、代替経路も障害物等により遮断されていると判断し、経路の切替は行わず、S1905の判定を経て切替なし(S1902)またはチャネル切替(S1907)を実施する。一方で、疎通無チャネルの割合がm以下であれば代替経路に切替えるメリットがあると判断し、通信経路切替(S1908)を実施する。
【0075】
ここで、現行経路とあるが本システムには基地局1から宛先端末100最小ホップ数で通信できる経路を予めデフォルト経路として通信経路テーブル(
図4−6)に記載しておき、順次これを書換えながら通信を行う。
<周波数チャネル/通信経路切替の選択アルゴリズムの効果例>
周波数チャネル/通信経路切替の選択アルゴリズムの効果について例を挙げて説明する。
【0076】
図20には基地局1から端末100Aへの通信を例示しており、基地局1と中継局10Aの間の経路に干渉波が発生したことにより、基地局1が通信品質データ取得手順1403で取得する基地局1→中継局10A、および基地局1→中継局10Bの通信品質データは
図21のように、基地局1→中継局10Aの経路のch1の通信疎通率が劣悪になっている。
【0077】
現行経路は、
図7の周波数チャネルテーブルに従いデフォルト経路すなわち中継局10Aを経由する経路をch1で通信しているとし、
図19にてx = 80[%]、y = 20[%]、m = 70[%]に設定したとすると、経路を切替えずに
図22に示すように基地局1および中継局10Aの周波数チャネルテーブルを書き換える(書換え前は
図7、8)ことにより周波数チャネルをch2に切替える(S1907)ことになる。
【0078】
本アルゴリズムを用いることにより、優先経路に通信障害が発生した場合、ホップ数の多い代替経路(基地局→中継局10B…)内に通信疎通率が100%の周波数チャネルが存在していたとしても、ホップ数の少ない優先経路内で、ある程度の疎通率の周波数チャネルを用いて通信することで、経路切替を選択した時の通信遅延の増加を回避している。本アルゴリズムは通信障害が発生した時、極力通信経路は切替えずに周波数チャネルを切替えることで通信品質を維持しようとする。
【0079】
図23には
図20と同様に基地局1から端末100Aへの通信を例示しており、基地局1と中継局10Aの間の経路に障害物が出現したことにより、基地局1が通信品質データ取得手順1403で取得する基地局1→中継局10A、および基地局1→中継局10Bの通信品質データは
図24のように、基地局1→中継局10Aの経路の通信疎通率が全周波数チャネルに渡り劣悪になっている。
【0080】
現行経路は、デフォルト経路すなわち中継局10Aを経由する経路をch1で通信しているとし、
図19にてx = 80[%]、y = 20[%]、m = 70[%]に設定したとすると、基地局1→中継局10Aの経路は障害物が発生したと判断し、優先経路(基地局1→中継局10A)をあきらめ、代替経路(基地局1→中継局10B)のch2or3での通信に切替える。具体的には、例えば基地局1および端末100Aの通信経路テーブル(
図4、6)を
図25のように書換えることにより、代替経路での通信が可能となる。
【0081】
本アルゴリズムでは通信障害が発生した場合に、優先経路(ホップ数が最小の経路)における周波数チャネル切替を最優先に行うが、優先経路の通信品質が著しく劣悪な場合には通信経路を切替えることで、基地局1と目的端末100との通信を維持する。
<通信制御手順のシーケンスフロー>
通信制御手順1404における通信フローを上記
図20−22および
図23−25の例の場合について説明する。
【0082】
図26に周波数チャネル切替が発生した場合の通信制御手順のフロー(a)および、通信経路切替が発生した場合の通信制御手順のフロー(b)を示す。
【0083】
周波数チャネルの場合は、
図10の通信タイミングテーブルの通信タイミングで中継局10Aに対し周波数チャネルテーブル変更要求(2701)を送信し、受信した中継局10Aは応答(2711)を返した後、周波数チャネルテーブルを
図22のように書き換える。
【0084】
基地局1は応答(2711)を受信して初めて自身の周波数チャネルテーブルを
図22のように書き換える。応答(2711)がない場合には、変更要求が届かなかったと判断し、書換えをキャンセルする。中継局10Aでは変更要求受信後、応答(2711)を返した後に周波数チャネルテーブルを書き換えることにより、応答(2711)が変更後の周波数チャネルで送信されてしまうことを回避できる。
【0085】
通信経路切替が発生した場合(
図26(b))には、基地局1は端末100Aに対し、切替前の経路で通信経路テーブル変更要求(2702、2703)を送信する。基地局1は中継局10Aからの応答(2712)を受信したら通信経路テーブルを
図4から
図25(1)のように書き換える。端末100Aは通信経路テーブル変更要求2703を受信したら、
図6から
図25(100A)のように通信経路テーブルを書き換える。これにより、通信経路を切替えることができる。
【0086】
通信制御手順1404での変更内容は、通信制御手順1404の期間の終了直前に敵意要されるものとし、それ以前は切替前のテーブルを用いる。
【実施例3】
【0087】
実施例4では、基地局1の制御部103にて通信データ取得手順1401における通信エラー率(端末100へのデータ要求パケット発行回数に対する回収データ数の割合)を監視し、一定の閾値(例えば50%)以下になると、
図14の通信データ取得手順(1401)、通信品質データ取得手順(1403)および通信制御手順(1404)の期間を、全て通信品質計測手順1402実行期間に割り当て、基地局1の制御部103が十分な統計量が蓄積したと判断する(すなわち、通信品質計測用パケット発行回数が一定値以上に達する)まで、通信品質計測手順1402を繰り返すように制御部103をプログラムする。
【0088】
十分な統計量が蓄積されたと制御部103が判断すると、通信品質データ取得手順1403および通信制御手順1404を実行して高速スキャンモードから脱出する。
【0089】
この高速スキャン方式により、通信エラー率が高くシステム維持に支障が発生するような場合に、通信障害復旧を最優先したオペレーションが可能になり、最短時間で通信障害から復旧することが可能になる。
【実施例4】
【0090】
実施例4は、通信品質計測手順1402にて全周波数チャネルおよび全通信経路について通信品質を計測する際、対象となる周波数チャネル数が一定数(例えば20チャネル)以上の場合には通信品質計測(スキャン)対象の周波数チャネル数を削減するように基地局1の制御部103にプログラムする。
【0091】
図27に周波数チャネルの削減例を示す。
図27の例ではスキャンする周波数チャネルを3ch置きに設定することにより、スキャン時間を1/3に短縮することが可能である。
【0092】
これより通信品質計測手順に要する時間を短縮することができ、短時間で通信障害から復旧することが可能になる。
【0093】
周波数チャネル数を削減したことにより、全周波数をスキャンすることができないため干渉波および障害物に対する感度は低下するが、
図27のように通信周波数帯域全体をカバーできるようにスキャンする周波数チャネルを設定することにより、そのリスクを最小限に抑えることが可能である。
【実施例5】
【0094】
実施例5は、通信経路または周波数チャネルの切替の選択アルゴリズム
図19を基地局1ではなく中継局10および端末100が自律的に実行し、当該中継局10および端末100の保持する通信経路テーブル(104、204)または周波数チャネルテーブル(105、205)を自身で書き換えることにより、自立分散的に周波数チャネル切替および通信経路切替を実行することにより、周波数チャネルや通信経路を変更するための制御パケットの削減を図ることができ、通信オーバーヘッドの削減が可能である。
【0095】
本実施例では
図14における通信品質データ取得手順1403は存在せず、周期的通信フレーム1405は、通信データ取得手順1401、通信品質計測手順1402および通信制御手順1404で構成される。
【0096】
通信品質計測手順1402では各無線局はこの期間の間に可能な限り隣接無線局との間の無線通信を全周波数チャネルにて実施することにより、通信疎通率および受信電波強度を取得する。取得した通信疎通率および受信電波強度情報から
図19のアルゴリズムを各無線局制御部(103、203)で実行し、周波数チャネル切替または通信経路切替の判断を行う。
【0097】
通信制御手順1404では、中継局10および端末100は自身の通信経路テーブル(104、204)または周波数チャネルテーブル(105、205)を
図25または
図22のように書き換えるが、周波数チャネルテーブル(105、205)を書き換える際には
図26(a)のフローに従う。
【0098】
なお、デフォルトのテーブルとして前記実施例と同様に
図4−12を各無線局が保持しているものとする。
【0099】
これにより、中継局10および端末100は自立分散的に干渉波や障害物を最適に回避するように周波数チャネル切替および通信経路切替を実行することが可能になる。
【0100】
さらに周波数チャネルや通信経路を変更するための制御パケットの削減を図ることができ、通信オーバーヘッドの削減が可能である。
【実施例6】
【0101】
実施例6では、説明の簡略化のため
図28に示すような無線ネットワークを用いて説明する。基地局1から端末100への無線通信を行う際に、通信経路に電波干渉または障害物などによる通信障害が発生した場合に基地局が通信周波数切替または通信経路切替のうち最適な方を選択して通信手段の切替を行う方法を提示する。具体的には
図28で、通信の初期は有線経路による通信が行われているものとし、通信障害が発生した場合、優先経路(1ホップ)内で通信周波数を変更するか、または基地局1から端末100へ通信する通信経路2通りのうち代替経路(4ホップ)へ切り替えるか、の判断基準を提供する。
実施例1の通信品質データ取得手順にて、基地局1は無線ネットワーク内の全端末の間の通信疎通率を取得し、取得した通信疎通率に基づいて、
図29に示すフローチャートに基づいて優先経路内の周波数チャネルを切り替える(S2904)か、代替経路に切り替える(S2905)かを決定する。まず、通信疎通率から代替経路の伝送遅延時間と優先経路の伝送遅延時間を計算する(S2901, S2902)。1−通信疎通率(通信エラー率)がある値(例えば10
-4)となる遅延時間を優先経路ではtp、代替経路ではtaと定義すると、tp < taとなる周波数チャネルが優先経路内の通信路Aに存在する場合には周波数チャネルの切替を選択し(S2904)、存在しない場合には代替経路への切り替えを選択する(S2905)。
下記前提条件のもと、優先経路と代替経路の通信エラー率と伝送遅延時間の関係を計算した結果を
図30に示す。通信路Aの通信エラー率が0.5以下である周波数チャネルが通信路Aに存在すれば、代替経路で通信を行うよりも通信品質が良くなることが期待されるため、実施例1の通信制御手順にて優先経路の通信路Aの周波数チャネルを切り替える。存在しない場合には代替経路に切り替える。
・前提条件
(1)通信路B-Gではどの周波数チャネルでも通信エラー率=一定(=0.1)。
(2)通信路Aのみ干渉波や障害物による通信エラー率の変動あり。
(3)通信路Aの通信エラー率をPa(変数)と表記。
(4) 1通信路あたりの通信時間は100ms(例)。
(その他)
(i)本発明による通信システムは、発電所、ビル、工場(各サイト)、家庭等内のデータ等の監視および制御を実現するために適用される。基地局は端末(複数の無線通信装置)からデータ(例えば、各サイトに設置されたセンサデータ)を受信し、そのデータを基に各サイトにおける装置等の状態を監視し必要に応じて制御を実施する。
【0102】
本発明によれば、通信環境の変化に追従して通信設定を変化させながら低遅延な無線通信を提供することができる。それにより産業用途として要求される高度な信頼性要求に応え、設置コストの低減、工期短縮、柔軟なシステムの構築を実現することができる。
(ii)本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。
【0103】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0104】
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
【0105】
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
【0106】
最後に、ここで述べたプロセス及び技術は本質的に如何なる特定の装置に関連することはなく、コンポーネントの如何なる相応しい組み合わせによってでも実装できることを理解する必要がある。更に、汎用目的の多様なタイプのデバイスがここで記述した教授に従って使用可能である。ここで述べた方法のステップを実行するのに、専用の装置を構築するのが有益であることが判るかもしれない。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
【0107】
例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本発明は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点に於いて限定の為ではなく説明の為である。本分野にスキルのある者には、本発明を実施するのに相応しいハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアの多数の組み合わせがあることが解るであろう。例えば、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0108】
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
【0109】
加えて、本技術分野の通常の知識を有する者には、本発明のその他の実装がここに開示された本発明の明細書及び実施形態の考察から明らかになる。記述された実施形態の多様な態様及び/又はコンポーネントは、データを管理する機能を有するコンピュータ化ストレージシステムに於いて、単独又は如何なる組み合わせでも使用することが出来る。